JPH086770B2 - 摩擦カップリング組立体とその摩擦片 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、ブレーキまたはクラッチとして作用し、ド
ラム、円周方向に配置された一式の摩擦片および摩擦片
を半径方向に作動させる環状で流体により伸張可能な管
または袋状要素を含むカップリング組立体に関し、特に
管中に形成された対応する溝と共に作動する各摩擦片上
に複雑に形成されたドライビングバーを有する一連の摩
擦片を有する組立体に関する。

［従来の技術］ 従来この種の技術としてはコリンズその他の米国特許
第4,190,136号およびファウィックの米国特許第3,022,8
77号があり、これらは流体により伸張可能な管に取り付
けられかつ流体により半径方向に作動される一連の摩擦
片を使用するクラッチまたはブレーキ組立体を開示して
いる。しかし、これらの特許の中の摩擦片は、冷却用の
空隙を有するバッキングプレートと、管に相当な間隔を
有するバッキングプレートにリベットで留められた摩擦
パッドから成る。管上の突出部は摩擦片から管にトルク
を伝えるためバッキングプレート中に形成された溝中に
延びている。

［発明が解決しようとする課題］ 上述した従来の摩擦カップリング組立体は、摩擦片が
相互に相当な間隔を置いて設けられており、管との間が
相当離れたバッキングプレートに摩擦パッドがリベット
で取付けられているため、トルク伝達効率が悪く、摩擦
面の単位面積当り発熱量が大きく、摩擦素材の損傷が早
いという欠点がある。

［課題を解決するための手段］ 本発明の摩擦カップリング組立体は、一方の側に摩擦
パッドを固定し、かつもう一方の側にドライビングバー
を固定したバッキングプレートから成り、またバッキン
グプレートおよび摩擦パッドと複合的に形成された複数
の摩擦片を有する、前記特徴の新しい、改良されたカッ
プリング組立体で各ドライビングバーは、摩擦片から管
へのトルクの伝達をより良くするため、管の中の対応す
る溝に収容されている。また、一方の側に摩擦パッドを
固定しかつもう一方の側に中央に摩擦素材から成るドラ
イビングバーを固定したバッキングプレートと、摩擦片
から管へのトルクの伝達をより良くするため前記バッキ
ングプレートの各端部に位置する少なくとも部分的に摩
擦素材から成る補助ドライビングバーを持つ、前記の特
徴を備えたカップリングのための摩擦片を有する。

［作用］ このように、膨張性の環状の管と、管の膨張と収縮に
伴なって半径方向に移動するように管に取付けられた複
数の摩擦片を有するカップリング組立体で、その摩擦片
はバッキングプレートの片側に摩擦パッドが固着され、
他の側に摩擦素材製のドライビングバーが固着され、そ
の両者が結合されて一体になった構成となっており、ド
ライビングバーは前記管に設けられた溝に嵌合し、ま
た、バッキングプレートの両端部が他の摩擦片の端部と
溝の中で補助ドライビングバーの作用をしていることに
より摩擦片と管との間のトルクの伝達力を良くする。

［実施例］ 本発明の実施例について図面を参照して説明する。

第１図は、本発明の摩擦カップリング組立体の一実施
例の部品を取り去ったクラッチおよびブレーキ組立体の
一部を示す側面図、第２図は第１図の線２−２に沿った
断面図、第３図は、第２図の線３−３に沿った断面図、
第４図は、摩擦片の平面図、第５図は、第４図の線５−
５に沿った断面の拡大図、第６図は、摩擦片の別の実施
例の第５図と同様な部分図である。

カップリング10はドラム11およびリム組立体12を含
む。ドラム11およびリム組立体12は互いに同一回転軸線
の周りを回転可能である。カップリング10は、ブレー
キ、またはクラッチとして使用することができる。カッ
プリング10をブレーキとして使用したい場合には、部材
11または12のうちの１つが固定され、カップリング10を
クラッチとして使用したい場合には、部材11または12の
両方が回転可能となる。従って、ここで使用されるカッ
プリングという語は、クラッチまたはブレーキ組立体の
いずれにも該当させられる。

強化エラストマーから成る環状の、流体により伸張可
能な管または袋状部材14は、リム組立体12の環状表面13
に固定される。管14の壁16は、断面の形状が弓形に近い
軸方向に延びる溝18により、軸方向に延びる一連のラグ
17を中に形成する厚いエラストマー層から成る。溝18は
管14の周りに等間隔を置いて設置されている。各ラグ17
は以下に論ずる目的のために軸方向に延びる穴19を含
む。

