JPH0849513A - ウエーブスプリング式バルブスプリング装置 - Google Patents

ウエーブスプリング式バルブスプリング装置

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JPH0849513A
JPH0849513A JP18379194A JP18379194A JPH0849513A JP H0849513 A JPH0849513 A JP H0849513A JP 18379194 A JP18379194 A JP 18379194A JP 18379194 A JP18379194 A JP 18379194A JP H0849513 A JPH0849513 A JP H0849513A
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JP
Japan
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spring
valve
wave
valve spring
retainer
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JP18379194A
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English (en)
Inventor
Shinichi Murata
真一 村田
Noriyuki Miyamura
紀行 宮村
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、内燃機関における吸気弁装置又は
排気弁装置に用いて好適のウエーブスプリング式バルブ
スプリング装置に関し、スプリング設計の自由度を向上
させ、機関構成の簡素化,省スペース化,組立性の改善
及びコストアップの抑制を実現できるようにすることを
目的とする。 【構成】 内燃機関の機関弁を付勢すべく装着されるバ
ルブスプリング3を、付勢方向に対して偏平な断面形状
を有し、螺旋状に所要数だけ旋回するように延在し、そ
の延在方向に対して上下に連続的に彎曲しながら複数の
山部33及び谷部34を交互に形成され、上下に隣合う
山部33と谷部34とを互いに当接させるように形成さ
れたウエーブスプリングにより構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関における吸気
弁装置又は排気弁装置に用いて好適の、ウエーブスプリ
ング式バルブスプリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関における機関弁(即ち、
吸気弁又は排気弁)のバルブスプリング装置として、コ
イルスプリングを用いることが一般的に行なわれてい
る。すなわち、図11,12は従来の内燃機関における
バルブスプリング装置を示しており、シリンダヘッド1
02に装備されたカムシャフト101により、ローラ付
きロッカアーム103を介しバルブ106が駆動され
る。
【0003】バルブ106は、リテーナロック108お
よびリテーナ107を介し、バルブスプリング105に
より閉方向に付勢されるようになっている。なお、符号
104はラッシュアジャスタを示している。図示するよ
うに、バルブスプリング105としてはコイルスプリン
グが用いられる。
【0004】これは、コイルスプリングに関する技術が
成熟するとともに、量的な占有度が高いため、信頼性が
高くコスト面で有利であることに起因している。この従
来からのコイルスプリングは線材を螺旋状に成形したも
のであり、線材の捩じりに対する応力を、スプリングの
付勢力として用いている。このような作動原理に基づい
てコイルスプリングが作動するので、バルブの駆動諸元
に対応したスプリングの設計要素は一義的に決定され、
スプリングサイズもほとんど一義的に決定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、内燃
機関のマルチバルブ化に伴い、使用するスプリングの数
が増加し、機関構成の複雑化,装置の大型化,組立性の
悪化,コストアップ等を招来しており、機関構成の簡素
化,省スペース化,組立性の改善,コストアップの抑制
といった課題がある。
【0006】しかしながら、上記の作動原理によるコイ
ルスプリングを用いるかぎり、前述のように設計自由度
が低く、このような課題を解決することができない。コ
イルスプリング以外のスプリングをバルブスプリングと
して設けることは、例えば「自動車技術事例集(199
1.5.27発行)」により開示された「皿バネを用い
たバルブスプリング」があるが、この構造では、いくつ
もの皿バネを継ぎピースを介して直列に結合するという
複雑な構造なので、機関構成の簡素化,省スペース化,
組立性の改善,コストアップの抑制といった課題の解決
は困難である。
【0007】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、付勢力の発生に関する原理が従来のコイルス
プリングとは異なったスプリングを用いることにより、
スプリング設計の自由度を向上させ、機関構成の簡素
化,省スペース化,組立性の改善及びコストアップの抑
制を実現できるようにした、ウエーブスプリング式バル
ブスプリング装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
のウエーブスプリング式バルブスプリング装置は、内燃
機関の機関弁を付勢すべく装着されるバルブスプリング
をそなえ、該バルブスプリングが、付勢方向に対して偏
平な断面形状を有し、螺旋状に所要数だけ旋回するよう
に延在し、その延在方向に対して上下に連続的に彎曲し
ながら複数の山部を及び谷部交互に形成され、上下に隣
合う山部と谷部とを互いに当接させるように形成された
ウエーブスプリングにより構成されていることを特徴と
している。
