JPH08505524A - 溶液中で拘束された二次コンホメーションを有する可溶性ペプチド、およびその製造方法 - Google Patents

溶液中で拘束された二次コンホメーションを有する可溶性ペプチド、およびその製造方法

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JPH08505524A
JPH08505524A JP6512317A JP51231794A JPH08505524A JP H08505524 A JPH08505524 A JP H08505524A JP 6512317 A JP6512317 A JP 6512317A JP 51231794 A JP51231794 A JP 51231794A JP H08505524 A JPH08505524 A JP H08505524A
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Abstract

(57)【要約】 溶液中で拘束された二次構造を有する単離された可溶性ペプチドの合成方法が、本明細書中に開示されている。このペプチドは、所望の偏りのランダムコドン配列を有する発現可能なオリゴヌクレオチドによりコードされる。

Description

【発明の詳細な説明】 溶液中で拘束された二次コンホメーションを有する 可溶性ペプチド、およびその製造方法 発明の背景 ペプチドの生物学的機能は、ペプチドと他の分子との直接的な物理的相互作用 に依存する。ペプチドまたはタンパク質をリガンドと称する。 ペプチドは、特定のリガンド結合タンパク質に対するその特異性によって、区 別し得る。結合の特異性、すなわち、密接に関連したリガンド間の識別は、ペプ チドの結合親和性によって決定される。有用な結合特性を有するペプチドは、化 学療法および薬剤設計のために貴重である。従って、生物学的に有用な結合親和 性を有し、かつ溶液に可溶性のペプチドを生成することに対する必要性がある。 ペプチドの二次構造は、その結合親和性を決定するために重要である。例えば 、高度にフレキシブルなペプチドは多くの異なる分子と相互作用し得る。しかし 、このペプチド−リガンド相互作用は容易に破壊される。換言すると、このペプ チドの結合親和性は低い。従って、特定の二次構造を有するペプチドは、ほんの 少数かあるいは1種のリガンドとのみ、堅固に結合し得る。 しかし、リガンドの二次構造が非共有相互作用に由来する ものである場合、このペプチドは必然的に不溶性である。ペプチド内共有結合は 、この問題を解決し得、拘束された(constrained)ペプチド、すなわち、溶液 中で安定な二次構造を有するペプチドを与え、これは可溶性である。 本発明は、溶液中で、拘束された二次コンホメーションを有する可溶性のペプ チドを合成する方法、ならびにこの方法により製造されるペプチドを提供する。 本発明はまた、一般的に、オリゴヌクレオチドを合成および発現する方法に関 し、そしてより詳細には、偏った(biased)、しかしランダムなコドン配列を有 するオリゴヌクレオチドの発現方法に関する。 オリゴヌクレオチドの合成は、個々のモノマーを段階的な反応で直鎖状にカッ プリングすることにより進行する。この反応は、一般的には固相支持体上で、最 初に第1のモノマーの3’末端を支持体上にカップリングすることによって行わ れる。第2のモノマーは第1のモノマーの5’末端に縮合反応で付加され、固体 支持体にカップリングしたジヌクレオチドが得られる。各カップリング反応の終 わりには、副生成物および未反応の遊離のモノマーは洗い流され、その結果、合 成の次の回の開始物質は、支持体に付着した純粋なオリゴヌクレオチドとなる。 この反応スキームでは、オリゴヌクレオチドの単一の成長末端に、個々のモノマ ーを段階的に付加することによって、所望の配列の正確な合成か確実になる。さ らに、2つのオリゴヌクレオチドの縮合のような望ましくない副反 応が除外されるので、高い生成物の収率が得られる。 いくつかの例では、合成オリゴヌクレオチドがランダムなヌクレオチド配列を 有していることが望ましい。この結果は、4種のヌクレオチドすべてを等しい割 合でモノマーカップリング反応に添加し、すべてのヌクレオチドをランダムに取 り込ませ、そしてランダムな配列を有するオリゴヌクレオチドの集団を得ること によって達成され得る。ヌクレオチド配列の、すべての可能な組み合わせがこの 集団内で表現されるので、すべての可能なコドンのトリプレットもまた表現され る。目的が最終的にランダムなペプチド産物を生産することにあるならば、この アプローチには厳しい限界がある。なぜなら、合成されたランダムコドンは、細 胞によってDNAが翻訳される間にポリペプチド中に取り込まれるアミノ酸を偏ら せるからである。 この偏りは、遺伝コードの重複性に起因する。64種の可能なトリプレットコド ンを導く4種のヌクレオチドモノマーが存在する。特定されるアミノ酸は20種し かないので、多くのアミノ酸は複数のコドンでコードされる。従って、ランダム な集団からのモノマーの逐次的な付加によって合成されたオリゴヌクレオチドの 集団は、20種の異なるアミノ酸のすべての可能な組み合わせを等しい割合で表現 するアミノ酸配列を有するペプチドをコードしない。すなわち、ポリペプチドに 取り込まれるアミノ酸の頻度は、複数のコドンで特定されるアミノ酸の方へ偏る 。 遺伝コードの重複性に起因するアミノ酸の偏りを軽減するために、オリゴヌク レオチドをヌクレオチドトリプレットから合成し得る。ここで、20種の各アミノ 酸をコードするトリプレットが、個々のモノマーから合成される。いったん合成 されると、このトリプレットは、個々のモノマーの代わりにカップリング反応に 使用される。トリプレットを等しい割合で混合することにより、ランダムコドン を有するオリゴヌクレオチドの合成が達成され得る。しかし、これは不可能であ る。なぜなら、カップリングが非効率的(3%未満)であり、そして合成のコス トが高いためである。 しかし、アミノ酸の偏りは、縮重コドン配列NNKの合成によって低減し得る。 ここでNは4種のヌクレオチドすべての混合物てあり、そしてKはグアニンおよび チミンヌクレオチドの混合物である。このコドン配列を有するオリゴヌクレオチ ド中の各位置は、全部で32個のコドン(アミノ酸をコードする12種は1回現れ 、5種は2回現れ、3種は3回現れ、そして1つのコドンは停止コドンである) を含む。このような縮重コドン配列で発現するオリゴヌクレオチドは、1回より も多く現れるアミノ酸に配列が偏ったペプチド産物を生成する。従って、配列が 完全にランダムなペプチドの集団は、縮重配列から合成されるオリゴヌクレオチ ドから得られ得ない。 このように、遺伝子の重複性を低減する完全にランダムな配列、あるいは所望 の偏った配列を有するオリゴヌクレオチドを発現する方法についての必要性があ る。本発明はこれら の必要性を満たし、そしてそれに加えた利点もまた提供する。 発明の要旨 本発明は、溶液中で拘束された二次構造を有するペプチド、およびこれらのペ プチドの合成方法を提供する。 本発明は、溶液中で拘束された二次構造またはコンホメーションを有する可溶 性のペプチドをコードする、発現可能なオリゴヌクレオチドの多様な集団を含む 、複数の原核細胞を提供し、この発現可能なオリゴヌクレオチドは、作動可能に (operatlonally)発現要素に連結し、この発現可能なオリゴヌクレオチドはさ らに、所望の偏ったランダムコドン配列を有するものとして特徴づけられる。 図面の簡単な説明 図1は、20個の反応容器を用いた、各位置にランダムタプレット(tuplet)を 有するヌクレオチドモノマーからのオリゴヌクレオチドの合成の模式図である。 図2は、10個の反応容器を用いた、各位置にランダムタプレットを有するヌク レオチドモノマーからのオリゴヌクレオチドの合成の模式図である。 図3は、前駆体オリゴヌクレオチド部分からのサブライブラリーまたはライブ ラリー生産のために用いた2つのベクターの模式図である。M13IX22(図3A) は、アンチセンス前駆体部分(斜線部分)をクローニングするために使用される べ クターである。片側矢印はLac p/o発現配列を表し、そして両側矢印はM13IX42と 組み合わされるM13IX22の部分を表す。生物学的選択のためのアンバー停止コド ンおよび関連する制限部位もまた示す。M13IX42(図3B)はセンス前駆体部分 (白抜き部分)をクローニングするために使用されるベクターである。太線は偽 野生型(φgVIII)および野生型(gVIII)遺伝子VIII配列を表す。両側矢印はM1 3IX22と組み合わされるM13IX42の部分を表す。2つのアンバー停止コドンおよび 関連する制限部位もまた示す。図3Cは、サブライブラリーからのベクター集団 を接合して、機能的表面発現ベクターM13IXを形成することを示す。図3Dは、 非サプレッサー株中の表面発現ライブラリーの生成、およびファージの生産を示 す。このファージは、表面発現およびライブラリーのスクリーニングのためにサ プレッサー株(図3E)を感染させるために使用される。 図4は、ランダムオリゴヌクレオチド集団(M13IX30)から表面発現ライブラ リーを生成するために使用されるベクターの模式図である。記号は図3で説明し たものと同様である。 図5は、M13IX42のヌクレオチド配列である(配列番号1)。 図6は、M13IX22のヌクレオチド配列である(配列番号2)。 図7は、M13IX30のヌクレオチド配列である(配列番号3)。 図8は、M13ED03のヌクレオチド配列である(配列番号4)。 図9は、M13IX421のヌクレオチド配列である(配列番号5)。 図10は、M13ED04のヌクレオチド配列である(配列番号6)。 発明の詳細な説明 本発明は、個々のモノマーを用いて、所望の偏りのランダムコドンを有するオ リゴヌクレオチドを合成および発現させるための、単純かつ安価な方法に関する 。本方法により生産されるオリゴヌクレオチドは、溶液中で拘束された二次構造 を有する可溶性ペプチドをコードする。この方法は、トリプレットの代わりに個 々のモノマーを使用するという利点、および全トリプレットの非縮重サブセット のみを合成することにより、コドンの重複性が低減されるという利点がある。従 って、合成されるオリゴヌクレオチドは、得られ得る可能なランダムトリプレッ ト配列のうちの多くの割合を表す。このオリゴヌクレオチドは、例えば、繊維状 バクテリオファージの表面上に、ファージの生存可能性を変更しないような、あ るいは特定のペプチド配列に対する生物学的選択を課さないような形態で発現さ れ得る。従って、生産されるオリゴヌクレオチドは、非常に多くの薬理学的産物 および研究用産物を生成するために有用である。 本発明は、モノマーを逐次的にカップリングして、所望の偏りのランダムコド ンを有するオリゴヌクレオチドを生産することを包含する。その遺伝コードのア ミノ酸を特定する20種のコドンをランダム化するためのカップリング反応は、10 個の異なる反応容器中で行われる。各反応容器は、2種の異なるコドンのための モノマーが3回の逐次的反応によりカップリングされている支持体を含んでいる 。この反応のうちの 1つでは、最終産物が2個の異なるコドン配列を有するように、2種のモノマー の等量混合物をカップリングする。この支持体を反応容器から取り出し、これを 混合して、20種のコドンすべてを特定の位置に含む1つのバッチの支持体を生成 することによって、コドンをランダム化する。次のコドン位置での合成は、上記 の混合された支持体のバッチを10個の反応容器中に、前のように等量に分割し、 そして各コドン対のためのモノマーを逐次的にカップリングさせることによって 進行する。支持体を再び混合し、そこで合成された位置のコドンをランダム化す る。このカップリング、混合、および分割のサイクルを、所望の数のコドン位置 をランダム化するまで続ける。最後の位置をランダム化した後、ランダムコドン を有するオリゴヌクレオチドを支持体から開裂する。次いで、このランダムオリ ゴヌクレオチドは、例えば、繊維状バクテリオファージの表面上で、遺伝子VIII −ペプチド融合タンパク質として発現され得る。別の遺伝子も同様に使用し得る 。この方法を使用すると、オリゴヌクレオチドを特定の位置でランダム化し得、 そして特定のオリゴヌクレオチドを他の位置で選択し得る。 本発明は、細胞中で発現可能となるようにベクター中に含まれた、偏った合成 オリゴヌクレオチドの多様な集団を提供する。本発明の好ましい実施態様では、 オリゴヌクレオチドは、少なくとも2つのコドンが、共有結合を形成し得るアミ ノ酸をコードするように、完全に規定される。オリゴヌクレ オチドの集団は、繊維状バクテリオファージ(例えばM13)の表面タンパク質と 組み合わされた融合産物(例えば遺伝子VIIIとともに)として発現され得る。こ のベクターは原核生物E.coliのような複数の細胞中にトランスフエクトされ得 る。 1つの実施態様では、オリゴヌクレオチドの多様な集団は、第1および第2の 前駆体集団をランダムに組み合わせることによって形成され得、ここで各前駆体 集団または前駆体集団のどちらかは、所望の偏りのランダムコドン配列を有する 。発現可能なオリゴヌクレオチドの多様な集団の合成および発現方法もまた提供 される。 ランダム前駆体オリゴヌクレオチドの2つの前駆体集団が、1つの実施態様に おいて合成される。各集団内のオリゴヌクレオチドは、発現される最終オリゴヌ クレオチドの一部分をコードする。1つの前駆体集団内のオリゴヌクレオチドは 、発現されるオリゴヌクレオチドのカルボキシ末端部分をコードする。1つの実 施態様では、これらのオリゴヌクレオチドは遺伝子VIII(gVIII)配列とインフ レームでクローニングされ、この配列の翻訳がペプチド融合タンパク質を生産す るようになる。前駆体オリゴヌクレオチドの第2の集団は、別のベクター中にク ローニングされる。この集団内の各前駆体オリゴヌクレオチドは、発現されるオ リゴヌクレオチドのアミノ末端部分のアンチセンスをコードする。このベクター はまた、発現に必要な要素を含有する。ランダムオリゴヌクレオチドを含む2つ のベクターは、2つの前駆体オリゴヌクレオチド 部分が互いにランダムに接合して、2つの小さな部分から誘導される大きなオリ ゴヌクレオチドの集団を形成するように、組み合わされる。このベクターは、2 つのオリゴヌクレオチド集団同士の接合が最大効率で行われるように、選択可能 なマーカーを含む。このメカニズムはまた、ライブラリー構築およびスクリーニ ングの間のgVIII−ペプチド融合タンパク質の発現を制御するためにも存在する 。 本明細書では、用語「モノマー」または「ヌクレオチドモノマー」は、オリゴ ヌクレオチドの化学合成において使用される個々のヌクレオチドを意味する。使 用され得るモノマーには、5つの標準ヌクレオチドそれぞれのリボ型およびデオ キシリボ型の両方が包含される(アデニン(それぞれAまたはdA)、グアニン( GまたはdG)、シトシン(CまたはdC)、チミン(T)、およびウラシル(U)塩基 から誘導される)。ポリペプチドの生合成をサポートし得るイノシンのような塩 基の誘導体および前駆体もまた、モノマーとして包含される。化学修飾されたヌ クレオチド、例えば、可逆的なブロッキング剤が、モノマーの、プリンまたはピ リミジン塩基、リボースまたはデオキシリボース糖、またはリン酸エステルまた は水酸基部分の任意の位置に付加されたものもまた包含される。このようなブロ ッキング基には、例えば、ジメトキシトリチル、ベンゾイル、イソブチリル、β −シアノエチル、およびジイソプロピルアミン基が包含され、そしてこれらは、 水酸基、環外アミン、およびリン酸エステル部分を保護するために使用 される。他のブロッキング剤もまた使用し得、当業者に公知である。 本明細書では、「タプレット(tuplet)」は、定義可能なサイズの要素の一群 を意味する。本明細書で使用されるタプレットの要素はヌクレオチドモノマーで ある。例えば、タプレットは、ジヌクレオチド、トリヌクレオチドであり得、あ るいは4またはそれ以上のヌクレオチドでもあり得る。 本明細書中では、用語「コドン」または「トリプレット」は、3個の隣接する ヌクレオチドモノマーから構成されるタプレットを意味し、これは、ポリペプチ ド生合成において見いだされる20種の天然アミノ酸のうちの1つを特定する。こ の用語はまた、いかなるアミノ酸をも特定しないナンセンスコドンまたは停止コ ドンをも包含する。 「ランダムコドン」または「ランダム化コドン」は、本明細書中では、オリゴ ヌクレオチドの集まり中の1つの位置における1つより多いコドンを意味する。 異なるコドンの数は、任意の特定の位置で2から20までであり得る。「ランダム 化オリゴヌクレオチド」は、本明細書中では、1つまたはそれ以上の位置にラン ダムコドンを有するオリゴヌクレオチドの集まりを意味する。「ランダムコドン 配列」は本明細書中では、ランダム化オリゴヌクレオチド中の1つより多いコド ン位置が、ランダムコドンを含むことを意味する。例えば、ランダム化オリゴヌ クレオチドが6ヌクレオチド長(すなわち、2コドン)であり、そして第1およ び第2のコドン位置の両 方が20種のアミノ酸すべてをコードするようにランダム化されている場合、第1 および第2の位置に20種のトリプレットの可能な組み合わせのすべてを有するラ ンダムコドン配列を有するオリゴヌクレオチドの集団が、上記ランダム化オリゴ ヌクレオチドの集団を構成する。可能なコドンの組み合わせの数は202である。 同様に、20種のアミノ酸すべてをコードするランダムコドン配列をすべての位置 に有する、15ヌクレオチド長のランダム化オリゴヌクレオチドが合成される場合 、20種のアミノ酸のそれそれをコードするトリプレットのすべてが、どの位置で も等しい割合で見いだされる。ランダム化オリゴヌクレオチドを構成する集団は 、異なる可能なオリゴヌクレオチドを2015種含む。「ランダムタプレット」また は「ランダム化タプレット」も同様に定義される。 本明細書中では、用語「偏り(bias)」は優先性(preference)を意味する。 これは、特定のアミノ酸をコードするコドン配列への優先性または偏りの程度で あり得ることが理解される。例えば、そのコドン配列が優先的に特定のアミノ酸 をコードしないオリゴヌクレオチドは、偏りがなく、従って完全にランダムであ る。オリゴヌクレオチドコドン配列はまた、所定のコドン配列またはコドン頻度 に偏り得、そして多様かつランダムでありながら、所定のあるいは好ましい配列 へと偏ったコドン配列を示す。