JPH08506728A - 新規なレセプター型ホスホチロシンホスファターゼ‐ガンマ - Google Patents

新規なレセプター型ホスホチロシンホスファターゼ‐ガンマ

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JPH08506728A JP6518365A JP51836594A JPH08506728A JP H08506728 A JPH08506728 A JP H08506728A JP 6518365 A JP6518365 A JP 6518365A JP 51836594 A JP51836594 A JP 51836594A JP H08506728 A JPH08506728 A JP H08506728A
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Abstract

(57)【要約】 新規なレセプター型タンパク質チロシンホスファターゼ−γ(RPTPγ)タンパク質または糖タンパク質、およびこれをコードするDNAは多種類の哺乳動物組織で発現する。RPTPγタンパク質または糖タンパク質は組換え法で産生できる。該タンパク質に対する抗体、該タンパク質の定量法、ならびに該タンパク質と結合してその酵素活性を阻害または剌激することのできる医薬などの化合物のスクリーニング法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 新規なレセプター型ホスホチロシンホスファターゼ−ガンマ 本発明は1990年7月11日出願で現在放棄されている米国特許出願第07 /551,270号の一部継続出願である1991年2月26日出願の米国特許 出願第07/654,188号の一部継続出願である。上記2つの特許出願の全 内容を参照としてここに包含する。 1. 生化学、細胞および分子生物学の分野における本発明は、RPTPγと呼ばれ る(RPTPアーゼ−γとも呼ばれる)新規なレセプター型タンパク質チロシン ホスファターゼタンパク質または糖タンパク質、これをコードするDNA、該タ ンパク質の生産および同定法、ならびにPTPアーゼ酵素活性と結合してこれを 阻害または剌激することのできる化合物のスクリーニング法に関する。 2.発明の背景 チロシン特異的タンパク質キナーゼとしていくつかの成長因子レセプターおよ びレトロウイルス癌遺伝子が同定されたことにより、チロシン残基上のタンパク 質リン酸化が細胞の増殖制御に重要な役割を果たすことが示唆された。この考え は最近になって、シグナル変換に重要な役割を果たすと考えられる酵素(ホスホ リパーゼCなど)のチロシンリン酸化レベルが成長因子剌激の活性 増強と相関するという観察によって支持され、チロシンリン酸化の機能的役割が 確立した(Ullrich,A.ら、Cell61:203-212,1990)。 細胞タンパク質におけるチロシン残基のリン酸化の程度とパターンは、タンパ ク質−チロシンキナーゼ(PTKアーゼ;ATP:タンパク質−チロシンO−ホ スホトランスフェラーゼ、EC2.7.1.112)およびタンパク質−チロシ ン−ホスファターゼ(PTPアーゼ;タンパク質−チロシン−ホスフェートホス ホヒドロラーゼ、EC3.1.3.48)の反対の活性によって制御されている 。PTKアーゼの構造特性および進化ならびに細胞増殖におけるその役割に関す る総説がある(Hunter,T.ら、Annu.Rev.Biochem.54:897-930,1985;Ullri ch,A.ら、前出)。 2.1.PTKアーゼ チロシンキナーゼはセリン/スレオニン特異的タンパク質キナーゼと共通の先 祖をもつが、これとは大きく異なる別個のファミリーからなる(Hanks,S.K.ら 、Science 241:42-52,1988)。 チロシンキナーゼの活性変化を導くメカニズムは、膜貫通トポロジーをもつレセ プター型チロシンキナーゼについてよく理解されている(Ullrich,A.ら、前出 )。このようなキナーゼでは、これらの酵素の細胞外ドメインへの特異的リガン ドの結合がそのオリゴマー化を誘導し、チロシンキナーゼの活性を増強し、シグ ナル変換経路を活性化すると考えられている(Ullrich,A.ら、前出)。この活 性の重要性は、突然変異や過発現によるキナーゼ活性の制御障害が癌遺伝子によ る転換のメカニズムであるという知見によって支持されている(Hunter,T.ら 、前出;Ullrich,A. ら、1990,前出)。 2.2.PTPアーゼ タンパク質ホスファターゼは少なくとも2つの別個で異なるファミリーからな る(Hunter,T.Cell,58:1013-1016,1989)。すなわち、タンパク質セリン/ スレオニンホスファターゼ、およびタンパク質チロシンホスファターゼである。 セリン/スレオニン特異的酵素とチロシン特異的酵素との間にはっきりした配列 類似性が見られるタンパク質キナーゼとこの点において対照的である。 PTPアーゼ分子には2種類あると思われる。第1の群は1つの保存されたホ スファターゼ触媒ドメインを含む小さい可溶性酵素からなり、(1)胎盤PTP アーゼIB(Charbonneau,H.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.86:5252-5256,198 9;Chernoff,J.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2735-2789,1990)、( 2)T細胞PTPアーゼ(Cool,D.E.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:52 57-5261,1989)、および(3)ラット脳PTPアーゼ(Guan,K.ら、Proc.Na tl.Acad.Sci.USA 87:1501-1505,1990)を含む。 第2の群はR−PTPアーゼまたはRPTPと呼ばれる、より複雑なレセプタ ー結合PTPアーゼからなり、これらは高分子量であって56〜57アミノ酸で 隔てられたタンデムに繰り返される2つの保存ドメインを含む。RPTPの1例 としては、白血球共通抗原(LCA)(Ralph,S.J.,EMBO J.6:1251-1257,19 87;Charbonneau,H.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85:7182-7186,1988) が挙げられる。CD45、T200およびLy− 5としても知られるLCA(Thomas,M.L..,Ann.Rev.Immunol.7:339-369,1 989に総説されている)は、造血細胞(後期赤血球を除く)においてのみ発現す る1群の膜糖タンパク質からなり、これらは共通の遺伝子がタンパク質のアミノ 末端を巻き込む選択的スプライシングによって生じたものである。CD45の正 確な機能は未知であるが、この抗原が細胞毒性Tリンパ球とナチュラルキラー細 胞の活性、IL−2レセプター発現、B細胞分化、ならびにTリンパ球増殖を含 む多くのプロセスに関与することが多数の研究により示された(Pingel,J.T. ら、Cell 58:1055-1065,1989)。 RPTPの他の例としては、LCA関連タンパク質、LAR(Streuli,M.ら 、J.Exp.Med.,168:1523-1530,1988)、およびLAR関連ショウジョウバエ タンパク質DLARおよびDPTP(Streuli,M.ら、Proc.Natl.Acad.Sci .USA,86:8698-8702,1989)が挙げられる。Jirikらはヒト肝芽腫細胞系 HepG2由来のcDNAライブラリーをLCAの2つのPTPアーゼドメイン をコードするプローブでスクリーニングし(FASEBJ.4:A2082,1990,abstr.22 53)、He−PTPと呼ばれる新規RPTPをコードするcDNAクローンを見 いだした。He−PTP遺伝子は各種のヒトおよびマウス細胞系と組織において 発現するように思われる。 我々はPTPアーゼの構造と多様性について理解し始めてはいるが、その細胞 機能については未だ未知のことが多い。小さい可溶性PTPアーゼ酵素は“ハウ スキーピング”機能をもつことが示唆されている(Tonks,N.K.ら、Biochemist ry,27:8695-8701, 1988)。他方、RPTPは細胞膜に位置しており細胞外リガンドによる制御を受 ける可能性があるため、より限定された活性をもつことが予想される。T細胞に おけるLCA(CD45)の役割に関して、LCAの発現が不十分なT細胞クロ ーンは、特定抗原またはCD3の架橋によって剌激されたときに増殖できないこ とが見いだされた(Pingel,J.T.ら、前出)。PTPアーゼ架橋は、ヒトT細 胞におけるT細胞レセプターCD3に媒介される活性化を阻害する(Kiener,P. A.ら、J.Immunol.143:23-28,1989)。 LCAのPTPアーゼ活性はリンパ球特異的PTKアーゼであるpp56lckの 活性化に関与する(Mustelin,T.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:6302-63 06,1989;Ostergaard,H.L.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:8959-8963 ,1989)。これらの著者は、LCAのホスファターゼ活性がC末端チロシン残基 の脱リン酸化によってpp56lckを活性化し、これが次にT細胞活性化に関与 するとの仮説を提唱した。 人工基質に対する酵素活性にLCA中の4つの保存システイン(ホスファター ゼドメイン1個当たり2つ)のうちのどれが必要なのかを決定するために、部位 特異的突然変異誘発を用いてStreuliら(1989、前出)はLCAの1つの システイン残基(LCAホスファターゼドメイン1の残基177)のみが活性に 必須であることを見いだし、最初のホスファターゼドメインのみが酵素活性をも つ可能性が大きいと示唆した。しかしながら、第2のドメインが異なる基質を脱 リン酸化できるという可能性は排除されなかった。さらに最近になって、Str euliら(EMBOJ.,9:2399-2407,1990)はLCA(およびLAR)の第2の 保 存ドメインは検出しうるホスファターゼ活性を欠いているが、該ドメイン内の配 列が基質特異性に影響しうることを確認した。 したがって、ホスホチロシン代謝をよりよく理解し、制御するためには、PT Kアーゼ活性の役割のみでなく、PTPアーゼの作用も理解しなければならない 。細胞性ホスホチロシンの上昇は、チロシンキナーゼ自体の活性化以外のメカニ ズムによって起こるのかも知れない。例えば、チロシンキナーゼではなく、v− crk癌遺伝子の発現が、ほとんど理解されていないメカニズムによってチロシ ン残基のリン酸化を誘導する(Mayer,B.J.ら、Nature 332:272-275,1988)。 このような結果は基質の突然変異または細胞性ホスファターゼ活性の全般的低下 、特に細胞性チロシンホスフェートの通常は高い代謝回転速度の低下によるもの である可能性がある(Sefton,B.M.ら、Cell 20:807-816,1980)。チロシンホ スファターゼ阻害剤が細胞を“可逆的にトランスフォーム”できることが立証さ れた(Klarlund,J.K.,Cell 41:707-717,1985)ことによって後者の可能性が 示唆される。したがって、PTPアーゼは劣性発癌遺伝子として働きうる。 チロシンの脱リン酸化がそれ自体重要な制御メカニズムとして機能しうること が明らかとなりつつある。C末端チロシン残基の脱リン酸化はsrcファミリー のチロシンキナーゼにおけるチロシンキナーゼ活性を剌激する(Hunter,T.,Ce ll49:1-4,1987)。チロシン脱リン酸化がMPF(成熟促進因子)キナーゼの分 裂活性化に必須のステップであることが示唆されてきた(Morla,A.O.ら、Cell 58:193-203,1989)。最後に、下等真核生物の遺伝分析により、細胞生理学に おけるセリンホスファターゼ の極めて重大な役割が確認された(Cyert,M.S.ら、Cell 57:891-893,1989) 。これらの観察はPTPアーゼ活性を制御するメカニズムの理解を深める必要性 を指摘する。 細胞増殖、分化および発癌のメカニズムを十分理解するために、これらのPT PアーゼおよびRPTP膜レセプターの間の構造と機能の相関をさらに描写する 必要のあることは明瞭である。 3.発明の概略 本発明者は、抗発癌遺伝子の可能性としての、また膜貫通シグナリングの新し く発見されたメカニズムにおける作動体(effector)としての、細胞制御メカニ ズムにおけるRPTPの役割を考え、このようなプロセスに関与すると思われる 個々のRPTP遺伝子およびタンパク質を研究し、ここに膜貫通トポロジーを有 する、RPTPファミリーメンバーの1つである新規な、広範に発現されるRP TPγの同定を記述する。このRPTPファミリーメンバーの細胞外ドメインは RPTPβには関係があるが、従来報告されている他のいずれのRPTPとも無 関係である。レセプターチロシンキナーゼとある程度類似する新規RPTPγは 、細胞外部分に結合する細胞外リガンドによって直接制御される。 したがって本発明は、ヒトレセプター型タンパク質チロシンホスファターゼ− γ(RPTPγ)タンパク質または糖タンパク質分子、ヒトRPTPγの機能的 誘導体、または他の哺乳動物種におけるヒトRPTPγの相同体を提供する。R PTPγ分子が天然由来のものである場合には、それが生来関連するその他のタ ンパク質または糖タンパク質を実質的に含まない。RPTPγは哺乳動物の脳で 天然に発現し、発生学的かつ解剖学的に制御されて いる。RPTPγは肺、腎臓、心臓、骨格筋、肝臓、脾臓および精巣でも発現す る。本発明のRPTPγ分子は天然由来でなくともよく、化学的方法または組換 え法などで製造できる。したがって、本発明の実質的に純粋なRPTPγタンパ ク質または糖タンパク質は天然由来のタンパク質または糖タンパク質の生化学的 精製によって製造することができるし、または化学合成によっても、あるいは原 核または真核生物宿主中で組換え法によって発現させることによっても製造でき る。 特に、本発明は図4に示すヒトRPTPγのアミノ酸配列(配列番号2)を有 するRPTPγタンパク質または糖タンパク質に関する。別の態様において、そ の機能的誘導体が提供される。 本発明はさらに,RPTPγをコードするヌクレオチド配列から実質的になる 核酸分子、好ましくはDNAに関する。この核酸分子は、好ましくはヒトRPT Pγまたはその機能的誘導体をコードする。