【0009】請求項2記載のウエーブスプリング式バル
ブスプリング装置は、請求項1記載の構成において、該
ウエーブスプリング式バルブスプリングが、上記の隣合
う複数の機関弁をともに付勢する単一のウエーブスプリ
ングから構成されていることを特徴としている。請求項
3記載のウエーブスプリング式バルブスプリング装置
は、請求項2記載の構成において、上記の隣合う複数の
機関弁が、該内燃機関の同一気筒に装備され且つ同一カ
ムプロフィールによるストローク動作を行なうものであ
ることを特徴としている。
【0010】請求項4記載のウエーブスプリング式バル
ブスプリング装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の
構成において、該ウエーブスプリング式バルブスプリン
グの付勢方向端部に平面状の座巻が設けられていること
を特徴としている。請求項5記載のウエーブスプリング
式バルブスプリング装置は、請求項2〜4のいずれかに
記載の構成において、該ウエーブスプリング式バルブス
プリングに弁駆動力を作用させるリテーナをそなえ、該
リテーナの作用領域に属さない該ウエーブスプリング式
バルブスプリングの弁間接続部に、平面加工部分が設け
られていることを特徴としている。
【0011】さらに、請求項6記載のウエーブスプリン
グ式バルブスプリング装置は、請求項5記載の構成にお
いて、該ウエーブスプリング式バルブスプリングの該平
面加工部分の端部に設けられた彎曲部上端が、該リテー
ナの作用領域内で該リテーナ側に当接するように配設さ
れていることを特徴としている。そして、請求項7記載
のウエーブスプリング式バルブスプリング装置は、請求
項5又は6記載の構成において、該平面加工部分が、該
座巻に連続して当接するように構成されていることを特
徴としている。
【0012】また、請求項8記載のウエーブスプリング
式バルブスプリング装置は、請求項2〜7のいずれかに
記載の構成において、該ウエーブスプリング式バルブス
プリングに弁駆動力を作用させるリテーナをそなえ、該
リテーナの作用領域に属さない該ウエーブスプリング式
バルブスプリングの弁間接続部に、該弁間接続部に隣接
する2つの機関弁の高さ方向の誤差を吸収する吸収調整
部が設けられていることを特徴としている。
【0013】
【作用】上述の請求項1記載の本発明のウエーブスプリ
ング式バルブスプリング装置では、ウエーブスプリング
において、自然の彎曲状態へ復元させようとして発生す
る曲げ応力が、機関弁に対する付勢力として作用する。
また、ウエーブスプリングは、その山部及び谷部がほぼ
平坦になるような彎曲状態まで変化できて、機関弁の大
きな変位も許容し、且つ、上記の曲げ応力の特性即ちば
ね特性は、該ウエーブスプリング自体の大きさを変えな
くても、該ウエーブスプリングを形成する板部材の板厚
設定や山部や谷部の彎曲状態の設定等、種々の要素に基
づき容易に変更できる。
【0014】請求項2記載のウエーブスプリング式バル
ブスプリング装置では、複数の機関弁が単一のウエーブ
スプリング式バルブスプリングで付勢される。請求項3
記載のウエーブスプリング式バルブスプリング装置で
は、請求項2記載の装置と同様に、複数の機関弁が単一
のウエーブスプリング式バルブスプリングで付勢される
が、これらの複数の機関弁が内燃機関の同一気筒に装備
され同一カムプロフィールによるストローク動作を行な
うため、単一のウエーブスプリング式バルブスプリング
により複数の機関弁を均等にバランス良く付勢しやすく
なる。
【0015】請求項4記載のウエーブスプリング式バル
ブスプリング装置では、ウエーブスプリング式バルブス
プリングの付勢方向端面の平面状座巻を介して付勢力の
支承が行なわれ、これにより、該ウエーブスプリング式
バルブスプリングの付勢力が均等にバランス良く発揮さ
れやすくなる。請求項5記載のウエーブスプリング式バ
ルブスプリング装置では、リテーナの作用領域に属さな
いウエーブスプリング式バルブスプリングの弁間接続部
のリテーナ側端部において、該リテーナによる反力が与
えられないため剛性が弱く、ウエーブスプリング自体の
付勢力の伝達が集中して作用すると、この部分に撓みを
生じやすいが、該弁間接続部には、平面加工部分が設け
られ、この平面加工部分では付勢力の伝達が集中しない
ので、このような平面加工部分をそなえた弁間接続部で
は、撓みの発生が回避される。
【0016】請求項6記載のウエーブスプリング式バル
ブスプリング装置では、該ウエーブスプリング式バルブ
スプリングの該平面加工部分では、主として、その端部
に設けられた彎曲部上端から該リテーナ側に付勢力が伝
達されるが、該彎曲部上端が、該リテーナの作用領域内
で該リテーナ側に当接するので、該彎曲部上端からの付
勢力は該リテーナ側に直接伝達される。そして、該平面
加工部分では付勢力の伝達が集中しないので、このよう
な平面加工部分をそなえた弁間接続部では、撓みの発生
が回避される。
【0017】請求項7記載のウエーブスプリング式バル
ブスプリング装置では、平面加工部分が該座巻に連続し
て当接するため、この部分での片当たりもなく、この部
分での付勢力の伝達が確実に分散されて、弁間接続部の
撓みの発生が確実に回避される。また、請求項8記載の
ウエーブスプリング式バルブスプリング装置では、該リ
テーナの作用領域に属さない該ウエーブスプリング式バ
ルブスプリングの弁間接続部に設けられた吸収調整部に
より、該弁間接続部に隣接する2つの機関弁の高さ方向
の誤差が吸収され、各機関弁が確実に付勢されるように
なる。
【0018】
【実施例】以下、図面により、本発明の実施例について
説明する。まず、本発明の第1実施例のウエーブスプリ
ング式バルブスプリング装置を図1〜図4を参照して説
明する。図1は本装置を示す模式図であり、(A)はそ
の模式的正面図、(B)はその模式的平面図である。
【0019】さて、本装置は、例えば従来例の図11に
示すように構成された内燃機関のシリンダヘッド部分に
おいて、吸気弁又は排気弁といった機関弁を付勢するた
