JPH08506253A - 靴のためのセンタクロージャ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 靴を閉鎖するための少なくとも１つのロープ状緊締部材のための、回転可能に支承されたロープディスクを有している、靴のためのセンタクロージャは、ロープディスクの回転数を制限でき、しかもこの際に構成体積の増大が回避されると望ましい。このことは以下のようにして達成される。すなわち、ロープディスク（３）と不動部分（１若しくは４１）とが、互いに同軸的に配置されていて互いに作用結合している歯列（４１ａ，４２ａ若しくは４１ｂ，４２ｂ）を有していて、該歯列（４１ａ，４２ａ若しくは４１ｂ，４２ｂ）は互いに等しいモジュールであるが、異なる直径を有している。前記歯列（４１ａ，４２ａ若しくは４１ｂ，４２ｂ）の異なる直径によって規定された中間室（４９）内に、前記両歯列（４１ａ，４２ａ若しくは４１ｂ，４２ｂ）に噛合し、該両歯列（４１ａ，４２ａ若しくは４１ｂ，４２ｂ）と等しいモジュールを有する歯車（４３）が、自由回転するように配置されている。前記中間室（４９）には、自由回転する歯車（４３）の走行経路を制限する少なくとも１つのストッパ（４６，４６′）が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】 靴のためのセンタクロージャ 本発明は、請求項１の上位概念に記載の形式の、靴のためのセンタクロージャ に関する。 回転式クロージャとして形成されたこのような形式のセンタクロージャは、ヨ ーロッパ特許第０３９３３８０号明細書から公知である。ロープディスクの回転 数を２回転よりも幾分少なく制限することは、この場合ドラグディスク原理の使 用によって生ぜしめられる。一方のドラグディスクはこの場合ロープディスクに よって形成される。このロープディスクが連行体を有していて、この連行体はほ ぼ１回転後に、回動可能なアームに当接し、このアームが第２のドラグディスク を形成していて、ストッパ突起でケーシング角縁に当接できる。この場合、靴を 閉鎖するために長いロープ移動距離が必要な場合であっても、僅かな構成寸法が 目標とされている。 この公知の装置では、ロープディスクの直径が、ロープ移動距離と、この場合 可能な完全には２回転に満たないロープディスクの回転とに相応して選択されな ければならない。従ってロープ移動距離が長い場合には、ロープディスクの直径 も相応して大きく選択されなければならない。この公知の装置では、従って装置 の寸法の設計の選択の自由が、著しく制限されてしまう。 さらに、付加的なドラグディスクの使用により、ロープディスクの回転数が高 められるならば、巻取り数が高められることにより、比較的長いロープ移動距離 がロープディスク上で支配される。このことは、しかしながら、付加的なドラグ ディスクの厚さに相応する、より大きな構成体積を要求することになる。 本発明の課題は、冒頭で述べた形式の、すなわちロープディスクの回転数制限 装置を有するセンタクロージャを改良して、構成体積を増大させることなく、ロ ープディスクの制限したい回転数を高めることである。 この課題は、請求項１に記載の特徴により解決された。 遊星歯車伝動装置の法則に基づいて形成された、ロープディスクの回転数の制 限装置では、伝動装置の変速比の選択並びにストッパの配置によって、ロープデ ィスクの回転数を、外側の寸法とは無関係に、比較的広い範囲、例えば２：１か ら１０：１までの間の比率で選択することが簡単に可能である。従って、例えば ロープディスクの歯列の直径を大きくするといった変化、及びこの変化に相応し た、例えば自由回転する歯車の直径を小さくするといった変化によって、それぞ れの使用目的に適合する減速比を有する、予め設定さ れたセンタクロージャが製造されうる。この場合、その他の構造上の変化は必要 とはならない。 本発明の有利な構成は請求項２以下に記載されている。 第１図は、側方から見た、本発明による靴クロージャの、中心軸線に沿った断 面図である。 第２図〜第４図は、不動部分の歯列が大きい直径を有している場合に、それぞ れ異なる位置に歯車が位置している、第１図のＩ−Ｉ線に沿った断面図である。 第５図〜第７図は、不動部分の歯列が小さな直径を有している場合に、それぞ れ異なる位置に歯車が位置している、第１図のＩ−Ｉ線に沿った断面図である。 第１図には、靴、特にスポーツ靴、レジャー靴、リハビリテーション靴のため のセンタクロージャが、側方から見た横断面図、すなわち中心軸線に沿って断面 した図で示されている。このセンタクロージャは、扁平なケーシングカバーとし て形成されたケーシング部分１を有していて、このケーシング部分１には、ロー プディスク３を収容するための円形の切欠き２が設けられている。