JPH086302B2 - スパッド式海洋構造物 - Google Patents

スパッド式海洋構造物

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JPH086302B2
JPH086302B2 JP23170587A JP23170587A JPH086302B2 JP H086302 B2 JPH086302 B2 JP H086302B2 JP 23170587 A JP23170587 A JP 23170587A JP 23170587 A JP23170587 A JP 23170587A JP H086302 B2 JPH086302 B2 JP H086302B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、海洋都市、海洋ヘリポート、洋上プラン
ト、コミューター空港、海洋レジャーランド等を海洋に
構築するのに好適なスパッド式海洋構造物に関するもの
である。
「従来の技術」 近年における陸上での用地難等にともない、海上空間
の有効利用を図った前記各種海洋施設の開発が進められ
ている。中でもたとえばコミューター空港は、近距離区
間の航空輸送の発達に伴って、その需要が増大している
反面、陸上での建設は用地難、騒音公害等の規制により
実質的に困難な状態にあるため、この種の施設を海上に
建設することが急務となっている。
ところで、このような海洋施設の構築法としては、た
とえば埋め立て工法が知られているが、埋め立て工法
は、ダンプ公害、浅水深しか利用できない等の問題点が
あるため、近年では海洋構造物を利用した各種海洋施設
の構築が図られている。
従来、海洋構造物を洋上に構築する場合、構造物全体
を海洋上に浮かせて係留する浮体式方式と、デッキを支
える柱脚にバラストタンクを設けて浮力と重量をバラン
スさせ、構造物を海底に軟着させる軟着底方式(例えば
特開昭60−85112号公報、特開昭60−70213号公報、特開
昭60−13811号公報等)の2つが提案されている。
第12図および第13図は、特開昭60−70213号公報に開
示の技術を示すもので、この海洋構造物は、主柱1aによ
り支持された4層のフロア1b,1c,1d,1eを有する構築物
1の下面に海底Gに軟着する多数の脚柱2を備え、これ
ら脚柱2のそれぞれに浮力タンク3が設けられた基本構
造となっている。
前記浮力タンク3は、図示例の場合、脚柱2に形成さ
れたタンク室を備え、該タンク室には海水等の流体を供
給・排出する給排手段が設けられている。そして、これ
ら給排手段はそれぞれ独立に作動でき、各タンク3に流
体を供給・排出することによりそれぞれ独立に浮力が調
整できるようになっている。なお、この海洋構造物に
は、全重力と全浮力とのバランスをとるバランス調整装
置が設けられ、前記脚柱2の浮力タンク3の浮力を調整
して構造物全体が常に水平になるように制御する構成と
なっている。
また、図中符号4は外面に多数の貫通孔4aを備えた筒
体で、浮力上昇に作用する海水を上方の孔4aから入れ、
下方の孔4aから瞬時に排出することにより、脚柱2に作
用する瞬間的な浮力の上昇を抑制するものである。
「発明が解決しようとする問題点」 本発明は前記した従来技術における次のような点を改
良しようとするものである。
第1に、前者の浮体式構造では、波による動揺を抑制
することが難しいため、居住性が低く、住人に不快感を
与えてしまい、また、設備に動揺抑制対策等をしておく
必要があるため、コスト高になること。
第2に、後者の軟着底構造では、係留装置等を省略す
ることができ、かつ、その居住性を向上できる反面、波
浪等の影響を考慮してフロアが高くなる傾向にあるため
に海洋に親しむ感覚が薄れ、また軟着底構造であるが故
に潮流等の水平力に対して若干の不安があること。
本発明は前記事情に鑑みて提案されたもので、その目
的とするところは、前記した従来技術の問題点を全て解
消し得る新規な構造のスパッド式海洋構造物を提供する
ことにある。
「問題点を解決するための手段」 そこで本発明にかかるスパッド式海洋構造物は、海底
に下端が埋め込まれた複数のスパッドと、これら各スパ
ッドの外周にそれぞれ遊嵌される複数の脚体を備えたデ
ッキ部と、前記デッキ部に設けられたバラストタンク
と、前記バラストタンクのバラスト量を調整する制御手
段とを具備し、かつ、前記スパッドの外周には、高さ寸
法が上側に行くに従い漸次拡大する複数のくさび片を、
スパッドの周方向に間隔を開けて配列され、前記脚体の
スパッドを遊嵌する嵌合孔に、デッキ部を浮上させた際
に前記くさび片の外周面に面接触する係止片が複数設け
てなる構成としたことを特徴としている。
