JPH0871648A - マーキング方法とその装置 - Google Patents

マーキング方法とその装置

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JPH0871648A
JPH0871648A JP20861094A JP20861094A JPH0871648A JP H0871648 A JPH0871648 A JP H0871648A JP 20861094 A JP20861094 A JP 20861094A JP 20861094 A JP20861094 A JP 20861094A JP H0871648 A JPH0871648 A JP H0871648A
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Shigeru Tsuchiya
茂 土屋
Koji Nakamura
幸司 中村
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境を汚染せず、保守が簡単で、しかも安価
に、高速自動制御ラインでのマーキングを可能にするマ
ーキング方法とその装置を得る。 【構成】 水素を含有しまたは含有しない不活性ガスか
らなる雰囲気ガス4中で、金属製の被マーキング材Wと
離間して相対的に平行移動する非消耗式の電極3にアー
クAを発生させ、このアークによって被マーキング材W
に熔痕のマークMを形成する。被マーキング材Wの表面
に雰囲気ガス4を噴射するノズル2と、このノズルと同
軸的に配設された非消耗式の電極3とを有するアーク発
生部1が移動自由であって、位置制御装置に支持されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマーキング方法とその装
置に関するものであり、特に非接触・非消耗式の電極に
アークを発生させて、金属製の被マーキング材にこのア
ークによる熔痕のマークを形成するマーキング方法およ
びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板など、金属製の被マーキング材にマ
ーキングを施す方法として従来から知られているもの
は、鉛筆やサインペンなどのマーカーを用いる方法、塗
料やインクを塗布または噴射する方法、粉体塗料を施し
て焼き付ける方法、化学的腐食方法、フォトリソグラフ
ィ、トーチを用いる方法、刃物などで条痕をつける方
法、レーザマーキングなどである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際の自動制
御ラインに組み込むマーキング方法としては、これらの
いずれにも難点があった。例えばマーカーを用いる方法
はマーカーの消耗交換が激しい上にマークが消えやすく
採用できない。塗料・インクを用いる方法は、高速時に
掠れが起きやすく確実なマーキングが困難であるばかり
でなく、塗布、噴射などの装置の保守が煩雑であり、ま
た作業環境を悪化させる。粉体塗料の焼付けも塗料粉末
の飛散などで環境を汚染する。化学的腐食方法、フォト
リソグラフィはいずれも煩雑な工程を必要とし、また化
学物質の使用による環境問題も発生する。トーチを用い
る方法はマーキング速度が遅い。刃物で条痕をつける方
法は切削工具の消耗が激しく、頻繁な保守が必要で自動
制御化に不向きである。レーザマーキングは高価な設備
を必要とする。本発明は上記の問題を解決するためにな
されたものであり、従ってその目的は、環境を汚染せ
ず、保守が簡単で、しかも安価に、高速自動制御ライン
でのマーキングを可能にするマーキング方法およびその
装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、水素を含
有しまたは含有しない不活性ガスからなる雰囲気ガス中
で、金属製の被マーキング材と離間して相対的に平行移
動する非消耗式の電極にアークを発生させ、このアーク
によって被マーキング材に熔痕のマークを形成するマー
キング方法を提供することによって解決できる。ここに
発生させるアークは、ティグ溶接用アークであるか、ま
