JPH0871534A - 水中のフェノール類の除去方法 - Google Patents

水中のフェノール類の除去方法

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JPH0871534A
JPH0871534A JP21255094A JP21255094A JPH0871534A JP H0871534 A JPH0871534 A JP H0871534A JP 21255094 A JP21255094 A JP 21255094A JP 21255094 A JP21255094 A JP 21255094A JP H0871534 A JPH0871534 A JP H0871534A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ペルオキシダーゼをその水溶液からマグネタ
イトに吸着させて得た固定化ペルオキシダーゼと過酸化
水素とで、水中のフェノール類を酸化処理して除去する
方法である。 【効果】 酵素の失活が抑制されるとともに、フェノー
ル類の酸化生成物が固定化ペルオキシダーゼに吸着さ
れ、除去されるので、操作が簡単で、極めて実用的な水
中のフェノール類の除去方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水中のフェノール類の
除去方法の改良に関するものである。さらに詳しくいえ
ば、本発明は、水中のフェノール類を、ペルオキシダー
ゼをその水溶液から粉粒状マグネタイトに吸着させて得
た固定化ペルオキシダーゼと過酸化水素とで酸化処理す
ることにより、酵素の失活を抑制するとともに、フェノ
ール類の酸化生成物を固定化酵素に吸着させて除去する
水中のフェノール類の除去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化学工場やコークス工場、あるいは重質
油分解処理プロセスからの排水中には種々のフェノール
類が含まれている。このフェノール類は環境汚染をもた
らすことから、排水を河川に放流する場合には、その含
有量については厳しい基準が設けられている。
【0003】従来、フェノール類を含む排水の処理方法
としては、例えば吸着法、抽出法、イオン交換法、酸化
法、生物処理法などが知られているが、効果やコスト面
などから、現在、実用的には生物処理法(活性汚泥法)
のみが行われている。しかしながら、この生物処理法に
おいても、フェノール類は生物分解性が低い上、毒性を
有するので生物活性が阻害され、処理が十分に行われな
いため、生物分解されずに環境へ放出されているものも
多い。したがって、排水中のフェノール類を、低いコス
トで簡単に効率よく処理する方法の開発が望まれてい
る。
【0004】フェノール類の安価で簡単な処理方法とし
ては、酵素の触媒作用を利用する方法が考えられ、これ
まで、過酸化水素による酸化反応を触媒する酵素である
ペルオキシダーゼなどを利用する方法が種々試みられて
きた。しかしながら、この方法においては、ペルオキシ
ダーゼなどの酵素がフェノール類の酸化生成物と結合し
て失活したり、該酸化生成物が水中に溶存したままで除
去されないなどの欠点がある。
【0005】他方、マグネタイトを担体とし、これに各
種酵素を固定化させて用いる方法は知られている。しか
しながら、この固定化を行うには、先ずマグネタイトを
3‐アミノプロピルトリエトキシシランで処理したの
ち、グルタルアルデヒドを反応させ、次いでこれに酵素
を結合させるという煩雑な操作を伴う複数工程を必要と
するため、工業的に実施する方法としては、必ずしも満
足しうるものとはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
酵素を利用して水中のフェノール類を処理するための従
来の方法が有する欠点を克服し、酵素の失活を抑制する
とともに、フェノール類の酸化生成物の水中からの除去
を容易に行いうるように、酵素を簡単な手段で固定化し
て用いる方法を提供することを目的としてなされたもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酵素の固
定化について種々研究を重ねた結果、酵素としてペルオ
キシダーゼを用いる場合、このものはマグネタイトに対
し、単にその水溶液から吸着させるだけで簡単に固定化
させることができ、これを過酸化水素と組み合わせて水
中のフェノール類の酸化処理に用いると、従来の固定化