ここで、前記スパッドの上端面と嵌合孔の奥面との間
に、内部に空気、海水等の流体が出し入れされかつ流体
の充填時にスパッドの上端面と嵌合孔の奥面とを圧接し
てデッキ部の上下動を規制する袋体が介在配置すれば、
袋体内部に流体を充填させて袋体を膨張させることによ
り、くさび片と係止片との係合力を高めて、デッキ部の
上下動を拘束することができる。
また、前記バラストタンクを、デッキ部の脚体に配置
すれば、タンクによる浮力の調整を容易にすることがで
き、また構造物のコンパクト化を図ることができる。
「作用」 前記構成のスパッド式海洋構造物は、バラストタンク
への注排水を行うことにより、浮力と自重とのバランス
を確保できる。
そして、バラストタンク内にバラストを注水し、デッ
キ部を下げてスパッド外周のくさび片と、脚体の係止片
とを遊嵌状態に保持すると、構造物は海面上に浮いた状
態で、潮汐に追従して上下動する。
また、バラストタンク内のバラストを排水して、デッ
キ部を浮上させると、くさび片と係止片とが互いに係合
し合ってスパッドと脚体とが結合される。この結果、構
造物には、潮汐、風、波等による影響が減じて、デッキ
部の上下動、水平動が無くなる。
なお、前記バラスト量の操作は、制御手段によって簡
単に行なわれ、暴風雨などの天候や、地震等への対応が
自在となる。
「実施例」 以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。第1図ないし第9図に示す一実施例は、本発明にか
かるスパッド式海洋構造物をヘリポートを備えたコミュ
ーター空港に適用したものである。
図において、符号10で示されるのがコミューター空港
である。このコミューター空港10は、海底に下端が埋め
込めれた複数(図示例では12本)のスパッド11と、これ
らスパッド11の外周にそれぞれ遊嵌される複数の脚体12
を備えかつ上部に空港建築物が構築されるデッキ部13と
を主体として構成されている。
次いで、これらについて具体的に説明すると、前記ス
パッド11は、鋼製中空もしくは内部にコンクリートを充
填した円筒形の密閉構造とされ、その下端は、海底面に
貫入しやすいように円錐状などの鋭角に仕上げてある。
また、このスパッド11の上側外周面には、スパッド11の
外周面を海底近くまで覆う外筒30が挿入されており、該
外筒30は、外筒30およびスパッド11をそれぞれ貫通する
取付ボルト31により固定されている。
そして、この外筒30の上側外周面には、高さ寸法が上
側に行くに従い漸次拡大する複数(図示例では3個)の
くさび片32が、スパッド11の周方向に等間隔に配列され
ている。
これらくさび片32は全体がダンパ性能の有る素材(た
とえばゴムなど)により形成され、かつ、その外周面は
一定の曲率をもった円弧状に形成されるとともに、くさ
び片32の両側面はスパッド11の半径方向にのびる平面に
形成されている(第6図参照)。
なお、前記スパッド11は、第2図などに示すように、
縦横に所定間隔をおいて規則的に打ち込まれており、図
示例の場合、全体として十字状の平板の各隅部に位置す
るように配置されている。
前記デッキ部13は、コンクリートあるいは鋼板等によ
り全体が平面視十字状をした平板状に形成され、その上
面には、屋根にヘリポート14aを備えかつ内部が格納庫
となった建屋14、ドーム屋根を備えたイベント広場15お
よび公園16などが設けられ、さらに周囲の突端には船の
発着場17が設けられるとともに、浮桟橋18を持つヨット
ハーバーが形成されている(第1図参照)。
また、このデッキ部13は、第2図および第3図などに
示すように、井桁状に組まれたデッキガーダー20により
全体が支持され、かつ、該デッキガーダー20の各支点の
下面に、スパッド11の外周に遊嵌される前記脚体12が垂
設されている。そして、互いに隣接する脚体12間には、
これら脚体12を連結する支持梁21が脚体12の下部に位置
して設けられるとともに、これら各支持梁21により囲ま
れた内側には筋かい梁22が配設され、かつ、前記支持梁
21とデッキガーダー20との間にはブレース材23が設けら
れている。
次いで、脚体12について具体的に説明すると、各脚体
12にはバラストタンク25が設けられている。このバラス
トタンク25は、脚体12の外面を形成する外部筒体12a
と、脚体12の底面を形成する底板部12bとにより囲まれ
たタンク室Rを備えており、また、このバラストタンク
25には海水等の流体を注入・排出するポンプ手段が付設
されている。
なお、これらポンプ手段はそれぞれ別個に作動され
て、各バラストタンク25内に注入および排水される流体
の量をタンク毎に調整できるようになっていることは勿
