JPH0860166A - 少なくとも1種のフルベン誘導体を含む燃料組成物及びその使用 - Google Patents

少なくとも1種のフルベン誘導体を含む燃料組成物及びその使用

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JPH0860166A
JPH0860166A JP7187236A JP18723695A JPH0860166A JP H0860166 A JPH0860166 A JP H0860166A JP 7187236 A JP7187236 A JP 7187236A JP 18723695 A JP18723695 A JP 18723695A JP H0860166 A JPH0860166 A JP H0860166A
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cyclopentadiene
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JP7187236A
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Jean-Philippe Roman
ジヤン−フイリツプ・ロマン
Alain Chaffardon
アラン・シヤフアルドン
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Elf Antar France
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10LFUELS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NATURAL GAS; SYNTHETIC NATURAL GAS OBTAINED BY PROCESSES NOT COVERED BY SUBCLASSES C10G, C10K; LIQUEFIED PETROLEUM GAS; ADDING MATERIALS TO FUELS OR FIRES TO REDUCE SMOKE OR UNDESIRABLE DEPOSITS OR TO FACILITATE SOOT REMOVAL; FIRELIGHTERS
    • C10L1/00Liquid carbonaceous fuels
    • C10L1/10Liquid carbonaceous fuels containing additives
    • C10L1/14Organic compounds
    • C10L1/16Hydrocarbons
    • C10L1/1608Well defined compounds, e.g. hexane, benzene

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  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンチノック性を有する燃料組成物を提供す
る。 【解決手段】 高比率の少なくとも1種の燃料ベースと
低比率の少なくとも1種のフルベン誘導体とを含む燃料
組成物であって、前記フルベン誘導体が式(I): 【化1】 〔式中、R1は水素原子または1〜3個の炭素原子を含
むアルキル基であり、R2は水素原子または1〜4個の
炭素原子を含む飽和もしくは不飽和脂肪族基である〕の
5−(アルキルアルキリデン)−1,3−シクロペンタ
ジエンであることを特徴とする燃料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陸用車両または航
空機の推進に使用される火花点火式往復機関及びタービ
ンまたはジェットエンジンに適した燃料組成物に係わ
る。特に本発明は、発熱量の向上及び火炎伝播速度の加
速に対応して改善されたアンチノック性を有する燃料組
成物に係わる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】優れた
アンチノック性を有する燃料を得るためには、燃料組成
物に1種以上の有機金属化合物を添加することが公知で
あるが、そのうち最も良く知られ、恐らくは最も効果的
なものは四アルキル鉛類に属するもの、特に四メチル鉛
及び四エチル鉛である。これらの化合物は現在尚広く使
用されているが、環境に対して有毒であり得ることから
その使用は近いうちに中止されるであろう。また、排気