上記DNA分子は好ましくは配列番 号1からなる。このDNA分子は好ましくはcDNAまたはゲノムDNAである 。本発明はさらに、発現ベクターの形における該DNA分子、ならびに該DNA 分子で形質転換またはトランスフェクションされた原核および真核生物宿主に関 する。 また、本発明はRPTPγタンパク質または糖タンパク質、あるいはその機能 的誘導体の製造法を含み、該方法は、 (a)上記タンパク質、糖タンパク質または機能的誘導体を培養条件下で発現す ることができる宿主を培養し; (b)上記タンパク質、糖タンパク質または機能的誘導体を発現させ;そして (c)培養物から上記タンパク質、糖タンパク質または機能的誘導体を回収する 、 ことを含む。 本発明はまた、RPTPγタンパク質または糖タンパク質に特異的なポリクロ ーナル、モノクローナルまたはキメラの抗体に関する。 本発明はまた、細胞中または被験者中の正常または突然変異RPTPγをコー ドする核酸の存在を検出する方法に関し、該方法は、 (a)被験者由来の細胞またはその抽出物を、正常または突然変異RPTPγの 少なくとも一部をコードするオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイゼーシ ョン条件下に接触させ;そして (b)細胞中の核酸へのプローブのハイブリダイゼーションを測定し、これによ って核酸、好ましくはDNAの存在を検出する、 ことを含む。 アッセイ前にポリメラーゼチェインリアクションによってDNAを選択的に増幅 することができる。 本発明はさらに、1または複数の細胞中のRPTPγの存在を検出し、あるい はこれを定量する方法に関し、該方法は、 (a)細胞またはその抽出物をRPTPγのエピトープに特異的な抗体と接触さ せ;そして (b)上記抗体の細胞またはその抽出物への結合を検出し、あるいは結合抗体を 定量し、 これによってRPTPγの存在を検出し、あるいはこれを定量する、ことを含む 。 本発明はまた、化学的または生物学的調製物からRPTPγと結合しうる化合 物を同定および単離する方法に関し、該方法は、 (a)RPTPγまたはそのリガンド結合部分を固相マトリックスに結合させ; (b)化学的または生物学的調製物を固相マトリックスと接触させて化合物を結 合させ、次いで未結合物質を洗い流し; (c)固相マトリックスに結合した化合物の存在を検出し;そして単離を目的と して (d)結合化合物を溶出して化合物を単離する、 ことを含む。 最後に、本発明はRPTPγのホスファターゼ酵素活性を剌激または阻害する ことのできる薬剤を同定する方法を含み、該方法は、 (a)純粋形態、膜調製物形態、または全生細胞または固定細胞の形態のRPT Pγと薬剤とを接触させ; (b)工程(a)の混合物を十分な時間インキュベートし; (c)RPTPγの酵素活性を測定し; (d)該酵素活性を上記薬剤なしでインキュベートしたRPTPγの酵素活性と 比較し、 これによって上記薬剤が酵素活性を剌激または阻害するかどうかを決定する、こ とを含む。 4.図面の説明 図1は、ポリ−A+RNAのノーザンブロット分析による異なるマウス組織に おけるRPTPγの発現を示す。図1Aでは、第 1の触媒性ドメイン、膜近傍ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞外ドメインの 最初の部分を包含するRPTPγプローブを用いてブロットを釣り上げた。図1 Bは、β−アクチンプローブを用いて釣り上げた同一のブロットを示す。 図2は、新生児および成体ラット脳中におけるRPTPγのin situハイブリ ダイゼーション分析の結果を示す。図2Aは新生児ラット脳の縦断面であり、海 馬体(H)、皮質(C)、中隔核(S)および正中線視床核(T)において最高 レベルの発現を示している。図2Bは、成体ラット脳の矢状切開図であり、海馬 体(H)において最高レベルの発現を示している。 図3は、ヒトRPTPγのヌクレオチド配列(配列番号1)および推定される アミノ酸配列(配列番号2)を示す。 図4は、ヒトおよびマウスのRPTPγのアミノ酸配列を示す。マウス配列で 異なっているアミノ酸を表示してある。ダッシュ(−)は一方の配列に無いアミ ノ酸を示す。N末端疎水性シグナルペプチド(von Heijne,G.Nuc.Acids Res .14:4683-4690,1986)および膜貫通ドメインを下線で示す。N−グリコシル化 の可能性のある部位を矢印で示す。推定上のタンパク質分解開裂部位を白抜き三 角で示す。CAHに似たドメインおよびホスファターゼドメインDIおよびDI Iは箱で囲んで示す。 図5は、RPTPγにおけるフィブロネクチン(FN)III型繰り返し配列を 示す。ヒトRPTPγのFNIII型繰り返し配列を、ヒトチロシンホスファター ゼLAR(HLAR;Streuliら、J.Exp.Med.168:1523-1530,1988)および HPTPδ(Kreugerら、EMBO J.9:3241-3252,1990)の典型的フィブロネクチ ンIII 型繰り返し配列、ヒトFNのドメインIII-7(Fbn II-7;Kornblihttら、EMBO J.4:1755-1759,1985)およびチキンコンタクチン(contactin)のFNドメイ ン(”contac”:Ranschtら、J.Cell Biol.107:1561-1573,1988)と並べて示 す。4個またはそれ以上の繰り返し配列によって共有されるアミノ酸残基は太字 で印字し、一番下の列に共通配列として示す。 図6は、RPTPγにおけるCAHに似たドメインの配列を異なる形のCAH と共に示すものである。図6Aは、ヒトおよびマウスRPTPγのCAHに似た ドメインの配列をCAHファミリーの代表的配列、すなわちヒトCAH1,2, 3(配列はSwissprot受託番号P00915,P00918およびP07451によりそれぞれ見い だされる)、ヒツジCAH−6およびワクシニアウイルスのCAHに似たドメイ ン(それぞれSwissprot受託番号P0860およびP04195)およびマウスCAH関連タ ンパク質(Genebank受託番号X6197)と並べて示す。8個の配列のうち少なくと も5個において保存されている残基を箱で囲んで示す。ヒトRPTPγの最初お よび最後のアミノ酸の位置番号を各列について示す。CAHにおいてZn結合に 関与する3個のHis残基を矢印で示す。図6Bは、ヒトおよびマウスRPTP γのCAHに似たドメインと上記6個のCAH配列の間の同一性パーセントを示 すマトリックスである。これは図6Aに示す配列から引き出したものである。 図7は、CAHの亜鉛結合部位とRPTPγモデルの推定上の金属結合部位と の比較を示す。上段は、ヒトカルボニックアンヒドラーゼにおける亜鉛結合部位 の立体図で、この酵素の第4亜鉛リガンドである水分子の方向から大まかに描い たものである(OH H263;Ericksson,A.E.ら、Proteins 4:274-282,1988参照)。亜鉛の四面体配 位に留意されたい。亜鉛からリガンド原子への結合を細い線で示す。下段は、H is94をGluに、またHis119にGlnに置換し、エネルギー最小限化 を適用した後のRPTPγドメインにおける推定上の金属結合部位の立体図(上 段の図と同じ図)を示す。ヒトカルボニックアンヒドラーゼIIの活性部位の一部 であるGlu106を、潜在的リガンドの1つとなるように回転させた。推定上 の金属の周囲の原子の平面的配置に留意されたい。Glu94とGlu106に ついて二座配位が示されている。残基の番号はすべてカルボニックアンヒドラー ゼIIによるものである。 図8は、RPTPγおよびRPTPβがレセプターチロシンホスファターゼの 新規なサブファミリーを形成することを示す。図8Aは、RPTPγおよびRP TPβのカルボニックアンヒドラーゼに似たドメインおよびFNIII型繰り返し 配列の配列を示す。並べられたCAHドメインおよびFNIII型繰り返し配列を 箱で囲んで示す。同一のアミノ酸を線で結んで示す。図8Bは、RPTPγおよ びRPTPβのサブファミリーを明確にする、保存された特徴を要約した概略図 である。RPTPγの細胞外領域および2つの形のRPTPβ(RPTPβおよ びdvRPTPβ)は、CAHに似たドメイン(CAHと表示)、FNIII型繰 り返し配列(FNと表示)および非常に低いシステインの含有量によって特徴づ けられる可変的な長さのスペーサー(太線で示す)を含有する。FNIII型繰り 返し配列に隣接する保存されたシステイン残基をマークしてある。RPTPγお よびRPTPβの細胞質領 域は2つの典型的なホスファターゼドメイン(D1およびD2と表示)を含有す る。第1ホスファターゼドメインの保存Cys残基、および第2ホスファターゼ ドメインのCys残基を置換するAsp残基が図示されている。RPTPγの潜 在的開裂部位およびRPTPβの86アミノ酸挿入配列(これは欠失変異体であ るdvRPTPβには存在しない)が示されている。 5.発明の詳細な説明 組換えDNA法を用いることにより、本発明者らは新規な哺乳動物レセプター 型(膜貫通)タンパク質チロシンホスファターゼ(PTPアーゼ;EC3.1. 3.48)を同定した。ヒトRPTPγは1445アミノ酸を有する。そのレセ プターに似た構造、ならびにこれが1つのファミリーの一部であるらしいことか ら、本発明者らはこのタンパク質をRPTPγ(レセプタータンパク質チロシン ホスフアターゼγ:eceptor rotein yrosine hosphatase−γ)と命名した。このファミリーをここでは“RPTP 類”と呼ぶ。 RPTPγは推定上の細胞外ドメイン、1つの膜貫通ドメイン、および2つの タンデムな触媒性チロシンホスファターゼドメインを有する細胞質部分をもつ。 細胞外ドメインは、亜鉛含有酵素であるカルボニックアンヒドラーゼ(CAH) と高い相同性をもつ266アミノ酸を含み、RPTPγがRPTPβ(HPTP ζ)とともにRPTPのサブファミリーであることを示唆する。本発明者らは、 さらにCAHの結晶構造に基づいて、RPTPγのCAHに似たドメインのモデ ルを構築した。CAHの活性部位を形 成する19残基のうち11個がRPTPγで保存されているように思われる。し かしながら、亜鉛原子と結合する、触媒的活性に必要とされる3個のHis残基 のうち保存されているのは1個のみである。したがって、RPTPγのCAHに 似たドメインは、代謝CO2の水和の触媒作用以外の機能をもつのかもしれない 。 RPTPγをコードする遺伝子はヒト染色体3p14.2−p21にマップされ 、これはある型の腎臓癌および肺癌においては欠失していることが判明した領域 である。このことは、本発明者らを以下の結論に導いた。すなわち、RPTPγ はそれらの癌において腫瘍抑制遺伝子として機能する可能性があるという結論で ある(LaForgiaら、Proc.Natl.Acad.Sci.885036-5040,1991も参照されたい )。 ヒトRPTPγのcDNAクローニング、ならびにヒトRPTPγおよびその マウス相同体の完全DNAおよびアミノ酸配列をここに記載する。各種細胞およ び組織におけるタンパク質の天然の発現を同定するためにノーザン分析を用いた 。RPTPγ/HPTPγの触媒性ドメインの部分的cDNAクローンは、以前 に記述されている(本願と同一出願人による米国特許出願第07/654,18 8、本願はこれに基づいて優先権主張している;Kaplanら、Proc.Natl.Acad. Sci.87:7000-7004,1990;Kruegerら、EMBO J.9:3241-3252,1990)。 RPTPγはラット脳の解剖学的に異なる複数の領域で発現しており、この 発現は発生学的に制御されていることが見いだされた。 驚くべきことに、酵素活性をもつ細胞内ドメインを含むことに 加えて、RPTP類が属するレセプターファミリーは、チロシンキナーゼ酵素フ ァミリーと同様にN末端細胞外ドメインをもつ膜貫通タンパク質を含む(Tonks ,N.K.ら、Biochemistry 27:8695-8701,1988;Charbonneau,H.ら、Proc.Na tl.Acad.Sci.USA 85:7182-7186,1988;Streuli,M.ら、J.Exp.Med.168: 1523-2530,1988;Streuli,M.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:8698-8702 ,1989)。したがって本発明者らは、細胞外環境におけるリガンドがこのPTP アーゼの膜関連サブクラスの活性を制御しうると結論した。 RPTPγは、PTPアーゼ酵素活性を活性化または阻害することができ、こ のため細胞代謝の主要経路に影響を及ぼす医薬およびその他の薬剤をスクリーニ ングするのに有用である。完全なRPTPγまたはそのリガンド結合部分を固相 マトリックスに結合させることによりアフィニティープローブを作り出し、これ をその結合活性に基づいて生物学的産物または化学薬剤を、レセプターと相互作 用する能力についてスクリーニングするのに用いることができる。次いで結合物 質をアフィニティープローブから精製された形で溶出することができる。 固相マトリックスまたは担体へのタンパク質およびペプチドの結合法、これら の方法に使用できる固相マトリックス材料、ならびに溶出法は当業者に周知であ る。 RPTPγタンパク質または酵素活性をもつその誘導体を、ホスファターゼ活 性を増強または阻害できる薬剤または化合物の試験に使用することができる。試 験される化合物のホスファターゼ活性を修飾する能力は、精製RPTPγタンパ ク質、または酵素 的に活性なその誘導体に試験化合物を添加するインビトロ系で試験することがで き、酵素活性に及ぼす影響を当業者に公知の酵素学的標準法を用いて測定できる 。 あるいは、RPTPγの酵素活性に及ぼす化合物の作用は、生細胞または固定 細胞を用いる全細胞調製物中で、あるいは生細胞または固定細胞由来の膜画分中 で測定することができる。この方法は、タンパク質の細胞外レセプター部分を介 して作用する化合物およびタンパク質の酵素部分に直接作用する化合物をスクリ ーニングするのに有用である。試験化合物を、大量のRPTPγを発現する細胞 、例えばトランスフェクションしたCOSまたはNIH−3T3細胞、またはそ れに由来する膜調製物、とともにインキュベートする。次に当分野で公知の方法 (Honegger,A.M.ら、Cell 51:199-209,1987;Margolis,B.ら、Cell 57:110 1-1107,1989)を用いて細胞性ホスホチロシンの量を測定する。