JPH0859310A - 無機硬化体及びその製造方法 - Google Patents
無機硬化体及びその製造方法Info
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Abstract
性ガラス繊維の使用は勿論のこと、安価なEガラス繊維
を補強材として使用しても、長期耐久性に優れ、高強度
及び高靱性な無機硬化体及びその製造方法を提供する。 【構成】 この発明は、水和前処理したスラグを用いて
成形体とし、該成形体に炭酸ガスを作用させ硬化させる
ことを特徴とする。
Description
ような建築材料、或いはブロック材のような土木材料等
として用いられる無機硬化体の製造方法に関するもので
ある。
バインダとして用い、ガラス繊維を補強材としたガラス
繊維補強コンクリート(GRC)は、強度も高く、靱性
に優れており、建築材料や土木材料等として一部利用さ
れてきている。しかし、その使用に際しては、セメント
から生じるアルカリ(主としてCa(OH)2 )によっ
てガラス繊維が侵されて強度及び靱性が低下するという
欠点があり、用途はごく制限されたものとなっている。
維を用いたり、セメントに炭酸ガスを作用させアルカリ
を低減することが試みられているが、いずれも長期の使
用では、ガラス繊維の劣化が避けられず、十分な改善効
果が得られていないのが現状である。
ラグの利用が試みられているが、スラグは、そのままの
状態、即ち、未水和のスラグは低アルカリであるが炭酸
ガスと反応せず炭酸化によって硬化体を得ることができ
ない。従って、スラグとアルカリ刺激材を含む成形体を
養生して水和させ硬化体とするか、あるいはスラグを含
む成形体を高温におき水和させ硬化体とした後、炭酸ガ
スを作用させるなどの方法が採られている。
形体の養生中にガラス繊維が高いアルカリ下におかれる
ことになり、その間にガラス繊維の劣化が生じて好まし
いものでない。また、硬化体とした後に炭酸ガスを作用
させることは、硬化体の内部へ炭酸ガスが非常に浸透し
難く、炭酸化が極めて不十分なものとなりやすい。この
ため、炭酸ガスの浸透を容易ならしめるために硬化体の
空隙を多くすると高強度のものが得られないなどの欠点
がある。
く、耐アルカリ性ガラス繊維の使用は勿論のこと、安価
なEガラス繊維を補強材として使用しても、長期耐久性
に優れ、高強度及び高靱性な無機硬化体及びその製造方
法を提供するものである。
めに、この発明の無機硬化体によれば、水和前処理した
スラグを成形体材料とすること(請求項1)、又この発
明の無機硬化体の製造方法によれば、水和前処理したス
ラグを用いて成形体とし、該成形体に炭酸ガスを作用さ
せ硬化させること(請求項2)、ブレーン比表面積10
00cm2 /g以上のスラグを水中若しくは温水中で少な
くともIg.Lossで5重量%以上となるように攪拌
混合して水和前処理すること(請求項3)、温度が20
℃以上の水中若しくは温水中で水和前処理すること(請
求項4)、成形体中にガラス繊維を補強材として混入す
ること(請求項5)を特徴とする。以下、この発明を詳
しく説明する。
るカルシウム含有スラグであり、カルシウムとして10
%以上含有しているものであれば、特に制限されること
なく利用することができ、中でも鉄鋼高炉スラグが好適
に使用される。スラグは、後述する水和前処理を効果的
に進めるために粉末状のものが良く、ブレーン比表面積
1000〜20000cm2/g程度のものが好ましい。こ
れが1000cm2/g以下では炭酸化時の効率が悪く、水
和前処理後の再粉砕が必要となり、また、20000cm
2/gをこえて粉砕しても水和前処理を効率的に進める以
上に粉砕に要する負担が大きく経済的でない。また、当
然のことながら、スラグに砂、砂利等を加え、モルタル
またはコンクリートとして使用することになんら問題は
ない。
炭酸化することはなく、硬化体を得ることができない。
この発明は、スラグを水和前処理し、これを成形体材料
として用いる。水和前処理は、スラグを単に水に漬けて
おくだけでも良いが、温度が20℃以上の水中若しくは
温水中で攪拌混合することが好ましい。水和は水温が高
いほど早く進み、また、水和中、スラグを攪拌混合する
ことにより水和を促進すると共にスラグの固結ができな
いようにすれば、このスラリーを用いて直接成形の用に
供することができる。
重量比でスラグ/水=5〜0.1の範囲とすることが好
ましい。この範囲を外れて水の量が少なくなると攪拌に
大きな動力を必要とし、また、水の量が多くなると次工
程における炭酸化で脱水量が多くなり非効率となる。
尚、スラリーの凝集を防ぐために公知の分散剤を添加し
ても良く、さらに水和前処理を促進するためにオートク
レーブや蒸気を作用させることもできる。
oss(強熱減量、100℃〜700℃の加熱による重
量減少率)で5重量%以上となるまで行う。Ig.Lo
ssは、スラグの水和率、すなわち、炭酸化可能度を端
的に、しかも精度良く現すもので、これを5重量%以上
とすることで、効果的に炭酸化硬化体を得ることができ
る。
に所望により砂、砂利、ガラス繊維等を混合して成形体
を作る。成形は、公知のプレミックス法、スプレーサク
ション法、ダイレクトスプレー法等がいずれも採用でき
るが、多孔質板上で成形することにより効果的な脱水が
行われる。補強材として混合するガラス繊維は、耐アル
カリ性ガラス繊維を使用することにより飛躍的にその耐
久性を上げることができるが、安価なEガラス繊維を用
いても大幅に耐久性を改善することができ、特にガラス
繊維の種類を問うことなく使用できる。