ガスの接触処理装置が開発されても、使用した触媒が鉛
によって失効されるが故に、これらを燃料成分として存
続させることはできない。
【0003】カナダや米国ではメチルシクロペンタジエ
ニルマンガントリカルボニル(MMT)のごとき他の有
機金属化合物を含む多数のアンチノック性を有する物質
が提案され、無鉛燃料に使用されている(米国特許第
2,818,417号明細書、米国特許第2,839,
552号明細書、米国特許第3,127,351号明細
書参照)。無灰非有機金属化合物、特に1,4−及び
1,3−ジアミノブタン(米国特許第4,445,90
9号参照)、アルキルカーボネート(米国特許第4,6
00,408号明細書参照)並びにアニリン及びある種
のそのアルキル化誘導体、例えばN−メチルアニリン、
2,6−ジメチルアニリンまたはN−アルキルトルイジ
ン(米国特許第4,294,587号明細書参照)とい
った他の物質も研究されており、これらはノックを解消
する上で特に有効である。しかしながらこれらの化合物
は、コストが高い、加水分解または酸化に対して高感受
性である、燃料ベースに難溶性である、水溶性が高いと
いった理由でいずれも大量生産されておらず、従って燃
料に使用されているものはない。
【0004】ヨーロッパでは、オクタン価を高め、規格
によって求められるオクタン価に達するために、慣用燃
料ベースを添加剤としての有機金属化合物を用いて処理
するよりは、改質ガソリン、アルキレート、イソメレー
ト、または他の酸素化合物、例えばメチルtert−ブ
チルエーテル(MTBE)といった高オクタン価の炭化
水素ベースを配合することが好ましいとされている。
【0005】しかしながら、オクタン価を更に向上すべ
くアンチノック剤が追究されている。特に、1−メチレ
ンシクロペンタジエンとも称されるある種のフルベン誘
導体、例えばハロゲン化フルベン(米国特許第4,26
4,336号明細書)、ある種のアミノフルベン、例え
ば6−ジメチルアミノフルベン(米国特許第3,70
6,541号明細書)、または2−アルコキシカルボニ
ル−6−ジメチルアミノフルベン及び2,3−ジアルコ
キシカルボニル−6−ジメチルアミノフルベン(米国特
許第5,118,325号明細書)はアンチノック性を
示すことが見い出されている。しかしならがこれらの化
合物は、コストが高い上に特に組成に関して大きな欠点
があることから、現在の内燃機関用燃料調合材に使用さ
れてはいない。
【0006】実際、燃料は優れた耐ノック性だけでな
く、優れた燃焼性能を示す必要がある。
【0007】同様に、使用されるアンチノック剤も好ま
しい燃焼挙動を示す必要がある。しかしながら、窒素及
び塩素原子を含む上述のフルベン誘導体は、燃焼する
と、窒素酸化物、塩素化軽炭化水素及び塩酸に分解され
る。酸性塩素含有ガスが存在すると内燃機関が腐食する
という多大な危険が生じ得るので、燃料調合材中にハロ
ゲン化フルベン誘導体を存在させるべきではない。更
に、燃焼時に有毒ガスを生成するし、それよりも合成す
るのが複雑なフルベンのアミノ誘導体は、「担体」液の
存在下でなければ炭化水素に十分に溶解せず、このため
に適用分野及び性能は制限されている。
【0008】並行して、フルベンのヘテロ原子を含まな
い炭化水素誘導体が研究され、英国特許第1,116,
053号明細書にはそれらが高い単位容積当たり真発熱
量を有するものとして特許請求されている。しかしなが
ら、好ましい化合物たるジフェニルフルベン及びメチル
フェニルフルベンは、その分子量及び構造の故に、火花
点火式往復機関またはタービンもしくはジェットエンジ
ン用の燃料に添加し得ないことが判明した。これらは極
めて低い含有量でしか導入され得ないので、燃料の潜在
燃焼エネルギーを有意に増大することができない。
【0009】本発明は、燃料に易溶性であり、エンジン
のノックの問題を解消するだけでなく、燃焼の質を向上
し得る少なくとも1種の添加剤または成分を含む燃料組
成物を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】従って本発明は、大量の
少なくとも1種の燃料ベースと少量の少なくとも1種の
フルベン誘導体とを含む燃料組成物であって、前記フル
ベン誘導体が式(I):
【0011】
【化2】
【0012】〔式中、R1は水素原子または1〜3個の
炭素原子を含むアルキル基であり、R2は水素原子また
は1〜4個の炭素原子を含む飽和もしくは不飽和の線
状、分枝状もしくは環状炭化水素基である〕の5−(ア
