JPH085861A - 光合分波器 - Google Patents

光合分波器

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Publication number
JPH085861A
JPH085861A JP14159594A JP14159594A JPH085861A JP H085861 A JPH085861 A JP H085861A JP 14159594 A JP14159594 A JP 14159594A JP 14159594 A JP14159594 A JP 14159594A JP H085861 A JPH085861 A JP H085861A
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JP
Japan
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optical
diffraction grating
demultiplexer
diffracted
lens
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JP14159594A
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English (en)
Inventor
Masahiro Ogusu
正大 小楠
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高分解能および低偏波依存性の光合分波器を提
供すること。 【構成】レンズ3、回折格子4および反射鏡6からなる
光合分波器であって、波長多重光信号2をレンズ3によ
り平行化し、この平行化された波長多重光信号2を回折
格子4に入射して回折させ、波長多重光信号2の回折光
である第1の回折光信号を反射鏡4により反射し、この
反射した第1の回折光信号を回折格子6に入射して回折
させ、第1の回折光信号の回折光である第2の回折光信
号をレンズ3を介して光ファイバアレイ1に導入するこ
とを特徴とする光合分波器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光合分波器に係り、特に
波長多重光通信システムにおいて、光送受信器と光伝送
路とを接合する光合分波器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より光通信技術の研究や開発が盛ん
に行なわれている。これは光信号伝送が電気信号伝送よ
り伝送速度や信号間の干渉等の点で優れているからであ
る。このような状況の中、近年、多チャンネルの波長多
重光信号を扱う波長多重光伝送に対する期待が高まって
いる。
【0003】これは波長多重光伝送が情報の長距離大容
量通信に適した伝送方法であり、また、各波長信号の抜
き出しや加え合わせなどを行なうことにより、柔軟性に
富んだ伝送系やネットワークを形成できると期待されて
いるからである。
【0004】波長多重伝送システムの光伝送系において
は、各光信号源の発振波長の安定化と、これらを光ファ
イバに低損失で重合する高信頼の光合波器と、波長多重
信号を各チャンネル毎に分離させ、光受信器へと導く高
信頼の光分波器とが不可欠となる。合波と分波の作用を
1つのデバイスで兼ねるのが光合分波器である。
【0005】光合分波器としては、例えば、レンズ、回
折格子および光ファイバアレーからなる光合分波器があ
る。具体的には、図13に示すように、複数の光ファイ
バ740 が配列してなる光ファイバアレー74と、この
光ファイバアレー74から出射した波長多重光信号70
を平行化するレンズ71と、この平行化された波長多重
光信号70を各波長成分に対応した角度で回折させ、波
長分離された光信号73を生成する回折格子72とによ
り構成されたリトロー型光合分波器がある。ここで、光
信号73は再びレンズ17により平行されて光ファイバ
アレー74に戻される。
【0006】また、図14に示すように、光ファイバ7
0 と、この光ファイバ740 から出射した波長多重光
信号70を平行化する第1のレンズ711 と、この平行
化された波長多重光信号70を各波長成分に対応した角
度で回折させ、波長分離された光信号73を生成する回
折格子72と、この光信号73を平行する第2のレンズ
712 とからなるツェルニータナー型光合分波器も良く
