JPH085180Y2 - 布製品の重ね折り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、コンベアにより移送される布製品をその移
送中に移送方向と平行方向に折り重ねるようにした布製
品の重ね折り装置に関するものである。

（従来技術） 従来より、コンベアにより移送される布製品をその移
送途中において移送方向と平行方向に折り重ねる要求が
あり、これに応えるものとして例えば、特開昭59-86554
号公報には、移送される布製品の折り目位置に対応する
位置において上下方向に段差を設けたコンベアを使用す
るとともに、非折畳み部分側に押さえ板を設け、上記コ
ンベアの段差部分からエアを噴射して上記押さえ板部分
を境に布製品の被折畳み部分を非折畳み部分側へ重ね折
りするようにしたものが提案されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、上掲公知例のものにおいては、コンベア側
に段差部分を形成する必要があることから構造が複雑と
なり、またエアの噴出力で布製品を折り畳むものである
ため、折り畳み部分の重ね幅が広い場合には被折畳み部
分の全域にエアを十分に届かせることが難しく、場合に
よって完全な重ね折りができないことも考えられる。

（考案の目的） そこで本考案は、かかる従来の重ね折り装置の問題点
に鑑み、簡単な構造で確実且つ正確に布製品の重ね折り
ができ、しかも既存のコンベアに容易に付設し得るよう
な布製品の重ね折り装置を提供せんとしてなされたもの
である。

（目的を達成するための手段） 本考案は上記の目的を達成するための手段として、布
製品を一方側に搬送するコンベアと、該コンベアの上方
において該コンベアに近接平行して延設される折り目ガ
イドと、該折り目ガイドより高位置において該折り目ガ
イドと平行して設けられ且つ該折り目ガイドの左右両側
間に跨って水平３方向に変位可能な擺動体と、上記コン
ベアによって搬送されてくる布製品のうち被折畳み部分
を上記擺動体の上方まで誘導する誘導体を備えたことを
特徴としている。

（作用） かかる構成とすることにより、コンベア上をその一方
側へ向けて搬送される布製品は、該コンベアに近接平行
して延設された折り目ガイドの下側を通るとともに、そ
の被折畳み部分は布製品の搬送に伴って誘導体により擺
動体の上方側へ誘導される。ここで、該擺動体が上記折
り目ガイドより高位置において且つその左右両側に跨っ
て水平方向に変位すると、上記誘導体により擺動体の上
方へ誘導された上記被折畳み部分は、該擺動体の変位に
伴って上記折り目ガイド部分を境に非折畳み部分の上側
に重ね折りされる。

（考案の効果） 従って、本考案の布製品の重ね折り装置によれば、コ
ンベアに近接して設けられた折り目ガイドと擺動体と誘
導体とにより布製品の重ね折りが実現されることから、
従来のようにコンベア側に段差部分を設けるような場合
に比して、装置全体としての構造が簡単となり、延いて
は低コスト化が図れるとともに、既存の平坦なコンベア
に対しても何等特別の加工を施すことなくそのまま適用
し得ることから、設備の有効利用も図れるものである。

さらに、擺動体の変位によって布製品の非折畳み部分
を強制的に重ね折りするようにしていることから、重ね
折り作業が被折畳み部分の大きさ等に影響されることな
く確実に且つ正確に行なわれ、従来のようにエアの噴射
力を利用して重ね折りするような場合に比して、作業上
の信頼性が向上するものである。

（実施例） 以下、実施例に基づいて本考案の布製品の重ね折り装
置を具体的に説明する。

第１実施例 第１図〜第３図には、本考案の第１実施例にかかる布
製品の重ね折り装置が示されており、同各図において符
号１は複数の平ベルト2,2,…を平行に列設してなるコン
ベアであり、該コンベア１上を平布状の布製品Ｚ
（Ｚ′）がその一端1a側から他端1b側に向けて順次搬送
されるようになっている。

尚、このコンベア１は、該コンベア１上をその一端1a
側から他端1b側に向けて搬送される布製品Ｚに対して重
ね折りをする必要がない場合には連続的に走行せしめら
れるが、該布製品Ｚの重ね折りを必要とする場合には、
間欠的な走行とされる。即ち、布製品Ｚが所定の重ね折
り位置（第２図において符号Ｚ′で示す鎖線図示位置）
に達すると、これが例えば光電管等のセンサ手段により
検知され、その時点から所定時間（即ち、重ね折り作業
が完了する時間）だけ走行が停止されるようになってい
る。