ルキルアルキリデン)−1,3−シクロペンタジエンで
あることを特徴とする燃料組成物を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】式(I)のフルベン誘導体は、陸
用車両または航空機に装備される全てのエンジン用の全
ての燃料ベースに極めて可溶性である。該誘導体は燃料
組成物に極めて優れた耐ノック性を与えると共に、燃料
のアンチノック剤として公知の有機金属化合物または無
灰炭化水素化合物よりもはるかに高い燃焼性を与える。
【0014】本発明の燃料組成物の燃焼性能は、真発熱
量(NCV)を計算または測定したり、構成生成物また
は燃料自体の制御燃焼の際の火炎伝播速度を測定するこ
とにより評価し得る。
【0015】基R2が1〜3個の炭素原子を含む線状ア
ルキル鎖である式(I)のフルベン誘導体は、本発明を
実施するために特に選択される。よって、本発明で使用
するのに好ましいフルベン誘導体は、5−(1−アルキ
ルメチリデン)−1,3−シクロペンタジエン、5−
(1−アルキルエチリデン)−1,3−シクロペンタジ
エン及び5−(1−アルキルプロピリデン)−1,3−
シクロペンタジエンである。
【0016】好ましい実施態様においては、式(I)の
基R1はメチル基である。
【0017】本発明で特に好ましいフルベン誘導体は5
−(1−メチルエチリデン)−1,3−シクロペンタジ
エンであり、これはジメチルフルベンの名称で広く知ら
れている。
【0018】本発明に使用される燃料組成物は、陸用車
両及び航空機に装備された火花点火式往復機関またはタ
ービンもしくはジェットエンジン用に考えられている。
欧州共同体に属するまたは属さない欧州各国、米国、カ
ナダ及び日本の、自動車燃料に関する規制及び法令、所
謂競技用燃料に関するスポーツ規定、または軍事規制に
よって課される仕様を考慮し、燃料ベースから調合され
る。
【0019】本発明においては、燃料ベースは、純生成
物、原油の精製及び変換から生じた炭化水素留分または
これら2つの混合物である。
【0020】この実施態様においては、燃料ベースは、
4〜10個の炭素原子を含むn−パラフィン及びイソパ
ラフィン、4〜10個の炭素原子を含む直鎖または分枝
鎖オレフィン及び直鎖または分枝鎖ジオレフィン、1つ
以上の二重結合を含むポリ不飽和誘導体、少なくとも1
つの飽和またはモノもしくはポリ不飽和アルキル鎖を含
むナフテン、1つ以上の飽和またはモノもしくはポリ不
飽和アルキル鎖で任意に置換されたモノ−、ジ−、トリ
−またはテトラオレフィン性ナフテン、並びに、1つ以
上の飽和またはモノもしくはポリ不飽和アルキル鎖で任
意に置換された芳香族化合物からなる群から選択され
る。
【0021】他の不飽和を示す炭化水素化合物を燃料ベ
ースとして使用することも、本発明の範囲に包含され
る。
【0022】かかる本発明の燃料ベースは、1〜8個の
炭素原子を含み、アルキル鎖が線状、分枝状または環状
であり得、1つ以上のエチレン性またはアセチレン性不
飽和を含み得る第一級、第二級または第三級アルコー
ル、並びに、1〜7個の炭素原子を含み、二重及び三重
結合といった1つ以上の不飽和を含み得る線状、分枝状
または環状アルキルエーテルからなる群から選択される
酸素含有誘導体であり得る。
【0023】本発明の燃料組成物は更に、洗剤、分散
剤、解乳化剤、抗酸化剤、腐食防止剤、帯電防止生成物
または安定剤を含み得る。
【0024】アンチノック作用を有することが判明して
いる有機金属化合物が既に添加されている燃料に本発明
のフルベン誘導体を添加すると、アンチノック性は更に
向上される。
【0025】本発明の燃料組成物は、50容量ppm〜
70容量%、好ましくは500容量ppm〜50容量%
の少なくとも1種の5−(アルキルアルキリデン)−
1,3−シクロペンタジエンを含む。
【0026】本発明のフルベン誘導体は、用途並びに一
般車両かまたはレース用車両かに従ってアンチノック剤
または燃料ベースのいずれかとして使用される。
【0027】
【実施例】以下、非限定的に本発明を説明する目的で実
施例を示す。
【0028】実施例1 本実施例は、フルベン誘導体によってもたらされる火炎
伝播速度の加速及び真発熱量(NCV)の増加について
特に説明するものである。
【0029】式(I)のフルベン誘導体、特に5−(1
−アルキルメチリデンまたは1−アルキルエチリデンま
たは1−アルキルプロピリデン)−1,3−シクロペン
タジエン、とりわけ6,6−ジメチルフルベンを含む燃
料サンプルを製造した。かかるフルベン誘導体は、T.