「ランダムコドン配列の所望の偏り」は、本明細 書中では、所定の偏りの程度を意味し、これは全体的にランダムなものから本質 的に(しかし全体的にで はなく)所定の(または好ましい)ものまでのうちから選択され得る。しかし、 少なくとも1つの可変のコドン位置がなければならない。 本明細書中では、用語「支持体」は、化学合成のためにモノマーを付着させる ための固相材料を意味する。このような支持体は、通常、制御された孔を有する ガラスのビーズのような材料で構成されるが、当業者に公知の、別の材料であり 得る。この用語は、更なるオリゴヌクレオチド合成反応のために支持体にカップ リングした1つまたはそれ以上のモノマーを包含することも意味する。 本明細書で用いる用語「カップリング」または「縮合」は、1種のモノマーを 第2のモノマーまたは固体支持体に結合させる化学反応をいう。このような反応 は、当業者に公知であり、そして代表的には、MilliGen/Biosearch Cyclone Plu s SynthesizerのようなDNA自動合成装置で製造業者に推奨される手順を用いて行 われる。本明細書で用いる「逐次的にカップリングする」は、モノマーを段階的 に付加することをいう。 用語「可溶性ペプチド」は、レセプターに対する親和性に等しい濃度で可溶性 であるペプチドをいう。従って、このペプチドは細胞またはファージに結合する ことなく水溶液中で用いられ得る。 用語「溶液中における拘束された(constralned)二次構造」は、骨格ペプチ ド結合ではない共有結合を有するペプチドをいう。 個々のモノマーを用いて偏りを有するランダムタプレットを有するオリゴヌク レオチドを合成する方法について説明する。この方法はいくつかの工程からなり 、第1の工程は、各タプレットがランダム化されるためのヌクレオチドタプレッ トの合成である。ここでそして以下に記載するように、ヌクレオチドトリプレッ ト(3つ組)(すなわちコドン)がタプレットの特定の例として用いられる。い かなるサイズのタプレットも、本明細書中で開示される方法を用いて作用し、そ して当業者は、あらゆるサイズのタプレットをランダム化するための方法をどの ように用いるかを認識している。 20種のアミノ酸全てを規定するコドンのランダム化が、ある位置で望ましい場 合には、20種の異なるコドンを合成する。同様に、特定の位置の10個のコドンの みのランダム化が望ましい場合には、それらの10個のコドンを合成する。各所望 のトリプレットを合成することにより、2個〜64個のコドンのランダム化が達成 され得る。好ましくは、遺伝コードの重複性のため、いかなる位置に対しても2 個〜20個のコドンのランダム化が用いられる。1つの位置で選択されたコドンは 、隣接位置で選択されたコドンと同一である必要はない。さらに、センスまたは アンチセンス配列オリゴヌクレオチドが合成され得る。従って、このプロセスに より、任意の数のコドンを有する所望のコドン位置のランダム化が可能である。 さらに、ランダム化配列内の特定位置に存在する特定のコドンを予め選択するこ とが可能である。 ランダム化されるコドンは、各コドンの第1のモノマーを別の支持体にカップ リングすることにより逐次的に合成される。各コドンの合成のための支持体は、 例えば、1つの反応容器が1個のコドンのモノマーカップリング反応に対応する ように、別々の反応容器に入れられる。ここでそして以下に用いられるように、 20種のコドンをランダム化しようとする場合、各コドンの最初の20種のモノマー に対して、独立したカップリング反応で20個の反応容器が用いられ得る。合成は 、各コドンの第2のモノマーを第1のモノマーに逐次的にカップリングしてダイ マーを生成させ、次いで各コドンの第3のモノマーを上記合成したダイマーにカ ップリングしてトリマーを生成させることにより進行する(図1、工程1、ここ で、M1、M2、およびM3はそれぞれランダム化されるコドンの第1、第2、お よび第3のモノマーを表す)。 個々のモノマーからの第1のコドンを合成した後、ランダム化される個々のコ ドンを含有する20個の反応容器全てから得た支持体を混合することによりランダ ム化が達成される。固相支持体は、容器から取り出され、そして混合されて、集 団内での全コドン種のランダム分布が達成され得る(図1、工程2)。次いで、 全コドン種を構成する支持体の混合集団は20個の独立した反応容器中に再分配さ れる(図1、工程3)。得られる容器は全て同一であり、そして固相支持体にカ ップリングした全20種のコドンを均等に含む。 第2位置のコドンのランダム化には、別の20種のコドンの 合成が、工程1の縮合性基質として工程3で作製された20個の反応容器それぞれ において行われる(図1、工程4)。従って、工程1および4は同一である。但 し、工程1はオリゴヌクレオチドの第1のコドンの最初の合成であるが、工程4 はコドン合成のために先行の合成サイクル(工程1〜3)により作製された支持 体を用いる。工程4により得られる支持体は、それぞれそれら(すなわちヘキサ ヌクレオチド)に結合した2種のコドンを有する。第1の位置のコドンは20種の 考えられるコドンのうちのいずれか1種であり得(すなわち、ランダム)、そし て第2の位置のコドンは、20種の考えられるコドンのうちの1種であり得る。 第2の位置のコドンのランダム化および第3の位置のコドンの合成には、工程 2〜4が再度繰り返される。このプロセスにより、各容器において、コドン位置 1および2はランダム化され、そして位置3は20種の考えられるコドンのうちの 1種であるコドンを有する、3コドンオリゴヌクレオチド(すなわち9ヌクレオ チド)が得られる。工程2から4を繰り返し、第3の位置のコドンをランダム化 し、そして隣接位置のコドンを合成する。このプロセスを所望の長さのオリゴヌ クレオチドが得られるまで続ける。最後のランダム化工程の後、このオリゴヌク レオチドは、当業者に公知の方法により支持体から切り出されそして単離され得 る。あるいは、このオリゴヌクレオチドは、プローブハイブリダイゼーションを 用いる方法で使用するために支持体上に残され得る。 本発明の方法を用いて得られ得るコドン配列の多様性(diversity)、すなわ ち考えられる異なるオリゴヌクレオチドの数は極めて多く、そして入手可能な材 料の物理的性質により制限されるのみである。例えば、直径約100μmのビーズか ら構成される支持体は、25mgのビーズを含む1μM反応容器を用いると、約10、0 00ビーズ/反応容器に制限される。このサイズのビーズは、1ビーズあたり約1 ×107オリゴヌクレオチドを担持し得る。20種のアミノ酸のそれそれに対して別 個の反応容器を用いる合成は、個々のビーズに結合しているオリゴヌクレオチド が全て同一であるビーズを生成する。このような条件下で得られ得る多様性は、 10,000×20すなわち200,000の異なるランダムオリゴヌクレオチドの約107個のコ ピーである。しかし、この多様性は、本明細書中で開示される基本的な方法から 逸脱することなく、いくつかの方法で増加され得る。例えば、考えられる配列の 数は、支持体を形成する個々のビーズのサイズを減少させることにより、増加さ れ得る。直径約30μmのビーズにより、1反応容器あたりのビーズ数は増加し、 そしてそのために合成されるオリゴヌクレオチドの数が増加する。ランダムコド ンを有するオリゴヌクレオチドの多様性を増加させる他の方法は、反応容器の容 量を増やすことである。例えば、同一サイズのビーズを用いるとき、容量がより 大きいほど、小容量の容器よりも多数のビーズを含有し、そしてそのためにより 多数のオリゴヌクレオチドの合成を担持し得る。単一の反応容器中の支持体にカ ップリングしたコ ドンの数を増加させることによってもまた、ランダムオリゴヌクレオチドの多様 性が増加する。全多様性は、合成されるコドン位置数まで増加した容器あたりの カップリングコドン数である。例えば、10個の反応容器(各々2種のコドンを合 成して全部で20個のコドンをランダム化する)を用いると、100μmビーズあたり 長さ10コドンの種々のオリゴヌクレオチドの数は増加され得、この場合、各ビー ズは、1種ではなく約210または1×103種の種々の配列を含む。ランダムコドン を有するオリゴヌクレオチドの多様性を増加させるためにこのようなパラメータ をどのように変更するかは、当業者に公知である。 個々のモノマーを用いて各位置にランダムコドンを有するオリゴヌクレオチド を合成する方法(この場合、反応容器の数はランダム化されるべきコドン数未満 である)についても説明する。例えば、オリゴヌクレオチド集団内の各位置で20 種のコドンをランダム化しようとする場合、10個の反応容器が用いられ得る。各 位置でランダム化されるべきコドンの数よりも少ない反応容器数を用いることが 好ましい。なぜなら、反応容器数が少ないほど操作が容易であり、そして合成さ れる考えられるオリゴヌクレオチド数が大きくなるからである。 オリゴヌクレオチド内の所望の位置で20種のコドンをランダム合成するために より少数の反応容器を使用することは、各反応容器が1種を超えるコドンの合成 生成物を含み得ること以外は、20個の反応容器を用いる上記の使用と同様である 。 例えは、10個の反応容器を用いる工程1の合成は、10個の反応容器それぞれに含 まれる支持体上に約2種の異なるコドンをカップリングすることにより進行する 。このことを、図2に示す。ここで、異なる支持体にカップリングした2種のコ ドンはそれぞれ、以下の配列から構成され得る:(1)(T/G)TT(PheおよびVal );(2)(T/C)CT(SerおよびPro);(3)(T/C)AT(TyrおよびHis);(4 )(T/C)GT(CysおよびArg);(5)(C/A)TG(LeuおよびMet);(6)(C/G )AG(GlnおよびGlu);(7)(A/G)CT(ThrおよびAla);(8)(A/G)AT(As nおよびAsp);(9)(T/G)GG(TrpおよびGly)および(10)A(T/A)A(Ileお よびCys)。スラッシュ(/)は、スラッシュの各側に示されたモノマーの混合物 が、指定のカップリング工程においてあたかも単一のモノマーであるかのように 用いられることを表す。上記の各コドンのアンチセンス配列は、相補的配列を合 成することにより生成され得る。例えば、PheおよびValのアンチセンスは、AA( C/A)であり得る。上記の配列対のそれぞれによりコードされるアミノ酸は、標 準的な3文字表記で表される。 このようにしてモノマーをカップリングすることにより、10個の反応容器で支 持体に結合した天然に存在する20種のアミノ酸全てを規定するコドンが得られる 。しかし、個々の反応容器の数は、所望の位置でランダム化されるべきコドンの 数に依存し、そして当業者により決定され得る。例えば、10種のコドンをランダ ム化しようとする場合、5個の反応容器がカップリング用に用いられ得る。上記 のコドン配列は、こ の合成にも同様に用いられ得る。コドンの配列はまた、遺伝コードを構成する別 の44種のコドンのいずれによっても、組み込むように変化され得、または置換さ れ得る。 少数の反応容器を用いた、ランダムコドンを有するオリゴヌクレオチドの合成 のその後の工程は、混合工程および分割工程が約半数の反応容器から得た支持体 を用いて行われること以外は、20個の反応容器を用いる合成についての上記の概 要通りである。これらの後続工程を図2に示す(工程2〜4)。 所定の位置に少なくとも1種の特定のタプレットを有し、そしてその他の位置 にランダムタプレットを有するオリゴヌクレオチドは、本明細書で説明する方法 を用いて合成される。この合成工程は、特定のコドン位置の合成前に、異なるコ ドンの合成のために支持体を別個の反応容器に分割することを省くこと以外は、 上記に概要を記載した20個またはそれ未満の反応容器を用いる工程と同様である 。例えば、オリゴヌクレオチドの第2の位置のコドンを特定しようとする場合、 第1の位置でランダムコドンを合成し、そして支持体を混合した後、混合した支 持体を新たな反応容器に分割せずにそのかわり単一反応容器に入れて、特定のコ ドンを合成させる。特定のコドンは、上記のように、個々のモノマーから逐次的 に合成される。従って、反応容器の数を各工程で増加または減少することにより 、特定のコドンまたは所望の数のランダムコドンの合成が可能となる。本発明の 最も好ましい実施態様では、特定のコドンは、共有結合を形成し得るコドン、す な わちシステイン、グルタミン酸、リジン、ロイシン、およびチロシンである。 コドンの合成後、混合した支持体は、ランダム化されるべき次のコドンの合成 のために個々の反応容器に分割される(図1、工程3)か、または連続する特定 のコドンの合成のためには分離されずに用いられ得る。合成サイクルは、各コド ンについて繰り返され、所定のコドンまたはランダム化されたコドンを有する位 置が所望数得られるまで追加され得る。 第1の位置のコドンが規定されているオリゴヌクレオチドの合成もまた、上記 の方法を用いて行われ得る。この場合、第1の位置のコドンは、適切なモノマー から合成される。支持体は、第2の位置のランダムコドンの合成に必要な、必要 数の反応容器に分割され、そして上記のように、合成、混合、および分割のサイ クルが行われる。 多様であるが所定の配列に対して偏りのあるタプレットを有するオリゴヌクレ オチドの合成方法もまた、本明細書中で説明される。この方法は、2個の反応容 器、所定配列合成用の第1の容器およびランダム配列合成用の第2の容器を用い る。この方法は、例えば、有意数のコドン位置が特定の配列であるときに用いる ことが有利である。なぜなら、そのことにより多数の反応容器を使用しなくても よいからである。そのかわり、アデニン、グアニン、シトシン、およびチミンヌ クレオチドのような4種の異なるモノマーの混合物が、コドンの第1のモノマー および第2のモノマーとして用いられる。 第3のモノマー位置でグアニンおよびチミンヌクレオチドまたはシトシンおよび アデニンヌクレオチドのいずれかの1対のモノマーの混合物をカップリングする ことにより、コドンは完成される。第2の容器において、ヌクレオチドモノマー は逐次的にカップリングされ、所定のコドン配列が得られる。2種の支持体を混 合することにより、所定コドンおよびランダムコドンの両方を所望の位置に有す るオリゴヌクレオチド集団が得られる。例えば、別の所定コドンのカップリング のために単一反応容器中でこの支持体の混合物を用いることにより、または別の ランダムコドンの合成のために混合物を2個の反応容器にさらに分割することに より、合成は進行し得る。 2反応容器法は、ランダム化されるべき所望のコドン位置で支持体混合物を2 部分に分割することにより、所定のタプレット配列を有するオリゴヌクレオチド 内でのコドン合成のために用いられ得る。さらに、この方法により、ランダム化 の程度を調整することが可能である。例えば、2種の支持体の同等でない混合ま たは分割により、所望の位置でランダムコドンを有する画分に対して、所定の配 列を有するコドン画分は変化する。支持体の同等でない混合および分割は、長い オリゴヌクレオチドまたは短いオリゴヌクレオチド内の有意数の位置でランダム コドンを合成する必要がある場合に有用であり得る。 ランダム化の程度はまた、ランダムコドン位置の第1、第 2、および第3モノマーカップリング工程において不均等なモノマー混合物を用 いることにより調整され得る。不均等な混合物は、カップリング工程のいずれか または全てに存在し、モノマー比率を反映する配列に富むコドン集団を生成し得 る。 ランダム化オリゴヌクレオチドの合成は、当業者に周知の方法を用いて行われ る。モノマーの直鎖状カップリングは、例えば、製造業者(Mllipore,Burlingt on,MA)の記載通りMilliGen/Biosearch Cyclone Plus自動合成装置でホスホル アミダイト化学を用いることにより達成され得る。他の化学および自動合成装置 も用いられ得、そして当業者に公知である。 多重コドンの合成は、別個の一連の反応で別々にコドンを合成することにより 、合成装置に改造を加えずに行われ得る。あるいは、DNA自動合成装置の改造は 、多重反応容器中でコドンを同時に合成するために行われ得る。 1つの実施態様において、本発明は、発現要素に作動可能に連結した発現可能 なオリゴヌクレオチドの多様な集団を含む複数の原核細胞を提供する。この発現 可能なオリゴヌクレオチドは所望の偏りのランダムコドン配列を有する。これら のオリゴヌクレオチドは、1つの実施態様において、所望の偏りのランダム配列 を有する、第1および第2の前駆体オリゴヌクレオチドの多様な組み合わせから 生成され得る。本発明はまた、そのような複数の原核細胞を構築するための方法 を提供する。 上記の方法により合成されるオリゴヌクレオチドは、溶液 中で拘束された二次構造を有する複数のランダム可溶性ペプチドを発現させるた めに用いられ得る。このオリゴヌクレオチドは、多様であるが所定の配列に対し て偏りがあるか、または所定の位置に少なくとも1種の特定のコドンを有する。 必要性により、ランダムペプチドの得られる集団を得るためにどのようなオリゴ ヌクレオチドを発現させるかが決定され、そしてその必要性は、当業者には公知 である。発現は、いずれもの適合性のベクター/宿主系で行われ得る。このよう な系には、例えば、E.coliのような原核生物のプラスミドまたはファージミド、 酵母系、および哺乳類細胞のような他の真核生物系が包含されるが、本明細書中 では、本発明の好ましい実施態様、すなわち繊維状バクテリオファージ表面での 発現に関して説明される。繊維状バクテリオファージは、例えば、M13、fl,,お よびfdである。このようなファージは、環状の一本鎖ゲノムおよび二本鎖複製DN A型を有する。さらに、ペプチドはまた、必要性および用いられるベクター/宿 主系に応じて、可溶型または分泌型で発現され得る。さらに、本発明は、発現可 能なオリゴヌクレオチドを含む宿主細胞、ベクター、および単離された可溶性で 安定なペプチドを提供する。このペプチドは、オリゴヌクレオチドの発現に好ま しい条件下で上記の宿主細胞を生育させ、そしてそのようにして生産されたペプ チドを単離することにより、生産される。 例示目的のためのみで、M13の表面上のランダムペプチドの発現は、例えば、 図3に示すベクター系を用いて達成され得 る。当業者に作製され得るベクターの構築は、実施例IおよびIIにおいて明確に 説明される。