JPH0849024A - 精錬炉の溶融スラグレベル測定方法及び装置 - Google Patents

精錬炉の溶融スラグレベル測定方法及び装置

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JPH0849024A
JPH0849024A JP18500094A JP18500094A JPH0849024A JP H0849024 A JPH0849024 A JP H0849024A JP 18500094 A JP18500094 A JP 18500094A JP 18500094 A JP18500094 A JP 18500094A JP H0849024 A JPH0849024 A JP H0849024A
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molten slag
measuring
voltage
electrode
phase
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JP18500094A
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English (en)
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Gakuji Tamura
岳治 田村
Shigeru Inoue
茂 井上
Chihiro Taki
千尋 滝
Osamu Yamase
治 山瀬
Shinji Matsubara
真二 松原
Hideo Nakamura
英夫 中村
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/36Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing sulfur, sulfides or selenium

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 測定用プローブ先端に電極端子2、2’を取
付け、直列に抵抗5’で示すR1 を介して電圧検出回路
を構成する。電極端子2、2’間に抵抗R2 が発生した
場合を考えると、電極端子2、2’間の電圧は、V=V
0 ×R2 /(R1+R2 )となる。測定用プローブをサ
ブランスに装着し、精錬炉上部から挿入した場合、電圧
計Vは炉内のスプラッシュ、ダストの多い雰囲気のガス
相9の電気抵抗値、溶融スラグ相10、溶融金属相11
の電気抵抗値のそれぞれに見合った電圧Vを順次出力す
る。電圧検出回路の抵抗R1 を5KΩ〜5Ω、溶融スラ
グ相における電極端子2、2’間の抵抗R2 を30Ω〜
10Ωとする測定用プローブを用いて、電圧Vの変化か
ら溶融スラグ相の浴面を検出することが出来る。 【効果】 本発明によれば、効率的かつ頻繁に、小規模
な設備で、±10cm以内に精度良く、スラグレベルお
よびスラグ厚さを測定することが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転炉、溶融還元炉、電
気炉、取鍋精錬等の精錬容器内部の溶融金属上に浮遊す
る溶融スラグ相面の位置と溶融スラグ相厚みを、電極間
の電気電導度測定によって、精錬中に測定する方法およ
び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】精錬容器内の溶融金属上に浮遊するスラ
グ相のレベルを測定する装置は、実開昭56−1326
00号公報、特開昭53−21961号公報、特開昭5
6−33440号公報記載にあるように、電極を容器内
上方の空間から溶融スラグ相面、溶融金属相中に降下さ
せ、容器内空間或いは溶融スラグ相、溶融金属相の各相
の電気伝導度の差から電気的に検出するものがある。
【0003】実開昭56−132600号公報は、サブ
ランスに装着し転炉内の溶融スラグレベルを測定するプ
ローブに関するもので、図11、図12にプローブの構
造、図13に測定イメージを示す。図11、図12、図
13を参照すると、吹錬中の転炉炉体25の溶融スラグ
相部分10に挿入される測定用プローブ18の下端に取
り付けられた一対のモリブデン製電極2、2’と熱電対
15とこれらの電極対と熱電対を囲む杯状キャップ32
とが示されている。一対のモリブデン製電極2、2’は
所定距離dに離隔せられ、それぞれ下端を同一水平面上
に置いている。信号灯33が、それぞれ導線3、3’に
より上記モリブデン製電極2、2’に接続されている。
導線3には電池34が接続されている。従って、図11
の測定用プローブ18を泡立つ溶融スラグ相10に挿入
するときは、一対の電極2、2’の間に電流が流れ、信
号灯33が点灯し溶融スラグ相の高さを検出することが
できる。熱電対15は、導線3’’により炉外の温度記
録装置35に接続されている。
【0004】上記一対の電極2、2’と熱電対15との
両者を内部に取り囲む杯状キャップ32は、厚さ0.5
mm程度の薄鉄板を使用して製作せられ、測定用プロー
ブ18を炉口から挿入し溶融スラグ相10に到達する以
前に、溶融スラグ相から跳ね出すスプラッシュ8により
一対の電極2、2’が短絡し、信号灯33を点灯させ誤
操作を起すことを防止する。転炉25内の溶融スラグ相
10は激しく揺動し炉口から数米上の高さまでスプラッ
シュ8を飛散させ、一滴のスプラッシュでも一対の電極
