JPH08504927A - 捻れ抵抗ゼオメトリーを有する動圧潤滑型回転軸シール - Google Patents

捻れ抵抗ゼオメトリーを有する動圧潤滑型回転軸シール

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JPH08504927A JP7505105A JP50510593A JPH08504927A JP H08504927 A JPH08504927 A JP H08504927A JP 7505105 A JP7505105 A JP 7505105A JP 50510593 A JP50510593 A JP 50510593A JP H08504927 A JPH08504927 A JP H08504927A
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(57)【要約】 捻れ抵抗ゼオメトリーを有する動圧潤滑型回転軸シール動圧回転シールリング(201)は円形静圧密封ゼオメトリー(202)と円形動圧密封ゼオメトリー(206)とを有し、これらのゼオメトリーは、均一放射方向圧縮を促進してシールリングの捻れを最小限に成すように構成され配置される。

Description

【発明の詳細な説明】 捻れ抵抗ゼオメトリーを有する 動圧潤滑型回転軸シール 本件はラニー・ダイトルおよびジェフリーD.ゴベリによって1992年3月 13日に出願され「捻り抵抗ゼオメトリーを有する動圧潤滑型回転軸シール」と 称する米国特願第07/851,532号の一部継続出願である。 発明の分野 本発明は一般に動圧潤滑型回転軸シールに関するものであり、特に放射方向圧 縮の結果としてのシール捻れの可能性を最小限に成す突出静圧密封界面ゼオメト リーを有する動圧潤滑型回転軸シールに関するものである。 発明の背景 油田掘削工業においては、米国特許第4,610,319号の原理に基づきテ キサス、シュガーランドのカルシ・エンジニアリング・インコーポレイテッドか ら登録商標Kalsi Sealsで市販されている動圧潤滑型リング状絞りパ ッキン型回転軸シールが多数使用されている。これらの動圧潤滑型シールはダウ ンホール油井掘削環境など激しい摩損環境において潤滑剤の保持と汚 染物排除を実施するために使用されており、低潤滑剤圧および高潤滑剤圧プラン トの両方において成功している。現在市販の掘削関係器具はロータリコーン・ロ ックビッド、マッド・モータ、高速コーリング・スイベルおよび回転掘削ヘッド を含む。動圧潤滑型シールまたは動圧シールに関するすべての引例は前記の米国 特許の原理を実施したシールに関するものである。 第11図乃至第18図は、先行技術のシールおよび本発明のシールの差異を理 解してもらうために説明される先行技術動圧シールに関するものである。動圧回 転軸シールについて最も使用される用具は低潤滑剤圧の用具、ロータリ・コーン ・ドリルビットであって第11図に図示されている。このドリルビットシールの 断面ゼオメトリーは、軸界面の形状、長さおよび相対位置によって、またシール グルーブの相対位置によって決定される。その結果、シールの静圧ゼオメトリー に対してほぼ定心された動圧接触ゼオメトリーが得られる。ドリルビットシール は静圧密封面1と、掘削流体と接触するための環境側面2と、ビットの潤滑剤チ ャンバ中の潤滑剤と接触するための潤滑剤側面3とを画成する。またこのシール は急角度の排除縁4と動圧密封界面5とを形成し、この動圧界面は軸の円筒形密 封面6と接触しまた潤滑剤に露出された非円形動圧縁7を形成する。軸の隅部湾 曲部8によって、シールの環境側面または泥水側面2と急角度の 排除縁4とが横方向に片寄り関係に配置される。このフィーチャは、ドリルビッ トの動圧密封界面を静圧界面に対して実質的に定心させる。従って、ドリルビッ ト放射方向圧縮しシールの捻れを誘発しない。このドリルビットシールの動圧界 面の円筒形「足跡」の展開図を第13図に示す。 ドリルビットシールのテスト 動圧ドリルビットシールと通常の楕円形断面の非動圧ビットシールの多数のサ ンプルを使用した現地テストにより、動圧シールの動圧フィーチャと排除フィー チャがシールおよび対応の相対回転軸面の摩耗を低下させるのに有効である事が 示された。二、三の場合には、動圧シールの内側面は長期テスト後においても実 際上摩耗していなかった。すなわち型穴から出されたままの仕上げ面がなお見ら れた。同一のテスト条件において、対称サンプルとして使用された標準的非動圧 シールは内側面に相当のグルーブを示し、また対応の軸密封面にもグルーブを生 じた。現地テストのデータの分析からビットメーカーは、「動圧潤滑型シールを 使用する事により密封軸受ロックビットの寿命と信頼度が著しく改良される」と 結論し、この型のシールを広くロータリー・コーン・ドリルビットにおいて使用 する事になった。 動圧ドリルビットシールの開発中、動圧密封界面の形状および位置、動圧界面 接触圧輪郭の性質およびパッキ ン押さえ中の断面全体のフィットを制御するために、動圧ドリルビットシールの ゼオメトリーについて広範な移動有限要素分析をした。ビットシールのフィルム 厚さおよび界面接触圧の予測値は、「クサビ」作用によって誘発されるシールの 潤滑が代表的作動状態において適当でありまた界面圧分布が排除縁の近くで急激 に上昇するので非常に望ましい事を示した。 実際作業中に見られる種々の圧力条件および温度条件のもとにビットシールの 界面接触区域の形状も実験的に測定された。その測定結果は、第13図において 「F」で示すビットシール界面接触区域または「足跡」が温度および圧縮力の増 大と共に徐々に拡大するが、動圧縁Aの波形はその高さと形状を非常によく保持 し、またシールの急激な排除縁「B」が軸と接触を保ち、著しくふくれまたは軸 から離れる傾向のない事を示した。足跡幅の測定値は前記の有限要素分析の幅予 測値と緊密に相関していた。 ビットシールの有限要素分析は、平均波高で型出しされたままのビットシール の断面ゼオメトリーが圧縮に際して比較的安定であって1方向または他方向への 大きな傾斜傾向を有しない事を示した。この設計の固有の安定性は、内側動圧密 封ゼオメトリーが外側静圧密封ゼオメトリーに対して軸方向にほぼ定心している 事実と関連がある。 この動圧ビットシールは低圧またはゼロ圧の用途においては比較的安定してい るが、500−1500psiのマッド・モータの密封軸受潤滑剤保持作業など の高圧用途については適当でないと思われる。動圧密封ゼオメトリーがシールパ ッキン押さえの壁体によって直接に支持されていないからである。ビットシール が高い潤滑剤圧に露出される場合、シールはパッキン押さえの反対側壁体に向か って押されるであろう。パッキン押さえ壁体との最初の接触は、軸との密封界面 より実質的に大きな直径部分において生じるであろう。壁体接触面と軸接触面と の間の非支持区域に作用する静圧は、シールの内側直径部分に対して巨大な力を 加えるであろう。その結果潤滑剤圧がシールの内側直径部分を反対側パッキン押 さえ壁体に向かって押すので、この部分は異常なゆがみを受けるであろう。この ような動圧ゼオメトリーの大きなゆがみは界面の動圧潤滑を妨げ、従って直接摩 擦接触、摩擦熱による融解およびエラストマーの軟化による急速な押出し作用の 結果、シールの急速な破損を生じるであろう。 汎用動圧シール 前記の米国特許の主旨の範囲内において汎用動圧シールも開発された。先行技 術を示す第12図および第12A図において、第12図はシールがパッキン押さ えの中で圧縮された状態を示し、また第12A図はシールの非 圧縮状態を示す。第12図において、代表的な汎用動圧回転軸シールEが円形の ハウジンググルーブの中に設置され、このハウジングは弾性円形密封要素を放射 方向に圧縮して軸の円筒形密封面に対して当接保持するサイズを有し、このよう にしてハウジングに対して静圧シールを生じ、またOリングのような通常の絞り パッキングシールと同様に回転軸に対して動圧シールを成す。軸が回転し始める 時、この動圧シールはハウジングに対して静止状態にあり、ハウジングに対して 静圧密封界面を成し、またシールと軸の界面が動圧シール界面となる。 第12図、第12A図および第13図に示すように、この動圧シールの内側面 Dは、動圧シール/軸界面区域を動圧的に潤滑しまたこの界面から環境汚染物質 を排除する事によってシールの長寿命を生じるようなゼオメトリーを有する。動 圧シールの内周ゼオメトリーは、潤滑剤側において波形に軸方向に変動する縁A と、環境側面Cの急角度の排除縁Bとを含む。軸の相対回転運動が開始されると 、軸方向に徐々に集中する形状Gを有する潤滑剤側Lの波形が第13図に示すよ うに動圧クサビ作用(回転速度Vの垂直成分Vnによる作用)を生じ、この作用 がシールEと軸Hとの間に潤滑剤フィルムを導入する。この潤滑剤フィルムは物 理的にシールと軸とを離間し、このようにして先行技術の非動圧型絞りパッキン グ型シールについて見られた代表的な乾燥摩擦型摩耗を防 止し、またこれによってシールとその対応の軸の寿命を延長させ、より高い作業 圧縮を可能とする。環境側Cのシール/軸界面におけるまっすぐな急角度の縁B は軸方向に変動する事なくまた動圧クサビ作用を発生しないので、シール/軸界 面から汚染物質粒子を排除するように作用する。多くの型の回転装置においては その成分の可撓性と種々の内部間隙とによってわずかな軸運動が生じる。密封界 面の非動圧側の縁の急角度の隅部Bは一般に排除側または排除縁として知られ、 前記のような軸方向軸運動の際に軸をかき落とす作用によって汚染物質を排除す る。従って、軸とシールとの間に相対軸方向運動が生じる時、堆積した汚染物質 、代表的には摩耗性物質が軸の密封面からかき落とされるので、動圧密封界面か ら汚染物が排除される。さらに、潤滑剤と動圧縁Aとの相互作用によって生じる 動圧クサビ作用は、動圧界面の潤滑剤側から環境側への制御された潤滑剤ポンプ 輸送作用を生じ、その結果として僅少な潤滑剤漏れレートを生じる。このような 漏れまたは潤滑剤フィルム運動は、排除縁Bを通して動圧密封界面の中にどのよ うな密封物質が入っていても、汚染物質粒子を界面からシールの汚染物質側面ま で排出する傾向を示す。 ドリルビットにおいて使用される動圧回転軸シールの断面形状は他の用途のた めに市販されている断面形状と著しく相違する。ドリルビット中のスペースが機 械的強 度を考慮して厳しく制限され、また動圧ビットシールの断面ゼオメトリーは、軸 界面の形状と長さ、シールグルーブのゼオメトリーおよび相対位置によって決定 される。シールに対するこのような拘束は、静圧密封界面に対してほぼ定心され た動圧密封界面のゼオメトリーを生じる。この点について前記ビットシールの断 面は標準型の汎用カルシ・シール製造ラインの断面と実質的に相違している。こ の標準型のシールは前記ビットシールと異なり、高圧用および低圧用に設計され ている。これらの汎用シールは静圧密封界面に対して片寄った動圧密封界面を有 する。特定の低圧用に設計された前記ビットシールと異なり、汎用動圧シールは 高圧および低圧用に使用されるように設計されている。