JPH08340338A - データ送信装置とデータ送信制御装置 - Google Patents

データ送信装置とデータ送信制御装置

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JPH08340338A
JPH08340338A JP14720995A JP14720995A JPH08340338A JP H08340338 A JPH08340338 A JP H08340338A JP 14720995 A JP14720995 A JP 14720995A JP 14720995 A JP14720995 A JP 14720995A JP H08340338 A JPH08340338 A JP H08340338A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 通信媒体の伝搬遅延を識別子を用いて表すこ
とで、帯域の取得に関わる手続きを簡略化する。 【構成】 第2の送信装置614の帯域取得手段609
は、第1の送信装置606の送信を停止させた後、第1
の送信装置606から読み出した伝搬遅延識別子105
と最大送信データ量605を用いることによって、第1
の送信装置606が使用していた帯域を求め、この帯域
を使用して送信を開始する。 【効果】 送信装置を切り替える際に帯域の返却と再取
得を伴わないため、必要な手続きが簡略化される。さら
に伝搬遅延識別子を用いることで帯域の有効利用が可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル映像音声機
器間で映像や音声信号を伝送する伝送装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ディジタル映像データ及び音声データの
伝送を行う手段として、P1394インタフェースを使
用することが出来る。P1394はIEEEで検討され
ている次世代のマルチメディア用の高速シリアル・イン
タフェースである(参考文献、ハイ・パフォーマンス・
シリアル・バス P1394 ドラフト7.1v1:Hi
gh Performance Serial Bus P1394/Draft 7.1v1)。P
1394は映像データや音声データの伝送に必要なリア
ルタイム性の保障が可能なシリアル・バス型の通信媒体
である。
【0003】P1394に接続される機器(以下ノード
と称する)は分岐を持つ木構造で接続され、複数の端子
を持つノードは一つの端子から受け取った信号を他の端
子へ出力することで信号を中継する。したがって任意の
ノードが出力したデータが接続された全てのノードに到
達することが保障されている。このため、P1394は
構成的には木構造ではあるものの理論上はバスとして動
作する。しかしP1394では、複数のノードを中継す
ることによってバスを実現しているため、伝送路の長さ
によって決まる伝搬遅延に加えて、中継するノードの数
に依存した伝搬遅延が生じる。またP1394では、唯
一のノードがバスの調停を行うことにより、同時に複数
のノードが送信を行わないことが保障されている。
【0004】以上のようにバスとして構成された各ノー
ドには、ノードを識別するための識別子(以下ノードI
Dと称する)が付加される。このノードIDの付加は、
バスに新たなノードが付加されたり、逆にノードが切り
離された際に発生するバスの初期化(以下バスリセット
と称する)によって自動的に行われる。バスリセットが
発生した場合、バスに接続されたノードは、あらかじめ
決められた順序に従って、ノードの接続状況を示すパケ
ット(以下セルフIDパケットと称する)をバスに送出
する。ノードIDはこのセルフIDパケット送出の順番
によって決まるもので、セルフIDパケットには送出の
際に決定されたノードIDと、各端子に他のノードが接
続されているか否かを示す情報が含まれる。バス上のノ
ードは各ノードが送出するセルフIDパケットをすべて
受信して解析することにより、バスを構成する木構造を
知ることが可能である。
【0005】さらにP1394は、125μsec毎の
周期(以下サイクルと称する)を基本にして動作するも
のであり、各サイクルの前半で行う同期転送と、同期転
送を行った後に残された時間で行う非同期転送の2種類
の転送を行うことができる。映像データや音声データな
どのようなリアルタイム性の必要なデータの転送は、こ
の同期転送を用いて転送し、一方リアルタイム性の必要
がない制御情報などは非同期転送を用いて転送する。
【0006】同期転送を行う場合には、送信に先立って
1サイクル中で使用する時間(帯域)を帯域の管理を行
っているノードから取得する必要がある。P1394で
はバス上に同期転送で使用する帯域の管理を行うノード
が一つ存在し、使用する帯域はこの帯域管理ノードから
取得してから送信を行う。同期転送を行うノードは取得
した帯域の範囲内でデータの送信を行うことができ、同
期転送で送信されるデータはP1394で定められたパ
ケットとして送出される。同期転送では、サイクル毎に
あらかじめ決められたデータ量の転送を保証することで
リアルタイム・データの転送が可能となる。ここで送信
に先立って取得すべき帯域は、実際のデータの転送に必
要な帯域とデータ転送の際に生じる伝搬遅延や、誤り検
出の目的で付加されるデータの転送に必要な帯域などの
オーバヘッドを合わせたものである。
【0007】また、P1394では複数の伝送レートを
混在して使用することができ、これらを識別するために
パケットの送信前に送信レートを示す信号を出力する。
【0008】さらにP1394は、バスに接続されたす
べてのノードが仮想的なアドレス空間を持っており、各
ノード間で行う非同期データの転送は、このアドレス空