複数の摩擦片20は、管14中の穴19と摩擦片20のバッキ
ングプレート24の側部フランジ23中の一対の一直線にな
っている穴22を通って延びるピン21により、管14の壁16
に接続されている。ピン21は、交換のため与えられたい
かなる摩擦片も管14から取外すことができるよう、一端
に適合したヘッド25で他端は取外し可能なヘッド26を有
するのが良い。各ラグ17はだた一つの穴19を含むので、
各摩擦片20は一対のラグ17および隣接するラグ17中の隣
接する穴19を通って延びるピン21により支持されてい
る。

管14は管14の内部と連絡する入口27を含み、加圧され
た流体が管に注入されると、壁16が半径方向に移動され
るので、摩擦片20はドラム11の外面と接触するよう移動
され、それにより公知の方法でドラム11とリム組立体12
とが連結される。加圧された流体が管14の内部から放出
されると管14は収縮するので、摩擦片20が半径方向に移
動してドラム11から離れ、それによりドラム11とリム組
立体12との連結を解く。

本発明により、摩擦片20は、カップリングのトルク伝
達能力を最大限に強化しかつ摩擦片20の構造を経済的で
交換可能なものにするよう設計されている。第４および
第５図に示すように、側部フランジ23およびバッキング
プレート24は金属製が良く、後者は一般にドラム11の円
周方向の形状が弓形である。バッキングプレート24の端
部28はバッキングプレート24に対しある角度を成して延
び、摩擦片20の側部フランジ23の端部に接続されるのが
良い。バッキングプレート24の円周方向に対して中心の
位置には、少なくとも１つの穴29がある。穴は円形で示
されているが、穴29の目的は、摩擦片20を作る時、摩擦
パッド31が形成されると同時にドライビングバー30を形
成するように摩擦素材を鋳型の空洞に流入させることな
ので、矩形その他の形状の１つ以上の穴がある場合もあ
る。ドライビングバー30は一般に摩擦片20の軸方向、一
方の側部フランジ23からもう一方の側部フランジ23に延
びているものである。摩擦素材は穴29の中でドライビン
グバー30と摩擦パッド31およびバッキングプレート24と
を結合させる。

摩擦片20の端部33は摩擦素材から成り、パッド31の接
触面32から半径方向に延びて端部33を形成するのが望ま
しい。端部33は、バッキングプレート24の端部28を含ん
で接合線35に沿って丸い突出部34の終端とするのが好ま
しい。ドライビングバー30は、第５図に示すように、断
面の形状が弓形が望ましい。摩擦片20は、バッキングプ
レート24、側部フランジ23、ドライビングバー30、およ
び摩擦パッド31の端部33を合わせた単一の構造物になっ
ている。さらに、バー30は袋状組織管14の中の溝18の断
面形にちょうど適合しかつ断面形を補充し、かつドライ
ビングバー30は溝18と共に延びる。また、摩擦パッド31
の端部33も溝18中に延びるので、隣接する摩擦片20の隣
接する端部33が隣接するパッド31の端部33が中に延びて
いる共通の溝18を相互に埋めあうことになる。このよう
に、各摩擦片20の端部は、中心に位置したドライビング
バー30の他にドライビングバーとして作用することがで
きる。かつ摩擦片20とドラム11との間の摩擦インターフ
ェースに生ずる熱にさらされる管14の部分を最小限にす
ることができる。

第４および第５図に関して先の述べたように、摩擦パ
ッド31を形成する鋳型の空洞からドライビングバー30を
形成する鋳型の空洞に摩擦素材を流入させかつドライビ
ングバー30と摩擦パッド31とを複合的に結合させるた
め、バッキングプレート24中に少なくとも１つの穴29が
ある。第６図は、１つ以上のタブ36および36aがバッキ
ングプレート24から延びかつ接合線37沿いの１つの端部
でバッキングプレート24に結合される他の構造を示す。
一方のタブ36はもう一方のタブ36aの延びる角度と逆の
角度でバッキングプレートの表面から延びる。従って、
第６図に示すように、36および36Aは、バッキングプレ
ート24およびドライビングバー30を機械的に連結するよ
うに、ドライビングバー30の範囲内に突出する。また
は、タブ36および36aは、バッキングプレート24の形成
中ドライビングバー30の範囲内に形成され、かつ（また
は）摩擦パッド31のモールド中にモールドのための圧力
によりドライビングバー30の内部に形成された連続的な
タブになるよう結合されている。