このような理由から、汎 用シールの断面形状は前記ビットシールと実質的に相違している。急角度の排除 縁は好ましくはシールの環境側末端に配置される。汎用動圧シール上の排除縁の 位置は、高圧用途に際してパッキン押さえの壁体から支持する必要によって決定 される。この形状は、高い潤滑剤圧条件が存在する場合、第12図に示すように 潤滑剤と汚染物質との間の圧力差によってシールの排除側面がパッキン押さえの 壁体に対して押圧されるという事実によって決定される。もし排除縁がシールの 環境側面の末端になければ、先に高圧を受けるビットシールの場合について述べ たように、シールは大きなゆがみを受けて動圧作用を実施で きないであろう。 汎用動圧シールの設計は急角度の排除縁がシールの環境側面の末端に配置され ているので、またシールの環境側面の形状が環境側のパッキン押さえ壁体の形状 と実質的に同一であるので、汎用シールは、ハウジングと軸との間に存在するギ ャップI以外のすべての箇所において潤滑剤の圧力に対してよく支持されている 。このギャップはしばしば押出しギャップと呼ばれ、シール材料の剛性がこのギ ャップを橋かけし動圧によって生じる変形に抵抗できるように非常に小さく設計 される。 問題点の説明 第12図に図示の汎用動圧シールは(高圧マッド・モータシールとして広く使 用されている事によって証明されるように)摩損物質環境の中に圧下潤滑剤を保 持するためには非常によく作動するが、摩損性環境の中で非圧下または低圧下潤 滑剤を保持するために使用される場合にはしばしば過早な摩損を示す。 汎用動圧シールの最も一般的な低圧用途は、油井掘削マッド・モータの密封軸 受組立体であって、この種の軸受組立体は堅い土壌および岩石層の中に掘削する ために使用され、特に困難な軸密封用途である。 マッド・モータ上の低圧シールは下記の相反する条件組合せのもとに作動しな ければならない。 1.横方向軸撓みの高い変動レベル、 2.地熱、軸受およびシール発生熱による高温環境、 3.非常に摩耗性の掘削流体環境、 4.制限された潤滑剤タンク容積、 5.厳しい放射方向および軸方向スペース拘束、 6.固定軸とハウジングとの不整列、 7.高レベルの振動、 8.機械的内部間隙と成分の弾性とによる軸方向運動、 9.圧力バランスによるシールの軸方向運動。 低圧掘削マッド・モータシールは前記のような悪条件の組合せのもとに低漏れ レートと信頼できる長寿命をもって作動する能力を有しなければならない。また マッド・モータの高圧シールは前記のような問題点のほか、500−1500p siの潤滑剤圧に耐えなければならない。 マッド・モータはドリルストリングの下端に配置され、ドリルビットの回転動 力を生じる正方向移動水圧モータである。このモータは循環掘削流体によって駆 動され、この掘削流体は掘削カッティングスを油井から排出するためにも使用さ れる。 マッド・モータ全体は3個の主要サブ組立体から成る。すなわち水圧モータ、 自在継手および軸受組立体を含む。循環する掘削流体がモータのロータを駆動す る。自在継手がこの回転運動をロータから軸受サブ組立体の回転軸 に伝達し、この回転軸に対してドリルビットがねじ込み連結されている。ドリル ストリングから軸受サブ組立体のスラスト軸受を介してドリルビットに対して重 量が伝達される。 ビットが回転する際に、ビットはこれに加えられる重量の作用で地層に衝突し て破砕し、そのためビット重量はビット切削構造によって集中される。軸受サブ 組立体の放射方向軸受がビットをドリルストリングに対して配向し案内する。 ステアリングシステムにおいては、モータサブ組立体と軸受サブ組立体との間 にベントハウジングが使用される。方向制御は、このベントハウジングを所望の 走行方向に瞬間的に向けるようにドリルストリングを回転される事により実施さ れる。直進掘削はドリルストリングの連続回転によって実施される。ベントハウ ジングは直進掘削モードにおいても指向性掘削モードにおいても軸受サブ組立体 の放射方向軸受に対して追加の側方荷重を加え、また軸方向荷重の頻繁な変動と 協働して、高レベルの軸たわみ変動に寄与する。 マッド・モータの軸受組立体のすべてのハウジングは軸受潤滑剤によって満た され、この潤滑剤は軸受ハウジング構造の両端において回転密封要素によって保 持される。潤滑剤は掘削流体の圧に対して圧力平衡され、多くの設計は潤滑剤を ドリルストリングの穴の中の圧力に対 して平衡させる。この圧力平衡は圧力平衡ピストンによって実施され、このピス トンはハウジングに対して滑り密封関係にあり、また軸に対して回転密封関係に ある。圧力平衡ピストンの回転シールは、汎用動圧シールが一般に掘削マッド・ モータの密封軸受組立体の低圧シールとして使用される2つの箇所の一方である 。 掘削流体が密封軸受サブ組立体の中空軸を通過し、次にドリルビットジェット を通過して油井のアナラスの中に入った後、その圧力はドリルストリングの孔圧 力より約500−1500psi低いレベルまで落ちる。軸受組立体中の潤滑剤 圧がドリルストリング圧またはアナラス圧のいずれかに平衡されるのであるから 、ロータリシールの1つが潤滑剤と環境との間に500−1500psiの圧力 降下を含まなければならない。通常潤滑剤はドリルストリングに対して平衡され るので、一般に組立体の下端に向かって高圧シールが使用される。 経験の示すように、バリヤ流体とロータリバリヤシールとを備える事により高 圧シールとその周囲の機械構造を研摩性ドリル流体環境から防護する事が望まし い。バリヤシール構造は、汎用動圧シールが掘削マッド・モータの密封軸受組立 体の中で低圧シールとして使用される2つの箇所の第2箇所であって、高圧シー ルの両側に清浄な潤滑剤環境を形成する。 バリヤシールが使用されなければ、高圧シールと周囲 の機械的構造が研摩性摩耗を受け、この摩耗は高圧シールの性能を種々の面から 劣化させる。ハウジングと軸との間に存在する押出しギャップ中の研摩性物質は 軸およびハウジングの対応の孔に対して大きな摩損を生じて、押出しギャップを 拡大させるので、これが高圧ロータリシールの押出し抵抗を低下させる。研摩性 軸摩耗は局所グルーブの形をとる。相対内部組立体の間隙と支持部品の弾性の結 果としてハウジングと軸との間に相対軸方向運動が生じた時、高圧シールの先端 がグルーブを乗り越える事によって破損する可能性がある。またバリヤシールが 使用されない場合に、二、三の掘削流体媒質が高圧シールの材質を化学的に腐食 する可能性がある。 一般にバリヤシールは、ハウジングの孔に対して滑り密封関係を有しまた軸に 対して回転密封関係を有する浮動圧力平衡ピストンの中に取付られる。この浮動 ピストンの目的は環境に対するバリヤ潤滑剤を圧力平衡するにある。バリヤ潤滑 剤はバリヤシールと高圧シールとの間に捕らえられた潤滑剤である。 マッド・モータ動圧シールの摩損調査 多数の種々のマッド・モータ密封軸受サブ組立体構造の中で使用された低圧動 圧シールの研究は低圧シールの過早摩損が頻繁に生じる事を示している。1つの 文献に記載された場合、70時間以下の作動後に低圧シールの内周の環境側にグ ルーブ型摩損が現れたが、両方のシー ルはなおも有効であった。明らかにこの型の摩損は、動圧密封界面の中に摩耗性 物質が進入する事によって、すなわち摩耗性粒子がシールの排除縁を越えて動圧 密封界面の中に入る事によって生じている。1つの低圧シールはマッド・モータ バリヤシールの中で200時間以上作動した後に摩損したがなお有効であった。 性能が優れていると同様に、内周面において完全に平滑に摩損され、実際上最初 の軸方向変動形状の兆候が残っていない他の多くの低圧シールが見られた。 マッド・モータ中で低圧使用された汎用動圧シールの過早摩損に関する多くの 証拠が得られたので、制御された実験室条件のもとにこの問題点を研究するテス トが実施された。このテストは、細密研摩された炭化タングステン表面上で最小 限圧のもとに潤滑剤の存在において運転する汎用動圧シールを含んでいた。この シールは回転の前にこのシールをパッキン押さえの環境側面に対して正確に配向 するのに十分な瞬間的潤滑剤圧を加えた。シールの環境側面が砂を含む研摩性研 削流体に対して露出された。このテスト中、潤滑剤温度はマッド・モータ運転に ついて予想される温度範囲内に保持された。 テスト工程中に、摩損の兆候を見るためほぼ24時間ごとに組立体を分解した 。再組立前に、シールと軸を完全に洗滌した。組立てられたシールを環境側のパ ッキン押さえ壁体に対して配向するために瞬間的潤滑剤圧を加 えた。 毎日密封界面を洗滌しまた軸の振れが小さかったにも係わらず、シールは約1 00時間運転した時に、摩損バンドを示し始めた。約140時間で、摩損バンド の幅が顕著に増大した。約160時間で、トルクが急激に増大して、トルク値が 倍以上になった。トルクの増大に伴って漏れレートの減少が見られた。約170 時間でトルクはほとんどその初値まで降下し、このレベルで約24時間運転し次 に増大し始めた。約200時間で、高いトルクレベルの故にテストを終了した。 テスト終了時にシールはなお有効であったが、第14図に示すような摩損パタン を示した。シールの汚染物側Cの動圧密封界面に円形の摩損グルーブJが形成さ れている事を注意しなければならない。 約110時間からテスト終了まで、密封界面のこの箇所に摩損パタンがだんだ んに増大するのが見られた。約100時間で軸の摩損パタンはようやく視認する 事ができたが、感触できなかった。約200時間から、軸の摩損パタンは容易に 感触する事のできるつや消し組織を示した。 最初は軸の摩耗パタンのつや消し組織または進入した摩損物質がトルク増大の 原因であると考えられていた。しかし摩損したシールを場合によっては洗滌した 後に新しい軸面で運転させた時に高いトルクを示した事によっ て、この考えは破られた。同様に新しいシールは軸の摩損パタンの上で運転させ た時に高いトルクを示さなかった。テストに入って約150時間で発生したトル クの増大は、シールの摩損によって動圧潤滑が部分的に失われた事によると結論 された。この結論は、トルクの増大と共に漏れレートの減少が生じた事によって 支持される。 シールは200時間のテストの終了時に有効であつたがバリヤシールは実際使 用時には、より動的な運転など条件が厳しくなりまた24時間ごとに分解して洗 滌されなかったので、これほど長く作動しなかった。 前記のテストにおいて、動圧潤滑の深刻な劣化とシール摩損レートのこれに対 応する増大のほか、トルクの急激な増大が重大な意味をもっている。マッド・モ ータ中の低圧シールの多くは浮動ピストンの中に搭載されている。現存する唯一 のピストン回転防止装置においてピストンとハウジングとの密封界面に外側滑り シールの摩擦が生じる。外側滑りシールはパーカ・シールによって登録商標Po lyPackで製造市販されているようなOリングまたは組立シールである。ト ルクの急激な増大はピストンと滑りシールをハウジングの中で回転させる。この ような回転は、外側シールがハウジング孔と乾燥摩擦接触しているので外側シー ルに対して非常に破壊的である。その結果、外側シールの厳しい摩損を生じ、こ のような摩損は数人の使用者によって報告されまた出願人 がこれを目撃した。