完全なヌクレオチド配列は、図5、6、および7(それぞれ配列番 号1、2、および3)に示される。この系は、別個のベクターに含まれる2つの より小さなオリゴヌクレオチド部分を単一のベクターに組み合わせることにより 、発現要素およびgVIIIに機能的に連結したランダムヌクレオチドを生成する。 この系または本明細書中に記載の他の系により得られるオリゴヌクレオチド種の 多様性は、5×107またはそれ以上であり得る。5×107未満の多様性もまた得られ 得、そして発現されるべきランダムペプチドの必要性およびタイプにより決定さ れる。2種の前駆体部分をランダムに結合させてより大きなオリゴヌクレオチド にすることにより、集団の多様性は数倍に増加し、そして標準的な方法により合 成され得るオリゴヌクレオチドよりも大きなオリゴヌクレオチドが生成されると いうさらなる利点を有する。さらに、相関性は知られていないが、本明細書中に 記載されているように、オリゴヌクレオチドが合成の間に取り得る考えられる経 路の数がビーズ数よりも大きいとき、合成経路と得られる配列との間には相関性 がある。別々に合成されたオリゴヌクレオチド集団を組み合わせることにより、 これらの相関性はなくなる。従って、合成手順に固有であり得るいかなる偏りも 、2種の前駆体部分を結合させて隣接ランダムオリゴヌクレオチドにすることに より減少する。 発現型に組み合わされるべき前駆体オリゴヌクレオチド集 団は、それぞれ別個のベクター内にクローニングされる。組み合わせオリゴヌク レオチドを形成する2種の前駆体部分は、発現されるペプチドのカルボキシ末端 部分およびアミノ末端部分に対応する。各前駆体オリゴヌクレオチドは、センス またはアンチセンスのいずれかをコードし得、そして発現要素の配向(orientat lion)およびタンパク質の融合部分をコードする遺伝子ならびに2つの前駆体オ リゴヌクレオチドを結合するために用いられるメカニズムに依存する。図3に示 されるベクターでは、ペプチドのカルボキシ末端部分に対応する前駆体オリゴヌ クレオチドは、センス鎖をコードする。アミノ末端部分に対応する前駆体オリゴ ヌクレオチドは、アンチセンス鎖をコードする。M13IX22およびM13IX42において 、オリゴヌクレオチド集団はEco RI制限酵素部位とsac I制限酵素部位との間に 挿入される(図3AおよびB)。M13IX42(配列番号1)はセンス鎖前駆体オリ ゴヌクレオチド部分に対して用いられるベクターてあり、そしてM13IX22(配列 番号2)はアンチセンス前駆体部分に対して用いられる。 ベクター内に挿入されるランダム化されたオリゴヌクレオチドの集団は、ラン ダムコドン配列の両端部にあるEco RIおよびsac I認識配列を用いて合成される 。これらの部位により、Eco RIおよびsac Iで制限消化した二本鎖ベクター内へ のこれらの一本鎖オリゴヌクレオチドのアニーリングおよび連結が可能になる。 あるいは、オリゴヌクレオチドは、標準的な変異誘発法によりベクター内に挿入 され得る。この後者の方法 では、一本鎖のベクターDNAは、ファージから単離され、そしてベクター配列に 対して相補性の公知の配列を有するランダムオリゴヌクレオチドとアニールされ 得る。これらのオリゴヌクレオチドは、DNAポリメラーゼで伸長され、ランダム 化されたオリゴヌクレオチドを有する二本鎖のベクターを生成する。 センス鎖オリゴヌクレオチド部分に関して有用なベクターであるM13IX42(図 3B)は、下流そしてEco RIおよびsac I制限部位を有するフレーム内に、偽野 生型gVIII産物をコードする配列を有する。この遺伝子は、野生型M13 gVIIIアミ ノ酸配列をコードするが、同一のベクター上にある野生型gVIIIとの相同的組換 えを減少させるために、ヌクレオチドレベルで改変されている。野生型gVIIIは 、少なくとも機能的な非融合コートタンパク質が確実に生産されるように存在す る。従って、野生型gVIIIの含有により、生存能力のないファージの生産および 特定のペプチド融合タンパク質に対する生物学的選択の可能性が少なくなる。2 種の遺伝子の差動制御(differential regulation)はまた、偽タンパク質およ び野生型タンパク質の相対比を調節するために用いられ得る。 アンバー停止コドンもまた、下流そしてEco RIおよびsac I制限部位を有する フレーム内にある。変異はSac Iからコドン6個分下流に位置し、そのために挿 入されたオリゴヌクレオチドおよびgVIII配列との間にある。野生型gVIIIの機能 と同様に、アンバー停止コドンもまた、発現可能なオリゴヌク レオチドを生成する前駆体部分を結合する場合生物学的選択を減少させる。これ は、非サプレッサー(sup O)宿主株を用いることにより達成される。なぜなら 、非サプレッサー株はオリゴヌクレオチド配列の後方であるが偽gVIII配列の前 で発現を停止させるからである。従って、偽gVIIIは、これらの環境下では決し てファージ表面上で発現されない。そのかわり、可溶性ペプチドのみが生産され る。非サプレッサー株における発現は、有利には、可溶性ペプチドの大集団を生 産させたいときに用いられ得る。オパールおよびオーカーのようなアンバー以外 の停止コドン、または、誘発性リプレッサー因子のような分子スイッチもまた、 表面発現からペプチド発現を切断するために用いられ得る。さらなる制御因子( control)がまた存在し、そして以下に説明される。 アンチセンス鎖オリゴヌクレオチド部分に関して有用なベクターである、M13I X22(図3A)は、ペプチド融合タンパク質の発現要素を有する。表面発現のリ ーダー配列は、このベクターの上流そしてSac IおよびEco RI部位を有するフレ ーム内にある。リボソーム結合部位およびLac Z プロモーター/オペレーター因 子は、ペプチド融合タンパク質の転写および翻訳のためにある。 両ベクターは、2種の前駆体オリゴヌクレオチド部分およびそれらのベクター 配列を1つに結合させるための、1対のFok I制限酵素部位(図3AおよびB) を有する。一方の部位は、結合されるべき各前駆体オリゴヌクレオチドの端部に あ る。ベクター内の第2のFok I部位は、結合されるべきベクター配列の端部にあ る。この第2のFok I部位の5’突出部は、オリゴヌクレオチド部分内の第1のFo k I部位で生成される突出部で見出されない配列をコードするように改変された 。これらの2つの部位により、各環状ベクターは開裂して2つの部分になり、次 いで、ベクターの主要成分を連結して、各2種のオリゴヌクレオチド前駆体部分 が隣接する配列を形成する単一の環状ベクターを得る(図3C)。2つのFok I 部位で生成される非適合性の突出部は、2つのベクター部分を結合させるための コンカテマー化または環状化反応を行うために最適条件を選択し得る。このよう な条件の選択は、反応次数を支配し、そしてそれにより結合効率を高めるために 用いられ得る。 Fok Iは、認識配列が開裂点から遠く離れている制限酵素である。開裂位置に 対して認識配列が遠く離れているということは重要である。なぜなら、これら2 つが組み合わされるオリゴヌクレオチド部分内で重なると、結合点で不変のコド ン配列が生じるからである。結合点で不変のコドンが形成するのを軽減するため に、Fok I認識配列はランダムコドン配列の外側に配置され、そしてさらにラン ダム配列内で制限消化するために用いられ得る。次いで、Fok Iにより生成され る一本鎖突出部をアニールし、そして2つのオリゴヌクレオチド前駆体部分を連 結することにより、結合点が形成され得る。多様な制限酵素は、このメカニズム によりDNAを制限消化し、そ して不変なコドン配列を生成することなく前駆体オリゴヌクレオチドを結合する ために、Fok Iの代わりに用いられ得る。このような酵素には、例えば、Alw I、 Bbu I、Bsp MI、Hga I、Hph I、Mbo II、Mnl I、P1e I)およびSfa NIが含まれ る。Fok I認識配列を上記のような代替の酵素認識配列にどのように置換するか 、そして前駆体オリゴヌクレオチド部分を結合するための適切な酵素をどのよう に用いるかは当業者には公知である。 前駆体オリゴヌクレオチドの配列はランダムであり、そしてその配列が開裂後 のアニーリングに充分相補性である2つの前駆体集団内のオリゴヌクレオチドを 不変的に有するが、一方の前駆体集団内の一本鎖突出部が第2の前駆体集団内の 相補的配列を有することを保証することにより、アニーリング効率は高められ得 る。このことは、20種のアミノ酸それぞれをコードするFok I開裂部位の非縮合 性の一連の公知の配列を合成することにより達成され得る。Fok I開裂部位は4 塩基からなる突出部を有するので、20種のアミノ酸全てをランダムにコードする ためには40種の異なる配列が必要である。例えば、10個のコドンの長さの2つの 前駆体集団を組み合わせようとする場合、第9コドン位置を合成した後、支持体 の混合集団を各集団について40個の反応容器に分割し、そして集団の間の対応す る各反応容器について相補的配列を独立に合成する。これらの配列を実施例Iの 表IIIおよびVIに示す。ここで、カラム1R〜40Rのオリゴヌクレオチドは、一旦開 裂した 対応する1L〜40Lのオリゴヌクレオチドと相補性突出部を形成する。表VIにおけ る縮合した位置Xは、一旦前駆体オリゴヌクレオチド部分が結合されると、リー ディングフレームを保持するのに必要である。しかし、リーディングフレームを 保持する際に導入される縮合を減らすために、Fok Iのかわりに、Mnl Iのような 平滑末端を生成する制限酵素の使用が用いられる。 各ベクターにより示される最後の特徴は、組み合わせの間に欠失される(図3 C)、ベクター部分内の主要なコード配列中に位置するアンバー停止コドンであ る。このアンバー停止コドンは、前駆体オリゴヌクレオチドとそれらのベクター 配列とを適切に組み合わせて単一ベクター種とすることからのみ生成される生存 能力のあるファージを選択するために存在する。他のナンセンス(non-sense) 変異または選択性マーカーもまた、同様に作用し得る。 組み合わせ工程により、2つの集団内の異なる前駆体オリゴヌクレオチドが単 一ベクター内にランダムに組み込まれる(図3C;M13IX)。例えば、上記の独 立したベクターM13IX22およびM13IX42それそれから与えられたベクター配列は、 生存能力のあるファージの生成に必要である。また、発現要素はM13IX22内に含 まれ、そしてgVIII配列はM13IX42内に含まれるため、機能的gVIII−ペプチド融 合タンパク質の発現は、M13IXにおいて示されるようにそれらの配列が連結する まで実行され得ない。 組み合わせ工程は、ランダム化したオリゴヌクレオチドを有するベクター集団 のそれぞれをFok Iで制限消化し、混合し、そして連結することにより行われる (図3C)。アンバー停止コドンを有する生成されたベクターはいずれも、非サ プレッサー株内に導入されると、生存能力のあるファージを生成しない(図3D )。従って、アンバー停止コドンを含まない配列のみが、ライブラリー内に含ま れるベクターの最終集団を形成する。これらのベクター配列は、ランダム化ペプ チドの表面発現に必要な配列である。類似の方法により、2つより多くのベクタ ー部分が、ランダムペプチドを発現する単一ベクター内に結合され得る。 ランダムペプチドライブラリーの表面発現は、アンバーサプレッサー株におい て行われる。上記のように、ランダムコドン配列とgVIII配列との間のアンバー 停止コドンは、非サプレッサー株の2成分を切断する。非サプレッサー株から生 成されたファージを単離し、そしてサプレッサー株を感染させることにより、ラ ンダムコドン配列は、発現の間にgVIIIに連結する(図3E)。感染後サプレッ サー株を培養することにより、全てのペプチド種が、gVIII−ペプチド融合タン パク質としてライブラリー内で発現し得る。あるいは、DNAが、非サプレッサー 株から単離され、次いでサプレッサー株内に導入されて同一の効果を奏し得る。 gVIII−ペプチド融合タンパク質の発現レベルはさらに、転写レベルで制御さ れ得る。gVIII−ペプチド融合タンパク質を、 Lac Zプロモーター/オペレーター系の誘導制御下におく。他の誘発性プロモー ターも同様に作用し、そして当業者に公知である。高レベルの表面発現では、サ プレッサーライブラリーはイソプロピルチオ−β−ガラクトシド(IPTG)のよう なLac Zプロモーターの誘発因子中で培養される。機能性でないgVIII−ペプチド 融合タンパク質に対する生物学的選択は、ライブラリーを非発現的条件下て培養 することにより最小にされ得るため、誘導制御は有用である。その場合、発現は スクリーニングのときにのみ誘発され、ライブラリー内のオリゴヌクレオチド集 団全てが、確実に正確にファージ表面に現れる。このことはまた、ファージ表面 のペプチドの価数を制御するために用いられ得る。 表面発現ライブラリーは、標準的なアフィニティー単離手順により、リガンド 結合タンパク質を結合する特定のペプチドに関してスクリーニングされる。その ような方法には、例えば、パニング(panning)、アフィニティークロマトグラ フィー、および固相ブロッティング法が包含される。ParmleyおよびSmith、Gene 73:305-318(1988)(これは本明細書中で参考として援用されている)に記載 されているようなパニングは、タイターの高いファージが容易にすばやくそして 少量でスクリーニングされ得るために、好ましい。さらに、この手順により、そ れ以外では検出されなかった集団内の少数のペプチド種が選別され、そして実質 的に均一な集団に増幅され得る。選別されたペプチド配列は、ファージ集団の増 幅後にそのよ うなペプチドをコードする核酸の配列決定を行うことにより決定され得る。 本発明は、溶液中で拘束された二次構造を有する可溶性ペプチドをコードする オリゴヌクレオチドの多様な集団を含む複数の原核細胞を提供する。このオリゴ ヌクレオチドは、発現配列に作動可能に連結されている。本発明はまた、このよ うな細胞集団の構築方法を提供する。 これまでに説明した方法のうちのいずれかにより合成されたランダムオリゴヌ クレオチドはまた、M13のような繊維状バクテリオファージの表面上で、例えば 、前駆体オリゴヌクレオチドの結合を行わずに発現され得る。図4に示したベク ターのようなベクターであるM13IX30が用いられ得る。このベクターは、gVIII− ペプチド融合タンパク質の表面発現に関して、図3Cに示した組み合わせベクタ ーの機能的特徴を全て示す。M13IX30のこの全ヌクレオチド配列(配列番号3) を図7に示す。 例えば、M13IX30は、ファージ生存能力のための野生型gVIIIとペプチド融合の ための偽gVIII配列とを有する。このベクターはまた、ランダムペプチドをクロ ーニングするためのインフレーム制限部位を含む。このベクターのクローニング 部位はXho I、Stu I、およびSpe Iである。従って、オリゴヌクレオチドは、ア ニーリングおよび連結または挿入変異誘発のため、適切な相補性末端で合成され るべきである。あるいは、適切な末端がPCR技術により生成され得る。制限部位 と偽gVI II配列との間にインフレームアンバー停止コドンを置き、再度、ライブラリーを 構築しそして操作する際のファージの生存能力を完全に保証する。前駆体部分か ら生成したオリゴヌクレオチドの表面発現ライブラリーに対し、発現およびスク リーニングは上記のように行われる。 このように、以下により、ランダムペプチドの集団由来のリガンド結合タンパ ク質に結合され得るペプチドが選別され得る:(a)望ましい偏りのランダムコ ドン配列を有するオリゴヌクレオチドの多様な集団を発現要素に作動可能に結合 すること;(b)上記ランダムペプチド集団を発現させるのに充分な条件下で適 合性宿主内に上記ベクター集団を導入すること;および(c)上記結合タンパク 質に結合するペプチドを決定すること。そのような選別ペプチドのコード核酸配 列の決定方法もまた提供される。 以下の実施例は、本発明の説明を意図するものであり、本発明の限定を意図す るものではない。 実施例I ランダムオリゴヌクレオチドの右半分および左半分から 生成したペプチドリガンドの単離および特徴付け 本実施例は、ランダムオリゴヌクレオチドの合成およびランダム化したペプチ ドをコードする、表面発現ライブラリーの構築および発現を示す。本実施例のラ ンダムペプチドは、2つのランダムオリゴヌクレオチドを混合し、共に結合した ものに由来する。ペプチドリガンドの単離および特徴付け、および特異的結合タ ンパク質について一致するヌクレオチド配列もまた例示されている。 ランダムオリゴヌクレオチドの合成 大きなランダム化オリゴヌクレオチドの小さい部分に相当する2つのランダム 化オリゴヌクレオチドの合成を、以下に示す。2つの小さい部分のそれぞれは、 大きいオリゴヌクレオチドの半分を構成する。それぞれの半分を構成するランダ ム化オリゴヌクレオチドの集団を、右半分および左半分と呼ぶ。右半分および左 半分のそれそれの集団は、それそれの位置に20のランダムコドンを有する10コド ン長である。右半分は、ランダム化オリゴヌクレオチドのセンス配列と一致し、 そして発現ペプチドのカルボキシ末端側半分をコードしてい る。左半分は、ランダム化オリゴヌクレオチドのアンチセンス配列と一致し、そ して発現ペチドのアミノ末端側半分をコードしている。ランダム化オリゴヌクレ オチドの集団の右半分および左半分を、別々のベクター種にクローニングし、次 いで、混合しそして結合する。そして、右半分および左半分を共にランダム結合 し、20コドン長のランダム化オリゴヌクレオチドの集団を含む単一発現ベクター 種を作製する。エレクトロポレーションによるベクター集団の好適な宿主への導 入により、ペプチド表面上でランダムペプチドを発現する糸状ファージを作製す る。 オリゴヌクレオチド合成のための反応容器を、自動合成装置の製造業者(Mill ipore,Burlington,MA;MilliGen/BioSearch Cyclone Plus Synthesizerの販売 業者)から入手した。容器は、空の反応カラム(1μmol)、フリット(frit) 、クリンプ(crimp)、およびプラグの入ったパッケージ(MilliGen/Biosearch カタログ# GEN 860458)として供給された。誘導体化および非誘導体化コント ロール多孔性ガラス、ホスホルアミダイトヌクレオチド、および合成試薬もまた MilliGen/Biosearchから入手した。