【発明の詳細な説明】
チアゾール誘導体のエナンチオ選択的調製
発明の背景
本発明は、オキサアザボロリジン触媒の存在下、ボラン還元剤で一般式(II
I)
のプロキラルケトンをエナンチオ選択的に還元することにより、実質的に鏡像異
性的に純粋な形態で一般式(I)および(II)
の化合物を調製する特に有用な方法に関する。一般式(I)および(II)の光
学的に純粋な化合物は、参照により本明細書に含める米国特許4,886,81
4に開示されている一般式(IV)
の有用な抗糖尿病化合物の合成における有用な中間物質である。
発明の概要
本発明は、実質的にエナンチオ選択的に純粋な形態で一般式(I)
の化合物をエナンチオ選択的に調製する方法を提供する。本発明の方法は、一般
式(V)
(ここで、R1は、水素、(C1-C8)アルキル、ベンジル、ヘテロサイクリルま
たは、独立に3つまでの(C1-C8)アルキル、(C1-C8)アルコキシもしくは
ハロ基で任意に置換されたフェニルであり;R2およびR3は、シンであり、別個
にみなされ、各々独立に、(C1-C8)アルキル、ベンジル、ヘテロサイクリル
または、3つまでの(C1-C8)アルキル、(C1-C8)アルコキシもしくはハロ
基で任意に置換されたフェニルであるが、但し、R2がCH3であり、R3がフェ
ニルである場合、R1はHである)のキラルオキサアザボロリジン触媒の存在下
でボラン還元剤と、または反応に不活性な雰囲気下、反応に不活性な溶媒中で、
一般式(VI)
(ここで、R1、上記で定義した通りであり、Dは、独立に3つまでの(C1-C8
)アルキル、ヘテロサイクリルまたは、独立に3つまでの(C1-C8)アルキル
、(C1-C8)アルコキシもしくはハロ基で任意に置換されたフェニルで任意に
置換されたシス縮合4-6員炭素単環式環:独立に3つまでの(C1-C8)アルキ
ル、ヘテロサイクリルまたは、独立に3つまでの(C1-C8)アルキル、(C1-
C8)アルコキシもしくはハロ基で任意に置換されたフェニルで任意に置換され
たシス縮合6-9員炭素二環式系;またはR6およびR7が、各々独立に、H、(
C1-C8)アルキル、(C1-C8)アルコキシもしくはハロである構造式
を有するシス縮合系である)のキラルオキサアザボロリジン触媒と、
一般式(III)
のプロキラルケトンとを反応させて成ることを特徴とする。
本発明の好ましい方法は、このオキサアザボロリジン触媒が
である上記方法である。
好ましい方法の中で特に好ましい方法は、この反応に不活性な溶媒が、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、トルエンまたはベンゼンであり
;この反応に不活性な雰囲気が窒素であり、このボラン還元剤がボランメチルス
ルフィド複合体である方法である。
特に好ましい方法の中で尚更特に好ましい方法は、この一般式(III)のプ
ロキラルケトンの添加に先立ち、このキラルオキサアザボロリジン触媒をその場
で調製する方法である。
また、本発明は、一般式(I)の化合物を上記の通りに調製し、この一般式(
I)の化合物と塩基とを反応させて実質的に鏡像異性的に純粋な形態で一般式(
II)の化合物を形成させて成る、一般式(II)
の化合物をエナンチオ選択的に調製する方法も提供する。
発明の詳細な説明
本発明は、上記の一般式(I)および(II)の光学的に活性な化合物を実質
的に鏡像異性的に純粋な形態で調製する方法を提供する。この方法の模式図を、
下記の模式図Iに示す。
本発明の方法は、容易に実施される。一般式(I)の化合物を、プロキラルケ
トン、即ち4-ブロモアセチル-2-トリフルオロメチルチアソール(III)の
還元を通じて実質的に鏡像異性的に純粋な形態で調製する。
本発明の還元方法において、キラル1,2-二置換アミノエタノール誘導体の
形態である、キラルオキサアザボロリジンの前駆物質を、反応に不活性な雰囲気
下、常温で、反応に不活性な溶媒に溶解する。キラル1,2-二置換アミノエタ
ノール誘導体は、本発明の方法で用いるキラルオキサアザボロリジン触媒を生じ
るいずれかの1,2-二置換アミノエタノール誘導体の中から選択することがで
きる。しかしながら、好
ましい1,2-二置換アミノエタノール誘導体は、(1S,2R)-(+)-2-ア
ミノ-1,2-ジフェニルエタノールおよび(1S,2R)-(+)-ノルエフェド
リンである。特に好ましい、反応に不活性な溶媒としては、それらに制限される
ものではないが、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエ
ンおよびベンゼンが挙げられる。更に特に好ましい溶媒は、テトラヒドロフラン
およびトルエンである。適切なボラン還元剤を反応混合物に加え、反応混合物を
2から24時間常温に置く。ボラン還元剤は、ボランメチルスルフィド複合体お