酵素よりも失活が少なく、しかも酸化生成物の吸着にお
いても優れていることを見出し、この知見に基づいて本
発明をなすに至った。
【0008】すなわち、本発明は、水中のフェノール類
を、ペルオキシダーゼ及び過酸化水素による酸化処理で
除去する方法において、該ペルオキシダーゼを、その水
溶液から粉粒状マグネタイトに吸着させ、固定化して用
いることを特徴とする水中のフェノール類の除去方法を
提供するものである。
【0009】本発明方法により除去できるフェノール類
としては、種々の水酸基含有芳香族化合物が挙げられ、
例えばフェノールを始め、クロロフェノール、メトキシ
フェノール、クレゾール、ヒドロキシフェノールなどが
ある。また、これらのフェノール類の濃度は0.001
〜10mM程度の範囲にあるのが好ましい。
【0010】本発明方法においては、酵素としてペルオ
キシダーゼ(EC 1. 11.1.7)が用いられ
る。このペルオキシダーゼは、一般に H22+AH2→2H2O+A(AH2:基質) で示される反応を触媒する酵素であって、動物、植物、
微生物界に広く分布しており、特に西洋ワサビに多く含
まれている。本発明においては、このペルオキシダーゼ
を過酸化水素の存在下でフェノール類を酸化するための
触媒として用いる。本発明において用いられるペルオキ
シダーゼの由来については特に制限はなく、動物、植
物、微生物由来のいずれであってもよい。
【0011】本発明方法においては、このペルオキシダ
ーゼを、粉粒状マグネタイトに固定化して用いることが
必要である。この粉粒状マグネタイトすなわち、四三酸
化鉄(Fe34)の平均粒子径は0.1〜1000μm
の範囲が好適である。
【0012】ペルオキシダーゼのマグネタイトへの固定
化は、例えばペルオキシダーゼを0.001〜10g/
リットル程度の濃度で含有する水溶液に、マグネタイト
を0.001〜1000g/リットル程度の割合で懸濁
させたのち、通常温度0〜50℃の条件でかきまぜて、
マグネタイトにペルオキシダーゼを吸着させ、次いで、
常法に従ってマグネタイトを回収することにより行うの
が、操作が簡単で、しかも特殊の薬品を用いる必要がな
い上に除去効率の高い固定化ペルオキシダーゼが得られ
るので有利である。
【0013】本発明においては、このようにして得られ
た固定化ペルオキシダーゼと過酸化水素を用い、水中の
フェノール類を酸化処理する。この酸化処理の方法とし
ては、例えば、被処理水中に固定化ペルオキシダーゼを
分散させ、過酸化水素を添加する方法、あるいはカラム
に固定化ペルオキシダーゼを充てんし、これに被処理水
を過酸化水素と共に通液する方法などを用いることがで
きる。
【0014】酸化処理における温度は10〜50℃の範
囲が好ましく、またpHは、通常4〜9、好ましくは4
〜7の範囲である。固定化ペルオキシダーゼの使用量
は、フェノール類の濃度によって左右されるので、あら
かじめ予備試験を行い、決めるのが好ましいが、フェノ
ール類の濃度0.001〜10mMに対し、酵素濃度と
して0.01〜100mg/リットルの範囲が好まし
い。また、過酸化水素の使用量は、通常フェノール類1
当量に対し、0.5〜1.5当量の範囲で選ばれる。こ
の過酸化水素は、はじめに全量添加してもよいし、少量
ずつ逐次的に添加してもよく、また、化学反応などによ
り、系内で生成させてもよい。
【0015】また、固定化ペルオキシダーゼ触媒で過酸
化水素酸化しにくいフェノール類の場合には、反応を促
進するために、助剤を添加して、その酸化生成物をフェ
ノール類との重合を行わせてもよい。この際添加する助
剤としてはフェノールなどを用いることができる。
【0016】被処理水中に固定化ペルオキシダーゼを懸
濁させて酸化処理する場合、酸化処理後、フェノール類
の酸化生成物を吸着した固定化ペルオキシダーゼは分離
除去される。この分離除去方法については特に制限はな
く、例えば磁力により分離してもよいし、沈殿させて除
去してもよく、あるいはろ過、遠心分離、浮上分離など
の方法により除去してもよい。
【0017】
【発明の効果】本発明によると、ペルオキシダーゼをそ
の水溶液からマグネタイトに吸着させて得られた固定化
ペルオキシダーゼと過酸化水素とで、水中のフェノール
類を酸化処理することにより、ペルオキシダーゼの失活
が抑制されるとともに、フェノール類の酸化生成物が固
定化ペルオキシダーゼに容易に結合して、完全に除去さ
れる。また、酵素の吸着法を用いれば高価な薬品を使用
する必要がなく、簡単な操作で固定化することができ、