結果を試験化合 物不在下で得られる結果、あるいは既知のRPTPγ酵素活性の活性剤の不在ま たは存在下で得られる結果と比較する。このような研究において、チロシンキナ ーゼ活性剤の存在下における試験化合物の作用を測定することもできる。RPT Pγ酵素活性を剌激する化合物はホスホチロシン量を正味で減少させ、他方RP TPγ酵素活性を阻害する化合物はホスホチロシン量を正味で増加させる。 上皮増殖因子(EGF)や血小板由来増殖因子(PDGF)のレセプター等の チロシンキナーゼである成長因子レセプターの場合には、チロシンリン酸化が細 胞増殖や癌遺伝子による転換と関連する。脱リン酸化を導くPTPアーゼの活性 化は増殖を防止ま たは阻害する逆制御メカニズムとして作用し、癌に対する内因性制御メカニズム として作用するかも知れない。したがって、このレセプター/酵素系の突然変異 または制御障害は癌への感受性(susceptibility)を促進する可能性がある。 インスリンレセプターもチロシンキナーゼであり、インスリンレセプターをも つ細胞におけるチロシンリン酸化は正常な生理学的機能と関連している。細胞増 殖や癌の場合とは対照的に、RPTP活性化はインスリン効果を妨害する。正常 以下のRPTPレベルまたは酵素活性は正常な逆制御メカニズムを除去する作用 を及ぼす。しかし、さらに重要なことは、RPTPγなどのRPTPの過剰活性 または不適当な活性化は、細胞へのインスリンの作用を部分的または全体的に阻 害し(インスリン耐性種)糖尿病に至らせることが予期されることである。した がって、糖尿病への感受性はRPTPγの制御障害と関連するのかも知れない。 よって、本発明の正常または突然変異RPTPγ遺伝子を同定する方法、ある いは細胞または組織と関連するRPTPγの量または活性を測定する方法は、癌 、糖尿病、または細胞性ホスホチロシン代謝の変化と関連する他の疾患への感受 性を同定する方法として用いることができる。 本発明は、細胞または被験者中の正常または突然変異RPTPγの存在または レベルを評価する方法を提供する。個体中におけるRPTPγの不在、またはよ り典型的にはRPTPγの低発現、あるいは突然変異RPTPγの存在は、癌遺 伝子による転換への感受性および癌発生の重要な予告として用いることができる 。あるいは、おそらくは負の制御に鈍感な突然変異レセプター/酵素 系によるか、または体内の剌激性リガンドの過剰によるRPTPγの過剰発現は 、糖尿病への感受性の重要な予告として用いることができる。 RPTPγ配列の一部(以下参照)をコードするDNA配列に対応するオリゴ ヌクレオチドプローブが、被験者の細胞中におけるRPTPγをコードするDN AまたはRNA配列の存在を試験するのに使用される。好ましいプローブはRP TPγの少なくとも4個のアミノ酸残基、好ましくは少なくとも5個のアミノ酸 残基をコードする核酸配列に向けられたものである。このようなプローブを用い て定性または定量アッセイを実施できる。例えば、細胞または組織調製物中にお けるRPTPγ mRNAの発現を測定するためにノーザン分析を用いる(下記 の第7節参照)。 個体からごく少量のDNAしか得られない場合でも、選択的増幅法を用いた後 で上記方法を使用できる。精製核酸断片を増幅することのできる組換えDNA法 が古くから公知である。典型的には、このような方法は、DNAまたはRNAベ クターへの核酸断片の導入、ベクターのクローン増幅、および増幅された核酸断 片の回収を含む。このような方法の例は、Cohenら(米国特許第4,237 ,224号)、Sambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual ,Second Edition,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY,1989 )に開示されており、これら文献をここに参照として包含する。 上記のような所望の核酸分子の濃度を増加することのできるインビトロの酵素 的方法は“ポリメラーゼチェインリアクション”または“PCR”と呼ばれる( Mullis,K.ら、Cold Spring Harb or Symp.Quant.Biol.51:263-273,1986;Erlich,H.ら、欧州特許第50, 424号;欧州特許第84,796号;欧州特許第258,017号;欧州特許 第237,362号;Mullis,K.,欧州特許第201,184号;Mullis,K. ら、米国特許第4,683,202号;Erlich,H.,米国特許第4,582,7 88号;およびSaiki,R.ら、米国特許第4,683,194号)。 PCRは、特定核酸配列が以前に精製されていなくても、また特定試料中に1 コピーしか存在しなくても、該特定配列の濃度を選択的に増加する方法を提供す る。この方法は1本鎖または2本鎖DNAを増幅するのに使用できる。この方法 は、所望の核酸分子の鋳型依存的ポリメラーゼ媒介性複製に2つのオリゴヌクレ オチドプローブをプライマーとして用いる。 この方法を成功させるには、PCR法の2つのオリゴヌクレオチドプローブの 厳密な性質が非常に重要である。核酸分子の5’ヌクレオチド3リン酸から3’ ヒドロキシ末端までを添加することによって核酸分子のポリメラーゼ依存的増幅 が進行する。したがって、ポリメラーゼの作用は核酸分子の3’末端を伸長させ る。これらの固有の性質をPCRのオリゴヌクレオチドプローブの選択に利用す る。プローブのオリゴヌクレオチド配列は、増幅しようとする特定核酸配列に隣 接する配列と同一またはこれと相補的な配列を含むように選択する。より具体的 には、“第1”プローブのオリゴヌクレオチド配列は、所望配列の3’に位置す るオリゴヌクレオチド配列とハイブリダイズできるように選択し、また“第2” プローブのオリゴヌクレオチド配列は所望領域の5’に存在する配列と同一のオ リゴヌクレオチド配列を含むように選択 する。どちらのプローブも3’水酸基をもっており、核酸合成のプライマーとし て使用できる。 PCR反応条件は(a)ハイブリダイゼーションと核酸ポリメライゼーション を促進する条件、と(b)2本鎖分子の変性を起こす条件とを繰り返す。反応の 第1段階では、存在するすべての2本鎖分子を変性するために試料の核酸を短時 間加熱し、次いで冷却する。次いで所望する核酸分子の濃度よりも大過剰濃度の “第1”および“第2”プローブを加える。ハイブリダイゼーションとポリメラ イゼーションを促進する条件下で試料をインキュベートすると、増幅すべき配列 の3’位で、“第1”プローブが試料の核酸分子とハイブリダイズする。もしも 試料の核酸分子が最初2本鎖であるときには、増幅しようとする配列と相補的な 配列の3’位で、“第2”プローブが核酸分子の相補鎖とハイブリダイズする。 ポリメラーゼを添加すると、“第1”プローブと(もしも核酸分子が2本鎖であ るならば)“第2”プローブの3’末端が伸長される。“第1”プローブの伸長 は所望核酸と同一の配列をもつオリゴヌクレオチドの合成をもたらす。“第2” プローブの伸長は所望核酸と相補的な配列をもつオリゴヌクレオチドの合成をも たらす。 PCR反応では、“第1”プローブの伸長産物が必然的に“第2”プローブの 配列と相補的な配列を含み、したがって“第2”プローブの伸長産物のための鋳 型として作用しうるので、特定核酸配列の指数関数的増幅が可能である。同様に 、“第2”プローブの伸長産物は必然的に“第1”プローブの配列と相補的な配 列を含み、したがって“第1”プローブの伸長産物のための鋳型と して作用しうる。よって、ポリメライゼーションと変性の繰り返しを実施するこ とにより所望の核酸分子濃度が幾何学的に増加する。PCRの総説はMullis,K. B.,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.51:263-273,1986;Saiki,R.K. ら、BioTechnology 3:1008-1012,1985;および Mullis,K.B.ら、Meth.Enzymo l.155:335-350,1987を参照されたい。 ある態様においては、本発明は天然由来の哺乳動物RPTPγに関する。別の 態様においては、本発明は組換え哺乳動物RPTPγに関する。本発明の好まし い哺乳動物RPTPγはヒト由来である。本発明は、それが生来関連するその他 のタンパク質を実質的に含まない天然由来の分子を提供する。“他のタンパク質 または糖タンパク質を実質的に含まない”とは、それが生来関連するその他のタ ンパク質または糖タンパク質を含まないように、少なくとも90%(重量基準で )、そして所望であれば少なくとも99%までタンパク質が精製されており、し たがって実質的にこれらを含まないということを意味する。これはRPTPγを 含む細胞、組織または液体を該タンパク質に特異的な抗体を担持する免疫吸着カ ラムなどの標準的タンパク質精製法に付すことによって達成できる。別のアフィ ニティー精製ではRPTPの酵素ドメインと結合できる固相基質またはレセプタ ードメインと結合するリガンドを使用する。あるいは、硫酸アンモニウム沈殿、 モレキュラーシーブクロマトグラフィー、およびイオン交換クロマトグラフィー などの標準法を組み合わせて精製できる。 本発明のRPTPγは種々の細胞または組織源から生化学的に精製しうること が理解できよう。天然由来のRPTPγを調製す るには哺乳動物の脳などの組織、特にヒト由来のものが好ましい。 あるいは、RPTPγ遺伝子は単離または合成しうるので、原核生物中または 所望であれば非哺乳動物真核生物中で、他の哺乳動物タンパク質または糖タンパ ク質を実質的に含まないポリペプチドを合成できる。本発明が意図するように、 例えばトランスフェクションされたCOS、NIH−3T3、またはCHO細胞 などの哺乳動物細胞中で産生される組換えRPTPγ分子は天然のアミノ酸配列 をもつタンパク質であるか、あるいはその機能的誘導体である。天然のタンパク 質または糖タンパク質を組換え法で生産する場合には、それが生来関連する他の タンパク質および糖タンパク質を実質的に含まない形で提供される。 あるいは、固相支持体上で所望の配列をもつポリペプチドを合成し、次いで支 持体から分離する方法が公知である。 本発明はRPTPγの多数の“機能的誘導体”の任意のものを提供する。“機 能的誘導体”とはRPTPγの“断片”、“変種”、“類似体”、または“化学 誘導体”を意味し、これらの用語は以下に定義する。機能的誘導体は(a)特定 抗体への結合、(b)ホスファターゼ酵素活性、または(c)細胞外“レセプタ ー”ドメインのリガンドへの結合などのRPTPγの機能の少なくとも一部を保 持しており、本発明で使用しうる。 RPTPγの“断片”とは分子の任意のサブセット、すなわちより短いペプチ ドをいう。 RPTPγの“変種”とは全ペプチドまたはその断片のいずれかと実質的に類 似の分子をいう。変種ペプチドは当分野で公知の方法を用いて変種ペプチドの直 接的化学合成により簡便に調製で きる。 あるいは、ペプチドのアミノ酸配列変種は合成ペプチドをコードするDNAの 突然変異によって調製できる。このような変種は例えばアミノ酸配列中の残基の 欠失、挿入または置換を含む。最終構築物が所望の活性を有する限り、欠失、挿 入および置換のいかなる組み合わせも最終構築物の達成に用い得る。変種ペプチ ドをコードするDNA中に引き起こされる突然変異はリーディングフレームを変 更してはならず、また好ましくは第2のmRNA構造をもたらす相補的領域を作 り出さないものであることは自明である(欧州特許出願公開EP75,444参 照のこと)。 遺伝子レベルでは、これらの変種は通常タンパク質またはペプチド分子をコー ドするDNA中のヌクレオチドの部位特異的突然変異誘発(例えばAdelmanら、D NA 2:183,1983参照)を行い、これによって変種をコードするDNAを作り出し 、その後該DNAを組換え細胞培養で発現させることにより調製できる。変種は 典型的には非変種ペプチドと同じ性質の生物学的活性を示す。 RPTPγの“類似体”とはRPTPγの全分子またはその断片のいずれかと 実質的に類似の非天然分子をいう。 RPTPγの“化学誘導体”は、通常ペプチドの一部ではない付加的化学部分 を含む。RPTPγタンパク質またはそこから誘導されたペプチドの共有結合修 飾が本発明の範囲に含まれる。ペプチド中の標的とするアミノ酸残基と、選択さ れた側鎖または末端残基と反応できる有機誘導体化剤とを反応させることによっ てこのような修飾を分子中に導入できる。 システイン残基は最も普通にはクロロ酢酸またはクロロアセトアミドなどのα −ハロ酢酸(および対応するアミン)と反応させて、カルボキシメチルまたはカ ルボキシアミドメチル誘導体を得る。システイン残基はまた、ブロモトリフルオ ロアセトン、α−ブロモ−β−(5−イミドゾイル)プロピオン酸、クロロアセ チルホスフェート、N−アルキルマレイミド、3−ニトロ−2−ピリジルジスル フィド、メチル2−ピリジルジスルフィド、p−クロロ水銀安息香酸、2−クロ ロ水銀−4−ニトロフェノール、またはクロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ −1,3−ジアゾールと反応させて誘導体とすることもできる。 ヒスチジン残基はジエチルピロカルボネートがヒスチジン側鎖に比較的特異的 であるので、これとpH5.5−7.0で反応させることによって誘導体とする ことができる。p−ブロモフェナチルブロミドも有用であり、反応は好ましくは pH6.0で0.1Mカコジル酸ナトリウム中で実施する。 リシンおよびアミノ末端残基はコハク酸またはその他のカルボン酸無水物と反 応させる。これらの薬剤を用いる誘導体化はリシン残基の電荷を逆にする効果を もつ。α−アミノ含有残基の誘導体化に用いるその他の適当な試薬には、メチル ピコリンイミデートなどのイミドエステル;ピリドキサールホスフェート;ピリ ドキサール;クロロボロハイドライド;トリニトロベンゼンスルホン酸;o−メ チルイソウレア;2,4−ペンタンジオン;およびグリオキシレートとのトラン スアミナーゼに触媒される反応を含む。 アルギニン残基は1または複数の慣用試薬との反応により修飾 でき、これにはフェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−シク ロヘキサンジオン、およびニンヒドリンが含まれる。グアニジン官能基の高いp Kaのために、アルギニン残基の誘導体化はアルカリ条件下で実施することが必 要である。さらに、これらの試薬はアルギニンのε−アミノ基と同様にリシンの 基とも反応する。 チロシン残基自体の特異的修飾、特に芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラ ニトロメタンとの反応によるチロシン残基へのスペクトル標識の導入はよく研究 されている。