クリンパーおよび脱クリンパー道具は、Fish er Scientific Co.,Pittsburgh,PA(カタログ番号はそれぞれ06-406-20および 06-406-25A)から入手した。 10の反応カラムを、10コドン長を有するランダムオリゴヌクレオチドの右半分 の合成に用いた。オリゴヌクレオチドは、配列5’GAGCT3’の3’末端に5モノ マーを有し、そして配列5’ AATTCCAT3’の5’末端に8モノマーを有する。合成装置を、チミンヌクレオチ ドで誘導体化したカラム(T-カラム、MilliGen/Biosearch# 0615.50)と合わ せ、そして表Iに示した配列を、独立した反応の組で10のカラムそれぞれについ て合成するようにプログラムした。最後の3つのモノマーの配列(合成が3’か ら5’へ進むので、右から左へ)は、以下に示すアミノ酸をコードしている: ここで、かっこの中の2つのモノマーは、コドン内の一つのモノマー位置を示し 、そしてそれぞれのモノマーの均等な混合物を、カップリング反応に添加したこ とを示している。10カラムのそれぞれについてモノマーカップリング反応を、製 造業者により推薦されたようにして行った(amidite Version S1.06,#8400-05 0990,スケール1μM)。最後のカップリング反応後、カラムをアセトニトリル で洗浄し、凍結乾燥した。 合成後、脱クリンパーを用いてプラグをそれぞれのカラムから取り出し、そし て反応生成物を単一計量ボートに注いだ。最初は、モノマーの重量によってビー ズ体積が増加するが、後の合成ラウンドでは、材料が失われる。いずれかの場合 に、材料を非誘導体化コントロール多孔性ガラスと等しくし、そして完全に混合 して全ての20コドン種のランダム分配物を得た。次いで、25mgの材料を取り、そ れを別々の反応カラムに入れることにより、反応生成物を10の新しい反応カラム に分けた。あるいは、ビーズの分散を保つのに充分な密度である液中に、好まし くはビーズと等しい密度の液中にビーズを懸濁し、次いで等体積の懸濁液を別々 の反応カラム中に分けることにより、反応生成物を分け得る。フリットがあるカ ラム内壁上のリップに残った材料を、25G針とシリンジを用いた吸引によりきれ いにした。新しいフリットをリップ上に置き、プラグをカラムに合わせ、そして クリンパーを用いてひだを付けた。 第2コドン位置を、第1コドン合成の反応生成物のランダム混合物を含有する 約10カラムを用いて合成した。第2コドン位置に対するモノマーカップリング反 応を表IIに示す。第1位置にあるAは、シンセサイザーに入れるようにプログラ ム され得るあらゆるモノマーを意味する。その位置で、第1のモノマー位置は、シ ンセサイザーでは結合されない。それは、モノマーがすでにカラムに結合してい ると仮定してあるソフトウェアだからである。Aはまた、現在の合成ラウンドに おいて先のコドン合成に由来するカラムが、用いるために合成装置上に置かれる ことを表す。表IIに示すように、反応をそれぞれのカラムについて再度連続して 繰り返し、そして、上記のように、反応生成物を洗浄し、そして乾燥した。 それぞれのカラムから反応生成物を取り出し、そして完全に材料を混合するこ とにより、第2コドン位置のランダム化を行った。上記のように、材料を再度新 しいカラムに分けて、 モノマーカップリング反応のために調製した。 次の7コドン(第3位置から第9位置)ランダムの合成を、上記の第2コドン 位置についての上記サイクルと同一のサイクルで行い、表IIのモノマー配列を再 度用いた。前のコドン位置の合成で得た反応生成物のランダム混合物を含むそれ ぞれの新しく詰め直したカラムを、続くコドン位置の合成に用いた。第9位置で コドンを合成し、反応生成物を混合した後、材料を分けて、40の異なるカラムに 詰め直し、そして表IIIに示すモノマー配列を、独立した反応で、40のカラムそ れぞれに結合した。40のカラムそれぞれから得たオリゴヌクレオチドを、もう1 度混合し、そして製造業者によって推薦されたようにして、コントロール多孔性 ガラスから切り離した。 ランダムオリゴヌクレオチドの左半分の合成を、右半分の 合成と同様に行った。このオリゴヌクレオチドの半分はコードされたランダム化 ペプチドのアンチセンス配列と一致する。従って、表Iから表IIIのコドンの相 補的な配列が合成される。オリゴヌクレオチドの左半分はまた、配列5’GAGCT3 ’の3’末端に5モノマーを有し、配列5’AATTCCAT3’の5’末端に8モノマー を有する。合成、洗浄、乾燥、混合、および分割のラウンドは、上記のとおりで ある。 第1コドン位置に対して、合成装置をT-カラムと合わせ、そして表IVに示し た配列を、独立した反応の組で10のカラムそれぞれについて合成するようにプロ グラムした。右半分の合成と同様に、最後の3つのモノマーの配列(右から左へ )は、以下に示すアミノ酸をコードしている。 上記のように洗浄および乾燥に続いて、各カラムのプラグを、取り出し、混合 し、そして10の新しい反応カラムに分けた。第2コドン位置の合成を、第1コド ン合成で得られた反応生成物のランダム混合物を含む、これらの10カラムを用い て行った。第2コドン位置についてのモノマーカップリング反応を表Vに示す。 それそれのカラムから反応生成物を取り出し、そして完全にビーズを混合する ことにより、再び、第2コドン位置のランダム化を行った。ビーズを10の新しい 反応カラムに詰め直した。 次の7コドンの合成を、上記の第2コドン位置についての サイクルと同一のサイクルで行い、表Vのモノマー配列を再度用いた。第9位置 のコドンを合成し、反応生成物を混合した後、材料を分けて、40の異なるカラム に詰め直し、そして表VIに示すモノマー配列を、独立した反応で、40のカラム それぞれに結合した。 「X」で示す最初の2つのモノマーは、その位置での4つのヌクレオチド全ての 均等な混合物を表す。これは、右半分および左半分のオリゴヌクレオチドのつな ぎ目において、比較的偏りのないコドン配列を保つために必要である。上記の右 半分および左半分のランダムオリゴヌクレオチドを、支持体から切り離し、そし て精製し、そして以下の表面発現ライブラリーの構築に用いた。ベクターの構築 2つのM13をベースとするベクター、M13IX42(配列番号1)およびM13IX22( 配列番号2)を、それぞれクローニングおよびランダムオリゴヌクレオチドの右 および左半分の集団の増幅のために構築した。ランダム結合、および右半分およ び左半分のオリゴヌクレオチド集団の連続した発現を促進するためにベクターを 特に構築した。集団中のそれぞれのベクターは、共に結合して、22コドン長のラ ンダムコドンを有する単一の連続したオリゴヌクレオチドを形成する集団に由来 する1つの右半分のオリゴヌクレオチドおよび1つの左半分のオリゴヌクレオチ ドを含む。得られたベクターの集団を用いて、表面発現ライブラリーを構築した 。 M13IX42、または右半分のベクターを、ランダム化オリゴヌクレオチドの右半 分集団を保有するように構築した。M13mp18(Pharmacia Piscataway,NJ)は、 出発ベクターであった。このベクターは、一般的に、ベクター中に既に存在する コードされた野生型M13遺伝子VIIIに加えて、以下を含むように改変された:( 1)ランダム化オリゴヌクレオチドのEco RI-Sac Iクローニング部位と偽野生型 M13遺伝子VIII配列との間に位置する終止コドン(アンバー)を有する配列;( 2)M13IX22、つまり左半分のベクターとの結合に用いられる1対のFok I部位; (3)左半分のベクターと結合する部分と反対側のベクター上に位置する第2ア ンバー終止コドン;および(4)Lac Zの重複制限部位およびアミノ末端部分を 取り出す種々の他の変異。 偽野生型M13遺伝子VIIIを、ランダムペプチドの表面発現のために用いた。偽 野生型遺伝子は、野生型遺伝子のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列をコードす る;しかし、ヌクレオチド配列は変わっているので、この遺伝子とコードされた 野生型遺伝子VIIIとの間には、たった63%の同一しか存在しない。表面発現に用 いた遺伝子VIIIヌクレオチド配列の改変により、同じベクター上に含まれる野生 型遺伝子VIIIとの相同的な組換えの可能性が低くなる。さらに、野生型M13遺伝 子VIIIは、少なくともいくつかの機能性で、非融合性のコートタンパク質が生産 されることを保証するためにベクター系に保持された。従って、野生型遺伝子VI IIを含むことにより、ランダムペプチド融合遺伝子から、生存し得ないファージ が作製される可能性が低くなる。 偽野生型遺伝子VIIIを、遺伝子の両方の鎖をコードする一連のオリゴヌクレオ チドを化学合成することにより、構築した。オリゴヌクレオチドを表VIIに挙げ る(配列番号7から16)。 末端オリゴヌクレオチドVIII 03(配列番号7)およびVIII 08(配列番号12) を除いて、上記のオリゴヌクレオチド(オリゴ ヌクレオチドVIII 04〜VIII 07および09〜12(配列番号8から11および13から16 ))を、各200ngで混合して最終容積10μlとし、そしてT4ポリヌクレオチドキ ナーゼ(Pharmacia,Piscataway,NJ)、1mM ATPを用いて37℃で1時間リン酸 化した。65℃に5分間して、反応を止めた。末端オリゴヌクレオチドを混合物に 添加し、そして65℃で5分間加熱し、その後30分間にわたって室温まで冷却する ことにより、二本鎖型にアニールした。アニールしたオリゴヌクレオチドを、1. 0UのT4 DNAリガーゼ(BRL)を用いて連結した。アニールおよび連結したオリゴ ヌクレオチドは、その5’末端ではBam HI部位で、そしてその3’末端ではHind III部位で平滑化された二本鎖DNAを生じた。翻訳終止コドン(アンバー)は、Ba m HI部位のすぐ後ろである。遺伝子VIII配列は、コドンGAA(Glu)の2つのコド ンの3’で始まり、終止コドンまでである。二本鎖挿入物を、T4 DNAキナーゼ( Pharmacia,Piscataway,NJ)、およびATP(10mM トリス-HCl(pH7.5)、10mM M gCl2)を用いてリン酸化し、そしてM13ポリリンカー内のEco RIおよびSac I部位 を有するフレームにクローニングした。そうするために、M13mp18を、Bam HI(N ew England Biolabs,Beverley,MA)およびHind III(New England Biolabs) で消化し、そして二本鎖挿入物と1:10のモル比で合わせた。連結を、16℃で一 晩、1.0UのT4 DNAリガーゼ(New England B1olabs)含有の1×リガーゼ緩衝液 (50mM トリス-HCl(pH7.8)、10mM MgCl2、20mM DTT、1mM ATP、50μg/ml BSA )中で行った。連結混合物を宿主に形質転換 し、そして当該分野で標準的な手順を用いてポジティブなクローンをスクリーニ ングした。 いくつかの変異を、機能的なM13IX42を得るために、右半分のベクター内で生 じた。変異を、部位特異的変異誘発についてのKunkelら、Meth.Enzymol.154:3 67-382(1987)の方法を用いて、作り出した。これは、本明細書中に参考として 援用されている。試薬、株、およびプロトコールは、Bio Rad Mutagenesisキッ ト(Bio Rad、Richmond,CA)から入手し、そして製造業者により推奨されたよ うに変異誘発を行った。 右半分および左半分の結合に用いるFok I部位は、オリゴヌクレオチド5′-CT CGAATTCGTACATCCTGGTCATAGC-3′(配列番号17)を用いて生成した、5’から唯 一のEcoRI部位までの8ヌクレオチドであった。ベクター中に保持される第2のF ok I部位は、普通3547位にコードされている;しかし、突出部中の配列は、CTTC をコードするように変わっていた。2つのFok I部位を、M13mp18の239位および 7244位で、そしてHindIII部位を偽遺伝子VIII配列の末端で、ベクターからそれ ぞれ、変異体オリゴヌクレオチド5′-CATTTTTGCAGATGGCTTAGA-3′(配列番号1 8)および5′-TAGCATTAACGTCCAATA-3′(配列番号19)のそれぞれを用いて除 いた。新たなHindIII部位およびM1 I部位もまた、M13IX42の3919位および3951位 に導入した。この変異誘発に用いるオリゴヌクレオチドは、それぞれ配列5′-A TATATTTTAGTAAGCTTCATCTTCT-3′(配列番号20)および5′-GACAAAGAACGCGTGAA AACTTT-3′(配列番号21)を有 した。Lac Zのアミノ末端部分を、変異体オリゴヌクレオチド5′-GCGGGCCTCTTC GCTATTGCTTAAGAAGCCTTGCT-3′(配列番号22)を用いるオリゴヌクレオチド特異 的変異誘発により欠失した。この欠失はまた、第3のM13mp18由来Fok I部位も除 いた。Eco RI部位とSac I部位との間の距離を、完全な二重消化を確実にするた めに、スペーサー配列を挿入することにより増加させた。スペーサー配列を、オ リゴヌクレオチド5′-TTCAGCCTAGGATCCGCCGAGCTCTCCTACCTGCGAATTCGTACATCC-3 ′(配列番号23)を用いて挿入した。最終的に、アンバー終止コドンを、変異体 オリゴヌクレオチド5′-TGGATTATACTTCTAAATAATGGA-3′(配列番号24)を用い て、4492位に配置した。アンバー終止コドンは、ランダム化オリゴヌクレオチド の右半分および左半分をまとめるベクター配列の適切な組換えを確実にするため の生物学的選択として用いられる。上記変異体の構築において、M13コード領域 で作製された全ての変換は行われたが、アミノ酸配列は、変化せずに残っていた 。M13mp18内のいくつかの変異は、公開された配列と異なることが見いだされた ことに注目しなければならない。ここで、公知のように、これらの配列の違いは 、見いだされたままに本明細書中に記録されており、従って、M13mp18の公開さ れた配列とは正確には一致し得ない。 得られたベクター、M13IX42の配列を、図5に示す(配列番号1)。図3Aは また、M13IX42を示し、ここで、ランダム化オリゴヌクレオチドの右半分と左半 分との間の表面発現ライ ブラリーの作製に必要な各要素をマークする。矢印で示した2つのFok I部位の 間の配列は、M13IX42の部分であり、これは、左半分のベクターと結合して、遺 伝子VIIIの融合タンパク質としてランダムオリゴヌクレオチドを作製する。 M13IX22、または左半分のベクターを、ランダム化オリゴヌクレオチドの左半 分の集団を保有するように構築した。このベクターは、M13mp19(Pharmacia,Pi scataway,NJ)から構築され、そして以下を含む:(1)ランダム化オリゴヌク レオチドの左半分および右半分をまとめるためにM13IX42と混合するための2つ のFok I部位;(2)プロモーターおよびシグナル配列および翻訳開始シグナル といった発現に必要な配列;(3)ランダム化オリゴヌクレオチドに対するEcoR I-Sac Iクローニング部位;および(4)右半分および左半分のオリゴヌクレオ チドをまとめる際の、生物学的選択のためのアンバー終止コドン。 M13IX22とM13IX42との混合に用いた2つのFok I部位のうち、1つは本来M13mp 18およびM13mp19中に(3547位に)コードされている。M13IX42とでは、この本来 存在するFok I部位内の突出部が、CTTCに変わった。他のFok I部位を、翻訳開始 シグナルの構築後に、オリゴヌクレオチド5′-TAACACTCATTCCGGATGGAATTCTGGAG TCTGGGT-3′(配列番号25)を用いる部位特異的変異誘発により導入した。 上記のように、重複オリゴヌクレオチドをアニールすることにより、翻訳開始 シグナルを構築し、5’Eco RI部位および 3’Hind III部位を有する二本鎖挿入物を作製した。重複オリゴヌクレオチドを 表VIIIに示し(配列番号26から34)、そして偽遺伝子VIII挿入物についての記載 のようにして、M13mp18のEco RI部位とHind III部位との間に二本鎖挿入物とし て連結した。リボソーム結合部位(AGGAGAC)は、オリゴヌクレオチド015(配列 番号26)に位置し、そして翻訳開始コドン(ATG)は、オリゴヌクレオチド016( 配列番号27)の最初の3つのヌクレオチドである。 オリゴヌクレオチド017(配列番号27)は、ATGコドンから67ヌクレオチド下流 に、SacI制限部位を有していた。自然に発生したEcoRI部位を取り除き、そしてS acIから25ヌクレオチド下流に、新しい部位を導入した。オリゴヌクレオチド 5′-TGACTGTCTCCTTGGCGTGTGAAATTGTTA-3′(配列番号35)および5′-TAACACT CATTCCGGATGGAATTCTGGAGTCTGGGT-3′(配列番号36)を各々使用してそれぞれの 変異を生じさせた。オリゴヌクレオチド5′-CAATTTTATCCTAAATCTTACCAAC-3′ (配列番号37)を用いて、アンバー停止コドンもM13mp18の3263位に導入した。 上記の変異に加えて、様々なその他の改変を加えて、特定の配列および多数の 制限部位を取り除いた。M13mp18の元々のEcoRI部位を変異させたとき、LAC Zの リボソーム結合部位は除去された。M13mp18の239、6361および7244位のFokI部位 は変異オリゴヌクレオチド5′-CATTTTTGCAGATGGCTTAGA-3′(配列番号38)、 5′-CGAAAGGGGGGTGTGCTGCAA-3′(配列番号39)、および5′-TAGCATTAACGTCC AATA-3′(配列番号40)を各々用いて同様に除去された。一方、コーディング 領域内の変異によっても、アミノ酸配列は変化しなかった。 生じたベクターM13IX22は、長さ7320塩基対であり、その配列を図6に示す( 配列番号2)。SacIおよびEcoRIのクローニング部位は、それそれ6290位および6 314位である。図3Aはまた、M13IX22を示している。