しかも担体としてマグネタイトを使用するため、反応後
の処理液と固定化酵素の分離が極めて容易であることか
ら、従来法よりも処理経費を大きく低減することができ
る。
【0018】本発明の水中フェノール類の除去方法は、
このような優れた特徴を有することから、極めて実用的
であり、例えば上水処理、工業用水処理、排水処理、廃
棄物浸出水処理などに好適に利用することができる。
【0019】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0020】参考例1 平均粒径約5μmのマグネタイト粉末(半井化学社製)
50mgに、ペルオキシダーゼ(和光純薬社製、わさび
起源)水溶液25mlを加え、20℃で15時間かきま
ぜたのち、マグネタイトを分離した。分離後の水溶液の
ペルオキシダーゼ濃度を測定し、吸着平衡を求めたとこ
ろ、平衡濃度1mg/リットルでの吸着量は8.5mg
/gであった。また、水道水及び塩化ナトリウム水溶液
(10mM)からの吸着もほぼ同様であった。
【0021】参考例2 平均粒径約5μmのマグネタイト粉末(半井化学社製)
1gに、ペルオキシダーゼ(和光純薬社、わさび起源)
0.33mg/ml濃度の水溶液3mlを加え、20℃
で15時間かきまぜたのち、水で洗浄した。この洗浄水
中の酵素濃度を測定し、固定化の収率を求めたところ、
約99%であり、活性の収率は約100%であった[以
下、固定化酵素(A)という]。この固定化酵素は、水
でほとんど脱離せず、かつ室温で安定であり、3週間後
も活性は100%を保持していた。
【0022】参考例3 酵素の固定化方法としてよく知られているグルタルアル
デヒドを用いる担体架橋法により、ペルオキシダーゼを
固定化した。
【0023】平均粒径約5μmのマグネタイト粉末1g
に3‐アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学社
製)0.1重量%水溶液2mlを加え、45℃で15時
間反応させてアミノ基を担持させたのち、水で洗浄し
た。次いで、これに、グルタルアルデヒド(半井化学社
製、25重量%水溶液)の5重量%水溶液0.1mlを
添加し、3時間反応させたのち、水で洗浄した。これ
に、ペルオキシダーゼ3mg/ml濃度の水溶液0.3
3mlを添加し、20℃で15時間かきまぜたのち、水
で洗浄した。この洗浄水中の酵素濃度を測定し、固定化
収率を求めたところ、約99%であり、活性収率は約1
00%であった[以下固定化酵素(B)という]。
【0024】実施例1 参考例2で得られた固定化酵素(A)、参考例3で得ら
れた固定化酵素(B)及び溶解ペルオキシダーゼを使用
して、フェノールの酸化実験を行った。
【0025】フェノール1mM、所定濃度の各ペルオキ
シダーゼ、過酸化水素1.2mM及び緩衝液10mMを
含有する反応液(pH7.0)を室温でかきまぜ、30
分後のフェノール濃度を測定し、除去率を求めた。ま
た、反応終了液を回転数3000rpmで10分間遠心
分離処理し、分離液の400nm吸光度を測定した。
【0026】その結果、酵素量4mg/リットルでのフ
ェノール除去率は、固定化酵素(A)でほぼ100%、
固定化酵素(B)で95%、溶解酵素で60%であっ
た。また、固定化酵素では反応終了後の分離液は無色透
明であった。
【0027】一方、溶解酵素では、フェノールを100
%除去するのに20mg/リットルの酵素量を必要と
し、かつ反応終了液は、400nm吸光度が0.1で褐
色を呈しており、沈殿はなかった。
【0028】実施例2 参考例2で得られた固定化酵素(A)、参考例3で得ら
れた固定化酵素(B)及び溶解ペルオキシダーゼを使用
して、o‐クロロフェノールの酸化実験を行った。
【0029】o‐クロロフェノール1mM、所定濃度の
各ペルオキシダーゼ、過酸化水素1mM及び緩衝液10
mMを含有する反応液(pH7.0)を室温でかきま
ぜ、30分後のo‐クロロフェノール濃度を測定し、除
去率を求めた。また、反応終了液を回転数3000rp
mで10分間遠心分離処理し、分離液の400nm吸光
度を測定した。
【0030】その結果、酵素量2mg/リットルでo‐
クロロフェノール除去率は、固定化酵素(A)でほぼ1
00%、固定化酵素(B)で90%、溶解酵素で48%
であった。また、固定化酵素では反応終了後の分離液は
無色透明であった。
【0031】一方、溶解酵素では、o‐クロロフェノー
ルを100%除去するのに4mg/リットルの酵素量を
必要とし、かつ反応終了液は、400nm吸光度が1.
