JPH0855055A - ディスク制御装置 - Google Patents

ディスク制御装置

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JPH0855055A
JPH0855055A JP14202495A JP14202495A JPH0855055A JP H0855055 A JPH0855055 A JP H0855055A JP 14202495 A JP14202495 A JP 14202495A JP 14202495 A JP14202495 A JP 14202495A JP H0855055 A JPH0855055 A JP H0855055A
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Tsutomu Tanaka
田中  勉
Yukiko Ito
由起子 伊藤
Hideaki Yamashita
英明 山下
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、読み出し要求が発生してからデー
タが出力されるまでに要求される許容遅延時間を満たし
つつ、効率よくアクセスするディスク制御装置を提供す
ることを目的とする。 【構成】 キュー管理部201は、読み出し要求をキュ
ーとして保持する。許容遅延データ管理部202は、キ
ューの読み出し要求毎に、その順位に応じて決まる読み
出し完了までの遅延時間に対して、さらにどれだけの遅
延を与えることができるかを表す許容時間を保持する。
並び換え制御部203は、読み出し要求が入力される毎
に許容時間に基づいて、入力された読み出し要求ととも
にキューを並び換える。これにより、読み出し要求が入
力される毎にキューの並び換えを行うのでアクセス効率
がよくなり、かつ、限界許容遅延時間を満たすようにし
ているので、動画や音声データのリアルタイム性を確保
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ランダムに発生する読
み出し要求に対して、シーク時間を減少させて読み出し
の処理能力を向上させたディスク制御装置に関し、特
に、一定の速度で発生する読出要求をリアルタイムに処
理することを必要とするビデオサーバーに使用されるデ
ィスク制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、映像データと音声データを含むマ
ルチメディアデータを記憶するディスク装置を備え、通
信線を介して接続された複数のユーザに対してデータを
供給するビデオサーバが実用化されている。ビデオサー
バから供給されるデータによりユーザは、見たいときに
希望する映画を見ることができる。
【0003】ビデオサーバにおいては、複数のユーザに
対してデータのリアルタイムに出力する必要があり、効
率よくディスク上のデータを読み出す技術が必要とされ
る。ディスク装置を効率的に読み出す技術として、ディ
スク装置のヘッドシークの方向を一定にするようにデー
タの読出順序を入れ換える技術がある。図12は、従来
のディスク制御装置の構成を示すブロック図である。同
図においてディスク制御装置は、ハードディスク10
0、並び替え制御部102、ハードディスク103とか
らなる。
【0004】ハードディスク100は、複数種類の映画
を表すマルチメディアデータを一定のサイズ毎に分割し
て記憶する。キュー管理部101は、データの読み出し
要求をキューとして保持し、ハードディスク100に対
して順に読み出し要求を出力する。並び換え制御部10
2は、読み出し要求を受け取る毎にキュー管理部101
に一旦登録し、さらに、一定時間毎にキュー管理部10
1に登録されている全て読み出し要求を、ディスク装置
のヘッドシーク方向が一定になるように並び換える。キ
ュー管理部101は、並び換えられた要求を順にハード
ディスク100に出力する。これにより、ハードディス
ク100における読み出し要求に対するヘッドの平均シ
ーク時間の短縮が図られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、読み出し要求が発生してからデータが出力
されるまでの遅延時間がばらついてしまうという問題が
あった。より詳しくいうと、ビデオサーバから出力され
るデータは、動画として再生できるように所定の時間毎
に連続して出力される必要がある。もし所定の時間内に
次のデータが出力されなければ、例えば映像が飛んだ
り、音声が途切れたりして映画として正常に再生できな
くなる。そのため、ディスク装置においては読み出し要
求が発生してからデータが出力されるまでの遅延時間と
して許容される範囲(以下、限界限界許容遅延時間と呼
ぶ)がある。従来技術では、この限界許容遅延時間を考
慮していなかった。
【0006】例えば従来技術において、上記一定時間
(並び換えを行う間隔)を限界許容遅延時間よりも十分
短く設定すれば、限界許容遅延時間内にデータ出力する
ことができる。しかし、この場合には並び換えの対象と
なる読み出し要求の個数が少なくなるので、シーク時間
を短縮という効果が犠牲になってしまい、効率よく読み
出すことができないという問題があった。逆に、上記一
定時間を許容時間よりも長く設定すれば、並び換えの対
象となる読み出し要求の個数が多くなるので、シーク時
間を短縮という効果が十分に得られるものの、この場合
には並び換えの結果、限界許容遅延時間を越えてしまう
位置に移動させられる読み出し要求が生じてしまうとい
う問題があった。
【0007】上記のように、従来技術ではディスクの読
み出し効率を向上させることと、限界許容遅延時間を守
ることとはトレードオフの関係にある。したがって、特
に、読み出し要求が、連続的に発生する場合や、バース
ト的に起こる場合には上記一定時間を適切に設定するこ
とは難しい。上記課題に鑑み本発明は、読み出し要求が
発生してからデータが出力されるまでに要求される限界
許容遅延時間を満たしつつ、効率よくアクセスするディ
スク制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、複数の読み出し要求をキューと
して保持し、読み出し要求が入力される毎にその読み出
し要求とともに保持された読み出し要求を並び換え、キ
ューから読み出し要求を順に取り出して要求されたデー
タをディスクから出力するディスク制御装置であって、
ディスクのデータ読出を要求する読み出し要求を並び換
え可能なキューとして一時的に保持するキュー手段と、
キュー内の読み出し要求毎に、キューにおける順位に応
じて決まる読み出し完了までの遅延時間に対して、さら
にどれだけの遅延を与えることができるかを表す許容時
間を保持する許容時間保持手段と、読み出し要求が入力
される毎に、キュー内の各読み出し要求の許容時間に基
づいて、入力された読み出し要求とともにキュー内の読
み出し要求を並び換える並び換え制御手段とを備えてい
る。
【0009】請求項2の発明は、請求項1に対して、さ
らに、並び換えが実行される毎に、入力された読み出し
要求について、キューにおける順位に応じて前記許容時
間を算出して許容時間保持手段に格納する許容時間算出
手段と、並び換えによって、キューにおける順位が後順
位に変更された各読み出し要求について許容時間保持手
段の各許容時間を、順位の変更に起因する遅延時間だけ
小さい値に更新する許容時間更新手段とを備えている。
【0010】請求項3の発明は請求項2に対して、前記
許容時間算出手段が、並び換え制御手段によりキューが
並び換えられる毎に、入力された読み出し要求につい
て、キュー内の挿入された位置から先頭まで進み、さら
に取り出されてディスクのデータ読み出しが完了するま
でに要すると予想される遅延時間を算出する第1の算出
手段と、入力された読み出し要求が並び換え制御手段に
入力された時点から対応するデータがディスクから出力
されるまでに遅延時間として許される最大の限界許容遅
延時間から、第1の算出手段により算出された遅延時間
を減算することにより、入力された読み出し要求に対す
る許容時間を算出する第2の算出手段とを備えている。
【0011】請求項4の発明は請求項3に対して、前記
並び換え制御手段が、読み出し要求が入力される毎に、
入力された読み出し要求がキューに挿入された場合に、
ディスクのヘッドシーク方向を一定に保つことができる
キュー内の位置を探索する探索手段と、探索された位置
に入力された読み出し要求が挿入された場合に、その読
み出し要求の後順位になる読み出し要求の許容時間が0
以下になるか否かを判定する時間判定手段と、許容時間