そこでは、右半分と左半分 にランダム化されたオリゴヌクレオチドの右半分と左半分との間の、表面発現の ライブラリーを作成するのに必要なそれぞれの要素が、マークされている。ライブラリー構築 1Rから40Rまでおよび1Lから40Lまでのカラムからの右半分と左半分にランダ ム化されたオリゴヌクレオチドのそれぞれの集団を、M13IX42およびM13IX22にそ れぞれ、別々にクローニングして、右および左半分にランダム化されたオリゴヌ クレオチドのサブライブラリーを作る。それゆえ、合計で80のサブライブラリー が生じる。スクリーニングの最終段階まで、ランダム化されたオリゴヌクレオチ ドのそれそれの集団を別々に維持して、右および左半分にランダム化されたオリ ゴヌクレオチドのアニーリング効率を最大限確実にする。効率をあげれば、得ら れるランダム化されたオリゴヌクレオチドの全量が増加できる。あるいは、右半 分のオリゴヌクレオチド(カラム1R-40R)の全40集団を一つの集団に、そして左 半分のオリゴヌクレオチド(カラム1L-40L)の全40集団を二つ目の集団に、まと めて、それぞれにとって、たった1つのサブライブラリーを生じさせる。 サブライブラリーの作成のために、ランダム化されたオリゴヌクレオチドの上 記のそれぞれの集団を、適切なベクターにそれぞれクローニングする。右半分の オリゴヌクレオチドをM13IX42にクローニングして、サブライブラリーM13IX42. 1RからM13IX42.40Rを作成する。左半分のオリゴヌクレオチドをM13IX22に同様 にクローニングして、サブライブラリーM13IX22.1LからM13IX22.40Lを作成する 。それそれのベクターは、1つのEcoRIおよびSacI制限酵素部位を有する。これ らの制限 酵素は、それぞれ切断の際に、5’および3’に一本鎖の突出部分を生じる。一 本鎖の突出部を使用して、相補的な一本鎖ランダムオリゴヌクレオチドのアニー リングおよび連結を行う。 ランダム化されたオリゴヌクレオチドの集団を、一連の切断および連結工程に よりEcoRIとSacI部位との間に、クローニングする。それぞれのベクターを、過 剰量のEcoRI(New England Biolabs)で37℃2時間処理し、続いて仔ウシ腸のア ルカリホスファターゼ(Boehringer Mannheim,Indianapolis,IN)を4-24ユニ ット加える。フェノール/クロロホルム抽出によって反応を止め、エタノール沈 澱を行う。沈澱を適量の蒸留水または、脱イオン水(dH2O)に再懸濁する。約10 pmolのベクターと、5000倍モル過剰のランダム化されたオリゴヌクレオチドのそ れぞれの集団とを10μlの1Xリガーゼ緩衝液で混合する。1×リガーゼ緩衝液(50 mM トリス-HCL,pH7.8,10mM MgCl2,20mM DTT,1mM ATP,50μg/ml BSA)は、T 4 DNAリガーゼ(BRL,Gaithersburg,MD)1.0Uを含む。連結は、16℃で16時間 インキュベートして行う。75℃で15分、加熱して反応を止め、DNAを過剰量のSac I(New England Biolabs)で2時間切断する。SacIを75℃15分加熱して不活性化 し、適量の10×リガーゼ緩衝液およびdH2Oで反応混合液の量を300μlに調製する 。T4 DNAリガーゼ(BRL)1Uを加えて、混合液を一晩16℃でインキュベートする 。DNAをエタノール沈澱し、そしてTE(10mM トリス-HCL,pH8.0,1mM EDTA)に 再懸濁する。それぞれの連結からのDNAをXL1 BlueTM細胞(Stratagene,La Joll a,CA)に、エレク トロポレーションしてサブライブラリーを作成する。以下で説明する。 E.coli XL1 BlueTMをSmithら(Focus 12:38-40(1990)、本明細書中に参考 文献として援用する)の記載にしたがってエレクトロポレーションする。マグネ シウムを含まないSOB(20gバクト-トリプトン,5gバクト-酵母抽出物,0.584g NaCl,0.186g KCl,dH2Oで1000mlにする)5mlにXL1の新鮮なコロニーを接種し て細胞を調製し、そして、激しく通気しながら一晩37℃で培養する。マグネシウ ムを含まないSOB(500ml)に一晩培養した培養液を1:1000の割合で接種し、そし てOD550が0.8になる(約2から3時間)まで、激しく通気しながら培養する。細 胞をGS3ローターを用いて(Sorvall,Newtown,CT)で4℃10分間、5,000rpm(2 ,600×g)、遠心分離して回収し、そして10%(v/v)の滅菌した氷冷グリセロ ール500mlに再懸濁し、同様の方法で、遠心分離と再懸濁を2回行う。3回目の 遠心後、細胞を滅菌した10%グリセロールで最終体積が2mlになるように再懸濁 する。こうして懸濁液のOD550は、200から300となる。通常、再懸濁は、上清液 を取り除いた後にボトルに残る10%グリセロールで行われる。細胞を微量遠沈管 に40μlアリコートを入れドライアイス−エタノール浴を用いて、凍結し、-70℃ で保存する。 凍結した細胞は、使用する前に氷上でゆっくりと解凍して、細胞懸濁液40μl につき、約10pg〜500ngのベクターと混合して、エレクトロポレーションした。4 0μlアリコートを、0.1 cmのエレクトロポレーションチャンバー(Bio-Rad,Richmond,CA)に入れ、0℃ で200Ωの並行抵抗器、25μF、1.88kV(〜4msのパルス長(τ)を与える)を用 いて一度パルスする。パルスされた細胞の10μlアリコートを、12-×75-mm培養 チューブ中で1mlSOC(98mlSOBに2M NgCl2を1mlおよび2Mグルコースを1ml加える )に希釈し、37℃1時間振盪して、選択培地培養する(以下参照)。 それぞれの80のサブライブラリーを当業者に知られた方法で、培養する。この ような方法は、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold S pring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,1989,およびAusubelら,Curre nt Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,New York,1989, に記載されており、両者は、本明細書中に参考文献として援用されている。簡単 に述べると、上記のサブライブラリー培養液1mlを、2XYT培地(16gトリプトン ,10g酵母抽出物,5gNaCl)で50倍に希釈し、37℃5〜8時間培養し、生育させ た。細菌は10,000×gで遠心分離、沈澱させた。ファージを含有している上清を 滅菌チューブに移し、4℃で保存した。 右および左半分にランダム化されたオリゴヌクレオチドの挿入物を有する二本 鎖ベクターDNAを、それぞれのサブライブラリーの細胞沈澱から分離する。簡単 に述べれば、沈澱をTE(10mM トリス,pH8.0,1mMEDTA)で洗浄し、Sorval遠心 機(Newtown,CT)で7,000rpm5’、遠心分離により再度回収する。ペ レットを、6mlの10%スクロース,50mM トリス,pH8.0溶液に再懸濁する。10mg/ μlリゾチーム3.0mlを加えて、氷上で20分間インキュベートする。0.2M NaOH, 1% SDS溶液を12ml加え、続いて氷上で10分間インキュベートする。次に懸濁液 に、3M NaOAc、pH4.6を7.5ml添加後、氷上で20分間インキュベートする。サンプ ルを4℃で15,000rpmで15分間遠心分離し、RNaseで処理し、フェノール/クロロ ホルム抽出し、次にエタノール沈澱を行う。ペレットを再懸濁し、重量を測定し 、等しい重量の塩化セシウムCsCl2をそれぞれのチューブに溶解して1.60g/mlの 密度とする。EtBrを600μg/ml加え、二本鎖DNAをTV-1665ローター(Sorval)で5 0,000rpm6時間の平衡遠心分離により分離する。右および左半分のサブライブラ リーからのこれらのDNAを、40のライブラリーを生じるために使用する。そこで は、ランダム化されたオリゴヌクレオチドの右および左半分がランダムに一緒に 結合している。 40のライブラリーのそれぞれは、1つの右半分と1つの左半分のサブライブラ リーが一緒に結合することで作られる。互いに結合した2つのサブライブラリー は、右および左半分のランダムなオリゴヌクレオチド合成の際の同じカラム番号 と一致した。例えば、サブライブラリーM13IX42.1Rは、M13IX22.1Lと結合して、 表面発現ライブラリーM13IX.1RLとなる。別の場合には、全ての右半分の合成物 と左半分の合成物とが結合した集団からたった2つのサブライブラリーが生じ、 唯一の表面発現ライブラリーが作られる。 それぞれの右および左半分のオリゴヌクレオチド集団を単一の表面発現ベクタ ー種にランダムな結合するために、それぞれのサブライブラリーから分離された DNAを過剰量のFokI(New England Biolabs)で切断する。フェノール/クロロホ ルム抽出より反応を止め、エタノール沈澱する。沈澱をdH2Oに再懸濁する。それ それの表面発現ライブラリーは、右および左半分の対応するサブライブラリーか ら分離され、FokIで切断されたDNAを等モル量(5-10pmol)で連結することに より生じる。この連結はT4 DNAリガーゼ(Bethesda Research Laboratories,Ga ithersburg,MD)を1.0U含む1×リガーゼ緩衝液10μl中で行う。連結は一晩、1 6℃で行い、sup 0 MK30-3株(Boehringer Mannheim Biochemical,(BMB),Ind ianapolis,IN)にエレクトロポレーションして、前述のXL1細胞とする。M K30-3は、sup 0であるので、同時に導入されたランダム化されたオリゴヌクレ オチドをコードしているベクターの部分だけが生存ファージを生産できる。表面発現ライブラリーのスクリーニング 4℃で保存したファージストックより10m.o.i.で感染させたXL1 BlueTM細胞( Stratagene)の液体培地50mlから精製ファージを調製する。2mMのIPTGで培養物 を誘導する。全ての培養上清をまとめ、2回の遠心分離で清澄にし、そしてPEG 溶液(25%PEG-8000,2.5M Nacl)を1/7.5量添加し、続いて4℃一晩インキュベ ートしファージを沈澱させた。沈澱を90分間 10,000×gで遠心分離して回収した。ファージのペレットを1.0mM EDTA、および 0.1%Sarkosylを含む0.01M トリス-HCl、pH7.6、溶液25mlに再懸濁し、そして 室温で30分間ゆっくりと振盪する。溶液を0.5M NaClに調製し、ポリエチレング リコールの最終濃度が5%になるよう調製した。4℃で2時間後、ファージを含 む沈澱を15,000×gで1時間遠心して回収した。その沈澱物を10mlのNET緩衝液 (0.1M NaCl,1.0mM EDTA,0.01M トリス-HCl,pH 7.6)に懸濁し、よく混合し1 7,000×gで3時間遠心して再回収した。次にファージペレットを2mlのNET緩衝 液に一晩再懸濁し、110,000×gにて18時間の塩化セシウム遠心(10mlの緩衝液 中に塩化セシウム3.86g)を行った。ファージのバンドを回収しNET緩衝液で7倍 に希釈して、3時間17,000×gで再遠心を行い、再懸濁して0.1mMのアジ化ナト リウムを含む0.3mlのNET緩衝液中にて4℃で保存した。 ストレプトアビジン被覆ディッシュ上でパニングするのに使用するリガンド結 合タンパク質をまずビオチン化し、UVによって不活性化したブロッキングファー ジを吸着させた(下記参照)。ビオチン化試薬は、1mlの溶媒に2.4mgの固体NHS -SS-ビオチン(スルホスクシンイミジル2-(ビオチンアミド)エチル-1,3’-ジ チオプロピオネート;Pierce,Rockford,IL)の割合で含まれているジメチルホ ルムアルデヒドに溶解し、製造業者の指示に従って使用した。小スケールの反応 を、滅菌重炭酸緩衝液(0.1M NaHCO3,pH 8.6)で1mg/mlに希釈したリガンド結 合タンパク質43μlと溶解した試薬1μlとを混合さ せて行った。25℃で2時間後、残存するビオチン化試薬を500μlの1Mエタノール アミン(HClでpH9に調節)でさらに2時間反応させた。サンプル全体を1mg/ml のBSAを含む1mlのTBSで希釈し、Centricon 30ウルトラフィルター(Am1con)で 約50μlに濃縮した。そして、同じフィルター上で2mlのTBSにて3回洗浄し、0. 02% NaN3および7×1012のUVで不活性化したブロッキングファージを含む1mlのT BSで1回洗浄した(下記参照)。そして、最終の残存物(60-80μl)は、4℃で 保存する。NHS-SS-ビオチン試薬によってビオチン化したリガンド結合タンパク 質は、ジスルフィドを含む鎖を介してビオチンと結合している。 UVを放射したM13ファージは、一般に繊維状ファージに偶然に結合するブロッ キング結合タンパク質として用いた。M13mp8(MessingおよびVieira、Gene 19:2 62-276(1982)、これは本明細書中に参考文献として援用されている)を選んだ が、それは2つのアンバー停止コドンを含んでいるからである。このことにより 放射後に生き残った極わずかなファージは、表面発現ライブラリーをタイターす るのに用いたsup 0株の中では生育できないことを確実にする。上記のように精 製した5×1013のM13mp8ファージを含む5mlのサンプルを小さいペトリプレート に置き、2フィートの距離で7分間殺菌灯を照射した(束密度150μW/cm2)。Na N3を0.02%まで加え、Centricon 30-kDaウルトラフィルター(Amicon)で1014粒 子/mlの濃度にファージを濃縮した。 パニングのため、ポリスチレンペトリプレート(60×15mm,Falcon; Becton Dickinson,Linco1n Park,NJ)を0.1M NaHCO3pH 8.6〜0.02% NaN3に溶解してい る1mg/mlのストレプトアビジン(BMB)の1mlと低温室にて小さな空気密着プラ スチック箱で一晩インキュベートした。翌日、ストレピプトアビジンを除去し、 少なくとも10mlのブロッキング溶液(29mg/mlのBSA;3μg/mlのストレプトアビ ジン;0.1M NaHCO3pH8.6〜0.02% NaN3)に置き換え、少なくとも室温で1時間 インキュベートした。そのブロッキング溶液を除去し、素早く3回O.5% Tween 2 0を含むトリス緩衝生理食塩水にて洗浄した(TBS-0.5% Tween 20)。 リガンド結合タンパク質によって結合されるペプチドを発現するファージを選 択するのに、50μlの各々のライブラリーと反応するブロックしたビオチン化リ ガンド結合タンパク質の5μl(2.7μgリガンド結合タンパク質)で行った。そ れぞれの混合物を4℃にて一晩インキュベートした後、1mlのTBS-0.5% Tween 2 0で希釈し、前述の方法で調整したストレプトアビジンをコートしたペトリプレ ートに移した。室温で10分間振盪後、結合しなかったファージを除去し、プレー トをTBS-0.5% Tween 20)にて30〜90分間以上で10回洗浄した。結合したファー ジは、800μlの滅菌溶出緩衝液(1mg/ml BSA,0.1M HCl,グリセロールにてpHを 2.2に調節した)で15分間プレートから溶出した。そして、溶出液を48μlの2M トリス(pHは調節していない)で中和した。それぞれの溶出液20μlを希釈 したインプットファージ希釈でMK30-3濃縮細胞においてタイターした。 それぞれのライブラリーからの750μlの最初の溶出物を5mM DTTで10分間処理 して、パニングの第2ラウンドを行い、ビオチン基と残存するビオチン化結合タ ンパク質を連結するジスルフィルド結合を破壊した。その処理した溶出物は、Ce ntrlcon 30ウルトラフィルター(Amicon)で濃縮し、TBS-0.5% Tween 20で3回 洗浄し、最終量約50μlに濃縮した。最後の残存物を5.0μl(2.7μgリガンド結 合タンパク質)のブロックしたビオチン化リガンド結合タンパク質を含むチュー ブに移し、一晩インキュベートする。その溶液を1mlのTBS-0.5% Tween20で希釈 し、パニングしてから上記のように新鮮なストレプトアビジンをコートしたぺト リプレート上で溶出した。第2溶出液全体(800μl)を2Mトリスで中和して、2 0μlを、最初の溶出物と同時にインプットファージ希釈でタイターした。 個々のファージ集団を2〜3回のプラーク精製した。簡単に述べれば、2回目 の溶出液のタイタープレ-ートをニトロセルロースフィルター(Schleicherおよ びSchuell,Inc.,Keene,NH)に載せる。そして、15分間TBS(10mM トリス-HCl ,pH7.2,150mM NaCl)で洗浄し、次に5%脱脂粉乳を含むTBS(TBS-5% NDM)を 0.5ml/cm2の量でさらに1時間37℃振盪しながらインキュベーションする。この 洗浄液を捨て、そして1nM〜100mMの間の、好ましくは1〜100μMの間のリガンド 結合タンパク質を含んでいる新鮮なTBS-5% NDMを加える(0.1ml/cm2)。インキ ュベ ーションは、すべて熱封できる小袋(Sears)で行う。リガンド結合タンパク質 とのインキュベーションを12〜16時間4℃で浸とうしながら行う。フィルターを 袋から取り出し、30分間室温にて150mlの0.1% NDMおよび0.2% NP-40(Sigma,St .Louis,MO)を含むTBSで3回洗浄する。次にフィルターを2時間室温にてイン キュベートする。インキュベーションは、TBS-0.5% NDMで適度に希釈したリガン ド結合タンパク質に対する抗血清中で行う。上記の0.1% NDMおよび0.2% NP-40を 含むTBSを3回交換しながら洗浄し、125IでラベルされたプロテインAの1×106c pmと0.1% NDMおよび0.2% NP-40を含むTBSでインキュベートする(比活性=2.1×1 07cpm/μg)。