JPH08509617A - 細胞酸化還元電位と癌危険性とのインジケータとしてのdnaプロフィル - Google Patents

細胞酸化還元電位と癌危険性とのインジケータとしてのdnaプロフィル

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JPH08509617A JP6524619A JP52461994A JPH08509617A JP H08509617 A JPH08509617 A JP H08509617A JP 6524619 A JP6524619 A JP 6524619A JP 52461994 A JP52461994 A JP 52461994A JP H08509617 A JPH08509617 A JP H08509617A
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Abstract

(57)【要約】 試験標本の細胞酸化還元電位の分析によって、対象の遺伝毒性的又は発癌状態を判定する方法であって、細胞の酸化還元電位が酸化誘導修飾ヌクレオチド塩基に有利である場合には、遺伝毒性的損傷又は癌の高い危険性又は存在が示唆される方法。試験対象から入手した試験標本からDNAを単離し、安定な還元的生成誘導体又は安定な酸化的生成誘導体のどちらかを形成した修飾ヌクレオチド塩基に関して分析する、高感度方法を開示する。還元経路による修飾ヌクレオチド塩基を確認し、これを酸化経路による修飾ヌクレオチド塩基と比較することによって、試験標本の癌状態に関する判定を実施することができ、2種類の修飾ヌクレオチド塩基の比が酸化生成誘導体が還元生成誘導体よりも促進されることを示す場合には、高度な癌状態が存在する。細胞の酸化還元電位を、酸化誘導修飾塩基の形成と癌形成との見込みを弱めるように調節する方法をも開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 細胞酸化還元電位と癌危険性とのインジケータとしてのDNAプロフィル 発明の分野 本発明は一般に、対象の癌状態を評価する診断及び予後の方法と、その状態を 改善するための方法とに関する。さらに詳しくは、本発明は細胞DNAに影響を 与える細胞酸化還元電位を分析することによって対象の癌状態(健全、前癌、癌 )を判定する方法を提供し、発癌に影響を与えるように細胞酸化還元電位を調節 する方法を提供する。 発明の背景 一般に細胞複製を決定する機構はDNA転写であり、これによって、DNA内 に具体的に表現されるような、生物体(organism)に関する遺伝情報がその後に 形成される各細胞に転移される。ミスコーディング(miscoding)又は塩基対不 正(base pair error)(塩基損傷(base lesion))としての遺伝コードにおけ るエラーが1つの細胞から次の世代にまで伝えられるのは、この複製プロセス中 である。このような損傷又はこのような損傷群の一部は有害であり、生物体の死 亡又は腫瘍形成(neoplasia)を生じることがある。他の損傷は殆ど検出されな い効果を有するか又は、生物体によって産生される若しくは生物体中に導入され る酵素によって容易に修復されることができる。さらに他の塩基損傷は有益であ り、変化(diversity)及び適合を促進することができる。ヒト集団にとって非 常に興味深いのは、この最初のカテゴリーである。 DNA配列の破壊又は変化は破局的な結果(例えば、癌)をもたらす可能性が あるので、このような変化が何故、どのようにして生ずるのかを確認するために 多くの研究が行われてきた。高レベルの放射線又は酸化性化学物質への暴露がD NAの破壊を種々な程度に惹起することが判明している。例えば、細菌が酸化的 に修飾されたヌクレオチド塩基の損傷を発生させるような、高レベルの放射線に in vitroで暴露されると、DNAの不正複製(misreplication)が生ず ることが判明している。この研究及び他の研究の結果から、DNA不正複製の主 要プロモーターが酸化修飾ヌクレオチド塩基の形成であることが提案されている 。発明者が実施した実験はこの概念を拡大して、DNAのこのような修飾が実際 に in vivoで生じることを実証している。したがって、一般に酸化性分子、 特に酸素ラジカルへの暴露が酸化修飾ヌクレオチド塩基としてのDNA損傷を誘 導すること、及びこれらの損傷が発癌に関連することが確立されている。 発明者が実施した他の実験は、既知環境毒素への暴露も酸化修飾ヌクレオチド 塩基をin vivoに出現させることを実証している。これらの他の実験では 、発癌性化合物を含むことが分かっている環境から野生の魚(feral fish)を採 集した。DNA損傷に関する分析を実施し、得られたデータは、高レベルのある 種の酸化修飾ヌクレオチド塩基が癌組織中に存在することを示した。データは癌 組織が異常に高レベルの修飾プリン塩基:4,6−ジアミノ−5−ホルムアミド ピリミジン(Fapy−A)と2,6−ジアミノ−4−ヒドロキシ−5−ホルム アミドピリミジン(Fapy−G)、及び8−ヒドロキシグアニン(8−OH− Gua)と8−ヒドロキシアデニン(8−OH−Ade)を含有することを実証 した。この研究から、これらの修飾の開始因子がヒドロキシラジカル(*OH) であると確認された。 上記研究結果から、前記酸化修飾ヌクレオチド塩基の高濃度レベルを検定する ことによって、癌状態であるか又は前癌状態であるかを決定することができた。 この発見は、本明細書に援用される同時係属米国特許出願第07/806,48 7号の主題である。この発見の重要性は、異常に高濃度の酸化修飾ヌクレオチド 塩基の検定の実施によって、癌状態又は高い癌危険性の広範囲に支持される(br oad-based)インジケータが利用可能であることを初めて実証したことである。 さらに、遺伝毒性的(genotoxic)損傷を生じる、大抵の酸化修飾ヌクレオチド 塩基の原因である分子として*OHラジカルを見なすことによって、その存在を 減少又は除去するような処置を実施して、癌の危険性を軽減するか又はその持続 を恐らく停止することができる。 しかし、酸化修飾ヌクレオチド塩基の存在と癌とを関連づけるデータは幾つか の新たな疑問を呈した。例えば、腫瘍を有する集団からの野生の魚の一部は確認 された高濃度の酸化修飾ヌクレオチド塩基を有することが判明したが、これらの 魚は腫瘍発生を示さなかった。証拠はこれらの魚が正常な、腫瘍を有さない集団 に比べて癌発生の高い危険状態にあることを示したが、これらの魚が腫瘍形成を 示さないという事実が残った。換言すると、危険度は分からず、癌が発現しない 理由は不明であった。 ある種の生物体が癌増殖を促進するような環境影響に暴露されないとしても腫 瘍形成を示すことは周知である。この現象の可能な説明は、好気性真核細胞では 分子状酸素が還元されて、微量ではあるが検出可能な量で、毒性の酸素中間体を 生じると言うことである。これらの中間体は一般に、好ましくないと考えられる が、本来はそれだけでは特に毒性ではないスーパーオキシドアニオン(O2 -・) 及び過酸化水素(H22)と、生活細胞中の大抵の分子に対して極度に反応性か つ毒性であるヒドロキシルラジカル(・OH)及び一重項酸素(O2↑)である 。O2 -・とH22とは本質的に・OH及びO2↑ほど有害ではないが、付加的な 代謝プロセスがさらに有害な変形(variety)の形成を惹起する:O2 -・+H22 →・OH+OH-+O2この反応は一般に遅いペースで進行するが、大抵の生物 学的有機体中に存在する、例えばFe(II)のような金属イオンがこの反応を 触媒するので、この反応は生物学的に重要になる。酸素ラジカルについてのさら に詳細な考察に関しては、TrollとWiesnerのAnn.Rev.Ph arm.Tox .25:509〜28,1985を参照のこと。したがって、こ れらの酸素種のいずれの存在も好ましくないと考えられる。まだ、終わりから二 番目の(penultimate)質問が解答されずに残っている:何故、見かけ上同じで あり、同じ環境に存在する生物体の一部が腫瘍形成を示し、他が示さないのか? 腫瘍を有する集団における癌の発現の有無に関して2種類に分類する提案或い はこれに反する提案に対する部分的な解答は、好気性真核生物体の自然の生物学 的プロセスによって部分的に与えられると考えられる。これらの生物体はこれら の毒性な酸素中間体に対して種々な防護策を発達させている。