が0以下にならないと判定されたときの探索された位置
を挿入すべき位置と決定する位置決定手段と、決定され
た位置に入力された読み出し要求を挿入するように、入
力された読み出し要求とともにキュー内の読み出し要求
を並び換える並び換え手段とを備えるている。
【0012】請求項5の発明は請求項4に対して、前記
読み出し要求は、読み出すべきデータの論理アドレス
と、データのサイズとを含み、前記キュー手段は、キュ
ー内の各読み出し要求について、キュー内の順位と、シ
ーク直後からデータを読み取って出力するまでに要する
転送時間と、対応するデータが存在するディスク上のト
ラック位置と、1つ前の順位のデータのトラック位置か
ら当該順位のトラック位置までのヘッド移動に要するシ
ーク時間とを対応させて保持するキューテーブルを備
え、前記並び換え制御手段はさらに、入力された読み出
し要求に含まれる論理アドレスに基づいて対応するデー
タが存在するディスク上のトラックの位置を算出するト
ラック位置算出手段と、入力された読み出し要求に含ま
れるデータサイズに基づいてシーク直後からデータを読
み取って出力するまでに要するデータ転送時間を算出す
るデータ転送時間算出手段と、並び換え手段によりキュ
ーが並び換えられる毎に、キュー内の順位が変更された
読み出し要求について、キューテーブルのトラック位置
に基づいてシーク時間を算出してキューテーブルに格納
するシーク時間算出手段とを備え、前記探索手段は、キ
ュー内の読み出し要求の順位を末尾から順に1つずつ指
定する順位指定手段と、順位が指定される毎に、トラッ
ク位置算出手段により算出されたトラック位置に対し
て、キューの末尾の読み出し要求のトラック位置と、指
定された順位の読み出し要求のトラック位置とが同じ方
向にあるかを判定する方向判定手段とを備え、前記並び
換え手段は、決定された位置に挿入するようにキューテ
ーブルの順位を更新するとともに、トラック位置算出手
段に算出されたトラック位置、データ転送時間算出手段
により算出されたデータ転送時間を入力された読み出し
要求に対応させてキューテーブルに格納する。
【0013】請求項6の発明は請求項3に対して、前記
並び換え制御手段が、読み出し要求が入力される毎に、
入力された読み出し要求がキューに挿入された場合に、
比較的小さい距離のヘッドシーク逆行を許してディスク
のヘッドシーク方向をほぼ一定に保つことができるキュ
ー内の位置を探索する探索手段と、探索された位置に入
力された読み出し要求が挿入された場合に、その読み出
し要求の後順位になる読み出し要求の許容時間が0以下
になるか否かを判定する時間判定手段と、許容時間が0
以下にならないと判定されたときの探索された位置を挿
入すべき位置と決定する位置決定手段と、決定された位
置に入力された読み出し要求を挿入するように、入力さ
れた読み出し要求とともにキュー内の読み出し要求を並
び換える並び換え手段とを備えている。
【0014】請求項7の発明は請求項6に対して、前記
読み出し要求は、読み出すべきデータの論理アドレス
と、データのサイズとを含み、前記キュー手段は、キュ
ー内の各読み出し要求について、キュー内の順位と、シ
ーク直後からデータを読み取って出力するまでに要する
転送時間と、対応するデータが存在するディスク上のト
ラック位置と、1つ前の順位のデータのトラック位置か
ら当該順位のトラック位置までのヘッド移動に要するシ
ーク時間とを対応させて保持するキューテーブルを備
え、前記並び換え制御手段はさらに、入力された読み出
し要求に含まれる論理アドレスに基づいて対応するデー
タが存在するディスク上のトラックの位置を算出するト
ラック位置算出手段と、入力された読み出し要求に含ま
れるデータサイズに基づいてシーク直後からデータを読
み取って出力するまでに要するデータ転送時間を算出す
るデータ転送時間算出手段と、並び換え手段によりキュ
ーが並び換えられる毎に、キュー内の順位が変更された
読み出し要求について、キューテーブルのトラック位置
に基づいてシーク時間を算出してキューテーブルに格納
するシーク時間算出手段とを備え、前記探索手段は、キ
ュー内の読み出し要求の順位を末尾から順に1つずつ指
定する順位指定手段と、順位が指定される毎に、トラッ
ク位置算出手段により算出されたトラック位置に対し
て、キューの末尾の読み出し要求のトラック位置と、指
定された順位の読み出し要求のトラック位置の前後数ト
ラックの何れかとが同じ方向にあるかを判定する方向判
定手段とを備え、前記並び換え手段は、決定された位置
に挿入するようにキューテーブルの順位を更新するとと
もに、トラック位置算出手段に算出されたトラック位
置、データ転送時間算出手段により算出されたデータ転
送時間を入力された読み出し要求に対応させてキューテ
ーブルに格納する。
【0015】請求項8の発明は請求項5又は7に対し
て、前記時間判定手段が、方向判定手段により同じ方向
にあると判定されたとき、順位指定手段に指定された順
位の読み出し要求に対応する許容時間から、データ転送
時間を減算し、減算結果が0以下になるか否かを判定
し、前記位置決定手段が、方向判定手段により同じ方向
にあると判定され、かつ、前記時間判定手段により0以
下にならないと判定された場合、順位指定手段に指定さ
れた次の順位について、方向判定手段が同じ方向にない
と判定した場合には、その2つの順位の読み出し要求の
間を入力された読み出し要求を挿入すべき位置と決定す
る。
【0016】請求項9の発明は請求項8に対して、前記
第1の算出手段が、並び換え手段によりキューが並び換
えられる毎に、入力された読み出し要求について、キュ
ー内の全ての先順位の読み出し要求のデータ転送時間及
びシーク時間を加算することにより前記遅延時間を算出
し、前記許容時間更新手段が、並び換えによって、キュ
ーにおける順位が後順位に変更された各読み出し要求に
ついて、許容時間保持手段の各許容時間を、前記データ
転送時間だけ小さい値に更新する。
【0017】請求項10の発明は請求項9に対して、前
記限界許容遅延時間は、全ての読み出し要求に共通の値
が予め定められている。請求項11の発明は請求項10
に対して、前記位置決定手段は、方向判定手段により同
じ方向にあると判定され、かつ、前記時間判定手段によ
り0以下になると判定された場合には、キューの末尾を
挿入すべき位置と決定する。
【0018】請求項12の発明は請求項9に対して、前
記限界許容遅延時間は、入力される読み出し要求に含ま
れる。請求項13の発明は請求項12に対して、前記位
置決定手段は、方向判定手段により同じ方向にあると判
定され、かつ、前記時間判定手段により0以下になると
判定された場合には、キューの末尾を挿入すべき位置と
決定し、前記読み出し要求は、最大許容時間が短く廃棄
されてもよい速度的な優先要求と、それ以外の要求とに
分類され、前記並び換え判定制御手段はさらに、入力さ
れた読み出し要求が優先要求であるかどうかを判別する
優先要求判別手段と、優先要求であると判別され、か
つ、位置決定手段により末尾に挿入すると決定された場
合、キューテーブル内の全ての読み出し要求のデータ転
送時間及びシーク時間を加算した加算結果がその優先要
求の最大許容時間よりも大きければ、廃棄すると判定す
る廃棄判定手段と、廃棄すると判定された優先要求を廃
棄するとともに、優先要求に対する並び換え制御手段の
動作を禁止する廃棄手段とを備えている。
【0019】請求項14の発明は請求項11又は13に
対して、前記許容時間保持手段は、さらにキュー内の読
み出し要求毎に、キューの内の直前に他の読み出し要求
を挿入できないことと、シーク方向が逆になることとを
表す禁止フラグを保持し、前記並び換え手段は、方向判
定手段により同じ方向にあると判定され、かつ、前記時
間判定手段により0以下になると判定され、かつ、位置
決定手段によりキューの末尾が挿入すべき位置と決定さ
れた場合には、並び換え後に末尾に挿入された読み出し
要求の直前順位の読み出し要求に対応する禁止フラグを
セットする。
【0020】請求項15の発明は請求項14に対して、
前記並び換え制御手段はさらに、読み出し要求が入力さ
れたとき、許容時間保持手段内の禁止フラグがセットさ
れていて、かつ、キューの末尾に最も近い読み出し要求
を検出する禁止フラグ検出手段と、末尾の読み出し要求
のトラック位置に対して、入力された読み出し要求のト
ラック位置と、検出された読み出し要求のトラック位置
とが同じ方向にあるか否かを判定するフラグ方向判定手
段とを備え、前記位置決定手段は、フラグ方向判定手段
により同じ方向にないと判定された場合に、入力された
読出要求をキューの末尾を挿入すべき位置と決定し、前