Segusa(J.Am.Chem.Soc.,197
1,93,5656)、M.Kirilov(J.Or
ganomet.Chem.,1976,113,22
5)及びM.Kice(J.Am.Chem.So
c.,Vol.80,58,3792)のいずれかに従
い、シクロペンタジエンを強塩基で処理してシクロペン
タジエニルアニオンを形成し、前記アニオンをアルデヒ
ドまたはケトンと縮合することからなるというそれ自体
は公知の方法によって製造した。
【0030】サンプル1:アセトン17.4gと新たに
蒸留したシクロペンタジエン20gの混合物を、75m
lの無水エタノール中に6.9gのナトリウムを含む溶
液にゆっくり添加した。窒素下で3時間撹拌した後、混
合物を250mlの水中に注ぎ込んだ。有機相をジクロ
ロメタン中に抽出し、水性洗液のpHが中性になるまで
水で洗浄した。次いで無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、
濾過した。ジクロロメタンを蒸散させ、生成物を減圧下
で蒸留した。シクロペンタジエンの導入量を基準にする
と46%の収率で6,6−ジメチルフルベンが回収され
た。
【0031】サンプル2:方法はサンプル1と同様であ
るが、但しアセトンに代えて21.6gの2−ブタノン
を添加した。6−メチル−6−エチルフルベンが収率4
7%で回収された。
【0032】サンプル3:方法はサンプル1と同様であ
るが、但しアセトンに代えて25.8gのメチルイソプ
ロピルケトンを添加した。6−メチル−6−イソプロピ
ルフルベンが収率46%で回収された。
【0033】サンプル4:方法はサンプル1と同様であ
るが、但しアセトンに代えて25.8gの2−ぺンタノ
ンを添加した。6−メチル−6−ブチルフルベンが収率
42%で回収された。
【0034】サンプル5:方法はサンプル1と同様であ
るが、但しアセトンに代えて25.8gの3−ぺンタノ
ンを添加した。6,6−ジエチルフルベンが収率40%
で回収された。
【0035】サンプル6:方法はサンプル1と同様であ
るが、但しアセトンに代えて21gの2−ブテノンを添
加した。6−メチル−6−プロペニルフルベンが収率3
4%で回収された。
【0036】サンプル7:方法はサンプル1と同様であ
るが、但しアセトンに代えて、150℃で昇華させた1
0.75gのパラホルムアルデヒドを無水エタノール中
に溶解することにより予め調製したホルムアルデヒドの
エタノール溶液を添加した。シクロペンタジエンの導入
量を基準にすると52%の収率で5−(1−メチルメチ
リデン)−1,3−シクロペンタジエンが回収された。
【0037】サンプル8:方法はサンプル1と同様であ
るが、但しアセトンに代えて13.2gのエタナールを
添加した。シクロペンタジエンの導入量を基準にすると
51%の収率で5−(1−エチルメチリデン)−1,3
−シクロペンタジエンが回収された。
【0038】サンプル9:方法はサンプル1と同様であ
るが、但しアセトンに代えて17.4gのプロパナール
を添加した。シクロペンタジエンの導入量を基準にする
と47%の収率で5−(1−プロピルメチリデン)−
1,3−シクロペンタジエンが回収された。
【0039】サンプル10:方法はサンプル1と同様で
あるが、但しアセトンに代えて16.8gのアクロレイ
ンを添加した。シクロペンタジエンの導入量を基準にす
ると38%の収率で5−(1−プロペニルメチリデン)
−1,3−シクロペンタジエンが回収された。
【0040】サンプル11:方法はサンプル1と同様で
あるが、但しアセトンに代えて31.5gのアセトフェ
ノンを添加した。赤味がかった粘性オイルの形態の生成
物である6−メチル−6−フェニルフルベンが収率48
%で回収された。
【0041】サンプル12:方法はサンプル1と同様で
あるが、但しアセトンに代えて50.3gのジフェニル
ケトンを添加した。結晶質オレンジ色固体の形態の生成
物である6,6−ジフェニルフルベンが収率51%で回
収された。
【0042】サンプル11及び12は従来公知の化合物