よびボランテトラヒドロフラン複合体から選択することができるが、最も好まし
いものは、ボランメチルスルフイド複合体である。通常、キラルオキサアザボロ
リジン触媒を、10-16時間以内に形成する。
キラルオキサアザボロリジン触媒を形成した後、一般式(III)のプロキラ
ルケトンを、常温で反応混合物に加える。ケトンをアルコールに還元する反応は
、通常、添加終了後、10-15分以内に完了する。しかしながら、時に、選択
した特定の溶媒または用いる材料の量等を含む種々の因子に依存して完全な反応
を保証するために、より長い時間を必要とすることもある。次いで、反応混合物
を、通常約0℃に冷却し、プロトン源、通常メタノールの慎重な添加により反応
停止させる。一般式(I)の化合物は、有機化学の標準法により単離する。
あるいは、本発明の還元法は、一般式(V)または一般式(VI)によるキラ
ルオキサアザボロリジン触媒の存在下、一般式R4R5CO(ここで、R4および
R5は、以下で定義する)のプロキラルケトンとボラン還元剤とを反応させるこ
とにより行うことができる。この方法は、2つの可能性のあるアルコール鏡像異
性体の内唯1つのものを対応する鏡像異性体に優先して形成するようなこのプロ
キラルケトンのエナンチオ選択還元に帰する。得られるエナンチオ選択性の程度
は、プロキラルケトンを形成するカルボニル基に結合したR4およびR5基の大き
さに依存して変わる。R4およびR5基が同様の大きさである場合、エナンチオ選
択の程度はより低い。R4およびR5基の大きさがますます異なるにつれてエナン
チオ選択の程度はより大きくなる。しかしながら、R4およびR5基の大きさのみ
が、達成されるエナンチオ選択性の程度に影響する唯一の決定因子ではないこと
は当然である。通常、R4およびR5の大きさが少なくとも中くらい異なるプロキ
ラルケトンを用いた場合、所望の鏡像異性体の少なく
とも90%が得られる。しかしながら、代表的には所望の鏡像異性体の90%超
が得られる。
プロキラルケトンを、トルエン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン等のような反応に不活性な適切な溶媒に溶解する。好ましいものはテト
ラヒドロフランである。触媒量の一般式(V)または一般式(VI)のキラルオ
キサザボロリジン化合物を反応混合物に約−78℃から約室温、好ましくは室温
で加えるが、しかしながら、好ましい温度は、用いる特定のボラン還元剤に依存
して変わる。この触媒の好ましい量は、このケトンに関しては約5-10モル%
である。次いで、反応混合物を、ボランジメチルスルフィド複合体、ボランテト
ラヒドロフラン複合体、カテコールボラン等のようなボラン還元剤約4.2水素
化物当量で徐々に処理する。プロキラルケトンが、ボラン-配位官能性を持つR4
またはR5基を含有する場合、更なる水素化物当量の還元剤を必要とする。通常
その容易な使用に好ましいものは、ボランジメチルスルフィド複合体である。通
常、還元剤は、接触還元の速度を調節する速度で加える。有機化学の標準慣習に
より薄層クロマトグラフィーを介して反応の過程を監視することにより測定でき
ることではあるが、反応は、時々、全ての還元剤を加えたらすぐに完了する。し
かしながら、反応の完了を保証するために、時として、一晩のような長時間反応
混合物を撹拌する又は、反応混合物を40℃から65℃までの温度に加熱するこ
とが望ましい。更に、特定の基質および還元剤を用いた場合、−78℃で16時
間のような長時間反応混合物を撹拌することを必要とすることもある。通常、反
応混合物は、約室温で約15分間撹拌する。反応混合物の温度を、次いで、0℃
に調整し、プロトン源を用いて反応停止させる。このプロトン源、通常メタノー
ルのような低級アルカノールを、発熱反応を調節するために徐々に加える。真空
で溶媒を除去することにより生成物を単離し、続いて有機溶媒と水性酸に分配し
、続いて層を分離し、有機化学の標準技法により精製する。
この方法の一般式(II)の化合物も容易に調製される。一般式(I)の化合
物を水性塩基に溶解し、激しく撹拌する。好ましい塩基は、水酸化ナトリウムで
あるが、水酸化カリウムおよびカリウムt-ブトキシドのような他の塩基も用い
ることができる。一般式(I)の化合物の一般式(II)のエポキシドへの脱臭
素および環化を、キラル中心をラセミ化することなく速やかに達成する。通常、
反応は、5分から10
分以内に終了するが、塩基の強度、塩基の性質、用いる材料の量等を含む種々の
因子に依存してより長い時間を要してもよい。エポキシドを形成後、有機化学の
周知の方法を用いて反応混合物からエポキシドを単離する。
この反応の方法に用いるプロキラルケトン出発物質は、米国特許4,886,