記探索手段は、フラグ方向判定手段により同じ方向にあ
ると判定された場合に、前記探索を行う。
【0021】請求項16の発明は、請求項1乃至15の
何れかのディスク制御装置がビデオサーバに用いられ、
前記限界許容遅延時間はビデオサーバのユーザ側におい
てリアルタイム再生に要求される遅延時間である。
【0022】
【作用】上記の手段により、請求項1に係るディスク制
御装置では、並び換え制御手段は、読み出し要求が入力
される毎に、読み出し要求保持手段内の許容時間に基づ
いて、入力された読み出し要求とともにキュー手段内の
読み出し要求を並び換える。これにより、読み出し要求
が入力される毎にキューの並び換えを行うのでアクセス
効率がよくなり、しかも、最大の限界許容遅延時間を満
たすようにしているので、動画や音声データのリアルタ
イム性を確保することができる。
【0023】請求項2に係るディスク制御装置では、請
求項1に対して、許容時間算出手段は、並び換えが実行
される毎に、入力された読み出し要求について、キュー
における順位に応じて前記許容時間を算出して許容時間
保持手段に格納する。許容時間更新手段は、並び換えに
よって、キューにおける順位が後順位に変更された各読
み出し要求について許容時間保持手段の各許容時間を、
順位の変更に起因する遅延時間だけ小さい値に更新す
る。これにより新たにキューに追加された読み出し要求
については、許容時間保持手段に許容時間を新たに設定
し、もともとキューにあった読み出し要求で順位が後順
位に変更されたものについては、許容時間を更新するこ
とができる。
【0024】請求項3に係るディスク制御装置では請求
項2に対して、入力された読み出し要求の許容時間は、
前記許容時間算出手段内の第1の算出手段および第2の
算出手段により算出される。請求項4の発明に係るディ
スク制御装置では請求項3に対して、探索手段は、読み
出し要求が入力される毎に、入力された読み出し要求が
キューに挿入された場合に、ディスクのヘッドシーク方
向を一定に保つことができるキュー内の位置を探索す
る。時間判定手段は、探索手段により探索された位置に
ついて、許容時間が0以下になるか否かを判定する。位
置決定手段は、許容時間が0以下にならないと判定され
たときの探索された位置を挿入すべき位置と決定する。
並び換え手段は、決定された位置に入力された読み出し
要求を挿入するように、入力された読み出し要求ととも
にキュー内の読み出し要求を並び換える。
【0025】請求項5の発明に係るディスク制御装置で
は請求項4に対して、前記キュー手段は、前記キューテ
ーブルを備えることにより論理的なキューを実現する。
前記探索手段内の方向判定手段は、順位指定手段により
順位が指定される毎に、トラック位置算出手段により算
出されたトラック位置に対して、キューの末尾の読み出
し要求のトラック位置と、指定された順位の読み出し要
求のトラック位置とが同じ方向にあるかを判定する。前
記並び換え手段は、位置決定手段により決定された位置
に挿入するようにキューテーブルの順位を更新するとと
もに、トラック位置算出手段に算出されたトラック位
置、データ転送時間算出手段により算出されたデータ転
送時間を入力された読み出し要求に対応させてキューテ
ーブルに格納する。
【0026】請求項6の発明に係るディスク制御装置で
は請求項3に対して、探索手段は、読み出し要求が入力
される毎に、入力された読み出し要求がキューに挿入さ
れた場合に、比較的小さい距離のヘッドシーク逆行を許
してディスクのヘッドシーク方向をほぼ一定に保つこと
ができるキュー内の位置を探索する。時間判定手段は、
探索された位置に入力された読み出し要求が挿入された
場合に、その読み出し要求の後順位になる読み出し要求
の許容時間が0以下になるか否かを判定する。位置決定
手段は、許容時間が0以下にならないと判定されたとき
の探索された位置を挿入すべき位置と決定する。並び換
え手段は、決定された位置に入力された読み出し要求を
挿入するように、入力された読み出し要求とともにキュ
ー内の読み出し要求を並び換える。これにより許容時間
が0になることなく、前後数トラック分のヘッドシーク
逆行を許容してほぼ一定方向にヘッドシークを保つこと
ができる。つまり、トラック位置が極めて近い場合のみ
逆行を許容することができる。
【0027】請求項7の発明に係るディスク制御装置で
は請求項6に対して、前記キュー手段は、前記キューテ
ーブルを備えることにより論理的なキューを実現する。
方向判定手段は、順位指定手段により順位が指定される
毎に、トラック位置算出手段により算出されたトラック
位置に対して、キューの末尾の読み出し要求のトラック
位置と、指定された順位の読み出し要求のトラック位置
の前後数トラックの何れかとが同じ方向にあるかを判定
する。
【0028】請求項8の発明に係るディスク制御装置で
は請求項5又は7に対して、前記時間判定手段は、方向
判定手段により同じ方向にあると判定されたとき、順位
指定手段に指定された順位の読み出し要求に対応する許
容時間から、データ転送時間を減算し、減算結果が0以
下になるか否かを判定する。前記位置決定手段は、方向
判定手段により同じ方向にあると判定され、かつ、前記
時間判定手段により0以下にならないと判定された場
合、順位指定手段に指定された次の順位について、方向
判定手段が同じ方向にないと判定した場合には、その2
つの順位の読み出し要求の間を入力された読み出し要求
を挿入すべき位置と決定する。
【0029】請求項9の発明に係るディスク制御装置で
は請求項8に対して、前記第1の算出手段が、キューテ
ーブル内の全ての先順位の読み出し要求のデータ転送時
間及びシーク時間を加算することにより前記遅延時間を
算出する。前記許容時間更新手段が、並び換えによっ
て、キューにおける順位が後順位に変更された各読み出
し要求について、許容時間保持手段の各許容時間を、前
記データ転送時間だけ小さい値に更新する。これにより
許容時間を高い精度で計算することができる。
【0030】請求項10の発明に係るディスク制御装置
では請求項9に対して、前記限界許容遅延時間は、全て
の読み出し要求に共通の値が予め定められている。これ
により限界許容遅延時間は、画一的に処理される。請求
項11の発明に係るディスク制御装置では請求項10に
対して、前記位置決定手段は、方向判定手段により同じ
方向にあると判定され、かつ、前記時間判定手段により
0以下になると判定された場合には、キューの末尾を挿
入すべき位置と決定する。
【0031】請求項12の発明に係るディスク制御装置
では請求項9に対して、前記限界許容遅延時間は、入力
される読み出し要求に含まれる。請求項13の発明に係
るディスク制御装置では請求項12に対して、前記読み
出し要求は、最大許容時間が短く廃棄されてもよい優先
要求と、それ以外の要求とを含む。前記位置決定手段
は、方向判定手段により同じ方向にあると判定され、か
つ、前記時間判定手段により0以下になると判定された
場合には、キューの末尾を挿入すべき位置と決定する。
廃棄判定手段は、優先要求判定手段により優先要求であ
ると判別され、かつ、位置決定手段により末尾に挿入す
ると決定された場合、キューテーブル内の全ての読み出
し要求のデータ転送時間及びシーク時間を加算した加算
結果がその優先要求の最大許容時間よりも大きければ、
廃棄すると判定する。廃棄手段は、廃棄判定手段により
廃棄すると判定された優先要求を廃棄するとともに、優
先要求に対する並び換え制御手段の動作を禁止する。と
を備えている。これにより、優先要求は短い遅延時間で
出力されるが、廃棄される可能性も高くなるので、例え
ばディスク上のデータが映画を表す場合に、早送りや逆
戻しを優先要求とすれば、2種類のデータ品質を満たし
て効率よくデータを読み出すことができる。
【0032】請求項14の発明に係るディスク制御装置
では請求項11又は13に対して、前記許容時間保持手
段は、さらにキュー内の読み出し要求毎に、キューの内
の直前に他の読み出し要求を挿入できないことと、シー
ク方向が逆になることとを表す禁止フラグを保持する。
前記並び換え手段は、方向判定手段により同じ方向にあ
ると判定され、かつ、前記時間判定手段により0以下に
なると判定され、かつ、位置決定手段によりキューの末
尾が挿入すべき位置と決定された場合には、並び換え後
に末尾に挿入された読み出し要求の直前順位の読み出し
要求に対応する禁止フラグをセットする。これにより入
力された読み出し要求を挿入すべき位置の判定を迅速に
行うことができる。
【0033】請求項15の発明に係るディスク制御装置
では請求項14に対して、フラグ方向判定手段は、読み