であり、これらを本発明のフルベン誘導体と比較した。
【0043】上記サンプルの層状(laminar)火
炎伝播速度を、試験すべきサンプルを良好に噴射するの
に必要な温度及び圧力下で完全に調整され、完全に気化
された空気/サンプル混合混合物を調製するよう特に設
計された実験装置内で測定した。この装置は、混合物を
調製するための格納容器に連結された球形燃焼チャンバ
を含む。実験は、周囲温度〜160℃の温度、0.05
〜32バールの絶対圧力下で実施した。
【0044】多点噴射式の車両に装備されるインジェク
ターと同タイプのMagneti−Marelliイン
ジェクターまたはBoschインジェクターを、所望の
キャリブレーションに従って選択して使用し、各サンプ
ルを混合物調製用格納容器内に注入した。燃焼チャンバ
内の混合物を、コイル通電時間を変化させる装置によっ
て制御されるRenix引火電源モジュールによって引
火させた。コイル通電時間は1〜9msで変えることが
でき、この装置によって装填物を引火すべく送達される
電力を正確に制御し得る。
【0045】引火は、球形チャンバの中央でマイクロメ
ーターねじを使用して間隙が調整される2つの電極間で
行われる。燃焼現象に関するデータは、温度プローブ、
イオン化プローブ及び圧電性圧力センサ、並びに光学ア
クセス手段によって収集した。
【0046】本実施例においては、温度80℃及び絶対
圧力12バール下で燃焼反応におけるリッチネス(ri
chness)が1であることが既知の化学量論量の空
気/サンプル混合物において層状火炎伝播速度を測定し
た。測定は各サンプルについて7回繰り返した。信頼区
間98%内にあるものを採用し、平均し、2,2,4−
トリメチルペンタン(即ちイソオクタン)の層状火炎伝
播速度に対して標準化した。この化合物を基準化合物と
して選択したのは、火花引火式往復機関またはタービン
もしくはジェットエンジン用の代表的燃料だからであ
る。得られた結果を表Iに示す。
【0047】
【表1】
【0048】表Iの結果から、本発明のフルベン誘導体
は、イソオクタンより2.5〜4倍程度大きい層状火炎
伝播速度を有することが判る。
【0049】式(I)の化合物のアルキル基R2がフェ
ニル基である場合(サンプル11)の層状火炎伝播速度
は、イソオクタンよりは高いが、ずっと低いことが判る
(例えばサンプル1の増加381%と比較して増加40
%)。
【0050】式(I)の化合物のアルキル基R1及びR2
がフェニル基である場合(サンプル12)では純生成物
の火炎伝播速度は測定できなかったことも判る。実際こ
の生成物は固体であるので、使用できるようにするため
には適当な溶剤、この場合には芳香族溶剤中に溶解する
必要があり、これは大きな欠点である。
【0051】並行して、本発明者らは上記サンプルの真
発熱量(NCV)を重要視した。
【0052】一定容積のかかるサンプルの総発熱量(G
CV)を、測定前の蒸発を防止するためにアセトブチレ
ートまたはゼラチンカプセル内に封入してから、DIN
標準51900に従い、IKA C700断熱熱量計に
よって酸素圧(N45)30バールにおいて測定した。
熱量計は安息香酸を用いて予め標準化した。真発熱量
(NCV)は、式: NCV=GCV−206H (ここでHは生成物中の水素の質量%である)に従い、
GCV値から水の気化熱を差し引くことにより算出し
た。
【0053】しかしながら、各サンプルのNCV測定値
を直接比較することはできない。実際、NCV値である
化合物の燃焼反応熱は該化合物中の炭素原子数及び水素
原子数に依存するからである。
【0054】炭素原子数が多いほど燃焼反応熱が大き
く、従ってNCVが大きくなることは明らかである。し
かしながら、燃焼反応により水が生成され、この水が気
化することで反応によって生成された熱の一部が消費さ
れるので、分子中に存在する水素原子を考慮してから、
同じ実験式をもたない2つの分子のNCVを比較するこ
とが適当である。
【0055】従って本発明者らは、各サンプルに対し
て、NCV測定値だけでなくC/H比とも称される炭素