上記コンベア１の前後両端部の上方位置には、前側横
架材４と後側横架材７とが、それぞれ該コンベア１の搬
送方向に直交する方向に向けて横架配置されている。ま
た、この前側横架材４と後側横架材７とは、上記コンベ
ア１の幅方向の両側において該コンベア１と平行に配置
された左右一対の桁材9,9を介して連結されている。

さらに、上記後側横架材７の上記前側横架材４に対向
する側面には、上記一対の桁材9,9間に跨がる如くして
該後側横架材７と平行に延びる可動横架材６が、左右一
対の枢支ピン8,8を介して上下方向に回動自在に連結さ
れている。また、この可動横架材６の両端部にはそれぞ
れアーム部材25,25がそれぞれ突設されるとともに、該
各アーム部材25,25の先端部は上記各桁材9,9に立設配置
した直動型シリンダで構成されるエアアクチュエータ1
0,10に係合せしめられている。従って、この各エアアク
チュエータ10,10が同期して伸縮することで上記可動横
架材６は上記枢支ピン8,8を中心として上下方向（第１
図の矢印ａ−ｂ方向）に揺動することとなる。

尚、この可動横架材６の揺動位置（姿勢）と上記エア
アクチュエータ10の伸縮量との関係は次のように設定さ
れている。即ち、第１図に示すようにエアアクチュエー
タ10が全縮状態にある場合には上記可動横架材６の前後
両側面6a,6bは、その面方向を共に鉛直方向に平行とし
た姿勢をとる。一方、上記エアアクチュエータ10が全縮
状態から伸長すると、可動横架材６は上記枢支ピン８を
中心として矢印ａ方向へ回動し、且つ該エアアクチュエ
ータ10の全伸状態においては、図示はしないが、後述の
誘導体18に設けられる傾斜誘導体19が上記コンベア１の
上面より上方に位置してその下方を布製品Ｚが通過する
のを許容し得る姿勢をとる。

一方、コンベア１上を搬送される布製品Ｚをその搬送
途中において重ね折りするために、上記可動横架材６に
は後述の誘導体18と擺動体16が、また上記前側横架材４
には後述の折り目ガイド３が、それぞれ取り付けられて
いる。

誘導体18は、所定長さの直棒体で構成されるものであ
って、その一端側には直交状に屈曲延出する片持支持部
20が連続形成されるとともに、他端側はこれを上記片持
支持部20の屈曲方向と逆方向に傾斜させてこれを傾斜誘
導体19としている。そして、この誘導体18は、上記傾斜
誘導体19をコンベア１の搬送方向手前側に向けた状態
で、上記片持支持部20を介して上記可動横架材６の一方
の側面6aに片持ち状態で固着されている。

尚、この誘導体18の可動横架材６への取付け位置は次
のように設定されている。即ち、誘導体18は、第１図に
示すように、上記エアアクチュエータ10が全縮状態にあ
る場合において、該誘導体18が上記平ベルト２の上面よ
り上方に所定間隔をもった位置でこれと平行で、且つコ
ンベア搬送方向に対しても平行となり、しかも上記傾斜
誘導体19の先端部が上記平ベルト２の上面よりも下位に
位置するように、コンベア１及びエアアクチュエータ10
との関連において設定されている。また、上記エアアク
チュエータ10が全伸状態にある場合には、上記傾斜誘導
体19が平ベルト２の上面より上方に位置することは既述
の通りである。

折り目ガイド３は、所定長さの直棒体で構成され、そ
の一端には直交方向に延出する片持支持部５が連続形成
されている。そして、この折り目ガイド３は、上記誘導
体18の側方位置において、該誘導体18と平ベルト２との
中間の高さ位置で該平ベルト２に近接平行し、且つ該平
ベルト２の搬送方向に対しても平行となるようにして、
上記片持支持部５を介して上記前側横架材４に固着され
ている。

擺動体16は、所定長さの直棒体で構成されるととも
に、その一端にはこれと直交方向に延出する片持支持部
17が連続形成されている。この擺動体16は、その他端
（反片持支持部17側の端部）を上記前側横架材４側に向
けた状態で、上記誘導体18とほぼ同高さ位置においてこ
れと平行（従って、平ベルト２の面方向と搬送方向に対
しても平行）なる如くして、後述の支持板12に片持ち状
態に固着されている。