814に開示された方法により調製する。一般式(IV)の抗糖尿病化合物の調
製法における中間物質としてのこれらの化合物の用途もそこに述べられている。
キラル1,2-二置換アミノエタノール誘導体は、通常、Ardrich社またはSigm
a社のような市販源から容易に入手可能である。キラル1,2-二置換アミノエタ
ノール誘導体が容易に入手できない場合、このエリスロアミノエタノール誘導体
を、Reetz等,Angew.Chemie Int.Ed.Eng.,26,1987,1141-43およびMatsunaga,等T
etrahedron Letters,32,1991,7715-18により提供されるような当業者等に周知の
方法により調製する。
以下の用語およびフレーズは、本明細書および添付の特許請求の範囲で用いら
れる場合、以下の通りに定義される:
1. ″アルキル″とは、指定された数の炭素原子、例えばC1-C8を含有す
る分枝または未分枝の飽和炭化水素基を意味する。例としては、メチル、エチル
、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル等が挙げられるがこれらに限定されるわ
けではない。
2. ″アルコキシ″とは、指定された数の炭素原子を含有する分枝または未
分枝の飽和炭化水素基および、この炭化水素がそれによって中央骨格に結合して
いる唯一の酸素原子を意味する。例としては、メトキシ、エトキシ等が挙げられ
るがこれらに限定されるわけではない。
3. ″ヘテロサイクリル″とは、3個までのヘテロ原子を含有し、このヘテ
ロ原子の各々がN、OおよびSから選ばれる5-または6-員の芳香族基を意味し
、これは任意にベンゾ-縮合してもよく、このヘテロサイクリル基は、独立に3
つまでの(C1-C8)アルキル、(C1-C8)アルコキシもしくはハロ基で任意に
置換されてもよい。
4. R4R5COにより表わされる″プロキラルケトン″は、R4およびR5が
同一ではないケトンであることから、2級アルコール還元生成物R4R5CHOH
は、アルコール炭素の位置にキラル中心を有する。環式プロキラルケトン類のR4
およびR5は、共に、ケトンを含む環を形成し、このように形成した環は、カル
ボニル基およびそれに直接結合した2個の炭素原子を含む平面、この平面はその
中の点としてカルボ
ニル基の炭素および酸素原子の両方を含有するが、それに対して垂直に描いた平
面をはさんで対称な平面を持たないことは当然である。
7. 反応に不活性な溶媒とは、所望の生成物の収率に不利に影響するような
やり方で、反応物、中間物質または生成物と相互作用しない溶媒を意味する。
8. ″シン″とは、隣接する環炭素原子上で置換した置換基が、この炭素原
子およびこの炭素原子の各々が環に結合している結合間の結合を含む平面の同じ
側に位置することを意味する。
9. ″鏡像異性的過剰″またはe.e.は、通常、パーセンテージとして表
わされる、2つの鏡像異性体の内一方の他方に対する過剰である、即ち、90%
e.e.は、問題の物質の内、95%の一方の鏡像異性体および5%の他方の鏡
像異性体の存在を反映している。
10. ″常温″とは、反応フラスコを取り巻く直接的外部環境の温度を意味
する。この温度は、通常、室温(20-25℃)である。
11. <その場で>とは、本発明の一般式(V)または一般式(VI)のキ
ラルオキサアザボロリジンを前駆物質アミノアルコールおよびボランから形成す
る反応条件である。オキサアザボロリシンを生じた後、プロキラルケトンを加え
る。本発明のキラルオキサアザボロリシンは、これらの条件下で単離しない。
12. ″反応に不活性な雰囲気″とは、所望の生成物の収率に不利に影響す
るようなやり方で、反応物、中間物質または生成物と相互作用しない気体を意味
する。
以下の実施例により本発明を具体的に説明する。しかしながら、本発明は、こ
れらの実施例の特定の細部に制限されるものではないことは当然である。全ての
反応は、特に断わらない限り、窒素またはアルゴンのような不活性な雰囲気下で
行う。全ての溶媒は、無水である、即ち、その水が、所望の生成物の収率に不利
に影響するようなやり方で、試薬、中間物質または生成物と相互作用しないよう
な少量の水を含有する。本明細書で用いる場合、″THF″とは、テトラヒドロ
フランを意味する。
実施例1 (S)-オキシラニル-2-トリフルオロメチルチアゾール
A.(S)-4-(2-ブロモ-1-ヒドロキシエチル)-2-トリフルオロメチル
チアゾール。(1S,2R)-(+)-2-アミノ-1,2-ジフェニルエタノール
(586mg、
2.75ミリモル、ブロモケトンに基づき0.05当量)のテトラヒドロフラン
(55ml)溶液に、窒素雰囲気下、ニートのボランメチルスルフィド複合体(
Aldrich、〜10M、7.70ml、-77ミリモル、ブロモケトンに基づき1.