知られている。この平行化された光信号73は光ファイ
バアレー74に入力される。
【0007】ここで、光ファイバより出射した波長多重
光信号がレンズにより平行化され、回折格子に入射され
るときの入射角をαとすれば、波長多重信号は次式で表
される関係に従って各波長成分に対応した回折角βで回
折される。
【0008】 Λ(sinα+sinβ)=±mλ (1) ただし、式(1)中、Λは回折格子の格子間隔、λは光
信号の波長、mは回折の次数である。
【0009】(1)を回折角βで微分すれば、下記の如
きの回折角と波長との分散関係が得られる。 dλ/dβ=±Λcosβ/m (2) この式(2)から、光波長の差異は、回折角度の差異と
なって現れることが分かる。
【0010】図13のリトロー型光合分波器を例にとっ
て分波機能について説明すると以下の通りである。波長
毎に異なる角度で回折された(波長分散された)光信号
73は、再びレンズ71に入射し、レンズ71の焦点距
離fだけ伝搬した後、ファイバアレー74の面上で結合
する。このとき、レンズ71の作用によって、回折角度
分散を受けた光信号73は次式で表される位置分散δを
受ける。
【0011】 δ=f・tan(dβ)〜f・dβ (3) したがって、波長分離された光信号は位置的に分散され
て光ファイバアレー74の面上で結合するので、各光フ
ァイバには波長の異なる光信号が導入されることにな
る。なお、ツェルニータナー型光合分波器の分波機能
も、レンズを2つ使うことを除いて原理的にはリトロー
型光合分波器の場合と同様の作用に基づいている。
【0012】式(2)と式(3)を用いて、光信号の波
長(光波長)とファイバアレー面上での結合位置の位置
との分散関係を書けば、 δ=f・m・dλ/(cosβ・Λ) (4) となる。
【0013】図15に光合分波器の光波長と透過減衰率
とに関する特性図を示す。高密度に波長多重された光信
号に対し、レンズと回折格子を用いた光合分波器が適用
されうるためには、その合分波特性の分解能が高いこと
が要求される。式(4)より、高分解能化を図るために
は、焦点距離fの長いレンズを用いたり、格子間隔Λの
狭い回折格子を用いれば良いことが分かる。
【0014】しかしながら、焦点距離fの長いレンズを
用いると、デバイスが大型化するという問題がある。ま
た、ファイバアレー面上でのレンズによる収差が大きく
なるので、光ファイバと光信号との結合損失が大きくな
るという問題がある。更に、温度安定性の面で不利にな
るという問題もある。一方、格子間隔Λの狭い回折格子
を用いると、回折格子の回折効率の偏波依存性が大きく
なるという問題がある。従来の分光器等の光のスペクト
ル観察を目的としたデバイスにおいては、入力光の偏波
を偏光子などを用いて特定の状態に定めた後に回折光を
受光するため、偏波依存性に関してはあまり問題となら
なかった。しかも、光通信システム、特に、長距離光通
信を目的とした波長多重伝送システムにおいては偏波依
存性の問題は送受信特性を劣化させるため、極めた深刻
である。
【0015】高分解能を得る他の手段としては、光スペ
クトラム・アナライザ等の分野で用いられているダブル
パス方式と呼ばれる手法がある。これは、図16に示す
ように、光ファイバ740 から出射した波長多重光信号
70を一度レンズ76と回折格子72とを用いて波長分
波した光信号を、ダハミラー(2枚の反射鏡)77で折
り返して再びレンズ76と回折格子72とに入力するこ
とによって、高分解能を得るというものである。
【0016】しかしながら、回折光75の受光にコア径
が大きい光ファイバや受光面積の大きいフォトダイオー
ドを用いることができる場合を除いて、高分解能の光合
分波器を実現するのは極めて難しい。
【0017】その理由は以下の通りである。まず、第1
に、入力から出力に至るまでの間にレンズ76を4回透
過しているため、レンズ76による収差が大きくなると
いう問題がある。
【0018】第2に、ダハミラー77を配置し、その反
射光をレンズ76に透過させているため、ダハミラー7
7の大きさの分だけレンズ76の口径が通常のリトロー
型光合分波器のものと比較して大きくなる。このため、
シングルモードファイバに低損失で結合させるのが困難
であるという問題が生じる。
【0019】また、受光側にコア径が大きいマルチモー
ドファイバを用い、且つその長さが大きくなると、光フ
ァイバ中で発生するモーダル雑音が無視できなくなるの
で、長距離通信には不向きであるという欠点もある。