めの装置として装備される。なお、かかる構成の内燃機
関の代表例には、例えば自動車用エンジンがある。本装
置では、図1に示すように、内燃機関の吸気バルブ1
a,1b(もしくは排気バルブ2a,2b)を閉鎖方向
へ付勢するバルブスプリング3として、ウエーブスプリ
ングが用いられている。
【0020】このウエーブスプリングには、次のような
特徴がある。すなわち、図2に示すように、ウエーブス
プリングは、付勢方向Hに対し偏平な断面形状に形成さ
れた板部材31を、螺旋状に所要旋回分だけ延在するよ
うに構成されている。特に、板部材31は、その延在方
向Hに対して上下に連続的に彎曲しており、これによ
り、複数の山部33と谷部34とを交互にそなえた波形
状32を形成されている。そして、このような波形状3
2における上下に隣合う山部33と谷部34とが当接し
ており、これらの上下の波形状32から側面視で丁度ハ
ニカム形状に見える、側面視ハニカム形状35が形成さ
れている。
【0021】このように構成されたウエーブスプリング
式バルブスプリング(以下、単に、ウエーブスプリング
とも、バルブスプリングともいう)3が、バルブステム
5の外周に遊装されてそなえられるが、その上端部はリ
テーナ4に当接し下端部はシリンダヘッド6のバルブ当
接面に当接しており、これらのリテーナ4とシリンダヘ
ッド6との間に圧縮状態で挟装されている。そして、リ
テーナ4及びバルブステム5を通じて吸気バルブ1a,
1b(もしくは排気バルブ2a,2b)を閉方向へ付勢
するようになっている。
【0022】なお、リテーナやバルブステムについて、
左右のリテーナを区別して示す場合には,それぞれの符
号を4a,4b,5a,5bとする。特に、本実施例で
は、図1(B)に示すように、複数の吸気バルブ1a,
1b(もしくは排気バルブ2a,2b)を単一のバルブ
スプリング3で付勢するように構成されている。
【0023】すなわち、バルブスプリング3は、吸気バ
ルブ1aのバルブステム5aと、吸気バルブ1bのバル
ブステム5bとの双方を取り囲むように巻回して装着さ
れており、吸気バルブ1a,1bの双方を閉方向に付勢
するようになっている。この実施例では、これらの吸気
バルブ1a,1bが、内燃機関の同一気筒に装備され同
一カムプロフィールによるストローク動作を行なうもの
として構成されており、同一ストロークのバルブステム
5a,5bを単一のバルブスプリング3で付勢するよう
に装備されている。
【0024】また、バルブスプリング3の付勢方向の両
端部は、波形状32のない平面状の座巻7,8として構
成されており、平面状座巻7,8により、バルブスプリ
ング3がリテーナ4やシリンダヘッド6のバルブ当接面
に均一に当たるようになっている。ところで、このよう
に複数のバルブ1a,1bを1つのウエーブスプリング
式バルブスプリング3で付勢する構造では、バルブスプ
リング3のバルブ1a,1b間を接続する部分(弁間接
続部)10に、リテーナ4の作用領域11に属さない部
分が存在する。このリテーナ4の作用領域11とは、リ
テーナ4の反力が作用する領域であり、具体的には、リ
テーナ4の軸線方向投影部分及びこの近傍が相当する。
これは、図1(B)中に斜線を付す領域である。このよ
うなバルブスプリング3の弁間接続部10のリテーナ4
の作用領域11に属さない領域には、平面加工部分36
が形成されている。
【0025】この実施例では、バルブスプリング3の弁
間接続部10における座巻7の直下には山部33が設け
られており、ここでは、この山部33の頂上部分が広げ
られるようにして平面加工部分36が形成されている。
この座巻7の直下の平面加工部分36は、座巻7に連続
的に当接しており、この部分での付勢力の伝達が分散さ
れて部分的に大きな付勢力が加わらないようになってい
る。
【0026】特に、この平面加工部分36の両端部(彎
曲部上端)36A,36Bはリテーナ4の作用領域11
に属すように配置されている。これは、平面状の座巻7
の局部的な変形を防止しようとするものである。すなわ
ち、ウエーブスプリングでは、山部33と谷部34とが
相互に当接する部分で付勢力(弾性力)が伝達される
が、特に、山部33と谷部34と当接部分の両端部(即
ち、この平面加工部分36の両端部36A,36Bが相
当する)において最も大きな付勢力(弾性力)が伝達さ
れる。山部33と谷部34との各端部が当接している場
合には、このような大きな付勢力の伝達が特に問題には
ならないが、平面状の座巻7に部分的に大きな付勢力が
加えられると、この部分の座巻7に変形が生じるおそれ
がある。
【0027】例えば、図3に示すように、バルブスプリ
ング3Aの弁間接続部10においてバルブスプリング3
Aの山部33Aが局部的に平面状座巻7に係合する場
合、山部33Aの両端部(彎曲部上端)33B,33C
で座巻7に大きな力が加わり、座巻7では、このような
力の作用する箇所に図示するような局部的変形を発生す
る可能性がある。
【0028】このような局部的変形が生じると、座巻7
がリテーナ4に傾いて当たり安定したスプリング力が得
られなくなり、バルブ駆動が設計カムどおりに行なわれ
ず、エンジン出力の低下等の不具合を招く。ただし、座
巻7に上方からリテーナ4の反力が作用していれば、こ
の上方からの押圧力でこのような座巻7の変形は回避さ
れる。
【0029】そこで、本装置では、平面加工部分36の
両端部36A,36Bをリテーナ4の反力が作用する領
域(作用領域)11に配置させているのである。本発明
の第1実施例としてのウエーブスプリング式バルブスプ
リング装置は、上述のように構成されるので、ウエーブ
スプリングに生じる弾性力が、リテーナ4を介してバル
ブステム5へ伝達され、各吸気バルブ1a,1b(また
は2a,2b)を閉方向に付勢する付勢力として発揮さ
れる。
【0030】このとき、生じる付勢力は、ウエーブスプ
リング式バルブスプリング3を構成する板部材31の波
形状32が、その彎曲状態の変化を本来の彎曲状態(自