これらの中間体を 触媒的に排除する酵素の細胞産生は、細胞に対するこれらの中間体の影響を顕著 に減ずる。これらの酵素の例は、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カ タラーゼ及びペルオキシダーゼである。これらの酵素の一部は例えばビタミンE 、グルタチオン及びアスコルベートのような補因子によって機能する。したがっ て、酸素還元中間体(oxygen reduction intermediate)、例えば酸素ラジカル が生物学的に産生される物質及び/又は獲得物質(acquiredsubstance)によっ て抑制さ れるというバランスが生ずる。それにも拘わらず、この機構を知ることは、次の 質問:「生物体は酸素ラジカルの濃度レベルを減じて、それの腫瘍形成し易さを 軽減するのか、又は生物体はDNAに対するこれらのラジカルの遺伝毒性的効果 を抑制するために、これらのラジカルを別の方法で処理するのか?」を解消する (bate)。 上記質問は本発明の発明者が直面した問題を表す。腫瘍形成又は非形成の原因 を確認する方法は、癌が発現するか否かを決定する前駆体状態(precursor cond ition)を確認することである。前駆体状態の確認は診断者に2種類の重要な情 報を与える。第一に、前駆体状態が発癌を助成するならば、癌の危険性を評価す ることができる。第二に、前駆体条件の改善、すなわち、これに付随する好まし くない反応の抑制が、癌の発現を防止又は逆転することができる。前駆体状態の 改善は、例えばヒドロキシルラジカル・OHのような、腫瘍プロモーターの存在 を必ずしも減少させるものではなく、むしろ、遺伝毒性的なDNA損傷の形成を 阻止するものである。 発明の概要 本発明は遺伝毒性的DNA修飾の原因である、さらに詳しくは、酸素ラジカル によって誘導される癌形成の原因である前駆体状態を確認し、遺伝毒性的損傷を 検出し、危険性を評価し、治療する方法を提供する。広範囲な意味で、本発明は 対象から標本を採取し、この標本を分析して、細胞酸化還元電位を測定し、細胞 酸化還元電位が酸化状態に有利である場合には遺伝毒性的損傷の高い危険性若し くはその存在を確認する、又は細胞酸化還元電位が還元状態に有利である場合に は遺伝毒性的損傷の低い危険性若しくはその存在を確認することを含む。さらに 特定な方法は、癌検出及び危険性評価に関し、試験対象からDNAを含む標本を 採取し;標本からDNAを単離し;還元経路によって誘導される少なくとも1つ の修飾ヌクレオチド塩基と酸化経路によって誘導される少なくとも1つの修飾ヌ クレオチド塩基とを検定し;還元状態に関する還元経路によって誘導される前記 少なくとも1つの修飾ヌクレオチド塩基レベルと酸化状態に関する酸化経路によ って誘導される前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチド塩基レベルとを比較し; 酸化状態が還元状態よりも促進される場合に、癌危険性又は前癌状態の危険性が 大 きいことを確認することを含む。上記方法の変形は、中間メソメリック(mesome ric)段階では酸化還元両面性(ambivalence)を示すような代用(surrogate) 分子を試験対象中に導入し、2状態を表す各安定化最終生成物に関して検定し、 酸化状態又は還元状態を促進する対象の傾向を比較する方法を提供する。 遺伝毒性的損傷及び細胞毒性的損傷におけて細胞酸化還元電位が果たす役割を 理解することによって、この電位を例えば発癌性に影響を及ぼすように調整する 方法を開示する。1つの方法は、細胞の既知特性(known attribute)に相補的 である標的分子に、酸化還元電位を還元的に誘導される修飾塩基に有利であるよ うにさせるエフェクター分子を共有結合させることによって、既知特性を有する 細胞を特異的に調節することに関する。したがって、この治療剤の投与はその酸 化還元電位を調節されるべき、既知特性を有する細胞のみを目標とする。他の方 法では、エフェクター分子を含むキャリヤー体が形成される。キャリヤー体の膜 はそれと一体となった(integral thein)標的分子を含むことができ、この標的 分子がキャリヤー体を例えば受容体部位のような既知特性と関連づけさせる。さ らに、例えば、細胞酸化還元電位を変化させる特定の遺伝子の発現を導出させる 活性化因子の使用又は補充酵素のin vivoトランスフェクションの利用の ような、他の方法も開示する。 本発明者によってなされた重要な発見は、細胞の酸化還元電位が、酸素ラジカ ル(例えば、・OHラジカル)が細胞DNAに及ぼす効果の種類を決定すると言 うことである。細胞の酸化還元電位が還元経路よりも酸化経路に有利である場合 には、・OHラジカルは、低損傷性形成とは対照的に、遺伝毒性的DNA損傷を 形成しがちであり、それによって、癌の危険性を高めるか又はその存在を実証す る。したがって、還元的に誘導されるDNA損傷を有する1種以上の化学種(sp ecies)の濃度レベルを酸化的に誘導されるDNA損傷を有する1種以上の化学 種の濃度レベルと比較することによって、対象の遺伝毒性的又は発癌性プロフィ ルに関する意義のある判定を行うことができる。酸化誘導DNA損傷レベルの漸 次上昇と還元誘導DNA損傷レベルの漸次低下とが観察される場合に、遺伝毒性 的損傷又は癌の見込みの漸次上昇が存在する。この結果、酸素ラジカル又は他の 修飾因子(modifying agent)によって修飾されたヌクレオチド塩基は酸化的ス トレ ス又は遺伝毒性的環境を示唆するが、対象の遺伝毒性的プロフィルを決定するの は、好ましくは種々な修飾ヌクレオチド塩基の分析によって観察されるように、 対象の酸化還元電位である。それ故、細胞の酸化還元電位の測定はDNAの遺伝 毒性的、酸化的損傷の受け易さに関する直接の情報を与える。 実験室実験から得られたデータを解釈することによって、発明者は、DNA塩 基損傷を有するある一定の化学種の間のある一定の統計的に有意な比が組織のソ ース(source)−−癌標本からか又は非癌標本からかを判定するための有効な予 測手段であると結論した。特に、少なくとも1種の開環DNA塩基損傷対ヒドロ キシルアダクツDNA塩基損傷の濃度比は標本の状態の正確な診断プレディクタ ー(predictor)であることが判明した。全ての開環損傷対全てのヒドロキシル アダクツを対数に換算した濃度比で比較した場合に、標本の状態を判定するため の特に強い相互関係が存在し、log10比がマイナスであるときに癌又はその高 い危険性が一般に生じた。続けられた研究が後に、この統計的相互関係を説明す る機構(細胞酸化還元化学)を確立した。 この発見の結果として、DNAの、酸化経路による遺伝毒性的、酸化的損傷の 受け易さを変えるための細胞酸化還元電位の調節は、対象が遺伝毒性的損傷又は 発癌の受け易さを低下させる又は癌増殖を停止させる若しくは逆転させることを 望む場合に、特に重要である。DNAは酸化還元電位のバイオマーカー(biomar ker)であると同時に発癌のファクターであるので、酸化還元電位の変化生成は 、還元経路によって形成されるDNA損傷対酸化経路によって形成されるDNA 損傷の比を評価することによって監視することができ、同様に、癌プロフィルに 関する予後情報を与えることができる。このようにして、酸化経路によって形成 されるDNA損傷の形成を減ずる目的のために、細胞酸化還元電位を変える治療 プログラムを開始することができる。さらに、これらのDNA損傷の存在を監視 することによって、癌の危険性を評価することもできる。 この診断及び予後方法を用いて、対象の発癌状態の軽減に関する治療効力を追 跡する方法を実施することもできる。このような方法では、対象を、細胞酸化還 元電位を酸化経路よりも還元経路に好都合であるように調節する、又は同じこと を実施する自然生成プロセスを惹起する/強化する1種以上の化学物質に暴露さ せる。開環分子対ヒドロキシルアダクツの比を監視することによって、このよう な処置の進行を検定することができる。この検定はこのような処置の効果の直接 のインジケータを有効に与える。 