4当量)を全部一度に加え、16時間静置した。(EIMS)M+223.11
59(理論値223.1168)。テトラヒドロフラン(28ml)中のブロモ
ケトンIII(15.0g、54.7ミリモル、1.0当量)を、25℃で1時
間にわたって滴下した。添加が終了した15分後、出発物質ケトンは消費され、
反応物を0℃に冷却し、メタノール(55ml)で反応停止し、一晩撹拌した。
真空下で溶媒を除去し、残分にトルエン(140ml)を加え、有機相をpH4
の燐酸緩衝液(140ml)、水(140ml)で連続的に洗浄し、硫酸マグネ
シウムで処理した。濾過および真空下での溶媒の除去により、キラルアルコール
を淡黄色油状物質(13.58g、90%物質収支、94%ee)として得た。
B. (S)-オキシラニル-2-トリフルオロメチルチアゾール。水性水酸化
ナトリウム(4N、12.52ml)を、激しく撹拌しながら、上記A.で得た
ニートの油状物質(13.42g)に加えた。9分後、塩化メチレン(100m
l)および水(100ml)を加え、相を分離し、水相を水(3x100ml)
で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過および真空下での溶媒の除去によ
り粗キラルエポキシドをオフホワイトの液状物質9.35gとして得た。8.8
3gの粗生成物の4mmHg/沸点42-44℃での蒸留により、6.99g(ブ
ロモケトンから計算して総体の70%)のキラルエポキシドを無色油状物質とし
て得た。
実施例2 (S)-4-(2-ブロモ-1-ヒドロキシエチル)-2-トリフルオロメチルチアゾ ール
(1S,2R)-(+)-ノルエフェドリン(76mg、0.5ミリモル)のテ
トラヒドロフラン(10ml)溶液に、窒素雰囲気下、ニートのボランメチルス
ルフィド複合体(10M、1.4ml、14ミリモル)を常温(20-25℃)
で加え、反応物を16時間静置した。テトラヒドロフラン(5ml)中のブロモ
ケトンIII(2.74g、10ミリモル)を、1時間にわたって滴下し、添加
が終了した後15分間反応物を撹拌し、次いで、0℃に冷却し、メタノール(1
0ml)で反応停止した。反応停止した反応物を18時間撹拌し、真空下で溶媒
を除去し、塩化メチレン(25
ml)を加えた。有機相をpH4の燐酸緩衝液(25ml)、水(25ml)で
連続的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、真空下で溶媒を除去し
て(S)アルコール2.24gを黄色油状物質(83%、84%ee)として得
た。
実施例3 (S)-オキシラニル-2-トリフルオロメチルチアゾール
A.(S)-4-(2-ブロモ-1-ヒドロキシエチル)-2-トリフルオロメチル
チアゾール。トルエン中での還元およびキラルエポキシドへの環化。(1S,2
R)-2-アミノ-1,2-ジフェニルエタノール(438mg、2ミリモル、ブロ
モケトンに基づき0.05当量)のトルエン(41ml)溶液に、窒素雰囲気下
、ニートのボランメチルスルフィド複合体(Aldrich、〜10M、5.80ml
,58ミリモル、ブロモケトンに基づき1.4当量)を全部一度に加え、16時
間静置した。トルエン(21ml)中のブロモケトン((III)、11.31
g、41ミリモル、1.0当量)を、25℃(1時間にわたって滴下した。添加
が終了した15分後、出発物質ケトンは消費され、反応物を0℃に冷却し、メタ
ノール(41ml)で反応停止し、一晩撹拌した。真空下で溶媒を除去し、残分
にトルエン(100ml)を加え、有機相を水性硫酸(1M、50ml)、水(
100ml)で連続的に洗浄し、硫酸マグネシウムで処理した。真空下での溶媒
の除去により、キラルアルコールを淡黄色油状物質(10.84g、95%物質
収支、90%ee)として得た。
B. (S)-オキシラニル-2-トリフルオロメチルチアゾール。水性水酸化
ナトリウム(4N、10.53ml)を、激しく撹拌しながらニートの油状物質
(10.84g)に加えた。10分後、トルエン(84ml)および水(84m
l)を加え、相を分離し、水相を水(3x84ml)で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。真空下での溶媒の除去により粗キラルエポキシドをオフオレンジ
の液状物質6.50gとして得た。6.07gの粗生成物の4mmHg/沸点4
2-44℃での蒸留により、4.65g(ブロモケトンから計算して総体の61
%)のキラルエポキシドを無色油状物質として得た。Detailed Description of the Invention
Enantioselective preparation of thiazole derivatives
Background of the Invention
The present invention provides a compound of general formula (II) with a borane reducing agent in the presence of an oxaazaborolidine catalyst.