然の彎曲状態)へ復元させようとして作用する曲げ応力
により発生する。このようなウエーブスプリングでは、
板部材31の厚みや、波形状32の彎曲度合いや、山部
33,谷部34の数など、スプリングの大きさを一定に
しながらも、その弾性特性(ばね定数)を極めて広い範
囲で自由に設定でき、小さなスプリングでも剛性の高い
ものにすることは容易であって、バルブスプリング3の
付勢方向長さを小さく構成しながらも十分な付勢力を得
ることも容易である。
【0031】また、線材に比べて偏平に形成された板部
材31によっているため、バルブスプリング3の付勢方
向伸縮長さも大きくとることができ、バルブスプリング
3のストロークを大きくとることも容易である。これら
により、図4の(A)と(B)とに比較して示すよう
に、バルブステム5の上端を、コイルスプリング式の従
来装置のバルブステム5上端より長さCだけ低く設定で
きるようになり、バルブスプリング装置をコンパクトに
形成することができる。
【0032】ここで、従来のコイルスプリング式バルブ
スプリング装置と本発明のウエーブスプリング式バルブ
スプリング装置との各設計諸元を比較しかた具体例を示
すと、次の表1のようになる。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示す例では、セット高さで4.2mm 低
く形成できるとともに、高さ方向における素材の高さも
半分以下に抑えることができるようになり、上述の作用
効果が確実に得られることがわかる。このようにスプリ
ング高さを抑えることができるため、シリンダヘッドの
高さを下げることができるようになり、エンジン重量を
減少でき、車両運動能力を向上させるとともに、車両デ
ザインの自由度も増加させることができる。
【0035】また、この実施例では、単一のバルブスプ
リング3が、吸気バルブ1a,1bの双方を付勢するよ
うに構成されているので、従来2つのコイルスプリング
を用いていた部分がこの1個のバルブスプリング3だけ
で十分になり、部品点数を削減でき、組立性が向上する
とともに、コストも低下させることができる。さらに、
コイルスプリング式では、素線の捩じりにより力を発生
させるため、各弁間のバランスをとる調整作業が難しい
が、本実施例の構成による場合には、曲げにより力を発
生するため、各バルブリテーナに押圧される曲げ部分の
数を均等とすることにより、各弁間のバランスを容易に
とることができる。
【0036】また、バルブスプリング3の付勢力は、平
面状座巻7を介してリテーナ4を通じてバルブステム5
に与えられる。したがって、バルブスプリング3とリテ
ーナ4とが均一に当接して、各弁間の付勢力のアンバラ
ンスが発生せず、また、片当たりの発生も回避される。
そして、リテーナ4a,4bの作用領域11に属さない
弁間接続部10には、平面加工部分36が設けられてお
り、弁間接続部10において、バルブスプリング3の山
部33が局部的に平面状座巻7に係合するようなことが
なく、平面加工部分36が座巻7へ均等に係合して、座
巻7への付勢力も均等に分散して加えられる。したがっ
て、座巻7に上方からリテーナ4a,4bの反力が作用
しなくても、ウェーブスプリングの座巻7における局部
的変形が防止される。
【0037】また、平面加工部分36の両端部36A,
36Bでは、大きな力を伝達し、平面状座巻7にも両端
部36A,36Bから大きな力が加えられるが、この部
分はリテーナ4の作用領域11に位置しており、平面状
座巻7は上方からリテーナ4によって支承されているの
で、大きな力が伝達されても座巻7の局部的変形は回避
される。
【0038】もちろん、リテーナ4の作用領域11に
は、この他にも何箇所もで山部33が当接しており、端
部36A,36Bおよびこれらの山部33を通じて、バ
ルブスプリング3の付勢力は、座巻7の変形を伴うこと
なくリテーナ4に直接的に伝達され、吸気バルブ1a,
1b(または2a,2b)の閉方向への付勢が確実に行
なわれる。
【0039】このようにして、本ウエーブスプリング式
バルブスプリング装置によって、座巻7がリテーナ4に
適正に当たりながら、リテーナ4とシリンダヘッド6と
の間で、バルブを付勢するためのスプリング力がバラン
ス良くしかも安定して働くようになるのである。したが
って、安定したスプリング力が得られるようになり、バ
ルブ駆動が設計カムどおりに行なわれて、機関の更なる
高回転化も可能になり、エンジン出力を向上させること
もできる。もちろん、動弁系の信頼性,耐久性も向上す
る。
【0040】なお、本実施例では、ウエーブスプリング
の弁間接続部10を上面視で直線的に形成しているが、
このウエーブスプリングの弁間接続部10は、図5に示
すように、リテーナ4の作用領域11に沿うような上面
視で曲線的に形成して、リテーナ4への係合部分を増加
させるようにしてもよく、この場合、スプリングの剛性
をより高めやすくなり、平面加工部分36を僅かなもの
にできる。
【0041】また、本装置は2弁タイプに限らず、3弁
以上の並列したバルブを一つのウエーブスプリング式バ
ルブスプリングで付勢するようにしてもよい。例えば、
図6は3弁タイプのもので、ウエーブスプリングの弁間
接続部10を、リテーナ4の作用領域11に沿うような
上面視で曲線的に形成した例であり、リテーナ4への係
合部分が増加されている。
【0042】次に、図7を参照して、本発明の第2実施
例について説明する。すなわち、第2実施例の装置に
は、図7に示すように、内燃機関の吸気バルブ1a,1
b(もしくは排気バルブ2a,2b)を閉鎖方向へ付勢
するバルブスプリング3として、第1実施例と同様に、
図2に示すようなウエーブスプリングが用いられてい
る。
【0043】このウエーブスプリングの特徴は、第1実
施例として既に説明しているので、ここでは説明を省略
する。本実施例の装置でも、複数の吸気バルブ1a,1
b(もしくは排気バルブ2a,2b)が、内燃機関の同
一気筒に装備され同一カムプロフィールによるストロー