図面の簡単な説明 図1は、癌標本及び非癌標本のFapy−A(“O”として表示)と8−OH −Gua(“X”として表示)との間の比の分散プロットであり; 図2は、癌標本及び非癌標本から得られたデータの間のFapy対8−ヒドロ キシル塩基のlog10濃度を比較するヒストグラムであり; 図3は、ヒドロキシルラジカルの生成と、DNAに対するヒドロキシルラジカ ルによる作用と、その結果の、開環、酸化及び還元経路によって誘導される安定 化最終生成物とに対して提案されるin vivoプロセスであり; 図4は、癌発現に関する危険性ファクターを決定するモデルの強力な関連づけ 及び予測する能力を説明する獲得データのプロットであり; 図5は、胸部上皮細胞の細胞酸化還元電位の調節に用いるための、エストラジ オールと結合したアスコルビン酸部分の構造図であり; 図6は、胸部上皮細胞の細胞酸化還元電位の調節に用いるための、エストラジ オールと結合したアデニン部分の構造図であり; 図7は、胸部上皮細胞の細胞酸化還元電位の調節に用いるための、エストラジ オールと結合した共役二重結合部分の構造図であり; 図8は、胸部上皮細胞の細胞酸化還元電位の調節に用いるための、エストラジ オールと結合したサリチル酸部分の構造図であり; 図9は、胸部上皮細胞の細胞酸化還元電位の調節するための、エストラジオー ル(R)と、又はリダクタント(reductant)、スカベンジャー、スピントラッ プ(spin trap)、金属イオンキレーター(chelator)等として作用する官能基 を有する低分子量成分に結合した、リシンのε−アミノ基又はアミノ酸残基の構 造図であり; 図10は、グルタチオンS−トランスフェラーゼの発現を誘導するための種々 な有機硫黄化合物を示す。 発明の詳細な説明 下記例は、対象の癌プロフィルを評価するための診断及び予後ツールとして用 いるための、還元修飾されて開環損傷を形成したDNAと、酸化修飾されてヒド ロキシルアダクツ損傷を形成するDNAとの重要な関係を示す。この例は女性対 象のヒト胸部から得られた組織標本に関する。しかし、分析はDNAを含むので 、例えば尿、糞便、血清、流体、細胞培養物等であるような、如何なる標本も分 析に適する。分析する標本の選択は一般的設計上の選択と見なされ、実施すべき スクリーニングの種類を考慮してなされる。したがって、頚部癌(cervical can cer)に関する分析のためには組織標本が最も適切であり、白血病スクリーニン グのためには血清標本が最も適切である。 既述したように、例えば4,6−ジアミノ−5−ホルムアミドピリミジン(F apy−A)及び2,6−ジアミノ−4−ヒドロキシ−5−ホルムアミドピリミ ジン(Fapy−G)のような開環生成物と、例えば8−ヒドロキシグアニン( 8−OH−Gua)及び8−ヒドロキシアデニン(8−OH−Ade)のような 8−ヒドロキシ誘導体との両方である、ヒドロキシルラジカル誘導DNA塩基損 傷は、細胞酸化ストレスの産物である。高濃度の数種のこれらの損傷は女性胸部 の侵食腺管(IDC)を含む自然発生癌において最初に発見された。胸部癌では 、塩基損傷濃度が大きく、しばしば、正常塩基1000個中に1個を越える塩基 変化(base conversion)が存在する。IDC胸部組織中に以前に確認された塩 基損傷は8−OH−Gua、8−OH−Ade、5−ヒドロキシメチルウラシル (HMUra)、Fapy−Gと、非常に少ない程度のFapy−Aとを含有し た。他の研究は、例えば5−ヒドロキシシトシン及び5−ヒドロキシダントイン のような、追加の種類の・OH誘導DNA損傷を明らかにしており、これらは種 々なヒト癌組織中に今までに確認されている。集約的に、これらの発見は発明者 によって導出されたin vivo系に関する、DNA塩基における・OH誘導 修飾(例えば、塩基構造への一重項酸素の付加)が突然変異誘発及び発癌の原因 であると示唆した結論を支持した。このようにして、DNA塩基の・OH誘導修 飾が非常に多くの組織における発癌に関与すると考えられた。 本発明の研究は遺伝毒性的損傷におけるラジカル誘導DNA修飾の役割を研究 し続けている。しかし、これらの修飾と、正常で健康な試験標本から始まって目 視的に罹患した試験標本までの種々な段階との直接の相互関係を見いだすことが 望まれた。それ故、第1段階は健康で、目視的に正常な胸部組織と、罹患してい るが目視的に正常な胸部組織と、目視的に罹患した胸部組織との代表的な標本を 得ることであった。次に、これらの標本を分析して、種々な酸化修飾ヌクレオチ ド塩基の存在とレベルを判定する。得られたデータから、前駆体状態を確認する ことができるように、データと標本との間の意義ある関係を得ることが望まれた 。この研究の結果は以下に詳述する。 データ獲得 患者15人から整復乳房形成組織(reduction mammoplasty tissue)(RMT )を採取した。患者10人の組織はその後に2cm間隔で1cmの矢状(sagitt al)切片に切断した。残りの5人のRMT患者からの組織は2切片に分割した。 各患者から2〜13切片を得て、全体で70サンプルとした。さらに、侵食腺管 癌組織(IDC)と近くの顕微鏡的に正常な組織(MNT)とを15人の手術患 者の癌胸部から得た。このグループは22サンプルを含み、この中の7サンプル は適合対(IDC−MNT)であり、残りはIDC組織又はMNTからの単一バ イオプシー(single biopsy)標本であった。非癌患者からのRMTも、非腫瘍 (non-neoplastic)変化(例えば、線維のう胞性)の偶発的発生を例外として、 顕微鏡的に正常であった。MNT又はRMTのいずれも炎症反応の兆候を示さな かった。IDC標本とMNT標本の各々は、DNA塩基損傷データについての知 識なしに調製され、検査された鏡像“対照”組織切片を有した。 摘出後に、各組織を液体窒素中で直ちに凍結し、−70℃に維持した。凍結組 織(−350mg)をメスによって細かに切り刻み、リン酸塩緩衝液3.0ml 中に入れ、氷上で1分間ホモジナイズした。次に、2XLysis緩衝液(Ap plied Biosystems,Inc.,カリフォルニア州,フォスター シティ)2.0mlと、RNase(Boehringer−Mannheim ,Corp.インディアナリ州,インディアナポリス)300μlとを加え、サ ンプルを60℃において1時間インキュベートした。プロテイナーゼK(App lied Biosystems,Inc.)を加え、インキュベーションを6 0℃において一晩進行させた。次に、米国特許出願第07/806,487号に 既述 されているように、DNAを抽出した。ヌクレオチド塩基の有意な酸化を生じな いと判明している60%ギ酸を用いて、DNAを加水分解した。 予め測定したプリン塩基とHMUraとのトリメチルシリル(TMS)誘導体 を、Hewlett−Packard Model 5970Bマス セレクテ ィブ デテクター(mass selective detector)にインターフェースされたHe wlett−Packard Model 5890マイクロプロセッサー制御 ガスクロマトグラフを用いる特定イオンモニター(Selected Ion Monitoring) 付きガスクロマトグラフイー−質量分光測定(Gas Chromatography-Mass Spectr ometry)(GC−MS/SIM)によって分析した。インジェクターの開口部と 接続部との両方を260℃に維持した。カラムは架橋5%フェニルメチルシリコ ーンガム相(塗膜厚さ,0.33μm)で被覆されたフューズドシリカ(fused silica)毛管(12.0m;0.2mm内径)であった。カラム温度は、最初に 120℃に2分間維持した後に、10℃/分で、120℃から235℃に上昇さ せた。キャリヤーガスとしてはヘリウムを1ml/分のカラムを通る流量で用い た。カラムに注入したTMS加水分解物の量は0.5μgであった。 DNA損傷の計量(quantitation)は主要イオンに基づいて実施し、構造の確 認はクォリファイヤー(qualifier)イオンを用いて実施した。例えば、Fap y−AのTMS誘導体の主要イオンはm/z=354であり、主要クォリファイ ヤーイオンはm/z=369であった。全ての分析は、利用可能な組織量と脂質 含量とに依存して、2通り又は3通りに実施した。平均150μgのDNAを生 じる、約350mgの胸部組織が単一サンプルの3通りでの塩基損傷分析のため に充分であった。 Fapy−Aとピリミジン塩基,HMUraとはSigma Chemica l Co.から購入し、8−OH−GuaはChemical Dynamic s Corp.から入手した。8−OH−AdeとFapy−Gとは標準実験室 プロトコールと方法とを用いて合成し、精製した。 GC−MS/SIM分析は癌胸部組織とRMTとの間のDNA塩基損傷の濃度 レベルの明白な差異を示した。