たはプラズマアークであることが好ましい。ここに用い
る不活性ガスは、アルゴン、ヘリウム、またはアルゴン
とヘリウムとの混合ガスのいずれかであることが好まし
い。アルゴンとヘリウムとの混合ガスを用いる場合は、
ヘリウムが混合ガスの10容量%以上であることが好ま
しい。雰囲気ガスが水素を含有する場合は、この水素の
含有量が雰囲気ガスの0.1容量%ないし15容量%の
範囲内であることが好ましい。
【0005】電極と被マーキング材との相対的な移動速
度は、5m/min以上とすることが好ましい。また、
マーキングの際の入熱量は、10J/cmないし500
J/cmの範囲内とすることが好ましい。マーキングに
際しては、雰囲気ガスを被マーキング材の表面に噴射し
てこのガスによって気流を形成し、この気流中にアーク
発生用の非消耗式電極を配設することが好ましい。
【0006】本発明はまた、上記の方法でマーキングを
施すために、金属製の被マーキング材の表面に水素を含
有しまたは含有しない不活性ガスからなる雰囲気ガスを
噴射するノズルと、このノズルと同軸的に配設されたア
ーク発生用の非消耗式電極とを有するアーク発生部を具
備したマーキング装置を提供する。このアーク発生部
は、ティグ溶接用のものであるか、またはプラズマアー
ク発生用のものであることが好ましい。アーク発生部
は、アーク電源部およびガス供給源から移動自由に離間
されていることが好ましい。この離間されたアーク発生
部は、位置制御装置に支持されていることが好ましい。
【0007】ここで、ティグ溶接とは、タングステンな
ど消耗しにくい金属を電極とし、不活性ガスの雰囲気中
で電極と金属材との間にアークを発生させ、非接触で行
う溶接であって、溶接技術としては一般に知られている
ものである。またプラズマアークとは、水素を含有しま
たは含有しないアルゴン、ヘリウム、またはアルゴンと
ヘリウムとの混合ガスの噴流中で非消耗式の電極からア
ークを発生させ、このアークによって高温プラズマの噴
流を形成し、この高温プラズマの噴流によって金属材を
部分的に溶融する技術であって、金属材の溶接や切断の
技術としては一般に知られているものである。このプラ
ズマアーク技術には、アークを電極と金属材との間に発
生させる移行式と、アークをガスの噴流中に配設された
電極と対電極との間に発生させ、このアークによって発
現した高温プラズマ噴流のみを金属材に当接させる非移
行式とがあるが、本発明のマーキング方法には、いずれ
の方式も適用することができる。
【0008】
【作用】金属製の被マーキング材は、アークが発生した
部位または高温プラズマの噴流が当接した部位に熔痕が
形成される。アークを発生させながら、または高温プラ
ズマの噴流を当接させながら、マーキング装置のアーク
発生部を被マーキング材の面に沿って相対的に移動させ
れば、その熔痕が線状のマークを形成する。アーク発生
中、電極は不活性ガス雰囲気中にあるので消耗しにく
い。
【0009】以下、実施例によって本発明を更に詳しく
説明する。図1は、発生させるアークがティグ溶接用ア
ークである場合の一実施例におけるアーク発生部1の先
端部分を示している。このアーク発生部1は、先端が開
口したノズル2と、このノズル2と同軸的に配設された
ティグ溶接用の電極3とを有している。このノズル2
は、基部(図示せず)が雰囲気ガスの供給源に接続され
ている。この雰囲気ガスは水素を含有しまたは含有しな
いアルゴン、ヘリウム、またはアルゴンとヘリウムとの
混合ガスからなるものである。この電極3は、ノズル2
の先端部近傍に放電端3aを有していて、その基部(図
示せず)はアーク電源に接続されている。このアーク発
生部1は、アーク電源部および雰囲気ガス供給源からそ
れぞれ電線およびゴムホースを介して移動自由に離間さ
れている。
【0010】このマーキング装置を用いて金属製の被マ
ーキング材Wにマーキングを施すには、まずこのアーク
発生部1の放電端3aを、対電極とされた被マーキング
材Wのマーキング部位Mに適当な距離(アークギャッ
プ)を隔てて対向させ、ノズル2から雰囲気ガス4を連
続的に噴射する。これによって放電端3aと被マーキン