急激なトルク増大はパッキン押さえの中に動圧シール・スピ ンを生じ、乾燥滑り接触の故にシールとパッキン押さえの摩損を生じる。このよ うな事態を防止するため、多くのパッキン押さえはシールの静的保持のために摩 擦抵抗を増大するようにグリット噴射加工を受けいる。 軸とパッキン押さえとの間に偏心状態が存在する場合、放射方向シール圧縮度 がシール外周の約1/2において減少し他の半分において増大する。このような 偏心状態において流体密封シールを保持するため、片寄り状態において十分な圧 縮レベルが保証されるのに十分な予備的圧縮を実施しなければならない。同時に 片寄り状態において見られる最大圧縮度がシール性能に対して悪影響を与えては ならない。この理由から、シールが広範な圧縮度に耐え得る事が望ましい。 汎用動圧圧縮シールの有限要素分析 本発明の汎用動圧シールの最初の設計においては最初に有限要素分析は使用さ れなかったけれども、後日実験室において、シールの一部が断面の潤滑剤末端に おいて回転中の軸に対してなんらかの摩擦を生じた事を軸上の接触パタンが示し たケースを調査するために有限要素分析を十分に使用した。その時以来、油井に 使用された掘削マッド・モータからとられた低圧シールのサンプルにおいて、シ ールと接触する軸の潤滑剤末端の他の例が発 見された。 代表的な汎用静圧シールについて有限要素分析を実施し、種々の温度条件、圧 縮条件および潤滑剤圧条件のもとに得られたシールの変形および界面接触圧を評 価した。この分析は汎用シールが放射方向圧縮レベルの増大のもとにますますゆ がみまた捻られ、場合によってはシールの潤滑剤末端が軸と接触する事を示した 。先行技術に関する第15図は、11%圧縮と180°Fの温度上昇において半 波高でモデリングされた非圧縮汎用シールの有限要素分析移動プロットを示す。 波線Mはシールの非変形状態を示す。実線Nは放射圧縮におけるシールの予想変 形状態を示す。この移動プロットは、モデリングされた条件において、シールの 潤滑剤末端の内側円形隅部Fが軸面Qと接触するまでシールが捻れる事を示す。 このような接触状態を示す低圧シール/軸接触パタンは実験室テストサンプルに も、また現地から戻されたマッド・モータの低圧シールについても見られた。 また非圧縮シールの有限要素分析は他の望ましくない傾向を示している。すな わちパッキン押さえ中のシールの捻れの故にシールの急角度の押出し縁Bが比較 的低い初圧のもとにおいてさえ軸から持ち上がる。このような持ち上がり傾向は 圧縮度が増大すると共に圧下する。第18図は、第15図の場合と同様に11% 圧縮および180°F温度上昇において半波高でモデリングされた非 圧縮汎用シールの移動プロットの排除縁部分の拡大断面図である。この第18図 は圧縮によって誘導されたシールの捻れの結果、排除縁Rが回転軸Qから持ち上 げられている状態を示す。その結果、シールは動圧シール界面Tの環境側におい て徐々に集中するS型を有する。シールの緩やかに集中する形状は、有限要素分 析によって予想された界面接触圧輪郭の中に反映されいる。 急角度の縁は排除掻き落とし作用を生じるためのものであるから、理想的には 動圧密封界面の環境側の接触圧輪郭はシールの急角度縁において急激に上昇しな ければならない。汎用動圧シールが非圧力潤滑剤用に使用される場合、掻き落と し作用は存在しない。その代わりに局所シールゼオメトリーは前述の軸との徐々 の集中の形を取り、これが軸の軸方向運動の際に研摩性物質を捕捉するために理 想的である。軸受その他の機械的間隙および成分の可撓性の故に、マッド・モー タ密封軸受組立体の中に軸の微細軸方向運動が存在する。シールの急角度縁の持 ち上げとシールの局所的集中ゼオメトリーの結果、軸方向運動は研摩性物質を動 圧密封界面の中に駆動する。その結果、シールと軸の摩損を生じる。 パッキン押さえ中のシールの捻り度は動圧波の局所高さに関連する。急角度縁 の傾斜と対応の持ち上げは、波の低点において大きく、波の高点において小さい 。これは、動圧密封界面の環境側の最後の接触点が動圧導入波 高の関数として軸方向に変動する事を意味する。不幸にして、この現象は排除縁 の動圧作用を制限し、この排除縁は環境汚染粒子を密封界面の中にクサビどめし 、軸の軸方向運動が存在しなくてもシールの過早摩損を生じ、従ってシールの作 動寿命を制限する。この結論は、軸方向運動の存在しなかった実験室テストから 得られた摩耗シールによって支持される。 また前述と同様の11%圧縮、180°Fの有限要素分析を第16図に図示の ように100psiの差圧で実施した。この荷重から、潤滑剤側の圧力がシール を直立させて環境側の潤滑剤壁体に当接させる事が予想された。これは予想され たように急角度縁を軸と接触させ、その結果、予想されたように密封界面の環境 側において急激な接触圧力輪郭と予想通りの排除掻き落とし作用とを生じた。ま た潤滑剤のシール直立効果はシールの潤滑剤末端における軸との接触を防止する 望ましい効果を示した。 また第17図に図示のように、15%の圧縮度と180°Fの温度差において 汎用シールをモデリングした。この圧縮レベルにおいては、実際上シールの内側 部分全体が軸に対して平坦に成された。またこのシールモデルは100psiの 差圧を潤滑剤側に加えた時にも軸に対して実際上平坦なままであった。このよう な動圧ゼオメトリーの極端なゆがみはシールの所望の動圧ポンピング作用をきび しく抑制しまたは完全に排除する。これは、 円形縁Fの軸との接触により動圧縁Gが実際上潤滑剤から離間されているからで ある。 この有限要素分析結果から、100psiまたはこれ以上の潤滑剤圧力が存在 すれば12%までの圧縮度を使用できるが、潤滑剤圧力の不存在において汎用シ ールの初圧縮度は9%以下に制限されなければならないと結論された。この有限 要素分析結果に基づいて、カルシ・エンジニアリング、インコーポレイテッドは 7−1/2%の圧縮度を推奨しはじめた。これより高い圧縮レベルに耐える事の できるシールが望ましい事は明かである。このようなシールは不整列、振れ、製 造公差、圧縮硬化、および摩耗によりよく耐える事ができるからである。 原則として、小断面のシールほど大断面のシールよりも高い初圧縮を受けるに 相違ない。なぜかならば一定の不整列度、動的振れ、公差、摩耗などはシール断 面サイズが小さい程その高いパーセントに対応するからである。現在のシール設 計の圧縮限界の故に、製造可能な最小限有効シール断面サイズに対して対応の制 限が加えられる。 有限要素分析の結果をまとめれば、シールが放射方向圧縮を受けた際に発生す る無圧シールの捻り作用は、排除縁の所望のかき落とし作用を損ない、シールの 汚染物質側のシール/軸界面の中に望ましくない動圧作用を導入し、研摩性物質 をこのシール界面の中にポンプ輸送する。このような研摩性物質の存在と潤滑剤 の排出作用の 減退によるシールの摩損がシールの作動寿命を制限する。 排除縁の持ち上がり傾向は圧下シールには存在しない。なぜかならば潤滑剤圧 はシールをパッキン押さえの反対側壁体に対して押圧し、この壁体がシールを再 配向しまた排除縁を軸に向かって押圧するからである。圧下シールは無圧シール 中の捻れ作用を受けないが、いずれのシールも高い圧縮レベルにおいては極端な ゆがみを受け、動圧作用の禁止を伴う。現在得られるよりも高い圧縮レベルが望 ましいであろう。 低い流体圧条件と高い機械的圧縮のもとに作動する通常の動圧シールの現地試 験は、比較的短時間後に過度の摩損を示しており、これらのシールは、第18図 に図示のようにシールの排除縁が軸の密封面から持ち上がって研摩性物質をその 下を通って進入させるほどに機械的圧縮のもとにゆがみまた捻られると思われる 。 潤滑剤圧が汚染物質環境の圧力と相違する用途に現在の動圧軸シールが使用さ れる場合、この差圧が(前述のように)シールをパッキン押さえの一方の壁体に 当接保持し、動圧リップの排除縁を真円形状に保持し、排除縁の位置の軸方向変 動を防止する。潤滑剤と環境が同一圧にある場合にはこのようにはならない。シ ールのエラストマーとシールグルーブとの熱膨張差に対応するためシールグルー ブの軸方向幅は当然にエラストマーシールの圧縮された幅より大であり、シール はパッキン押さえの 限界内において軸方向位置を前後に変動させる。このような効果をパッキン押さ え中の「蛇行」と呼ぶ。この蛇行はシールの排除ゼオメトリーを軸の回転速度に 対して曲げる効果を有するので、軸の回転速度によって環境汚染物質が排除ゼオ メトリーに衝突しその摩損を生じる。従ってシールのパッキン押さえ中の蛇行が 防止されるならば、無圧用途においてシールの最終寿命が改善されるであろう。 また現在の動圧軸シールの最終寿命は、高温におけるエラストマーの圧縮硬化 (永久変形)によって制限される。このような圧縮硬化の多くは、シールの長方 形本体全体ではなくシールの内側部分の動圧リップにおいて生じる事が観察され た。このような現象の理由は2つある。第1にリップは自己発生熱の発生地点に ある。すなわち密封界面における潤滑剤の剪断箇所にある。第2にリップはシー ルの本体よりはるかに小さいので、リップは剛性の不均衡の故にシール本体より も多く圧縮される。従って圧縮が突出リップの中に集中されるのでなくシールの 本体にそって均等に分布されるのならシールの圧縮硬化抵抗が改善されるであろ う。 発明の概要 本発明は、激しい摩損環境において潤滑剤圧を受けた状態においても受けない 状態においても作動する汎用動圧回転軸シールに関する前記のような問題点を解 決した 動圧絞りパッキン型回転軸シールに関するものである。本発明のシールは動圧シ ール界面の動圧潤滑のためにこの動圧シール界面の油圧側に軸方向に変動する断 面形状を有し、また汚染物質の排除の目的から動圧密封界面の環境側にまっすぐ な急角度の軸方向に変動しない隅部の排除形状を有する。さらに詳しくは、本発 明の動圧シールは米国特許第4,610,319号のもとにテキサス、シュガー ランドのカルシ・エンジニアリング・インコーポレイテッドから製造販売されて いる市販の動圧回転軸シールに関連する。本発明によれば、高圧潤滑剤保持型密 封と両立する断面ゼオメトリーを構築するた、シールの動圧区域にそって作用す る潤滑剤圧力に対する機械的支持を成すように、本発明の動圧シールはその排除 縁を断面ゼオメトリーの一端に配置されている。 また本発明は、特に前記の汎用動圧シールが特に非圧まは低圧潤滑剤保持構造 において使用される場合にその性能を劇的に改善させる。このような改良は現在 見られるような排除リップの持ち上がり傾向を除去する事によって実施される。 排除リップの性能のこのような改良の結果、シールが研摩性環境の中で使用され る際にその寿命を実質的に増大させる。排除性能の改良により、パッキン押さえ の中でのシールのスピニングを誘導する激しいトルク変動を受ける事が少なくな る。この改良型シールが浮動ピストン構造の中に取り付けられれば、ピスト ンの孔の中でのスピニング傾向を低下させる。 また本発明はシール動圧潤滑特性を損なう事なく初圧縮レベルをできるだけ高 くする事によってシールの寿命を増大する。このような追加的圧縮は、シールの 圧縮硬化、摩損、機械的不整列、動的振れおよび製造公差の影響をはるかに受け にくくする。 