2、2’を短絡させることがある。そのため、杯状キャ
ップ32の存在は有効である。
【0005】次に、特開昭53−21961号公報につ
いて説明する。これは、トーピードカー、取鍋、転炉、
CCモールド等において、これら溶融金属用容器内部の
湯面に共存する溶融メタルおよび溶融スラグの界面を電
気伝導度の差から電気的に検出し、これらの界面を測定
する技術で、図14にその測定回路図、図15に測定模
式図を示す。
【0006】図14、図15を参照しその測定方法を説
明する。図14において、耐火物で円筒形に形成された
測定用プローブ18の測定側先端にモリブデン、タング
ステン、或いはレニウム等の高融点金属の電極2、2’
を2本外部に突出して定着し、電極2、2’は圧着端子
等で円筒形測定用プローブ18の内に挿入された導線
3、3’に接続されている。電極2は導線3によって可
変抵抗36を介して電池34の一端に接続され、電極
2’は導線3’により電池34の他端に接続されて検出
回路を構成し、電極2、2’間の抵抗変化を可変抵抗3
6の両端A−B間で電圧変化として検出する。
【0007】図15に示すように、測定用プローブ18
を降下して、プローブ先端の電極2、2’が溶融スラグ
相10に接触すると、電極2、2’間に抵抗が検出さ
れ、検出回路の可変抵抗36の両端A−B間に電圧変化
が現れる。次いで、測定用プローブ18を更に降下して
その先端が溶融スラグ相と溶融金属相との界面に到達す
ると、溶融金属相11中では抵抗がほぼ10-2〜10-3
Ωとなるので、検出回路の可変抵抗36の両端A−B間
の電圧はほぼ電池34の電圧とほぼ同じ値を示して一定
となる。
【0008】そして、溶融スラグ相の比抵抗は0.05
〜2Ωcm程度、溶融金属相の比抵抗は10-4Ωと考え
られるので、電極2、2’間の間隔が10〜20mmの
場合は溶融スラグ相内では0.1〜数Ωの電極間抵抗を
検出することになる。一方、溶融金属相11中では電極
間抵抗は10-2〜10-3Ωとなるので、上記検出回路の
A−B間の電圧変化によって溶融スラグ面と溶融スラグ
相・溶融金属相界面を検出できるというものである。
【0009】次に、特開昭56−33440号公報の従
来例に記載された溶融スラグレベル測定技術を説明す
る。この技術はエレクトロスラグ溶接あるいはエレクト
ロスラグ溶解において溶解金属上のスラグ相深さを測定
する方法で、図16にその検出回路と測定模式図、図1
7に検出電圧の波形を示す模式図である。図16におい
て25は転炉炉体、11は溶融金属相、10は溶融スラ
グ相、2と2’は電極、37は電極2と2’の支持部で
ある。電極2を固定抵抗5を介して定電圧電源7の一端
に、又電極2’を定電圧電源7の他端に接続し、支持部
37によりこれら電極を同時に下降させ、溶融スラグ相
表面、溶融スラグ相内、溶融金属相内の順で挿入する。
【0010】この場合は図示機構から明らかなように電
極の抵抗と固定抵抗5の比を検出することになるが、増
幅器38の出力電圧は図17に示す如き変化をする。電
極2がスラグ上面即ち空気中にある時は回路が閉じてい
るので出力電圧Vは定電圧電源7の出力と等しく、電極
2がスラグ相内に入ると(L1の位置)スラグを通して
電流が流れ出力電圧Vが急激に下降し、さらに電極2が
下降し溶融金属相内に挿入されると溶融金属相の電気抵
抗値が小さいため電極にかかる電圧は実質零となる。そ
こで、上記の出力電圧の変化点を検出することによって
溶融スラグ相面、溶融金属相面を判定し、その間の電極
移動距離から溶融スラグ相深さを測定する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際の精錬容
器内部の溶融スラグレベル測定はその操業中に測定ラン
スを毎分100mを越える高速度で降下させて、ランス
先端に設けた検出用電極を浮遊する溶融スラグ相と流動
する溶融金属相に接触させることによって、溶融スラグ
相面あるいは溶融金属相面を±10cmの精度で検出す
る高速度測定を必要としている。本発明の発明者が上記
技術をこの様な条件で精錬容器内部の溶融スラグレベル
測定に試用した経験では精度の高い測定結果を得ること
が出来ず、実操業で満足できる測定技術ではなかった。
即ち、上記技術を測定に用いる時、下記の問題を経験し
た。
【0012】実開昭56−132600号公報の装置
では、スプラッシュ飛散の影響を避けるために、溶融ス
ラグレベルを測定するサブランスプローブの先端に電極
を囲む杯状キャップ32が取り付けられているので、精
錬炉内に飛散するダスト、スプラッシュ、高温度雰囲気
ガス等による測定用電極間の導通を防止することが出来
る。しかし、プローブ先端が溶融スラグ相面に達して
も、薄鉄板製の杯状キャップが高温溶融スラグ相の熱に
よって溶融し除かれなければ溶融スラグ相が電極間を導
通させることにならないので、杯状キャップが溶融され
る所要時間が測定誤差の原因になり、溶融スラグ相面を
±10cm以内の高精度で測定しようとする場合不向き
であり、従って、溶融スラグ相厚みの測定の精度も期待
出来ない。
【0013】又、キャップの材質・厚みを容器内空間の
雰囲気温度に対して薄くしすぎた場合、プローブ先端が
溶融スラグ相に達する前にキャップが損傷し高温度雰囲
気ガスによって電極間が導通しスラグ相面に達する前に
信号灯33が点灯してしまい溶融スラグ相面の判定が出
来ない。キャップの材質・厚みを多様な操業条件に適し
て選択することが難しい等の問題もある。
【0014】特開昭53−21961号公報の方法で
は測定用プローブ18はその測定側先端に高融点金属の
