JPH0843326A - ショットピーニングの評価方法 - Google Patents

ショットピーニングの評価方法

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JPH0843326A
JPH0843326A JP6180038A JP18003894A JPH0843326A JP H0843326 A JPH0843326 A JP H0843326A JP 6180038 A JP6180038 A JP 6180038A JP 18003894 A JP18003894 A JP 18003894A JP H0843326 A JPH0843326 A JP H0843326A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stress
shot
ray
residual stress
diffraction angle
Prior art date
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Pending
Application number
JP6180038A
Other languages
English (en)
Inventor
Taisei Ueno
大成 上野
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP6180038A priority Critical patent/JPH0843326A/ja
Publication of JPH0843326A publication Critical patent/JPH0843326A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エックス線応力測定法による残留応力だけで
は不十分であったショットピ−ニングされた部材、特に
鋳造品の鋳肌の疲労強度の評価、管理を、さらに確実に
実施する方法を得る。 【構成】 ショットピ−ニングによって強化した鋳造品
の鋳肌表面などの金属表面の疲労強度を、回折エックス
線の回折角の広がりにより評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯車、スプリング、内
燃機関のコンロッド等の機械構造部材の疲労強度を向上
させるために施されるショットピ−ニングにおいて、シ
ョットピ−ニングによって強化された部材の疲労強度を
推定し管理するための評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】歯車、スプリング、コンロッド等の金属
部材は、ショットピ−ニングを施すことにより疲労強度
を向上できることが良く知られている。このときショッ
トピ−ニングの効果の管理は、従来は表層部の硬さ分布
や表層部の残留応力測定によってきた。また、間接的に
はアルメンストリップによるア−クハイトやカバレッジ
の測定により装置の維持管理を行ってきた。
【0003】これらの各手法のうち、実部材の疲労強度
を管理する場合、実部材表層部の残留応力を測定する方
法が最適であると考えられてきた。これは、部材表面の
疲労強度を考えるとき、残留応力そのものがある重みを
持った平均応力として作用すると考えられるためであ
る。
【0004】残留応力を測定する方法は種々のものがあ
るが、非破壊的に残留応力を測定するには、回折エック
ス線の回折角のずれによって測定する方法(以下、エッ
クス線応力測定法とする)等が有効に利用できる(例え
ば、改著「X線応力測定法」、日本材料学会編、養賢
堂、p156〜210)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、エックス線
応力測定法による残留応力では、実部材の強度を正確に
評価するには十分でない場合があった。例えば、ショッ
トピ−ニング条件を故意に変えて表層部の残留応力を変
化させた場合、圧縮残留応力が増加しても必ずしも疲労
強度は向上しないことがある。また、残留応力の値その
ものは、繰り返し応力が加わったときの平均応力の効果
とは一致しないこと(例えば、上記文献)は、残留応力
以外にも影響因子があることを示していると言える。
【0006】残留応力以外の因子の1つとして、加工硬
化による硬度上昇が考えられるが、ショットピ−ニング
表面を測定するには測定誤差が大きく実用には不適であ
る。また、回折エックス線には残留応力測定に利用され
る回折角のずれ以外にも多くの情報が含まれていること
は周知であるが、ショットピ−ニングの効果との関係は
明確にされていない。
【0007】他方、鋳造品の鋳肌表層部には種々の鋳造
欠陥が発生しやすく、また異常組織や脱炭層なども生じ
やすい。このため鋳肌のまま使用される部材の疲労強度
はばらつきやすく、鋳造品は不利な素材であるといえ
る。ショットピ−ニングはこれらの不具合を緩和し、疲
労強度を向上させる効果を持っているが、ショットピ−
ニングが確実に施され疲労強度が十分向上しているかど
うかを管理することが特に重要である。しかし、上述の
ように従来の残留応力測定のみでは十分な評価はできな
かった。
【0008】本発明は、エックス線応力測定法による残
留応力だけでは不十分であったショットピ−ニングされ