論であり、これにより、浮力と自重とのバランスを確保
して全体もしくは部分的に様々な荷重条件や水深に対応
することが可能になるものである。
一方、前記脚体12の底板部12bには、第4図および第
5図などに示すように、スパッド11を遊嵌する嵌合孔40
が形成されている。
そして、この嵌合孔40の内周面40aの前記くさび片32
に臨む位置には、デッキ部13を浮上させた際に前記くさ
び片32の外周面に面接触する係止片41が複数(図示例で
は3個)設けられている。
前記係止片41は、全体がダンパ性能のある素材(たと
えばゴムなど)により形成されるとともに、その外周面
がくさび片32の外周面に面接触するように下り勾配に傾
斜しており、かつ、前記嵌合孔40の内周面40aに一体に
貼付されている。なお、前記係止片41の配列間隔l1は、
第6図に示すように、係止片41の外側の幅l2よりも大き
く設定され、これにより、スパッド11を嵌合孔40に挿入
する際にくさび片32と係止片41とが互いに干渉しないよ
うに配慮されている。また、係止片541とくさび片32と
の間には、第4図に示すように、脚体12とスパッド11と
を遊嵌状態に保持するための間隙dが形成され、バラス
ト量を重くしてデッキ部13を下げた時に脚体12が間隙d
の範囲で移動が許容されるようになっている。
一方、前記嵌合孔40の奥面40bとスパッド11の上端面
(外筒30の上端面)との間には、膨張時にこれら端面を
圧接してデッキ部13の上下動を拘束する袋体45が介在配
置されている。この袋体45は、たとえば塩化ビニール、
ポリエチレンなどの合成樹脂、あるいはゴム引き布など
により袋状に形成されたもので、前記嵌合孔40の奥面40
bに一体に取り付けられる。そして、この袋体45には、
脚体12に配管された連通管46を介して、袋体45の内部に
空気、海水等の流体を出し入れする給排手段(図示せ
ず)が連結されている。
この給排手段としては、たとえば袋体45に空気を充填
する場合には、エアーコンプレッサーを主体としたもの
が適用され、また袋体45に海水を充填する場合には、渦
巻きポンプ等の各種送水用ポンプが適用される。
また、図面には示されていないが、この海洋構造物に
はバラストタンク25のバラスト量および前記給排手段を
制御する制御手段が設けられている。この制御手段は例
えば脚体12等に生じる荷重等を検出するセンサー(圧力
センサー等)と、前記センサーに接続されたコンピュー
ターとから構成され、前記コンピューターからの出力
と、海洋構造物のバランス条件とを比較監視すること等
により構造物全体を制御するものである。
なお、コンピューターによる海洋構造物の制御にあた
り、予めたとえば以下に示すような環境条件等を基準に
検討し、バラストタンク25およびデッキ部13の天端高、
形状、寸法等の各種設計を行っている。
環境条件 潮位 最低潮位 ± 0.00m 最高潮位 ± 3.00m 水深 20.0 m 波浪(暴風時) 波高 H1/3=4.0 m Hmax=7.2 m 周期 T=7.0〜11.0sec 風 風速 V=60 m/sec 潮流 潮流速 U= 0.2m/sec なお、バラストタンク25の設計にあたっては、スパッ
ド11には僅かながらの押し込み力を与えることが可能な
容量のものを設計し、また暴風時には前記環境荷重によ
りスパッド11に過大の押込み力あるいは引抜き力が作用
しないようなバランシングが可能な構造のものを設計す
る。
なお、デッキ部13の位置は前記最高潮位時にも波浪の
影響を受けない高さに設定するとともにデッキ部13と海
面間の距離に臨海感を持てるものにする。
次いで、以上のように構成されたスパッド式海洋構造
物の作用について説明する。
第1図などに示すように前記構成のスパッド式海洋構
造物を海上に構築するには、まず、デッキガーダー20、
脚体12、デッキ部13等を主体として構成された空港建築
物を予めドック等で組み立てておき、これをバラストタ
ンク25の浮力を大きくして海中に浮かせ、曳き船により
設置箇所まで牽引していく。
次いで、たとえば、第8図に示すようなデッキ部13に
設けた貫通孔48を通してスパッド11を海底に打ち込み、
このスパッド11の外周に、くさび片32を備えた外筒30を
挿入して取付ボルト31により固定する。そして、前記ス
パッド11を脚体12の嵌合孔40に挿入して、艤装を施す
と、第1図に示すように、コミューター空港が完成す
る。
なお、スパッド11を海底に打ち込む際に、第7図に示
す如く、スパッド11の鉛直度を保持する治具50を用いる
と、スパッド11が治具50のガイド孔50aに案内されて垂
直に並行度を保った状態で海底に打ち込まれるので好ま
しい。
また、スパッド11を嵌合孔40に挿入する場合には、ま