I)
Enantioselectively reducing the prochiral ketone of
Formulas (I) and (II) in sexually pure form
Particularly useful methods of preparing the compounds of Light of the general formulas (I) and (II)
The chemically pure compounds are described in US Pat. No. 4,886,81, which is hereby incorporated by reference.
The general formula (IV) disclosed in 4
Is a useful intermediate in the synthesis of useful antidiabetic compounds of
Summary of the invention
The present invention provides compounds of general formula (I) in substantially enantioselectively pure form.
A method of enantioselectively preparing a compound of The method of the present invention is generally
Formula (V)
(Where R1Is hydrogen, (C1-C8) Alkyl, benzyl, heterocyclyl
Or up to three (C1-C8) Alkyl, (C1-C8) Alkoxy or
R is phenyl optionally substituted with a halo group; R2And R3Is a thin and distinct
Each independently, (C1-C8) Alkyl, benzyl, heterocyclyl
Or up to 3 (C1-C8) Alkyl, (C1-C8) Alkoxy or halo
Phenyl optionally substituted with a group, with the proviso that R is2Is CH3And R3But fe
If nil, R1Is H) in the presence of a chiral oxazaborolidine catalyst
With a borane reducing agent or in an atmosphere inert to the reaction in a solvent inert to the reaction,
General formula (VI)
(Where R1, As defined above, and D is independently up to 3 (C1-C8
) Alkyl, heterocyclyl or independently up to 3 (C1-C8) Alkyl
, (C1-C8) Optionally with phenyl optionally substituted with an alkoxy or halo group
Substituted cis-fused 4-6 membered carbon monocyclic ring: independently up to 3 (C1-C8) Archi
, Heterocyclyl or up to three (C1-C8) Alkyl, (C1-
C8) Optionally substituted with phenyl optionally substituted with alkoxy or halo groups
Cis-fused 6-9 membered carbon bicyclic system; or R6And R7, Each independently, H, (
C1-C8) Alkyl, (C1-C8) A structural formula that is alkoxy or halo
Is a cis-condensation system having a) chiral oxazaborolidine catalyst,
General formula (III)
It is characterized by reacting with a prochiral ketone of.
The preferred method of the present invention is that this oxaazaborolidine catalyst is
Is the above method.
A particularly preferable method among the preferable methods is that the solvent inert to this reaction is tetra
Hydrofuran, dioxane, diethyl ether, toluene or benzene
The atmosphere inert to the reaction is nitrogen and the borane reducing agent is borane methyls.
The method is a Ruffido complex.
Among the particularly preferred methods, the even more particularly preferred method is that of the formula (III)
This chiral oxazaborolidine catalyst was in-situ prior to the addition of the lochiral ketone.
It is a method of preparing.
The present invention also provides a compound of the general formula (I)
The compound of I) is reacted with a base to give a compound of general formula (I) in a substantially enantiomerically pure form.
A compound of general formula (II) formed by forming a compound of II)
Also provided are methods of enantioselectively preparing the compounds of
Detailed Description of the Invention
The present invention comprises substantially the optically active compounds of the above general formulas (I) and (II).
A method for preparing a substantially enantiomerically pure form is provided. A schematic diagram of this method,
A schematic diagram I is shown below.
The method of the present invention is easily implemented. A compound of general formula (I)
Of 4-bromoacetyl-2-trifluoromethylthiasol (III)
Prepared in a substantially enantiomerically pure form through reduction.
In the reduction method of the present invention, a chiral 1,2-disubstituted aminoethanol derivative
The precursor of chiral oxazaborolidine, which is in the form of, is reacted in an inert atmosphere.
At room temperature, it dissolves in a solvent inert to the reaction. Chiral 1,2-disubstituted aminoethane
The nol derivative produces the chiral oxazaborolidine catalyst used in the method of the present invention.
One of the 1,2-disubstituted aminoethanol derivatives can be selected.
Wear. However, good
A good 1,2-disubstituted aminoethanol derivative is (1S, 2R)-(+)-2-a
Mino-1,2-diphenylethanol and (1S, 2R)-(+)-norephed
It's Rin. Particularly preferred reaction-inert solvents are limited to them
Dioxane, tetrahydrofuran, diethyl ether, toluene
And benzene. Further particularly preferred solvent is tetrahydrofuran
And toluene. Add an appropriate borane reducing agent to the reaction mixture and add the reaction mixture.