2で着色しており、沈殿はなかった。
【0032】実施例3 参考例2で得られた固定化酵素(A)、参考例3で得ら
れた固定化酵素(B)及び溶解ペルオキシダーゼを使用
して、m‐クロロフェノールの酸化実験を行った。
【0033】m‐クロロフェノール1mM、所定濃度の
各ペルオキシダーゼ、過酸化水素1mM及び緩衝液10
mMを含有する反応液(pH7.0)を室温でかきま
ぜ、30分後のm‐クロロフェノール濃度を測定し、除
去率を求めた。また、反応終了液を回転数3000rp
mで10分間遠心分離処理し、分離液の400nm吸光
度を測定した。
【0034】その結果、酵素量4mg/リットルでのm
‐クロロフェノール除去率は、固定化酵素(A)で94
%、固定化酵素(B)で85%、溶解酵素で38%であ
った。また、固定化酵素では反応終了後の分離液は無色
透明であった。
【0035】一方、溶解酵素では、m‐クロロフェノー
ルを100%除去するのに20mg/リットルの酵素量
を必要とした。
【0036】実施例4 参考例2で得られた固定化酵素(A)、参考例3で得ら
れた固定化酵素(B)及び溶解ペルオキシダーゼを使用
して、p‐クロロフェノールの酸化実験を行った。
【0037】p‐クロロフェノール1mM、所定濃度の
各ペルオキシダーゼ、過酸化水素1mM及び緩衝液10
mMを含有する反応液(pH7.0)を室温でかきま
ぜ、30分後のp‐クロロフェノール濃度を測定し、除
去率を求めた。また、反応終了液を回転数3000rp
mで10分間遠心分離処理し、分離液の400nm吸光
度を測定した。
【0038】その結果、酵素量1mg/リットルでのp
‐クロロフェノール除去率は、固定化酵素(A)及び固
定化酵素(B)でほぼ100%、溶解酵素で35%であ
った。また、固定化酵素では反応終了後の分離液は無色
透明であった。
【0039】一方、溶解酵素では、p‐クロロフェノー
ルを100%除去するのに4mg/リットルの酵素量を
必要とし、かつ反応終了液は400nm吸光度が0.0
42で着色していた。
【0040】実施例5 参考例2で得られた固定化酵素(A)、参考例3で得ら
れた固定化酵素(B)及び溶解ペルオキシダーゼを使用
して、短時間でのフェノールの酸化実験を行った。
【0041】フェノール1mM、ペルオキシダーゼ2m
g/リットル、過酸化水素1.2mM及び緩衝液10m
Mを含有する反応液(pH7.0)を室温でかきまぜ、
0.5、1、2、5、15及び30分後、反応液0.5
mlを採り、ただちにカタラーゼ0.8mg/ml水溶
液を0.5ml添加して反応を止め、フェノール濃度を
測定した。
【0042】その結果、溶解酵素では、2分後に酵素が
失活して反応が止まる(除去率26%)のに対し、固定
化酵素(A)では15分後に除去率84.5%、30分
後に95.2%であり、固定化酵素(B)では15分後
に73.6%、30分後に84.6%であった。また、
固定化酵素(A)を30分間煮沸したものでは全く反応
しなかった。このことは、反応が酵素触媒反応によるこ
と、また、固定化酵素へのフェノールの吸着もないこと
を示している。
【0043】実施例6 参考例2で得られた固定化酵素(A)及び溶解ペルオキ
シダーゼを使用して、2,6‐ジクロロフェノールの酸
化実験を行った。
【0044】2,6‐ジクロロフェノール0.2mM、
ペルオキシダーゼ2mg/リットル、過酸化水素0.2
mM及び緩衝液10mMを含有する反応液(pH5.
