JPH08511947A - 喫煙材料の処理法の改良 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ５重量％乃至７５重量％の水分を有する喫煙材料を空気の存在においてほぼ大気圧または大気圧以上の圧力のもとに７０乃至２２０℃の温度に加熱する段階と、加熱された喫煙材料を膨張させるのに十分な速度でこの喫煙材料に対する圧力を低下させる段階とを含むタバコなどの喫煙材料処理法。

Description

【発明の詳細な説明】 喫煙材料の処理法の改良 本発明は、喫煙材料、特にタバコおよびタバコ代替物の処理に関する。 タバコ工業においては、タバコのかさ体積を増大するためにタバコを膨張させ る事は公知である。タバコのかさ体積の増大はタバコの充填力を増大し、またさ らに一定割合の膨張タバコを含有する喫煙製品は、タバコ重量が低減されるので タール量が少なく、ニコチン含有量が減少する。 タバコを膨張させる多くの方法が公知である。これらの方法の１つは、タバコ の膨張のために二酸化炭素を使用する。この方法において、タバコは液状二酸化 炭素の中に圧下浸漬され、圧力を解除して二酸化炭素を固化し、次に高温を加え て二酸化炭素を昇華させる。タバコの細胞中の急速な圧力上昇の故にこれらのタ バコ細胞が膨張する。 他の方法においては有機溶媒をタバコに含浸させる。次に溶媒沸点より少なく とも３０℃高い温度までタバコを急速に加熱する。この場合にも急速な蒸発がタ バコの細胞膜を膨張させる。 他の公知の膨張法は、一般に１０ＭＰａ（１００バール）以上の高圧のもとに 、タバコに窒素を含浸させるにある。次にタバコを減圧して、水蒸気トンネルの 中を通過させ、このトンネルの中においてタバコ温度が急速に約９０℃まで上昇 する事によってタバコを膨張させる。 イギリス特許第６７５２９２号に記載のタバコ拡張法においては、まずタバコ から空気を排除し、空気の代わりに水蒸気を入れる。処理されたタバコを水蒸気 によって加熱し、次に圧力を低下させてタバコを膨張させる。タバコから空気を 排除する予備処理がこの方法にとって最重要であると思われる。 本発明は空気を除去する前段階を必要としない喫煙材料膨張法にある。この方 法における空気の存在はなんら有害な作用をもたらさないので、空気除去前処理 が不必要である事が発見された。 本発明によれば、５重量％乃至７５重量％の水分を有する喫煙材料を空気の存 在においてほぼ大気圧または大気圧以上の圧力のもとに７０乃至２２０℃の温度 に加熱する段階と、加熱された喫煙材料を膨張させるのに十分な速度でこの喫煙 材料に対する圧力を低下させる段階とを含む喫煙材料処理法が提供される。 喫煙材料の圧力は好ましくは０．１乃至５０ｋＰａ（１−５００ミリバール） に減圧される。これは喫煙材料のすぐれた膨張を生じる事が発見された。 本明細書において「空気の存在において」とは少なくとも２％の空気の存在す る事を意味する。喫煙材料を加熱する雰囲気は１００％空気、または２−１００ ％の空気と蒸気、二酸化炭素および窒素などの他のガスとの混合物とする事がで きる。 望ましくは、喫煙材料は飽和蒸気または過飽和蒸気を直接に加える事によって 加熱する事ができる。喫煙材料は０．１乃至２ＭＰａ（１乃至２０バールゲージ ）の圧力のもとに７０乃至２２０℃の範囲内の温度まで加熱され、好ましくは０ ．１１乃至０．５ＭＰａ（１．１乃至５バール）の圧力のもとに１０２乃至１６ ０℃の範囲内の温度に加熱される。あるいは、喫煙材料は他の相対的に熱いガス またはマイクロ波などの放射熱に露出する事によって加熱する事ができる。 減圧状態への圧力低下は急速である事が好ましく、代表的には約０．０４秒以 内に生じる。この方法はタバコの膨張に適し、かさ膨張度は２０乃至１００％の 範囲内となる。 喫煙材料が２０乃至７５重量％（さらに好ましくは３０乃至７５重量％）の初 水分を有し、処理中にその初水分の近くまたはそれ以下、例えば１５重量％まで の水分に戻る場合、良好な結果が得られた。驚くべき事に、この処理をこのよう に実施する事によって膨張された喫煙材料は、冷凍乾燥などの次の処理を必要と せずにその膨張状態を保持する。 代表的には、本発明の方法は下記のように実施される。湿潤重量ベースで５乃 至７５％の水分を有する喫煙材料を加熱容器中に配置する。前記水分範囲の上端 の水分については、喫煙材料を業界公知の方法によって湿らせる必要のある場合 がある。喫煙材料の膨張水準、弾性または固有喫煙特性などの性能を改良するよ うに、喫煙材料を湿らせるために使用される水の中にある種の添剤を含む事がで きる。所望の温度と圧力に達するまで加熱を続ける。次に容器中の圧力を急速に 低下させる事により、または喫煙材料を直接に減圧状態の第２容器に転送する事 により、喫煙材料を減圧状態まで急速に減圧する。喫煙材料中の熱を保持しなが ら急速減圧する事により、喫煙材料の細胞組織の中に含有される水分を急速に膨 張させ、その結果として喫煙材料の膨張を生じる。喫煙材料に対して前記のよう な単数または複数の加熱段階を加えた後に部分的減圧状態まで急速減圧する事が できる。 水分の蒸発を促進するため、減圧段階中また／あるいはその後に（好ましくは 減圧段階中に）喫煙材料を間接加熱する事ができる。これは放射線加熱（例えば マイクロ波あるいは赤外線放射）など種々の方法で実施する事ができる。本発明 のこのアスペクトは、減圧前にマイクロ波を使用して喫煙材料を加熱し減圧後に も同一容器中で加熱を継続する事によって実施する事が望ましい。このようにし て得られた乾燥され膨張された製品はより安定な組織を有する。 タバコ製造の観点から、前記の方法はタバコのバッチ膨張のために使用する事 ができ、またはオンライン連続プロセスの１段階として使用する事ができる。も ちろん後者の方法は操作上および貯蔵上の必要装置を節減する事ができる。 このようにして本発明による膨張タバコは空気中で加熱されるので、処理コス トを増大させる回収システムを必要とする高価な物質を使用しないで製造する事 ができる。この膨張タバコは弾性であって、劣化傾向がない。さらに水がこのタ バコの成分を浸出させない。 充填力改良度（ＦＰＩ）は２０乃至１００％の範囲内にあると予想される。３ ０％のＦＰＩの場合、喫煙材料のタバコ重量は１７％も低減されよう。６０％の ＦＰＩの場合、タバコ重量は２６％も低減されよう。 本発明によって製造される膨張タバコの弾性の故に、シガレットであろうとシ ガーであろうと、喫煙材料の製造プロセスに使用できるタバコ量には実際上制限 がない。 本発明による膨張タバコは、前記のような種々の利点を有する方法によって製 造されると共に性能において先行技術の膨張タバコに優に匹敵する。 第１図と第２図は本発明の方法を実施するために使用される装置の実施例の概 略図である。 第１図について述べれば、喫煙材料（図示されない）が第１シール１２を通し て加圧室１０の中に入り、そこで導入口１４から供給される圧下蒸気によって処 理される。次に処理された喫煙材料が（適当にはエアロックなどの）第２シール １６を通って減圧室１８の中に入り、この減圧室は排出口２０によって減圧に接 続されている。減圧が加えられる間に喫煙材料の温度を所定値に保持するため熱 源２２が放射熱を加える。得られた生成物、すなわち膨張されたタバコが第３シ ール２４（適当にはエアロック）を通して減圧室１８から排出される。 第２図について述べれば、喫煙材料３０がサンプルサポート３４によってガラ ス鐘３２の中に支承される。喫煙材料３０は、マイクロ波発生器３６から導波管 ３８とモードスターラ４０とを介してマイクロ波に露出される事によって加熱さ れる。真空ポンプ４２をオンにしておき、弁４６を開くと、接続ライン４４を通 してガラス鐘３２中の圧力を低下させて喫煙材料を膨張させる。膨張されたタバ コの水分をさらに低下させるために加熱を続ける事ができる。 実施例 １ シガー充填タバコを飽和蒸気中で２００ｋＰａ（２バール）の圧力で下記の表 １に示す時間、加熱した。タバコ温度は蒸気温度１３３℃またはその近くまで上 昇するであろう。蒸気供給を締め切った後に、０．８ｋＰａ（８ミリバール）の 圧力の付属真空源に対する弁を開く事によってタバコが減圧され、温度は所定の 遮断温度にまで降下させられる。その結果を表１に示す。 実施例 ２ 約２．５ｋＰａ（２５ミリバール）の圧力に達する事のできる真空ポンプを備 えた６ｋＷマイクロ波炉を使用してテストを実施した。テストに使用した装置は 第２図に概略図示のものと同一である。 テストプロセスの基本シーケンスは下記である。 １．小量のタバコサンプルをガラス鐘の下に配置する。 ２．弁を閉鎖位置にして真空ポンプをオンにする。 ３．マイクロ波源を全出力でオンにしてタバコを予熱する。 ４．マイクロ波出力をオンにしたままで、真空弁を開く。 ５．マイクロ波サイクルを完了させる。ガラス鐘を減圧し、サンプルを取り出す 。 シガレットのカットラミナとシガーフィラーについて実施されたテストを表２ に示す。