グ材のマーキング部位Mとを含む領域が雰囲気ガスで大
気から遮断される。
【0011】次に電極3と被マーキング材Wとの間に放
電電圧を印加し、アークAを発生させる。雰囲気ガス4
の噴射と放電とを続けながら、電極3と被マーキング材
Wとを、マーク形状に対応して相対的に平行移動させ
る。これによってマーキング部位Mに線状の熔痕が形成
され、この熔痕がマークとなる。この際の電極3と被マ
ーキング材Wとの相対的な移動速度は5m/min以上
とする。また、この際のアークの入熱量は、10J/c
mないし500J/cmの範囲内とする。
【0012】ティグ溶接用の電極3は、タングステンな
ど消耗しにくい金属で形成されている上に、アーク放電
中は不活性ガス雰囲気に包まれているから、放電による
放電端3aの消耗が少なく、長期間にわたって保守を要
せずに使用することができる。電極3と被マーキング材
Wとの相対移動速度は5m/min以上とすることによ
って、高速自動制御ライン上でのマーキングに十分対応
できるようになる。また、マーキングの際の入熱量を1
0J/cmないし500J/cmの範囲内とすること
で、上記の相対移動速度において被マーキング材Wの表
面に十分視認し得る熔痕のマークが形成される。この範
囲未満では熔痕が微弱でマークとして視認し得ない場合
があり、この範囲を越えると、熔痕が被マーキング材W
の内部まで深く侵食してピットを形成したり、マークの
線際が不鮮明になるなど、不都合が生じる。このマーキ
ング方法は、化学物質などを用いないので環境を汚染し
ない。このマーキング装置は、一般に用いられているテ
ィグ溶接装置を元にして容易に製造できるから安価であ
る。
【0013】雰囲気ガス4に用いる不活性ガスとして
は、窒素や炭酸ガスなども使用可能であるが、アルゴ
ン、ヘリウム、またはアルゴンとヘリウムとの混合ガス
が好適に使用できる。特にアルミニウム系金属にマーキ
ングを施す場合は、アルゴンとヘリウムとの混合ガスの
使用が好適であり、その混合割合は、ヘリウムが10容
量%以上とすることが好ましい。これによって、一定入
力電圧下での使用電流が少なくて済むことがわかった。
またこの雰囲気ガス4は、水素を0.1容量%ないし1
5容量%の範囲内で含有させると、熱的ピンチ効果によ
って、同じ入力電圧であっても水素を含まない場合に比
べて電流量が少なくて済む。
【0014】電極3は、一般にティグ溶接に用いられて
いるものが使用できる。その材質は通常は純タングステ
ンであるが、これにトリアを混入したものなども非消耗
電極として試みられている。これらのいずれのものも、
本発明のマーキング方法および装置に使用可能である。
電極3の直径は、被マーキング材に付与するマーキング
パターンの要求に応じて変化させることができる。従っ
て特に限定されるものではないが通常は、直径1.0m
mから3.2mm程度のものが用いられる。アーク電圧
は、被マーキング材の材質、アークギャップ、アーク
径、マーキング速度、不活性ガスのイオン化率などに依
存するので特に限定されるものではないが、8ないし1
2V程度が印加される。
【0015】以上、発生させるアークがティグ溶接用ア
ークである場合の実施例について説明したが、アーク発
生部が例えばプラズマアーク発生用のものである場合も
実質的に同様である。図2は、発生させるアークが非移
行型プラズマアークである場合の一実施例におけるアー
ク発生部20の先端部分を示している。このアーク発生
部20は、先端が開口したシールドガス用ノズル21
と、このノズル21と同軸的に配設された拘束ノズル2
2とプラズマアーク用のタングステン電極23とを有し
ている。このシールドガス用ノズル21および拘束ノズ
ル22は、これらの基部(図示せず)が雰囲気ガス24
の供給源に接続されている。この雰囲気ガス24は、プ
ラズマ噴流ガス24aを形成するためと、このプラズマ
噴流を外気から遮断するシールドガス24bを形成する
ためのものであって、不活性ガスまたは水素を含む不活
性ガスが使用される。この雰囲気ガス24は水素を含有
しまたは含有しないアルゴン、ヘリウム、またはアルゴ
ンとヘリウムとの混合ガスからなるものである。