出し要求が入力されたとき、許容時間保持手段内の禁止
フラグがセットされていて、かつ、キューの末尾に最も
近い読み出し要求を検出する禁止フラグ検出手段と、末
尾の読み出し要求のトラック位置に対して、入力された
読み出し要求のトラック位置と、検出された読み出し要
求のトラック位置とが同じ方向にあるか否かを判定す
る。前記位置決定手段は、フラグ方向判定手段により同
じ方向にないと判定された場合に、入力された読出要求
をキューの末尾を挿入すべき位置と決定する。また、前
記探索手段は、フラグ方向判定手段により同じ方向にあ
ると判定された場合に、前記探索を行う。これにより入
力された読み出し要求がキューの末尾にしか追加できな
いことを迅速に判定することができる。
【0034】請求項16の発明に係るディスク制御装置
では請求項1乃至15の何れかのディスク制御装置がビ
デオサーバに用いられ、前記限界許容遅延時間はビデオ
サーバのユーザ側においてリアルタイム再生に要求され
る遅延時間である。これによりリアルタイム性を要求さ
れるビデオサーバにおいて、動画や音声を含むマルチメ
ディアデータを、動画や音声を途切らせることなく効率
よく読みだすことができる。
【0035】
【実施例】図1は、本発明の実施例におけるディスク制
御装置の概略構成を示すブロック図である。同図におい
て、ディスク制御装置は、ハードディスク200、キュ
ー管理部201、許容遅延データ管理部202、並び換
え制御部203から構成され、連続的に入力される複数
の読み出し要求に対して、読み出し順序を並び換えるこ
とによりシーク時間を短縮し、かつ限界許容遅延時間の
範囲内でデータ出力する。
【0036】ハードディスク200は、複数種類のマル
チメディアデータを一定のサイズ毎に分割して記憶す
る。本ディスク制御装置がビデオサーバに用いられる場
合には、複数タイトルの映画を所定のサイズ(64Kバ
イト)に分割して記憶する。キュー管理部201は、連
続的に入力される複数の読み出し要求を処理待ちキュー
として保持し、ハードディスク200に対して順に読み
出し要求を出力する。ここで読み出し要求は、上記所定
サイズ分のデータ読み出しの要求を表す。図2にキュー
の模式図を示す。同図においてR(1)−R(n)は、
キュー内の読み出し要求を表す。キューの先頭の読み出
し要求R(1)は、ハードディスク200における1つ
前の読み出し要求R(0)の処理が終了した時点で出力
される。また、R(α)は新たに発生した読み出し要求
を表す。
【0037】許容遅延データ管理部202は、キュー内
の各読み出し要求に対する許容遅延データを保持する。
ここで許容遅延データとは、読み出し要求に対して、現
在のキュー位置ではさらにどれだけの遅延を与えても限
界許容遅延時間を守れるかを表す。具体的には、新たに
キューに追加された読み出し要求については、キューに
読み出し要求が追加された時点で許容遅延データが新た
に算出され、また、既にキュー内に存在した読み出し要
求については、順位が後順位に変更された時点で順位の
変更に起因して生じる遅延時間だけ許容遅延データが小
さい値に更新される。
【0038】並び換え制御部203は、読み出し要求が
入力される毎に、キュー管理部201のキューに対し
て、許容遅延データ管理部202に管理されている許容
遅延データを参照して、シーク時間が短くなるキューの
位置に入力された読み出し要求を挿入する。図1に図示
していないが、並び換え制御部203に読み出し要求を
供給するユーザ管理部について説明する。ビデオサーバ
ではユーザ指定された映画について、その映画を構成す
る複数のデータをユーザに連続的に供給する必要があ
る。そのため、ユーザ管理部は、ユーザからの特定の映
画の指定を受け付けると、その映画に対する個々のデー
タの読み出し要求を順次並び換え制御部203に発行す
る。この読み出し要求は、論理アドレスと、データサイ
ズと、限界許容遅延時間とを含む。ここで論理アドレス
は、読み出すべきデータのハードディスク200上の先
頭位置を示す論理的なアドレスである。データサイズ
は、読み出すべきデータのサイズであり、例えば64k
バイト程度である。限界許容遅延時間は、ユーザ側で映
画として分断することなくデータを順次再生するための
条件であり、読み出し要求の発行からハードディスク2
00からデータが出力されるまでの許される最大の遅延
時間を表し、例えば300ms程度である。
【0039】図3は、本ディスク制御装置のさらに詳細
な構成を示すブロック図である。同図に示すように、キ
ュー管理部201は、キューテーブル211と読出制御
部212とから、許容遅延データ管理部202は、許容
遅延データテーブル221と限界許容遅延時間計算部2
22とから、並び換え制御部203は、読出時間計算部
231とトラック位置計算部232とシーク時間計算部
233と並び換え部234とから構成される。
【0040】キューテーブル211は、読み出し要求を
論理的にキューとして管理するためのテーブルである。
図4(a)にキューテーブル211の構成例を示す。同
図のようにキューテーブル211は、キュー内の各読み
出し要求R(x)に対応させて、順序x、読み出し時間
t(x)、トラック位置A(x)、シーク時間S(x)
を記憶する。ここで「順序x」は、読み出し要求のキュ
ーにおける順序を示す。1がキューの先頭を、最大値n
がキューの末尾を表す。このnはキュー長でもある。こ
こで「読み出し時間t(x)」は、読み出し要求R
(x)に対するデータをハードディスク200において
読み取って出力するのに要する時間に、トラックでの最
大回転待ち時間を加えたものであり、シーク後データを
取り出すまでに必要とする最大の時間を示す。「トラッ
ク位置A(x)」は、読み出し要求xに対するデータが
書き込まれているシリンダーの位置(どのトラックであ
るか)を示す。「シーク時間S(x)」は、A(x−
1)からA(x)までヘッドを移動させるのに要する時
間を示す。
【0041】読出制御部212は、ハードディスク20
0がアクセス状態であるかレディ状態であるかを検出
し、レディ状態になった時点で直ちにキューテーブル2
11の先頭にある読み出し要求R(1)を取り出して、
対応するデータをハードディスク200から読み出す制
御を行う。このとき、取り出した読み出し要求R(1)
およびそれに関連するデータをキューテーブル211か
ら削除するとともに、残りの読み出し要求の順序xを更
新する(順番を繰り上げる)。
【0042】許容遅延データテーブル221は、キュー
テーブル211内の各読み出し要求R(x)に対する許
容遅延データP(x)を保持するテーブルである。図4
(b)に許容遅延データテーブル221の構成例を示
す。同図のように許容遅延データテーブル221は、キ
ュー内の各読み出し要求R(x)に対応させて、許容遅
延データP(x)、禁止フラグflg(x)を記憶す
る。ここで、「許容遅延データP(x)」は、読み出し
要求R(x)をあとどれだけ遅延させることができるか
をを表す許容時間を示す。「禁止フラグflg(x)」
は、ONであれば、要求R(x)の前に新たな要求を挿
入することができないことと、その読み出し要求の前後
でシーク方向を逆にすることとを表す。
【0043】限界許容遅延時間計算部222は、並び換
え部234によってキューテーブル211に読み出し要
求が追加される毎に、追加された読み出し要求及びそれ
より後順序の読み出し要求を対象に、キューテーブル2
11を参照して許容遅延データを計算して、許容遅延デ
ータテーブル221に格納する。この計算は、追加され
た読み出し要求については次式(1)により、それより
後順位の読み出し要求については次式(2)による。
【0044】
【数1】
【0045】ここでT(x)は、読み出し要求R(x)
の限界許容遅延時間を示す。
【0046】
【数2】
【0047】(2)式は、追加された読み出し要求より
後順位の読み出し要求については、それぞれのP(x)
から追加された読み出し要求の読み出し時間t(α)を
減算し、その値をP(x)として更新することを意味す
る。また、(2)式では、計算を簡略化するため、読み
出し要求R(α)を追加することによるシーク時間S
(x)への影響を考慮していない。というのは、この影
響は無視できるほど小さいからである。このようにして
キューテーブル211のP(x)は、キューに読み出し
要求が追加された時点で新たに算出され、その後、順位
が後順位に変更された時点で順位の変更に起因して生じ
る遅延時間だけ小さい値に更新されることになる。
【0048】読出時間計算部231は、新たに読み出し
要求R(α)が並び換え制御部203に入力されたと