最も普通には、N−アセチルイミダゾールおよびテトラニトロメタ ンがO−アセチルチロシン種および3−ニトロ誘導体の作製にそれぞれ用いられ る。 カルボキシル側鎖基(アスパルチルまたはグルタミル)は1−シクロヘキシル −3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミドまたは1−エチル−3 −(4−アゾニア−4,4−ジメチルフェニル)カルボジイミドなどのカルボジ イミド(R’−N−C−N−R’)との反応により選択的に修飾される。さらに 、アスパルチルおよびグルタミル残基はアンモニウムイオンとの反応によりアス パラギンおよびグルタミン残基に変換される。 グルタミンおよびアスパラギン残基は温和な酸性条件下で対応するグルタミル およびアスパルチル残基にアミド分解される。これら残基のいずれの形も本発明 の範囲に包含される。 タンパク質またはペプチドを水不溶性支持体マトリックスまたはその他の高分 子担体へ架橋させるには、二官能性薬剤による誘導体化が有用である。通常用い られる架橋剤には例えば1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン 、グルタルアルデ ヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば4−アジドサリチル酸と のエステル、3,3−ジチオビス(スクシニミジルプロピオネート)などのジス クシニミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル、およびビス−N−マ レイミド−1,8−オクタンなどの二官能性マレイミドが含まれる。メチル−3 −[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミデートなどの誘導化剤は光の 存在下に架橋を形成しうる光活性化中間体を生成する。あるいは、臭化シアン− 活性化炭水化物などの反応性水不溶性マトリックスや米国特許第3,969,2 87号;3,691,016号;4,195,128号;4,247,642号 ;4,229,537号;および4,330,440号に記載の反応基質をタン パク質の固定化に使用できる。 その他の修飾にはプロリンおよびリシンのヒドロキシル化、セリンまたはスレ オニン残基の水酸基のリン酸化、リシン、アルギニン、およびヒスチジン側鎖の X−アミノ基のメチル化(T.E.Creighton,Proteins:Structure and Molecule Properties,M.H.Freemem & Co.,San Francisco,pp.79-86,1983)、N末 端アミンのアセチル化、および時にはC末端カルボキシル基のアミド化を含む。 このような誘導化部分は溶解度、吸収、生物学的半減期などを改善できる。あ るいはこのような部分はタンパク質等の好ましくない副作用を排除または軽減す る。このような効果をもたらすことのできる部分については、例えばRemington' s Pharmaceutical Sciences,16th ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,19 80に開示されている。 本発明はまた、RPTPγ、好ましくはヒトRPTPγのエピトープに特異的 な抗体に関し、さらに細胞、細胞または組織抽出物、あるいは生物学的液体中に おけるRPTPγの存在を検出し、あるいはその量または濃度を測定するために 該抗体を使用することに関する。 “抗体”という用語はポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)、 キメラ抗体、および抗イディオタイプ(抗−Id)抗体を含む。 ポリクローナル抗体は抗原で免疫感作した動物の血清由来の抗体分子の異種集 団である。上記抗原は、好ましくはRPTPγタンパク質または糖タンパク質、 それらから誘導したペプチド、またはそれらのエピトープである。 モノクローナル抗体は特異的抗原に対する抗体の実質的に同種集団である。当 分野で公知の方法によりmAbが得られる。例えばKohlerおよびMilstein,Natu re 256:495-497,1975および米国特許第4,376,110号を参照されたい。 このような抗体はIgG、IgM、IgE、IgA、およびそのサブクラスを含 む免疫グロブリンクラスのいずれかである。本発明のmAbを産生するハイブリ ドーマはインビトロまたはインビボで培養できる。高力価のmAbをインビボ生 産することが本発明の好ましい生産法である。簡単に述べると、個々のハイブリ ドーマから得た細胞をプリスタン処理したBALB/cマウスに腹腔内注射して 所望のmAbを高濃度で含む腹水を産生させる。当業者に公知のカラムクロマト グラフィー法を用いて、イソタイプIgMやIgGのmAbを腹水または培養上 澄みから精製できる。 キメラ抗体とは、分子中の異なる部分が異なる動物種由来である分子をいい、 例えばマウスmAb由来の可変領域とヒト免疫グロブリン定常領域とをもつ分子 である。キメラ抗体およびその生産法は当分野で公知である(Cabillyら、Proc .Natl.Acad.Sci.USA 81:3273-3277,1984;Morrisonら、Proc.Natl.Acad .Sci.USA 81:6851-6855,1984;Boulianneら、Nature 312:643-646,1984;Ne ubergerら、Nature 314:268-270,1985;Taniguchiら、欧州特許出願第1714 96号(1985年2月19日公開);Morrisonら、欧州特許出願第17349 4号(1986年3月5日公開);Neubergerら、PCT出願WO86/015 33(1986年3月13日公開);Kudoら、欧州特許出願第184187号( 1986年6月11日公開);Morrisonら、欧州特許出願第173494号(1 986年3月5日公開);Sahaganら、J.Immunol.137:1066-1074,1986;Robi nsonら、国際特許出願PCT/US86/02269(1987年5月7日公開 );Liuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3439-3443,1987;Sunら、Proc.N atl.Acad.Sci.USA 84:214-218,1987;Betterら、Science 240:1041-1043,1 988)。これらの文献は参照としてここに包含される。 抗イディオタイプ(抗−Id)抗体は、抗体の抗原結合部位と一般に関連する 特有の抗原決定基を認識する抗体である。抗−Id抗体は、それに対して抗−I dを調製しようとするmAbで、mAbを得たのと同じ種かつ遺伝子型(例えば マウス株)の動物を免疫感作すすることによって調製できる。免疫感作した動物 は、イディオタイプ抗原決定基に対する抗体(抗−Id抗体)を産生 することによって、免疫抗体のイディオタイプ抗原決定基を認識し応答する。抗 −Id抗体はさらに別の動物における免疫応答を誘導していわゆる抗−抗−Id 抗体を産生するための“免疫原”として使用できる。抗−抗−Id抗体は抗−I dを誘導したもとのmAbとエピトープ的に同じである。したがって、mAbの イディオタイプ抗原決定基に対する抗体を用いることにより、同じ特異性を有す る抗体を発現する他のハイブリッドクローンを同定することが可能である。 したがって、RPTPγに対して作成されたmAbはBALB/cマウスなど の適当な動物中に抗−Id抗体を誘導するのに使用できる。このような免疫マウ スからの脾臓細胞を用いて、抗−Id mAbを分泌する抗−Idハイブリドー マを作製する。さらに、抗−Id mAbはスカシ貝ヘモシアニン(KLH)な どの担体と結合させて別のBALB/cマウスを免疫するのに使用できる。これ らのマウスから得た血清は、RPTPγエピトープに特異的な、もとのmAbの 結合性をもつ抗−抗−Id抗体を含む。 したがって、抗−Id mAbはそれ自体のイディオタイプエピトープ、ある いはRPTPγのエピトープなどの評価すべきエピトープと構造的に類似の“イ ディオトープ”をもつ。 “抗体”という用語は完全な分子ならびに抗原と結合しうるFabやF(ab ’)2などのその断片を含む。FabやF(ab’)2断片は完全な抗体のFc断 片を欠いており、循環系から迅速に浄化され、完全な抗体よりも少ない非特異的 組織結合性をもつ(Wahlら、,J.Nucl.Med.24:316-325,1983)。 FabやF(ab’)2ならびに本発明で有用な抗体の他の断片は、完全な抗 体分子について開示した方法によるRPTPγの検出および定量に使用できる。 このような断片は、パパイン(Fab断片の生産に)またはペプシン(F(ab ’)2断片の生産に)などの酵素を用いるタンパク質分解開裂によって典型的に 生産される。 抗体がある分子と特異的に反応して該分子を抗体に結合させることができるな らば、抗体は該分子と“結合しうる”という。“エピトープ”という用語は、あ る抗体によって結合され、かつ該抗体によって認識されうる分子の一部をいう。 エピトープまたは“抗原決定基”は、通常アミノ酸または糖側鎖などの分子の化 学的に活性な表面群からなり、特異的三次元構造と特異的電荷をもつ。“抗原” とは、抗体によって結合されうる分子または分子の一部であって、さらに該抗原 のエピトープと結合しうる抗体産生を動物に誘導できるものをいう。抗原は1ま たは2以上のエピトープをもつ。 抗体は抗原と極めて選択的に反応し、構造が異なる多数の他の抗原とは反応し ないので、抗原特異的であると言われている。 本発明の抗体または抗体断片は、RPTPγタンパク質を発現する細胞の存在 を定量的または定性的に検出するのに使用しうる。蛍光標識抗体(下記参照)お よび光学顕微鏡、フローサイトメーター、または蛍光光度計による検出を用いる 免疫蛍光法によってこれを実施できる。このような方法では、抗体は好ましくは RPTPγの細胞外エピトープに特異的である。 本発明で使用する抗体(またはその断片)は、RPTPをイン サイチュ検出するために免疫蛍光または免疫電子顕微鏡で組織学的に使用できる 。インサイチュ検出は組織学的試料を被験者から除去し、本発明の標識抗体また は抗体断片をこのような試料に供給することにより実施できる。好ましくは、抗 体を試料に適用または重ねて供給する。このような方法を用いると、RPTPγ の存在のみでなく、試験組織中におけるその分布も決定できる。本発明を用いて 、当業者はインサイチュ検出の達成のために、実施に種々の多様な組織学的方法 (染色法など)に変更を加えられることが容易に分かるであろう。RPTPγの ためのかかるアッセイは典型的には、生物学的液体、組織抽出物、新たに採取し た細胞、または組織培養でインキュベートした細胞、等の生物学的試料を、検出 しうるように標識したRPTPγに特異的な抗体の存在下にインキュベートし、 当分野で公知の多数の方法のうち任意のものによって抗体を検出することからな る。 生物学的試料は固相支持体またはニトロセルロースなどの担体、あるいは細胞 、細胞粒子または可溶性タンパク質を固定できる他の固体支持体と共にインキュ ベートできる。次いで支持体を適当な緩衝液で洗浄し、検出しうるように標識し たRPTPγ特異的抗体で処理する。次いで固相支持体を緩衝液で2度目に洗浄 して未結合抗体を除去する。固相支持体上の結合標識量を慣用法で検出する。 “固相支持体”は抗原または抗体を結合しうるいかなる支持体でもよい。公知 の支持体または担体にはガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン 、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然および修飾セルロース、ポリアク リルアミド、およ び磁鉄鉱を含む。好ましい担体は、本発明のアッセイが行なわれる溶液に完全に 不溶性のものである。当分野で周知のいくらか可溶性の担体も使用可能である。 支持体材料は支持体結合分子が抗原または抗体と結合しうる限り実際にどのよう な構造形態をとってもよい。したがって、支持体の形態はビーズのような球状、 試験管の内側表面、またはロッドの外側表面のような円筒形でありうる。あるい は、表面はシート、試験片などのような平面であってもよい。好ましい支持体は ポリスチレンビーズを含む。当業者には抗体または抗原結合のためのその他多く の適当な担体が公知であり、また日常の実験によりこれを確認できる。 一定ロットの抗−RPTPγ抗体の結合活性は公知の方法により決定できる。 当業者であれば日常の実験により各測定のための実施可能なまた最適のアッセイ 条件を決定できる。 RPTPγ特異的抗体を検出しうるように標識する方法の1つは、抗体、ある いは抗−RPTPγ抗体と結合する第2抗体を酵素と結合させて、エンザイムイ ムノアッセイ(EIA)に用いることである。この酵素は後に適当な基質にさら すと基質と反応して、例えば分光光学的、蛍光光学的または目視手段で検出しう る化学的部分を生成する。抗体を検出しうるように標識するのに用いられる酵素 には、マレイン酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、δ−5−ステロ イドイソメラーゼ、イーストアルコールデヒドロゲナーゼ、α−グリセロホスフ ェートデヒドロゲナーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、西洋ワサビペ ルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオ キシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアー ゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グル コアミラーゼおよびアセチルコリンエステラーゼが含まれるが、これらだけに限 定されない。検出は酵素の色原体基質を用いる比色法で実施できる。検出は基質 の酵素反応の程度を、同様に調製した標準品と比較する目視比較によっても実施 できる。 その他の各種イムノアッセイによっても検出は実施できる。例えば、抗体また は抗体断片を放射性標識することにより、ラジオイムノアッセイ(RIA)によ ってRPTPγを検出できる(例えば、Work,T.S.