【0016】プラズマアーク用の電極23は、その放電
端23aが拘束ノズル22の開口端22aの内側にあっ
て、この電極23aと拘束ノズル22とが、それぞれプ
ラズマ電源25aおよび高周波発生器25b(以下、プ
ラズマ電源25aおよび高周波発生器25bを総称して
「電源部25」という)の(−)極側と(+)極側に接
続されている。このアーク発生部20は、電源部25お
よび噴流ガス24aとシールドガス24bのそれぞれの
ガス供給源からそれぞれ電線およびゴムホースを介して
移動自由に離間されている。
【0017】このマーキング装置を用いて金属製の被マ
ーキング材Wにマーキングを施すには、まず拘束ノズル
22の先端部22aを被マーキング材Wのマーキング部
位Mに適当な距離を隔てて対向させ、雰囲気ガスをノズ
ル21からシールドガス24bとして、また拘束ノズル
22から噴流ガス24aとしてそれぞれ連続的に噴射す
る。
【0018】次に電極23の先端部23aと拘束ノズル
22の先端部22aとの間に放電電圧を印加し、アーク
を発生させる。拘束ノズルの先端部22aは内部水管2
6で水冷しておく。このアークによって噴流ガス24a
がプラズマ化され、高温のプラズマ噴流となって拘束ノ
ズルの先端部22aから噴出し、その先端が被マーキン
グ材Wのマーキング部位Mに当接する。この状態でアー
ク発生部20と被マーキング材Wとを、マーク形状に対
応して相対的に平行移動させる。これによってマーキン
グ部位Mに線状の熔痕が形成され、この熔痕がマークと
なる。この際の電極3と被マーキング材Wとの相対的な
移動速度は5m/min以上とする。また、この際のア
ークの入熱量は、10J/cmないし500J/cmの
範囲内とする。
【0019】アーク発生部1または20(以下、「アー
ク発生部1」で代表する)は、例えば上記のようにティ
グ溶接用のものであっても、プラズマアーク発生用のも
のであっても、好ましくは移動自由であり、電源部やガ
ス供給源からは、それぞれ電線および可撓性のガス管を
介して離間されている。このように移動自由に離間され
たアーク発生部1を用いれば、被マーキング材の立体的
な、複雑な、または微細な表面へのマーキングも可能と
なる。またこの移動自由に離間されたアーク発生部1を
位置制御装置に取り付ければ、マーキングの位置および
形状の自動制御を行うことができる。
【0020】アーク発生部1(またはアーク発生部2
0)を位置制御装置に取り付けたマーキング装置の一実
施例を図3に示す。図3において、アーク発生部1はX
−Y位置制御装置5に取り付けられ、ライン6上の定位
置に搬送された被マーキング材Wと対向するように配設
される。アーク発生部1の基部から可撓性の電線および
ガス管(双方を回線7で示す)が引き出されて、それぞ
れアーク電源8およびガスボンベ9に接続される。
【0021】このマーキング装置は次のように作動す
る。まず被マーキング材Wがライン6上を搬送され、定
位置に停止する。このときX−Y位置制御装置5が作動
してアーク発生部1を被マーキング材W上の所定の位置
に配置する。アーク電源8のオンオフスイッチと連動し
たガス弁(図示せず)を開いてガスをノズルの開口端か
ら噴射する。次いでアーク電源8をオンにし、これと同
時にX−Y位置制御装置5によってアーク発生部1を所
定の速さで所定のパターンに従って水平移動させる。こ
の間に被マーキング材上には熔痕のパターンが形成され
る。マーキングが終了したら電源がスイッチオフされ、
ガス弁が閉じられ、X−Y位置制御装置5がアーク発生
部1を、次のマーキング位置に移動する。
【0022】アーク発生部1を位置制御装置に取り付け
たマーキング装置の他の一実施例を図4に示す。図4に
おいて、アーク発生部1は多関節ロボット11に取り付
けられている。また被マーキング材(図示せず)を載せ
るX−Y位置制御機構を備えたポジショナー12が設置
されている。多関節ロボット11とポジショナー12と
は、コンピュータ制御装置13によって連動制御される
ようになっている。アーク発生部1の基部からは、多関
節ロボット11のアームを経由して回線7が引き出さ