【0020】このように、この方式は光スペクトラム・
アナライザ等の各波長信号の相対強度や信号スペクトル
の観測を目的とした応用には適しているが、波長多重光
通信の合分波器への応用には不適であることが分かる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来の光
合分波器にあっては、その分解能を高めるために、焦点
距離が長いレンズを用いたり、格子間隔の小さい回折格
子を用いたものが提案されていたが、光ファイバと光信
号との結合損失が大きくなったり、偏波依存性が大きく
なるという問題があった。本発明は、上記事情を考慮し
てなされたもので、その目的とするところは、分解能お
よび偏波依存性を改善した光合分波器を提供することに
ある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の光合分波器(請求項1)は、光を伝送す
る光伝送路アレイと、光を透過させるレンズと、光を回
折させる回折格子と、この回折光を反射させる反射鏡と
からなる光合分波器であって、波長多重光を前記レンズ
に透過させ、この透過された前記波長多重光を前記回折
格子で回折させ、回折された第1の回折光を前記反射鏡
で反射させ、この反射させた前記第1の回折光を前記回
折格子で回折させ、この回折された第2の回折光を前記
レンズを介して前記光伝送路アレイに導入することを特
徴とする。
【0023】また、本発明の他の光合分波器(請求項
4)は、波長多重光を透過させる第1のレンズと、この
透過された波長多重光を回折させる回折格子と、この回
折格子で回折させた第1の回折光を反射させる反射鏡
と、この反射鏡で反射させた前記第1の回折光を前記回
折格子によって回折させた第2の回折光を透過させるた
めの第2のレンズと、この第2のレンズを透過した前記
第2の回折光が入射される光伝送路アレイとからなるこ
とを特徴とする。
【0024】
【作用】本発明(請求項1〜請求項4)によれば、第1
の回折光信号は反射鏡によって再び回折格子に入射する
ので、回折角の光波長に対する分散量が更に大きい第2
の回折光信号が得られるようになる。これにより、1個
の回折格子でも2個分の回折格子を用いた効果が得られ
る。
【0025】すなわち、同じ1個の回折格子を用いて
も、従来の光合分波器(リトロー型光合分波器、ツェル
ニータナー型光合分波器)よりも高分解能の光合分波器
が得られるようになる。
【0026】また、偏波依存性は一般には回折格子の格
子間隔を広くすることにより低減可能である。ここで、
格子間隔が狭くなると、光合分波器の分解能は低下する
が、本発明の場合、上述したように高分解能化が図られ
るので、格子間隔を狭くすることによる分解能の低下は
回避される。
【0027】したがって、本発明によれば、分解能およ
び偏波依存性を改善した光合分波器が得られるようにな
る。以下に本発明の作用を具体例を用いて詳細に説明す
る。
【0028】図1は、本発明の概念を示す模式図であ
る。また、図2は、入射角、回折角および反射鏡の角度
を示す図である。図中、1は光ファイバアレイを示して
おり、この光ファイバアレイ1は複数の光ファイバ11
〜1n により構成されている。入力ポートとしての光フ
ァイバから出射した波長多重光信号2は、レンズ3で平
行化された後、回折格子4に入射角αで入射して回折さ
れる。第1の回折光51 〜5n は反射鏡6で反射され、
回折格子4に折り返され、回折格子4に再び入射して回
折される。
【0029】ここで、図2に示すように、波長多重光信
号2の利用波長λの範囲をλ0 ±δλで表わし、回折光
1 〜5n の回折角βの変化をβ0 ±δβで表す。ま
た、折り返された回折光7の回折格子4への入射角εと
第2の回折光の回折角γの変化の範囲をそれぞれε0 ±
δε、γ0 ±δγで表すことにする。なお、図1中、8
は波長分離された光信号を示している。
【0030】以上記述した光の回折格子4における2回
の回折を式(1)を使って書き下せば、以下のようにな
る。なお、回折の次数mは1のみと仮定した。 Λ・(sinα+sinβ)=λ (7) (最初の回折) Λ・(sinε+sinγ)=λ (8) (2回目の回折) Λ・[sinα+sin(β+δβ)]=λ+δλ (9) Λ・[sin(ε+δε)+sin(γ+δγ)]=λ+δλ (10) ところで、本発明のように、回折光5を反射鏡6で折り
返し、再び回折格子4に入射させる場合において、構成
要件(光部品)の間を伝搬する全ての光線の伝搬ベクト