ず、第7図に示すように、嵌合孔40の係止片41とスパッ
ド11のくさび片32との位置を互いにずらした状態でスパ
ッド11を嵌合孔40に挿入し、次いで脚体12をひねって、
くさび片32と係止片41とがデッキ部13の浮上時に係合す
るようにする。
しかして、前記海洋構造物の構築は、その大部分を工
場施工することができ、また浮体構造と同時にスパッド
11の打設工事を加えるため、工期短縮を図ることができ
る。
このような構成をなすスパッド式海洋構造物にあって
は、たとえば第9図に示すように、バラストタンク25へ
の注排水並びに袋体45の膨張・収縮等によるスパッド11
と脚体12との結合関係を調整することにより、天候や地
震等への対応が自在となる。
たとえば、通常使用状態で、バラストを固定し、袋体
45を収縮させて、スパッド11と脚体12とを遊嵌状態に保
持すると、構造物は海面上に浮いた状態で、潮流、風等
の影響を受けながら、潮汐に追従して上下動することに
なる。
また、暴風波浪時の場合には、バラストタンク25内の
海水を全て排出して(デバラストして)構造物全体を浮
上させるとともに、袋体45に給排手段より空気または海
水を充填して、第5図に示すように、袋体45を膨張させ
る。この操作により、スパッド11のくさび片32と脚体12
の係止片41とが互いに係合して結合され、また、袋体45
が嵌合孔40の奥面40bおよびスパッド11の上端面をそれ
ぞれ圧接する。この状態においては、くさび片32と係止
片41との係合作用により、上向きに強く力が加えられる
ほど、両者の結合力は強まることとなり、水平方向およ
び鉛直方向上側への動きが拘束されることになる。ま
た、鉛直方向下側への動きは袋体45により拘束されて、
暴風波浪に対しての影響を少なくすることができる。
なお、前記において、鉛直力のうち押し込み力は袋体
45により制御され、引抜力はスパッド11の引抜抵抗によ
り拘束される。
また、地震時の場合には、バラストを固定して袋体45
を収縮させ、常時と同様に、スパッド11と脚体12とを遊
嵌状態としていわゆる浮体式の構成をとれば、地盤から
の影響を低減することができる。なお、この際、スパッ
ド11と脚体12とは、波浪、風等の影響により、くさび片
32、係止片41を介して接触するため、スパッド11からあ
る程度の慣性力は構造物に伝達され微動する。
さらに、実施例のスパッド式海洋構造物によれば、ス
パッド11の外周に挿入した外筒30を取り外すことによ
り、くさび片32を交換することができる。したがって、
くさび片32を補修する場合には、取付ボルト31を取り外
し、スパッド11から外筒30を抜けば良く、その補修作業
も簡単に実施することができる等の効果がある。
なお、本発明は前記の実施例に制約されるものではな
く、第10図および第11図に示す他の実施例のように、袋
体45を省略するような構成としても良い。なお、このよ
うな構成とすれば、デバラストしてデッキ部13を浮上さ
せた際に、脚体12の水平動は拘束されるが、波浪による
上下動は許容されることになる。
また実施例では、前記バラストタンク25を、デッキ部
13の脚体25に配置したので、タンク25による浮力の調整
を容易にすることができ、かつ構造物のコンパクト化を
図ることができるが、バラストタンク25を脚体25と別個
にデッキ部13に設けて、浮力の調整を図るようにしても
良い。
「発明の効果」 以上説明したように本発明は、海底に下端が埋め込ま
れた複数のスパッドと、これら各スパッドの外周にそれ
ぞれ遊嵌される複数の脚体を備えたデッキ部と、前記デ
ッキ部に設けられたバラストタンクと、前記バラストタ
ンクのバラスト量を調整する制御手段とを具備し、か
つ、前記スパッドの外周には、高さ寸法が上側に行くに
従い漸次拡大する複数のくさび片を、スパッドの周方向
に間隔を開けて配列し、前記脚体のスパッドを遊嵌する
嵌合孔に、デッキ部を浮上させた際に前記くさび片の外
周面に面接触する係止片を複数設けたから、次のような
優れた効果を奏することができる。
制御手段によってバラストタンクへの注排水を制御
することにより、浮力と自重とのバランスを確保でき、
これにより、様々な荷重条件や水深ならびに多様な地盤
特性に対応することが可能になる。また、前記により、
デッキ部上に構築される上部施設の重量分布にも対応可
能であり、各種海洋施設への適用性を向上することがで
きる。
またバラスト量の調整により、潮汐変動によるスパ
ッド反力の変動を調整できるとともに、用途に応じて
は、デッキ部の脚体をスパッドに対して遊嵌状態とする
ことにより、デッキ部を潮汐に追従させてその親水性を
確保することができる。さらに、デッキ部を浮上させる
ことにより、くさび片と係止片とを互いに面接触させ、