た部材、特に鋳造品の鋳肌の疲労強度の評価、管理を、
さらに確実に実施する方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段としての本発明は、表層部の回折エックス線の回
折角の広がりにより、ショットピ−ニングの効果を評価
すること特徴とする。
【0010】
【作用】エックス線応力測定法によって測定される残留
応力は、部材の巨視的応力を表すものである。これに対
し、回折エックス線の回折角の広がりは、局所領域で釣
り合っている付均一ひずみによる微視的応力をも含めて
表すものである。ショットピ−ニングされた金属の表面
には、硬いショット粒を打ち付けられるために、上記の
巨視的応力と微視的応力の両者が残留するものと考えら
れる。このことから、従来の残留応力測定に加えて回折
エックス線の回折角の広がりを測定することにより、部
材表面におけるショットピ−ニングの効果をさらに確実
に評価できることになる。
【0011】鋳造品の鋳肌では鋳造欠陥等に起因して局
部的な応力集中が起こりやすく、ショットピ−ニングが
不十分であった場合の疲労強度の悪化が顕著であるた
め、本発明は特に有効である。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を詳細に説明する。疲
労強度と回折エックス線の回折角の広がりの関係を調べ
るために、図3に示す単純形状の疲労試験片1を砂型鋳
造により製作した。評価部の仕上げは鋳肌のものと加工
肌のものを用意した。鋳肌のものは、ショットピ−ニン
グしたものに加え、従来のショットブラスト(いわゆる
砂落としの清浄工程)のみ行なったものも製作した。シ
ョットピ−ニングによるアルメンストリップのア−クハ
イトは0.75mmであった。試験片1の材質はFCD
700を焼ならししたものである。これらの試験片1に
ついて、両振り疲労試験を実施してステアケ−ス法によ
り疲労限度を定量化した結果を表1に示す。
【0013】
【表1】 疲労限度の平均値 試験品 (N/mm 2 加工肌 270 鋳肌ショットブラスト 260 鋳肌ショットピ−ニング 286
【0014】この結果から、鋳肌ショットブラストでは
鋳肌特有の悪影響のために加工肌よりも疲労限度が低く
なっているが、鋳肌ショットピ−ニングでは鋳肌表面が
強化されるために、加工肌を越える疲労限度となること
が分かる。これらの試験片1の評価部表面の残留応力
を、エックス線応力測定法によって測定した結果を図2
に示す。加工肌では表面直下からほとんど残留応力はな
いが、鋳肌ではショットブラストとショットピ−ニング
のいずれも表面下1.0mm程度まで圧縮の残留応力を
生じており、疲労強度の向上に寄与していると考えられ
る。しかし、ショットブラストとショットピ−ニングの
間に有意な残留応力の違いは見られず、表1の結果を十
分説明できない。
【0015】そこで、これらの試験片1の回折エックス
線の回折角の広がりを測定した結果を図1に示す。ここ
では回折角の広がりは半価幅で整理した。この結果、鋳
肌ショットブラストでは加工肌よりも回折角は広がって
おり、鋳肌ショットピ−ニングではさらに広がっている
ことが確認された。これは、ショットピ−ニングの効果
による鋳肌疲労強度の強化と対応している。以上の実験
から、回折エックス線の回折角の広がりは残留応力のみ
では説明できない疲労強度の向上を十分評価できること
が示された。
【0016】
【発明の効果】以上詳細に説明の通り、本発明により次
の効果が得られる。 (1)エックス線応力測定法による残留応力だけでは不
十分であった、ショットピ−ニングした金属部材の疲労
強度の評価が確実に行なえるようになる。 (2)特に鋳肌面におけるショットピ−ニングの効果の
評価に有効に利用できる。 (3)非破壊で部材の評価が行なえる。 (4)本発明による手法はエックス線応力測定法と同時
に行なえるので、効率良く実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明例による回折エックス線の回折角の広が
りの測定結果を示す図である。
【図2】従来例による残留応力の測定結果を示す図であ
る。
【図3】実施例に使用した試験片を示す図である。
【符号の説明】
1:試験片

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ショットピ−ニングによって強化された
    金属表面の疲労強度を、回折エックス線の回折角の広が
    りにより評価することを特徴とするショットピ−ニング
    の評価方法。
  2. 【請求項2】 上記金属表面を鋳造品の鋳肌表面とする
    ことを特徴とする請求項1に記載のショットピ−ニング
    の評価方法
JP6180038A 1994-08-01 1994-08-01 ショットピーニングの評価方法 Pending JPH0843326A (ja)

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JP6180038A JPH0843326A (ja) 1994-08-01 1994-08-01 ショットピーニングの評価方法

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