ルが同一面内に存在するときと、光信号の回折格子への
入射角εは、反射鏡6と回折格子4の反射面とのなす角
θと、1度目の回折による回折角βによって表され、 ε(β,θ)=−(2・θ+β) (11) となる。
【0031】式(10)と(11)を用いて回折角γの
波長分散関係を表せば、 −A(β,θ)・|δβ|+B(β,θ)・δγ=δλ (12) となる。ただし、 A(β,θ)=sgn(ε)・Λ・cosε B(β,θ)=sgn(sin-1(λ/Λ−sinε))・Λ・cos(si n-1(λ/Λ−sinε)) sgn(x)=1(x>0),sgn(x)=−1(x<0) (13) である。
【0032】1回目の回折の条件式(7),(9)を用
いて、δλをδβを使って表せば、 δλ=sgn(β)・Λ・cosβ・δβ (14) となる。
【0033】式(13),(14)を用いて、δγとδ
βの比をとると、 δγ/δβ=sgn(β)・(Λ・cosβ+A)・B-1 (15) となる。
【0034】一方、通常のリトロー型合分波器の波長分
散を与える式(2)において、m=1、β=βL (リト
ロ型のときの回折角度)としたものは、 δβL ・Λ・cosβL =δλ (2・sinβL =λ0 ) (16) となる。
【0035】したがって、波長変位δλに対し、本発明
による合分波器における回折角度βの分散量δβと通常
のリトロー型構成の合分波器の角度分散量δβL の比
は、 δβ/δβL =cosβL /cosβ (17) となるので、本発明による合分波器と通常のリトロー型
合分波器の角度分散量の比は、(15)式と(17)式
の積で与えられ、 δγ/δβL =cosβL ・sgn(β)・(Λ・cosβ+A) /{B・cosβ}>1 (18) と表される。すなわち、δγ/δλ>δβ/δλであ
る。
【0036】式(18)の値が高分解能化をあらわすパ
ラメータとなり、例えば、格子間隔Λが1/300(m
m)で、入射角αを0度とした場合には、1.55μm
の光信号に対しては、回折角βが27.7度となるが、
反射鏡の角度θをこの波長に対するリトロー回折角βL
(=13.4度)とした場合には、(18)式の値は
2.33となる。
【0037】格子間隔Λが1/600(mm)のものを
用いて、通常のリトロー型合分波器を構成した場合と比
較すると、分解能はほぼ同じ(本発明によるものの方が
およそ1.1倍ほど分解能が高い)になる。すなわち、
格子間隔が緩いものを用いても、半分以下の格子間隔の
回折格子を用いた場合と同じ効果が得られることにな
る。なお、光信号の回折格子への入射角を調整すること
によって、分解能を4倍以上にすることも可能である。
【0038】次に偏波依存性の低減に関して述べる。回
折格子の格子間隔Λは、光の波長と同程度の値であるた
め、格子間隔が狭まるほど強い偏波依存性が現れること
は直観的に予測される。分光器の例とは異なり、回折格
子の回折効率に僅かでも偏波依存性がある場合には、光
通信システムの受信系での受信レベルが大きく変動し、
不安定なシステムとなるため、光合分波器の偏波依存性
はほとんど無いことが是非とも望まれる。
【0039】図3に、回折格子の偏波依存性の実測例を
示す。図3は、格子間隔Λが1/300,1/400,
1/600(mm)の回折格子を用いて、レンズ、ファ
イバアレー、回折格子をリトロー型の配置となるように
設定した場合の偏波依存性(実験値)を示している。
【0040】図3から、格子間隔の広い回折格子では合
分波特性に偏波依存性がほとんど現れず(0.1dB以
下)、格子間隔が狭まるにつれ偏波依存性が現れ、1/
600mmの回折格子では最大1.6dBの偏波依存性
となることが分かる。
【0041】一方、1/300mmの回折格子に反射鏡
1枚を付加した図1の構成においては、偏波依存性は
0.4dB以下の小さい値に収まった。したがって、本
発明によれば、偏波依存性を小さくするために格子間隔
が従来の半分程度の回折格子を用いても分解能が従来の
倍以上と高いので、分解能および偏波依存性の両方を同
時に改善できるようになる。
【0042】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。 (第1の実施例)図4は、本発明の第1の実施例に係る
光合分波器の概略構成を示す模式図である。また、図5
は、入射角、回折角および反射鏡の角度を示す図であ
る。また、図6は、入射角、回折角度、反射鏡の角度の
正負のとりかたを示す図である。