き、R(α)に対する読み出し時間t(α)を計算す
る。この読み出し時間t(α)は、読み出すべきデータ
のサイズを、ハードディスク200の最小データ転送速
度で割って、さらにディスクの最大回転待ち時間を加え
ることにより計算される。例えば、データサイズを64
kバイト、データ読み出しの最小速度を2.7Mバイト
/S、最大回転待ち時間を11.2mSとすると、読み
出し時間t(α)=64k/2.7M+11.2=約3
5mSと計算される。
【0049】トラック位置計算部232は、新たに読み
出し要求R(α)が並び換え制御部203に入力された
とき、読み出し要求R(α)に対するデータのトラック
位置A(α)を計算する。例えば、ディスクの内周と外
周の1トラックあたりのデータサイズが等しい場合に
は、トラック位置計算部232は、ハードディスク20
0の最内周トラックの論理アドレスLAminと、最外周
トラックの論理アドレスLAmaxと、R(α)の論理ア
ドレスLAαと、全トラック数TNとに基づいて次のよ
うにA(α)を求める。
【0050】
【数3】
【0051】シーク時間計算部233は、並び換え部2
34によって読み出し要求R(α)がキューテーブル2
11に追加される毎に、追加された読み出し要求R
(α)以降の読み出し要求に対してシーク時間S(x)
を計算する。具体的には、シーク時間計算部233は、
A(x)−A(x−1)間の距離を、ハードディスク2
00のヘッドのシーク速度で割り算することによりシー
ク時間を求める。
【0052】並び換え部234は、新たに読み出し要求
R(α)が入力されたる毎に、キューテーブル211及
び許容遅延データテーブル221を参照して、読み出し
時間t(α)、シーク時間S(α)に基づいて、キュー
内の全て読み出し要求が限界許容遅延時間を満たし、か
つ、シーク方向が一定になるように並び換えを行う。図
5は、並び換え部234の詳細な並び換え処理を示すフ
ローチャートを示す。並び換え部234は、読み出し要
求R(α)が入力されると読出時間計算部231、トラ
ック位置計算部232にそれぞれ読み出し時間t
(α)、トラック位置A(α)を計算させ(ステップ6
01、602)、キューテーブル211のキュー長nが
0であれば(ステップ603:no)、読み出し要求R
(α)、読み出し時間t(α)、トラック位置A
(α)、シーク時間計算部233で計算されたシーク時
間S(α)をキューテーブル211に登録するととも
に、限界許容遅延時間計算部222で計算された許容遅
延データP(α)と、禁止フラグflg(α)=OFF
とを許容遅延データテーブル221に登録する(ステッ
プ604)。 また、並び換え部234は、キュー長n
が1以上であれば(ステップ603:yes)、変数k
をnから順に1ずつ減少するパラメータとして、キュー
の末尾から順に許容遅延データテーブル221の禁止フ
ラグflg(k)を参照して、禁止フラグがONである
読み出し要求R(k)を検出する(ステップ606−6
08)。
【0053】さらに、並び換え部234は、読み出し要
求R(α)のトラック位置A(α)が末尾の読み出し要
求R(n)のトラック位置A(n)と一致している場合
には(ステップ609:yes)、読み出し要求R
(α)を、t(α)、A(α)とともにキューテーブル
211のキューの最後尾に登録し(ステップ611)、
限界許容遅延時間計算部222、シーク時間計算部23
3にそれぞれ許容時間P(α)、シーク時間S(α)を
計算させて、計算結果を許容遅延データテーブル22
1、キューテーブル211に登録する(ステップ61
2)。
【0054】一致していない場合には(ステップ60
9:no)、並び換え部234は、トラック位置A
(n)からみて、トラック位置A(α)とトラック位置
A(k)とが同じ方向にあるか否かを判定する。具体的
には並び換え部234は、(A(k)−A(n))と
(A(α)−A(n))の積をとった結果が正であるが
負であるかにより同じ方向にあるかか否かを判定する。
【0055】その結果、同じ側でない場合には(ステッ
プ610:no)、図6(a)に示すように、読み出し要
求R(α)をキューの末尾に登録し(ステップ61
1)、限界許容遅延時間計算部222、シーク時間計算
部233にP(α)、S(α)を計算させて、t
(α)、A(α)、S(α)、P(α)、flg(α)
をキューテーブル211、許容遅延データテーブル22
1に登録する(ステップ612)。この場合図6(a)
のように、読み出し要求R(α)を末尾に登録すること
によって、ハードディスク200のシーク方向がA
(k)→A(n)→A(α)というように一定に保たれ
る。
【0056】また、同じ側である場合には(ステップ6
10:yes)、並び換え部234は、並び換え部234
は変数yをnから1ずつ減少するパラメータとして、キ
ュー内の読み出し要求R(y)1つずつを対象として以
下の処理を行う。まず、R(y)の直前にR(α)を挿
入してもシーク方向を一定に保って、かつ、R(y)の
限界許容遅延時間を守れるかどうかを調べる。図6
(b)にこの様子を表す模式図を示す。より詳しくいう
と、A(α)からみてA(y)とA(n)とが同じ方向
にあって、flg(y)がOFF、かつ、P(y)≧t
(α)である場合には(ステップ614:yes、61
5:no、616yes)、R(y)の直前にR(α)を挿
入可能であると判断する。また、R(y)の限界許容遅
延時間を守れない(P(y)≧t(α)でない)場合に
は(ステップ616:no)、flg(n)をONにして
から(ステップ617)、R(α)をキューの末尾に登
録する(ステップ618、619)。ここでflg
(n)をONにしているのは、末尾に登録したR(α)
を除く全てのキュー内の読み出し要求を並び換えの対象
外にするためと、R(α)の次からシーク方向を逆にす
るためである。
【0057】ついで、直前に挿入可能と判断された場合
(ステップ616:yes)、さらに変数y=y−1と更
新することにより1つ前の読み出し要求に対して(ステ
ップ620)、A(α)からみてA(y)とA(n)と
が同じ方向にあるか否かを判定するすることにより、R
(α)をR(y)の直前に挿入してもシーク方向を保て
るかどうかを判定する。シーク方向を保てると判定され
た場合には(ステップ614:yes)、ステップ615
以降の処理を上記と同様に行う。シーク方向を保てない
と判定された場合には(ステップ614:no)、R
(α)をR(y)の直後に挿入する(ステップ621、
622)。図6(c)に、この場合の様子を表す模式図
を示す。
【0058】以上のように構成された本発明のディスク
制御装置について、以下その動作を説明する。今、図7
(a)のように、キューテーブル211、許容遅延デー
タテーブル221内に既に読み出し要求R(1)−R
(5)が保持されているものとする。同図の例では、全
ての読み出し要求の限界許容遅延時間を300mS、デ
ータサイズを64kバイトとし、また、ハードディスク
200の最大シーク時間を20mS、最大回転待ち時間
を11.2mS、最大データ転送速度を5.5Mバイ
ト、最小データ転送速度を2.7Mバイト、シリンダ数
2000であるものとする。この場合、各読み出し要求
の読出時間t(x)は64kバイト/2.7Mバイト+
11.2mS=約35mSとなる。
【0059】この状態で、新たに読み出し要求R(6)
が並び換え制御部203に入力されると、読出時間計算
部231により読み出し時間t(6)=35mSが計算
され、トラック位置計算部232によりトラック位置A
(6)が計算される。ここで計算されたA(6)は30
0であるものとする。この読み出し要求R(6)は、図
6(a)に示したように、末尾のA(5)からみてA
(6)とA(2)とが同じ方向にないので、キューの末
尾に登録される。登録された結果を図7(b)に示す。
さらにこの状態で新たに読み出し要求R(7)が並び
換え制御部203に入力されると、同様にt(7)=3
5mSが計算される。またA(7)=1300と計算さ
れたものとする。この読み出し要求R(7)について
は、並び換え部234によって、末尾のA(6)からみ
てA(7)(=1300)とA(2)(=2000)と
が同じ方向に同じ方向にあると判定される(図5ステッ
プ610)。さらに、キューのどの位置にR(7)を挿
入できるかを判定するため、A(7)(=1300)か
らみてA(y)とA(6)(=500)とが同じ方向に
あるかどうかが判定される。ここで、y=6、5、4の
ときは、図6(b)に示したように、同じ方向にあって
かつ許容遅延データP(y)がt(7)よりも大きいの
で(ステップ614−616、620のループを3度回