れ、アーク電源8およびガスボンベ9に接続されてい
る。
【0023】このマーキング装置は、多関節ロボット1
1とポジショナー12とが連動してコンピュータ制御さ
れているので、ポジショナー12上に設置した被マーキ
ング材の所望の部位の立体的な面(平面および曲面)に
対してもマークを施すことができる。
【0024】
【実施例】図1に示すティグ溶接用のアーク発生部1
を、図3に示すX−Y位置制御装置5に取り付けて用い
た。以下の各実施例に共通して、電極3としてはタング
ステン製の直径1.6mmのものを用いた。アークギャ
ップは0.8mm〜1.0mmとし、入力電圧は200
Vとし、放電電圧は10Vとした。不活性ガスとしては
アルゴン100%、アルゴン+ヘリウム(50:50容
量%)、およびアルゴン+ヘリウム(25:75容量
%)を用いた。各不活性ガスのアーク放電中の噴射速度
は13リットル/minで一定とした。
【0025】(実施例1)被マーキング材Wとして鋼板
(黒皮)を用い、アーク放電中のアーク発生部1と被マ
ーキング材Wとの相対移動速度を6.0m/minから
24.0m/minまで変化させて線描し、それぞれの
場合の印字可能な最低入熱量(J/cm)を雰囲気ガス
の種類別に測定した。例えば、相対移動速度を6.0m
/minとしたとき、アルゴン100%の雰囲気下では
20J/cmの熱量で印字可能であった。このとき入熱
量を150J/cmまで変化させても良好なマークが得
られた。結果を表1に示す。各場合に鋼板上に得られた
マークの線幅は1.0mm〜2.0mmであった。
【0026】(実施例2)被マーキング材WとしてSU
S−304製の板材を用い、アーク放電中のアーク発生
部1と被マーキング材Wとの相対速度を6.0m/mi
nから18.0m/minまで変化させて線描し、それ
ぞれの場合の印字可能な最低入熱量(J/cm)を測定
した。結果を表1に示す。SUS−304製の板上に得
られたマークの線幅は0.7mm〜1.0mmであっ
た。
【0027】(実施例3)被マーキング材Wとしてアル
ミニウム板を用い、アーク放電中のアーク発生部1と被
マーキング材Wとの相対速度を6.0m/minから1
8.0m/minまで変化させて線描し、それぞれの場
合の印字可能な最低入熱量(J/cm)を測定した。結
果を表1に示す。アルミニウム板の上に得られたマーク
の線幅は約2.0mmであった。
【0028】
【表1】
【0029】上記実施例のマーキング装置は、上記の条
件下でそれぞれ鋼板(黒皮)、SUS−304板、およ
びアルミニウム板のいずれにも、刻線がシャープで視認
性に優れ、絵際の良好なマークを形成することができ
た。ただし、上記の各実施例において入熱量が500J
/cmを越えると、刻線の幅が広がり、線際がシャープ
さに欠けると共に溶融深度が必要以上に深くなり母材を
損傷して好ましくなかった。この結果から、マーキング
の際の入熱量は10J/cmないし500J/cmの範
囲内とすることが好ましいことがわかる。
【0030】上記実施例におけるティグ溶接用の代わり
に図2に示したプラズマアーク発生用のアーク発生部2
0を用いても実質的に同様の結果が得られた。
【0031】
【発明の効果】本発明のマーキング方法は、水素を含有
しまたは含有しない不活性ガスからなる雰囲気ガス中
で、金属製の被マーキング材と離間して相対的に平行移
動する非消耗式の電極にアークを発生させ、このアーク
によって被マーキング材に熔痕のマークを形成するもの
であるので、塗料などの化学物質を用いず、しかも高速
・安価に耐久性と視認性に優れ、線際のシャープなマー
クを施すことができる。電極は、アーク発生中は常に不
活性ガスの雰囲気中に置かれているので、長期間にわた
って消耗が少なく、保守が容易である。アーク発生部が
アーク電源部およびガス供給源から移動自由に離間され
ていれば、被マーキング材の立体的・複雑・微細な表面
へのマーキングも可能となり、またこれが位置制御装置
に支持されていれば、高速自動制御ラインでのマーキン
グが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マーキング方法の一実施態様を示す側面図。