また本発明は動圧潤滑剤導入ゼオメトリーの近くの界面接触圧を低下させ、こ れは低速において動圧潤滑をさらに完全な効果的なものとする。 また本発明はシールのより大きな部分にそって圧縮を再分配する事により、シ ールの圧縮硬化傾向をある程度改良する。 また本発明は非動圧密封界面に簡単なコンパクトな突出密封ゼオメトリーを備 える事によって前記のすべての利点を達成する。このようなゼオメトリーは密封 断面の対応の捻れを生じる事なく圧縮荷重に対する反作用を生じる。本発明の改 良型シールは現存の金型から、わずかの工具変更によって製造する事ができる。 また本発明のシールは製造される部品あたり小量の材料を必要とし、現存の汎用 動圧シールと同一のパッキン押さえの中に嵌合され、従って、レトロフィットに 際して現存の装置を変更する必要がない。 本発明は動圧突出界面ゼオメトリーを実質的に複写しその鏡像を成すような静 圧突出界面ゼオメトリーと隣接 部分の断面ゼオメトリーを有する動圧回転シールを提供するにある。このような 構造においては、動圧シールの全体断面形状が対称形に近くなり、これは圧縮中 の捻れ傾向を著しく低下させる。静圧界面に対して圧縮によって生じる断面ゆが みが動圧界面における圧縮によるゆがみとほぼ同一になるからである。この対称 的シール構造は、シールがパッキン押さえの中で放射方向圧縮力を受けた時にシ ールの捻れを生じる傾向がない。 標準型の汎用動圧シールと、本発明による静圧突出界面ゼオメトリーを有する 動圧シールとを実験室の中で、研摩性掘削泥水環境中で15psiの潤滑剤圧を 保持してテストした。これらのシールは同一軸の表面の別々の部分で、同一の振 れ、同一のパッキン押さえおよび同一の温度条件および速度条件においてテスト された。標準型汎用シールのテストはこの明細書の「問題点の開示」部分に詳細 に記載されている。簡単に言えば、汎用シールを約24時間ごとに検査のために 分解し、次に洗滌して再び組み立てた。このシールは110時間でグルーブの形 の研摩性摩損を示し、また約160時間でトルクの劇的な増大と、これに伴う潤 滑剤漏れの減少が見られた。これに対して本発明の静圧突出リップを有するシー ルは毎日界面洗滌する必要なく、144時間で分解されたが摩損はまったくなか った。508時間後にテストを終了し、シールと軸を慎重に検査した。シールも 軸の摩損の 兆候がなかった。トルクはテスト中低く定常であった。このテストは、本発明の 動圧シールが標準型の汎用動圧シールよりもはるかに優れた性能を示す事を確認 した。 図面の簡単な説明 以下、本発明を図面に示す実施例について説明するが本発明はこれらの実施例 に限定されるものではない。 付図において、 第1図は本発明による動圧回転軸シールを含むハウジングと回転軸構造の部分 断面図である。 第2図と第2A図は本発明のシールの好ましい実施態様による動圧シールの部 分的断面図であって、第2図はパッキン押さえ中のシールの圧縮状態を示し、第 2A図はこのシールの非圧縮状態を示す。 第3図は本発明の他の実施態様による動圧シールの部分断面図である。 第4図は本発明による動圧シールをハウジング中のシールグルーブの中に配置 した構造を示す部分断面図であり、第4A図はこのシールの非圧縮状態を示す。 第5図は本発明のさらに他の実施態様の動圧シールの部分断面図である。 第6図は外側テーパ支持面を有するシールグルーブの中に圧縮された本発明の 動圧シールを示す他の実施態様を示す部分断面図であり、第6A図はこのシール の非圧縮状態を示す図である。 第7図は本発明のシールを他のハウジングの中に配置した圧縮状態を示す部分 断面図であり、第7A図はこのシールの非圧縮状態を示す。 第8図は本発明のシールをさらに他のハウジングの中に圧縮した状態を示す、 第8A図はこのシールの非圧縮状態を示す。 第9図は本発明のシールをさらに他のハウジングの中に圧縮した状態を示す、 第9A図はこのシールの非圧縮状態を示す。 第10図は本発明のシールの他の実施態様の放射方向圧縮された状態を示す図 であり、第10A図はその非圧縮状態を示す図。 第11図は先行技術の代表的な動圧ドリルビットシールを示す部分断面図であ る。 第12図は先行技術による汎用動圧シールを密封パッキン押さえの中に圧縮状 態に配置し回転軸に対して動圧密封係合させた状態を示す部分断面図であり、ま た第12A図はこのシールの非圧縮状態を示す図である。 第13図は動圧シールの動圧クサビ作用およびポンピング作用を示す展開図で ある。 第14図は汚染物質側から研摩性物質の進入によって摩損パタンを示す先行技 術の動圧シールの部分断面図である。 第15図、第16図および第17図は先行技術の動圧 シールの有限要素分析図であって、非圧縮状態を破線で示し放射方向圧縮状態を 実線で示す図である。 第18図は低差圧のもとに放射方向圧縮に感応して傾斜しまたは捻れて回転軸 から持ち上がったシールの排除縁を示す部分断面図である。 第19図は本発明の他の実施態様による動圧シールの断面図図である。 第20図は本発明の他の実施態様による動圧シールの部分断面図であって非圧 縮状態を示す図である。 第20A図は第20図のシールをシールグルーブの中に配置し回転軸とグルー ブ壁体との間に放射方向圧縮力を加えた状態を示す部分断面図である。 好ましい実施態様の詳細な説明 第1図、第2図および第2A図について述べれば、動圧潤滑回転軸組立体全体 を10で示し、この組立体10はハウジング12を含み、このハウジング12か ら回転軸14が延在する。ハウジングは内側シールグルーブ、シートまたはパッ キン押さえ16を画成し、このグルーブ16の中に動圧回転軸シール18が配置 され、このシール18は本発明の原理に従って構成されまた第2図と第2A図に 詳細に図示されている。第2A図に図示のシール構造は本発明の改良型動圧回転 軸シールの放射方向に圧縮されていない断面形状を示し、これに対して第2図は 、シールグルーブの中に配置されて回転軸とこのシ ールグルーブの放射方向外側壁体との間に放射方向に圧縮されたシールの断面形 状を示す。第2図と第2A図の放射方向断面は、動圧密封界面の平均界面接触幅 を代表しまた米国特許第4,610,319号に記載の潤滑クサビ作用を生じる ゼオメトリーの波高の中点に対応する周方向位置において取られている。 全体配向の見地から、潤滑剤に向かって配向されたシール末端は面20である 。この面20は、本発明の主旨の範囲内において図示の平坦面と相違する事がで きる。激しい摩耗乃至汚染環境22に向かって配向されたシールの末端は面24 である。この面も本発明の主旨の範囲内において図示の平坦面と相違する事がで きる。 本発明によれば、円形動圧密封要素18が円形シートまたはシールグルーブ1 6の中に配置され、回転軸14の相対回転面28に対して圧縮される。シールが 円形シールグルーブまたはシールシートの中に設置される際に、円形の放射方向 に突出した静圧密封リップまたは突起30が対向面32に対して圧縮される。円 形密封要素18の内周面に、内周突起34が備えられ、この突起34は動圧密封 面36を画成し、この動圧面36は、軸14の通常は円形の密封面を成す相対回 転対向面28に対して圧縮されている。静圧密封リップ30と対向面32との間 にまた動圧密封リップ34と回転軸の相対回転対向面28との間の静的密封面に おいて液密密封を保 持するのに十分な放射方向圧力をもって動圧密封要素18が保持される。シール の潤滑剤チャンバ38中の潤滑剤を環境22の汚染流体から分離し潤滑剤と環境 中の汚染物質との混合を防止するため、動圧シールが使用される。公知の掘削工 業において、汚染流体は「掘削泥水」と呼ばれる掘削流体であって、これは流体 ビヒクルの中に高度に研摩性の粒状物質を含有している。 リング状動圧密封要素は、エラストマーまたはゴム様密封材料および各種のポ リマー密封材料を含む適当な密封材料のいずれかで構成される。 内側放射方向突起34と外側放射方向突起30はそれぞれテーパ面40および 42を成し、これらのテーパ面はそれぞれシールの潤滑側に対向し、またテーパ 面40は非円形であるが、テーパ面42は円形である。これらのテーパ面40と 42は、それぞれ軸14およびグルーブ面に徐々に集中する曲率半径部分を有す る。テーパ面40と内側円筒形動圧密封面36は曲率半径部分44によって接合 している。またテーパ面40は円筒面46に対して鋭角の交点48において交わ っている。テーパ面40と曲率半径部分44は動圧密封面の潤滑剤側において徐 々に集中する形状を成し、これが米国特許第4,610,319号に記載のよう に動圧密封面において潤滑剤フィルムの動圧泳動を生じる。テーパ面40のゼオ メトリーは本発明の主旨の範囲内において、動圧密封リッ プまたは突起の潤滑剤側において徐々に集中する形状を生じる多くの適当な形状 のいずれかとする事ができる。この徐々に集中する形状は、潤滑剤とシールとの 間において相対回転運動が生じる際に潤滑剤膜を動圧密封界面の中に動圧的にク サビ作用で押し込むようにシール内周面の任意の位置に配置される。 円形隅部または排除縁50は、軸とシールとの相対回転運動に対応して環境と 動圧作用を生じる事なく軸とシールとの軸方向の相対運動が生じた場合において 回転軸から汚染物をかき落とすように作用する急激な縁ゼオメトリーを示す。従 ってこのシールはシールの汚染側に存在する研摩性物質を動圧密封界面に入らな いように排除する。 図示の第2図および第2A図の本発明よる構造は、静圧密封面と動圧密封面と の間に作用する潤滑剤圧力の静圧作用を受けた時に密封材料の押出しおよびその 他の破損を生じないようにパッキン押さえ壁52によって支持されるようにシー ル18の排除縁50と環境側面24とを配置し形成した通常の型の汎用動圧回転 軸シールに関するものである。 急激な排除隅部50と傾斜して徐々に集中するゼオメトリーのテーパ面40と 曲率半径部分44とを組合せる事により、シールの環境側面末端24においてシ ール18の本体から放射方向内側に突出したリップ34を形 成する事ができる。この突出リップ34が圧縮されて、軸14の相対回転対向面 28と共に動圧密封面を成す。 本発明の好ましい実施態様のゼオメトリーのフィーチャは、シール断面の環境 側末端24においてシール18の本体から放射方向外側に突出した静圧密封リッ プ30である。この密封リップ30は圧縮された時に、円形シールグルーブの対 向面32と協働する静的密封面を成す。 第2図と第2A図に図示の好ましい実施態様において、静圧密封リップ30は 前記の動圧リップ34の断面形状とほぼ同等の断面形状を有するが、静圧密封リ ップ30の突出高さ54は動圧リップ34の突出高さ56より少し小である。( 静圧密封リップ30の幅は、与えられた環境条件において動圧リップの幅の変動 と対応するように変動させる事ができる)理想的には、静圧リップの突出高さ5 4はシールの名目放射方向圧縮度の1/2またはこれ以下とし、また動圧リップ 34の突出高さ56はシールの名目放射方向圧縮度の1/2より大とする。 静圧リップ30の突出高さ54が第2図に図示のようにシールの放射方向圧縮 度の1/2またはこれ以下であるので、円形隅部58から60までの密封面の全 部またはほとんど全部がシールの圧縮に際してシールグルーブの対向面32と直 接に接触させられる。