ら、Laboratory Techniques and Biochemistry in Molecular Biology,North Holland Publishing Company ,New York,1978参照:その内容をここに参照として包含する)。放射性同位元 素はガンマカウンターまたはシンチレーションカウンターまたはオートラジオグ ラフィーなどの手段で検出できる。 抗体を蛍光化合物で標識することもできる。蛍光標識した抗体を適当な波長の 光にあるとその存在を蛍光により検出できる。最もよく用いられる蛍光標識化合 物にはフルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フ ィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルデヒドおよびフルオレスカミン がある。 抗体は、152Euやその他ランタノイド系列などの蛍光発光金属を用いて検出 しうるように標識することもできる。これらの金属はジエチレントリアミン五酢 酸(DTPA)やエチレンジアミン四酢酸(EDTA)のような金属キレート剤 を用いて抗体に結合できる。 抗体は化学発光化合物と結合させることにより検出しうるように標識すること もできる。次いで化学発光標識抗体の存在を化学反応の過程で生じる発光の存在 を検出することにより決定する。特に有用な化学発光標識化合物の例としてはル ミノール、イソルミノール、テロマティック(theromatic)アクリジウムエステ ル、イミダゾール、アクリジニウム塩およびオキサレートエステルが挙げられる 。 同様に、生物発光化合物を用いて本発明の抗体を標識することもできる。生物 発光とは、生物系に見いだされる化学発光の1種であり、触媒タンパク質が化学 発光反応の効率を増加させる。生物発光タンパク質の存在は発光の存在を検出す ることにより決定される。標識目的用の重要な生物発光化合物はルシフェラーゼ およびエクオリンである。 本発明の抗体分子は、“2部位”または“サンドイッチ”アッセイとしても知 られる免疫測定アッセイに使用できる。典型的な免疫測定アッセイでは、一定量 の非標識抗体(または抗体断片)を固体支持体に結合させ、一定量の検出しうる ように標識された可溶性抗体を加えて、固相抗体、抗原、および標識抗体の間に 形成される三元複合体を検出および/または定量する。 典型的かつ好ましい免疫測定アッセイは“フォワード”アッセイを含み、これ は固相と結合した抗体をまず試験すべき試料と接触させて、二元の固相抗体−抗 原複合体を形成することにより試料から抗原を抽出する。適当なインキュベーシ ョン期間の後、固体支持体を洗浄して未反応抗原があればこれを含む液体試料の 残りを除去し、次いで標識された第2抗体(これは“レポーター分 子”として機能する)を含む溶液と接触させる。2度目のインキュベーションに より非標識抗体を介して固体支持体に結合した抗原と標識抗体との複合体を形成 させた後、固体支持体を2度目に洗浄して未反応標識抗体を除去する。 本発明の抗原を使用しうる別の型の“サンドイッチ”アッセイでは、いわゆる “同時”および“逆”アッセイを用いる。同時アッセイでは、固体支持体に結合 した抗体と標識抗体とを試験すべき試料に同時に添加するので、インキュベーシ ョンは1回のみ行なわれる。インキュベーション終了後、固体支持体を洗浄して 液体試料の残りおよび複合体を形成しなかった標識抗体を除去する。次いで固体 支持体と結合した標識抗体の存在を慣用の“フォワード”サンドイッチアッセイ と同様に測定する。 “逆”アッセイでは、液体試料に標識抗体溶液をまず添加し、次いで適当なイ ンキュベーション期間の後に固体支持体に結合した非標識抗体を添加するという 段階的添加を用いる。2度目のインキュベーションの後、慣用法で固相を洗浄し て試験すべき試料残渣および未反応標識抗体溶液を除去する。固相支持体に結合 した標識抗体の測定を“同時”および“フォワード”アッセイで測定したように 実施する。 被験者中における正常に機能するRPTPγの存在も、チロシンホスファター ゼ活性を調べるための直接酵素アッセイによって試験できる。このような生物学 的測定は、正確な酵素活性を測定できる精製酵素を用いるか、あるいは膜調製物 、または全細胞を用いて正味のホスホチロシンレベルを測定することによりイン ビトロで実施できる。 本発明の別の態様においては、RPTPγタンパク質をコードする配列を含む核酸 分子、好ましくはDNA、及び該DNA分子を発現する方法が提供される。当業者であ れば、過度の実験をすることなく本発明の遺伝子配列とオリゴヌクレオチドを使 用して、本明細書中に記載したRPTPγ分子と配列相同性を有する、ヒトあるいは その他の哺乳動物種の追加的なRPTP分子をどのようにして同定しクローン化する か理解するであろう。さらに、本発明の遺伝子構築物を操作することにより、特 定のリガンド結合レセプタードメインを、RPTPγのトランスメンブラン部分及び 触媒部分にグラフトすることによりキメラ分子を生じることができる。そのよう なキメラ分子の非限定的な例としては、レセプター部分が表皮成長因子レセプタ ー、繊維芽細胞成長因子レセプター等であるRPTPγが挙げられる。遺伝子工学的 に製造されたキメラレセプターは当分野において知られている(例えば、Riedel ,H.et al.,Nature 324:628-670(1986)参照)。 RPTPγをコードする遺伝子構築物、その機能的誘導体、及び上記したもののよ うなキメラ分子は遺伝子治療に使用することができる。疾患を引き起こす異常あ るいは機能不全RPTPγを、正常なRPTPγをコードするDNAでトランスフェクトし た所望の系統の細胞(例えば造血細胞、ニューロン等)の注入あるいは移植によ り置換することができる。あるいは、もしくは追加的に、選択されたリガンド( 例えばEGF)を結合するレセプター部分を有するキメラRPTPγを含む細胞をその ような遺伝子治療に使用することもできる。 本発明の組換えDNA分子は種々の手段の任意のもので製造する ことができ、例えばDNAもしくはRNA合成、あるいはより好ましくは組換えDNA技 術を使用することにより製造できる。そのような分子を合成する技術は、例えば 、Wu,R.,et al(Prog.Nucl.Acid.Res.Molec.Biol.21:101-141(1978) )により開示されており、組換え体分子を構築するための手順はSambrook et al .(上出)に見られる。 RPTPγの部分を示すオリゴヌクレオチドは、そのようなタンパク質をコードす る遺伝子の存在についてのスクリーニング及びRPTPγ遺伝子のクローニングに有 用である。そのようなオリゴヌクレオチドの合成のための技術は、例えばWu,R .et al.(上出)により開示されている。 タンパク質分子はシアノゲンブロミド、あるいは例えばパパイン、キモトリプ シン、トリプシン等のプロテアーゼによりフラグメント化することができる(Oi ke,Y.,et al.,J.Biol.Chem.257:9751-9758(1982);Liu,C.,et al.,I nt.J.Pept.Protein Res.21:209-215(1983))。遺伝子コードは縮退してい るので、特定のアミノ酸をコードするのに1より多いコドンが使用され得る(Wa tson,J.D.,In:Molecular Biology of the Gene,4th Ed.,Benjamin/Cumming s Publishing Co.,Inc.,Menlo Park,CA(1987))。遺伝子コードを使用して 1以上の異なるオリゴヌクレオチドを特定することができ、これらのそれぞれは アミノ酸をコードできる。実際、特定のオリゴヌクレオチドが実際のXXX-コード 配列を構成する可能性は、異常塩基対の関係及び特定のコドンが真核生物細胞中 において(特定のアミノ酸をコードするのに)実際に使用される頻度を考慮する ことにより見積もることができ る。そのような「コドン使用のルール」はLathe,R.,et al.,J.Molec.Biol .183:1-12(1985)により開示されている。そのような「コドン使用のルール」 を用いて、RPTPγをコードすることができる理論的に「最も可能性のある」ヌク レオチド配列を含む単一のオリゴヌクレオチド、あるいはオリゴヌクレオチドの セットが同定される。 アミノ酸配列がただ1つのオリゴヌクレオチドによりコードされる場合もある が、多くの場合アミノ酸配列は類似のオリゴヌクレオチドの任意のセットによっ てコードされ得る。重要なことは、このセットのメンバーの全てはペプチドフラ グメントをコードすることができるオリゴヌクレオチドを含んでおり、従ってそ のペプチドフラグメントをコードする遺伝子と同じオリゴヌクレオチド配列を含 む可能性があるが、そのセットの1つのメンバーのみが当該遺伝子のヌクレオチ ド配列に同一のヌクレオチド配列を含むことである。このメンバーはセット中に 存在し、セットのその他のメンバーの存在下においてもDNAにハイブリダイズす ることができるので、RPTPγをコードする遺伝子をクローン化するのに単一のオ リゴヌクレオチドを使用する、同じ方法でオリゴヌクレオチドの分画化されてい ないセットを使用することができる。 RPTPγフラグメントをコードできる理論的に「最も可能性のある」配列を含む オリゴヌクレオチド、あるいはオリゴヌクレオチドのセットを使用して、「最も 可能性のある」配列または配列のセットにハイブリダイズすることができる相補 的なオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドのセットの配列が同定される 。そのような相補的配列を含むオリゴヌクレオチドをプローブとし て使用してRPTPγ遺伝子を同定し単離することができる(Sambrook et al.、上 出)。 RPTPγ遺伝子のフラグメントをコードすることができるオリゴヌクレオチドま たはオリゴヌクレオチドのセット(あるいはそのようなオリゴヌクレオチドに相 補的なオリゴヌクレオチド)は、当分野において周知の方法を使用して上記のよ うに同定され、合成される(Belagaje,R.,et al.,J.Biol.Chem.254:5765- 5780(1979);Maniatis,T.,et al.,In:Molecular Mechanism in the Contr ol of Gene Expression,Nierlich,D.P.,et al.,Eds.,Acad.Press,NY(19 76);Wu,R.,et al.,Prog.Nucl.Acid Res.Molec.Biol.21:101-141(197 8);Khorana,R.G.,Science 203:614-625(1979))。DNA合成は自動化された 合成機を使用して行うことができる。オリゴヌクレオチドプローブあるいはセッ トは、RPTPγ遺伝子を発現することができる細胞から誘導されたDNA、あるいは より好ましくはcDNA調製物に対して当分野で周知の手段によりハイブリダイズさ れる。核酸ハイブリダイゼーションの技術はSambrook et al.(上出)及びHaym es,B.D.,et al.(In:Nucleic Acid Hybridization,A Practical Approach ,IRL Press,Washington,DC(1985))により開示されており、これらの引用 文献は引用により本明細書の一部とする。上記のような技術あるいはそれらに類 似のものは、ヒトアルデヒドデヒドロゲナーゼの遺伝子(Hsu,L.C.,et al.,P roc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3771-3775(1985))、フィブロネクチンの遺伝 子(Suzuki,S.,et al.,EMBO J.4:2519-2524(1985))、ヒトエストロゲン レセプター遺伝子(Walter,P.,et al.,Proc.Natl.Acad.S ci.USA 82:7889-7893(1985))、組織型プラスミノーゲンアクチベータ(Penn ica,D.,et al.,Nature 301:214-221(1983))及びヒト分娩日胎盤アルカリ ホスファターゼ相補的DNA(Kam,W.,etal.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82: (715-8719(1985))のクローニングを成功裏に可能としている。 RPTPγ遺伝子をクローニングする別の方法においては、(RPTPγを発現できる 細胞からの)DNA、あるいはより好ましくはcDNAを発現ベクター中にクローン化 することにより、発現ベクターのライブラリーを作製する。次にそのライブラリ ーを、抗RPTPγ抗体に結合するタンパク質を発現することができ、RPTPγの全体 あるいは部分と同じアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができ るヌクレオチド配列を有するメンバーについてスクリーニングする。この態様に おいては、DNA、あるいはより好ましくはcDNAをRPTPγタンパク質を発現できる 細胞から抽出し精製する。精製されたcDNAをフラグメント化し(剪断、エンドヌ クレアーゼ消化等により)、DNAまたはcDNAフラグメントのプールを生成する。 このプールからのDNAまたはcDNAフラグメントを次に発現ベクター中にクローン 化し、そのメンバーのそれぞれがユニークなクローン化DNAまたはcDNAフラグメ ントを含む発現ベクターのゲノムまたはcDNAライブラリーを生成する。 「発現ベクター」は、(適当な転写及び/または翻訳制御配列の存在により) ベクター中にクローン化されたDNA分子を発現することができ、それによりペプ チドまたはタンパク質を生成できるベクターである。クローン化された配列の発 現は、発現ベクターが適当な宿主細胞中に導入されたときに起こる。原核生物発 現 ベクターを使用した場合には、適当な宿主細胞はクローン化された配列を発現で きる任意の原核生物細胞である。真核生物発現ベクターを使用した場合には、適 当な宿主細胞はクローン化された配列を発現できる任意の真核生物細胞である。 重要なこととして、真核生物DNAは介在配列を含み得、そのような配列は原核生 物細胞中で正確にプロセシングされ得ないので、RPTPγを発現し得る細胞からの cDNAを使用して原核生物ゲノム発現ベクターライブラリーを生成することが好ま しい。cDNAの調製方法及びゲノムライブラリーを生成するため方法はSambrook e t al.(上出)により開示されている。 