【図2】 マーキング方法の他の一実施態様を示す側面
図。
【図3】 マーキング装置の一実施例を示す斜視図。
【図4】 マーキング装置の他の一実施例を示す側面
図。
【符号の説明】
1,20…アーク発生部、 2,21…ノズル、 3,23…電極、 4,24…雰囲気ガス、 5…位置制御装置、 8…アーク電源、 9…ガス供給源、 22…拘束ノズル、 24a…噴流ガス、 24b…シールドガス、 25…電源部、 W…被マーキング材、 M…熔痕マーク。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を含有しまたは含有しない不活性ガ
    スからなる雰囲気ガス中で、金属製の被マーキング材と
    離間して相対的に平行移動する非消耗式の電極にアーク
    を発生させ、このアークによって被マーキング材に熔痕
    のマークを形成するマーキング方法。
  2. 【請求項2】 発生させるアークがティグ溶接用アーク
    である請求項1に記載のマーキング方法。
  3. 【請求項3】 発生させるアークがプラズマアークであ
    る請求項1に記載のマーキング方法。
  4. 【請求項4】 不活性ガスがアルゴン、ヘリウム、また
    はアルゴンとヘリウムとの混合ガスのいずれかである請
    求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のマーキン
    グ方法。
  5. 【請求項5】 上記のアルゴンとヘリウムとの混合ガス
    がヘリウムを10容量%以上含有するものである請求項
    4に記載のマーキング方法。
  6. 【請求項6】 雰囲気ガス中の水素の含有量が0.1容
    量%ないし15容量%の範囲内である請求項1ないし請
    求項5のいずれか1項に記載のマーキング方法。
  7. 【請求項7】 電極と被マーキング材との相対的な移動
    速度を5m/min以上とする請求項1ないし請求項6
    のいずれか1項に記載のマーキング方法。
  8. 【請求項8】 マーキングの際の入熱量を10J/cm
    ないし500J/cmの範囲内とする請求項1ないし請
    求項7のいずれか1項に記載のマーキング方法。
  9. 【請求項9】 雰囲気ガスを被マーキング材の表面に噴
    射してこのガスによる気流を形成し、この気流中にアー
    ク発生用の非消耗式電極を配設する請求項1ないし請求
    項8のいずれか1項に記載のマーキング方法。
  10. 【請求項10】 金属製の被マーキング材の表面に水素
    を含有しまたは含有しない不活性ガスからなる雰囲気ガ
    スを噴射するノズルと、このノズルと同軸的に配設され
    たアーク発生用の非消耗式電極とを有するアーク発生部
    を具備したマーキング装置。
  11. 【請求項11】 アーク発生部がティグ溶接用のもので
    ある請求項10に記載のマーキング装置。
  12. 【請求項12】 アーク発生部がプラズマアーク発生用
    のものである請求項10に記載のマーキング装置。
  13. 【請求項13】 アーク発生部がアーク電源部およびガ
    ス供給源から移動自由に離間された請求項10ないし請
    求項12のいずれか1項に記載のマーキング装置。
  14. 【請求項14】 アーク発生部が位置制御装置に支持さ
    れた請求項13に記載のマーキング装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6087612A (en) * 1997-08-05 2000-07-11 Daimlerchrysler Ag Process for marking industrial products or parts
KR20160067878A (ko) * 2013-10-04 2016-06-14 시크파 홀딩 에스에이 전도성 물질의 표면을 갖는 대상체의 표지 방법 및 시스템

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