ク動作を行なうものとして構成されており、同一ストロ
ークのバルブステム5a,5bの双方を、単一のバルブ
スプリング3で付勢するように装備されている。
【0044】また、バルブスプリング3の付勢方向の両
端部には、平面状の座巻7,8が設けられており、座巻
7,8がリテーナ4に均一に当たるようになっている。
さらに、本実施例でも、バルブスプリング3の弁間接続
部10のリテーナ4の作用領域11に属さない領域に
は、平面加工部分36が形成されているが、本実施例で
は、図7(A)に示すように、バルブスプリング3の弁
間接続部10における座巻7の直下には谷部34が設け
られており、座巻7の直下では、平面加工部分36はこ
の谷部34に設けられている。
【0045】したがって、バルブスプリング3の弁間接
続部10では、座巻7に山部33が当接しておらず、平
面状の座巻7の局部的な変形は発生しない。また、この
平面加工部分36を有する谷部34の両端には、山部3
3が設けられているが、これらの山部33は、当然なが
ら、リテーナ4の作用領域11に属すように配置されて
いる。
【0046】また、このようにバルブスプリング3の平
面加工部分36と平面状座巻7,8とが係合しないこと
により、バルブスプリング3のバルブステム5a側とバ
ルブステム5b側との間に所要の独立性を持たせて、相
互間の組立誤差等を吸収できるように構成されている。
本発明の第2実施例としてのウエーブスプリング式バル
ブスプリング装置は、上述のような構成により、第1実
施例と同様に、板部材31の波形状32において、その
彎曲状態の変化を復元させようとして作用する曲げ応力
により付勢力が発生して、この付勢力が、リテーナ4を
介してバルブステム5に伝達されて、吸気バルブ1a,
1b(または2a,2b)が閉方向に付勢されるように
なる。
【0047】第1実施例と同様に、ウエーブスプリング
に特有な利点により、バルブスプリング3の付勢方向長
さを小さく構成しながら十分な付勢力を得ることが容易
であり、また、バルブスプリング3の付勢方向長さを大
きくしないで、バルブスプリング3のストロークを大き
くとることも容易である。したがって、バルブスプリン
グ装置の高さを減少でき、シリンダヘッドの高さを下げ
ることができるようになり、エンジン重量を減少でき、
車両運動能力を向上させるとともに、車両デザインの自
由度も増加させることができるのである。
【0048】また、第1実施例と同様に、吸気バルブ1
a,1bの双方を単一のバルブスプリング3により付勢
しているので、従来2つのコイルスプリングをそなえる
べきところを、1個のバルブスプリング3により行なえ
るようになり、部品点数が削減されて、組立性が向上す
るとともに、コストも低下させることができる。さら
に、コイルスプリング式では、各弁間のバランスをとる
調整作業が難しいが、本実施例の構成による場合には、
第1実施例と同様に、各弁間のバランスを容易にとるこ
とができる。
【0049】特に、バルブスプリング3の平面加工部分
36が平面状座巻7,8に係合しないため、バルブスプ
リング3のバルブステム5a側とバルブステム5b側と
の間に所要の独立性が保たれ、各弁の相互間の組立誤差
等が吸収され、各弁間のバランスをより容易にとること
ができる。また、バルブスプリング3は、その平面状座
巻7を通じてリテーナ4から付勢力を与えるので、バル
ブスプリング3とリテーナ4とが均一に当接して、各弁
間の付勢力のアンバランスが発生せず、また、片当たり
の発生も回避される。
【0050】そして、バルブスプリング3の平面加工部
分36が平面状座巻7,8に係合しないため、第1実施
例と同様に、ウェーブスプリングの座巻7における局部
的変形が防止され、リテーナ4の作用領域11に配置さ
れた何箇所もの山部33を通じて、バルブスプリング3
の付勢力は、リテーナ4に直接的に伝達され、吸気バル
ブ1a,1b(または2a,2b)の閉方向への付勢が
バランス良くしかも安定して行なわれる。
【0051】なお、本実施例でも、ウエーブスプリング
の弁間接続部10を、図5,6に示すように、リテーナ
4の作用領域11に沿うような上面視で曲線的に形成し
て、リテーナ4への係合部分を増加させるようにしても
よく、これにより、スプリングの剛性をより高めやすく
なり、平面加工部分36を短いものにできる。次に、図
8を参照して、本発明の第3実施例について説明する。
【0052】すなわち、第3実施例の装置には、図8に
示すように、内燃機関の吸気バルブ1a,1b(もしく
は排気バルブ2a,2b)を閉鎖方向へ付勢するバルブ
スプリング3として、第1実施例と同様に、図2に示す
ようなウエーブスプリングが用いられている。このウエ
ーブスプリングの特徴は、第1実施例として既に説明し
ているので、ここでは説明を省略する。
【0053】また、本実施例の装置でも、複数の吸気バ
ルブ1a,1b(もしくは排気バルブ2a,2b)が、
内燃機関の同一気筒に装備され同一カムプロフィールに
よるストローク動作を行なうものとして構成されてお
り、同一ストロークのバルブステム5a,5bの双方
を、単一のバルブスプリング3で付勢するように装備さ
れている。
【0054】また、バルブスプリング3の付勢方向の両
端部には、平面状の座巻7,8が設けられており、座巻
7,8がリテーナ4に均一に当たるようになっている。
さらに、バルブスプリング3の弁間接続部10のリテー
ナ4の作用領域11に属さない領域には、第1実施例と
同様に山部33の頂上部分を延長させるようにして平面
加工部分36が形成されており、平面状の座巻7に変形
が生じないようになっている。
【0055】そして、本実施例では、図8(A)に示す
ように、バルブスプリング3の弁間接続部10に、さら
に、弁間高さを吸収する吸収調整部9が設けられてい
る。この吸収調整部9は、バルブスプリング3の平面加
工部分36と平面状座巻7とのいずれにも設けられてお
り、この例では、平面加工部分36と平面状座巻7を図
9(A)に示すような断面形状に蛇腹状に彎曲形成され