【0043】本実施例の光合分波器は、従来のリトロー
型合分波器に反射鏡1枚を付加した構成になっている。
すなわち、複数の光ファイバ181 〜18n が配列して
なる光ファイバアレー18と、この光ファイバアレー1
8から出射した波長多重光信号2を平行化するレンズ1
9と、この平行化された波長多重光信号を各波長成分に
対応した角度で回折する光信号に分波する反射型の回折
格子13とにより構成されたリトロー型光合分波器に、
平面型の反射鏡15を付加した構成になっている。
【0044】ここで、反射鏡15の傾きや位置は、
([作用]の項で述べたように)第1の回折光101
10n の回折角βが反射鏡15で折り返された回折光1
1 〜12n の回折格子13への入射角εとそれぞれ異
なるように設定されている。
【0045】図5に示すように、回折格子13の面と反
射鏡15の面とのなす角をθとすると、第1の回折光1
1 〜10n が反射鏡15で反射され、再び回折格子1
3に入射するときの入射角εは、回折角βをβ0 ±δβ
とすれば、2θ−(β0 ±δβ)となる。
【0046】リトロー型光合分波器の場合、再度回折さ
れた光信号、つまり、第2の回折光171 〜17n の光
ファイバアレー18への結合を考えると、入射角(角度
が2θ−β)は、βの中心値β0 とほぼ同じ値にするこ
とが望ましく、θ=β0 となるように反射鏡15を配設
すべきである。
【0047】その理由は、レンズ19での収差を少なく
するために、折り返された回折光12の回折格子13へ
の入射領域20は第1の回折光101 〜10n の出射位
置の近傍にあることが望ましいからである。
【0048】具体的には、第1の回折光101 (最短波
長信号)と第1の10n (最長波長信号)の伝搬ベクト
ルの中心線21が、反射鏡15の面法線22にほぼ一致
するように、反射鏡15の傾きの調整を行なえば良い。
【0049】例えば、回折格子に300本/mmのピッ
チのものを用い、波長多重光の利用波長域を20nm程
度(1.55μm帯)とし、αを0度とすれば、波長変
化分1.55μm±10nmに対応するβの変化分は2
7.7度±0.2分となる。つまり、1nm間隔程度の
高密度波長多重通信では、βの変化量はごく僅かであ
る。
【0050】したがって、反射鏡と回折格子、回折格子
とレンズの距離にもよるが、2度の回折を受けた光信号
172 は、十分レンズ19の光軸に近い近軸光線とみな
せるため、収差は大きくならない。
【0051】なお、反射鏡15の固定の際には、反射鏡
の法線とほぼ平行な回折光が2度の回折の後、光ファイ
バ(入力ポート)181 に再び結合しないように、固定
位置、固定角度を決める必要がある。[作用]に記述の
如く、回折効率に偏波依存性が少ないものを用いれば、
長距離系通信システムへの適用が可能となる。
【0052】また、本実施例では、回折格子と反射鏡に
より、回折角の波長−角度分散量を高めた分だけ、レン
ズの焦点距離を短くできるため、レンズの設計と製作が
容易になって低コストとなるとともに、デバイス全体の
寸法が小さくなり、温度特性などの点で有利となる。ま
た、焦点距離が短くなることにより、レンズの収差によ
る光ファイバへの結合損失が小さくなるという効果も得
られる。
【0053】以下、本発明の他の実施例について説明す
る。なお、以下の図において、図4の光合分波器と対応
する部分には図4と同一符号を付してあり、詳細な説明
は省略する。
【0054】(第2の実施例)図7は、本発明の第2の
実施例に係る光合分波器の概略構成を示す模式図であ
る。
【0055】本実施例の光合分波器が先の実施例のそれ
と異なる点は、回折格子13と反射鏡15との間の光路
中に4分の1波長板32を設けたことにある。一般に、
回折格子の回折効率には、偏波依存性があり、回折格子
の断面の形状や格子間隔などによって決まる定数であ
る。波長間隔1nm以下の波長多重光を分波するために
は、格子間隔は光の波長のオーダになるため、数dB程
度の偏波依存性が現れる場合がある。
【0056】ここで、本実施例の場合、回折格子15と
反射鏡13との間に4分の1波長板32が挿設されてい
るので、光信号33の回折格子13への1回目の入射時
と2回目の入射時の光信号の偏波状態はおよそ直交して
いる。
【0057】したがって、任意の偏波状態の光信号に対
し、2回の回折を合成した回折効率は、大まかには紙面
に平行な偏波に対する回折効率と紙面に垂直な偏波に対
する回折効率の積で与えられ、偏波依存性をほぼ無くす