しかし、データは統一的ではなかった。推測され たように、IDC組織とMNT標本との塩基損傷濃度レベルは顕著にRMTの濃 度レベルとは異なった。しかし、非常に興味深いことには、両者の間の損傷プロ フィルには差異が存在した。例えば、IDCとMNTは一方では比較的高濃度の OHアダクツを特徴とした。観察された塩基損傷は8−OH−Ade、8−OH −Gua及びHMUraであった。他方では、開環(Fapy)誘導体は癌胸部 に由来する標本中に低濃度で存在した。しかし、RMTでは、OH−アダクツ濃 度とFapy誘導体濃度との間の関係は顕著に異なり、ある場合には、濃度レベ ルが殆ど逆転した。したがって、塩基損傷プロフィル(開環誘導体対OHアダク ツ)は癌標本と非癌標本とを最も良く識別する特徴を与えた。 説明のためには、図1に注目する。図1は2種類の代表的なラジカル作用生成 物の間の比の分散プロットを示す。組織識別番号はDNA分析から得られたその 濃度に対比する。パネルAはRMTに関し、パネルBはIDC組織とMNTに関 する。“O”は開環生成物Fapy−Aを表し、“X”はヒドロキシルアダクツ 、8−OH−Guaを表す。 示されるように、Fapy−A濃度はRMT切片では8−OH−Guaに比べ て約4倍〜10倍の率で大きい(パネルA)。実際に、RMTでは、顕著に高濃 度のFapy−Aが検出された(平均値=2.9±4.1nMol/mgDNA 、320正常塩基中に1塩基損傷)。驚くべきことには、例えば、1患者はFa py−A 21.0nMol/mgDNA、又は46正常塩基中に1塩基損傷を 含むRMT標本を有した(図1)。この患者は1.1nMol/mgDNAの比 較的高い8−OH−Gua濃度(540正常塩基中に1塩基損傷)をも有し、こ のことは、幾つかの組織においてRMT中の高濃度のFapy誘導体がOH−ア ダクツの有意な濃度の形成を阻止しないという主張を支持する。しかし、高濃度 レベルのFapy誘導体がヒドロキシルアダクツの遺伝毒性的効果を緩和した可 能性がある。この問題は以下でさらに詳述する。対照的に、IDCとMNT切片 は、RMTに比べて8−OH−Guaの上昇と、Fapy−A残基の明白な欠失 とを全体的に特徴とする(図1,パネルB)。 これらの観察から、試験標本中に存在する状態又は組織を囲む状態がこれらの 差を発現させる機構を促進させることが仮定された。これらの差異を惹起するよ うな前駆体状態を発見することによって、癌の存在を、さらに重要には癌の見込 みを検出する貴重な方法が確立されることができたと考えられた。 統計的モデル 状態を明確にするためには、統計的に健全なモデルを用いて、得られたデータ を有用な形に変えなければならない。したがって、実験の変数を確認して、統計 分析を実施した。癌状態を検出し、予測する方法を確立するために必要な関係を 与える信頼できる方法を見いだすために、少なくとも22種類の異なるモデルを 用意して、試験した。 この目的を果たすために、適当なモデルがあれば、組織切片の起源、すなわち 癌であるか、非癌であるかを予測し、この分類の感度と特異性を判定することが できると考えられる。感度と特異性とを通常の方法で定義した。感度はモデルを 用いて正確に分類された(真陽性)癌組織サンプルの割合であり、特異性は正確 に分類された(真陰性)非癌組織サンプルの割合である。統計的有意差と関係と を示すためにはp<0.05値を用いた。 予備的問題として、データを比較するための適当なスケールを選択することが 必要であった。グラフによる分析は、得られたデータ値の対数が、普通のスケー ル上の数値よりも、組織の癌起源対非癌起源に密接に比例し、分布するという結 果を生じることを示した。したがって、log10濃度とlog10濃度比とを全て のモデル分析に用いた。 log10濃度と比の癌組織及び非癌組織の平均値と、統計的有意差とを個々の 患者からの多重切片による信頼性を加味した、LairdとWareが開発した 方法を用いて算出した。この方法は、他の点では、通常の多重線形回帰に類似す る。 組織切片の起源(癌対非癌)を予測するためのモデルを形成するために、発明 者は二変数に関して開発され、Stiratelli等によって提案された上記 方法の拡張を用いた。本発明の研究に関するかぎり、この方法は、特定の組織が 癌患者に由来するか非癌患者に由来するかの確率を決定するためのモデルであっ た。この確率は酸化修飾ヌクレオチド塩基の濃度又は濃度比のlog10値の関数 として表現された。これを予測モデルとして用いるために、カットーオフ確率( Pc)が必要であり(例えば、Pc=0.5)、この値より大きい推定確率を有 する組織サンプルを癌由来サンプル(cancer-derived)と標識した。この分類の 感度と特異性とをPc=0.1からPc=0.9まで、0.1増分でトライアル カットオフ値に基づいて算出し、感度と特異性との最高複合値(合計として表現 )を与えるPc値を選択した。 下記表1に最も良く示されるように、これらのデータの統計分析は、癌組織と 非癌組織に関する種々なインジケータ(log10濃度又はlog10濃度比)の平 均値と統計的有意差とをLairdとWare回帰モデルを用いて得た。予測ロ ジスティック(logistic)回帰モデルを用いて、感度と特異性とを算出した。大 部分の有意レベルは非常に小さく、このことは広範囲の多くのプレディクター( predictor)に関して、癌組織と非癌組織とに顕著な差があることを実証した。 年齢は分析に含めず、癌データセットにも非癌データセットにも含めなかったの で、年齢は強い関連の原因から除外することができる。 これらのデータのグラフによる説明を図2にヒストグラムとして示す。ここで は、種々なlog10(濃度比)(Fapy対8−ヒドロキシル塩基損傷)を有す る組織切片の総数をプロットする。これらの結果は、グラフによって、癌組織と 非癌組織との間に塩基損傷プロフィルに基本的な差異が存在することを実証する 。このグラフから、log10≦0あたりで癌状態発現が現れはじめ、徐々に頻度 を高めることを見ることができる。 実施した比較の数(22プレディクターを評価した)のために、1又は2のみ が偶然に統計的に有意であるように見える。しかし、表1の全てのP値に22を 乗ずれば(これは伝統的Bonferroni調整である)、以下でさらに考察 する、log10比のP値を含めた、P値の殆ど全てがまだ統計的に有意になる。 このデータセットの大きさは幾つかの良好なモデルからの決定的な選択を許さ なかった。予測式は、loge[P/(1−P)]=0.76−6.34Xlo g10(比)であり、式中、Pは組織サンプルが癌患者に由来する確率であり、“ 比”は2種類のFapy誘導体の合計対2種類のOHアダクツ+HMUraの合 計の比を意味した。上記モデルにおける定数項とlog10比の乗数との標準誤差 はそれぞれ、0.58と1.53であった。このモデルとカットオフPc=0. 5とを用いて、推定確率P>0.5を有する組織サンプルは癌由来(cancer der ived)として分類し、P≦0.5を有する組織サンプルは非癌由来(non-cancer derived)として分類した。非癌サンプルから癌サンプルを最も良く分割した対 応濃度比は1.32であった。表1に見ることができるように、感度(91%) と特異性(97%)とは両方とも非常に高い。 各患者の組織切片の分類の精度(accuracy)は、以下の表2に示す。(Fap y−A+Fapy−G)/(8−OH−Ade+8−OH−Gua+HMUra ) −A+Fapy−G)/(8−OH−Ade+8−OH−Gua+HMUra) に基づく分類に加えて、比(Fapy−A/8−OH−Gua)を用いた、感度 と特異性とが高いモデルに基づいた分類も示す。後者のモデルでは、予測式は、 loge[P/(1−P)]=3.71−5.51Xlog10(比)であった。 インターセプト(intercept)とlog10の乗数との標準誤差はそれぞれ、1. 20と1.38であった。癌由来組織の分類に用いた予測確率のカットポイント (cut point)はPc>0.4であり、これは5.6以下の濃度比に対応する。 IDCとMNTとの間のlog10濃度とlog10比の比較は統計的な差を示さ なかった。サンプルサイズが小さい(22切片)ために、腫瘍部位と顕微鏡的に 正常な部位との間の修飾塩基濃度又は比の大きな差を除外することができなかっ た。 