ている。吸収調整部9は、このような彎曲状態を容易に
変化させることができ、彎曲状態を変化させながら、リ
テーナ4a側とリテーナ4b側との弁間高さの誤差が吸
収されるように構成されている。
【0056】なお、この吸収調整部9の形状は、図9の
(B)や(C)にそれぞれ示すような断面形状のものと
することもできる。これらは、許容する弁間高さの誤差
量等に対応して、選択され装備される。本発明の第3実
施例としてのウエーブスプリング式バルブスプリング装
置は、上述のような構成により、第1実施例と同様に、
板部材31の波形状32において、その彎曲状態の変化
を復元させようとして作用する曲げ応力により付勢力が
発生して、この付勢力が、リテーナ4を介してバルブス
テム5に伝達されて、吸気バルブ1a,1b(または2
a,2b)が閉方向に付勢されるようになる。
【0057】第1実施例と同様に、ウエーブスプリング
に特有な利点により、バルブスプリング3の付勢方向長
さを小さく構成しながらも十分な付勢力を得ることが容
易であり、また、バルブスプリング3の付勢方向長さを
大きくすることなく、バルブスプリング3のストローク
を大きくとることも容易である。したがって、バルブス
プリング装置の高さを減少でき、この分だけシリンダヘ
ッドの高さも減少できるようになり、エンジン重量を減
少でき、車両運動能力を向上させるとともに、車両デザ
インの自由度も増加させることができるのである。
【0058】また、第1実施例と同様に、吸気バルブ1
a,1bの双方を単一のバルブスプリング3により付勢
しているので、従来2つのコイルスプリングをそなえる
べきところを、1個のバルブスプリング3により行なえ
るようになり、部品点数が削減されて、組立性が向上す
るとともに、コストも低下させることができる。さら
に、コイルスプリング式では、各弁間のバランスをとる
調整作業が難しいが、本実施例の構成による場合には、
第1実施例と同様に、各弁間のバランスを容易にとるこ
とができる。
【0059】また、バルブスプリング3は、その平面状
座巻7を通じてリテーナ4から付勢力を与えるので、バ
ルブスプリング3とリテーナ4とが均一に当接して、各
弁間の付勢力のアンバランスが発生せず、また、片当た
りの発生も回避される。そして、リテーナ4a,4bの
作用領域11に属さない弁間接続部10には、平面加工
部分36が設けられており、弁間接続部10において、
バルブスプリング3の山部33が局部的に平面状座巻7
に係合するようなことがなく、吸収調整部9を除いて、
平面加工部分36が座巻7へ均等に係合し、座巻7への
付勢力も均等に分散されて加えられ、座巻7に上方から
リテーナ4a,4bの反力が作用しなくても、ウェーブ
スプリングの座巻7における局部的変形が防止される。
【0060】そして、リテーナ4の作用領域11に配置
された複数の山部33を通じて、バルブスプリング3の
付勢力がリテーナ4に直接的に伝達されるので、吸気バ
ルブ1a,1b(または2a,2b)の閉方向への付勢
がバランス良くしかも安定して行なわれる。そして、本
実施例では、バルブステム5a,5bの取り付け状態に
よって弁間の高さに誤差が発生した場合、この誤差は、
バルブスプリング3および平面状座巻7,8の弁間接続
部10に装備された吸収調整部9により吸収調整される
利点もある。
【0061】すなわち、図10に示すように、シリンダ
ヘッド6への平面状座巻8係合位置からリテーナ4a,
4bへの距離D,D′は、各要素の個体差や取り付け状
態によっては異なっている場合があり、その誤差Eがあ
る場合には、安定した均等のスプリング力を得ることが
できず、カムベース円でバルブが開いてしまうような状
態を招来して、エンジン出力の悪化を招来する可能性が
ある。
【0062】このような誤差Eが存在する場合、本実施
例の構造では、吸収調整部9において、図9(A)に鎖
線で示すように、その彎曲状態を変化させることによ
り、リテーナ4a側とリテーナ4b側との弁間高さの誤
差が吸収される。これにより、バルブスプリング3のリ
テーナ4a側とリテーナ4b側とは所要の独立性を確保
され、相互に悪影響を与えることなく各部の付勢力によ
りリテーナ4a,4bのそれぞれが所望の状態に調整さ
れる。
【0063】また、吸収調整部9を、図9(B),
(C)のそれぞれに示す断面形状のものとした場合に
も、鎖線で示すように、その彎曲状態を変化させること
により対応した許容弁間高さの誤差量を吸収し、所望の
スプリング動作が安定して確保される。これにより、バ
ルブ駆動が設計カムプロフィールにより行なわれ、安定
したエンジン出力が行なわれる。バルブが開いたままに
なって、バックファイヤを発生したり、圧縮不良による
エンジン作動不良が発生することが防止される。
【0064】なお、本実施例でも、ウエーブスプリング
の弁間接続部10を、図5,6に示すように、リテーナ
4の作用領域11に沿うような上面視で曲線的に形成し
て、リテーナ4への係合部分を増加させるようにしても
よく、これにより、スプリングの剛性をより高めやすく
なり、平面加工部分36を僅かなものにできる。また、
第2実施例のように、バルブスプリング3の弁間接続部
10における座巻7の直下には谷部34が設けられてお
り、座巻7の直下では、平面加工部分36はこの谷部3
4に設けられている構造に、図9(A)〜(C)にそれ
ぞれ示すような吸収調整部9のいずれかを設けるように
してもよい。
【0065】また、このような吸収調整部9をそなえる
ことで、吸気バルブ1a,1bが、内燃機関の同一気筒
に装備されるが互いに異なるカムプロフィールによりス
トローク動作を行なうものとして構成されたものにおい
て、これらのバルブステム5a,5bを単一のバルブス
プリング3で付勢するような構成も考えられる。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のウエーブスプリング式バルブスプリング装置によ
れば、内燃機関の機関弁を付勢すべく装着されるバルブ