る)、R(y)の直前に挿入可能と判定される。
【0060】さらにy=3のときは、図6(c)に示し
たように、A(7)(=1300)からみてA(3)
(=1500)とA(6)(=500)とが同じ方向に
ないので(図5ステップ614)、R(7)をR(3)
の直後に挿入すると決定される(ステップ621)。R
(7)がR(3)の直後に挿入された状態を図7(c)
に示す。この場合、R(7)をR(3)の直後に挿入し
ても、R(6)−R(4)のそれぞれの限界許容遅延時
間を守れることは、上記の3回のループ処理により確認
されている。また、シーク方向が一定に保てる位置に挿
入されるので、ディスクの読み出し効率を向上させてい
る。
【0061】さらに補足的にディスク制御装置の性能限
界について説明する。例えば図7(c)の状態では、さ
らに読み出し要求R(8)が入力されたとする。このと
き、P(7)=21mS、t(8)=35mSなので、
P(7)≧t(8)を満たさないので(ステップ61
6:no)、R(8)はキューの末尾に登録されることに
なる。このときP(8)は0より小さくなる。その結果
R(8)は限界許容遅延時間を満足できないことにな
る。限界許容遅延時間を満足できないのは、ディスク制
御装置の性能を越えて多数の読み出し要求が入力された
ことを意味する。ディスクの読出効率を向上させること
はディスク装置の性能を向上させることになる。
【0062】以上説明してきたように本発明のディスク
制御装置によれば、個々の読み出し時間毎の限界許容遅
延時間を満足させながら、ディスクの読出効率を向上さ
せることができる。図8は、本発明のディスク制御装置
と従来のディスク制御装置の両者について、使用率−廃
棄率特性をシミュレーションした結果を示す。同図にお
いて、横軸の「使用率」は、64kバイトデータをラン
ダムに連続して読み出したデータ取得量を1.0とした
場合の、読み出しデータ量の割合を示す。このデータ取
得量(使用率=1.0)は、ハードディスク200の平
均データ転送時間、平均回転待ち時間、平均シーク時間
をそれぞれTtransmit、Twait、Tseekで表した場合、
次式により与えられる。
【0063】
【数4】
【0064】また、縦軸の「廃棄率」は、限界許容遅延
時間を越えて処理されたため、読出後にデータが廃棄さ
れた読み出し要求の割合を表す。同図のように、本発明
のディスク制御装置は、従来技術に比べて廃棄率が2桁
から4桁小さくなっており(100分の1〜10000
分の1に小さくなっており)、ディスクの読出効率が向
上していることがわかる。
【0065】以下、本発明の第2実施例を説明する。図
9は、第2実施例におけるディスク制御装置の構成を示
すブロック図である。図1と同じ構成要素は同じ番号を
付与して説明を省略し、異なる点のみ説明する。図9の
ディスク制御装置は、第1実施例の並び換え制御部20
3の代わりに並び換え制御部1003を備える点が異な
り、第1実施例と同様の読み出し要求(以下通常要求と
呼ぶ)に加えて、優先的に読み出す必要がある優先要求
を受け付ける点が異なる。ここで、優先要求は、限界許
容遅延時間が短いが、廃棄が許される要求である。例え
ば、ビデオサーバにおいてユーザが早送りや逆再生を指
示した場合には、ユーザに供給すべきデータは、多少の
欠落してもよいが遅延時間は小さくする必要がある。こ
の様な場合に優先要求が用いられる。また、通常要求
は、優先要求に比べると限界許容遅延時間が長く、廃棄
を最小限に押さえる必要がある要求である。ビデオサー
バにおいては通常再生に相当する。
【0066】図9において、並び換え制御部1003
は、通常要求に加えて優先要求を受け付けて、キューに
既に保持された読み出し要求の限界許容遅延時間を満た
すキュー位置に登録する点は、第1実施例と同様であ
る。このとき登録すべきキュー位置において、優先要求
の限界許容遅延時間を満たせない場合には、その優先要
求を廃棄する。
【0067】図10は、並び換え制御部1003の詳細
な構成を示す。同図において優先要求判定部1101、
並び換え部1102以外は第1実施例と同じであるので
説明を省略する。優先要求判定部1101は、読み出し
要求が入力される毎に、それが優先要求であるか通常要
求であるかを判定し、並び換え部1102に通知する。
例えば、150mSというしきい値を保持しておき、限
界許容遅延時間が150mS以下であれば優先要求、そ
れより大きければ通常要求と判定する。
【0068】並び換え部1102は、通常要求について
は第1実施例と全く同じであるが、優先要求については
その限界許容遅延時間を満足できない場合には廃棄す
る。並び換え部1102の詳細な処理内容は、図5に示
したフローチャートのステップ614とステップ621
の間に図11に示す処理を追加したものとなる。図11
において、並び換え部1102は、ステップ614の続
いて、優先要求判定部1101により読み出し要求R
(α)が優先要求であると判定された場合には(ステッ
プ121:yes)、キュー内の読み出し要求R(y)の
読み出しが完了するまでの時間t1(y)がその優先要
求の限界許容遅延時間T1(α)より大きいときには
(ステップ122:yes)、R(y)の直後にR(α)
登録し(ステップ621)、小さいときにはR(α)を
廃棄する(ステップ123)。ここで、要求R(y)の
読み出しが完了するまでの時間t1(y))は、次式に
より計算される。
【0069】
【数5】
【0070】上記のように並び換え部1102は、優先
要求についてキュー内の挿入すべき位置を通常要求と同
様にして決定し、その限界許容遅延時間が満足できない
場合には廃棄する。これにより通常要求と優先要求とを
その要求される品質に応じて処理することができる。な
お、上記第1、第2実施例では、シーク方向が一定にな
るように並び換えを行っているが、隣接する読み出し要
求のトラック位置の間隔が小さい場合には部分的にシー
ク方向を逆行させるように並び換えてもよい。例えば、
逆行が許されるトラック位置の間隔が5以内とする場
合、offsetを5として図5のステップ614を次のよう
に変更すればよい。
【0071】
【数6】この式の何れかを満たす場合にはステップ61
5へ進み、何れも満たさない場合にはステップ621へ
進む。第1実施例では全ての限界許容遅延時間を300
mSとして説明したが、個々の読み出し要求毎に異なる
限界許容遅延時間を有していても構わない。その場合で
も(1)式に示したように、個々の読み出し要求の限界
許容遅延時間T(x)に基づいて許容遅延データP
(x)を計算しているので、個々の読み出し要求の限界
許容遅延時間を満たすことができる。
【0072】第2実施例において優先要求判定部110
1は、限界許容遅延時間としきい値との大小を比較する
ことにより優先要求か通常要求かを判定したが、読み出
し要求内に優先であるか通常であるかを示す情報(例え
ばフラグ)を持たせ、その情報により判定するようにし
てもよい。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、並び換え制御手段は、読み出し要求が入力され
る毎に、許容時間保持手段内の許容時間に基づいて、入
力された読み出し要求とともにキュー手段内の読み出し
要求を並び換える。これにより、読み出し要求が入力さ
れる毎にキューの並び換えを行うのでアクセス効率がよ
くなり、しかも、最大の限界許容遅延時間内のデータを
出力することができる。特に動画や音声データに対して
アクセス効率を向上させるとともに、リアルタイム性を
確保することができるという効果がある。。
【0074】請求項2の発明によれば請求項1の効果に
加えて、新たにキューに追加された読み出し要求につい
ては、許容時間保持手段に許容時間を新たに設定し、元
々キューにあった読み出し要求で順位が後順位に変更さ
れたものについては、許容時間を更新する。許容時間保
持手段の各許容時間は、キューに新たな読み出し要求が
追加された時点で必要なものだけを更新することができ
る。
【0075】請求項3の発明によれば請求項2の効果に
加えて、入力された読み出し要求の許容時間は、前記許
容時間算出手段内の第1の算出手段および第2の算出手
段により算出される。請求項4の発明によれば請求項3
の効果に加えて、ディスクのヘッドシーク方向を一定に
保つことによるアクセス効率の向上を図ることができ
る。
【0076】請求項5の発明によれば請求項4と同様の
効果がある。請求項6の発明によれば請求項3の効果に
加えて、比較的小さい距離のヘッドシーク逆行を許して
ディスクのヘッドシーク方向をほぼ一定に保つことによ