円形隅部58の近くでシールとシールグルーブとが密接に 近接しまた/あるいは接触しているので、シール内部におけるシール の時計方向捻り作用に対する安定性を与える。この場合捻り作用とは第2図につ いて見られる作用である。一時的な圧力変動、またはシールの排除縁50が軸方 向に移動する軸から汚染物を急速にかき落とす必要がある場合など、シールの環 境側末端24に対して静圧応力まは動圧応力が加えられる際にこのようなシール 安定性が非常に重要である。 動圧リップ34の突出高さが好ましくはシールの名目圧縮度の半分より大であ って、内側円形隅部62の近くの密封面が軸14の相対回転対向面28と接触さ せられないので、48から44までの傾斜した動圧導入部が軸14の対向面に対 して過度に平坦に圧接する事なく、従って動圧ゼオメトリーの大きなゆがみによ って動圧密封界面の中への潤滑剤の所望の動圧クサビ作用押し込みが妨げられな い。これは、本発明による突出静圧リップを有する動圧シールが通常の動圧シー ルよりも高いレベルの圧縮度を受ける事を意味する。本発明によるリップの圧縮 レベルが高いので、このシールはそれだけ大きな機械的不整合、動的振れ、圧縮 硬化、摩耗に耐える事ができ、またより大きな機械的公差を可能とし、また小さ い断面形状シールの実現を可能とする。 第2図と第2A図において、リップ30の全体断面形状はリップ34の断面形 状にほぼ等しく、従ってシールが圧縮された時に、これら両方のリップの界面接 触輪郭 と変形度の大きさと位置がほぼ等しく、その結果グルーブの中においてシールを 過度に捻る傾向がなく、平衡状態が得られる。 本発明においてはグルーブ内部におけるシールの捻り傾向が実際上除去される ので、鋭い縁50が軸14の対向面から持ち上げられる傾向が除去される。これ は、鋭い縁50が軸14に対して確実に圧縮された状態に保持され、そのかき落 とし作用を実施する事ができるので、外部環境からの汚染物が動圧密封界面の中 に入らない事を意味する。このような排除作用の改善とは、密封界面の中への摩 損性物質の進入を大幅に低減させ、従ってシールと対応の軸面の摩耗が最小限に 成される事を意味する。このようにしてテストの示すようにシールの寿命が大幅 に延長され、また摩耗が存在しないのでシールの使用期間中、回転トルクおよび 動圧漏れレートが非常に均一に留まる。軸摩耗が比較的低いと言う事は、通常の 場合のように軸を頻繁に再塗装しまた研摩する必要がない事を意味し、従って実 質的なコスト節減となる。本発明によればシールトルクが安定しているので、シ ールと軸との摩擦によるグルーブ中のシールのスピニングが最小限に成され、そ の結果現在実施されているようなグリット吹き付けなどのグルーブ処理がもはや 不必要である。 グルーブ内部におけるシールの捻れ傾向を大幅に除去する事により、徐々に集 中する動圧導入ゼオメトリーの 近くにおいて動圧界面接触圧が低減される。この部分においてシール材料はもは やシールの断面全体の大きな捻り作用に対して反作用しないからである。この箇 所における接触圧の減少の故に、低速においても動圧潤滑が完全になり効率的に なる。 1つの静圧リップと1つの動圧リップから成る2つの対向リップを使用する事 により、動圧リップの実際圧縮度は現在使用されている型の汎用の動圧シールの 場合よりも低下する。その結果、圧縮圧抵抗が改良される。なぜならば圧縮圧の 大部分は、動圧密封界面において発生する熱に近接した動圧リップにおいて生じ るからである。 密封軸支式マッド・モータは現在ますます「熱い」孔の中で使用されるように なっており、これらの孔はしばしば動圧シールに使用されるエラストマーの作動 温度限界を越える。現在動圧シールに使用されているエラストマーは主として高 い摩耗抵抗に基づいて選定され、代表的には250°F(120℃)乃至320 °F(160℃)の範囲の最大作動温度範囲を有する。本発明の動圧シールには 、これより高い温度限界を有するが摩耗抵抗の低いフッ素エラストマーなどのエ ラストマーを使用する事ができる。これは研摩性物質を密封界面から排除する箇 所における捻り抵抗密封が優れているからである。 本発明はハウジングまたは軸のいずれかが回転部材であって回転軸がハウジン グに対して密封される用途に適 用される。シールが放射方向に圧縮される場合、突出リップはシール断面の外側 面と内側面に配置する事ができ、動圧リップはシールの内側面または外側面のい ずれかに配置される。あるいは、シールが比較的平坦な回転面に当接して軸方向 に圧縮される場合には突起リップはシール断面の両端に配置する事ができる。 付図において動圧リップと静圧リップはシールの汚染側末端まで完全に延在し ているが、これは本発明の主旨の範囲において絶対必要ではない。これらのリッ プが低圧条件におけるシールの放射方向圧縮に際してグルーブ内でシールの捻り を生じないように配置されていればよい。 第3図に図示の本発明の他の実施態様において、動圧シール66は第2A図に 図示のものと実質的に同等であるが、第2A図のシールの曲率半径を有する隅部 64に対して急角度の隅部68が使用されている。この急角度の隅部68は、シ ールが変動圧力条件また/あるいは逆転圧力条件のもとにシールがグルーブの中 を前後に揺動させられる際に、潤滑剤が静圧界面の中までポンプ輸送される事を 防止するための排除機能を示し、これによりグルーブ内部のシールの捻れ傾向を さらに低下させる。 弾性絞りパッキン型密封要素はそれ自体では不完全な密封装置であって、その パッキン押えグルーブの協働作用なしでは密封作用を実施できない事は理解され よう。 従って動圧密封装置全体は、パッキン押さえグルーブと弾性密封要素との組合せ から成る。第4図と第4A図はそれぞれ本発明のシールの他の実施態様の圧縮状 態と非圧縮状態とを示す。第4図に図示のように、パッキン押さえグルーブ70 は動圧密封要素76の静圧密封リップ75と協働して、グルーブ70中のシール の逆方向設定と軸方向運動を防止し、また非圧縮状態においてグルーブ内部での シールの蛇行運動を防止する。この構造において、静圧リップの放射方向突起高 さ72は第2図、第2A図および第3図に図示のものより実質的に増大され、そ の結果この突出高さはシールの初圧縮度の1/2より大であり、反対側の動圧リ ップの突出度に等しい。静圧リップ75を受けてこれを放射方向圧縮度の約1/ 2まで放射方向に圧縮するために対応のグルーブ74がパッキン押さえ70の中 に形成されている。このようにして得られる静圧リップ75の圧縮、変形および 変形形状は動圧リップのものと近似的に同一であるから、これら2つのリップの 界面接触力輪郭の大きさと位置も相互に類似し、対称的に対向し、その結果シー ルがパッキン押さえグルーブ70の中で大きく捻れる傾向がなく、平衡状態が得 られる。このような接触力輪郭の類似性は、静圧リップと動圧リップのそれぞれ の突出高さゼオメトリーの類似性と非変形ゼオメトリーが相互に類似する事によ って増進される。 シールの圧縮に際して、その後端部77がその円形隅部78において密封接触 して、外部荷重によるシールの時計方向捻れを防止する。この場合、この円形隅 部78は円筒形支持面79と協働して捻れ防止反作用を成す。第4図のシールが 不注意に逆方向に設置されれば、このシールはグルーブ70から大きく突出する ので、軸の設定が極めて困難になりまたは物理的に不可能となる事により、この 不注意な設定について注意を引く。さらに静圧リップ75のゼオメトリーと対応 のグルーブのゼオメトリーが設置前に適正な配向について手がかりを与える。適 正に設置されれば静圧リップ75は対応のシールグルーブ74のゼオメトリーに よって補足される。またシール76とグルーブ70の対応ゼオメトリーは圧力の 逆転に対してシールの軸方向運動を拘束する。またシール76とシールグルーブ 70の相互に対応するゼオメトリーは、シールに対して横方向に別々の圧力を加 えなくてもシールをグルーブの中のシールの蛇行を防止し、従って急角度の排除 縁を拘束するので、この排除縁は軸の回転速度に対してゆがむ事なく、この縁の 摩損を生じる衝突を防止する。さらにこの相互に対応するシール/シールグルー ブのゼオメトリーはシールの構造一体性を増進し従って他の動圧シールと比べて シールの放射方向圧縮度を増進する。 第5図は本発明の他の実施態様による動圧密封要素 80の放射方向断面図である。第5図に図示のシール構造は、第2図、第2A図 および第3図のシール構造のわずかの変形である。静圧リップ82はベベルを成 すシールのテーパ部分である。この静圧リップ82の突出高さはシールの全放射 方向圧縮度のほぼ半分に等しい。従って、静圧リップ82の圧縮度は反対側動圧 リップの圧縮度にほぼ等しく、またこれら2つのリップの界面接触輪郭の大きさ と場所は相互に基本的に類似であって、対称的に対向し、その結果シールがグル ーブ内部で捻れる傾向が少ない。第2図、第2A図および第3図の断面と比較し て静圧リップと動圧リップのゼオメトリーの非類似性が大きいので、これらのシ ールほど有効ではないが、なお第5図の形状は前記の実施例と同程度の一般的利 点を与える。 第6図乃至第10図について述べれば、動圧シールの制御された放射方向圧縮 はシールグルーブの内側面と動圧シールの外側面との協働作用によって実施され る。これらの各実施態様において、放射方向圧縮は静圧界面と動圧界面の両方に おいて実質的に対称的な変形を生じるのでこの放射方向圧縮はグルーブ内部にお けるシールの捻れを誘発しない。 特に第6図と第6A図について述べれば、これはそれぞれシールの圧縮状態と 非圧縮状態を示し、ハウジング90は、テーパ面または切頭円錐形放射面94を 有する 内部グルーブ92を画成している。またシール96は、前記のテーパ面94より も急なテーパを有する放射方向外側テーパ面98を画成する。シール96は非圧 縮状態において、その放射方向外側隅部100が前記グルーブ92の放射方向外 側隅部102と密接に係合するようにグルーブ92の中に嵌合する。従って回転 軸104がこのシールの中に挿通された時に、シールはその動圧突起106とそ の放射方向反対側の部分とにおいて変形されシールの実質的にに対称的な放射方 向圧縮が生じ、その結果として、相互に近似的に同等で対称的に配向する密封リ ップの面と対向面との間に界面接触力を生じる。このようにシールが圧縮された 時、もはやシールはグルーブの中で傾斜しまたは捻れる傾向がなく、従って排除 縁108は軸104の円筒面に対して最適の汚染物質排除係合状態に留まる。第 4図および第4A図の動圧シールは同様の理由から増進された捻れ抵抗と汚染物 排除特性とを示す。さらに第6図に図示の圧縮状態において、シールの外側円形 隅部99はシールグルーブの支持面94と係合し、グルーブ中でのシールの傾斜 に対する支持構造を成す。面94のテーパの故に、シールに対する放射方向圧縮 力はこのシールをシールグルーブの内側円形隅部102に向かって押圧し、シー ルに対する別の圧力が加えられなくてもシールの汚染物質側面を支持面103に 対して強く着座させるので、急角度の排除縁108が 軸の回転速度に対してゆがむ事なく、またこの縁が摩耗性衝突を生じる事なく、 シールの寿命が延長される。 