上記の0.1% NDMおよび0.2% NP-40を含むTBSで洗浄後、フィルター をサランラップで包み、コダックX-OmatX-線フィルム(Kodak,Rochester,NY )に1〜12時間-70℃でDupont Cronex Lightning Plus Inten sifying Screens( Dupon,Willmington,DE)を用いて露光する。 同定されたポジティブプラークの芯をパスツールピペットの大きい方の端でく り抜きだし、1〜3滴のCHCl3を含む1mlのSM(5.8g NaCl,2g MgSO4・7H2O,50 ml 1M トリス-HCl,pH7.5,5mlの2%ゼラチン,dH2Oで1000mlにする)に入れ、そ して37℃で2〜3時間または一晩4℃でインキュベートする。ファージを1:500 にSMで希釈し、そして2μlを300μlXL1細胞+3ml軟寒天/100mm2プレートに 加える。10mlのLB(10g bacto-トリプトン,5g bacto-酵母抽出物,10g NaCl,1 000ml dH2O)(20 %マルトース100μlおよび1M MgSO4100μlを含む)で一晩コロニーを培養してプ レートにまくためのXLl細胞を調製する。細菌を2,000×g10分間の遠心でペレッ トにし、ペレットを10mlの10mM MgSO4にゆっくりと再懸濁する。懸濁液をOD600 が約0.5となるように、30mlの10mM MgSO4を加え4倍に希釈する。2回目および 3回目のスクリーニングは上記の通りであるが、パスツールピペットの小さな端 でプラークを抜き出し、そして0.5ml SM+1滴のCHCl3に入れることおよび、次 のインキュベーションに1〜5μlのファージは希釈せずプレートすることが異 なる。3回目の純化の終わりに、個々のプラークを選び、配列決定のための鋳型 を調製する。鋳型調製および配列決定 XLlの一晩培養物の1:100希釈を含む2XYTの培養液1mlに個々のプラークを接種 して、鋳型を調製して配列決定する。プラークを、滅菌つまようじを用いて選択 する。培養物を37℃で5〜6時間振盪しながらインキュベートし、そして1.5ml の微量遠沈管に移す。200μlのPEG溶液を加え、次いでボルテックスし、10分間 氷上に置く。ファージの沈澱物は、微量遠沈管を用いて12,000×gで5分間遠心 分離することで回収する。上清を捨て、そしてペレットを230μlのTE(10mM ト リス-HCl,pH7.5,1mM EDTA)に黄色ピペットチップでゆっくりとピペッティン グし、再懸濁する。フエノール(200μl)を加え、次に短くボルテックスし、層 を分離するために微量遠沈する。水層 を別のチューブに移し、上記のフェノール抽出の様に200μlのフエェノール/ク ロロホルム(1:1)で抽出する。0.1倍量の3M NaOAcを加え、次に2.5倍量のエタ ノールを加え-20℃で20分間沈澱させる。沈澱した鋳型は、微量遠沈管を用いて1 2,000×gで8分間遠心分離することにより回収する。沈澱を、70%エタノール で洗浄し、乾燥し、そして25μlのTEに再懸濁する。塩基配列決定は、製造業者 (U.S.BiochemiCal,Cleveland,OH)が提供するプロトコールに従って、Seque naseTM配列決定キットを用いて行った。 実施例II 2つの所定の位置にランダムコドンを有するオリゴヌクレオチドから生じたペプ チドリガンドの単離および特徴付け 本実施例は、ランダム化コドンを有するオリゴヌクレオチドの集団からの表面 発現ライブラリーの生成を示す。オリゴヌクレオチドは10コドン長を有し、そし てM13遺伝子VIIIに基づく表面発現ライブラリーの生成用に単一のベクター種の 中でクローニングされる。実施例はまた、リガンド結合タンパク質用ペプチドの 選択、およびそれらをコードする核酸配列の特徴付けを示す。オリゴヌクレオチド合成 実施例Iに記載のようにして、オリゴヌクレオチドを合成した。合成装置をプ ログラムして、表IXに示す配列を合成した。 これらの配列は、合成した第1のランダムコドン位置およびベクター中のリーダ ー配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの3’フランキング配列に一致 する。相補的配列を、合成したオリゴヌクレオチド集団の挿入変異誘発のために 用いる。 次の8つのランダムコドン位置を、実施例Iの表Vに記載するようにして合成 した。第9位置の合成に続いて、反応生成物をもう一度結合して混合し、そして 10個の新しいカラムに再分配した。最後のランダムコドン位置および5’フラン キング配列を表Xに示す。 反応生成物をもう一度混合し、そしてオリゴヌクレオチドを切り離し、そして 製造業者に推奨されるようにして精製した。精製したオリゴヌクレオチド集団を 用いて、下記のようにして表面発現ライブラリーを生成した。ベクター構築 単一のオリゴヌクレオチド集団(すなわち、右および左半分のオリゴヌクレオ チドを一緒に結合させないで)から表面発現ライブラリーを生成させるために用 いたベクターを以下に述べる。ベクターは、M13に基づく発現ベクターであり、 これは遺伝子Vlll−ペプチド融合タンパク質の合成を指示する(図4)。このベ クターは、全ての機能を示す。その機能は、 実施例Iの結合した右および左半分のベクターが示すものである。 M13に基づくベクターを、クローニングおよびランダムなオリゴヌクレオチド (図4、M13IX30)集団の表面発現のために構築した。M13mp19(Pharmacia)を 出発ベクターとした。このベクターを、コードされた野生型M13遺伝子VIIIに加 えて、以下を含むように改変した:(1)偽野生型遺伝子、アンバー停止コドン を有する遺伝子VIII配列であってアンバー停止コドンがそれとオリゴヌクレオチ ドのクローニング用制限部位との間に位置している;(2)オリゴヌクレオチド のクローニング用偽野生型遺伝子gVIIIを有するフレーム中のStu I、Spe I、お よびXho I制限部位;(3)プロモーター、シグナル配列および翻訳開始シグナ ルのような発現に必要な配列;(4)重複制限部位およびLac Zのアミノ末端部 分を除くための種々の他の変異。 M13IX30の構築を4工程で行った。第1工程では、偽遺伝子VIIIおよび種々の 他の変異を含む前駆体ベクター、M13IX01Fを構築した。第2工程は、独立したM1 3mp18ベクターに小さいクローニング部位を構築し、M13IX03を得ることを包含し た。第3工程では、発現配列およびクローニング部位をM13IX03に構築して中間 ベクターM13IX04Bを生成した。第4工程には、中間体ベクターから新たに構築さ れた配列をM13IX01Fに導入し、M13IX30を得ることが包含された。これらの配列 を取り込みにより偽遺伝子VIIIと連結した。 前駆体ベクターM13IX01Fの構築は、次の主要点以外は実施例Iに記載されたの と同様であった:(1)M13mp19を出発ベクターとして用いた;(2)Fok I部位 5’から唯一のEco RI部位までの部分を取り込まず、そして3547位の天然に存在 するFokI部位の突出部を5’-CTTC-3’に変えなかった;(3)スぺーサー配列を 、Eco RI部位とSac I部位との間に取り込まなかった;そして(4)4492位のア ンバーコドンを取り込まなかった。 第2工程において、M13mp18を変異して、Lac Zの5’末端からLac i結合部位 まで除き、そしてLac Zリボソーム結合部位および開始コドンを含有させた。さ らに、ポリリンカーを除き、そしてMlu I部位をLac Zのコーディング領域に導入 した。単一オリゴヌクレオチドを、これらの変異誘発用に用いた。単一オリゴヌ クレオチドは、次の配列を有していた: 5′-AAACGACGGCCAGTGCCAAGTGACGCGTGTGAAATTGTTATCC-3′(配列番号41)。Hin d IIIおよびEco RI用の制限酵素部位を、次のオリゴヌクレオチドを用いてMluI 部位の下流に導入した: 5′-GGCGAAAGGGAATTCTGCAAGGCGATTAAGCTTGGGTAACGCC-3′(配列番号42)。M13 mp18のこれらの改変によりベクターM13IX03を得た。 発現配列およびクローニング部位を、一連のオリゴヌクレオチドの化学合成に よりM13IX03に導入した。この、一連のオリゴヌクレオチドは、所望の配列の両 鎖をコードする。オリゴヌクレオチドを表XIに示す(配列番号43から50)。 表XIの末端ヌクレオチド084(配列番号43)および085(配列番号47)以外に上 記ヌクレオチドを混合し、リン酸化し、アニールし、そして連結して、実施例I に記載のようにして二本鎖挿入物を形成した。しかし、直接中間ベクターにクロ ーニングしないで、挿入物を、まず末端オリゴヌクレオチド084(配列番号43) および085(配列番号47)をプライマーとして用いてPCRにより増幅した。末端オ リゴヌクレオチド084(配列番号43)は、Hind III部位10ヌクレオチドをその内 部の5’末端に含む。オリゴヌクレオチド085(配列番号47)は、Eco RI部位を その5’末端に有する。増幅に続いて、生成物をHind IIIおよびEco RIを用いて 制限切断し、そして実施例Iに記載のようにして、同じ2つの酵素を用いて切断 したM13mp18のポリリンカーに連結した。得られた二本鎖挿入物は、リボソーム 結合部位、翻訳開始コドン、それに続くリーダー配列およびランダムなオリゴヌ クレオチドをクローニングするための3つの制限酵素部位を含んでいた(Xho I 、Stu I、Spe I)。このベクターをM13IX04と命名した。 二本鎖挿入物をクローニングする間、オリゴヌクレオチド028中のGCCコドンお よび031中のGCC相補的オリゴヌクレオチドが欠失することを見出した。この欠失 は機能に影響しなかったので、最終構築物は2つのGCCコドンの1つを欠いてい る。さらに、オリゴヌクレオチド032はGTGコドンを含んでいた。ここで、GAGコ ドンは必要であった。変異誘発をオリゴヌクレオチド 5′-TAACGGTAAGAGTGCCA GTGC-3′ (配列番号51)を用いて行い、コドンを所望の配列に転換した。得 られた中間ベクターをM13IX04Bと命名した。 M13IX30を構築する第4工程は、M13IX04Bからの発現配列およびクローニング 配列をM13IX01F中の偽野生型gVIIIの上流に 挿入する工程を含んでいた。これは、M13IX04BをDra IIIおよびBan HIを用いて 切断し、そして目的とする配列を含む700塩基対の挿入物をゲルで単離すること によって達成された。M13IX01Fを同様にDra IIIおよびBam HIを用いて切断した 。挿入物を2回切断したベクターとモル比3:1で合わせ、そして実施例Iと同 様にして連結した。本明細書に記載の全てのベクターの改変が配列分析によって 確認されたことは留意されるべきである。最終構築物、M13IX30の配列を、図7 に示す(配列番号3)。図4もまたM13IX30を示し、ここではランダム化オリゴ ヌクレオチドの表面発現に必要な各要素に印を付けている。ライブラリー構築、コードされたオリゴヌクレオチドのスクリーニングおよび特 徴付け M13IX30表面発現ライブラリーの構築を、サブライブラリー構築について実施 例Iに記載されたのと同じようにして行う。ただし、上記オリゴヌクレオチドを 連結ではなく変異誘発によってM13IX30に挿入することが異なる。ライブラリー を構築し、MK30-3(BMB)上で増殖させ、そしてファージストックを、XLI細胞の感 染およびスクリーニングのために調製する。表面発現ライブラリーをスクリーニ ングし、そしてコードするヌクレオチドを実施例Iに記載のようにして特徴付け をする。 実施例III 右および左半分縮重オリゴヌクレオチドから生成したペプチドリガンドの単離お よび特徴付け 本実施例では、縮重オリゴヌクレオチドの表面発現ライブラリーの構築および 発現を示す。本実施例のコードされたペプチドは、2つの別々のオリゴヌクレオ チド集団を混合しそして一緒に結合したものに由来する。また、ペプチドリガン ドおよびそれらが関連する特定の結合タンパク質のヌクレオチド配列の単離およ び特徴付けも示す。オリゴヌクレオチド集団の合成 左半分の縮重オリゴヌクレオチド集団および右半分の縮重オリゴヌクレオチド の集団を、実施例Iに記載のようにして標準的自動化手法によって合成した。 オリゴヌクレオチドの各集団についての縮重コドン配列を、トリプレットNNG/ Tを逐次的に合成することによって生成した。ここで、Nは全ての4ヌクレオチド の等混合物である。オリゴヌクレオチドの各集団についてのアンチセンス配列を 合成し、そして各集団は、ベクター配列に相補的な5’および3’のフランキン グ配列を含んでいた。相補的末端を用いて、オリゴヌクレオチドの各集団をそれ ぞれそれらのベクターに標準的変異誘発手法により取り込んだ。このような手法 は、先の実施例Iおよび発明の詳細な説明に記載した。各集団のアンチセンス配 列の合成は必要であった。なぜなら、ベクターの一本鎖形態は、単にセンス鎖と して得られるからである。 次の配列を有する左半分オリゴヌクレオチド集団を合成した: 5′-AGCTCCC GGATGCCTCAGAAGATG(A/CNN)9GGCTTTTGCCACAGGGG-3′ (配列番号52)。次の配列を有する右半分オリゴヌクレオチド集団を合 成した: 5′-CAGCCTCGGATCCGCC(A/CNN)10ATG(A/C)GAAT-3′ (配列番号53)。これらの2 つのオリゴヌクレオチド集団は、それらの各ベクターに取り込まれ、そして一緒 に結合された場合、20コドンオリゴヌクレオチドをコードする。これは19の縮重 位置および内在の所定のコドン配列を有している。ベクター構築 右および左半分のサブライブラリーを構築するために先に記載したベクターの 改変形態を用いた。左半分のサブライブラリーの構築を、M13に基づくベクター (M13ED03と記す)において行った。このベクターは、先に記載したM13IX30ベク ターの改変形態であり、M13IX30およびM13IX22の両方の不可欠な特徴の全てを 含んでいる。M13ED03は、野生型および偽野生型遺伝子VIIIに加えて、発現に必 要な配列および右半分オリゴヌクレオチドのサブライブラリーと結合するための 2つのFok I部位を含んでいる。従って、このベクターは、単一オリゴヌクレオ チド集団から表面発現ライブラリーを生成し、そして発現するために用いられ得 るか、またはサブライブラリーと結合され得、右および左半分オリゴヌクレオチ ドの集団 をまとめて表面発現ライブラリーを生じるという、上記両ベクターの利点を合わ せ持っている。 M13ED03を、M13IX30から2工程で構築した。最初の工程には、M13IX30を改変 して余分な配列を除き、そしてヒトβ−エンドルフィンの8アミノ末端残基をコ ードする配列を取り込む工程が含まれた。リーダー配列をもまた、生成物の分泌 を増加するように変異した。 M13IX04(実施例IIに記載のM13IX30への中間ベクター)の構築の間に、6ヌク レオチド配列が、オリゴヌクレオチド027(配列番号44)およびその相補的オリ ゴヌクレオチド032(配列番号49)で重複された。M13ED01構築物中のこの配列、 5’-TTACCG-3’、を変異によって欠失した。変異誘発に用いたオリゴヌクレオ チドは、5′-GGTAAACAGTAACGGTAAGAGTGCCAG-3′(配列番号54)であった。リ ーダー配列における変異誘発を、次のオリゴヌクレオチドを用いて行った: 5′-GGGCTTTTGCCACAGGGGT-3′ (配列番号55)。 この変異誘発の結果、M13IX30の6353位のA残基がG残基に変わった。得られた ベクターをM13IX32と命名した。 M13ED01を生成するため、β−エンドルフィン(β−エンドルフィンの8アミ ノ酸残基および3つの外部アミノ酸残基)をコードするヌクレオチド配列を、変 異誘発によってリーダー配列の後に取り込んだ。用いたオリゴヌクレオチドは次 の配列を有していた: 5′-AGGGTCATCGCCTTCAGCTCCGGATCCCTCAGAAGTCATAAACCC CCCATAGGCTTTTGCCAC-3′ (配列番号56)。この変異誘発はまた、Spe I部位から下流の配列のいくらかを 除いた。 M13ED03の構築の第2工程は、β−エンドルフィン配列を下流の偽遺伝子VIII 配列とフレームにはめ込むようなベクター変化を含み、そして右半分オリゴヌク レオチドのサブライブラリーと結合するためのFok I部位を取り込んだ。このベ クターを、β−エンドルフィン配列とフランキングまたは重複する配列に相補的 な配列を用いる変異誘発によってオリゴヌクレオチド集団を取り込むように設計 した。従って、変異誘発後、β−エンドルフィンの発現がないことを、変異誘発 頻度を計測するために用い得る。上記ベクター変化に加えて、M13ED03はまた、 右および左半分サブライブラリーを結合する間、生物学的選択のために3262位に アンバーコドンを含むように改変された。 変異誘発を、実施例Iに記載されるような標準的手法を用いて取り込んだ。フ レームシフト変化およびFok I部位を、次のオリゴヌクレオチドを用いて生成し た:5′-TCGCCTTCAGCTCCCGGATGCCTCAGAAGCATGAACCCCCCATAGGC-3′(配列番号5 7)。 アンバーコドンを、次の配列を用いて生成した: 5′-CAATTTTATCCTAAATCTTACCAAC-3′ (配列番号58)。 得られたベクター、M13ED03、の全配列を図8に示す(配列番号4)。 右半分オリゴヌクレオチドのサブライブラリーの構築を、M13IX42ベクターの 改変形態において行った。新しいベクター、 M13IX421、は、Eco RI-SacIクローニング部位間のアンバーコドンおよび偽遺伝 子VIII配列を除いた以外は、M13IX42と同一である。この変化は、Lac Zプロモー ターの全ての発現がペプチド−遺伝子VIII融合タンパク質を生産することを確実 なものとする。アンバーコドンの除去を、次のオリゴヌクレオチドを用いる変異 誘発によって行った: 5′-GCCTTCAGCCTCGGATCCGCC-3′ (配列番号59)。 M13IX421の全配列を図9に示す(配列番号5)。コードされたオリゴヌクレオチドのライブラリー構築、スクリーニングおよび特 徴付け サブライブラリーを、上記の各オリゴヌクレオチドの縮重集団について構築し た。