5)を室温でかきまぜ、30分後の2,6‐ジクロロフ
ェノール濃度を測定し、2,6‐ジクロロフェノールの
除去率を求めた。
【0045】その結果、30分後の除去率は、固定化酵
素(A)では85%であるのに対し、溶解酵素では55
%であった。また、3時間後の除去率は、それぞれ10
0%及び70%であった。
【0046】実施例7 参考例2で得られた固定化酵素(A)及び溶解ペルオキ
シダーゼを使用して、クロロフェノール混合水溶液の酸
化実験を行った。
【0047】p‐クロロフェノール0.2mM、2,4
‐ジクロロフェノール0.2mM、2,4,5‐トリク
ロロフェノール0.1mM、2,4,6‐トリクロロフ
ェノール0.1mM、2,3,4,6‐テトラクロロフ
ェノール0.02mM及びペンタクロロフェノール0.
01mM、ペルオキシダーゼ2mg/リットル、過酸化
水素1mM及び緩衝液10mMを含有する反応液(pH
5.5)を室温でかきまぜ、30分後のクロロフェノー
ル濃度を測定し、除去率を求めた。
【0048】その結果、固定化酵素(A)では、各クロ
ロフェノールの除去率は、それぞれ100、100、9
9.1、100、100及び100%であったのに対
し、溶解酵素では、それぞれ56.9、81.3、4
9.6、97.6、92.7及び92.2%であった。
また、全有機炭素(TOC)及び活性炭吸着性有機塩素
(AOX)の除去率は、固定化酵素(A)で85%及び
89%であったのに対し、溶解酵素では54%及び68
%にとどまった。
【0049】比較例 ペルオキシダーゼを固定化していないマグネタイト及び
溶解ペルオキシダーゼを使用してフェノールの酸化実験
を行った。マグネタイト10mg、フェノール1mM、
ペルオキシダーゼ2mg/リットル、過酸化水素1.2
mM及び緩衝液10mMを含有する反応液(pH7.
0)を室温でかきまぜ、30分後の反応液のフェノール
濃度を測定したところ、0.74mMであり、除去率は
26%にとどまった。
【0050】以上の結果から、ペルオキシダーゼをその
水溶液からマグネタイトに吸着させて得られた固定化ペ
ルオキシダーゼ(A)は、いずれの場合も、溶解ペルオ
キシダーゼの場合よりもはるかに優れた効果を示し、さ
らに、従来、酵素の固定化法としてよく用いられるグル
タルアルデヒドによる担体架橋法で固定化した固定化ペ
ルオキシダーゼ(B)よりも優れた効果を示すことが分
かった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中のフェノール類を、ペルオキシダー
    ゼ及び過酸化水素による酸化処理で除去する方法におい
    て、該ペルオキシダーゼをその水溶液から粉粒状マグネ
    タイトに吸着させ、固定化して用いることを特徴とする
    方法。
  2. 【請求項2】 ペルオキシダーゼを0.001〜10g
    /リットルの濃度で含有する水溶液中に、粉粒状マグネ
    タイトを0.001〜1000g/リットルの割合で懸
    濁させ、温度0〜50℃において、ペルオキシダーゼが
    マグネタイトに十分吸着されるまで保持することにより
    固定化を行う請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 濃度0.001〜10mMでフェノール
    類を含む水に対し、酵素濃度0.01〜100mg/リ
    ットルの固定化ペルオキシダーゼ及びフェノール類に基
    づき0.5〜1.5当量の過酸化水素を用いて行う請求
    項1記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0946427A4 (en) * 1996-10-22 2001-02-07 Malireddy S Reddy BIOCHEMICAL MEDIA SYSTEM FOR REDUCING POLLUTION
KR100384642B1 (ko) * 1998-12-24 2003-11-15 주식회사 포스코 페놀술폰산을 함유하는 주석도금폐수의 처리방법

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