JPH0834451A - チューブ容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】内容物を最後まで完全に絞り出すことができる
チューブ容器を提供すること。 【構成】チューブ容器の胴部、肩部および開口筒部を含
む全体を柔軟構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はチューブ容器に関し、特
に全体を柔軟構造としたチューブ容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】各種ジェル状化粧品やペースト状歯磨
き、マヨネーズ等の高粘度流体の包装に軟質プラスチッ
ク製または軟質金属製、あるいはこれらのラミネートか
らなるチューブ容器が多用されており、その形状・構造
は多種多様である。しかし、その開口筒部には例外なく
胴部に較べて硬い構造が採用されている。

【０００３】すなわち、チューブ容器本体は軟質材料で
作られていても、開口筒部は肉厚を厚くしたり、硬質の
別部材を用いたりして構造的強度を与えている。それ
は、この部分に内容物を緊密に封止するためのネジ式あ
るいはスナップ式のキャップを取付けるためである。

【０００４】従って、他の部分が柔らかくても開口筒部
が硬いので、チューブ容器を完全に平らになるまで押し
潰して内容物を絞り出すことができず、幾分かの内容物
が利用できないまま残るという問題点があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、チューブ容
器に関する上記の問題点を解決するためになされたもの
であり、内容物を最後まで完全に絞り出すことができる
チューブ容器を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、チ
ューブ容器の胴部、肩部および開口筒部を含む全体を柔
軟構造とすることより達成される。

【０００７】上記のチューブ容器の開口筒部は、従来品
と同様な円筒形の他に、その断面が楕円、菱形、長方
形、六角形等の多角形または一文字形であっても良い。
さらに、上記開口筒部は切除または引きちぎり可能な封
止手段により封止された構造とすることが好ましい。

【０００８】上記の切除または引きちぎり可能な封止手
段としては、開口筒部が細いノズル状であったり、その
断面形状が平らな一文字形をなす場合には、その開口筒
部の先端を閉じておき、使用に際して先端部の下を鋏等
で切断すればよい。

【０００９】また開口筒部が十分広い断面積を有する場
合は、例えば周知のプルタブ構造を利用することができ
る。これは、開口筒部の或る断面を膜で覆って塞ぎ、そ
の膜の周辺部分の肉厚を薄くし、かつ膜の一部に引き手
（プルタブ）を設けた構造である。この引き手を引っ張
ることにより膜の周辺の薄肉部分が裂けて、上記断面を
塞いでいた膜が除去される。

【００１０】上記のチューブ容器は、軟質プラスチック
または軟質金属、これらのラミネート材、あるいは炭酸
カルシウムを配合したプラスチックのような可燃素材な
ど、従来のチューブ容器と同様の材料で作ることができ
る。

【００１１】上記のチューブ容器には、封止手段を除去
した状態の開口筒部から空気や埃が侵入しないように、
開口筒部に蓋をするキャップを付属させることが望まし
い。さらに、このキャップを硬質または半硬質材料によ
り有底筒状に形成し、この筒内にチューブ容器の開口筒
部から肩部、胴部の一部までを収容してすっぽりと覆う
ようにすれば、前記封止手段を除去した後のチューブ容
器を、不時の外圧から保護することができる。

【００１２】

【作用】以上のように構成される本発明のチューブ容器
では、胴部、肩部および開口筒部を含む全体を柔軟構造
としたので、これを手で容易に押し潰すことができ、内
容物を完全に絞り出すことができる。この場合、特に開
口筒部が胴部と同様に柔軟であることが重要である。

【００１３】なお、上記のチューブ容器では、開口筒部
の断面形状と相似の断面形状を有するキャップの使用を
予定している。ただしこのキャップは、開口筒部との間
に螺条等、緊密封止のための係止手段を有しない。空気
や埃等の侵入を防止するため単に被せるだけのキャップ
でよい。

【００１４】このようなキャップを採用する理由は以下
の通りである。すなわち、チューブ容器の内容物はペー
スト状歯磨きやマヨネーズのような高粘度流体であるか
ら、例えば開口部を開放したままチューブ容器を倒立姿
勢に保つ場合にも、内容物が開口部から自然に流出する
ことはない。従って低粘度の液体の場合と異なり、キャ
ップと開口筒部との間に螺条等の緊密封止手段を設ける
必要がない。それ故単に被せるだけのキャップで十分で
ある。

【００１５】またこのようにキャップと開口筒部との間
に緊密封止手段を設ける必要がないから、開口筒部を硬
質ないし半硬質構造にする必要がない。この事実から、
開口筒部が胴部と同様に柔軟な本発明のチューブ容器の
着想が生まれた。

【００１６】しかし、内容物を充填したチューブ容器を
物流過程に置く場合等、上記のように緊密封止手段を有
しないキャップのみでは、外部から圧力が加わると、内
容物が開口部から押し出されてしまうおそれがある。

【００１７】そこで、チューブ容器の開口筒部に、上記
の様な切除または引きちぎり可能な封止手段を設けて、
物流段階では内容物を確実に封止することとした。消費
段階ではその封止手段を切除しまたは引きちぎって除去
すれば、必要な開口が確保されて、内容物を自由に押し
出して使用することができる。しかも、上記の様な構造
の封止手段は、その除去後は、開口筒部の柔軟性を損ね
ることが殆どない。

【００１８】チューブ容器の開口筒部の断面形状は、楕
円形や菱形のように偏平にすることにより押し潰し易く
なる。また、長方形や多角形の場合は、押し潰した際の
隅角を小さくできるメリットがある。しかし、断面形状
が真円であっても、胴部と同様に柔軟でありさえすれ
ば、同様に押し潰すことができる。