ロープディス ク３は、このロープディスク３と、外側から操作可能な回転部材３３、又は別の 操作部材、例えばレバー若しくはレバー機構との間に設けられている伝動装置を 介して駆動可能である。 有利には、先行する特許である１９９２年１２月４日のドイツ連邦共和国特許 第４２４０９１６号明細書 に記載されたような伝動装置が使用される。しかしながら本発明による実施例で は、このような形式の伝動装置との組み合わせに限定されるものではない。 ロープディスク３と、ケーシング部分１の底部８との間に、扁平でディスク状 の中空室４０が設けられていて、この中空室４０内には、歯列４１ａを有するピ ニオン４１として形成された、ロープディスク３の軸付加部が突入している。中 空室４０の、鉛直なケーシング内壁には、環状の歯列４２ａが、内歯環４２の形 で設けられている。ピニオン４１と、内歯環４２の歯列４２ａとの間に形成され た中間室４９内に、両伝動装置部分（ピニオン４１、内歯環４２）に噛合し、こ れら伝動装置部分と等しいモジュールの歯車４３が配置されていて、この歯車４ ３は、ロープディスク３の下面４４と、底部８の内側の底面４５とによって自由 回転するように案内されている。 中空室４０内の所定の個所にはストッパ４６として、例えば、底部８に一体成 形されたピン又は底部８に嵌め込まれたピンが備えられていて、このピンは、歯 車４３が円運動をする円軌道内に突出していて、歯車４３の運動間隙を両回転方 向に対して制限する。 このような手段により、ロープディスク３の回転数が、ピニオン４１と、内歯 環４２若しくは歯列４２ａと、歯車４３とから成る伝動装置の変速比及びストッ パ４６の配置に相応して設定されているか、若しくは 算出可能であって、ひいては、与えられた要求に対して適応可能である。ピニオ ン４１及び歯車４３のピッチ円直径の選択によって、及び又は歯車４３のための ストッパ４６によって遮断された円軌道経路の長さに相応して、ロープディスク ３の回転数を確定すること、若しくは特定の要求に適応させることが可能である 。 ピニオン４１若しくは歯車４３のピッチ円直径は、それぞれモジュール（例え ば「ｍｍ」で計測される）と歯数との積に相当する。 ロープディスク３の回転数を制限するための、本発明による伝動装置は、原則 的には遊星歯車伝動装置であって、この場合ピニオン４１が太陽歯車を形成し、 自由回転する歯車４３が遊星歯車を形成する。 ロープディスク３の回転数を制限するための、本発明による装置の作用形式は 以下のようである： ピニオン４１が第２図に示された位置から反時計回りに回転されると、歯車４ ３は、時計回りに駆動され、反時計回りに円軌道に沿って運動する。 第３図は、ピニオン４１が１８０°だけ回転された場合の伝動装置の位置を示 している。ピニオン４１に設けられた、図示された１４の歯数と、内歯環４２に 設けられた歯列４２ａの５６の歯数及び、これにより生じる変速比５ に相応して、この場合歯車４３は３６°運動した。 ピニオン４１がさらに回転される場合に、ちょうど４回転したところで歯車４ ３は、第４図に示したように、ストッパ４６に当接する。この場合歯車４３は、 ２８８°円軌道に沿って運動した。さらに図示はしていないが、歯車４３の運動 領域は、例えば第２図から第４図に一点鎖線で示したように、第２のストッパ４ ６′が設けられていることによって簡単に、さらに制限することができる。この ために、ケーシング１の底部８に複数の差込み開口部が、互いに種々異なる角度 間隔をおいて設けられていてよい。これらの差込み開口部には、ロープディスク ３の回転数の所望の制限に応じて、別のピン４６′を差し込むことができる。２ つのストッパ４６，４６′の代わりに、遮断したい所望の角度領域にわたって延 びている唯１つのストッパが設けられていても良く、又はこのような複数のスト ッパが取り付けられている。このようにして、ストッパ４６、４６′等の選択に より、ピニオン４１と内歯環４２と歯車４３とから成る伝動装置の寸法を変化さ せることなしに、ロープディスク３の回転数を、広い範囲で変化させることがで きる。 第５図から第７図に示した、ロープディスク３の回転数のための制限伝動装置 の実施例では、ピニオン４１が定置に配置されていて、この場合ピニオン４１は 例えばケーシング部分１自体の一部であるか、又はケ ーシング部分１に回転不能に固定されている。歯車４３の駆動は、ロープディス ク３に設けられた、内歯環４２の形の歯列４２ｂを介して行われる。但しこの場 合、歯列４２ｂは完全に全周にわたって形成されているのではなく、歯列を備え ていない、内側に向かって突出するウエブ４７を有した区分４８（第６図参照） は、歯車４３の経路を制限するためのストッパ４６を形成する。 