スパッドと脚体とを一体化することにより、デッキ部の
波浪、風等による動揺を少なくすることができるので、
居住性を向上させることができる等の利点もある。
海底に下端が埋め込めれたスパッドの外周に脚体を
遊嵌させて浮体構造物(デッキ部)を係留する構成とな
るため、特別な係留手段を設けることなく、安定した状
態でデッキ部を海洋に設置することができる。また環境
荷重による水平力に対しては、杭同等の抵抗を確保する
ことができる。
バラスト量の調整により、スパッドの押込み力や引
抜き力を低減できるから、スパッドの長さを短くするこ
とが可能になる。
なお、前記バラスト量の調整は、制御手段によって
簡単に行なうことができるので、暴風雨などの天候や、
地震等への対応が自在となる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第9図は本発明の実施例を示すもので、第
1図は実施例の海洋構造物をコミューター空港に適用し
た斜視図、第2図は左右にデッキ部の上面と、中間部と
を表した平面図、第3図はその側面図、第4図はスパッ
ドと脚体との係合関係を示す断面図、第5図は袋体を膨
張させた状態を示す断面図、第6図および第7図はくさ
び片と係止片との係合関係を説明するために示したもの
で、それぞれ平面図、第8図はスパッドを海底に打ち込
む際の要領を説明するために示した側面図、第9図は作
用を説明するための図、第10図および第11図は本発明の
他の実施例を示すもので、それぞれ断面図、第12図およ
び第13図は従来の海洋構造物の一例を説明するために示
したもので、第12図は斜視図、第13図はその側面図であ
る。 10……コミューター空港、 11……スパッド、 12……脚体、 13……デッキ部、 14a……ヘリポート、 14……建屋、 20……デッキガーダー、 21……支持梁、 22……筋かい梁、 23……ブレース材、 25……バラストタンク、 30……外筒、 32……くさび片、 R……タンク室、 40……嵌合孔、 45……袋体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内田 博喜 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 野村 肇 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 田中 正博 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 清川 哲志 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 井上 理 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 堀 哲朗 東京都中央区京橋2丁目16番1号 清水建 設株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−219208(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】海底に下端が埋め込まれた複数のスパッド
    と、これら各スパッドの外周にそれぞれ遊嵌される複数
    の脚体を備えたデッキ部と、前記デッキ部に設けられた
    バラストタンクと、前記バラストタンクのバラスト量を
    調整する制御手段とを具備し、かつ、前記スパッドの外
    周には、高さ寸法が上側に行くに従い漸次拡大する複数
    のくさび片が、スパッドの周方向に間隔を開けて配列さ
    れ、前記脚体のスパッドを遊嵌する嵌合孔には、デッキ
    部を浮上させた際に前記くさび片の外周面に面接触する
    係止片が複数設けられていることを特徴とするスパッド
    式海洋構造物。
  2. 【請求項2】前記スパッドの上端面と嵌合孔の奥面との
    間には、内部に空気、海水等の流体が出し入れされかつ
    流体の充填時にスパッドの上端面と嵌合孔の奥面とを圧
    接してデッキ部の上下動を拘束する袋体が介在配置され
    ていることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の
    スパッド式海洋構造物。
  3. 【請求項3】前記バラストタンクは、デッキ部の脚体に
    配置されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    ないし第2項に記載のスパッド式海洋構造物。
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