遺伝毒性的損傷及び癌プロフィルを評価するための前駆体状態 上記統計モデルは発明者に重要な情報−−標本の塩基損傷プロフィルとそれの 癌状態又はその危険性との間に関係が存在する−−を与えた。その結果、これら の特徴的な酸化修飾塩基サイン(signature)の生成の原因である状態が、DN Aへのラジカル作用が癌組織を生じるか又は非癌組織を生じるかを決定する実際 の前駆体状態であると考えられた。この状態を確認し、DNA塩基に対する酸化 修飾のどちらの種類がこの状態によって影響されるかを知ることによって、この 状態の分析が診断者に対象の癌状態又は癌危険性に関する情報を与える。 入念な研究によって、細胞酸化還元電位が損傷化学種の間に観察された差異を 説明する状態であることが判明した。プリン分子に対するヒドロキシルラジカル の作用に関するin vitro研究が、プリンヒドロキシルアダクツが酸化還 元両面性であることを明らかにした。このことは、プリン分子に対するヒドロキ シルラジカルの作用後に、中間体又はメソメリックのプリンラジカルが形成され ることを意味した。このラジカルは、次に、分子の2種類の化学種のいずれかに 安定化することができる(還元安定化された場合は、開環Fapy分子;酸化安 定化された場合には、ヒドロキシルアダクツ分子)。in vitroプリン実 験の安定化生成物は、既述した実験の観察された塩基損傷に類似していた。in vitro酸化還元化学及び酸化還元両面性に関する包括的な考察については 、Steenken S.の「Purine塩基、ヌクレオシド及びヌクレオチ ド:水溶液の酸化還元化学と、それらのラジカル カチオンとe-とのトランス フォーメーション反応、及びOHアダクツ」,Chem.Rev.1989;8 9;503〜20を参照のこと。このように、胸部組織の細胞酸化還元電位が、 酸化的又は還元的のいずれであるかが、安定化DNA分子のいずれの化学種が形 成されるか、及びDNAの遺伝毒性的或いは細胞毒性的突然変異が生ずるかどう かを決定すると考えられる。 図3は、プリン塩基のアデニンが正常な生物学的プロセス中に産生されるヒド ロキシルラジカルによる作用に暴露されて、メソメリックなプリンヒドロキシル ラジカル−−アデニンの8−オキシアダクツ(A8OH・)を生じる、提案され たin vivoプロセスを説明する。細胞の酸化還元電位状態に依存して、酸 化経路又は還元経路が選択される。開環経路(a)は、電子欠損及びプロトン化 を伴う、開環分子の単分子形成を説明する。酸化経路(b)は、1電子酸化と脱 プロトンとによるヒドロキシルアダクツ分子の形成を説明する。還元経路(c) は1電子還元及びプロトン化と、その後の加水分解とによる開環Fapy分子の 形成を説明する。還元性同等物(reducing equivalents)が存在しなかったなら ば、中間体水和物は観察されなかったと考えられる。この機構の支持は、in vitroで、例えばO2又はFe(CN)6 3-のようなオキシダント(oxidant )が低濃度で存在すると、開環Fapy分子の存在が有意に減少すると言う事実 に見いだすことができる。 A8OH・ラジカルの酸化還元両面性は、ヒドロキシルアダクツと開環生成物 との形成中に行われる反応によって説明することができる。開環プロセスは単分 子プロセスであるので、A8OH・ラジカルの2分子の酸化及び還元に対して効 果的に競合することができる。等濃度のオキシダントとリダクタントが存在する 環境では、反応生成物(すなわち、8−OH−AdeとFapy−A)が等濃度 で発生する。in vitro実験は、グアニンもプリン分子の誘導体であり、 酸化還元両面性を示すので、グアニンが同様に挙動することも実証する。 したがって、種々な修飾ヌクレオチド塩基種の誘導に関するかぎり、細胞の酸 化還元状態は統計的に誘導したモデルに最良に適合した。Fapy誘導体の合計 対OHアダクツの合計のlog10比が組織起源の最良のプレディクターであるこ とが実証されたことは意外ではない。しかし、表1が明確に示すように、高い感 度と特異性とを、非常に小さい有意性レベルと共に有する他のモデルも存在する 。但し、最高の感度と特異性を有するようなモデルは全て、一方の経路(還元) と他方の経路(酸化)との比較を含むことを注目すべきである。 癌組織と正常組織との間の塩基損傷プロフィル(修飾塩基濃度レベル)(これ らは周知の生物学的機構と矛盾しなかった)の統計的有意差に基づいて、組織が 癌起源であることの予測確率対log10濃度比のグラフも作成した。図4は収集 したデータをプロットして、組織の状態を識別するこのモデルの強い能力を実証 する。このモデルと、状態に関する情報と、一方の安定化経路を他方の経路に対 して選択する関連機構とを利用することによって、採取した試験標本の分析に基 づいて対象の癌プロフィルに関する正確な判定をなすことができる。 ヒドロキシルアダクツとFapy誘導体とがDNA複製に果たす役割を知るこ とも重要である。上述したように、ヒドロキシルアダクツは遺伝毒性である、す なわち、これらはDNA不正複製を有意に促進させ、他方、Fapy誘導体は細 胞毒性であると推定される、すなわち、これらの誘導体は不正複製を促進させる よりも、DNA合成を停止させる。この結果、高レベルのFapy誘導体はDN A合成を、有利又は不利のいずれであっても、停止させる。その意味は、Fap y誘導体は一般に、DNAへの酸素ラジカル作用後にFapy誘導体と共に存在 する可能性があるヒドロキシルアダクツの遺伝毒性効果を弱めると言うことであ る。したがって、Fapy誘導体濃度の低下は、ヒドロキシルアダクツ濃度の上 昇と共に、これらの塩基損傷プロフィルを示す細胞の、発現した又は潜在的のい ずれにしろ、癌に罹患しやすさをさらに強化する。 細胞酸化還元電位の測定 細胞の酸化還元電位を測定するために現在、多くの種々な方法が存在する。例 を挙げると、フローサイトメトリー方法、蛍光分析、りん光測定、酵素測定、電 子スピン共鳴分光測定等である。しかし、一般に遺伝毒性に関係し、特に発癌に 関係することが現在知られている細胞酸化還元電位の測定に関して、DNA状態 を直接分析することによるこの電位の測定が、最も包括的な評価手段を与えると 考えられる。この理由は、DNAは酸化還元両面性分子を含む点で酸化還元状態 の良好なバイオマーカーであるのみならず、細胞の複製又は不正複製の要因でも あるからである。したがって、標本の細胞の酸化還元電位をDNA分析によって 測定し、遺伝毒性的損傷又は発癌に及ぼすその影響を直接観察することができる 。 上記考察は、DNA分析によって細胞の酸化還元電位を測定することの望まし さを示す。しかし、種々なバイオマーカー又は代用物(surrogate)を用いて、 この測定を実施することも望ましい。このようなマーカー又は代用物は機能的に DNAと同じであるので、酸素ラジカルの作用後にDNAの酸化還元両面性を非 常に正確に模倣し、上述のような有利なその特性を維持することができる。代用 物を用いることの利点は、必要な場合には、対象の酸化還元電位の範囲を拡大す るように、代用物が試験対象中を移動することができることである。他の利点は 、単離と確認とをより容易にするために代用物に“タグを付ける”ことができる ことである。したがって、タグ付き分子のみを分析して、試験対象又は標本の酸 化還元電位を測定することができる。このように、化合物を分析するためのあま り複雑でなく、費用もかからない手段を利用することができる。 このような代用物の1例は、グアニン又はウリジンの3−デオキシリボース誘 導体(正常な2−デオキシリボースとは対照的)であると考えられる。3−デオ キシリボースと関連類似体はSigma Chemical,ミズリー州,セン トルイスから入手可能である。理想的には、分析プロセス中に単離を簡単化する ために、代用物が13Cを含む塩基構造を有する。この化合物は本質的に、自然に 生成する2−デオキシリボース誘導体の異性体であるので、DNA合成に関与せ ず、そのため、標本から比較的容易に単離されることができる。代用物は生物学 的に産生される誘導体と殆ど同じであるので、生物学的不適合性(incompatibil ity)又は毒性が最小になる。代用物は、静脈内注射によって又は以下で詳述す るようにリポソームによって導入することができる。その後に、代用化合物を試 験対象の体液から採取することができる。代用物の単離はGC/MS装置又は、 この代用物に適した他の装置を用いて行うことができる。