オリゴヌクレオチドの左半分集団を、M13ED03に取り込み、サブライブラリ ーM13ED03.Lを生成し、そしてオリゴヌクレオチドの右半分集団を、M13IX421に 取り込み、サブライブラリーM13IX421.Rを生成した。各オリゴヌクレオチド集団 を、それらの各ベクターに実施例Iに記載のように部位特異性変異誘発を用いて 取り込んだ。つまり、縮重コドン配列にフランキングするヌクレオチド配列は、 取り込み部位においてベクターと相補的であった。ヌクレオチドの集団を、一本 鎖M13ED03ベクターまたはM13IX421ベクターにハイブリダイズし、そしてT4 DNA ポリメラーゼを用いて伸長し、二本鎖環状ベクターを生成した。変異誘発体鋳型 を、Kunkelら、前出に記載されているようにしてインビボでウリジン選 択により得た。各ベクター集団を、実施例Iに記載のようにエレクトロポレーシ ョンにより宿主細胞に導入し、そして増殖させた。 右および左半分サブライブラリーをランダムに結合して1つの表面発現ライブ ラリーにすることを、実施例Iに記載のようにして行った。ただし、Fok Iを用 いて各ベクター集団を切断することに先だって、各ベクターの不要な部分を切断 する酵素を用いてそれらをまず切断することが異なる。簡単に言えば、M13ED03. Lを、Bgl II(7094位を切断)を用いて切断し、そしてM13IX421.Rを、Hind III (3919位を切断)を用いて切断した。各切断集団を、さらにアルカリホスファタ ーゼで処理し、末端が再連結しないことを確実にし、次いで過剰のFok Iで切断 した。得られたライブラリーを、実施例Iのようにして連結、エレクトロポレー ションおよび増殖した。 表面発現ライブラリーを、リガンド結合タンパク質について改変した選別手法 を用いてスクリーニングした。簡単に言えば、1mlのライブラリー(これは約1012 個のファージ粒子に相当)を1〜5μgのリガンド結合タンパク質に加えた。 リガンド結合タンパク質は、抗体またはレセプターグロブリン(Rg)分子(Aruf foら、Cell 61:1303-1313(1990)(これは本明細書に参考文献として援用する) )のどちらかである。ファージを、室温で、1〜3時間、親和性リガンドと共に 振盪しながらインキュベートした。続いて、200μlの1μmラテックスビーズ( Biosite、San Diego、CA)を加えた。これはヤギ− 抗マウスIgGでコーティングされていた。この混合物を、室温でさらに1〜2時 間、振盪しながらインキュベートした。ビーズを、微量遠沈管中で2分間遠心分 離することによりペレット化し、そして0.1% Tween 20を含み得るTBSで洗浄した 。3回さらに洗浄した。最後の洗浄はTween 20を含んでいなかった。 結合したファージを含むビーズを、プラーク同定スクリーニングおよびポジテ ィブクローンの配列決定に適した密度を生じるような濃度でプレートに添加した (すなわち、純粋なプラークが必要な場合、希少クローンについて集密的に、そ して200-500プラーク/プレートでプレートする)。簡単に言えば、約6時間、3 7℃で生育したプラークを、2mMのIPTGに浸漬して簡単に乾燥したニトロセルロ ースフィルターで覆った。フィルターを室温で1晩プラーク上に置き、除いて、 そしてブロッキング溶液中に1〜2時間置いた。ブロッキングに続いて、フィル ターを、1〜2時間、室温で、1μg/mlのリガンド結合タンパク質を含むブロッ キング溶液中でインキュベートした。ヤギ抗マウスIg結合アルカリホスファター ゼ(Fisher)を、1:1000の希釈度で加え、そしてフィルターを、ガラス吸引フィ ルター上で10mlのTBSまたはブロッキング溶液で急いで洗浄した。ポジティブプ ラークを、検出するためにアルカリホスファターゼ顕色後同定した。 あるいは、結合ファージを、ビーズから200μlの0.1Mグリシン−HCl、pH 2.2 を用いて15分間溶出し、そしてビーズを遠 心分離によって除いた。ファージを含む上澄(溶出物)を採り、そしてリガンド 結合タンパク質に結合するファージを、さらに1〜2サイクル以上選別すること によって富化した。溶出物を、上記にようにしてプラーク形成によりスクリーニ ングした。最初の溶出物の典型的な収量は、約1×106〜5×106pfuであった。 2番目および3番目の溶出物では、通常、それぞれ、約5×106〜2×107pfuお よび5×107〜1×1010pfuであった。 種々の異なるリガンド結合タンパク質を用いた縮重オリゴヌクレオチドのスク リーニングの結果、各リガンドに結合するペプチド配列を同定した。例えば、β ーエンドルフィンに対する抗体を用いたスクリーニングの結果、約30〜40の異な るクローンが検出された。これらクローンは、本質的に全て、抗体と相互作用す ることが知られているコア部分のアミノ酸配列を有していた。コア配列にフラン キングする配列は、異なっており、それらは独立して誘導され、そして同じクロ ーンの重複でないことを示していた。57として知られる抗体を用いたスクリーニ ングでも似た結果が得られた(すなわち、コアのコンセンサス配列が同定された が、クローン間のフランキング配列は異なっていた)。 実施例IV 左半分ランダムオリゴヌクレオチドライブラリーの生成 本実施例は、左半分ランダムオリゴヌクレオチドライブラリーの合成および構 築を示す。 変異誘発によって容易にベクターに挿入され得るように、5’末端および3’ 末端で異なる配列を合成したこと以外は、実施例Iの記載と同様にして、9個の コドンの長さのランダムオリゴヌクレオチド集団を合成した。さらに、反応生成 物をランダムに分布させるための混合および分割工程を、等容量のビーズ懸濁液 を分配する他の方法により行った。ビーズを分散させたままで維持するのに十分 濃厚な選択された液体は、100%アセトニトリルであった。 簡潔に説明すれば、48μmol/gの保持力を有するビーズ(Genta,San Diego,C A)22mg(1μmol)を、100%アセトニトリル0.5ml中に懸濁させることにより、 第1のカップリング反応のための各カラムを調製した。これらのビーズは、実施 例Iに記載のものより小さく、グアニンヌクレオチドにより誘導体化されている 。これらはまた、制御された孔サイズを有していない。次いで、ビーズ懸濁液を 空の反応カラムに移した。懸濁液を移す際には、徐々にピペットで移すことによ り、懸濁液を比較的分散した状態で維持した。カラムに栓をして、モノマーカッ プリング反応を表XIIに示すように行った。 最後のモノマーのカップリング終了後に、カラムの栓を上述のようにして取り 外し、その内容物を1.5mlの微量遠沈管に注いだ。カラムを100%アセトニトリル ですすぎ、残りのビーズをすべて回収した。すすぎに使用されるアセトニトリル の容量は、ビーズがアリコートにされる新しい反応カラムの各々に対して、ビー ズ懸濁液の総量の最終容量が約100μlとなるように決定した。混合物をゆっく りとボルテックスし、均一に分散した懸濁液を得、次いで、この混合物を一定量 ずつピペットすることにより、等容量に分割した。次いで、ビーズの各混合物を 、空の反応カラムに移した。空の管を少量の100%アセトニトリルで洗浄し、こ れらもまた、それぞれのカラムに移した。次いで、ランダムコドン位置2〜9を 、実施 例Iに記載のようにして合成した。その際、混合および分割工程は、100%アセ トニトリル中の懸濁液を用いて行った。コドン位置2〜9に対するカップリング 反応を表XIIIに示す。 第9コドン位置の最終モノマーのカップリング終了後に、反応生成物を混合し 、その一部を空の反応カラムに移した。カラムに栓をして、以下のモノマーカッ プリング反応を行った:5’-CGGATGCCTCAGAAGCCCCXXA-3’(配列番号60)。得 られたランダムオリゴヌクレオチドの集団を精製し、変異誘発により左半分ベク ターM13ED04に導入した。 M13ED04は、実施例IIIに記載のM13ED03ベクターの改変型であり、従って、こ のベクターのすべての特徴を有している。 M13ED03とM13ED04との間の違いは、M13ED04が抗βエンドルフィン抗体によって 認識される5つのアミノ酸配列(Tyr Gly Gly Phe Met)を有していないことで ある。この配列は、オリゴヌクレオチド 5’-CGGATGCCTCAGAAGGGCTTTTGCCACAG G(配列番号61)を用いる変異誘発により削除される。このベクターの全ヌクレ オチド配列を図10(配列番号6)に示す。 実施例V 可溶性で、コンホメーション的に拘束されたランダムペプチドの生成 本実施例は、溶液中で拘束された二次構造を有する可溶性ペプチドをコードす る発現可能なオリゴヌクレオチドの合成および構築を示す。 上述のように、リガンド結合タンパク質に対するペプチドの結合親和性は、ペ プチドの一次構造および二次構造の機能である。親和性に対する一次構造の効果 は、上記実施例に開示のようにして決定され得る。 その最も広い形態においては、開示された方法は、合成されて、水溶液中で拘 束された二次構造を有するペプチドをコードするような所定のコドンの所望の偏 りを有する、オリゴヌクレオチドを提供する。好適な実施態様においては、拘束 された二次構造を有するペプチドをコードするオリゴヌクレオチドは合成されて 、所定のコドンが少なくとも1つのランダムコドンによって分離されるような、 所定のコドンの所望 の偏りを有する。 所定の位置およびランダムタプレットを有する他の位置で共有結合を形成し得 るアミノ酸をコードする1より多いタプレットを有するオリゴヌクレオチドは、 本明細書に記載の方法を用いて合成される。特定のコドン位置の合成前に、異な るコドンを合成するための個別の反応容器への支持体の分割を行わないこと以外 は、合成工程は上記で概説した20個以下の反応容器を用いる合成工程と同様であ る。例えば、オリゴヌクレオチドの第2位置のコドンが特定される場合には、第 1位置のランダムコドンが合成され、そして、支持体が混合される。混合された 支持体は、新しい反応容器に分割されないで1つの反応容器内に保持され、特定 のコドンが合成される。この特定のコドンは、上述のように個々のモノマーから 逐次的に合成される。従って、反応容器数は、特定のコドンまたは所望の数のラ ンダムコドンの合成を考慮して、各工程で増加または減少させる。 あるいは、システイン、リジン、グルタミン酸、ロイシン、またはチロシンを コードする少なくとも1つの所定のコドンを各オリゴヌクレオチドに取り込むこ と以外は、本質的に実施例Iに記載のようにして、ランダムな左および右の前駆 体オリゴヌクレオチド集団が合成される。右および左のオリゴヌクレオチドの組 み合わせにより、少なくとも2つの所定のコドンを含有する単一のオリゴヌクレ オチドが得られる。あるいは、システイン、リジン、グルタミン酸、ロイシン、 ま たはチロシンをコードする少なくとも2つの所定のコドンを2つの前駆体オリゴ ヌクレオチド集団の1つのみに取り込むこと以外は、実施例IIに記載のようにし て、ランダムオリゴヌクレオチドの集団が合成される。 オリゴヌクレオチドの発現に続いて、少なくとも1つのペプチド内共有結合を 形成することにより、拘束された二次構造を有するペプチドが得られる。特定の 共有結合の形成に必要な条件は当業者には公知である。例えば、本明細書に参考 として援用されている、Proteins,Structures and Molecular PrinciPles, Cre ighton,T.E.編、W.H.Freeman and Co.,New York(1984)を参照せよ。オ リゴヌクレオチドは1より多いペプチド内共有結合を形成し得るペプチドをコー ド化し得るが、ただ1つのこのような結合がコンホメーション的に拘束されたペ プチドの形成に必要である。 ペプチドライブラリーは、細胞(例えば、バクテリオファージ)表面上に発現 される。リガンド結合タンパク質(本実施例では抗体)存在下でファージを最初 にインキュベートし、次いで、プロテインAコートされた皿中でパニングするこ と以外は、本質的に実施例Iに記載のようにして、ペプチドリガンドを発現する ファージが、パニングにより最初に同定される。本質的に実施例Iに記載のよう にして、個々のファージ集団は、プラーク精製を3回繰り返すことにより精製さ れる。 一般のファージ集団よりも顕著に高いリガンド結合親和性 を示すペプチドをコードする2つのファージは単離され、オリゴヌクレオチド配 列が決定され、そしてアミノ酸配列が推定される。リガンドは、最も高い親和性 で配列 TQSKCSTDHWLGYIEYFIMCTY(配列番号62)を有する22アミノ酸のペプチ ドに結合する。リガンドはまた、高い親和性て配列 CDDQYYTDHEQGKCEVALYYTG( 配列番号63)を有するペプチドにも結合する。 上記で同定されたペプチドは、各々がいくつかのペプチド内共有結合を形成し 得る。例えば、ジスルフィド結合は、2つのシステイン残基間に形成され得、ε (γ−グルタミル)−リジン結合は、リジン残基とグルタミン酸残基との間に形 成され得、リジン−ノルロイシン(lysinonorleucine)結合が、リジン残基とロ イシン残基との間に形成され得、あるいは、ジチロシン結合が、2つのチロシン 残基間に形成され得る(Devlin, Textbook of Biochemistry第3版(1992))。 さらに、例えば、デスモシンの複素環式構造を形成し得る4つのリジン残基を有 する他のペプチドが構築され得る。 当業者に公知で、かつ、本明細書に記載されている方法により、リガンドの結 合親和性に対するアミノ酸置換の影響を調べることによって、配列 TQSKCSTDHW LGYIEYFIMCTY(配列番号62)を有するペプチド内における共有結合の性質が決定 される。Creighton,上述、pp.335-396が本明細書に参考として援用されている 。 このペプチドをコードするオリゴヌクレオチドは、発現されたペプチドの分泌 を許容するベクター中にクローン化され る。ペプチドTQSKCSTDHWLGYIEYFIMCTY(配列番号62)は、4mg/mlの濃度で可溶 性である。システインがアラニンで置換されている以外は同じペプチドは、上記 濃度で不溶性である。 実施例VI コンホメーション的に拘束されたペプチドを用いる結合の研究 BIAコア自動バイオセンサー(Pharmacia Biosensor AB,Uppsala,Sweden)を 用いて、KarlssonらによってJ.Immunol.Meth.145:229-240(1991)に記載さ れているように、モノクローナル抗体と直鎖状形態のペプチドまたは環状形態の ペプチドとの反応に対する会合定数(Ka)、解離定数(Kd)および親和定数( K)を決定した。これらの実験には、J2B9モノクローナル抗体によって認識され る24アミノ酸のペプチドTQSKCSTDHWLGYIEYFIMCTYRR(配列番号64)を用いた。こ のペプチドは、酸化条件下でジスルフィド結合を形成する2つのシステイン残基 を含有する。 環状形態のペプチドを、そのアミノ末端によりBIAコアセンサーチップに固定 化し、そして、J2B9抗体の0.016、0.033、0.066、0.13、または2.3nM溶液に曝し た。屈折率変化を測定し、上述のKarlssonらによって記載されている公式を用い て以下の速度および親和定数を計算した:Ka=3.7×105M-1-1;Kd=4.5×10-4-1およびK=8.4×108M。 上述の測定値が得られた後、環状ペプチドをBIAコアセンサ ーチップに固着させながら10mMジチオスレイトールで処理することによって、ジ スルフィド結合を還元した。次いで、直鎖状ペプチドとJ2B9モノクローナル抗体 との解離速度を、上述のようにして決定した。 J2B9抗体と直鎖状ペプチドとの解離速度は、1.54×10-3秒と計算された。この ように、この抗体は、環状ペプチドから解離する3倍の速度で、直鎖状ペプチド から解離した。環状ペプチドを再形成するために直鎖状ペプチドを再び酸化する ことにより、解離速度が再び10-4の範囲に減少した。これらの結果は、コンホメ ーション的に拘束されたペプチドが、安定性の低い二次構造を有するペプチドよ りも、高い親和性で特定のレセプターと結合することを示している。 実施例VII 抗破傷風毒素抗体に対して高い親和性を有する、可溶性で、コンホメーション的 に拘束されたランダムペプチド 本実施例は、拘束された二次構造を有する可溶性ペプチドをコードする、発現 可能なオリゴヌクレオチドの合成および構築、および抗破傷風毒素抗体に対する 高親和性バインダーの選択を示す。オリゴヌクレオチドの合成 本質的に実施例Iの記載のように、右半分および左半分の前駆体としての、10 個のコドンの長さを有するランダムオリ ゴヌクレオチドを合成した。これらを組み合わせると、20アミノ酸長のランダム ペプチドをコードするオリゴヌクレオチドが得られる。システインに対するコド ンを用いて、二次構造を拘束するための共有結合を形成し得るペプチドを生成し た。ペプチドの環状化のために使用されるアミノ酸を所定の位置に配置した実施 例Vとは対照的に、他の19のランダムコドンと比較して所定の偏りを有するすべ ての位置に、システインコドンを導入した。 簡潔に説明すれば、本質的に実施例Iに記載のように、各コドン位置での20の ランダムコドンを合成するために、10個の反応容器を使用した。上記合成のため に使用される10個の通常の反応容器に加えて、2つのシステインコドン(TGCお よびTGT)を合成するために、追加の2つの反応容器を使用した。従って、この 合成手順では、各位置でのシステインコドン頻度が20%である各コドン位置の合 成のために、合計12個の反応容器を使用した。右半分および左半分のオリゴヌク レオチドに対する5’および3’フランキング配列は、実施例Iに記載のもので あった。システイン残基をコードするための追加の2つの反応容器を使用するこ とにより、各コドン位置で取り込まれたシステイン頻度が増加した。この増加し た頻度は、ペプチドの二次構造を拘束する共有結合を形成し得る残基の存在を保 証する。さらに、所定の位置でシステインを取り込むかわりに、各コドン位置で システインをランダムに取り込むことにより、拘束されたコンホメーションを有 する、およ びそのことにより結合タンパク質に対する高い親和性を有するペプチドを得る可 能性が増加する。なぜなら、より多数のペプチドがスクリーニングに利用され得 るからである。ライブラリーの構築およびスクリーニング 右半分および左半分のオリゴヌクレオチドからのライブラリーの構築を、実施 例Iに記載のようにして行った。