るアクセス効率の向上を図ることができる。請求項7の
発明によれば請求項6と同様の効果がある。
【0077】請求項8の発明によれば請求項5又は7と
同様の効果がある。請求項9の発明によれば請求項8の
効果に加えて、許容時間をより高い精度で計算すること
ができる。請求項10の発明によれば請求項9の効果に
加えてに、限界許容遅延時間は、画一的に処理すること
ができる。
【0078】請求項11の発明によれば請求項10と同
様の効果がある。請求項12の発明によれば請求項9の
効果に加えて、読み出し要求毎に限界許容遅延時間が異
なっている場合でも、それぞれの許容時間が順守される
ので、読み出し要求毎に必要とされるデータ品質に応じ
て効率的に読み出すことができる。
【0079】請求項13の発明によれば請求項12の効
果に加えて、、廃棄される可能性が高いけれども短い遅
延時間で優先要求が出力されるので、例えばディスク上
のデータが映画を表す場合に、早送りや逆戻しを優先要
求とすれば、要求されるデータ品質を満たして効率よく
データを読み出すことができる。請求項14の発明によ
れば請求項11又は13の効果に加えて、方向判定手段
が禁止フラグを用いて判定することによって、入力され
た読み出し要求を挿入すべき位置の判定を迅速に行うこ
とができる。
【0080】請求項15の発明によれば請求項14の効
果に加えて、入力された読み出し要求がキューの末尾に
しか追加できないことを迅速に判定することができる。
請求項16の発明によれば請求項1乃至15の何れかの
効果に加えて、リアルタイム性を要求されるビデオサー
バにおいて、動画や音声を含むマルチメディアデータ
を、動画や音声を途切らせることなく効率よく読みだす
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるディスク制御装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図2】同実施例における読み出し要求がキューとして
管理される様子を示す模式図である。
【図3】同実施例におけるディスク制御装置の詳細構成
を示すブロック図である。
【図4】(a) キューテーブルを示す図である。 (b) 許容遅延データテーブルを示す図である。
【図5】並び換え処理を示す詳細なフローチャートを示
す。
【図6】(a)〜(c) 並び換えの様子を示す模式図
である。
【図7】(a)〜(c) キューテーブル、許容遅延デ
ータテーブルの具体例を示す。
【図8】本発明によるディスク装置と従来のディスク装
置の両者について、使用率−廃棄率特性をシミュレーシ
ョンした結果を示す。
【図9】第2実施例のディスク制御装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図10】並び換え制御部の詳細構成を示すブロック図
である。
【図11】並び換え制御部の処理を表すフローチャート
である。
【図12】従来のディスク装置の構成を示すブロック図
である。
【符号の説明】
200 ハードディスク 201 キュー管理部 202 許容遅延データ管理部 203 並び換え制御部 211 キューテーブル 212 読出制御部 221 許容遅延データテーブル 222 限界許容遅延時間計算部 231 読出時間計算部 232 トラック位置計算部 233 シーク時間計算部 234 並び換え部

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の読み出し要求をキューとして保持
    し、読み出し要求が入力される毎にその読み出し要求と
    ともに保持された読み出し要求を並び換え、キューから
    読み出し要求を順に取り出して要求されたデータをディ
    スクから出力するディスク制御装置であって、 ディスクのデータ読出を要求する読み出し要求を並び換
    え可能なキューとして一時的に保持するキュー手段と、 キュー内の読み出し要求毎に、キューにおける順位に応
    じて決まる読み出し完了までの遅延時間に対して、さら
    にどれだけの遅延を与えることができるかを表す許容時
    間を保持する許容時間保持手段と、 読み出し要求が入力される毎に、キュー内の各読み出し
    要求の許容時間に基づいて、入力された読み出し要求と
    ともにキュー内の読み出し要求を並び換える並び換え制
    御手段とを備えることを特徴とするディスク制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ディスク制御装置はさらに、 並び換えが実行される毎に、入力された読み出し要求に
    ついて、キューにおける順位に応じて前記許容時間を算
    出して許容時間保持手段に格納する許容時間算出手段
    と、 並び換えによって、キューにおける順位が後順位に変更
    された各読み出し要求について許容時間保持手段の各許
    容時間を、順位の変更に起因する遅延時間だけ小さい値
    に更新する許容時間更新手段とを備えることを特徴とす
    る請求項1記載のディスク制御装置。
  3. 【請求項3】 前記許容時間算出手段は、 並び換え制御手段によりキューが並び換えられる毎に、
    入力された読み出し要求について、キュー内の挿入され
    た位置から先頭まで進み、さらに取り出されてディスク
    のデータ読み出しが完了するまでに要すると予想される
    遅延時間を算出する第1の算出手段と、 入力された読み出し要求が並び換え制御手段に入力され
    た時点から対応するデータがディスクから出力されるま
    でに遅延時間として許される最大の限界許容遅延時間か
    ら、第1の算出手段により算出された遅延時間を減算す
    ることにより、入力された読み出し要求に対する許容時
    間を算出する第2の算出手段とを備えることを特徴とす
    る請求項2記載のディスク制御装置。
  4. 【請求項4】 前記並び換え制御手段は、 読み出し要求が入力される毎に、入力された読み出し要
    求がキューに挿入された場合に、ディスクのヘッドシー
    ク方向を一定に保つことができるキュー内の位置を探索
    する探索手段と、 探索された位置に入力された読み出し要求が挿入された
    場合に、その読み出し要求の後順位になる読み出し要求
    の許容時間が0以下になるか否かを判定する時間判定手
    段と、 許容時間が0以下にならないと判定されたときの探索さ
    れた位置を挿入すべき位置と決定する位置決定手段と、 決定された位置に入力された読み出し要求を挿入するよ
    うに、入力された読み出し要求とともにキュー内の読み
    出し要求を並び換える並び換え手段とを備えることを特
    徴とする請求項3記載のディスク制御装置。
  5. 【請求項5】前記読み出し要求は、読み出すべきデータ
    の論理アドレスと、データのサイズとを含み、 前記キュー手段は、キュー内の各読み出し要求につい
    て、キュー内の順位と、シーク直後からデータを読み取
    って出力するまでに要する転送時間と、対応するデータ
    が存在するディスク上のトラック位置と、1つ前の順位
    のデータのトラック位置から当該順位のトラック位置ま
    でのヘッド移動に要するシーク時間とを対応させて保持
    するキューテーブルを備え、 前記並び換え制御手段はさらに、 入力された読み出し要求に含まれる論理アドレスに基づ
    いて対応するデータが存在するディスク上のトラックの
    位置を算出するトラック位置算出手段と、 入力された読み出し要求に含まれるデータサイズに基づ
    いてシーク直後からデータを読み取って出力するまでに
    要するデータ転送時間を算出するデータ転送時間算出手
    段と、 並び換え手段によりキューが並び換えられる毎に、キュ
    ー内の順位が変更された読み出し要求について、キュー
    テーブルのトラック位置に基づいてシーク時間を算出し
    てキューテーブルに格納するシーク時間算出手段とを備
    え、 前記探索手段は、 キュー内の読み出し要求の順位を末尾から順に1つずつ
    指定する順位指定手段と、 順位が指定される毎に、トラック位置算出手段により算
    出されたトラック位置に対して、キューの末尾の読み出
    し要求のトラック位置と、指定された順位の読み出し要
    求のトラック位置とが同じ方向にあるかを判定する方向
    判定手段とを備え、 前記並び換え手段は、決定された位置に挿入するように
    キューテーブルの順位を更新するとともに、トラック位