本発明のRPTPγまたはその機能的誘導体をコードするDNA配列は、結合のため の平滑末端化あるいは付着末端化された末端、適当な末端を与えるための制限酵 素消化、適当な接着末端の充填、望ましくない結合を防止するためのアルカリホ スファターゼ処理及び適当なリガーゼによる結合を含む慣用の技術によりベクタ ーDNAと組換えることができる。そのような操作のための技術はSambrook et al .(上出)により開示されており、当分野で周知のものである。 例えばDNAのような核酸分子は、転写及び翻訳制御情報を含むヌクレオチド配 列を含み、そのような配列がポリペプチドコード配列に「作用可能なように結合 されている」ときに、ポリペプチドを「発現することができる」。作用可能な結 合とは、制御DNA配列及びコード配列が遺伝子発現を可能とするような形で連結 されている結合である。遺伝子発現に必要とされる制御領域の正確な性質は生物 によって異なるが、一般的にはプロモーター領域を 含み、これは原核生物においてはプロモーター(これはRNA転写の開始の指示を 出す)と、RNAに転写されたときにタンパク質合成開始のシグナルを発するDNA配 列の両方を含んでいる。そのような領域は通常、転写と翻訳の開始に関与する5 '-非コード配列、例えばTATAボックス、キャップ配列、CAAT配列等を含んでいる 。 所望の場合には、非コード領域3'からコード配列は上記の方法により得られ る。この領域はその転写終結制御配列のために保持され得、例えば終結及びポリ アデニル化のために保持され得る。即ち、DNAコード配列に通常隣接する3'-領 域を保持することにより、転写終結シグナルを与えることができる。タンパク質 の発現に使用した宿主細胞中で転写終結シグナルが十分に機能的でない場合は、 宿主細胞中の3'領域機能を置き換えることができる。 2つのDNA配列(例えばプロモーター領域配列及びRPTPγコード配列)は、こ れらの2つのDNA配列の間の結合の性質が、(1)フレームシフト変異の導入を起 こさず、(2)RPTPγコード配列の転写を制御するプロモーターの能力を妨害し ない場合に、作用可能なように結合されているといわれる。プロモーター領域は 、プロモーターがコード配列の転写を行うことができるならばDNAコード配列に 作用可能なように結合されている。即ち、タンパク質を発現するためには、適当 な宿主により認識される転写及び翻訳シグナルが必要である。「作用可能なよう に結合する」ためには、2つの配列が互いに直接隣接している必要はない。 プロモーターは、RNAポリメラーゼに結合し、「作用可能なように結合した」 核酸コード配列の転写を促進することができる2本鎖DNA(またはRNA)分子であ る。本明細書で使用するように、 「プロモーター配列」は、RNAポリメラーゼにより転写されたDNA(またはRNA) のその鎖に見られるプロモーターの配列である。「プロモーター配列相補物」は 、「プロモーター配列」の相補物である配列を有する。従って、1本鎖「プロモ ーター配列相補物」に隣接したプライマーDNAもしくはRNA、または「プロモータ ー配列」の延長時に、その延長が「プロモーター配列」または「プロモーター配 列相補物」に向かって進行する場合、機能的なプロモーターを含むことになる2 本鎖分子が形成される。この機能的なプロモーターは、「プロモーター配列」を 含む2本鎖分子のその鎖(「プロモーター配列相補物」を含む分子のその鎖では なく)に作用可能なように結合した核酸分子の転写の指示を与える。 ある種のRNAポリメラーゼはそのようなプロモーターについて高い特異性を示 す。バクテリオファージT7、T3及びSP-6のRNAポリメラーゼは特によく特性化さ れており、高いプロモーター特異性を示す。これらのRNAポリメラーゼのそれぞ れについて特異的なプロモーター配列はまたポリメラーゼに2重DNA鋳型の1つ の鎖だけから転写を行うように指示を出す。鎖の選択はプロモーター配列の向き によって決定され、転写の向きを決定するものであり、これはRNAは3'ヒドロキ シル末端へのヌクレオチド5'リン酸の付加によってのみ酵素的に重合されるか らである。 本発明のプロモーター配列は、原核生物のもの、真核生物のもの、あるいはウ ィルスのものであってもよい。適するプロモーターは抑制可能なものであり、あ るいはより好ましくは構造的なものである。適する原核生物プロモーターの例と しては、T4ポリメ ラーゼを認識できるプロモーター(Malik,S.et al.,J.Biol.Chem.263:117 4-1181(1984);Rosenberg,A.H.et al.,Gene 59:191-200(1987);Shinedl ing,S.et al.,J.Molec.Biol.195:471-480(1987);Hu,M.et al.,Gene 42:21-30(1986))、T3、Sp6及びT7ポリメラーゼを認識するプロモーター(Ch amberlin,M.et al.,Nature 228:227-231(1970);Bailey,J.N.et al.,Pr oc.Natl.Acad.Sci.(USA)80:2814-2818(1983);Davanloo,P.et al.,P roc.Natl.Acad.Sci.(USA)81:2035-2039(1984));バクテリオファージ λのPR及びPLプロモーター(The Bacteriophage Lambda,Hershey,A.D.,Ed., Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY(1973);Lambda II,Hen drix,R.W.,Ed,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY(1980) );大腸菌のtrp、recA、熱ショック及びlacZプロモーター;バチラスズブチリ スのα−アミラーゼ(Ulmanen,I.,et al.,J.Bacteriol.162:176-182(1985 ))及びσ-28-特異的プロモーター(Gilman,M.Z.,et al.,Gene 32:11-20(1 984));バチラスのバクテリオファージのプロモーター(Gryczan,T.J.,In: The Molecular Biology of the Bacilli,Academic Press,Inc.,NY(1982)) ;ストレプトマイセスプロモーター(Ward,J.M.,et al.,Mol.Gen.Genet.2 03:468-478(1986));バクテリオファージλのintプロモーター;pBR322のβ- ラクタマーゼ遺伝子のblaプロモーター及びpPR325のクロラムフェニコールアセ チルトランスフェラーゼ遺伝子のCATプロモーター等が挙げられる。原核生物プ ロモーターは、Glick B.R.(J.Ind.Microbiol.1:277-282(1987));Cenat iempo,Y.(Biochimie 68:505-516(198 6));Watson,J.D.et al.(In:Molecular Biology of the Gene,Fourth E dition,Benjamin Cummings,Menlo Park,CA(1987)及びGottesman,S.(Ann .Rev.Genet.18:415-442(1984))により記載されている。 好ましい真核生物プロモーターとしては、マウスメタロチオネインI遺伝子の プロモーター(Hamer,D.,et al.,J.Mol.Appl.Gen.1:273-288(1982)); ヘルペスウィルスのTKプロモーター(McKnight,S.,Cell 31:355-365(1982) );SV40初期プロモーター(Benoist,C.,et al.,Nature(London)290:304-3 10(1981))及び酵母gal4遺伝子プロモーター(Johnston,S.A.,et al.,Proc .Natl.Acad.Sci.(USA)79:6971-6975(1982);Silver,P.A.et al.,Pro c.Natl.Acad.Sci.(USA)81:5951-5955(1984))等が挙げられる。上記に 挙げた引用文献の全ては引用により本明細書の一部とする。 強力なプロモーターが好ましい。そのような好ましいプロモーターの例は、T3 、SP6及びT7ポリメラーゼを認識するもの、バクテリオファージλのPLプロモー ター、recAプロモーター及びマウスメタロチオネインI遺伝子のプロモーターで ある。RPTPγの真核生物発現に最も好ましいプロモーターは、pLSVベクター中の 転写を誘導するようなSV40プロモーターである(Livneh,E.,etal.,(1986)J .Biol.Chem.261,12490-12497)。そのようなポリメラーゼ認識部位の配列は 、Watson J.D.et al.(In:Molecular Biology of the Gene,Fourth Edition ,Benjamin/Cummings Publishing Co.,Inc.,Menlo Park,CA(1987))により 開示されている。 本発明を一般的に記載してきたが、以下の実施例を参照することにより本発明 をより容易に理解することができるであろう。以下の実施例は説明のために示す ものであり、特に記載しない限り本発明を限定することを意図するものではない 。 6.実施例:RPTPγcDNAのクローンの単離及び分析 RPTPγが腫瘍抑制遺伝子として機能し得るかどうかということに関する問題を 解決するためには、ゲノム再配列及び点変異及び腫瘍細胞への野性型RPTPγの再 導入についての腫瘍の詳細なスクリーニングが必要である。これまで、RPTPγの ゲノム分析は部分配列によってしか行われていなかった(Kaplan et al.,Proc .Natl.Acad.Sci.87:7000-7004(1990))ので、本発明者らは完全長のヒトR PTPγcDNAをクローン化し、配列決定した。さらに、本発明者らは、RPTPγのマ ウス相同体をクローン化し、その組織発現、並びにその正常なインビボ機能の分 析を容易化した。 6.1ライブラリースクリーニング ヒトRPTPγ 最初のクローンは1日齢のヒト脳幹のλgtllcDNAライブラリー(the American Type Culture Collectionから得た-No.37432)から、約300,000プラークを、 両方の保存ホスファターゼホスファターゼドメインにわたるものである、ニック トランスレーションしたLCAプローブにより、緩やかなハイブリダイゼーション 条件下にスクリーニングすることにより単離した。 残りのcDNAクローンは、ヒト脳幹ライブラリーを、先に単離さ れたRPTPγのクローンからのランダムにプライムされたプローブで高いストリン ジェンシーのハイブリダイゼーション条件下にスクリーニングすることにより単 離した。 マウスRPTPγ 最初のクローンはλgtllマウス脳cDNAライブラリー(Clontech,Palo Alto,C Aから購入した)から、約百万プラークを、最初の触媒ドメインの全てにわたる ヒトRPTPγからの、ランダムにプライムされたプローブで高いストリンジェンシ ーのハイブリダイゼーション条件下にスクリーニングすることにより単離した。 残りのcDNAクローンは、マウス脳ライブラリーを、先に単離されたマウスRPTPγ のクローンからのプローブで高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション 条件下にスクリーニングすることにより単離した。 6.2ヌクレオチド配列決定 λgtllRPTPγクローンのDNA調製物をEcoRIで消化し、BlueScript SK-プラスミ ド(Stratagene,La Jolla CAより購入)中にサブクローン化した。特異的合成 オリゴヌクレオチドをプライマーとして、ジデオキシヌクレオチドチェーンター ミネーション法(Sequenase,United States Biochemical,Cleveland,OH)に よりヌクレオチド配列を決定した。クローンの全ては両方の鎖について配列決定 した。 6.3配列の整列 全てのDNA及びタンパク質データベースサーチはGenetic Comp uter Group配列分析ソフトウェアパッケージ(Devereux et al.,Nucleic Acid Res.12:387-396(1989))により行った。SwissProt and Gene Bank/European Molecular Biology LaboratoryデータベースをFASTA及びTFASTAのそれぞれによ りサーチした(Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.85:2444-2448(1 988))。Genetics Computer Groupプログラム、LINEUP、PILEUP、PRETTY及びBE STFITによりタンパク質を整列させた。 6.4.結果及び考察 ヒトRPTPγのヌクレオチド配列(配列番号1)を図3に示す。ヒトRPTPγの完 全アミノ酸配列(配列番号2)は図3及び4に示す。マウスRPTPγのアミノ酸配 列(配列番号3)は図4に示す。cDNA配列の翻訳により、ヒトRPTPγについて14 45アミノ酸、マウス相同体について1442アミノ酸のオープンリーディングフレー ムの存在が明らかになった。ヒトRPTPγ及びマウス相同体の両方における開始Me tがフレーム内で停止コドンの後にある。両方のタンパク質はシグナル配列(図 4で下線を付した)を含み、ヒトRPTPγについては736アミノ酸、マウス遺伝子 については733アミノ酸の推定細胞外ドメインを含む。ヒトRPTPγの細胞外ドメ インは、8つの推定N-結合グリコシル化部位を含み、その6つはマウス相同体に 保存されている(図4において矢印の頭部で示した)。 RPTPγの細胞外ドメインのアミノ末端領域(残基56〜322)は、酵素カルボニ ックアンヒドラーゼ(CAH)に対する顕著な配列類似性を有している。このCAH様 ドメインの前には、α及びβサブユニットを分離するインシュリンレセプターの 細胞外ドメイン中の 開裂部位(Ullrich et al.,Nature.313:756-761 (1985))に似た4つの塩基 性アミノ酸(Arg Arg Arg Lys)がある。この配列モチーフはタンパク質分解酵 素の開裂部位として機能し得(Barr,P.J.,Cell.66:1-3(1991))、同様な開 裂部位がもう1つのRPTP、LARの細胞外ドメインに同定されている(Streuli et al.,EMBOJ.11:897-907(1992);Yu et al.,Oncogene.7:1051-1057(1992) )。 