原子数対水素原子数の比をも考慮した。表IIに、各試
験サンプルのNCV測定値とC/H単位に対するNCV
値とを示す。この後者の値に基いてサンプル1〜12を
相互に比較し得る。
【0056】
【表2】
【0057】表IIでは、本発明のフルベン誘導体の有
益性が際立って見える。
【0058】サンプル1を見ると、サンプル11及び1
2のNCVはより高い「純生成物のNCV」値に相当
し、これらのなかで最高の部類でさえあることが特記さ
れるが、サンプル1の8炭素原子と比較するとサンプル
11及び12はそれぞれ13及び18個の炭素原子を含
むことで理論にかなっている。しかしながら、各サンプ
ルのC/H比を考慮すると、サンプル11及び12の
「C/H単位当たりのNCV」値はサンプル1よりそれ
ぞれ11.9%及び27.3%低いことが判る。
【0059】これは、6−メチル−6−フェニルフルベ
ン及び6,6−ジフェニルフルベンのごとき1つ以上の
フェニル置換基をもつフルベン誘導体の有効性が低いこ
とを示している。
【0060】実施例2 本実施例の目的は、実施例1のサンプル1〜10の1つ
を可変量で導入した3種の市販燃料のオクタン価、酸化
安定性及び燃焼特性の変化を追跡することである。
【0061】かかる燃料とは、 −Eurosuperタイプの無鉛プレミアム等級95
(燃料Aと称する)、 −AVGAS 100LLタイプの航空用燃料(燃料B
と称する)、及び −Jet Aタイプの航空用燃料(燃料Cと称する) である。
【0062】これらの特性を下記の表IIIに示す。
【0063】
【表3】
【0064】サンプル1〜10を燃料A、B及びCに
0.5、1、5及び20容量%の濃度で添加した。
【0065】添加剤で処理した各燃料について本発明者
らは下記の性質を測定した。
【0066】−ASTM試験法D−2699に従うRO
N(リサーチ法オクタン価)。添加剤非含有の基準燃料
(以降はTと表記する)の数値と比較したときの増加ま
たは損失で表わされる。RONは低出力で動作するエン
ジン中の燃料の耐ノック性能を表わす。
【0067】−ASTM試験法D−2700に従うMO
N(モーター法オクタン価)。基準燃料Tと比較したと
きの増加または損失で表わされる。MONは高出力で動
作するエンジン中の燃料の耐ノック性能を表わす。
【0068】−IPと表記されるASTM試験法D52
5に従う誘導期間(分で表わされる)。燃料サンプルを
含む容器の上部空間内で酸素圧力降下が見られるのに要
する時間に対応しており、燃料の酸化可能性を特徴付け
る。添加剤で処理した試験燃料の誘導期間の測定値は常
に90分より長い。
【0069】−ASTM試験法D−381に従う実ガム
含有量(mg/100mlで表わされる)。これは、燃
料が酸化後にガムを形成し、沈着する性質を有すること
から、誘導期間測定後に測定される。
【0070】−DIN試験法51900に従うNCV。
基準燃料Tと比較したときの相対値で表わされる。
【0071】−上記方法に従う火炎伝播速度(V)。基
準燃料Tと比較しときの相対値で表わされる。
【0072】これらの測定結果を下記の表IVにまとめ
て示す。
【0073】
【表4】
【0074】燃料A及びBのRON及びMONはサンプ
ル1〜12のアンチノック作用を表わしている。
【0075】かかる条件において本発明のサンプル1〜
10を添加すると特にRON及びMONの増加が促進さ
れることが判る。本発明組成物のアンチノック性が確証
されたことは明らかである。燃料のRON及びMONが
増加すると、経済性が懸念される場合には極めて有利で
あり、本発明組成物の有益性が理解される。
【0076】燃料Cのケースではサンプル1〜10のい
ずれでもNCV及び火炎伝播速度の増加が著しく、本発
明の有益性が増強される。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大量の少なくとも1種の燃料ベースと少
    量の少なくとも1種のフルベン誘導体とを含む燃料組成
    物であって、前記フルベン誘導体が式(I): 【化1】 〔式中、R1は水素原子または1〜3個の炭素原子を含