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Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． ５重量％乃至７５重量％の水分を有する喫煙材料を空気の存在において ほぼ大気圧または大気圧以上の圧力のもとに７０乃至２２０℃の温度に加熱する 段階と、加熱された喫煙材料を膨張させるのに十分な速度でこの喫煙材料に対す る圧力を低下させる段階とを含む喫煙材料処理法。 ２． 加熱された喫煙材料に対する圧力が０．１乃至５０ｋＰａまで低下され る事を特徴とする請求項１に記載の方法。 ３． 前記喫煙材料が１０２℃乃至１６０℃まで加熱される事を特徴とする請 求項１または２のいずれかに記載の方法。 ４． ０．１乃至２ＭＰａの圧力を受ける喫煙材料に対して加熱を実施する事 を特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の方法。 ５． 喫煙材料が加熱前に２０乃至７５重量％の水分を有する事を特徴とする 請求項１乃至４のいずれかに記載の方法。 ６． 膨張された喫煙材料の水分が加熱前の喫煙材料の水分と同等またはこれ 以下である事を特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の方法。 ７． 膨張された喫煙材料の水分が１５重量％までである事を特徴とする請求 項１乃至６のいずれかに記載の方法。 ８． 喫煙材料が水蒸気によって加熱される事を特徴とする請求項１乃至７の いずれかに記載の方法。 ９． 喫煙材料が放射熱またはマイクロ波放射線によって加熱される事を特徴 とする請求項１乃至７のいずれかに記載の方法。 １０． 水の蒸発を促進するため、喫煙材料が圧力低下中および／またはその 後に加熱される事を特徴とする請求項１乃至９のいずれかに記載の方法。 １１． 喫煙材料が圧力低下中および／またはその後に放射熱露出によって加 熱される事を特徴とする請求項１０に記載の方法。 １２． 前記放射熱はマイクロ波によって与えられる事を特徴とする請求項１ １に記載の方法。