またシール96とシールグルーブ92との協働構造はグルーブ内部のシールの 逆方向設置を防止する。シールの動圧面を汚染物質側面に向けて逆方向に設置さ れれば、このシールは放射方向に過度に圧縮されるので軸の設置が困難または不 可能となる。第4図および第4A図の動圧シールも同様の理由から逆方向設置が 困難または不可能である。 第7図と第7A図について述べれば、ハウジング構造130の内部グルーブ1 32は内側圧縮面134を画成し、この圧縮面にはシール140の外側面部分1 38に対向するグルーブのリリーフ136が設けられている。この実施態様の理 解を助けるため、シール140は第7図においてその放射方向圧縮状態を示し、 第7A図において非圧縮状態を示す。第7A図のシール形状は種々の形状に変形 される汎用動圧シールであって、シール圧縮面134はシールの動圧突起142 に対して放射方向対向位置に配置され、またこの動圧突起142の面144の幅 に実質的に等しい幅を有する。このようにして回転軸146を設置してシール1 40を圧縮する際に、シールの放射方向外側静圧部分と放射方向内側動圧部分1 42が実質的に対称的な圧縮と変形を受ける。両側の界面接触力輪郭における対 称的放射方向圧縮とその結果とし ての対称性の故に、動圧密封要素142は放射方向に圧縮されても傾斜または捻 り作用を受けない。従ってこのシールは、市販の動圧シールよりもはるかに大き い放射方向圧縮を受ける事ができる。これらの動圧密封要素とシールグルーブと の組合わせによって得られる動圧圧縮能力の故に、シールの排除縁148は軸1 46の円筒形密封面と有効に粒子排除係合状態に保持される。さらにシールの放 射方向変形に際して、シールの放射方向外側隅部139がシールグルーブの支持 面141に接触して、グルーブ中のシールの傾斜を防止するように支持する。 第8図および第8A図に図示のように、ハウジング150はシールグルーブ1 52を画成し、このシールグルーブのテーパまたは切頭円錐形グルーブ面154 の最小直径部分156は動圧シール160の外側直径部分158に対応する。第 8図に図示のようにシールが放射方向圧縮を受けた時に、シールの放射方向外側 部分が変形されてテーパグルーブ面154に当接し、また放射方向内側の動圧リ ップ162も変形される。このシールはその汚染物質側面においてのみ変形され 面154と共に静圧密封を成すので、このシールの圧縮変形は実質的に対称的と なり、内側および外側の接触力輪郭においても対応の対称性が得られる。従って シールはシールグルーブ152の中で大きな傾斜または捻りの傾向を有しない。 捻れがないので、排除縁164は軸の円筒形外側面166と最適係合状態を保持 する。さらに、シールの外側隅部151は第8図に図示のように支持面154と 支持係合状態にある。 第9図および第9A図においては、第8図の実質的に同一構造の動圧シール1 68は汎用動圧回転軸シールであって、第9図に図示のようにハウジング172 のグルーブ170の中に放射方向圧縮状態で配置されている。シールグルーブを 成すハウジングはシールの実質的に円筒形の圧縮部分174を画成し、この圧縮 部分174は動圧密封面176の平均圧縮幅と実質的に等しい距離だけ横方向に 延在する。シールグルーブはテーパ内側面部分178を有し、この部分がシール 168の放射方向外側外周面180と協働してシールの外周リリーフ区域182 を成す。シール168は軸の円筒形シール面184と放射方向反対側面の圧縮面 174との間に放射方向圧縮状態にあるので、シールは実質的に対称的に変形し 、両側の界面接触力輪郭においても対応の対称性が得られ、シールはシールグル ーブ170の中において大きく傾斜しまたは捻れる傾向を有しない。排除縁18 6は軸の円筒形面に対して掻き落とし係合状態にとどまり、動圧密封界面の中へ の汚染物質の進入を有効に防止する。放射方向外側隅部181は支持面178と 支持係合して、グルーブ中のシールの時計方向捻れを防止する。 シールが放射方向圧縮力を受けた時に、その動圧密封縁が潤滑剤クサビ作用と 汚染物質排除作用とに最も有効な形状をとる。第10図および第10A図に図示 のように、ハウジング構造188の中に回転軸190が延在する。ハウジングは 内部シールグルーブ192を画成し、このシールグルーブの中にリング状動圧シ ール194が配置されている。シールの非圧縮状態が第10A図に示され、シー ルの放射方向圧縮状態が第10図に示されている。第10A図のシールの場合、 この非圧縮状態の内側面195と動圧密封面196は水平に対して角度関係に配 置されている。シールグルーブ192を成すハウジングは円筒形の放射方向外側 の内側面198を画成し、この内側面が第10図に示すようにシールの放射方向 外側部分を移動させている。同時にこの放射方向圧縮はシールの内周部分に第1 0図に図示のように軸の形状をとらせ、シールの内周面に効果的な動圧潤滑剤ク サビ作用に適した形状をとらせ、また円形縁197を軸から離間保持する。この 場合、圧縮されたシールの形状は幾分捻れている事を注意しなければならないが 、この捻れ形状は、動圧界面における潤滑剤の動圧運動と、動圧界面における動 圧密封および放射方向外側部分の静圧密封とに適している。さらにシールの排除 縁200は軸190の円筒形面と効率的掻き落とし係合状態にある。従ってシー ルに放射方向圧縮を加えても、シールの内部形状の故 に、急角度の排除縁は軸の密封面と汚染物質排除接触する状態に保持される。 第19図に図示の本発明の実施態様においては、油圧シール201は第2A図 の実施態様と実質的に同形であるが、放射方向外側の静圧リップ203から20 4まで円錐形を成す。このような円錐形のリップ構造はシール205の外側面に 向かって徐々に増大する圧縮力を生じ、これにより、公差の積み重ねと軸の横方 向片寄りから生じる捻り作用の大きな変動に耐える事ができ、同時にパッキン押 さえ(図示されず)と軸(図示されず)との係合面において密封接触を保持する 事ができる。203から204までの円錐形状は動圧ポンプ輸送ゼオメトリー2 08の近くにおいて動圧密封リップ206と軸の対向面(図示されず)との間の 圧縮度を実質的に増大させず、またポンプ輸送作用の低減をもたらすようなポン ピングゼオメトリー208の過度の平坦化またはゆがみを生じない。 しかし前記の円錐形部分は急角度の排除縁207の近くで動圧リップ206と 軸の対向面との間の接触圧を増大させるので、この急角度の縁の排除作用を改良 させる。しかし前述のようにこの円錐形部分は動圧リップと軸の対向面との間の 接触圧を実質的に増大させないので、潤滑剤ポンピング作用に対して悪影響は与 えない。第19図に図示の実施態様の利点は、静圧リップ202ではな く動圧リップ206の208から207までの間に円錐形ゼオメトリーを与える 事によっても達成する事ができる。また動圧リップと静圧リップの両方に対して 円錐形ゼオメトリーを適用する事によってこのような利点を得る事もできる。 この実施態様の分析の結果、このような断面はパッキン押さえ内部においてシ ールの捻れ傾向を示さない高度の安定性を有する事が示された。第2A図の実施 態様と同様に、第19図に図示の実施態様の固有の安定性は、静圧リップが圧縮 される動圧リップの形状に近似している事による。シールが圧縮された時、両方 のリップの界面接触力輪郭と変形度の大きさおよび位置がきわめて類似している ので、パッキン押さえ内部においてシールが大きく捻れる傾向がなく、平衡状態 が得られる。 シールはその動圧密封縁が効率的な潤滑剤クサビ作用と汚染物質排除作用とを 生じるに適した形状をとるように、またパッキン押さえ中のシールの蛇行を生じ ないように拘束するように変形される。 シール要素209の非圧縮状態を第20A図に示し、その圧縮された状態を第 20図に示す。 第20図に見られるように、ハウジング構造210の中に回転軸211が延在 する。ハウジングの画成するシールグルーブ212は潤滑剤側壁体213と汚染 物側壁体214とを有する。このシールグルーブ212の中に リング上の動圧密封要素209が配置される。 第20A図の非圧縮状態において、動圧シールゼオメトリーを215で示す。 動圧リップ215の潤滑剤側は軸方向に変動する動圧ゼオメトリー216を画成 し、また動圧リップの汚染物質側は急激な描き落とし縁217を画成する。動圧 リップの動圧密封面218はシールの軸線に対して角度関係に配置され、動圧ゼ オメトリー215から急角度の排除ゼオメトリー217まで延在する。非圧縮状 態において内側面219はシールの軸線に対して角度関係に配置されている。シ ールのリング状断面の軸方向端面が潤滑剤側面220と汚染物質側面221とを 画成する。動圧密封面と汚染物質側面との成す角度222が鋭角を成さないよう に、汚染物質側面は排除縁217の近くで傾斜している。 第20A図に示す圧縮状態において、ハウジング構造はシールグルーブ212 を形成し、円筒形の放射方向外側面223を画成し、この外側面223がシール の放射方向外側部分を移動させる。同時に放射方向圧縮がシールを移動させて、 シールの潤滑剤側面220をシールグルーブの壁体213と接触させシールの汚 染物質側面221を汚染物質側のグルーブ壁体214と接触させる。シールの両 側面とグルーブの壁体との接触によりシールが拘束されて、シールに対して横方 向に別の圧力を加えなくてもその蛇行を防止し、従って排除縁217が軸の 回転速度に対してゆがまないように拘束し、このようにして排除縁の摩損を生じ る衝突を防止し、シールの寿命を延長させる。 動圧密封面218が非圧縮状態において傾斜しているので、圧縮状態において シールが捻られても鋭い縁217が軸と接触状態に留まり、その所期の排除機能 を果たす事ができる。またシールの内側部分219は非圧縮状態において傾斜し 、圧縮状態においてはシールの捻り作用にも係わらず軸から離間している。圧縮 状態においてはシールが捻られるが、動圧突起の前記の傾斜面が協働して、急角 度の排除縁217の場所でシールと軸との間の完全接触を保持する事により、効 果的排除作用を保持する。 前述から明らかなように。本発明は前記のすべての目的およびこの種の装置の その他の目的およびフィーチャをすべて達成するに適した構造である。 本発明は前記の説明のみに限定されるものでなく、その主旨の範囲内において 任意に変更実施できる。