上記支持板12は、第３図に示すように、矩形状に形成
されるとともにその四隅にそれぞれガイドローラ21,21,
…を備えており、該各ガイドローラ21,21,…を、上記可
動横架材６の上面6cと下面6dにそれぞれ設けた軌道11,1
1に係合させることで、該可動横架材６の他方の側面6b
側において該可動横架材６に沿ってその軸方向（即ち、
コンベア１の搬送方向に直交する方向）に移動可能とさ
れる。

また、上記可動横架材６には、回転型シリンダで構成
されるエアアクチュエータ13が配置されている。そし
て、このエアアクチュエータ13により揺動せしめられる
揺動レバー14には、連結杆15を介して上記支持板12が連
結されている。従って、該支持板12は、上記揺動レバー
14がエアアクチュエータ13により矢印ｃ−ｄ方向に揺動
することで、可動横架材６に沿って上記コンベア１の搬
送方向に直交する方向（第３図の矢印ｅ−ｆ方向）に移
動せしめられる。この支持板12の移動により、これに固
着された上記擺動体16は、第３図に図示する如く上記誘
導体18と折り目ガイド３との間で且つ該誘導体18に近接
した位置（以下、初期位置という）から、上記折り目ガ
イド３を越えて反誘導体18側へ水平移動することとな
る。

続いて、以上の如く構成された重ね折り装置を使用し
て布製品Ｚをその搬送途中にて重ね折る場合の作動状態
を説明する。この場合、先ず初期設定として、上記エア
アクチュエータ10,10を全縮状態に設定して誘導体18及
び傾斜誘導体19を第１図に示す状態とする。この状態で
コンベア１が起動されると、布製品Ｚは、第２図に示す
ように、コンベア１上をその一端1a側から他端1b側に向
けて搬送される。そして、この布製品Ｚは、上記傾斜誘
導体19に到達すると、該傾斜誘導体19が布製品Ｚの下側
に潜り込むような格好で該傾斜誘導体19に対応する部分
が次第に持ち上げられながら該傾斜誘導体19に連続する
誘導体18上に誘導され、結果的に上記擺動体16は布製品
Ｚの下側に位置せしめられる。

尚、第３図に示すように、布製品Ｚのうち、上記傾斜
誘導体19及び誘導体18より折り目ガイド３寄りに位置す
る部分Zaは平ベルト２上に載置されたまま該折り目ガイ
ド３の下側を通過する。以下においては、この布製品Ｚ
のうち、折り目ガイド３よりも反誘導体18側に位置する
部分Zaを非折畳み部分Za、誘導体18寄りに位置しその一
部が誘導体18によって持ち上げられる部分Zbを被折畳み
部分Zbという。

布製品Ｚがさらに搬送されて第２図において符号Ｚ′
で示す位置に達すると、上記コンベア１が一旦走行を停
止するとともに、上記エアアクチュエータ13が作動し、
上記擺動体16はその初期位置から上記折り目ガイド３の
上方を越えて矢印ｆ方向に水平移動する。この際、布製
品Ｚの上記被折畳み部分Zbは、擺動体16の移動とともに
これに引きづられる格好で、上記折り目ガイド３部分を
境として非折畳み部分Zaの上方側へ引き出され、結果的
に被折畳み部分Zbは非折畳み部分Zaの上側に重ね折られ
ることとなる。

擺動体16が被折畳み部分Zbの端縁を越えると、該擺動
体16と被折畳み部分Zbとの接触が解除され、重ね折りさ
れた布製品Ｚは擺動体16の下側に位置することとなる。
従って、この時点で再び上記コンベア１を走行させるこ
とで、該布製品Ｚは再び該コンベア１の他端1b側に向っ
て搬送されると同時に、該コンベア１の一端1a側には後
行する次の布製品Ｚが搬入される。尚、上記擺動体16
は、重ね折り作業の完了後、直ちに初期位置に復帰し、
次回の重ね折り作業に備える。

このように、この実施例の重ね折り装置においては、
擺動体16によって強制的に布製品Ｚの被折畳み部分Zb部
分を重ね折るものであることから、例えば従来のように
噴射エアによって重ね折りを行う場合の如く被折畳み部
分Zbの大きさによっては正確な重ね折りができなくなる
というようなこともなく、重ね折り作業が確実且つ正確
に行なわれ、それだけ作業上の信頼性が向上するもので
ある。

また、上述の如く、コンベア１は布製品Ｚの搬送作用
のみを行えばよく、例えば、従来のようにエア噴射を行
うためにコンベアの途中に段差部分を形成するような必
要がない。このため、該コンベア１に段差部を設けるよ
うな場合に比して、装置全体の構造が簡単となり、それ
だけ低コスト化が図れるとともに、例えば、既存設備と
して平坦なコンベアがあるような場合には、これに何等
特別の加工を行うことなく上記誘導体18等を付設するこ
とのみによって重ね折り工程に転用し得ることから、既
存設備の有効利用も図れるものである。

