JPH0866137A - ノミの飼育方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】Ctenocephalides 属のノミ（ネコノミ、イヌノ
ミ等）の卵は通過し得るがCtenocephalides 属のノミの
成虫は通過し得ない網で上下に区分された容器内上側に
ネズミを設置し、該ネズミにCtenocephalides 属のノミ
を寄生させ、産下されたノミの卵を収集するCtenocepha
lides 属のノミの卵の取得方法および得られたノミの卵
を育成するノミの飼育方法。 【効果】本発明の方法によれば、これまで飼育が困難で
あったネコノミ等が簡単に大量飼育できることから、ノ
ミによる被害を防除するための薬剤、装置等を研究する
ためのノミの供給が安定して図れるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はノミの飼育方法に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、ネコノミ（Ctenocephalides felis ）、イヌノミ
（Ctenocephalides canis ）等のペットに寄生するノミ
によるペットおよびその飼い主の被害が増加しており、
ノミによる被害を防除するための薬剤、装置等を研究す
るためのノミの供給が求められている。しかしながら、
ノミを繁殖させ飼育するには、産卵のために動物の生血
液が必要とされ、一般に、猫や犬を寄主とする設備や経
費のかかる方法、または入手困難な動物の生血液を使用
する方法に頼らざるを得ないのが現状である。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は、ネコノミ、イ
ヌノミ等のCtenocephalides 属のノミの簡便な飼育方法
を提供するものである。即ち、本発明は、ノミの卵は通
過し得るがノミの成虫は通過し得ない網で上下に区分さ
れた容器内上側にネズミを設置し、該ネズミにノミを寄
生させ、産下されたノミの卵を収集し、育成するノミの
飼育方法であって、寄主としてネズミを使用すると共
に、産下されたノミの卵を回収し易く工夫したものであ
る。

【０００４】本発明において用いられる網は、Ctenocep
halides 属のノミの卵は通過し得るがノミの成虫は通過
し得ない網目（通常 0.4〜0.8 mm間隔）を有し、例えば
３０〜６０メッシュの金網が使用される。網で上下に区
分される容器の材質、形、大きさ等は特に限定されない
が、材質としては、例えばガラス、アクリル樹脂、ポリ
オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン
樹脂、ステンレス等が挙げられ、特に軽量で透明性のよ
さからアクリル樹脂の使用が好ましい。容器の形や大き
さは任意であるが、例えば底面積５０cm² 〜 1000 cm²
程度の四角柱、円柱等のものが挙げられる。また、産下
されたノミの卵を収集するのを容易にするために、容器
内の網下側を引出しにすることもできる。

【０００５】以下、本発明の飼育方法について詳細に説
明する。例えば図１に示される５０メッシュの金網で仕
切られたアクリル樹脂製容器内上側に、１〜数頭のネズ
ミ（ラットまたはマウス）を入れる。このとき、ネズミ
の頭部を別の金網等で挟み込んで頭部を動かせないよう
にしておくと、ネズミがノミを噛み殺すのを防止でき
る。

【０００６】産下されたノミの卵は網目を通って容器内
下側に落ちる。この卵は筆等を用いて集められ、通常の
飼育方法により成虫に育てることができる。即ち、砂等
の担体に、飼料、ビール酵母、乾燥牛血等を混合した培
地上にノミの卵を移し、育成する。このとき温度２０〜
３０℃、湿度７５〜９５％の条件が好ましい。蛹化した
ものは瓶等の容器に移し、ノミ成虫が逃亡しないように
瓶口部に網をかぶせ恒温槽等で温度２０〜３０℃、湿度
６０〜９０％のもとで羽化させる。

【０００７】

【実施例】図１に示される５０メッシュの金網で仕切ら
れたアクリル樹脂製容器内上側に、頭部を金網で挟み込
んで固定したマウス２頭とネコノミ成虫約２００頭とを
入れる。アクリル樹脂製容器内下側は引出しになってお
り、適宜引出しよりノミの卵を集める。集められた卵
は、砂と餌とが５：１（容量比）で混合された培地（餌
は、ドッグフード／乾燥牛血／ビール酵母を重量比で２
０：３２の割合で混合したもの）の入った容器に移さ
れ、２６±２℃、相対湿度８０〜９０％で保存される。
蛹が形成される（約７日後）と、培地から蛹を選別し、
瓶に移す。瓶口部にはノミ成虫が逃亡しないように網を
かぶせておく。２６±２℃、相対湿度６０〜８０％で保
存することにより、約７日後に成虫が羽化する。

【０００８】

【発明の効果】本発明の方法によれば、これまで飼育が
困難であったネコノミ等が簡単に大量飼育できることか
ら、ノミによる被害を防除するための薬剤、装置等を研
究するためのノミの供給が安定して図れるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の飼育方法に用いられる容器の一例を示
す説明図である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】Ctenocephalides 属のノミの飼育におい
   て、ノミの卵は通過し得るがノミの成虫は通過し得ない
   網で上下に区分された容器内上側にネズミを設置し、該
   ネズミにCtenocephalides 属のノミを寄生させ、産下さ
   れたノミの卵を収集し、育成することを特徴とするCten
   ocephalides 属のノミの飼育方法。
2. 【請求項２】Ctenocephalides 属のノミの卵は通過し得
   るがCtenocephalides 属のノミの成虫は通過し得ない網
   で上下に区分された容器内上側にネズミを設置し、該ネ
   ズミにCtenocephalides 属のノミを寄生させ、産下され
   たノミの卵を収集することを特徴とするCtenocephalide
   s 属のノミの卵の取得方法。