【手続補正書】 【提出日】1995年5月9日 【補正内容】 請求の範囲 1. 潤滑型の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキン型シールエレメントで あって、これに対して回転自在の環状のシール面とともに汚染物質排除シールを おこなう潤滑型の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキン型シールエレメントに おいて、 (a)内側および外側の放射方向の周面を有し、一方の周面は、この周面に対 して回転自在の環状のシール面とともに動圧シール界面を形成するのに適してお り、他方の周面は、前記回転自在の環状のシール面に対して放射方向に所定間隔 をおいた関係にある静圧シールパッキン押え面と周面シール係合を形成するのに 適しており、さらに、潤滑剤側と汚染物質側の境界を画する軸方向端部を有する 、弾性シール材からなる全体としてリング状の部材と、 (b)前記リング状の部材の前記内側および外側の放射方向の周面の一方の周 面に設けられ、前記回転自在の環状のシール面とともにシールを行うのに適して おり、前記動圧シール界面の中で潤滑剤の動圧クサビ作用を生じさせるために前 記潤滑剤側で軸方向に変動する形状を有し、前記動圧シール界面から汚染物質を 排除するために前記汚染物質側に鋭いエッジを形成する動圧周シール突起と、 (c)弾性シール材からなる前記リング状の部材の前記内側および外側の放射 方向の周面の他方に設けられ、前記静圧シールパッキン押え面とともにシール係 合をするために配置され、前記動圧周シール突起とともに放射方向反対側に配置 される環状の静圧周シール突起と、を備え、 (d)前記動圧および静圧周シール突起は、略対称形状であり、弾性シール材 からなる前記リング状の部材は、前記回転自在の環状のシール面と前記静圧シー ルパッキン押え面との間の放射方向圧縮に際して略同等のひずみを受け、これに よって、弾性シール材からなる前記リング状の部材は、放射方向圧縮を受けた場 合に圧縮誘起捩れを受けないことを特徴とする、潤滑型の捻り抵抗性動圧潤滑型 回転絞りパッキン型シールエレメント。 2. 前記環状の静圧周シール突起と前記動圧周シール突起とは、前記動圧潤 滑型回転シールエレメントを形成するシール材からなる前記全体としてリング状 部材の対応する捩れが発生することなく圧縮荷重に反応するように協働すること を特徴とする、請求項1記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキン型シール エレメント。 3. 前記動圧および静圧周突起は、ともに弾性シール材からなる前記全体と してリング状部材の前記汚染物質側に配置されるとともに放射方向反対側に配置 されることを特徴とする、請求項1記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキ ン型シールエレメント。 4. 前記動圧および静圧周突起はそれぞれ、前記全体としてリング状部材の 前記汚染物質側に環状の鋭い排除縁を形成し、前記環状の鋭い排除縁は同一平面 上に配置されることを特徴とする、請求項3記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞 りパッキンシール型エレメント。 5. ハウジングが備えられ、このハウジングは、前記動圧および静圧周突起 のところで前記環状のシールパッキン押えの内周表面形状と前記回転自在の環状 のシール面との間での前記動圧潤滑型シールエレメントの放射方向圧縮によって 双方向に略対称なシールの変形状態を生じるように前記静圧周突起との圧縮シー ル係合のための前記内周表面形状が形成された環状のシールパッキン押え面を形 成し、前記動圧および静圧周突起を有する前記内側および外側の周面の一方が、 動圧潤滑剤のクサビ作用と汚染物質排除作用を効果的に保持する程度に形状を保 持することを特徴とする、請求項1記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキ ン型シールエレメント。 6. 圧縮誘起捩じれの発生なしに前記全体としてリング状部材の放射方向圧 縮を達成するために前記環状の静圧シール突起の放射方向圧縮のためのシール係 合周表面を有する環状のシールパッキン押え面が形成されているハウジングを有 することを特徴とする、請求項1記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキン 型シールエレメント。 7. 静圧シール表面を有するシールを内包するためのパッキン押えが形成さ れた静的構成要素と環状の動的シール表面を形成する回転構成要素との間をシー ルするのに用いられる絞りパッキン型動圧回転シールエレメントにおいて、 (a)内側および外側の円周面が形成され、汚染物質と接触する第1の軸方向 の端面と潤滑剤と接触する第2の軸方向の端面とが形成された弾性シール材から なるリング状の部材と、 (b)シール材からなる前記全体として環状のリング状部材から第1の放射方 向に突出し、前記回転構成要素の前記環状の動圧シール表面と動圧シール係合を 形成するのに適しており、汚染物質と接触し前記回転構成要素の前記環状の動圧 シール表面とこすれ接触をするために前記第1の軸方向の端面に急角度の排除肩 が形成され、さらに前記動圧外周突起と前記回転軸の前記動圧シール表面との間 の界面に向けて潤滑材をクサビ状に導入するための前記潤滑材と動圧クサビ接触 をするための円周形状でない肩部が形成された、少なくとも1の動圧シール突起 と、 (c)前記静圧シール表面とシール接触するためにシール材からなる前記全体 として環状のリング状部材から第1の放射方向に突出するとともに前記動圧シー ル突起と放射方向に対向した関係で配置され、前記動圧シール表面と静圧シール 表面との間で放射方向の圧縮を受けた場合に、前記動圧突起と略等しい放射方向 の変形を受け、弾性シール材からなる前記全体としてリング状の部材が前記動圧 シールエレメントと静圧シール表面との間で放射方向の圧縮を受けることによっ て、前記動圧シールエレメントには、放射方向の変形に起因して捩じれが実質的 に発生しない少なくとも1の環状の静圧シール突起と、 を備えたことを特徴とする、絞りパッキン型動圧回転シールエレメント。 8. 前記動圧および静圧外周シール突起は、ともに環状の形状を有するとと もにシール材からなる前記全体としてリング状の部材の汚染物質側に配置され、 前記動圧シール突起が前記回転軸の前記動圧シール表面による圧縮によって放射 方向に変形させられたときに、前記動圧シール突起が、潤滑剤とのクサビ接触を 形成するための非円周状の肩部を形成すること特徴とする、請求項7記載の絞り パッキン型動圧回転シールエレメント。 9. 前記静圧エレメントは、放射方向圧縮によってシール材からなる前記全 体としてリング状の部材に捩じれが生じないように、シール材からなる前記全体 としてリング状の部材の前記環状の静圧シール突起と前記静圧エレメントとが協 働してなされる放射方向の圧縮のためのシールを収容する内周環状シール表面を 形成するパッキン押えを形成すること特徴とする、請求項7記載の絞りパッキン 型動圧回転シールエレメント。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 自己潤滑型汚染物質排除シールの捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキ ングシール組立体において、 (a)相互に放射方向に離間された回転自在密封面および非回転自在密封面と を画成する手段と、 (b)前記回転自在密封面および非回転自在密封面と圧縮係合してそれぞれ動 圧密封界面およびこれに対して回転自在の円形密封界面を成す放射方向内側外周 面および放射方向外側外周面を有し、また潤滑側面および汚染物質側面を画成す る軸方向端面を有する弾性密封材料の全体としてリング状の部材と、 (c)前記放射方向内側および外側外周面のいずれかに備えられ、前記回転自 在密封面に対して放射方向圧縮されて密封係合し、前記潤滑剤側面において軸方 向に変動する形状を有して前記動圧密封界面の中に潤滑剤の動圧クサビ作用を生 じ、また前記汚染物質側面において急角度の円形縁を画成して前記動圧密封界面 から汚染物質を排除する動圧外周突起ゼオメトリーと、 (d)前記内側または外側放射方向外周面のいずれか他方の上に備えられ、前 記非回転自在密封面に対して放射方向圧縮されて密封係合する円形静圧密封ゼオ メトリーとを有し、 (e)前記回転自在および非回転自在密封面の間の前 記弾性密封材料の全体としてリング状の部材の放射方向圧縮に際して、前記動圧 および静圧ゼオメトリーが実質的に同等のゆがみを受け、 (f)前記動圧潤滑型回転絞りパッキング組立体の対応の捻れを生じる事なく 、前記動圧および静圧密封ゼオメトリーが放射方向圧縮力に対して反作用を示す 事を特徴とする動圧潤滑型回転絞りパッキングシール組立体。 2. 前記の円形静圧密封ゼオメトリーは円筒形以外の形状であって、放射方 向圧縮力に感応して、前記シールの対応の圧縮捻れを生じる事なく前記非回転自 在密封面と密封係合する事を特徴とする請求項1に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型 回転絞りパッキングシール。 3. 前記円形静圧密封ゼオメトリーは前記汚染物質側面に向かって拡大する 直径を有する切頭円錐形形状である事を特徴とする請求項1に記載の捻り抵抗性 動圧潤滑型回転絞りパッキングシール。 4. 前記円形静圧密封ゼオメトリーは前記汚染物質側から前記潤滑剤側に向 かって延在する事を特徴とする請求項3に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞り パッキングシール。 5. 前記動圧および静圧周突起は、前記捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッ キングシールの対応の捻れを生じる事なく圧縮荷重に対して反作用を生じる事を 特徴とする請求項1に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパ ッキングシール。 6. 前記静圧周突起は前記動圧周突起に対して放射方向反対側に配置される 事を特徴とする請求項1に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキングシー ル。 7. 前記静圧周突起は前記動圧周突起の実質的に複写であって鏡像を成す事 を特徴とする請求項3に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキングシール 。 8. 前記動圧および静圧周突起は、前記回転自在および非回転自在密封面の 間の前記動圧潤滑型回転絞りパッキングシールの放射方向圧縮に際して実質的に 同一程度の放射方向ゆがみを受ける事を特徴とする請求項1に記載の捻り抵抗性 動圧潤滑型回転絞りパッキングシール。 9. 前記動圧および静圧周突起は、前記動圧潤滑型回転絞りパッキングシー ルの前記汚染物質側に配置され相互に放射方向対向関係に配置される事を特徴と する請求項1に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキングシール。 10. 前記動圧および静圧周突起はそれぞれ急角度の円形排除縁を画成し、 これらの排除縁は共通面に配置される事を特徴とする請求項9に記載の捻り抵抗 性動圧潤滑型回転絞りパッキングシール。 11. 