    置算出手段に算出されたトラック位置、データ転送時間
    算出手段により算出されたデータ転送時間を入力された
    読み出し要求に対応させてキューテーブルに格納するこ
    とを特徴とする請求項4記載のディスク制御装置。
  6. 【請求項6】 前記並び換え制御手段は、 読み出し要求が入力される毎に、入力された読み出し要
    求がキューに挿入された場合に、比較的小さい距離のヘ
    ッドシーク逆行を許してディスクのヘッドシーク方向を
    ほぼ一定に保つことができるキュー内の位置を探索する
    探索手段と、 探索された位置に入力された読み出し要求が挿入された
    場合に、その読み出し要求の後順位になる読み出し要求
    の許容時間が0以下になるか否かを判定する時間判定手
    段と、 許容時間が0以下にならないと判定されたときの探索さ
    れた位置を挿入すべき位置と決定する位置決定手段と、 決定された位置に入力された読み出し要求を挿入するよ
    うに、入力された読み出し要求とともにキュー内の読み
    出し要求を並び換える並び換え手段とを備えることを特
    徴とする請求項3記載のディスク制御装置。
  7. 【請求項7】前記読み出し要求は、読み出すべきデータ
    の論理アドレスと、データのサイズとを含み、 前記キュー手段は、キュー内の各読み出し要求につい
    て、キュー内の順位と、シーク直後からデータを読み取
    って出力するまでに要する転送時間と、対応するデータ
    が存在するディスク上のトラック位置と、1つ前の順位
    のデータのトラック位置から当該順位のトラック位置ま
    でのヘッド移動に要するシーク時間とを対応させて保持
    するキューテーブルを備え、 前記並び換え制御手段はさらに、 入力された読み出し要求に含まれる論理アドレスに基づ
    いて対応するデータが存在するディスク上のトラックの
    位置を算出するトラック位置算出手段と、 入力された読み出し要求に含まれるデータサイズに基づ
    いてシーク直後からデータを読み取って出力するまでに
    要するデータ転送時間を算出するデータ転送時間算出手
    段と、 並び換え手段によりキューが並び換えられる毎に、キュ
    ー内の順位が変更された読み出し要求について、キュー
    テーブルのトラック位置に基づいてシーク時間を算出し
    てキューテーブルに格納するシーク時間算出手段とを備
    え、 前記探索手段は、 キュー内の読み出し要求の順位を末尾から順に1つずつ
    指定する順位指定手段と、 順位が指定される毎に、トラック位置算出手段により算
    出されたトラック位置に対して、キューの末尾の読み出
    し要求のトラック位置と、指定された順位の読み出し要
    求のトラック位置の前後数トラックの何れかとが同じ方
    向にあるかを判定する方向判定手段とを備え、 前記並び換え手段は、決定された位置に挿入するように
    キューテーブルの順位を更新するとともに、トラック位
    置算出手段に算出されたトラック位置、データ転送時間
    算出手段により算出されたデータ転送時間を入力された
    読み出し要求に対応させてキューテーブルに格納するこ
    とを特徴とする請求項6記載のディスク制御装置。
  8. 【請求項8】 前記時間判定手段は、方向判定手段によ
    り同じ方向にあると判定されたとき、順位指定手段に指
    定された順位の読み出し要求に対応する許容時間から、
    データ転送時間を減算し、減算結果が0以下になるか否
    かを判定し、 前記位置決定手段は、方向判定手段により同じ方向にあ
    ると判定され、かつ、前記時間判定手段により0以下に
    ならないと判定された場合、順位指定手段に指定された
    次の順位について、方向判定手段が同じ方向にないと判
    定した場合には、その2つの順位の読み出し要求の間を
    入力された読み出し要求を挿入すべき位置と決定するこ
    とを特徴とする請求項5又は7記載のディスク制御装
    置。
  9. 【請求項9】前記第1の算出手段は、並び換え手段によ
    りキューが並び換えられる毎に、入力された読み出し要
    求について、キュー内の全ての先順位の読み出し要求の
    データ転送時間及びシーク時間を加算することにより前
    記遅延時間を算出し、 前記許容時間更新手段は、並び換えによって、キューに
    おける順位が後順位に変更された各読み出し要求につい
    て、許容時間保持手段の各許容時間を、前記データ転送
    時間だけ小さい値に更新することを特徴とする請求項8
    記載のディスク制御装置。
  10. 【請求項10】前記限界許容遅延時間は、全ての読み出
    し要求に共通の値が予め定められていることを特徴とす
    る請求項9記載のディスク制御装置。
  11. 【請求項11】前記位置決定手段は、方向判定手段によ
    り同じ方向にあると判定され、かつ、前記時間判定手段
    により0以下になると判定された場合には、キューの末
    尾を挿入すべき位置と決定することを特徴とする請求項
    10記載のディスク制御装置。
  12. 【請求項12】前記限界許容遅延時間は、入力される読
    み出し要求に含まれることを特徴とする請求項9記載の
    ディスク制御装置。
  13. 【請求項13】前記位置決定手段は、方向判定手段によ
    り同じ方向にあると判定され、かつ、前記時間判定手段
    により0以下になると判定された場合には、キューの末
    尾を挿入すべき位置と決定し、 前記読み出し要求は、最大許容時間が短く廃棄されても
    よい優先要求と、それ以外の要求とに分類され、 前記並び換え判定制御手段はさらに、 入力された読み出し要求が優先要求であるかどうかを判
    別する優先要求判別手段と、 優先要求であると判別され、かつ、位置決定手段により
    末尾に挿入すると決定された場合、キューテーブル内の
    全ての読み出し要求のデータ転送時間及びシーク時間を
    加算した加算結果がその優先要求の最大許容時間よりも
    大きければ、廃棄すると判定する廃棄判定手段と、 廃棄すると判定された優先要求を廃棄するとともに、優
    先要求に対する並び換え制御手段の動作を禁止する廃棄
    手段とを備えることを特徴とする請求項12記載のディ
    スク制御装置。
  14. 【請求項14】前記許容時間保持手段は、さらにキュー
    内の読み出し要求毎に、キューの内の直前に他の読み出
    し要求を挿入できないことと、シーク方向が逆になるこ
    ととを表す禁止フラグを保持し、 前記並び換え手段は、方向判定手段により同じ方向にあ
    ると判定され、かつ、前記時間判定手段により0以下に
    なると判定され、かつ、位置決定手段によりキューの末
    尾が挿入すべき位置と決定された場合には、並び換え後
    に末尾に挿入された読み出し要求の直前順位の読み出し
    要求に対応する禁止フラグをセットすることを特徴とす
    る請求項11又は13記載のディスク制御装置。
  15. 【請求項15】 前記並び換え制御手段はさらに、 読み出し要求が入力されたとき、許容時間保持手段内の
    禁止フラグがセットされていて、かつ、キューの末尾に
    最も近い読み出し要求を検出する禁止フラグ検出手段
    と、 末尾の読み出し要求のトラック位置に対して、入力され
    た読み出し要求のトラック位置と、検出された読み出し
    要求のトラック位置とが同じ方向にあるか否かを判定す
    るフラグ方向判定手段とを備え、 前記位置決定手段は、フラグ方向判定手段により同じ方
    向にないと判定された場合に、入力された読出要求をキ
    ューの末尾を挿入すべき位置と決定し、 前記探索手段は、フラグ方向判定手段により同じ方向に
    あると判定された場合に、前記探索を行うことを特徴と
    する請求項14記載のディスク制御装置。
  16. 【請求項16】 前記ディスク制御装置は、ビデオサー
    バに用いられ、 前記限界許容遅延時間は、ビデオサーバのユーザ側にお
    いてリアルタイム再生に要求される遅延時間であること
    を特徴とする請求項1乃至15記載の何れかディスク制
    御装置。
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Cited By (6)

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