一方、布製品Ｚの重ね折りを必要としない場合には、
上記エアアクチュエータ10を全伸状態として、上記傾斜
誘導体19を平ベルト２の上面側に持ち上げてその下方側
に布製品Ｚを通過させる。

尚、この実施例のものは重ね折りを必要とする場合と
これを必要としない場合の両方に兼用するために上記可
動横架材６を回動自在として上記傾斜誘導体19を平ベル
ト２の上方に退避可能としているが、例えばこの装置を
重ね折り作業の専用装置として使用するような場合に
は、上記誘導体18及び傾斜誘導体19を後側横架材７に直
接固定したり、あるいはこれらをコンベア１の下方側か
ら固定的に支持することもできる。

さらに、この実施例においては重ね折り作業の確実性
及び正確性をより高める意味から、布製品Ｚが所定の重
ね折り位置に達した時点で一旦コンベア１の走行を停止
させ、搬送停止状態下において重ね折り作業を行うよう
にしているが、本考案はかかる構成に限定されるもので
はなく、例えばコンベア１の走行を停止させることなく
布製品Ｚを搬送状態のままこれと並行して重ね折り作業
を行うように構成することもできるものであり、かかる
構成とした場合には布製品Ｚの搬送が連続的である分だ
け作業能率が向上するという利点が得られるものであ
る。

第２実施例 第４図には、本考案の第２実施例にかかる重ね折り装
置が示されている。この実施例のものは、例えば「ゆか
た」の両そでをそれぞれ重ね折る場合のように、布製品
Ｚの両側を同時に重ね折りする必要がある場合に適用さ
れるものであって、具体的には、上記第１実施例におい
て説明した如き重ね折り機構をコンベア１の幅方向に所
定間隔をもって一対配置したものである。

このような構成とした場合には、二箇所の重ね折りを
一工程で同時に完了することができるため、例えば、各
重ね折り作業を前後して別々に行うような場合に比し
て、作業能率が高められるものである。

尚、第４図示の各部材には第１図〜第３図の各部材に
対応させて符号を付すことでその説明は省略する。

第３実施例 第５図には、本考案の第３実施例にかかる重ね折り装
置が示されている。この実施例のものは、上記第１実施
例においては上記擺動体16をコンベア１の上面に沿って
水平に平行移動させる構成としていたのに対して、該擺
動体16をその一端側を中心としてコンベア１に平行に回
動させるようにしたものである。具体的には、擺動体16
の一端に連続する片持支持部17を直動型シリンダで構成
されるエアアクチュエータ22によって回動変位させるよ
うにしている。

かかる構成とした場合には、第１実施例の如き摺動機
構を設ける必要がないことから、装置の構造の簡略化、
軽量化が図れるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例にかかる布製品の重ね折り
装置の断面図、第２図は第１図に示した布製品の重ね折
り装置の平面図、第３図は第２図のＡ−Ａ矢視図、第４
図は本考案の第２実施例にかかる布製品の重ね折り装置
の平面図、第５図は本考案の第３実施例にかかる布製品
の重ね折り装置の平面図である。 １……コンベア ２……平ベルト ３……折り目ガイド ４……前側横架材 ５……片持支持部 ６……可動横架材 ７……後側横架材 ８……枢支ピン ９……桁材 10……エアアクチュエータ 11……軌道 12……支持板 13……エアアクチュエータ 14……揺動レバー 15……連結杆 16……擺動体 17……片持支持部 18……誘導体 19……傾斜誘導体 20……片持支持部 21……ガイドローラ 22……エアアクチュエータ 25……アーム部材 Ｚ……布製品 Za……非折畳み部分 Zb……被折畳み部分

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】布製品を一方側に搬送するコンベア（１）
   と、該コンベア（１）の上方において該コンベア（１）
   に近接平行して延設される折り目ガイド（３）と、該折
   り目ガイド（３）より高位置において該折り目ガイド
   （３）と平行して設けられ且つ該折り目ガイド（３）の
   左右両側間に跨って水平方向に変位可能な擺動体（16）
   と、上記コンベア（１）によって搬送されてくる布製品
   のうちの被折畳み部分を上記擺動体（16）の上方まで誘
   導する誘導体（18）を備えたことを特徴とする布製品の
   重ね折り装置。