Place at room temperature for 2 to 24 hours. The borane reducing agent is a borane methyl sulfide complex or
And borane tetrahydrofuran complex can be selected, but the most preferred
The first is the borane methyl sulfide complex. Usually, chiral oxazaboro
The lysine catalyst forms within 10-16 hours.
After forming the chiral oxazaborolidine catalyst, the prochiral compound of general formula (III)
Luketone is added to the reaction mixture at ambient temperature. The reaction to reduce a ketone to an alcohol is
Usually, it is completed within 10-15 minutes after the addition is completed. However, sometimes, the choice
Complete reaction depending on various factors including the specific solvent used or the amount of materials used
May require a longer time to guarantee Then the reaction mixture
Is cooled to about 0 ° C. and reacted by careful addition of a proton source, usually methanol.
Stop. The compounds of general formula (I) are isolated by standard methods of organic chemistry.
Alternatively, the reduction method of the present invention is a method according to general formula (V) or general formula (VI).
In the presence of a luoxaazaborolidine catalyst, the general formula RFourRFiveCO (where RFourand
RFiveIs defined below) and reacts with a borane reducing agent.
It can be done with. This method uses two possible alcohol mirror images.
This pro-former prefers to form only one of its isomers over the corresponding enantiomer.
It is attributed to the enantioselective reduction of chiral ketones. Degree of enantioselectivity obtained
Is R bound to a carbonyl group forming a prochiral ketoneFourAnd RFiveBase size
It depends on the size. RFourAnd RFiveIf the groups are of similar size, enantioselect
The degree of choice is lower. RFourAnd RFiveHenin as the size of the base becomes more and more different
The degree of thio selection is greater. However, RFourAnd RFiveOnly the size of the base
Is not the only determinant that affects the degree of enantioselectivity achieved
Is natural. Usually RFourAnd RFiveDifferent sizes of at least medium
With ralketone, less of the desired enantiomer
Both yield 90%. However, typically greater than 90% of the desired enantiomer
Is obtained.
Prochiral ketone, toluene, diethyl ether, dioxane, tetrahydride
Dissolve in a suitable solvent inert to the reaction, such as lofuran. Preferred is Tet
It is lahydrofuran. Catalytic amount of chiral compound of general formula (V) or general formula (VI)
The xazaborolidine compound is added to the reaction mixture at about -78 ° C to about room temperature, preferably room temperature.
However, the preferred temperature depends on the particular borane reducing agent used.
And then change. The preferred amount of this catalyst is about 5-10 mol% with respect to this ketone.
Is. The reaction mixture is then treated with borane dimethyl sulfide complex, borane tet
Borane reducing agent such as lahydrofuran complex, catechol borane, etc. about 4.2 hydrogen
Gradually treat with compound equivalent. Prochiral ketone is an R with a borane-coordinating functionalityFour
Or RFiveIf it contains groups, an additional hydride equivalent of reducing agent is required. Normal
Preferred for its easy use is borane dimethyl sulfide complex. Communication
Usually, the reducing agent is added at a rate that regulates the rate of catalytic reduction. In the standard practice of organic chemistry
It can be measured by monitoring the course of the reaction via thinner layer chromatography.
However, sometimes the reaction is complete as soon as all the reducing agent has been added. Shi
However, to ensure the completion of the reaction, sometimes a long reaction, such as overnight,
Stir the mixture or heat the reaction mixture to a temperature between 40 ° C and 65 ° C.
Is desirable. Furthermore, when a specific substrate and reducing agent are used, it is 16 hours at -78 ° C
It may be necessary to stir the reaction mixture for an extended period of time, such as between. Usually anti
The reaction mixture is stirred at about room temperature for about 15 minutes. The temperature of the reaction mixture is then 0 ° C.
And stop the reaction using a proton source. This proton source, usually methanol
A lower alkanol, such as ruthenium, is added slowly to control the exothermic reaction. vacuum
The product was isolated by removing the solvent with, followed by partition between organic solvent and aqueous acid.
The layers are then separated and purified by standard techniques of organic chemistry.
The compounds of general formula (II) of this method are also easily prepared. Compound of general formula (I)
Dissolve the material in aqueous base and stir vigorously. The preferred base is sodium hydroxide.
But with other bases such as potassium hydroxide and potassium t-butoxide
Can be Deodorization of compounds of general formula (I) to epoxides of general formula (II)
Elementary and cyclization is achieved rapidly without racemization of the chiral center. Normal,
Reaction is 5 minutes to 10
Complete within minutes, but include various factors such as base strength, base properties, amount of materials used, etc.