酸化経路によって誘導される修飾ヌクレオチド塩基の生成を抑制するための細胞 酸化還元電位の介入 上記考察から、細胞酸化還元電位の調節が、DNAへの酸化作用後に形成され たDNA塩基損傷の化学種に影響を与えることを知ることができる。さらに詳し くは、酸化経路によって誘導される修飾ヌクレオチド塩基の生成を直接的又は間 接的に抑制又は抑圧する1種以上の化学物質を投与することによって、一般に遺 伝毒性的損傷、特に発癌の見込みを弱めることことができる。このような化学物 質(エフェクター分子)は例えば還元グルタチオン(GSH)、還元ニコチンア ミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、還元フラビンアデニンジヌクレオチ ド(FADH2)若しくは還元ニコチンアミドアデニンジホスフェート(NAD PH)のようなリダクタント;例えばアルケン結合、ヌクレオチド塩基若しくは サリチル酸のようなスカベンジャー;例えばN−Oスピントラップのようなラジ カルトラップ;又は、例えばトランスフェリン、フェリチン若しくはイミノ二酢 酸のようなイオンキレート化剤を含む。酸化還元両面性分子を間接的に還元安定 化する化学物質は、DNA修復、H22分解又はフリーラジカル解毒性(detoto xifying)酵素(例えばSOD、カタラーゼ、P−450リダクターゼ、グルタ チオンペルオキシダーゼ及びDT−ジアホラーゼ)のin situモジュレー ターをコードする遺伝子を発現させる活性化因子がある。 上記エフェクター分子の共通要素は、それぞれが酸化還元両面性分子(例えば 、メソメリック プリンラジカル)を還元経路によって安定化させるように直接 的又は間接的に作用することである。酸化還元電位のこの調節は、例えばヒドロ キシルラジカルの脱離又は還元を非特異的に目指すわけではない。その代わりに 、主要な目的は、DNA塩基の修飾が還元経路に従って行われて、例えばFap y分子を形成するような、細胞の状態を形成することである。有利には、これら の化合物はラジカル形成因子の濃度レベルも減ずることができる。 DNA塩基損傷を検討する場合に、健康な標本では還元経路が酸化経路と本質 的に等しいか又は酸化経路よりも促進されること、及び細胞の酸化還元電位を変 えるために非常に多くの手段が利用可能であることを知ると、酸化経路によって 誘導される塩基損傷の濃度レベルを減ずるために無数の、多様な方法が存在する ことを認識することができる。この結果、所望の変化の実施に関して、可能な手 段を全て記載することは非現実的である。以下では、当業者が特定細胞の細胞酸 化還元電位の調節を実施することでき、それによって特に発癌し易いと疑われる 又は既に発癌を有する特定部位の細胞酸化還元電位の調節を可能にする方法の実 施例を挙げる。これらの実施例濃度ために、胸部上皮細胞を選択したが、可能な 発癌トランスフォーメーションの可能性をもつ如何なる細胞も標的として選択さ れうることを理解すべきである。 実施例1: 標的分子と共有結合したエフェクター分子の使用 最初に、標的分子を確認しなければならない。標的分子は特定の1つ以上の細 胞によって発現され、保持される受容体を有する分子と見なされ、この場合にこ れらの細胞はその酸化還元電位を以下に述べる方法によって調節する必要がある ものである。胸部の細胞の酸化還元電位を調節すべきである場合には、胸部上皮 細胞を選択することができる。これらの細胞は、高度に発現されたエストロゲン 受容体を有する。従って、エストロゲン受容体(標的分子)は、胸部上皮細胞上 に高度に発現されるので、エストロゲンと結合したエフェクター分子は、目的の 細胞タイプと相互作用する。 適当な治療剤は、例えば、エフェクター分子(例えば、アスコルビン酸部分) を、標的分子エストロゲンと共有結合手段によって結合させることができる。こ のような治療剤は、通常の手段、例えば、Williamson合成(ハライド イオンに対するアルコキシドイオンの求核置換によって、エストロゲンの17− ヒドロキシル基とアスコルビン酸のヒドロキシル基との間に安定なエーテル結合 を生成する)を用いることによって、調製することができる。生じた治療剤を図 5に示す。この種の標的デリバリー(targeting delivery)機構の他の例を図6 に示す。ここで、エストロンの17−ケト基は、異なるエフェクター分子、DN Aヌクレオシドアデニンの第1アミノ基に結合することができる。この種のデリ バリー機構の他の例を図7,8及び9に示す。 実施例2:キャリヤー体内でのエフェクター分子の使用 他の種類のデリバリー機構は前述したエフェクター分子を含む分解性膜を有す るキャリヤー体を用いる。標的化が望ましい場合には、適当な標的基(例えば、 エストロゲン)をキャリヤー体の外側膜に結合させることができる;あるいは、 この外側膜を一般に非特異性にして、対象の全体中に浸透させることができる。 後者の方法を選択する場合には、エフェクター濃度レベルを一時的に変えるため に、可変分解性膜を有するキャリヤー体を用いることができる。このやり方で、 対象は濃度“ショック(spike)”に暴露されないことになる。例えば、可変密 度膜又は、ある種の酵素によってのみ分解性の膜を用いることができる。 好ましい形式では、リポソームがキャリヤー体を構成する。リポソームと共に 標的基を含むことが望ましい場合には、このようなキャリヤー体はリポソーム形 成中にホスファチジン酸混合物中にエストロゲンを導入することによって完成す る。この場合に、エストロゲンはホスファチジン酸のホスフェートに、その17 −ヒドロキシル基を介して結合する。リポソームの内側には適当なエフェクター 分子が存在する。リポソーム形成中にリン脂質−生理的食塩水溶液の混合物に溶 解性エフェクター含有溶液を導入することによって、脂質膜に囲まれた水性物質 が所望のエフェクターを含む。以下で確認される導入手段の他に、リポソームを 注入によって標的部位に直接供給することもできる。脂質膜のこの後の分解/代 謝分解がエフェクター分子を放出する。 実施例1と2に述べた上記治療剤をヒト対象中に、経口又は静脈内方法によっ て導入して、胸部上皮細胞の酸化還元状態を調節することができる。これらの治 療剤の必要な投与量は、例えばイソトレチノイン(isotretinoin)のような薬物 に関して確立されているプロトコールに従って決定することができ、このプロト コールはLippman,T.等,「口腔癌形成を予防するための低用量イソト レチノインとβ−カロテンとの比較」,N.Engl.J.Med.1993, 328:15〜20に記載されている。この論文では、ロイコプラキー(口腔上 皮の前悪性病巣)を有するヒト試験対象に1.5mg/kg体重/日のイソトレ チノインの初期用量を3か月間投与した。第2期では、用量レベルを体0.5m g/kg体重/日に減じて、9か月間続けた。好ましい反応又は1つ以上の病巣 の安定化が報告され、ごく軽度の有害反応が観察された。この他のガイダンスは Rutqvist,L.等,J.Natl.Cancer Inst.1991 ,83:1299〜1306;Fomander,T.等,J.Clin.On col.,1990,8:1019〜24;Bagdade,J.等,J.Cl in.Endocrinol.& Metab.,1990,70:1132〜 35に見いだすことができる。これらの論文では、投与量が10mg/人/日か ら40mg/人/日まで変動し、有利な結果と最低の副作用とを生じている。上 記研究資料は当該技術分野の技術(skill)を説明していると考えられ、本明細 書に援用される。治療効果は治療の開始から3〜6か月間以内に観察されるべき である。 酸化還元状態の分析によって確認された、患者の酸化経路を促進させる傾向(pr opensity)に依存して、低レベル治療の継続が必要であり、多くの場合に、これ が好ましい。このような判断は症例毎に基づいてのみ行うことができる。 実施例3:特定遺伝子の発現を導出するための活性化因子の使用 現在の知識に基づくと、細胞の酸化還元電位を調節するための代替え手段が存 在する。これらの代替え手段は、解毒、DNAの修復又は還元力増強反応におい て作用する酵素の発現の導出を含む。したがって、このような酵素を発現させる 活性化因子の導入は、DNA修復、H22分解又はフリーラジカル解毒の酵素( 例えばスーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、シトクロムP−450オキ シダーゼ及びリダクターゼ、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、トランスフ ェリン、フェリチン、グルタチオンペルオキシダーゼ、キサンテンオキシダーゼ 又はDT−ジアホラーゼ)のin situモジュレーターをコードする遺伝子 を発現させる活性化因子がある。