前記CAH様ドメインの後には、多くの細胞表面タンパク質に見出されるモチー フである、1つのフィブロネクチン(FN)タイプIII反復が続く。RPTPγのFNタ イプIII配列と、他のタンパク質の典型的なFNタイプIII反復の整列を図5に示す 。細胞外ドメインの残りの293アミノ酸はCys残基を全く欠いており、3つの領域 、 (1)そのアミノ酸の32%がSer及びThrであるSer/Thrリッチ領域(残基442〜560 )、その後の (2)90%の荷電及び極性アミノ酸からなる領域(残基561〜662)、及び (3)いかなる公知の配列モチーフにも類似性を示さない領域にさらに分けられ る。従って、FN反復から下流の領域は、CAH様ドメインとFNタイプIII反復とをト ランスメンブラン領域から分離するスペーサーとして機能するのかもしれない。 RPTPγの細胞外ドメインの後には23アミノ酸残基からなる典型的なトランスメ ンブランドメインが続く。殆どの公知のRPTPと同様に、RPTPγの細胞内ドメイン は2つのタンデムなホスファターゼドメインを含む(Fischer et al.,Science .253:401-406(1991))。RPTPγの第2のホスファターゼドメインが位置1351 に、保 存Cys残基の代わりにであるが触媒活性に必須のAsp残基を有することは注目すべ きことである(Guan et al.,J.Biol.Chem.266:17026-17030(1991);Pot e t al.,J.Biol.Chem.267:140-143(1992))。興味深いことに、Asp残基がRP TPβ(Kaplan et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.87:7000-7004(1990))及びシ ョウジョウバエホスファターゼ99A(Yang et al.,Cell 67:661-673(1991);T ian et al.,Cell.67:675-685(1991);Hariharan etal.,Proc.Natl.Acad .Sci.88:11266-11270(1991))の同様な位置にも見出されている。さらに、R PTPγの第2の触媒ドメインは、RPTPβの対応する位置に見られるインサートと 同一の、15アミノ酸(残基1299〜1313)のインサートを含み(Kaplan et al.,P roc.Natl.Acad.Sci.87:7000-7004(1990))、これまでのところこれらの2 つのホスファターゼにユニークなものであるようである。このインサートは、位 置1308にTyr残基を含み、この前には2つのAsp残基があり、またVal残基が続い ており、これがチロシンキナーゼのリン酸化部位として機能し得ることを示唆し ている。 ヒトRPTPγ及びそのマウス相同体はヌクレオチドレベルでは90%同一で、アミ ノ酸レベルでは95%同一であり、差異の殆どは保存的な置換である(図4)。細 胞質及び細胞外ドメインの両方に顕著に高度な保存が見られる。このヒト及びマ ウスRPTPγの間の保存の程度はいくつかの他のホスファターゼ、例えばRPTPαの 細胞外部分におけるものよりも高い(Sapp et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.87 :6112-6116(1990);Kaplan et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.87:7000-7004( 1990);Krueger et al.,EMBO J.9:3 241-3252(1990);Matthews et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.87:4444-4448( 1990))。最も保存された部分は、FN反復(100%同一性)、CAH様ドメイン(97% 同一性)及びSer/Thrリッチドメイン(97%同一性)である。細胞外ドメインの残 りは殆ど保存されていない(70%同一性)。Ser/Thrリッチドメインに続く荷電及 び極性アミノ酸のクラスターが、配列保存の程度は低いとはいえ、ヒト及びマウ スRPTPγの両方に見られることは注目すべきである。CAH様ドメイン、FNタイプI II反復及びSer/Thrリッチドメインにおけるヒト及びマウス配列の同一性の高い 程度は、これらの領域が保存された生物学的機能に必要なものであることを示唆 している。 7.実施例:マウスRPTPγの発現 7.1.組織発現及びノーザン分析 これまでに記載されたようにして(Vennstrom et al.,Cell.28:135-143(19 82))、オリゴdT選択によりポリA + RNAを成体マウス組織から調製し、通常の 方法を用いてホルムアルデヒド含有ゲル上で分画化し(レーンあたり5μg)、 Nytran(Schleicher and Schuell)に移し、マウスRPTPγの第1のホスファター ゼドメイン、メンブラン隣接ドメイン、トランスメンブランドメイン及び細胞外 部分の最初の部分の全てを包含するマウスクローンMB-8及びMB-122でプロービン グした。 7.2. インサイチュハイブリダイゼーション 新鮮な凍結ラット組織をクリオスタット上で20μmの厚さの切 片に切断し、ゼラチン被覆スライド上に溶解載置した。0.1Mリン酸ナトリウム (pH 7.4)中の4%パラホルムアルデヒド中で30分間切片を固定し、0.1Mリン酸 ナトリウム(pH 7.4)で5分間3回30分間、0.1Mリン酸ナトリウムで5分間3 回、2xSSC中で10分間2回洗浄した。2種の異なるオリゴヌクレオチドプローブ 、 (1)細胞質ドメインの部分に相補的な51塩基オリゴヌクレオチド、及び (2)細胞外ドメインの部分に相補的な52塩基オリゴヌクレオチドをハイブリダ イゼーション分析において使用した。ターミナルデオキシヌクレオチジルトラン スフェラーゼ(Boehringer Mannheim)を使用して[35S]-dATP(NEN,DuPont) でオリゴヌクレオチド m)を使用して精製した。標識プローブの比活性は5x108〜1x109cpm/μgで あった。50%脱イオンホルムアミド、4xSSC、1xデンハート溶液、500 μg/ml変 性サケ精液DNA、250 μg/ml酵母tRNA及び10%硫酸デキストランを含むバッファー 中でプレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーションを行った。標識プ ローブ(1x106cpm/切片)及び10 mMジチオトレイトール(DTT)を含むハイブ リダイゼーション溶液中で、45℃において12時間組織をインキュベートした。特 異性についてのコントロールは、30倍濃度の非標識オリゴヌクレオチドを加える か、センスプローブとのハイブリダイゼーションにより、隣接する切片上で行っ た。ハイブリダイゼーションの後、切片を2xSCCを2回交換して室温で1時間、1 xSCCにより55℃で30分、0.5xSSCにより55℃で30分、0.5xSSCにより室温で15分洗 浄し、60%、80%及び100% エタノール中で脱水した。風乾した後、切片を5〜10日間、X-線フィルムに露出 した。 7.3. 結果及び考察 ノーザンブロット分析により、RPTPγは異なるマウス組織中で広く発現される ことが示された(図1)。5.5及び8.5kbの2つの主要なRPTPγ転写物は、脳、肺 、腎臓、心臓、骨格筋、肝臓、脾臓、及び精巣において検出された。約3.0kbの 別のより短い転写物が精巣において検出された。 RPTPγに構造的に関連する2つのRPTPは、RPTPβ/HPTPζ(Krueger et al., Proc.Natl.Acad.Sci.89:7417-7421(1992))及びショウジョウバエホスフ ァターゼDPTP99A(Tian et al.,Cell 67:675-685(1991);Yang et al.,Cell .67:661-673(1991),Hariharan et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.88:11266- 11270(1991))である。これらのホスファターゼは中枢神経系で特異的に発現 されるので、新生児及び成体ラットの脳におけるRPTPγの発現パターンをインサ イチュハイブリダイゼーションにより分析した。 新生児ラットにおいては、発現の最高のレベルは、海馬構成体(hippocampal formation)、中隔及び正中視床核(septal and midline thalamic nuclei)、 及び皮質(cortex)において検出された(図2A)。しかし、成体ラット脳におい ては、RPTPγは海馬構成体において高度に発現されたが(図2B)、中隔及び正中 視床核及び皮質においては発現されなかった。細胞質または細胞外ドメインから 誘導されたプローブとのハイブリダイゼーションは同様の 結果を与えた。30倍濃度の非標識オリゴヌクレオチドの添加により、全ての領域 における標識化が完全にブロックされた。さらに、センスプローブとハイブリダ イズした隣接する切片においてはシグナルは観察されなかった。これらの結果は 2つのプローブが配列特異的な形でmRNAにハイブリダイズすることを示している 。 新生児ラット脳の中隔及び正中視床核及び皮質における一時的な発現は、RPTP γの発現は発生に関連して制御されており、これらの領域の発生において役割を 果たしていることを示している。 RPTPγ及び密接に関連しているRPTPβの発現のパターンが全く異なることは注 目すべきである。胎児においては、RPTPβは脳の脳室及び脳室下領域及び脊髄に おいて発現される。成体の脳においては、RPTPβは小脳のプルキンエ細胞層、歯 状回、及び側脳室の前角の上衣下層において発現される。 8.実施例:マウスRPTPγ遺伝子のクロモソーム位置決定 マウスRPTPγをコードする遺伝子座を確定するために、マウスRPTPγの第1の 触媒ドメインを含むプローブを使用してマウスの同系交配系中の制限フラグメン ト長変異体を検索した。TaqI消化DNAのサザンブロット分析により、調べた全て の系統に保有される2.9及び1.8kbの2つのDNAフラグメント、及び2.7kb(C3H/He J,DBA/2J)または2.0kb(調べたその他の全ての系統)のフラグメントが明らか にされた。このDNA変異体の、マウスのAKXD、BXD及びBXH組換え体同系交配系統 における遺伝により、クロモソーム14の結合マップの動原体末端に近いOdc-9(6 1系統中8組換 え体)及びPlau(49系統中11組換え体)に結合する遺伝子座が確定された(表1 )。本発明者らは、前記遺伝子座の記号としてptpg(ホスホチロシンホスファタ ーゼγ)を提案するものであり、これは以前にマウスRPTPαについて割り当てら れた記号Ptpaと一貫するものである(Sapp et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.87 :6112-6116(1990))。 10μg量の肝臓または脾臓ゲノムDNAをTaqI酵素で消化し、マウスRPTPγの第1 触媒ドメインからのプローブを使用してサザンブロッティングにより分析した。 9. 実施例:RPTPγ構造の分析及びカルボニック アンヒドラーゼドメインのモデル化 9.1. カルボニックアンヒドラーゼドメインのモデル化 及びエネルギー最小化 RPTPγのカルボニックアンヒドラーゼ(CAH)ドメインを可溶性CAHの配列と整 列させた後、Evans&Sutherland and Silicon Graphicインタラクティブディス プレイで、プログラム“O”に与えられている「突然変異」オプションを使用し て、置換、欠失及び挿入の対応を見た(Jones et al.,Acta.Crystallogr.A47 :110-119(1991))。挿入ペプチド及び欠失セグメントに隣接するペプチドに、 公知の3次元構造を有するタンパク質から把握される同様のペプチドに最も適合 するもので、コンホメーションの情報のデータバンクとして前記プログラム内に 記憶されている当初コンホメーションを与えた。挿入あるいは置換された残基の 当初側鎖コンホメーションを、Ponder&Richardsの回転異性体ライブラリーに従 って選択した(Ponder et al.,J.Mol.Biol.193:775-791(1987))。この再 構築モデルを、プログラム“X-Plor”(Brunger,A.T.,“X-Plor(Version 3.0 ),Manual,”Yale University,New Haven,CT.(1992))及びプログラムCHA RMのエネルギーパラメーターセット、param10.pro及びtoph19.pro(Brooks et a l.,J.Comput.Chem.4:187-217(1983))を使用してエネルギー最小化のサイ クルに数回かけた。Cα原子は、CAH構造中のその当初位置の近くに残存するよう に拘束された。このように誘導されたモデル中の主鎖原子と最初のカルボニック アンヒドラーゼ構造との間のrms偏差は0.7Åである。得られたモデルの全てのPh i/ Psi角はラマチャンドランプロットの許容される領域内のものである。 9.2 結果及び考察 上記したように、RPTPγの細胞外ドメインのアミノ末端領域は前記酵素(CAH )に対する顕著な配列類似性を有する266アミノ酸領域を含む。CAH酵素は、以下 の式に従い、代謝CO2の水和またはHCO3の脱水を触媒する。 CO2+H2O ←→ H++HCO3 - CAHは、CO2水和について106/秒の極めて効率的なターンオーバー速度を有する遍 在的に発現される酵素である。これはある種のエステルを加水分解し、特異的な アルデヒドを水和する。全てのCAHは亜鉛金属結合酵素であり、触媒活性には亜 鉛原子が必要である。これまでに7種のCAHが同定されている(Tashian,R.E.B ioEssays 10:186-192(1989)に記載されている)。これらには、 (a)細胞質酵素、CAH-1,2及び3、 (b)細胞外糖タンパク質CAH-4、 (c)ミトコンドリア酵素CAH-5、 (d)分泌酵素CAH-6、及び (e)膜結合酵素CAH-7が含まれる。 (f)さらに、ワクシニアウィルスもその細胞外部分にCAH様ドメインを有するト ランスメンブランタンパク質を含む。 ヒト及びマウスRPTPγ中のCAH様ドメインをCAHの別の形態のアミノ酸配列と整 列させた(図6A)。配列の比較により、CAHの異なる形態の間の配列の高度な保 存の領域に通常マッチする同一 のアミノ酸のクラスターが明らかになった。