It may take longer depending on the factors. After forming the epoxide,
The epoxide is isolated from the reaction mixture using well known methods.
The prochiral ketone starting material used in the method of this reaction is described in US Pat.
Prepared by the method disclosed in 814. Preparation of antidiabetic compound of general formula (IV)
The use of these compounds as intermediates in the manufacturing process is also mentioned there.
Chiral 1,2-disubstituted aminoethanol derivatives are usually obtained from Ardrich or Sigm.
It is readily available from commercial sources such as Company a. Chiral 1,2-disubstituted aminoethane
This erythroaminoethanol derivative is available if the nor derivative is not readily available.
Reetz et al., Angew. Chemie Int. Ed. Eng.,26,1987, 1141-43 and Matsunaga, et al. T
etrahedron Letters,32,1991Well known to those skilled in the art, such as those provided by
Prepare by the method.
The following terms and phrases are used herein and in the appended claims.
Defined as follows:
1. "Alkyl" means a specified number of carbon atoms, eg C1-C8Contains
A branched or unbranched saturated hydrocarbon group. Examples are methyl, ethyl
, Isopropyl, n-butyl, t-butyl, etc., but are not limited to these.
Not only.
2. "Alkoxy" means branched or unbranched containing a specified number of carbon atoms.
A branched saturated hydrocarbon group and this hydrocarbon is thereby bound to the central skeleton
Means the only oxygen atom present. Examples include methoxy, ethoxy, etc.
However, it is not limited to these.
3. "Heterocyclyl" contains up to 3 heteroatoms and
(B) each represents a 5- or 6-membered aromatic group selected from N, O and S
, Which may optionally be benzo-fused, wherein the heterocyclyl group is independently 3
Up to (C1-C8) Alkyl, (C1-C8) Optionally with an alkoxy or halo group
It may be replaced.
4. RFourRFiveThe "prochiral ketone" represented by CO is RFourAnd RFiveBut
Since they are not the same ketone, the secondary alcohol reduction product RFourRFiveCHOH
Has a chiral center at the alcohol carbon position. R of cyclic prochiral ketonesFour
And RFiveTogether form a ring containing a ketone, and the ring thus formed is
A plane containing a bonyl group and two carbon atoms directly attached to it, this plane being
Carbo as the inside dot
It contains both carbon and oxygen atoms of the nyl group but is drawn perpendicular to it.
It goes without saying that they do not have planes that are symmetric across the plane.
7. Solvents inert to the reaction are those that adversely affect the yield of the desired product.
By way is meant a solvent that does not interact with the reactants, intermediates or products.
8. "Syn" means a substituent that is substituted on an adjacent ring carbon atom
The same plane containing the bonds between the child and each of these carbon atoms bound to a ring
Means to be located on the side.
9. "Enantiomeric excess" or e. e. Is usually expressed as a percentage
Passed in excess of one of the two enantiomers over the other, ie 90%
e. e. Is 95% of one of the substances in question and one of the other is 5%.
It reflects the presence of enantiomers.
10. "Normal temperature" means the temperature of the direct external environment surrounding the reaction flask
To do. This temperature is usually room temperature (20-25 ° C).
11. <In-situ> means the key of the general formula (V) or the general formula (VI) of the present invention.
Raloxaazaborolidine formed from precursor amino alcohols and borane
Reaction conditions. After formation of oxazaborolysine, addition of prochiral ketone
It The chiral oxaazaborolysines of this invention do not isolate under these conditions.
12. "A reaction-inert atmosphere" adversely affects the yield of the desired product
Means a gas that does not interact with reactants, intermediates or products in a
To do.
The present invention will be specifically described by the following examples. However, the present invention
Of course, it is not limited to the particular details of these embodiments. All of
Reactions are run under an inert atmosphere such as nitrogen or argon unless otherwise noted.
To do. All solvents are anhydrous, i.e. their water is detrimental to the yield of the desired product.
Do not interact with reagents, intermediates or products in a way that affects
It contains a small amount of water. As used herein, "THF" means tetrahydro
Means franc.
Example 1 (S) -oxiranyl-2-trifluoromethylthiazole
A. (S) -4- (2-Bromo-1-hydroxyethyl) -2-trifluoromethyl
Thiazole. (1S, 2R)-(+)-2-Amino-1,2-diphenylethanol
(586 mg,
2.75 mmol, 0.05 equivalent based on bromoketone) tetrahydrofuran
(55 ml) solution in a nitrogen atmosphere under neat borane methyl sulfide complex (
Aldrich, -10M, 7.70 ml, -77 mmol, 1. based on bromoketone.