例えば、図10はグルタチオンS−トランスフ ェラーゼの発現を誘導する種々な化合物を説明する(ヒドロキシルラジカルの濃 度レベルを減ずる顕著な生化学系)。これらの有機硫黄化合物はマウスにおける グルタチオンS−トランスフェラーゼ活性を誘導することが判明している。この ような酵素又は活性をコードする遺伝子の発現を誘導する種々な手段の考察に関 しては、一般的には、Temin,H.M.等,Gene Transfer, 149〜87頁,Plenum Press(ニューヨーク)1986;Cur rent Protocols in Molecular Biology, Ausubel等編集,John Wiley&Sons(ニューヨーク)(1 989)を参照のこと、これらは当該技術分野における技術を説明しており、本 明細書に援用される。 治療用途のためのこのような活性化因子の適切な用量は活性化因子と試験対象 とに依存して、広範囲に変動する。7〜21mg/kgの量で経口投与する場合 に、この用量が一般にグルタチオンS−トランスフェラーゼの誘導に効果的であ る。Maurya,A.とSingh,S.,「ジアリルスルフィド,自然発生 抗癌剤によるマウス胃のグルタチオントランスフェラーゼ イソ酵素の示差誘導 」,1991,Cancer Letters 57:121〜129を参照の こ と。これらのガイドラインとプロトコールでは、生物学的に適切な結果が数日内 に現れることが期待される。他の活性化因子に関しては、当業者が用量を決定す るための充分なガイダンスをDenda,A.等,Carcinogenesi s,1993,14:95〜101に見いだすことができる。上記参考文献は、 これに関して、現在の技術を代表していると考えられる。 実施例4:補充酵素のin vivoトランスフェクションの利用 内因性遺伝子の突然変異障害又は内因性遺伝子の発現欠損のための、標的細胞 における“補充(replacement)”酵素のin vivoトランスフェクション を用いることによる、細胞酸化還元電位を調節するためのさらに他の代替え方法 が存在する。このような方法はレトロウイルスベクター中に適当な遺伝子(例え ば、上記実施例3で確認したような遺伝子)をコードするcDNAを挿入し、こ れらをin vivoで発現させるか、又はin vitroで細胞に挿入して 、このような細胞を対象に移植することによって実施することができる。一般的 には、Temin,H.M.等,Gene Transfer,149〜87頁 ,Plenum Press(ニューヨーク)(1986)を参照のこと。この 文献は当該技術分野の技術を説明するものとして、本明細書に援用される。目的 遺伝子のクローニングは、当業者に知られ、用いられているの方法によって実施 されることができる。 特定酵素のcDNAの調製は、遺伝子DNA配列に基づいて行うことができる 。配列データは標準方法を用いて判定することができる。上記文献のCurre nt Protocol in Molecular Biologyを参照の こと。 いずれの治療法の効力も、好ましい手段を投与して、細胞の酸化還元状態を変 化させ(reduced)、酸化還元両面性を示すDNA塩基損傷又は適当な類似体を 分析することによってその効果を監視することによって、判断することができる 。DNA塩基損傷プロフィル、適当な類似体プロフィル又は、標的細胞を含む試 験標本の細胞酸化還元電位を測定する他の方法を定期的に実施して、還元誘導生 成物対酸化誘導生成物の比較によって評価される、治療の相対的成果に関する判 定を得る、及び/又は監視することができる。 産業上の利用性 本発明は癌研究、臨床医療及び治療の分野に特別の有用性を見いだす。本明細 書に開示し、特許請求する方法は癌及び前癌状態、又は癌危険性を含めた遺伝毒 性的損傷の迅速かつ正確な診断を可能にし、癌危険性を減ずるための治療法、又 は確立された癌の治療とその進行の監視とを可能にする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 38/44 8310−2J G01N 33/50 J 45/00 8310−2J P 47/48 9455−4C A61K 37/02 ADU G01N 33/50 9455−4C 37/14 9455−4C 37/50 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AT,AU,BG,BR,B Y,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI ,GB,HU,JP,KR,KZ,LU,LV,NL, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S K,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.遺伝毒性的損傷の診断又は予後の方法であって、次の段階: (a)試験対象から標本を得る段階と; (b)標本を分析して、その細胞の酸化還元電位を測定する段階と; (c)細胞の酸化還元電位が酸化状態に有利である場合には試験標本中の遺伝毒 性的損傷の高い危険性若しくはその存在の高い確率を確認し、細胞の酸化還元電 位が還元状態に有利である場合には試験標本中の遺伝毒性的損傷の低い危険性若 しくはその存在の低い確率を確認する段階と を含む前記方法。 2.段階(b)における標本の分析が次の段階: (a)標本からDNAを単離する段階と; (b)酸化経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基が酸 化状態に有利である酸化還元電位と関連する場合に、酸化経路によって誘導され る少なくとも1種の該修飾ヌクレオチド塩基に関して分析する段階と を含む請求項1記載の方法。 3.酸化経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基が DNA塩基のヒドロキシルアダクツである請求項2記載の方法。 4.DNA塩基のヒドロキシルアダクツが8−ヒドロキシグアニン(8−O H−Gua)、8−ヒドロキシルアデニン(8−OH−Ade)、5−ヒドロキ シメチルウラシル(HMUra)、5−ヒドロキシシトシン及び5−ヒドロキシ ダントンから成る群から選択される請求項3記載の方法。 5.段階(b)における標本の分析が次の段階: (a)標本からDNAを単離する段階と; (b)還元経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基が還 元状態に有利である酸化還元電位と関連する場合に、還元経路によって誘導され る少なくとも1種の該修飾ヌクレオチド塩基に関して分析する段階と を含む請求項1記載の方法。 6.還元経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基が DNA塩基の開環誘導体である請求項5記載の方法。 7.DNA塩基のヒドロキシルアダクツが4,6−ジアミノ−5−ホルムア ミドピリミジン(Fapy−A)と2,6−ジアミノ−4−ヒドロキシ−5−ホ ルムアミドピリミジン(Fapy−G)とから成る群から選択される請求項6記 載の方法。 8.段階(b)における標本の分析が次の段階: (a)標本からDNAを単離する段階と; (b)酸化経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基が酸 化状態に有利である酸化還元電位と関連し、還元経路によって誘導される少なく とも1種の修飾ヌクレオチド塩基が還元状態に有利である酸化還元電位と関連す る場合に、酸化経路によって誘導される少なくとも1種の該修飾ヌクレオチド塩 基と、還元経路によって誘導される少なくとも1種の該修飾ヌクレオチド塩基と に関して分析する段階と を含む請求項1記載の方法。 9.酸化経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基が DNA塩基のヒドロキシルアダクツであり、還元経路によって誘導される少なく とも1種の修飾ヌクレオチド塩基がDNA塩基の開環誘導体である請求項8記載 の方法。 