RPTPγのCAHドメインを異なるCAHの それに整列させるためには挿入及び欠失は殆ど必要なかった。CAHの活性部位を 形成する19の残基(Ericksson et al.,Proteins.4:274-282(1988))の11がR PTPγにもみられることは注目に値する。CAHにおいて亜鉛原子を結合する3つの HiS残基(図6Aにおいて矢印の頭部で示した)のうち、位置151の1つのHisのみ がRPTPγに保存されており、他の2つはGlu及びGln残基(それぞれ位置149及び1 75)により置き換えられている。RPTPγのCAHドメインは全ての公知のCAHと35〜 40%の配列同一性を共有する(図6B)。 この領域のCAHとの顕著な配列類似性に基づき、本発明者らは、公知のCAHの3 次元結晶構造中の等価な位置にRPTPγ配列からのアミノ酸を置換することにより 、RPTPγ中のこの領域の構造についてモデルを構築した(Ericksson et al.,Pr oteins.4:274-282(1988);Brookhaven Protein Data Bank中のlca2をエント リー)。この後にエネルギー最小化を行ったところ、Cα原子は最初のCAH構造の その位置に拘束された。直接の構造的な証拠なしには得られるモデルの詳細を評 価することは困難であるが、3つの点が、RPTPγドメインの実際の折り畳みに対 するその関連性を強く示している。 第1に、CAH配列に対するRPTPγ中の全ての欠失及び挿入は、表面領域に位置 するものである。1つを除いて全てが明確に規定された2次構造を欠くポリペプ チド鎖の範囲にあるものである。即ち、これらの相違の全ては最初のモデルを変 形させることなく収容され得る。 第2に、RPTPγドメイン中の内部残基の置換は、相同タンパク質のファミリー においてよく見られるように(Bordo et al.,J.Mol.Biol.211:975-988(199 0))、CAH中の2つの疎水性コアのきっちりとしたパッキングを維持するパター ンに従う(Ericksson et al.,Proteins.4:274-282(1988))。CAH中のいくつ かの芳香族残基のRPTPγドメイン中における脂肪族のものによる置換(Phe 66か らVal 124へ、Phe 70からLeu 128へ、Phe 93からVal 148へ、及びPhe 176からLe u 233へ)は、亜鉛結合部位に隣接する疎水性コアの芳香族特性をいくらか減じ る(Ericksson et al.,Proteins.4:274-282(1988))。これらの相違にもか かわらず、置換(CAHからRPTPγへ):Ile 59からTrp 116、Val 160からIle 217 及びSer 56からAsnによりきっちりとしたパッキングが維持される。 第3に、マウスRPTPγのCAHドメインの配列の観察により、ヒト遺伝子に対す る置換もきっちりとパッキングされた疎水性コアの保存のパターンに従うことが 判明し、例えば、ヒトRPTPγのIle 165のマウスRPTPγのValへの、ヒトRPTPγの Val 237のマウスRPTPγのIleへの置換である。 特に興味をそそられるのは亜鉛結合部位及びRPTPγドメイン中のCAHの活性部 位の運命である。配列の整列により、全ての公知のCAHにおいて亜鉛を結合して いる2つの保存されたHis残基はRPTPγにおいては置換されていることが示され る(His 94はGlu 149へ、His 119はGln 175へ)。公知の3次元構造を有するタ ンパク質における亜鉛結合部位の観察(Vallee et al.,Biochemistry 29:5647- 5659(1990))では、Glnを含むものがないことが 判明している。さらに、HisのGlnへの変異の結果としての亜鉛結合能の喪失が成 長ホルモンのファミリーにおいて報告されている(Cunningham et al.,Science .250:1709-1712(1990))。その上、RPTPγのCAHドメインのエネルギー最小化 モデルの観察は、残基Glu 149、His 151、Glu 162及びGln 175が、マンガンのよ うな八面体配位遷移金属の結合部位によく見られる(Hardman,K.D.et al.,J .Molec.Biol.157:69-86(1982))、原子の平面的配列を形成し得ることを示 唆している(図7)。。 CAH様ドメインはRPTPβ/HPTPζ(同じ譲受人に譲渡された同時に係属中の米 国特許出願第07/654,188号、1991年2月26日出願、本願はこの出願に基づいて優 先権を主張している;同じ譲受人に譲渡された同時に係属中の米国特許出願第 号、1993年5月10日出願、「新規なレセプタータイプホスホチロシンホ スファターゼβ」と題する)のアミノ末端ドメインにも見出されているKrueger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7417-7421(1992)。RPTPγ中のCAH様 ドメインの顕著な特徴、例えば、きっちりとパックされた疎水性コア及び3つの 保存されたHis残基のうちの2つの置換は、RPTPβのCAHドメインにも見られるよ うである。この類似性はこれらの2つのドメインの間の機能的相似を反映するも のであり得る。RPTPγ及びRPTPβのCAHドメインの生物学的役割は知られていな い。亜鉛を結合し、CAH活性に重要な3つのHis残基のうち1つしか保存されてい ないという事実からみて、RPTPγ及びRPTPβのCAHドメインは亜鉛を結合する能 力を有していないかもしれないと考えられる。しかし、CAHにおいて亜鉛により 占められていた部位が他の遷移金属を結合できるよ うになり、従って代謝CO2の水和以外の機能を有することがあり得る。 興味深いことに、RPTPγ及びRPTPβの間の相同性は、両方のタンパク質におい て2つの保存されたCys残基に隣接するFNタイプIII反復の下流中に伸びている。 RPTPγ及びRPTPβ中のこれらの2つのドメインの配列を整列させると(図8A)、 約37%の配列同一性が示される。RPTPγ中のFNタイプIII反復の後には、Cys残基 を欠き、従ってCAH様ドメインとFN反復をトランスメンブランドメインから分離 するスペーサーとなり得ることを特徴とする293アミノ酸の範囲が続く。 RPTPβの2つの形態は両方ともそのままのCAH様ドメイン、及びフィブロネク チンタイプIII反復、そしてその後に続くCysを含まない領域を含むことが同定さ れている。RPTPβの2つの形態はCysを含まないスペーサーの長さにおいて異な っており、これは長い形態において1048アミノ酸を含み、欠失変異体(dvRPTPβ )において384アミノ酸を含む。先に指摘した通り、RPTPγとRPTPβとの間の類 似性はRPTPγ及びRPTPβの細胞質領域まで伸びている(1993年5月10日出願され た、「新規なレセプタータイプホスホチロシンホスファターゼβ」と題する、同 じ譲受人に譲渡された同時に係属中の米国特許出願第 号を参照)。 これらの類似性に基くと、これらの2つのホスファターゼはRPTPの新しいサブ ファミリーを規定するものであることが示唆される(図8B)。RPTPγ及びRPTPβ の生物学的機能及びこれらのタンパク質におけるCAH様ドメインの役割の解明に は、それらの推定の天然リガンド及びこれらのまれなレセプターの結合部位を同 定 することが必要となり得るであろう。 上記に引用した引用文献は、具体的に本明細書の一部とするとしたかどうかに かかわらず、すべて引用により本明細書の一部とする。 これまで本発明を充分に説明したが、当業者によれば、本発明の概念及び範囲 を逸脱することなく、また過度の実験をすることもなく、等価のパラメーター、 濃度及び条件の広い範囲内で本発明を実施できることが理解されるであろう。 本発明をその特異的な態様について説明したが、さらに改変できることは理解 されるであろう。本願は、一般的に本発明の原理に従い、本明細書の開示から出 発して本発明が属する分野において知られこれまで実施されている範囲で到達さ れ、添付の請求の範囲に以下のように記載される本明細書中の必須の特徴に適用 し得る、本発明のあらゆる変形、使用及び適合を包含することを意図するもので ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12N 1/19 8828−4B 1/21 8828−4B 15/09 ZNA C12P 21/08 9358−4B C12Q 1/42 6807−4B 1/68 A 9453−4B G01N 33/53 D 8310−2J V 8310−2J 33/577 B 8310−2J // A61K 39/395 D 9284−4C P 9284−4C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,HU,JP,KR,KZ,LK,L V,MG,MN,MW,NO,NZ,PL,RO,RU ,SD,SK,UA,UZ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒトレセプター型タンパク質チロシンホスファターゼ−γタンパク質または 糖タンパク質分子であって、該分子が天然由来のものである場合には、該分子が 生来関連するその他のタンパク質または糖タンパク質を実質的に含まない上記分 子。 2.天然由来でない請求項1に記載の分子。 3.天然由来であって、該分子が生来関連するその他のタンパク質または糖タン パク質を実質的に含まない請求項1に記載の分子。 4.ヒト由来である請求項1に記載の分子。 5.図3および図4に記載の配列番号2のアミノ酸配列をもつ請求項4に記載の 分子またはその機能的誘導体。 6.請求項1に記載のレセプター型タンパク質チロシンホスファターゼ−γタン パク質をコードするか、あるいはその機能的誘導体をコードする核酸分子であっ て、該タンパク質または機能的誘導体が天然由来のものである場合には、該核酸 分子は該タンパク質または機能性誘導体が生来関連するタンパク質をコードする ヌクレオチド配列を実質的に含まない上記核酸分子。 7.cDNAである請求項6に記載の核酸分子。 8.ゲノムDNAである請求項6に記載の核酸分子。 9.図3に記載の配列番号1のヌクレオチド配列をもつ請求項7に記載のDNA 分子。 10.発現ベクターである請求項6に記載の核酸分子。 11.発現ベクターがプラスミドである請求項10に記載の核酸分子。 12.請求項11のプラスミドで形質転換された原核宿主。 13.請求項11のプラスミドで形質転換またはトランスフェクトされた真核宿 主。 14.請求項1に記載のレセプター型タンパク質チロシンホスファターゼ−γタ ンパク質または糖タンパク質、あるいはその機能的誘導体の製造法であって、 (a)該タンパク質、糖タンパク質または機能的誘導体を培養条件下で発現す ることができる宿主を培養し; (b)該タンパク質、糖タンパク質または機能的誘導体を発現させ;そして (c)培養物から該タンパク質、糖タンパク質または機能的誘導体を回収する 、 ことを含む該方法。 15.宿主が原核生物である請求項14に記載の方法。 16.宿主が真核生物である請求項15に記載の方法。 17.請求項1に記載のタンパク質または糖タンパク質に特異的な抗体。 18.モノクローナルである請求項17に記載の抗体。 19.被験者中における請求項6に記載の核酸分子またはその突然変異体の存在 を検出する方法であって、 (a)該被験者からの細胞またはその抽出物を、該正常または該突然変異レセ プター型タンパク質チロシンホスファターゼ−γの少なくとも一部をコードする オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイゼーション条件下に接触させ;そし て (b)該細胞中の核酸への該プローブのハイブリダイゼーション を測定し、 これによって該核酸配列の存在を検出する、 ことを含む該方法。 20.工程(a)の前に以下の工程: (c)該レセプター型タンパク質チロシンホスファターゼ−γをコードする細 胞中のDNAの量を選択的に増幅する、 ことをさらに含む請求項19に記載の方法。 21.レセプター型タンパク質チロシンホスファターゼ−γタンパク質または糖 タンパク質の存在を細胞中で検出し、あるいはこれを定量する方法であって、 (a)該細胞またはその抽出物を請求項17に記載の抗体と接触させ;そして (b)該抗体の該細胞またはその抽出物との結合を検出し、あるいは結合抗体 を定量し、 これによってレセプター型タンパク質チロシンホスファターゼ−γタンパク質 または糖タンパク質の存在を検出し、あるいはこれを定量する、 ことを含む該方法。 22.化学的または生物学的調製物中における請求項1に記載のレセプター型タ ンパク質チロシンホスファターゼ−γタンパク質、糖タンパク質または誘導体と 結合しうる化合物を同定する方法であって、 (a)該レセプター型タンパク質チロシンホスファターゼ−γタンパク質、糖 タンパク質または誘導体、あるいはそのリガンド結合部分を固相マトリックスに 結合させ; (b)該化学的または生物学的調製物を固相マトリックスと接触させて化合物 を結合させ、次いで未結合物質を洗い流し;そして (c)該固相に結合した該化合物の存在を検出する、 ことを含む該方法。 23.請求項1に記載のレセプター型タンパク質チロシンホスファターゼ−γタ ンパク質、糖タンパク質または機能的誘導体と結合しうる化合物を複合混合物か ら単離する方法であって、 (a)該レセプター型タンパク質チロシンホスファターゼ−γまたは機能的誘 導体、あるいはそのリガンド結合部分を固相マトリックスに結合させ; (b)複合混合物を該固相マトリックスと接触させて該化合物を結合させ、次 いで未結合物質を洗い流し;そして (c)該結合化合物を溶出し、 これによって該化合物を単離する、ことを含む該方法。 24.レセプター型タンパク質チロシンホスファターゼ−γの酵素 活性を剌激 または阻害することのできる薬剤を同定する方法であって、 (a)該薬剤を、純粋形態、膜調製物形態、または全細胞形態の該レセプター 型タンパク質チロシンホスファターゼ−γと接触させ;(b)工程(a)の該混 合物を十分な時間インキュベートし; (c)該レセプター型タンパク質チロシンホスファターゼ−γの酵素活性を測 定し; (d)該酵素活性を該薬剤なしでインキュベートした該レセプター型タンパク 質チロシンホスファターゼ−γの酵素活性と比較し、 これによって該薬剤が該活性を剌激または阻害するか否かを決定する、ことを含 む該方法。
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