スプリングをそなえ、該バルブスプリングが、付勢方向
に対して偏平な断面形状を有し、螺旋状に所要数だけ旋
回するように延在し、その延在方向に対して上下に連続
的に彎曲しながら複数の山部及び谷部を交互に形成さ
れ、上下に隣合う山部と谷部とを互いに当接させるよう
に形成されたウエーブスプリングにより構成されるとい
う構成により、次のような効果ないし利点が得られる。
【0067】即ち、バルブステム上端を、従来のコイル
スプリング式バルブスプリング装置のバルブステム上端
より低く設定できるようになり、バルブスプリング装置
をコンパクトに形成することができるようになる。スプ
リング高さを抑えることができるため、シリンダヘッド
の高さを下げることができるようになり、エンジン重量
を減少させ、車両運動能力を向上させるとともに、車両
デザインの自由度も増加させることができる。
【0068】コイルスプリング式では、素線の捩じりに
より力を発生させるため、各弁間のバランスをとる調整
作業が難しいが、これに対して、本装置では、曲げによ
り力を発生するウエーブスプリング式によるため、各バ
ルブリテーナに押圧される曲げ部分の数を均等とするこ
とにより、各弁間のバランスを容易にとることができる
ようになる。
【0069】請求項2記載のウエーブスプリング式バル
ブスプリング装置によれば、請求項1記載の構成におい
て、上記の機関弁が複数個隣合うように並設され、該ウ
エーブスプリング式バルブスプリングが、上記の隣合う
複数の機関弁をともに付勢する単一のウエーブスプリン
グから構成されるという簡素な構成により、2つのコイ
ルスプリングの作用を1個のバルブスプリング3により
行なえるようになり、1個のバルブスプリングの取り付
けで済むようになるため、組立性が向上するとともに、
コストも低下させることができる利点がある。
【0070】請求項3記載のウエーブスプリング式バル
ブスプリング装置によれば、請求項1記載の構成におい
て、上記の隣合う複数の機関弁が、該内燃機関の同一気
筒に装備され且つ同一カムプロフィールによるストロー
ク動作を行なうものであるという構成により、2つのコ
イルスプリングの作用を1個のバルブスプリング3によ
り行なえるようになり、1個のバルブスプリングの取り
付けで済むようになるため、組立性が向上するととも
に、コストも低下させることができる利点がある。
【0071】請求項4記載のウエーブスプリング式バル
ブスプリング装置によれば、請求項1〜3のいずれかに
記載の構成において、該ウエーブスプリング式バルブス
プリングの付勢方向端部に平面状の座巻が設けられると
いう構成により、平面状座巻が平面状態を保持すること
によりリテーナに対する係合状態が均一になり、各弁間
の付勢力のアンバランスが発生せず、また、片当たりが
発生する状態も回避され、バルブ装置を正確に作動させ
ることができる。
【0072】請求項5記載のウエーブスプリング式バル
ブスプリング装置によれば、請求項2〜4のいずれかに
記載の構成において、該ウエーブスプリング式バルブス
プリングに弁駆動力を作用させるリテーナをそなえ、該
リテーナの作用領域に属さない該ウエーブスプリング式
バルブスプリングの弁間接続部に、平面加工部分が設け
られるという構成により、弁間接続部で平面加工部分が
リテーナ側に均等に係合するため、リテーナにより押圧
されていない部分におけるバルブスプリングの局部的変
形が防止される。
【0073】さらに、請求項6記載のウエーブスプリン
グ式バルブスプリング装置によれば、請求項5記載の構
成において、該ウエーブスプリング式バルブスプリング
の該平面加工部分の端部に設けられた彎曲部上端が、該
リテーナの作用領域内で該リテーナ側に当接するように
配設されるという構成により、リテーナの作用領域内バ
ルブステムへの付勢力がリテーナを通じて直接的に支承
され、バルブスプリングの局部的変形を招くことなく、
安定したスプリング力が得られる。
【0074】そして、請求項7記載のウエーブスプリン
グ式バルブスプリング装置によれば、請求項5記載又は
6記載の構成において、該平面加工部分が、該座巻に連
続して当接するように構成されていることにより、平面
状座巻下面と平面加工部分上面が全体的に密接し、バル
ブスプリングおよび平面状座巻の変形によるリテーナへ
の片当たりが防止され、弁間接続部で平面加工部分がリ
テーナ側に均等に係合するため、リテーナにより押圧さ
れていない部分におけるバルブスプリングの局部的変形
が防止される。
【0075】また、請求項8記載のウエーブスプリング
式バルブスプリング装置によれば、請求項2〜7のいず
れかに記載の構成において、該ウエーブスプリング式バ
ルブスプリングに弁駆動力を作用させるリテーナをそな
え、該リテーナの作用領域に属さない該ウエーブスプリ
ング式バルブスプリングの弁間接続部に、該弁間接続部
に隣接する2つの機関弁の高さ方向の誤差を吸収する吸
収調整部が設けられるという簡素な構成で、次のような
効果ないし利点が得られる。
【0076】即ち、弁間高さに誤差が存在する場合であ
っても、弁間高さ吸収調整部において誤差が吸収され、
これにより、バルブスプリングの各リテーナ側相互の独
立性が確保され、相互に悪影響を与えることなく各部の
付勢力によりリテーナのそれぞれが所望の状態に調整さ
れる。したがって、所望のスプリング動作が安定して確
保され、バルブ駆動が設計カムプロフィールにより行な
われて、安定したエンジン出力が行なわれる。これによ
り、バルブが開いたままになって、バックファイヤを発
生したり、圧縮不良によるエンジン作動不良の発生を防
止されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としてのウエーブスプリン
グ式バルブスプリング装置の要部を模式的に示す図であ
り、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【図2】本発明の装置に用いられるウエーブスプリング