ことが可能である。ただし、回折格子のブレーズの方向
は紙面に平行であるものとする。
【0058】また、反射鏡15での結合損失と偏波依存
性は、反射鏡15として誘電体多層膜ミラーを用いるこ
とによってほとんど無くすことができる。一般に、光フ
ァイバ通信では、光ファイバを伝搬する光信号の偏波の
状態は、光ファイバに局所的にかかる応力の変化や温度
変化などに対して、極めて鋭敏に反応して変化する。
【0059】このため、偏波依存性が少なくない光合分
波器を(その偏波依存性を解消する何らかの手段をとら
ずに)そのまま用いて千キロメートルオーダの長距離通
信を行なった場合には、受信側において、受信号レベル
が大きく変動し、不安定なシステムとなってしまう。
【0060】しかし、本実施例の光合分波器は、偏波依
存性を十分に小さくできるものであるので、光ファイバ
中で起こる光信号の不規則な偏波変動に対し、安定な波
長多重光通信システムを実現させるのには有効である。
【0061】なお、本実施例の場合、回折効率が最も良
くなる偏波状態で2回回折させた場合に比較して、4分
の1波長板32を挿設したことによる損失(挿入損失)
が増えることになるが、長距離システムにおいては、光
ファイバでの光強度損失を補うために光増幅器を用いる
ことが普通であり、光増幅器の利得に対して挿入損失は
無視できるほど小さくなるため、上記挿入損失は問題と
ならない。
【0062】(第3の実施例)図8は、本発明の第3の
実施例に係る光合分波器の概略構成を示す模式図であ
る。
【0063】本実施例の光合分波器が先の実施例のそれ
と異なる点は、回折格子として透過型の回折格子40を
用い、回折光41を反射鏡15で折り返し、再び回折さ
せ、高分解能化を図るものである。
【0064】これまでの実施例においては、回折格子と
レンズとの間の光信号の光路を妨げないような場所に反
射鏡を設置する必要があったが、本実施例の場合、回折
格子40の後ろに反射鏡15を設置できるので、設置場
所の自由度が大きくなるという利点がある。
【0065】また、回折格子40を後方に設置できるよ
うになったことにより、回折格子40と反射鏡15との
距離を短くでき、出力光43のファイバアレー44への
結合損失を減らすことが可能となる。
【0066】また、回折格子の格子面の裏面を適切な角
度で平面光学研磨し反射膜を形成すれば、部品点数の削
減を図ることができる。更に、回折格子となる基板とし
て、熱膨張係数の小さなものを用いれば、温度特性の改
善も図れるようになる。
【0067】(第4の実施例)図9は、本発明の第4の
実施例に係る光合分波器の概略構成を示す模式図であ
る。
【0068】本実施例の光合分波器は、ツェルニータナ
ー型の光合分波器に反射鏡15を付加した構成になって
いる。分解能を高める作用の原理は、上記3つの実施例
と同様である。
【0069】本実施例によれば、ファイバー51から出
射した光信号52を平行化するレンズ191 と、光ファ
イバアレー54と回折光55とを結合させるレンズ19
2 が別々に用意されているため、反射鏡15および回折
格子13の固定角度や、レンズ191 および光ファイバ
アレー54の位置等を調整することによって、図2の2
つの入射角α,γの設定範囲の自由度をリトロー型光合
分波器のそれよりも大きくできる。
【0070】分解能を高めるための条件は、式(18)
において、その分子の第3項目の括弧の中の第2項目の
Aの値が少なくとも正の値をとることであって、そのよ
うな条件を満たすθとβの関係を具体的に書き下せば、 β+2・θ<0 (19) となる。
【0071】図10に、(19)式を満足する入射角度
αと角度分散比δγ/δβL との関係を示す。また、図
11に、(19)式を満足する入射角度αと角度(ε,
γ,β)との関係を示す。図11中、θと−βとが略等
しくなるところがリトロー型光合分波器として構成可能
な領域を示しており、これより離れたところがツェルニ
ータナー型光合分波器として構成可能な領域を示してい
る。なお、θやβの値の実際の範囲は、回折格子の格子
面の形状と光信号の入射角によって回折効率が変動する
ため、式(19)よりも更に制限を受けたものとなる。
【0072】(第5の実施例)図12は、本発明の第5
の実施例に係る光合分波器の概略構成を示す模式図であ
る。
【0073】本実施例では、回折格子13aとして反射
面が凹面状になっているものを用いており、その凹面の
曲率は、光ファイバから出射した光信号62が回折され