この実施例ではロープディスク３が、回転部材３３を介して、第５図に示した ように反時計回りに回転されると、歯車４３も反時計回りに回転させられると同 時に、同じ方向に歯車４３の円軌道に沿ってピニオン４１を中心として運動する 。 ロープディスク３を半回転させると、このロープディスク３は第６図に示し た位置に達する。この実施例で選択された、歯列４２ｂに設けられた４２の歯と 、ピニオン４１に設けられた１４の歯とによる減速比４ では、この場合は、ロープディスク３に対する、ピニオン４１の相対運動距離は ちょうど４５°であり、すなわちロープディスク３の１回転は、９０°の相対運 動距離の運動に相当する。 ロープディスク３を３回転させると、このロープディスク３は第７図に示した 位置に達する。区分４８の 大きさは、この場合ロープディスク３の１回転の遮断に相当する。ロープディス ク３に対するピニオン４１の相対運動距離は、この場合２７０°に達する。 本発明により、センタクロージャの構成体積を増大させることなく、ロープデ ィスク３の所望の回転数を例えば、２回転から１０回転に調節することができる 。このことは、ストッパ４６、４６′の嵌め込み若しくは設置によって、及び又 は、ピニオン４１及び、内歯環４２の歯列４２ａ若しくは４２ｂの直径の変化、 並びにこれら直径の変化への歯車４３の適合によって可能とされる。 一方では第２図から第４図に示し、他方では第５図から第７図に示した、本発 明の両変化実施例は、不動部分（ケーシング部分１）の歯列４２ａ若しくは可動 部分（ロープディスク３）の歯列４２ｂのそれぞれ少なくとも１つの歯溝が閉鎖 されているか、又は歯溝が全く形成されていないか、若しくは、完全には歯溝と して形成されていないことを特徴とする。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＺ，ＦＩ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，Ｌ Ｖ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ ，ＳＤ，ＳＫ，ＵＡ，ＵＳ，ＶＮ 【要約の続き】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 靴のためのセンタクロージャであって、靴を閉鎖するための少なくとも １つのロープ状緊締部材のための、回転可能に支承されたロープディスクを有し ており、該ロープディスクが、伝動装置を介して操作部材に連結されていて、該 操作部材を介して駆動可能であって、ロープディスクの回転数が、ストッパによ って制限されている形式のものにおいて、ロープディスク（３）と不動部分（１ 若しくは４１）とが、互いに同軸的に配置されていて互いに作用結合している歯 列（４１ａ，４２ａ若しくは４１ｂ，４２ｂ）を有していて、該歯列（４１ａ， ４２ａ若しくは４１ｂ，４２ｂ）は互いに等しいモジュールであるが、異なる直 径を有しており、前記歯列（４１ａ，４２ａ若しくは４１ｂ，４２ｂ）の異なる 直径によって規定された中間室（４９）内に、前記両歯列（４１ａ，４２ａ若し くは４１ｂ，４２ｂ）に噛合し、該両歯列（４１ａ，４２ａ若しくは４１ｂ，４ ２ｂ）と等しいモジュールを有する歯車（４３）が、自由回転するように配置さ れており、前記中間室（４９）には、自由回転する歯車（４３）の走行経路を制 限する少なくとも１つのストッパ（４６，４６′若しくは４７）が設けられてい ることを特徴とする、靴のためのセンタクロージャ。 ２． 単数の若しくは複数のストッパ（４６，４６ ′）が、単数の若しくは複数の嵌込み部品から成っている、請求項１記載のセン タクロージャ。 ３． 不動部分（ケーシング部分１）の歯列（４２ａ）若しくは可動部分（ロ ープディスク３）の歯列（４２ｂ）が、少なくとも所定の１区分（４８）におい て全く歯溝を有していないか、又はストッパ（４６，４６′）の形成に基づき、 完全には形成されていない歯溝を有している、請求項１又は２記載のセンタクロ ージャ。 ４． ロープディスク（３）に配属された歯列（４１ａ，４２ｂ）が、前記ロ ープディスク（３）と一緒に１つの構成ユニットを形成している、請求項１から ３までのいずれか１項記載のセンタクロージャ。 ５． 歯列（４１ａ，４２ｂ）とロープディスク（３）とが、同質の構成部材 、特にプラスチック射出成形部品から成っている、請求項４記載のセンタクロー ジャ。 ６． 不動部分（ケーシング部分１）の歯列（４２ａ）が、可動部分（ロープ ディスク３）の歯列（４１ａ）よりも大きな直径を有している、請求項１記載の センタクロージャ。 ７． 可動部分（ロープディスク３）の歯列（４２ｂ）が、不動部分（４１） の歯列（４１ｂ）よりも大きな直径を有している、請求項１記載のセンタクロー ジャ。