式バルブスプリングの模式的斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例としてのウエーブスプリン
グ式バルブスプリング装置の構成を説明するための図で
ある。
【図4】本発明の第1実施例としてのウエーブスプリン
グ式バルブスプリング装置の利点を示す図であり、
(A)は本実施例の装置を示し、(B)は従来例の装置
を示す。
【図5】本発明の第1実施例としてのウエーブスプリン
グ式バルブスプリング装置のバルブスプリング形状の2
弁タイプにおける変形例を模式的に示す上面視平面図で
ある。
【図6】本発明の第1実施例としてのウエーブスプリン
グ式バルブスプリング装置のバルブスプリング形状の3
弁タイプにおける変形例を模式的に示す上面視平面図で
ある。
【図7】本発明の第2実施例としてのウエーブスプリン
グ式バルブスプリング装置の要部を模式的に示す図であ
り、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【図8】本発明の第3実施例としてのウエーブスプリン
グ式バルブスプリング装置の要部を模式的に示す図であ
り、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【図9】本発明の第3実施例としてのウエーブスプリン
グ式バルブスプリング装置にそなえられる弁高さ吸収調
整部の形状を示す模式的縦断面図であり、(A)は第3
実施例の弁高さ吸収調整部の形状を示し、(B),
(C)はいずれもその変形例を示す。
【図10】本発明の第3実施例としてのウエーブスプリ
ング式バルブスプリング装置の構成を説明するための図
であり、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【図11】従来の内燃機関におけるバルブスプリング装
置部分を示す要部縦断面図である。
【図12】従来のバルブスプリング装置を示す図であ
り、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【符号の説明】
1a,1b 吸気バルブ 2a,2b 排気バルブ 3,3A ウエーブスプリング式バルブスプリング 4,4a,4b リテーナ 5,5a,5b バルブステム 6 シリンダヘッド 7 平面状座巻 7A 局部的変形 8 平面状座巻 9 弁間高さ吸収調整部 10 ウエーブスプリング3の弁間接続部 11 リテーナ4の作用領域 31 板部材 32 波形状 33,33A 山部 33B,33C 山部33Aの両端部(彎曲部上端) 34 谷部 35 側面視ハニカム形状 36 平面加工部分 36A,36B 平面加工部分36の端部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の機関弁を付勢すべく装着され
    るバルブスプリングをそなえ、 該バルブスプリングが、 付勢方向に対して偏平な断面形状を有し、螺旋状に所要
    数だけ旋回するように延在し、その延在方向に対して上
    下に連続的に彎曲しながら複数の山部及び谷部を交互に
    形成され、上下に隣合う山部と谷部とを互いに当接させ
    るように形成されたウエーブスプリングにより構成され
    ていることを特徴とする、ウエーブスプリング式バルブ
    スプリング装置。
  2. 【請求項2】 上記の機関弁が複数個隣合うように並設
    され、 該ウエーブスプリング式バルブスプリングが、上記の隣
    合う複数の機関弁をともに付勢する単一のウエーブスプ
    リングから構成されていることを特徴とする、請求項1
    記載のウエーブスプリング式バルブスプリング装置。
  3. 【請求項3】 上記の隣合う複数の機関弁が、該内燃機
    関の同一気筒に装備され且つ同一カムプロフィールによ
    るストローク動作を行なうものであることを特徴とす
    る、請求項2記載のウエーブスプリング式バルブスプリ
    ング装置。
  4. 【請求項4】 該ウエーブスプリング式バルブスプリン
    グの付勢方向端部に平面状の座巻が設けられていること
    を特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のウエー
    ブスプリング式バルブスプリング装置。
  5. 【請求項5】 該ウエーブスプリング式バルブスプリン
    グに弁駆動力を作用させるリテーナをそなえ、 該リテーナの作用領域に属さない該ウエーブスプリング
    式バルブスプリングの弁間接続部に、平面加工部分が設
    けられていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれ
    かに記載のウエーブスプリング式バルブスプリング装
    置。
  6. 【請求項6】 該ウエーブスプリング式バルブスプリン
    グの該平面加工部分の端部に設けられた彎曲部上端が、
    該リテーナの作用領域内で該リテーナ側に当接するよう
    に配設されていることを特徴とする、請求項5記載のウ
    エーブスプリング式バルブスプリング装置。
  7. 【請求項7】 該平面加工部分が、該座巻に連続して当
    接するように構成されていることを特徴とする、請求項
    5又は6記載のウエーブスプリング式バルブスプリング
    装置。
  8. 【請求項8】 該ウエーブスプリング式バルブスプリン
    グに弁駆動力を作用させるリテーナをそなえ、 該リテーナの作用領域に属さない該ウエーブスプリング
    式バルブスプリングの弁間接続部に、該弁間接続部に隣
    接する2つの機関弁の高さ方向の誤差を吸収する吸収調
    整部が設けられていることを特徴とする、請求項2〜7
    のいずれかに記載のウエーブスプリング式バルブスプリ
    ング装置。
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Effective date: 19990608