10.DNA塩基のヒドロキシルアダクツが8−ヒドロキシグアニン(8− OH−Gua)、8−ヒドロキシルアデニン(8−OH−Ade)、5−ヒドロ キシメチルウラシル(HMUra)、5−ヒドロキシシトシン及び5−ヒドロキ シダントンから成る群から選択され、またDNA塩基のヒドロキシルアダクツが 4,6−ジアミノ−5−ホルムアミドピリミジン(Fapy−A)と2,6−ジ アミノ−4−ヒドロキシ−5−ホルムアミドピリミジン(Fapy−G)とから 成る群から選択される請求項9記載の方法。 11.遺伝毒性的損傷が発癌と関連する請求項1記載の方法。 12.癌の診断及び予後の方法であって、次の段階: (a)試験対象から標本を採取する前に、酸素ラジカルの作用後に酸化還元両面 状態を示し、少なくとも2種類の確認可能な安定な生成物を形成する代用化合物 を試験対象に投与する段階と; (b)試験対象から、該代用化合物の検出可能な量を含むことが分かっている標 本を採取する段階と; (c)標本から該化合物と該安定な生成物とを単離する段階と; (d)還元経路によって誘導される少なくとも1種の安定な生成物が還元状態に 有利である酸化還元電位と関連し、酸化経路によって誘導される少なくとも1種 の安定な生成物が酸化状態に有利である酸化還元電位と関連する場合に、還元経 路によって誘導される少なくとも1種の安定な該生成物と、酸化経路によって誘 導される少なくとも1種の安定な該生成物とに関して分析する段階と (e)細胞の酸化還元電位が酸化状態に有利である場合には試験標本中の癌の高 い危険性若しくはその存在の高い確率を確認し、細胞の酸化還元電位が還元状態 に有利である場合には試験標本中の癌の低い危険性若しくはその存在の低い確率 を確認する段階と を含む前記方法。 13.細胞の酸化還元電位調節の効力の監視方法であって、次の段階: (a)試験対象からDNA含有標本を採取する段階と; (b)標本からDNAを単離する段階と; (c)還元経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基と、 酸化経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基とに関して 分析する段階と; (d)還元経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基の濃 度レベルを、酸化経路によって誘導される少なくとも1種の酸化修飾ヌクレオチ ド塩基の濃度レベルに比較して、第1データセットを得る段階と; (e)段階(a)〜(d)を繰り返して、第2データセットを得る段階と; (f)第2データセット中に観察される、還元経路によって誘導される少なくと も1種の修飾ヌクレオチド塩基の濃度レベルが、第1データセット中に観察され る、酸化経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基の濃度 レベルよりも大きい場合に、還元性酸化還元電位方向へのシフトを確認する段階 と を含む前記方法。 14.標本の細胞酸化還元電位の測定方法であって、 (a)試験対象からDNA含有標本を採取する段階と; (b)標本からDNAを単離する段階と; (c)還元経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基の濃 度レベルと、酸化経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩 基の濃度レベルとに関して、DNAを分析する段階と; (d)還元経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基の濃 度レベルを、酸化経路によって誘導される少なくとも1種の酸化修飾ヌクレオチ ド塩基の濃度レベルに比較する段階と を含み、酸化経路によって誘導される修飾塩基の形成が還元経路によって誘導さ れる修飾塩基よりも促進されている場合には、酸化性酸化還元電位が存在する前 記方法。 15.段階(d)において、還元経路によって誘導される修飾塩基の形成が 酸化経路によって誘導される修飾塩基よりも促進されている場合に、還元性酸化 還元電位が存在する請求項14記載の方法。 16.少なくとも1つの発現受容体を有する標的細胞に対する遺伝毒性的損 傷の見込みを弱めるために、標的細胞の細胞酸化還元電位を調節する治療剤であ って、 リダクタント、スカベンジャー、ラジカルトラップ、及び金属イオンキレート 化剤から成る群から選択されるエフェクター分子と、 該エフェクターに子に共有結合したターゲッティング分子と を含み、該標的細胞が少なくとも1つの該発現受容体に相補的な化学的又は物理 的構造を有する前記治療剤。 17.標的細胞が胸部上皮細胞であり、ターゲッティング分子がエストラジ オールである請求項16記載の治療剤。 18.遺伝毒性的損傷の見込みを弱めるために、標的細胞の細胞酸化還元電 位を調節する治療剤であって、 リダクタント、スカベンジャー、ラジカルトラップ、及び金属イオンキレート 化剤から成る群から選択されるエフェクター分子と、 生分解性外側膜を有するキャリヤー体と、 外側膜によって完全に囲まれ、画定される水性内側部分と を含み、該内側部分にエフェクター分子が配置される前記治療剤。 19.キャリヤー体が水性内側部分を囲む脂質膜を有するリポソームである 請求項18記載の治療剤。 20.少なくとも1つの発現受容体を有する細胞種が調節されるべきであり 、外側膜が少なくとも1つの該発現受容体に相補的な化学的又は物理的構造を有 するように形成される請求項18記載の治療剤。 21.胸部上皮細胞の細胞酸化還元電位を調節するためのものであり、エス トラジオールがキャリヤー体の外側膜の一部をなす請求項18記載の治療剤。 22.外側膜の生分解性が可変であり、エフェクター分子の放出を遅延させ ることができる請求項18記載の治療剤。 23.標的細胞群の細胞酸化還元電位を調節し、同電位を監視する方法であ って、次の段階: (a)遺伝子がフリーラジカル解毒性酵素をコードしている試験対象に、酵素活 性化因子を導入する段階と; (b)標的細胞を有することが分かっている試験対象から試験標本を採取する段 階と; (c)標本からDNAを単離する段階と; (d)還元経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基の濃 度レベルと、酸化経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩 基の濃度レベルとに関して、DNAを分析する段階と; (e)還元経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基の濃 度レベルを、酸化経路によって誘導される少なくとも1種の酸化修飾ヌクレオチ ド塩基の濃度レベルに比較する段階と を含み、酸化経路によって誘導される修飾塩基の形成が還元経路によって誘導さ れる修飾塩基よりも促進されない場合には、細胞酸化還元電位の低下が生ずる前 記方法。 24.標的細胞群の細胞酸化還元電位を調節し、同電位を監視する方法であ っ て、次の段階: (a)フリーラジカル解毒性酵素の遺伝子配列を測定する段階と; (b)該遺伝子配列に基づいて、cDNAを調製し、クローン化する段階と; (c)試験対象にcDNAを導入する段階と; (d)cDNAに暴露されたことが分かっている試験対象から試験標本を採取す る段階と; (e)標本からDNAを単離する段階と; (f)還元経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基の濃 度レベルと、酸化経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩 基の濃度レベルとに関して、DNAを分析する段階と; (g)還元経路によって誘導される少なくとも1種の修飾ヌクレオチド塩基の濃 度レベルを、酸化経路によって誘導される少なくとも1種の酸化修飾ヌクレオチ ド塩基の濃度レベルに比較する段階と を含み、酸化経路によって誘導される修飾塩基の形成が還元経路によって誘導さ れる修飾塩基よりも促進されない場合には、細胞酸化還元電位の低下が生ずる前 記方法。 25.試験対象中に導入されるレトロウイルスベクター中に、cDNAを挿 入する請求項24記載の方法。
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