電極2、2’を平行に突出させている。この為、精錬容
器炉内雰囲気の高温度ガス炎、浮遊金属ダストによっ
て、電極2、2’間が導通され溶融スラグ相面の検出特
性が悪くなる場合がある。即ち、炉内雰囲気の電気電導
度によっては、A−B間の炉内雰囲気における電圧降下
値と溶融スラグ相における電圧降下値が近くなる場合が
あり、溶融スラグ相面にプローブ先端が到達した時の電
圧差が僅少であるため溶融スラグ相面を判定できないこ
とがある。
【0015】特開昭56−33440号公報の方法に
おいても検出用電極2と2’は支持部37によって二本
が平行に露出して支持されている。この為、エレクトロ
スラグ溶解における略室温度の大気中と異なる精錬容器
内部では、その高温度ガス雰囲気を降下中、検出用電極
の間は上記と同様に導通され、増幅器38の出力電圧
変化、即ち、溶融スラグ相面に検出用電極が到達した時
に検出される電圧と炉内雰囲気を降下中に検出していた
電圧の差が僅少になるので溶融スラグ相面を検出できな
いことがある。
【0016】以上のように従来技術では精錬容器内部の
溶融スラグ相面位置、溶融スラグ相厚みを高速度で且つ
正確に測定することができなかった。本発明は測定側先
端に検出用電極を露出して設けた測定用プローブを用い
た溶融スラグレベル測定法で、炉内雰囲気による電極間
の導通の存在下でも溶融スラグ相面の検出特性の良い溶
融スラグレベル測定方法とその装置を得ることを目的と
する。
【0017】一方、炉内雰囲気の電気伝導度と溶融スラ
グの電気伝導度が正確に判れば、それに見合った固定抵
抗値を採用することにより、炉内雰囲気と溶融スラグの
界面を正確に判別可能であるが、精錬容器内部の高温度
ガス炎の濃度、温度、浮遊金属ダスト量等に応じて炉内
雰囲気の電気電導度は変化しており、又、溶融スラグ相
の電気電導度も溶融スラグ相の塩基度、金属及び酸化物
含有率、密度等によって変化しているため、最適な固定
抵抗値を把握できない。
【0018】更に、検出用電極を露出して設けた測定用
プローブを用いているので、精錬容器内部空間を降下中
に溶融スラグのスプラッシュ或いは溶融金属のスプラッ
シュによる導通を防止する必要がある。
【0019】この為、本発明は実際の精錬容器の種々の
操業条件において、まずスプラッシュ付着による導通弊
害を受けにくい測定用プローブ先端の測定用電極の形状
と配置を決定し、次にその測定用プローブによって、炉
内雰囲気及び溶融スラグ相における測定用電極間の信頼
性ある電気伝導度及び電気抵抗値を実炉測定で得ること
を第1の課題とする。
【0020】そして、得られた炉内雰囲気と溶融スラグ
相における測定用電極間の電気抵抗値の知見を用いて、
溶融スラグレベル測定プローブの検出用電極間が炉内雰
囲気によって導通されても溶融スラグ相面の検出特性が
劣化する弊害の少ない検出回路とその最適な検出回路条
件およびそれらを用いた溶融スラグレベル測定方法とそ
の装置を提供することを本発明の第2の課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明の第1の発明は、一方の電極は一方の導線に
より固定抵抗を介して定電圧電源の一端に接続され他方
の電極は他方の導線により前記定電圧電源の他端に接続
され前記電極間に並列に設けた電圧測定手段を備えた電
圧検出回路を有し、前記電極の少なくとも一対を測定用
プローブの先端に等しい長さ突出させ高抵抗体にて固定
して配置し、溶融スラグ相と溶融金属相が存在する精錬
容器の上方から該容器内部に前記プローブを降下させ、
前記定電圧電源から一定電圧を印加しつつ、前記プロー
ブ先端の電極と溶融スラグ相又は溶融金属相との接触に
より前記電極間が導通された場合の前記電極間の電圧変
化値を前記電圧測定手段にて測定し、その測定電圧の変
化を検出して溶融スラグ相面との接触又は溶融金属相面
との接触を判定し、この時の前記プローブの高さ位置を
読み取り、溶融スラグ相面の精錬容器内の高さ位置、お
よび溶融スラグ相の厚みを測定する溶融スラグレベル測
定方法において、前記電極間の溶融スラグ相における電
気抵抗値が5Ω〜5kΩを与える電極の形状と配置を用
い、前記電圧検出回路の前記固定抵抗の値を5Ω〜5k
Ωの範囲の一定の抵抗値に定めることにより、精錬容器
内の雰囲気ガスの影響を排除して溶融スラグ相面を高速
度検出する精錬容器内部の溶融スラグレベル測定方法で
ある。
【0022】第2の発明は、前記電圧検出回路の前記固
定抵抗の値を5Ω〜50Ωの範囲の一定の抵抗値に定め
ることにより、溶融スラグ相面および溶融スラグ相の厚
みを測定する精錬容器内部の溶融スラグレベル測定方法
である。
【0023】第3の発明は、第1の発明或いは第2の発
明において、前記測定プローブの先端の前記電極の形状
と配置を電極長さで3mm以上、電極間隔20mm以
上、電極断面積1mm2 以上の範囲とする精錬容器内部
の溶融スラグレベル測定方法である。
【0024】第4の発明は、一方の電極は一方の導線に
より固定抵抗を介して定電圧電源の一端に接続され他方
の電極は他方の導線により前記定電圧電源の他端に接続
され前記電極間に並列に設けた電圧測定手段を備えた電
圧検出回路と、前記電極の少なくとも一対を高抵抗体で
等しい長さで突出させて先端に固定した測定用プローブ
と、該測定用プローブを先端に装着した測定棒と、精錬
容器の上方から該容器内部に前記測定棒を昇降させる手
段と、前記測定棒の上下移動位置検出手段と、該上下移
動位置検出手段の距離信号を受けて前記電極の精錬容器