前記非回転自在密封面を内側面として画成するハウジングが備られ、 前記非回転自在密封面の表面形状は実質的に前記動圧潤滑型回転絞りパッキング シール の形状の少ななくとも一部に対応しこの部分と協働して前記動圧潤滑型回転絞り パッキングシールの逆方向設置とパッキン押さえ中のその往復運動を防止する事 を特徴とする請求項1に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキングシール 。 12. 前記非回転自在密封面を画成する円形シールパッキン押さえを内部に 有するハウジングが備られ、前記動圧潤滑型回転絞りパッキングシールの一部が 前記動圧突起に対して放射方向に対向して、前記シールの放射方向圧縮が前記シ ールの実質的に双方向対称変形条件を生じ、前記動圧突起を含む前記内側外周面 または外側外周面の一方が、その動圧潤滑剤クサビ作用を効果的に保持する程度 にゆがみを受けない事を特徴とする請求項1に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転 絞りパッキングシール。 13. 前記動圧周突起が放射方向圧縮の結果として密封材料から成るリング 状部材の捻りによって変形されて、所望の動圧形状をとりまたその前記の汚染物 質排除機能を保持する事を特徴とする請求項1に記載の動圧潤滑型回転絞りパッ キングシールエレメント。 14. 放射方向に相互に離間された回転自在および非回転自在面の間に潤滑 型汚染物質排除密封を成すため、 (a)前記回転自在密封面および非回転自在密封面と圧縮係合して動圧密封界 面およびこれに対して回転自在 の円形密封界面とを成す放射方向内側外周面と放射方向外側外周面とを有し、ま た潤滑側面と汚染物質側面を画成する軸方向端面を有する弾性密封材料から成る 全体としてリング状の部材と、 (b)前記放射方向内側および外側外周面のいずれかに備えられ、前記回転自 在密封面と放射方向圧縮されて密封係合し、前記潤滑剤側面において軸方向に変 動する形状を有して前記動圧密封界面において潤滑剤の動圧クサビ作用を生じま た前記汚染物質側面において急角度の円形縁を画成して前記動圧密封界面から汚 染物質を排除する動圧外周突起ゼオメトリーと、 (c)前記内側または外側放射方向外周面のいずれか他方の上に備えられ、前 記非回転自在密封面に対して放射方向に圧縮されて密封係合する円形静圧密封ゼ オメトリーとを有し、前記静圧密封突起は前記動圧外周突起に対して放射方向対 向位置に配置されて前記動圧潤滑型回転絞りパッキングシールの放射方向圧縮に よる捻りを防止し、また前記円形静圧突起は前記汚染物質側から延在して前記急 角度の円形縁と交わるテーパ面を画成し、また (d)前記回転自在および非回転自在密封面の間の前記弾性密封材料から成る 全体としてリング状の部材の放射方向圧縮に際して、前記動圧および静圧ゼオメ トリーが実質的に同等のゆがみを受ける事を特徴とする捻り抵 抗性動圧潤滑型回転絞りパッキングシール。 15. 前記動圧および静圧周突起は、前記動圧潤滑型回転絞りパッキングシ ールの対応の捻れを生じる事なく圧縮荷重に対して反応する事を特徴とする請求 項14に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキングシール。 16. 前記静圧周突起が前記動圧周突起に対して放射方向対向位置に配置さ れる事を特徴とする請求項14に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキン グシール。 17. 前記静圧周突起は前記動圧周突起の実質的に複写であって鏡像を成す 事を特徴とする請求項16に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキングシ ール。 18. 前記動圧および静圧周突起は、前記回転自在および非回転自在密封面 の間の前記シールの放射方向圧縮に際して実質的に同一程度の放射方向ゆがみを 受ける事を特徴とする請求項14に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキ ングシール。 19. 前記動圧および静圧周突起は、前記シールの前記汚染物質側に配置さ れ相互に放射方向対向関係に配置される事を特徴とする請求項14に記載の捻り 抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキングシール。 20. 前記動圧および静圧周突起はそれぞれ円形排除縁を画成し、これらの 排除縁は共通面に配置される事 を特徴とする請求項19に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキングシー ル。 21. 前記非回転自在密封面を内側面として画成するハウジングが備られ、 前記非回転自在密封面の表面形状は実質的に前記シールの形状の少ななくとも一 部に対応しこの部分と協働して前記シールの逆方向設置とパッキン押さえ中のそ の往復運動を防止する事を特徴とする請求項14に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型 回転絞りパッキングシール。 22. 前記非回転自在密封面を画成する円形シールパッキン押さえを内部に 有するハウジングが備られ、前記シールの一部が前記動圧突起に対して放射方向 に対向して、前記シールの放射方向圧縮が前記シールの実質的に双方向対称変形 条件を生じ、また前記動圧突起を含む前記内側外周面または外側外周面の一方が 、その動圧潤滑剤クサビ作用を効果的に保持する程度にゆがみを受けない事を特 徴とする請求項14に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキングシール。 23. 前記動圧シールは前記汚染物質側面に向かって拡大する直径を有する 切頭円錐形形状の周表面を有する事を特徴とする請求項14に記載の捻り抵抗性 動圧潤滑型回転絞りパッキングシール。 24. 前記静圧周突起は前記動圧周突起の実質的に複写であって鏡像を成す 事を特徴とする請求項14に記 載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキングシールエレメント。 25. 内側面形状を成す円形シールパッキン押さえを画成するハウジングが 備られ、前記非回転自在密封面の表面形状は実質的に前記シールの形状の少なな くとも一部に対応しこの部分と協働して前記シールの逆方向設置とパッキン押さ え中のその往復運動を防止する事を特徴とする請求項14に記載の捻り抵抗性動 圧潤滑型回転絞りパッキングシール。 26. 前記動圧シールは前記動圧突起に向かって拡大する直径を有する切頭 円錐形形状である事を特徴とする請求項14に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転 絞りパッキングシール。 27. 前記動圧外周突起が放射方向圧縮の結果としての密封材料から成るリ ング状部材の捻りによって変形されて、所望の動圧形状をとりまたその前記の汚 染物質排除機能を保持する事を特徴とする請求項14に記載の動圧潤滑型回転絞 りパッキングシール。 28. 前記の動圧外周突起は切頭円錐形の内側形状を有し、従って前記密封 要素が捻られた時にも前記の汚染物質排除機能を保持できる事を特徴とする請求 項14に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッキングシール。 29. 前記ハウジングの周方向シール係合面が円錐 形である事を特徴とする請求項13に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞りパッ キングシール。 30. 前記シール係合面が前記円形シールパッキン押さえの中に内側周方向 段部を有する事を特徴とする請求項13に記載の捻り抵抗性動圧潤滑型回転絞り パッキングシール。 31. 回転自在および非回転自在密封面の間の密封に使用される動圧回転絞 りパッキングシールにおいて、 (a)内側および外側外周面を画成し、また汚染物質と接触するための第1の 軸方向端面と潤滑剤と接触するための第2の軸方向端面とを有する弾性密封材料 の全体としてリング状の部材と、 (b)前記の密封材料から成る全体として円形のリング状部材から一方の放射 方向に突出し前記の動圧密封面に対して動圧密封係合を成す少なくとも1つの動 圧密封突起であって、前記動圧密封突起は前記第1軸方向端面において前記汚染 物質と接触し前記動圧密封面と掻き落とし接触するための急角度の排除ショルダ を形成し、また前記動圧密封突起はさらに潤滑剤と接触するための軸方向に変動 するショルダを有する動圧密封突起と、 (c)前記の密封材料から成る全体として円形のリング状部材から他方の放射 方向に突出し前記の静圧密封面と密封接触する少なくとも1つの円形静圧密封突 起であって、前記円形静圧密封突起は前記動圧密封突起に対し て放射方向対向関係に配置され、前記動圧密封面と前記静圧密封面の間において 前記リング状部材を放射方向に圧縮する際に、前記動圧および静圧突起が前記密 封面の間に放射方向に圧縮されて実質的に同等の放射方向変形を受け、前記動圧 密封要素は前記放射方向変形によって実質的に捻られる事なく、さらに前記の静 圧密封突起は前記の汚染物質側から延在して前記の急角度の円形縁と交わるテー パ面を画成し、また前記テーパ面は前記リング状部材の軸方向長さより短距離延 在するように成された円形静圧密封突起とを含む事を特徴とする動圧回転絞りパ ッキングシール。 32. 前記動圧および静圧密封突起はそれぞれ円形であって、前記リング状 部材の汚染物質側端面に配置され、前記動圧および静圧密封突起は相互に放射方 向対向関係に配置され、前記動圧および静圧密封面の間において放射方向に圧縮 された時、実質的に同等の放射方向変形を受ける事を特徴とする請求項31に記 載の動圧回転絞りパッキングシール。 33. 前記静圧密封要素はシールを収容するパッキン押さえを画成し、前記 動圧密封要素の対応の放射方向圧縮に対する内周面形状を成し、従って放射方向 圧縮による前記動圧シール要素の捻れが実質的に防止される事を特徴とする請求 項11に記載の動圧回転絞りパッキングシール。 34. 相互に放射方向に離間された静圧および動圧密封面の間に圧縮密封さ れる動圧回転絞りパッキングシールにおいて、 (a)一定軸方向長を有し環境側端面と潤滑剤側端面とを画成する弾性密封材 料から成る円形部材と、 (b)前記円形部材から放射方向に突出して前記動圧面と密封係合し、また前 記潤滑剤側端面において潤滑剤と接触する軸方向変動ショルダを有する動圧密封 リップと、 (c)前記円形部材から放射方向に突出して前記円形部材の軸方向長さ以下の 距離延在するテーパ静圧密封リップとを含み、 (d)前記動圧および静圧密封リップが放射方向対向位置に配置され、また前 記静圧および動圧密封面の間において前記動圧回転絞りパッキングシールの放射 方向圧縮に際して、前記動圧および静圧密封リップが実質的に同等の放射方向変 形を受け、このようにして前記動圧回転絞りパッキングシールの圧縮による捻れ を実質的に防止する事を特徴とする動圧回転絞りパッキングシール。
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