4 equivalents) were added all at once and allowed to stand for 16 hours. (EIMS) M + 223.11
59 (theoretical 223.1168). Bromo in tetrahydrofuran (28 ml)
Ketone III (15.0 g, 54.7 mmol, 1.0 eq) at 25 ° C. for 1 hour
It was dripped in between. 15 minutes after the addition was complete, the starting material ketone was consumed,
The reaction was cooled to 0 ° C., quenched with methanol (55 ml) and stirred overnight.
The solvent was removed under vacuum, toluene (140 ml) was added to the residue and the organic phase was adjusted to pH 4
Of phosphate buffer (140 ml) and water (140 ml), and wash with magnesium sulfate.
Treated with sium. Chiral alcohol by filtration and removal of solvent under vacuum
Was obtained as a pale yellow oily substance (13.58 g, 90% mass balance, 94% ee).
B. (S) -oxiranyl-2-trifluoromethylthiazole. Aqueous hydroxylation
Sodium (4N12.52 ml), with vigorous stirring. Got at
Add to neat oil (13.42 g). After 9 minutes, methylene chloride (100 m
l) and water (100 ml) were added, the phases were separated and the aqueous phase was washed with water (3 x 100 ml).
It was washed with and dried over magnesium sulfate. By filtration and removal of solvent under vacuum
The crude chiral epoxide was obtained as an off-white liquid material, 9.35 g. 8.8
Distillation of 3 g of crude product at 4 mm Hg / boiling point 42-44 ° C. gave 6.99 g (broth).
70% of the total of chiral epoxide calculated from romoketone was made as a colorless oily substance.
I got it.
Example 2 (S) -4- (2-Bromo-1-hydroxyethyl) -2-trifluoromethylthiazo The
(1S, 2R)-(+)-Norephedrine (76 mg, 0.5 mmol)
To a solution of trahydrofuran (10 ml) under a nitrogen atmosphere, neat borane methyls
Ruffide complex (10 M, 1.4 ml, 14 mmol) at room temperature (20-25 ° C)
The reaction was allowed to stand for 16 hours. Bromo in tetrahydrofuran (5 ml)
Ketone III (2.74 g, 10 mmol) was added dropwise over 1 hour and added.
The reaction was stirred for 15 minutes after the reaction was completed, then cooled to 0 ° C. and methanol (1
The reaction was stopped with 0 ml). Stir the quenched reaction for 18 hours and remove the solvent under vacuum.
To remove methylene chloride (25
ml) was added. The organic phase was washed with pH 4 phosphate buffer (25 ml) and water (25 ml).
It was washed successively and dried over magnesium sulfate. After filtration, remove the solvent under vacuum
To give 2.24 g of (S) alcohol as a yellow oil (83%, 84% ee).
It was
Example 3 (S) -oxiranyl-2-trifluoromethylthiazole
A. (S) -4- (2-Bromo-1-hydroxyethyl) -2-trifluoromethyl
Thiazole. Reduction in toluene and cyclization to a chiral epoxide. (1S, 2
R) -2-Amino-1,2-diphenylethanol (438 mg, 2 mmol, bromine
To a toluene (41 ml) solution of 0.05 equivalent based on moketone, under a nitrogen atmosphere.
, Neat borane methyl sulfide complex (Aldrich, -10M5.80 ml
, 58 mmol, 1.4 equivalents based on bromoketone) all at once, at 16:00
I left it stationary. Bromoketone ((III), 11.31 in toluene (21 ml)
g, 41 mmol, 1.0 equiv. was added dropwise at 25 ° C. (1 h.
After 15 minutes, the starting material ketone was consumed and the reaction was cooled to 0 ° C.
The reaction was quenched with Nol (41 ml) and stirred overnight. Remove solvent under vacuum and leave residue
Toluene (100 ml) was added to and the organic phase was added to aqueous sulfuric acid (1M, 50 ml), water (
It was washed successively with 100 ml) and treated with magnesium sulphate. Solvent under vacuum
Removal of chiral alcohol to give a pale yellow oil (10.84 g, 95% substance
Balance, 90% ee).
B.(S) -oxiranyl-2-trifluoromethylthiazole.Aqueous hydroxylation
Sodium (4N(10.53 ml) with vigorous stirring, neat oil
(10.84 g). After 10 minutes, toluene (84 ml) and water (84 m)
l) was added, the phases were separated, the aqueous phase was washed with water (3 x 84 ml) and magnesium sulfate was added.
Dried. Remove the crude chiral epoxide off-orange by removing the solvent under vacuum
Was obtained as 6.50 g of the liquid substance. 4 mmHg / boiling point 4 of 6.07 g of crude product
By distillation at 2-44 ° C, 4.65 g (total 61 calculated as bromoketone)
%) Chiral epoxide as a colorless oil.
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