内部における位置を監視する演算部と、前記電圧測定手
段で測定した信号を用いて電圧値の変化を検出し、電圧
変化検出信号を発する電圧変化検出手段とからなり、前
記電圧変化検出信号を受けた時の前記演算部の監視して
いる前記電極の位置から溶融スラグ相面の精錬容器内の
高さ位置、或いは溶融スラグ相の厚みを測定する溶融ス
ラグレベル測定装置であって、前記測定プローブの先端
の前記電極の形状と配置を、電極長さが3mm以上、電
極間隔を20mm以上、電極断面積を1mm2 以上の範
囲とし、更に、前記固定抵抗の値を5Ω〜5kΩの範囲
の一定の抵抗値に定めた前記電圧検出回路を備えたこと
を特徴として、精錬容器内の雰囲気ガスの影響を排除し
て溶融スラグ相面を高速度検出することが可能な精錬容
器内部の溶融スラグレベル測定装置である。
【0025】
【作用】本発明の第1の課題とするスプラッシュ付着に
よる導通弊害を受けにくい測定用プローブ先端の電極の
構造について以下記載する。
【0026】導通弊害は精錬炉内雰囲気に飛散する溶融
スラグのスプラッシュ、溶融金属のスプラッシュが測定
プローブ測定側先端に突出して設けた2本の電極の間を
跨いで付着した時に発生する。そこで、実際の精錬炉の
操業条件において、種々の測定用電極の突出長さ
(l)、2本の平行電極の設置間隔(d)の組み合わせ
た測定プローブを使用して、導通弊害の発生率を調査し
た。
【0027】図3に示した導通弊害の発生率を比較すれ
ば明らかなように、測定用電極の突出長さ(l)3mm
以上、電極の設置間隔(d)が20mm以上の条件で、
電極の保護用キャップを設けなくてもスプラッシュ付着
による導通弊害を防止出来ることが判った。又、電極の
断面積の下限は折損を防止するために1mm2 以上とし
た。上限は特に規定しないが、電極の大きさは20mm
×50mm程度が限度のため1000mm2 程度が上限
である。
【0028】次に、本発明の第2の課題について、以下
に記載する。図1に示した本発明における溶融スラグレ
ベル測定の電圧検出回路1において、電極端子2、2’
間が導通されて、ここに電気抵抗値R2 が発生した場
合、電極端子2、2’間の電圧降下値即ち、測定電圧値
Vは、(1)式となる。
【0029】 V=V0 ×R2 /(R1 +R2 ) ……(1) ここで、固定抵抗値R1 (回路抵抗値+固定抵抗5の抵
抗値)、電源電圧V0は一定であるので、測定電圧値V
は電極端子間の電気抵抗値R2 を反映することとなる。
【0030】式(1)から判るように、R2 の電気抵抗
値領域に対してR1 の値が非常に大きいか、又は非常に
小さい場合、測定電圧は各々0ボルト、或いは、V0
ルトに近い値を表示するので、R2 の変化を測定電圧値
Vの変化として判別することが困難となる。
【0031】又、溶融スラグ相面、溶融金属相面の電圧
変化検出特性を良好にするには、雰囲気ガス相、溶融ス
ラグ相、或いは溶融金属相におけるそれぞれの測定電圧
値Vを電圧測定範囲(0からV0 ボルト)に対する比の
値で示すとき、その値の差が0.15以上あることが望
ましく、その条件は下記(2)、(3)式に表すことが
できる。
【0032】 RG /(R1 +RG )−RS /(R1 +RS )≧0.15……(2) RS /(R1 +RS )−RM /(R1 +RM )≧0.15……(3) RG 、RS 、RM は雰囲気ガス相、溶融スラグ相、溶融
金属相における電極端子間のそれぞれの電気抵抗値R2
である。
【0033】ここで、少なくとも(2)式が成立すると
きは雰囲気ガス相から溶融スラグ相面の検出が良好にな
され、(2)式、(3)式を同時に満足するR1 の値が
選定された時は溶融スラグ相面と溶融スラグ相厚みを測
定する溶融スラグレベル測定が可能となる。しかし、
(2)式、(3)式はRG 、RS 、RM とR1 の相対関
係式であるので、最適なR1 の値はRG 、RS 、RM
実際値を測定したうえで決定することが不可欠である。
【0034】従って、本発明によって決定した測定用電
極の形状と配置を適用した測定プローブを用いて雰囲気
のガス相、溶融スラグ相、溶融金属相における電極端子
間の電気抵抗値R2 を測定把握し、得られたそれぞれの
電極端子間の電気抵抗値R2に対して、上記の(2)
式、(3)式に示した考えによって電圧検出回路の固定
抵抗値R1 を適正な一定の抵抗値に選択して設定するこ
とにより、上記それぞれの相における測定電圧値Vの値
が電圧測定範囲(0からV0 ボルト)で読み取り可能な
異なった3点の電圧値として検出される。
【0035】測定した抵抗値は表1に示すように、炉内
雰囲気ガス相の電気抵抗値R2 は1KΩ〜1MΩ、溶融
スラグの電気抵抗値R2 は5Ω〜50Ω、溶融金属の電
気抵抗値R2 は略10-2〜10-3Ωであった。
【0036】以上の電気抵抗値R2 において、R1 の値
が10KΩ以上では、炉内雰囲気ガス相によって測定電
極間が導通されることにより、溶融スラグ相直上での測
定電圧Vは電圧測定範囲(ここでは24V)に対する比
が0.1以下の2.4V未満で、この時に溶融スラグ相
の測定電圧Vは約0.5Vであり、炉内雰囲気ガス相と
溶融スラグ相との測定電圧の差が少なく、そのため溶融
スラグ相面の検出特性が悪い。逆に、R1 の値が1Ω以
下では、炉内雰囲気ガス相と溶融スラグ相での測定電圧
Vは供に電圧測定範囲に対する比が0.9以上の値とな
るので、炉内雰囲気ガス相と溶融スラグ相との電圧差は
2.4V未満の値となり、溶融スラグ相面の検出特性が