るとともに、平行化されるように決められている。この
ため、レンズが不要となり、デバイスを小さくできるよ
うになる。
【0074】また、回折格子13aによって平行化され
回折された光信号63が、反射鏡15で回折格子13a
に折り返され、入射角(2回目)と回折角(1回目)と
が異なるように反射鏡15を設定すれば、合分波特性の
高分解能化が図れる。
【0075】したがって、本実施例によれば、従来のリ
トロー型光合分波器と比較して、よりコンパクトで、し
かも、同等以上の分解能を有する光合分波器を実現でき
るようになる。
【0076】なお、上記実施例では光伝送路アレイとし
て光ファイバを用いた場合について説明したが、本発明
は各種光導波路アレイ(石英系、ニオブ酸リチウム導波
路など)を用いた場合にも適用できる。その他、本発明
の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0077】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、反
射鏡を利用することにより、1個の回折格子でも2個分
の回折格子を用いた効果が得られるので分解能を高くで
きるようになる。したがって、偏波依存性を改善するた
めに回折格子の格子間隔を小さくしても、十分な分解能
を有する光合分波器を実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を示す模式図
【図2】入射角、回折角および反射鏡の角度を示す図
【図3】回折格子の偏波依存性の実測例を示す図
【図4】本発明の第1の実施例に係る光合分波器の概略
構成を示す模式図
【図5】入射角、回折角および反射鏡の角度を示す図
【図6】入射角および回折角度の正負のとりかたを示す
【図7】本発明の第2の実施例に係る光合分波器の概略
構成を示す模式図
【図8】本発明の第3の実施例に係る光合分波器の概略
構成を示す模式図
【図9】本発明の第4の実施例に係る光合分波器の概略
構成を示す模式図
【図10】入射角度αと角度分散比δγ/δβL との関
係を示す図
【図11】入射角度αと角度(ε,γ,β)との関係を
示す図
【図12】本発明の第5の実施例に係る光合分波器の概
略構成を示す模式図
【図13】リトロー型光合分波器の概略構成を示す模式
【図14】ツェルニータナー型光合分波器の概略構成を
示す模式図
【図15】光合分波器の光波長と透過減衰率との関係を
示す特性図
【図16】ダブルパス方式の光合分波器の概略構成を示
す模式図
【符号の説明】
1…光ファイバアレイ、11 〜1n …光ファイバ(入力
ポート)、2…波長多重光信号、3…レンズ、4…回折
格子、6…反射鏡

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光を伝送する光伝送路アレイと、光を透過
    させるレンズと、光を回折させる回折格子と、この回折
    光を反射させる反射鏡とからなる光合分波器であって、
    波長多重光を前記レンズに透過させ、この透過された前
    記波長多重光を前記回折格子で回折させ、回折された第
    1の回折光を前記反射鏡で反射させ、この反射させた前
    記第1の回折光を前記回折格子で回折させ、この回折さ
    れた第2の回折光を前記レンズを介して前記光伝送路ア
    レイに導入することを特徴とする光合分波器。
  2. 【請求項2】前記回折格子は、反射型回折格子または透
    過型回折格子であることを特徴とする請求項1に記載の
    光合分波器。
  3. 【請求項3】前記回折格子と前記反射鏡との間に1/4
    波長板を設けたことを特徴とする請求項1に記載の光合
    分波器。
  4. 【請求項4】波長多重光を透過させる第1のレンズと、
    この透過された波長多重光を回折させる回折格子と、こ
    の回折格子で回折させた第1の回折光を反射させる反射
    鏡と、この反射鏡で反射させた前記第1の回折光を前記
    回折格子によって回折させた第2の回折光を透過させる
    ための第2のレンズと、この第2のレンズを透過した前
    記第2の回折光が入射される光伝送路アレイとからなる
    ことを特徴とする光合分波器。
JP14159594A 1993-09-09 1994-06-23 光合分波器 Pending JPH085861A (ja)

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