本質的に実施例IIIに記載のようにして、抗破 傷風毒素抗体に結合するペプチドについてライブラリーをスクリーニングした。 パニングを2回繰り返した後、この抗体に対して高い結合親和性を示す8つのフ ァージクローンを選択した。コードしている核酸の配列決定によって、システイ ンを有する7つのペプチドが10残基離れて配置し、そしてシステインを有する1 つのペプチドが7残基離れていることがわかった。この配列を表XIVに示し、そ して配列番号65〜72として配列表に挙げる。 好ましい実施態様によって本発明を説明してきたが、本発明の精神から逸脱す ることなく、様々な改変がなされ得ることが理解されるべきである。従って、本 発明は請求の範囲によってのみ限定される。 配列表 (1)一般的情報: (i)出願人:イグジス,インコーポレイティッド (ii)発明の名称:溶液中で拘束された二次コンホメーションを有する可溶性 ぺプチド、およびその製造方法 (iii)配列数:72 (iv)関連住所: (A)住所人:キャンベル アンド フローアズ (B)番地:ラ ホヤ ビレッジ ドライブ 4370,スイート 700 (C)市:サン ディエゴ (D)州:カリフォルニア (E)国:アメリカ合衆国 (F)郵便番号:92122 (v)コンピューター読み出し形態: (A)媒体型:フロッピーディスク (B)コンピューター:IBM PC 互換用 (C)操作システム:PC-DOS/MS-DOS (D)ソフトウェア:パテントインリリース#1.0、バージョン#1.25 (vi)現在の出願データ: (A)出願番号: (B)出願日:1993年11月10日 (C)分類: (vi)先行の出願データ: (A)出願番号:US 07/978,893 (B)出願日:1992年11月10日 (Viii)代理人/事務所情報: (A)氏名:コンスキー,アントワネット エフ (B)登録番号:34,202 (C)照会/記録番号:FP-IX 9769 (ix)電話回線情報: (A)電話:(619)535-9001 (B)テレファックス:(619)535-8949 (2)配列番号1の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:7294塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:環状 (xi)配列:配列番号1: (2)配列番号2の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:7320塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:環状 (xi)配列:配列番号2: (2)配列番号3の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:7445塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:環状 (xi)配列:配列番号3 (2)配列番号4の情報 (i)配列の特色: (A)長さ:7409塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:両形態 (D)トポロジー:環状 (xi)配列:配列番号4 (2)配列番号5の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:7294塩基対 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(D)他の情報:/注=「Mはこの存在位置かつ28,31,34,37,40,43,46, および49の存在位置でAとCの等しい混合物を示す」 (xi)配列:配列番号52: (2)配列番号53の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:54塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ix)配列の特徴 (A)特徴を表す記号:misc difference (B)存在位置:置換(replace)(17,"") (D)他の情報:/注=「Mはこの存在位置かつ20,23,26,29,32,35,38,41, 44,および の存在位置でAとCの等しい混合物を示す」 (xi)配列:配列番号53 (2)配列番号54の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:27塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号54 (2)配列番号55の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:19塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号55: (2)配列番号56の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:63塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号56 (2)配列番号57の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:47塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号57: (2)配列番号58の情報 (i)配列の特色: (A)長さ:25塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号58: (2)配列番号59の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:21塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー直鎖状 (xi)配列:配列番号59: (2)配列番号60の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:21塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号60: (2)配列番号61の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:30塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列:配列番号61: (2)配列番号62の情報: (i)配列の特色: 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───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12P 21/02 C 9282−4B //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.発現可能なオリゴヌクレオチドの多様な集団を含む複数の細胞を含み、該 オリゴヌクレオチドの各々が、溶液中で拘束された二次構造を有するペプチドを コードする組成物であって、該オリゴヌクレオチドの各々が繊維状バクテリオフ ァージベクター内に含まれる発現要素に作動可能に連結され、該発現可能なオリ ゴヌクレオチドが所望の偏りのランダムコドン配列を有し、そして該複数の細胞 が少なくとも1つの該オリゴヌクレオチドを可溶性ペプチドとして発現させる、 組成物。 2.前記オリゴヌクレオチドが、共有結合を形成し得るアミノ酸をコードする コドンを、1つより多く有する、請求項1に記載の組成物。 3.前記アミノ酸が、システイン、グルタミン酸、リジン、ロイシン、または チロシンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項2に記載の組成物。 4.前記オリゴヌクレオチドが以下の配列からなる群から選択される、請求項 2に記載の組成物: 5.前記細胞が原核細胞である、請求項1に記載の組成物。 6.前記原核細胞がE.coliである、請求項4に記載の組成物。 7.前記発現可能なオリゴヌクレオチドが、繊維状バクテリオファージ表面上 でペプチド融合タンパク質として発現される、請求項1に記載の組成物。 8.発現可能なオリゴヌクレオチドの多様な集団を含む複数の細胞を含み、該 オリゴヌクレオチドの各々が、溶液中で拘束された二次構造を有するペプチドを コードする組成物であって、該オリゴヌクレオチドの各々が繊維状バクテリオフ ァージベクター内に含まれる発現要素に作動可能に連結され、該発現可能なオリ ゴヌクレオチドが、第1および第2のオリゴヌクレオチド前駆体集団のランダム 組み合わせから生じた、所望の偏りのランダムコドン配列を有し、該第1および 第2の前駆体の各々またはいずれか一方が所望の偏りのランダムコドン配列を有 し、そして該複数の細胞が少なくとも1つの該オリゴヌクレオチドを可溶性ペプ チドとして発現させる、組成物。 9.前記第1または第2の前駆体オリゴヌクレオチドが偏りを有している、請 求項8に記載の組成物。 10.前記第1および第2の前駆体オリゴヌクレオチドが偏りを有している、 請求項8に記載の組成物。 11.前記第1または第2の前駆体オリゴヌクレオチドが、共有結合を形成し 得るアミノ酸をコードするコドンを、1つより多く有する、請求項8に記載の組 成物。 12.前記第1および第2の前駆体オリゴヌクレオチドが、共有結合を形成し 得るアミノ酸をコードするコドンを、少なくとも1つ有する、請求項8に記載の 組成物。 13.前記オリゴヌクレオチドが以下の配列からなる群から選択される、請求 項8に記載の組成物: 14.前記アミノ酸が、システイン、グルタミン酸、リジン、ロイシン、また はチロシンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項11または12に 記載の組成物。 15.前記細胞が原核細胞である、請求項8に記載の組成 物。 16.前記原核細胞がE.coliである、請求項15に記載の組成物。 17.前記発現可能なオリゴヌクレオチドが、繊維状バクテリオファージ表面 上でペプチド融合タンパク質として発現される、請求項8に記載の組成物。 18.溶液中で拘束された二次構造を有するランダムペプチドの多様な集団の 発現に有用なベクターの調製のためのキットであって、該多様な集団中の該ラン ダムペプチドの少なくとも1つが可溶性ペプチドであり、該ペプチドが、所望の 偏りのランダムコドン配列を有するように組み合わされたときの組み合わされた 第1および第2の前駆体オリゴヌクレオチド0から生じ、以下を含む、キット: 2つの繊維状バクテリオファージベクターであって、これは、該第1の前駆体オ リゴヌクレオチドのクローニング部位および第1の前駆体オリゴヌクレオチドを 第2の前駆体オリゴヌクレオチドと作動可能に組み合わせるための一対の制限酵 素部位を有する第1の繊維状バクテリオファージベクター:および、該第2の前 駆体オリゴヌクレオチドのクローニング部位および該第1のベクター上の制限酵 素部位に相補的な一対の制限酵素部位を有する第2の繊維状バクテリオファージ ベクターであり;ベ クターの一方または両方が、該組み合わされた第1および第2の前駆体オリゴヌ クレオチドに作動可能に連結し得る発現要素を含む。 20.前記繊維状バクテリオファージが、M13、f1、またはfdに由来する、請 求項18に記載のキット。 21.前記ベクターがプラスミドまたはファージミドである、請求項18に記 載のキット。 22.前記第1または第2の前駆体オリゴヌクレオチドが、所定の配列への偏 りを有する、請求項18に記載のキット。 23.前記第1および第2の前駆体オリゴヌクレオチドが、所定の配列への偏 りを有する、請求項18に記載のキット。 24.前記第1または第2の前駆体オリゴヌクレオチドが、共有結合を形成し 得るアミノ酸をコードするコドンを、1つより多く有する、請求項18に記載の キット。 25.前記第1および第2の前駆体オリゴヌクレオチドが、共有結合を形成し 得るアミノ酸をコードするコドンを、少なくとも1つ有する、請求項18に記載 のキット。 26.前記アミノ酸が、システイン、グルタミン酸、リジン、ロイシン、また はチロシンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項24または25に 記載のキット。 27.溶液中で拘束された二次構造を有するランダムペプチドをコードするオ リゴヌクレオチドの多様な集団を発現させるためのクローニング系であって、該 多様な集団中の該オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが可溶性ペプチドをコー ドし、該オリゴヌクレオチドが、所望の偏りのランダムコドン配列から生じるオ リゴヌクレオチドであって、該クローニング系が、溶液中で拘束された二次構造 を有する該ペプチドをコードする隣接オリゴヌクレオチドに該オリゴヌクレオチ ドを作動可能に組み合わせるために、一対の制限酵素部位を有する繊維状バクテ リオファージベクターを含む、クローニング系。 28.前記オリゴヌクレオチドが、共有結合を形成し得るアミノ酸をコードす るコドンを、1つより多く有する、請求項27に記載のクローニング系。 29.溶液中で拘束された二次構造を有するランダムペプチドをコードするオ リゴヌクレオチドの多様な集団を発現させるためのクローニング系であって、該 多様な集団中の該オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが可溶性ペプチドをコー ドし、該オリゴヌクレオチドが、所望の偏りのランダムコドン配列をそれそれま たは一方が有する、組み合わされた第1および第2の前駆体オリゴヌクレオチド の多様な集団から生成され、以下を含む、クローニング系:所望の偏りのランダ ムコドン配列を有する第1の繊維状バクテリオファージベクターのセットおよび 、所望の偏りのランダムコドン配列を有する第2の前駆体オリゴヌクレオチドの 多様な集団を有する第2の繊維状バクテリオファージベクターのセットであって 、該第1および第2のベクターは、該オリゴヌクレオチドを、溶液中で拘束され た二次構造を有する該ペプチドをコードする隣接オリゴヌクレオチドに作動可能 に組み合わせるために、それぞれ、一対の制限酵素部位を有する。 30.前記第1または第2の前駆体オリゴヌクレオチドが偏りを有している、 請求項29に記載の組成物。 31.前記第1および第2の前駆体オリゴヌクレオチドが偏りを有している、 請求項29に記載の組成物。 32.前記第1または第2の前駆体オリゴヌクレオチドが、共有結合を形成し 得るアミノ酸をコードするコドンを、1つより多く有する、請求項29に記載の クローニング系。 33.前記第1および第2の前駆体オリゴヌクレオチドが、 共有結合を形成し得るアミノ酸をコードするコドンを、少なくとも1つ有する、 請求項29に記載のクローニング系。 34.前記アミノ酸が、システイン、グルタミン酸、リジン、ロイシン、また はチロシンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項32または33に 記載のクローニング系。 35.前記組み合わされた第1および第2のベクターが一対の制限酵素部位を 介している、請求項29に記載のクローニング系。 36.前記発現可能なオリゴヌクレオチドが、繊維状バクテリオファージ表面 上でペプチド融合タンパク質として発現される、請求項29に記載のクローニン グ系。 37.オリゴヌクレオチドを含む繊維状バクテリオファージベクターであって 、該オリゴヌクレオチドが所望の偏りのランダムコドン配列、および共有結合を 形成し得るアミノ酸をコードする1つより多いコドンを有する、ベクター。 38.前記アミノ酸が、システイン、グルタミン酸、リジン、ロイシン、また はチロシンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項37に記載のベク ター。 39.溶液中における拘束された二次構造および所望の偏りのランダムコドン 配列を有する、単離された可溶性ペプチド。 40.請求項29に記載のクローニング系により生成された発現可能なオリゴ ヌクレオチド。 41.請求項29に記載のクローニング系を含む宿主細胞。 42.請求項38に記載のベクターを含む宿主細胞。 43.溶液中で拘束された二次構造を有する可溶性ペプチドを単離する方法で あって、該ペプチドの発現に好都合である適切な条件下で、請求項41または4 2に記載の宿主細胞を生育させる工程、およびそのようにして生産された該ペプ チドを単離する工程を包含する、方法。 44.組み合わされた第1および第2の前駆体オリゴヌクレオチドを含むベク ターの多様な集団を構築する方法であって、前駆体オリゴヌクレオチドのそれぞ れまたは一方が、所望の偏りのランダムオリゴヌクレオチドを有し、そして該組 み合わされたオリゴヌクレオチドを溶液中で拘束された二次構造を有するランダ ムペプチドとして発現し得、該ペプチド の少なくとも1つは可溶性ペプチドであり、以下の工程を包含する、方法: (a)所望の偏りのランダムコドン配列を有する第1の前駆体オリゴヌクレオ チドの多様な集団に由来の配列を、第1の繊維状バクテリオファージベクターに 作動可能に連結する工程; (b)所望の偏りのランダムコドン配列を有する第2の前駆体オリゴヌクレオ チドの多様な集団に由来の配列を、第2の繊維状バクテリオファージベクターに 作動可能に連結する工程; (c)ここで、該第1または第2の、あるいは第1および第2の前駆体オリゴ ヌクレオチドが共有結合を形成し得る少なくとも1つのコドンを有し、 (d)該第1および第2の集団の前駆体オリゴヌクレオチドが共に結合されて 、発現され得る組み合わせベクター集団になる条件下で工程(a)および(b) のベクター産物を組み合わせる工程。 45.前記アミノ酸が、システイン、グルタミン酸、リジン、ロイシン、また はチロシンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項44に記載の方法 。 46.前記工程(a)から(d)が2回またはそれより多く繰り返される、請 求項44に記載の方法。
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