悪い。従って固定抵抗値R1 の範囲をこれらの不適格な
範囲を除いた5Ω〜5kΩの範囲とした。
【0037】更に、固定抵抗値R1 の値が5Ω〜50Ω
の範囲は(2)式、(3)式を同時を満足するR1 の値
が選定されるので、溶融スラグ相面と溶融スラグ層厚み
を測定する溶融スラグレベル測定が可能となる領域であ
る。
【0038】又、突出する部分の電極長さ(l)を2倍
にすれば電極間の抵抗値は約1/2倍になり、電極間隔
(d)を2倍にすれば電極間の抵抗値は約2倍となる。
従って電極長さ、電極間隔を設定する時に、これらの現
象も考慮する必要が有る。
【0039】
【実施例】
〔実施例1〕図1に示した本発明のスラグレベル測定の
検出回路を用い、精錬炉の精錬中にスラグレベル測定を
行う際に、炉内雰囲気を通過中にスプラッシュの付着に
よる導通弊害を受けない測定用プローブの電極の形状と
配置を決定するため試験を行った。
【0040】図2に本実施例で使用した測定用プローブ
18の先端部の電極端子2、2’の配置の模式図を示
す。この測定用プローブ18の先端部の主要寸法は、2
本の平行電極2、2’間の距離(d)は1〜10cm、
電極直径1〜5mm、電極長さ(l)2〜15mmであ
る。又、電極材料は溶融金属の融点より高融点で耐酸化
性の優れた金属の一例としてタングステン金属棒を用
い、その固定は高抵抗体の不定型耐火物12を用いて、
耐火物被覆表層13を有する円筒紙パイプ14の先端に
電極の下端が同一水平面となっている。高抵抗体の不定
型耐火物12は、常温で絶縁体、1200℃における比
電導度が1×10-5/Ω・cm以下のものを選択すれば
十分である。
【0041】試験は図7に示す装置で実施し、サブラン
ス26に測定用プローブ18を取り付けた。試験の実施
にあたり、図1に示した電圧検出回路1の定電圧電源7
の電圧V0 は24V一定とし、測定用プローブ18の電
極端子2、2’間に検出した測定電圧Vはチャートレコ
ーダ6に連続的に出力し記録した。
【0042】又、固定抵抗値R1 (回路抵抗値+固定抵
抗5の抵抗値)の値は1MΩ、10kΩ,100Ω、1
Ω、に設定し、測定用プローブ18の電極端子間のスプ
ラッシュ8付着による導通弊害の調査と併せて炉内雰囲
気のガス相9、溶融スラグ相10における電極端子間の
電気抵抗値R2 の測定を行った。尚、測定のタイミング
は転炉25の吹錬開始から10分後とし、スラグの溶融
状態が安定する時期に測定し、又、溶融スラグ量は全測
定にわたり約35kg/tonであった。
【0043】実験手法は、サブランス26の先端に装着
した測定用プローブ18を転炉炉口上部約10mの位置
から炉口を通って炉内へとサブランス昇降装置27にて
下降させ、想定される溶融スラグ相10面の上側約50
cmの位置まで測定用プローブ18先端を下降し、直ち
に炉口高さまで引上げ、再び溶融スラグ相10面上まで
下降することを繰り返し、最後にプローブ18先端部を
溶融スラグ相10を通り溶融金属相11面下まで浸漬さ
せた。サブランス26の下降速度は、30〜120m/
minの範囲の所定の速度であるが、サブランス昇降装
置27の上下移動位置距離計28により下降中のプロー
ブ18先端部の炉内位置を±10cmの精度で監視し、
炉内の溶融金属相11面高さと比較することにより、測
定時のプローブ18先端位置が雰囲気ガス相9にある
か、溶融スラグ相10にあるか判断した。
【0044】この実験手法によって、一回の測定で、炉
内雰囲気ガス相9中で測定用プローブ18を繰り返し上
下往復する間にスプラッシュ8による導通弊害の有無を
多回数調査し、最後にプローブ18先端部を溶融スラグ
相10を通り溶融金属相11まで浸漬させることによっ
て、溶融スラグ相面を確認し、同時に溶融スラグ相にお
ける電極端子間の電気抵抗値R2 を測定した。
【0045】測定プローブ18が転炉炉内雰囲気通過中
に受ける導通弊害の発生率を調査した結果を図3に示し
た。図3中の導通弊害の発生率を表す記号の定義は、◎
は繰り返し測定中に導通弊害の発生が一度も無かったこ
とを、○印は発生率が10%未満を、×印は20%以上
の発生率を示す。尚、導通弊害の判定は測定用プローブ
18先端を下降し直ちに炉口高さまで引上げた時、電極
端子間の測定電圧Vの値が、前回の炉口高さ位置におけ
る測定電圧Vと異なった値であれば導通弊害を受けたと
した。
【0046】ここで、◎を与える領域の電極長さl(m
m)と電極間隔d(cm)の間に下式(4)が有ること
が図3の解析から判った。
【0047】 (l−2.5)×(d−1.2)≧5 ………(4) この導通弊害の発生率から明らかなように、電極端子の
突出長さ(l)3mm以上、電極の設置間隔(d)を2
cm以上の条件で、電極の保護用キャップを設けなくて
もスプラッシュ8付着による導通弊害を防止出来ること
がまず明らかである。
【0048】実施例1において、電極突出長さ5mm、
電極設置間隔5cmの電極条件での炉内雰囲気ガス相9
の電気抵抗値R2 と溶融スラグ相10の電気抵抗値R2
の測定結果を図4、図5に示す。炉内雰囲気ガス相9の
電気抵抗値R2 は、図4に示したように1MΩから1K
Ωに順次変化しており、溶融スラグ相直上でのR2 の値
は1KΩ〜数KΩであることが判った。又、本発明で測
定された溶融スラグ相10における電気抵抗値R2 は略
5Ω〜略50Ωの値であった。尚、上記の実施例の電極
端子2、2’は、高抵抗体である耐火物の側面に取付け
ても良い。
【0049】〔実施例2〕本実施例で使用した測定用プ
ローブ18の概要図を図6に示す。測定用プローブ18