    むアルキル基であり、R2は水素原子または1〜4個の
    炭素原子を含む飽和もしくは不飽和脂肪族基である〕の
    5−(アルキルアルキリデン)−1,3−シクロペンタ
    ジエンであることを特徴とする燃料組成物。
  2. 【請求項2】 R2が1〜3個の炭素原子を含む線状ア
    ルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の燃料
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記フルベン誘導体が、5−(1−アル
    キルメチリデン)−1,3−シクロペンタジエン、5−
    (1−アルキルエチリデン)−1,3−シクロペンタジ
    エン及び5−(1−アルキルプロピリデン)−1,3−
    シクロペンタジエンからなる群から選択される請求項1
    または2に記載の燃料組成物。
  4. 【請求項4】 R1がメチル基であることを特徴とする
    請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料組成物。
  5. 【請求項5】 前記フルベン誘導体が5−(1−メチル
    エチリデン)−1,3−シクロペンタジエンであること
    を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃
    料組成物。
  6. 【請求項6】 前記燃料ベースが、純生成物、原油の精
    製及び変換から生じた炭化水素留分またはこれら2つの
    混合物から生成されたガソリンであることを特徴とする
    請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料組成物。
  7. 【請求項7】 前記燃料ベースが、4〜10個の炭素原
    子を含むn−パラフィン及びイソパラフィン、4〜10
    個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖オレフィン及びジ
    オレフィン、1つ以上の二重結合を含むポリ不飽和誘導
    体、少なくとも1つの飽和またはモノもしくはポリ不飽
    和アルキル鎖を含むナフテン、1つ以上の飽和またはモ
    ノもしくはポリ不飽和アルキル鎖で任意に置換されたモ
    ノ−、ジ−、トリ−またはテトラオレフィン性ナフテ
    ン、並びに、1つ以上の飽和またはモノもしくはポリ不
    飽和アルキル基で任意に置換された芳香族化合物からな
    る群から選択される少なくとも1種の成分を含むことを
    特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料
    組成物。
  8. 【請求項8】 前記燃料ベースが、1〜8個の炭素原子
    を含み、線状、分枝状または環状鎖を有し、必要によっ
    ては1つ以上のエチレン性またはアセチレン性不飽和を
    含む第一級、第二級または第三級アルコール、及び、1
    〜7個の炭素原子を含み、必要によっては1つ以上の不
    飽和を含む線状、分枝状または環状アルキルエーテルか
    らなる群から選択される酸素化合物を含むことを特徴と
    する請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料組成
    物。
  9. 【請求項9】 容量で50ppm〜70%、好ましくは
    500ppm〜40%の5−(アルキルアルキリデン)
    −1,3−シクロペンタジエンを含むことを特徴とする
    請求項1から8のいずれか一項に記載の燃料組成物。
  10. 【請求項10】 火花点火式往復機関並びにタービン及
    びジェットエンジンにおける請求項1から9のいずれか
    一項に記載の燃料組成物の使用。
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