【００１９】さらに、開口筒部の断面形状を、最初から
押し潰された形である一文字形にしておくことも可能で
ある。一文字形の開口筒部は、チューブ容器材料の弾性
によって普段は自然に閉じているが、内容物を押し出す
ときは開く。このように開口筒部の断面形状を自由に選
択できるのは、上述のようにキャップと開口筒部との間
に緊密封止手段を設ける必要がないからである。

【００２０】

【実施例】以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施例
について説明する。図１は、本実施例に係る２例のチュ
ーブ容器１ａおよび１ｂの構造を示す平断面図である
（以下、双方を指す場合は添字ａ、ｂを省略する）。

【００２１】チューブ容器１は、尾部２、胴部３、肩部
４および開口筒部５ａまたは５ｂ（以下、双方を指す場
合は添字ａ、ｂを省略する）からなる。尾部２は胴部３
の開放端であり、ここから内容物を充填した後にヒート
シールにより封止される。肩部４から容器１の中心軸上
を開口筒部５が延びる。本実施例では、各部の肉厚はヒ
ートシールされる尾部２以外はすべて同じ厚さである。
各部の材質は軟質ポリエチレンで、一体に成型されてい
る。

【００２２】チューブ容器１ａの場合、開口筒部５ａは
断面形状が楕円形の筒状をなす。その開口端には、これ
を封止する封止膜６と、これを引きちぎるための引き手
７が設けられている。すなわち、開口筒部５ａはプルタ
ブ型の封止手段を備える。

【００２３】また、チューブ容器１ｂの場合、開口筒部
５ｂは断面が横一文字形をなし、その断面積が小さいた
めプルタブ型の封止手段を設けることができないので、
切除型の封止手段を設けてある。すなわち、開口筒部５
ｂの先端部を閉じて平らな舌状に形成し、使用に際し
て、この先端部の下の適当な箇所を鋏で切断して開口を
作る。

【００２４】図２は、チューブ容器１から封止手段を除
去した状態における開口筒部５の断面形状例を示す図で
ある。図２ａには肩部４の形状と共に、開口筒部５ａの
断面形状が楕円である場合が示されている。図２ｂには
肩部４の形状と共に、開口筒部５ｂの断面形状が一文字
形である場合が示されている。図２ｃから図２ｆまで
は、開口筒部５ａの断面形状がそれぞれ菱形、円、六角
形および長方形である場合を示す。また図示していない
が、開口筒部５ａの断面形状は八角形等の多角形であっ
てもよい。

【００２５】なお、このチューブ容器１には、開口筒部
５に被せるキャップ８が付属する。開口筒部５とキャッ
プ８との間には螺条等の緊密封止手段は設けられていな
い。従って、キャップ８は内圧封止能力を有しない。し
かし、開口筒部５を塞いでいた封止手段を除去した後
は、チューブ容器１は外部からの不時の圧力に対して無
防備になるから、そのような外圧により内容物が押し出
されることがないように保護することが望ましい。

【００２６】図３に示すキャップ８は、硬質または半硬
質材料で構成され、開口部５に蓋をするだけでなく、肩
部４および胴部３の一部まですっぽりと覆うので、チュ
ーブ容器１を不時の外圧から有効に保護することができ
る。図３に示すキャップ８はさらにその頂部に鍔状の広
がりを備えるから、これにより、チューブ容器１を倒立
させて安定に立てて置くことができる。

【００２７】以上のように構成されたチューブ容器１の
作用は、次の通りである。すなわち、チューブ容器１は
開口筒部５の開口端に設けた封止手段により密封されて
いるので、輸送途上等においてチューブ容器１の外部か
ら不時の圧力が加えられても、内容物が開口筒部５から
押し出されることはない。使用時には封止手段を除去す
ることにより、開口筒部５の内径一杯の開口面積が確保
され、内容物を自由に押し出して使用することができ
る。

【００２８】内容物を使い終わった際は、チューブ容器
１は全体が柔軟構造で構成されているから、チューブ容
器１全体を手で平に押し潰すことができ、こうすること
により、内容物を完全に絞り出して、チューブ容器１内
の残存量を実質的にゼロにすることができる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明した本発明に係るチューブ容器
によれば、内容物を最後まで完全に絞り出すことができ
る。また、開口筒部に切除または引きちぎり可能な封止
手段を設けたことにより、物流段階における不時の外部
圧力によって内容物が押し出される事故を未然に防止す
ることができる。本発明に係る保護キャップを用いるこ
とにより、封止手段除去後のチューブ容器を不時の外部
圧力から保護することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るチューブ容器２例の構造
を示す平断面図である。

【図２】図１のチューブ容器から封止手段を除去した状
態における開口筒部の各種断面形状を示す図である。

【図３】図１のチューブ容器に付属する保護キャップを
示す部分断面を含む正面図である。

【符号の説明】

１ａ、１ｂ チューブ容器 ２ 尾部 ３ 胴部 ４ 肩部 ５ａ、５ｂ 開口筒部 ６ 封止膜 ７ 引き手 ８ キャップ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴部、肩部および開口筒部を含む全体を
   柔軟構造とし、かつ前記開口筒部を、切除または引きち
   ぎり可能な封止手段により封止したことを特徴とするチ
   ューブ容器。
2. 【請求項２】 請求項１記載の容器において、前記開口
   筒部の中心軸に直交する断面の形状が円、楕円、菱形、
   長方形、多角形または一文字形であるチューブ容器。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載の容器から前記封
   止手段を除去した状態において、前記チューブ容器の開
   口筒部から肩部および胴部の一部までを収容する、硬質
   または半硬質構造の有底筒からなる保護キャップ。