の先端の電極端子2、2’の主要寸法は実施例1の試験
で決定した形状と配置の中から、電極間距離(d)は5
cm、電極直径3mm、電極先端長さ(l)5mmのも
のを採用した。電極材料はタングステン金属棒を用い、
実施例1と同一の高抵抗体の不定型耐火物12によって
耐火物被覆表層13を有する円筒紙パイプ14の先端に
電極端子2、2’を固定した。
【0050】この測定用プローブ18はコネクタ17に
よりサブランス26の先端に着脱可能に製作している。
さらに、本実施例では、プローブ18先端部の電極端子
間に測温用熱電対15、プローブ18内に溶鋼中炭素量
測定センサー16を取り付けた。
【0051】図7は本実施例における溶融スラグレベル
測定装置19の一実施例と使用例を示す模式図である。
転炉25の内部に炉内雰囲気保護蓋30を貫通して精錬
中の炉体内部にサブランス26に装着された測定用プロ
ーブ18が下降される。測定用プローブ18先端の炉内
下降位置はサブランス昇降装置27のサブランスの上下
移動位置検出装置28により監視されている。炉内雰囲
気のガス相9、溶融スラグ相10、溶融金属相11にお
いて電極端子2、2’の間に発生する電圧降下はスラグ
レベル測定装置19の電圧計4で測定される。その測定
電圧はチャートレコーダ6で表示され、チャートレコー
ダ6に表示された測定電圧値Vの変化する時点を捉え、
電極端子が雰囲気ガス相9から溶融スラグ相10に、溶
融スラグ相10から溶融金属相11に侵入した時点を、
目視によって判定することも可能である。
【0052】測定電圧は、同時に、電圧変化検出部20
に送信され、測定電圧値の一定時間の変化値を設定値と
比較する、或いは測定電圧の微分値を設定値と比較して
連続してモニターすることにより、電極端子が雰囲気ガ
ス相9から溶融スラグ相10に、又溶融スラグ相10か
ら溶融金属相11に侵入した時点を検出する。そして電
圧変化検出部20から、直ちに検出信号を測定用プロー
ブ先端位置演算部21に送信する。
【0053】測定用プローブ先端位置演算部21では、
サブランスの上下移動位置検出装置28の検出信号を用
いて測定用プローブ18先端の転炉炉内の高さ位置を
(例えば地上からの設備高さFL+αmに換算して)モ
ニターしているので、電圧変化検出部20から測定用プ
ローブ18の電極端子が雰囲気ガス相9から溶融スラグ
相10に、又、溶融スラグ相10から溶融金属相11に
侵入した時点の前述の検出信号を受けて、その時の測定
用プローブ18先端の転炉25炉内の高さ位置を溶融ス
ラグ相10面、或いは溶融金属相11面の位置として測
定することが出来る。
【0054】そして溶融スラグ相10面、或いは溶融金
属相11面の測定位置は例えば地上からの設備高さ標示
(FL+αm)に換算されると共に、その高さの差から
溶融スラグ相10深さが演算され、これら測定値はスラ
グレベル測定値表示部22に電送し表示される。又、こ
れら測定値は転炉操業を掌承するプロセス計算機23に
も電送され、吹錬制御のフィードバックに用いる、或い
は溶融スラグレベル測定データとして記録され、プロセ
ス計算機の出力装置24から操業記録に出力される。
サブランス26の下降速度は、30〜120m/min
の範囲の所定の速度である。このようにすると、サブラ
ンス26の下降制御の精度で測定用プローブ18の位置
制御を行なうことができ、その精度は、±10cmであ
る。プローブ18先端部は、溶融スラグ相10を通り溶
融金属相11にまで侵入し、溶融金属相11面以下50
cmの位置まで下降し、約5秒間停止させた後、引き上
げる。
【0055】測定の実施にあたり、電圧検出回路1の定
電圧電源7の電圧V0 は24V一定とし、又、測定電圧
Vにおよぼす電圧検出回路1の固定抵抗値R1 (回路抵
抗値+固定抵抗5の抵抗値)の影響を見るため、固定抵
抗5の抵抗値を測定の都度に変えて、1MΩ〜1Ωの範
囲で試験した。
【0056】まず、炉内雰囲気の雰囲気ガス相9、溶融
スラグ相10、溶融金属相11を通過して連続測定しチ
ャートレコーダ6に記録した本実施例における電極端子
間の検出電圧の波形例を図8、図9、図10に示し、そ
の特徴について説明する。
【0057】各図の縦軸は測定電圧Vを示し電圧測定範
囲は0V〜24Vであり、横軸はサブランス26の下降
開始からの時間を取っている。尚、各図には、電圧検出
回路の固定抵抗値R1 の使用した値を示した。又、図中
に測定用プローブ18の先端部のおおよその位置を地上
からの高さを基準にして示している。そして、転炉25
の炉口および溶融金属相11面の地上からの高さは各ゞ
FL+18m及びFL+9.5mである。
【0058】図9は電圧検出回路の固定抵抗値R1 (回
路抵抗値+固定抵抗5の抵抗値)が10KΩ〜1MΩと
本発明の範囲外の大きい場合での比較として示す測定例
であるが、測定電圧Vは、測定用プローブ18の先端が
炉口に挿入されと減少を開始し、その後連続的に減少
し、2.2V〜0.5V付近まで低下する。このような
測定波形では、雰囲気ガス相9と溶融スラグ相10の区
別が困難である。
【0059】図8は電圧検出回路1の固定抵抗値R1
100Ω〜5kΩで、本発明の範囲内の時の測定例を示
すが、FL+18mからプローブ18を下降させると、
測定電圧Vは24Vから連続的に減少するが、その後F
L+11〜+14m付近で0V乃至4.1Vに急激な電
圧降下を示す。この急激な電圧降下を示す位置が、電気
的に不連続な位置を通過したことを意味しており、転炉
炉内の構成から、溶融スラグ相10面を通過しているこ