させる。硬化は、炭酸ガス雰囲気中に成形体を静置する
方法、或いは、圧力を利用して炭酸ガスを成形体中に浸
透させる方法等があるが、前記多孔質板上の成形体に加
圧炭酸ガスを作用させることにより、余剰水の脱水と炭
酸化硬化を効率的に行うことができる。炭酸ガスは、高
濃度ガスほど効率的に炭酸化を行うことができるが、特
に濃度に制限を受けるものではなく、また、炭酸ガスを
含有する各種の排気ガスを有効に利用することもでき
る。
化によって得た硬化体は、アルカリ濃度が低く、耐アル
カリ性ガラス繊維の使用は勿論のこと、安価なEガラス
繊維を補強材として使用しても、長期耐久性に優れ、高
強度及び高靱性な無機硬化体とすることができる。
鉄鋼高炉スラグ(Ig.Loss、1.0重量%)を、
30℃の温水(水対スラグの重量比2:1)中で7日間
攪拌して水和前処理した(Ig.Loss、10重量
%)。次に砂をスラグと同重量添加し、均一に攪拌して
モルタルとした。成形は、1辺50cm、高さ80cm
の角柱容器の下方から20cmの位置に布を張った穴空
き鉄板を設置し、容器上方からスプレーガンを用いてモ
ルタルを吹き付けると同時に、モルタルの固形分に対し
5重量%のガラス繊維をカットしながら吹き付け、穴空
き鉄板上に厚さ10mmの成形体を得た。次いで、容器
に蓋をし、成形体に2気圧の炭酸ガスを5分間作用さ
せ、余剰水の脱水と炭酸化硬化を行った。得られた硬化
体を25cmm×5cmの大きさに切り分け、70℃の
温水に所定期間浸漬したのち、スパン20cmの中央点
集中載荷式による曲げ試験を行い、強度の変化を測定し
た。結果を表1に示す。表1には、比較例として、上記
水和前処理したスラグの代わりに普通セメントモルタル
を用いたものと、炭酸化未処理の普通セメントモルタル
(20℃水中で7日間養生)の例を併せて示す。
ば、ガラス繊維のアルカリ劣化が防止され、長期耐久性
に優れたものとすることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 水和前処理したスラグを成形体材料とす
ることを特徴する無機硬化体。 - 【請求項2】 水和前処理したスラグを用いて成形体と
し、該成形体に炭酸ガスを作用させ硬化させることを特
徴する無機硬化体の製造方法。 - 【請求項3】 ブレーン比表面積1000cm2 /g以上
のスラグを、水中若しくは温水中で少なくともIg.L
ossで5重量%以上となるように攪拌混合して水和前
処理することを特徴とする請求項2記載の無機硬化体の
製造方法。 - 【請求項4】 温度が20℃以上の水中若しくは温水中
で水和前処理することを特徴とする請求項3記載の無機
硬化体の製造方法。 - 【請求項5】 成形体中にガラス繊維を補強材として混
入することを特徴とする請求項2〜4いずれか記載の無
機硬化体の製造方法。
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JPH0859310A true JPH0859310A (ja) | 1996-03-05 |
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JP21047294A Expired - Fee Related JP3992115B2 (ja) | 1994-08-11 | 1994-08-11 | 無機硬化体及びその製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010038503A (ko) * | 1999-10-25 | 2001-05-15 | 김수태 | 전기로 슬래그의 고상화 제품 및 그의 제조방법 |
EP2594336A1 (de) * | 2011-11-21 | 2013-05-22 | Helmut Schirmbrand | Verfahren und Vorrichtung zum Zerkleinern von mineralischen Stoffen sowie mineralischer Stoff |
EP3953124A4 (en) * | 2019-04-12 | 2022-06-29 | Carbicrete Inc. | Production of wet-cast slag-based concrete products |
EP3953123A4 (en) * | 2019-04-12 | 2022-11-16 | Carbicrete Inc. | CARBONATION HARDENING PROCESS FOR PRODUCING WET-CAST SLAG-BASED CONCRETE PRODUCTS |
-
1994
- 1994-08-11 JP JP21047294A patent/JP3992115B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010038503A (ko) * | 1999-10-25 | 2001-05-15 | 김수태 | 전기로 슬래그의 고상화 제품 및 그의 제조방법 |
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EP3953124A4 (en) * | 2019-04-12 | 2022-06-29 | Carbicrete Inc. | Production of wet-cast slag-based concrete products |
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