本発明については、摩擦片を回転可能なドラム11に対
して半径方向内側に移動させる半径方向内側に伸張する
管に関する説明となったが、本発明は、摩擦片が半径方
向外側に移動して、固定された、または回転可能な部材
と接触するカップリングにも応用できることは明らかで
ある。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明は、摩擦片の構造、および
摩擦片の管とのインターフェースの正確な適合と、ドラ
イビングバーの特殊な構造により、コストが最小限にな
り、かつ構成上の効率が最大限になると同時に、トルク
の伝達を最大限にでき、構造的に簡単になり、部品の交
換や修理を容易にできる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の摩擦カップリング組立体の一実施例
の部品を取り去ったクラッチおよびブレーキ組立体の一
部を示す側面図である。 第２図は、第１図の線２−２に沿った断面図である。 第３図は、第２図の線３−３に沿った断面図である。 第４図は、摩擦片部材の上面図である。 第５図は、第４図の線５−５に沿った断面図でる。 第６図は、第５図に似た、摩擦片部材の別の実施例の部
分図である。 10……摩擦カップリング組立体、 14……管、 16……壁 17……ラグ、 18……溝、 19……穴、 20……摩擦片、 21……ピン、 23……フランジ、 24……バッキングプレート、 26……ヘッド 27……入口 28……バッキングプレートの端部、 29……穴、 30……ドライビングバー、 31……摩擦パッド、 33……摩擦片の端部。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】摩擦カップリング組立体であって、 膨張用の流体によって伸張する環状の管と、複数の摩擦
   片と、前記管膨張したり収縮したりするとき前記摩擦片
   が前記管とともに半径方向に移動するように、前記摩擦
   片を前記管の円周方向表面に取外し可能に取付ける手段
   との組合せ体であり、 前記管は、円周方向に間隔を置いて配置され、かつ、横
   に延びている複数の溝を有し、 前記各摩擦片は、バッキングプレートと、前記バッキン
   グプレートの一方の側に固定された摩擦素材製のパッド
   と、前記バッキングプレートを横切って延び、かつ、前
   記バッキングプレートの前記パッドとは反対側に固定さ
   れた摩擦素材製のドライビングバーとからなり、各摩擦
   片のドライビングバーは前記管の溝に位置し、前記バー
   と溝とはその断面形状が互いに適合し、前記バッキング
   プレート、パッドおよびドライビングバーが摩擦片と前
   記管との間のトルクの伝達をより良くするため複合的に
   組み合わされ単一の構造物となっている摩擦カップリン
   グ組立体。
2. 【請求項２】前記パッドと前記バーの摩擦素材が、前記
   バッキングプレートの少なくとも１つの孔を通して結合
   されている請求項１記載の摩擦カップリング組立体。
3. 【請求項３】前記バーの断面が、弓形の部分により接続
   される密接する側面を有する請求項１記載の摩擦カップ
   リング組立体。
4. 【請求項４】前記バッキングプレートと前記ドライビン
   グバーの弓形の部分との間の距離が摩擦パッドの厚さよ
   り大きい請求項３記載の摩擦カップリング組立体。
5. 【請求項５】前記バッキングプレートの端部が摩擦片と
   前記管との間のトルクの伝達をさらに良くするため、前
   記バッキングプレートの本体に対して、ある角度をな
   し、端部に沿って軸方向に延びるフランジを形成する請
   求項１記載の摩擦カップリング組立体。
6. 【請求項６】前記パッドの摩擦素材が、パッドの摩擦領
   域を最大限にし、かつ、前記管が摩擦インタフェース領
   域に生ずる熱に曝されるのを最小限にするため前記バッ
   キングプレートの横のフランジの端部を越えて延びる請
   求項５記載の摩擦カップリング組立体。
7. 【請求項７】前記管の中の溝が、溝と溝との間の中間に
   あるラグと、各ラグの中の通し孔と、摩擦片を前記管に
   接続するため前記通し孔を通って延びる手段とを形成す
   る請求項１記載の摩擦カップリング組立体。
8. 【請求項８】各パッドおよびバッキングプレートの各端
   部が、それぞれ前記管の１つ置きの溝に少なくとも部分
   的に延びている請求項７記載の摩擦カップリング組立
   体。