とを示している。
【0060】更に、固定抵抗値R1 を20Ωまで下げた
場合、図10に一例を示したように測定波形は2段に分
かれる。これは、本測定で使用した測定用プローブ18
の先端部の電極2、2’間の溶融スラグ抵抗値が20Ω
前後であるため、電極が溶融スラグ相10内にあるとき
は測定電圧は12Vを出力し、又、溶融金属相11に接
触したときには、溶融金属相11の抵抗値はほぼ無視で
きるため0Vに近い電圧値を出力するためである。従っ
て、図10の固定抵抗値R1 の値20Ωで測定した場合
のA点がスラグレベル位置、B点が溶融金属レベル位置
となり、スラグレベルとともに、スラグ厚みも測定可能
であることが判る。
【0061】そこで、電圧検出回路1の固定抵抗値R1
の値20Ω近傍で、雰囲気ガス相9、溶融金属相11の
電圧測定値に対し同様に明瞭に変化がわかる溶融スラグ
相10の電圧測定値をあたえる固定抵抗値R1 の範囲を
調べた。その調査結果を上記の各測定結果と共に表1に
まとめて示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1に記載した電圧測定値Vの値を引用し
て説明すると、電圧検出回路1の固定抵抗値R1 の値が
5Ωから50Ωまでは、溶融スラグ相10における測定
電圧Vは溶融スラグ相10の抵抗値R2 が30Ω〜10
Ωに対し略20V〜4Vを示すので、雰囲気ガス相9、
溶融スラグ相10、溶融金属相11の間のそれぞれの界
面での測定電圧変化が判りやすいことがわかった。
【0064】即ち、固定抵抗値R1 の値を50Ωとした
場合は、溶融スラグ相10における測定電圧Vは約9V
〜4Vであるので、溶融スラグ相10直上の雰囲気ガス
相9の測定電圧が約23Vに対して、14V以上の電圧
差があり、一方溶融金属相11の測定電圧Vが略0.1
Vなので、溶融金属相11とは最低4Vの電圧差があ
る。固定抵抗値R1 を5Ωとした場合も同様に溶融スラ
グ相10における測定電圧は約21V〜16Vで、雰囲
気ガス相9、溶融金属相11と各ゞ4V、16V以上の
電圧差がある。従って、固定抵抗値R1 の値を5Ω〜5
0Ω範囲の一定抵抗値を用いて測定するならば、溶融ス
ラグ相10面とともに溶融スラグ厚みも測定可能である
ことを発見した。
【0065】又、固定抵抗値R1 の値を5Ω〜50Ω範
囲の一定抵抗値を用いて測定する時の測定プローブ18
の電極形状、電極間隔の許容範囲を調査した。
【0066】電極先端長さ(l)を5mmから10mm
にした場合には、溶融スラグ相10における電極間の電
気抵抗値がこれまでの1/2の10Ωとなるが、この時
の溶融スラグ相10における測定電圧Vが略16V〜4
Vを得られるので、同様にスラグレベルとともに、スラ
グ厚み検出に必要な電圧の変化を読み取ることができる
ことが判った。そして、プローブ18の電極の設置間隔
(d)を80mmにした場合は、溶融スラグ抵抗値がこ
れまでの1.6倍の32Ωとなるが、溶融スラグ相10
における測定電圧Vは約21V〜9Vをえられるので、
雰囲気ガス相9、溶融スラグ相10、溶融金属相11の
間のそれぞれの界面での測定電圧変化を判定に用い得る
ことが判った。
【0067】即ち、これらの結果から固定抵抗値R1
値をR1 を5Ω〜50Ωの範囲の一定の抵抗値に定める
と、測定プローブの電極形状、電極間隔の許容範囲は電
極先端長さで5〜10mm、電極間隔50mm〜80m
mであることを見出した。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、精錬炉
内の雰囲気ガス相、溶融スラグ相、溶融金属相における
電圧降下値の変化を検出することによる溶融スラグレベ
ル測定において、電極を囲む杯状キャップが取り付けら
れていない測定用プローブを用いても精錬容器内の雰囲
気相による測定用電極間の導通弊害による溶融スラグ相
面の検出特性の劣化を防止できるので、測定用プローブ
を毎分数十から百メートルを越える速度で下降させなが
ら、測定精度が±10cmの精度で測定できる。更に、
溶融スラグ相と溶融金属相の界面をも高速度、高精度で
検出することが出来るので、溶融スラグ相厚みも迅速に
且つ正確に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の概要図である。
【図2】本発明で使用した測定プローブ先端部の電極端
子の配置の概略図である。
【図3】本発明のスラグレベル測定プローブのスプラッ
シ付着による導通弊害の防止効果を示す図である。
【図4】本発明で測定した精錬炉内雰囲気ガス相におけ
る測定電極間の電気抵抗の測定結果である。
【図5】本発明で測定した精錬炉内の溶融スラグ相にお
ける測定電極間の電気抵抗の測定結果の図である。
【図6】本発明における測定プローブの一実施例を示す
図である。
【図7】本発明におけるスラグレベル測定装置の一実施
例を示す模式図である。
【図8】本発明による精錬炉内雰囲気のガス相、溶融ス
ラグ相、溶融金属相における電極端子間の電圧測定例の
図である。
【図9】比較例として示す精錬炉内雰囲気のガス相、溶
融スラグ相、溶融金属相における電極端子間の電圧測定
例の図である。
【図10】本発明による精錬炉内雰囲気のガス相、溶融
スラグ相、溶融金属相における電極端子間の電圧測定例
の図である。
【図11】従来のスラグレベルを測定するサブランスプ
ローブの概要図である。
【図12】図11の線II−IIに沿う断面図である。
【図13】図11の装置の使用例を示す概要図である。
【図14】従来のスラグレベルを測定する装置の概要図
である。
【図15】図14の装置の使用例を示す概要図である。
【図16】従来のスラグレベルを測定する検出回路と測
定模式図である。
【図17】図16の装置による検出電圧の波形を示す模
式図である。
【符号の説明】
1 電圧検出回路 2,2’電極端子 3,3’,3’’ 導線 4 電圧計 5 固定抵抗 6 チャートレコーダ 7 定電圧電源 8 スプラッシュ 9 雰囲気ガス相 10 溶融スラグ相 11 溶融金属相 12 不定型耐火物 13 耐火物被覆層 14 円筒紙パイプ 15 測温用熱電対 16 溶鋼中炭素量測定センサー 17 コネクタ 18 測定用プローブ 19 スラグレベル測定装置 20 電圧変化検出部 21 測定用プローブ先端位置演算部 22 スラグレベル測定値表示部 23 プロセス計算機 24 プロセス計算機の出力装置 25 転炉 26 サブランス 27 サブランス昇降装置 28 サブランスの上下移動位置検出装置 29 精錬ランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山瀬 治 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 松原 真二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 中村 英夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の電極は一方の導線により固定抵抗
    を介して定電圧電源の一端に接続され他方の電極は他方
    の導線により前記定電圧電源の他端に接続され前記電極
    間に並列に設けた電圧測定手段を備えた電圧検出回路を
    有し、前記電極の少なくとも一対を測定用プローブの先
    端に等しい長さ突出させ高抵抗体にて固定して配置し、
    溶融スラグ相と溶融金属相が存在する精錬容器の上方か
    ら該容器内部に前記プローブを降下させ、前記定電圧電
    源から一定電圧を印加しつつ、前記プローブ先端の電極
    と溶融スラグ相又は溶融金属相との接触により前記電極
    間が導通された場合の前記電極間の電圧変化値を前記電
    圧測定手段にて測定し、その測定電圧の変化を検出して
    溶融スラグ相面との接触又は溶融金属相面との接触を判
    定し、この時の前記プローブの高さ位置を読み取り、溶
    融スラグ相面の精錬容器内の高さ位置、および溶融スラ
    グ相の厚みを測定する溶融スラグレベル測定方法におい
    て、 前記電極間の溶融スラグ相における電気抵抗値が5Ω〜
    5kΩを与える電極の形状と配置を用い、前記電圧検出
    回路の前記固定抵抗の値を5Ω〜5kΩの範囲の一定の
    抵抗値に定めたことを特徴とする精錬容器内部の溶融ス
    ラグレベル測定方法。
  2. 【請求項2】 前記電圧検出回路の前記固定抵抗の値を
    5Ω〜50Ωの範囲の一定の抵抗値に定めた請求項1に
    記載の精錬容器内部の溶融スラグレベル測定方法。
  3. 【請求項3】 前記測定プローブの先端の前記電極の形
    状と配置を、電極長さが3mm以上、電極間隔を20m
    m以上、電極断面積1mm2 以上の範囲とした請求項1
    又は2に記載の精錬容器内部の溶融スラグレベル測定方
    法。
  4. 【請求項4】 一方の電極は一方の導線により固定抵抗
    を介して定電圧電源の一端に接続され、他方の電極は他
    方の導線により前記定電圧電源の他端に接続され、前記
    電極間に並列に設けた電圧測定手段を備えた電圧検出回
    路と、 前記電極の少なくとも一対を等しい長さで突出させ、高
    抵抗体にて先端に固定した測定用プローブと、 該測定用プローブを先端に装着した測定棒と、 精錬容器の上方から該容器内部に前記測定棒を昇降させ
    る手段と、 前記測定棒の上下移動位置検出手段と、 該上下移動位置検出手段の距離信号を受けて前記電極の
    精錬容器内部における位置を監視する演算部と、 前記電圧測定手段で測定した信号を用いて電圧値の変化
    を検出し電圧変化検出信号を発する電圧変化検出手段と
    からなり、 前記電圧変化検出信号を受けた時の前記演算部の監視し
    ている前記電極の位置から溶融スラグ相面の精錬容器内
    の高さ位置、或いは溶融スラグ相の厚みを測定する溶融
    スラグレベル測定装置であって、 前記測定プローブの先端の前記電極の形状と配置を電極
    長さが3mm以上、電極間隔を20mm以上、電極断面
    積1mm2 以上の範囲とし、更に、前記固定抵抗の値を
    5Ω〜5kΩの範囲の一定の抵抗値に定めたことを特徴
    とする精錬容器内部の溶融スラグレベル測定装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI415946B (zh) * 2010-08-24 2013-11-21 China Steel Corp 高爐排渣流量估測系統與估測方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI415946B (zh) * 2010-08-24 2013-11-21 China Steel Corp 高爐排渣流量估測系統與估測方法

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