間の読み出し操作や書き込み操作として行われる。また
このアドレス空間の一部には、それぞれのノードの動作
を制御する目的で使用するレジスタが含まれている。バ
スに接続されたノードは、他のノードの制御用レジスタ
を読み出すことによってそのノードの状態を知ることが
でき、逆に制御用レジスタへの書き込みによってノード
の制御を行うことができる。
【0009】このような制御用レジスタを用いて、同期
データの送受信の制御を行うことが考えられる。このよ
うな場合、同期通信制御用のレジスタを読み出すこと
で、送信または受信の状態を知ることができる、一方こ
のレジスタに必要な値を書き込むことで、同期データの
送信または受信を開始させたり、逆に停止させるなどの
制御を行うことが可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】P1394等のよう
に、通信媒体が持つ帯域の一部を送信に先立って取得し
てから送信を行う場合、すでに行われている通信を停止
させて、その停止させた通信で使用されていた帯域を使
用して、他の機器の送出を開始することが有り得る。
【0011】その例は、第1の機器が通信媒体にデータ
の送出を行っている間に、第2の機器がデータの送出を
開始しようとした場合である。ここで、通信媒体に第2
の機器がデータを送出できるだけの帯域が残されていた
場合には、第2の機器は帯域を取得してから送出を開始
することができる。しかし必要な帯域が残されていない
場合には、送信を開始することはできない。そこで第1
の機器の送出を停止させることで、第2の機器が送出に
必要な帯域を確保してから送信を開始することができ
る。
【0012】このような場合には、一度、使用していた
帯域を帯域の管理ノードの返却し、再び取得をしてから
送信を開始する必要がある。また帯域の取得は、帯域の
返却の後に行われなくてはならないため、帯域の取得を
行う機器は帯域の返却が完了しているかどうかの確認
や、返却動作の監視をする必要がある。さらには、帯域
の返却が行われてから再び取得を行うまでの間には時間
がかかってしまうため、他のノードがその帯域を取得し
てしまう危険性がある。
【0013】すなわち、帯域の取得に伴う手続きが複雑
であるという課題を有していた。一方、P1394のよ
うに通信媒体に接続されたノードの接続形態に依存した
伝搬遅延が生じる場合には、実際の送信に必要な帯域に
加えて、この伝搬遅延の時間等のオーバヘッドも含めて
帯域の取得を行う必要がある。
【0014】このような場合、あらかじめ定められた、
最大の伝搬遅延時間をもとに帯域の取得を行うことが可
能である。しかしこのように想定される最大の伝搬遅延
時間をもとに取得すべき帯域を決定すると、実際には必
要のない帯域を余分に取得してしまうため、通信媒体の
効率的な利用ができず、またこのため、本来は通信でき
るはずの他の通信を妨げてしまう危険性がある。
【0015】すなわち、伝搬遅延の最大値をもとに帯域
の取得を行うと、通信媒体を効率的に使用することが出
来ないという課題を有していた。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1記載のデータ送信装置は、通信媒体に接続
された機器の接続形態に依存した伝搬遅延が生じ、かつ
前記通信媒体が持つ帯域の一部を送信に先立って取得し
て送信を行う種類の通信媒体に接続されるデータ送信装
置であって、前記通信媒体に接続された機器の接続形態
によって決定される伝搬遅延識別子を保持する伝搬遅延
識別子保持手段と、前記通信媒体に送出するパケットに
含めることの出来るデータの最大量を示す最大送信デー
タ量を保持する最大送信データ量保持手段を備え、前記
伝搬遅延識別子保持手段は前記通信媒体を介して前記伝
搬遅延識別子の読み出し及び書き込みが可能であり、か
つ前記最大送信データ量保持手段は前記通信媒体を介し
て前記最大送信データ量の読み出しが可能であることを
特徴とする。
【0017】請求項2記載のデータ送信制御装置は、第
1の発明のデータ送信装置を制御するデータ送信制御装
置であって、通信媒体に接続された機器の接続形態を解
析する解析手段と、前記解析手段が出力する解析結果に
基づいて伝搬遅延識別子を決定する識別子決定手段と、
前記識別子決定手段が決定した前記伝搬遅延識別子を伝
搬遅延識別子保持手段に設定する識別子設定手段を備え
ることを特徴とする。
【0018】
【作用】第1の発明によれば、通信媒体に接続された機
器の接続形態に依存した伝搬遅延が生じ、かつ前記通信
媒体が持つ帯域の一部を送信に先立って取得してから送
信を行う通信媒体に接続されるデータ送信装置がデータ
の送信を行う際には、通信媒体に接続された機器の接続
形態によって決定される伝搬遅延識別子が伝搬遅延識別
子保持手段に保持されている。この伝搬遅延識別子は、
帯域の取得を行う際に使用した値と同じものである。ま
たこの伝搬遅延識別子は通信媒体を介しての読み出しと
書き込みがともに可能である。
【0019】さらにデータ送信装置がデータの送信を行
う際には、パケットに含めることの出来るデータの最大
量を示す最大送信データ量が最大データ量保持手段に保
持されている。またこの最大送信データ量は通信媒体を
介して読み出しが可能である。
【0020】ここで伝搬遅延識別子は、通信媒体に接続
された機器の構成に基づく伝搬遅延を表しているもので
あり、この伝搬遅延識別子により帯域取得の際のオーバ
ヘッドが一意に決定できるものである。
【0021】第2の発明によれば、第1の発明のデータ
送信装置の送信制御装置として機能している場合、解析
手段は通信媒体に接続された機器の接続形態を解析して
その解析結果を出力する。この解析結果を受け取った識
別子決定手段は、この解析結果に基づいて、その構成の
通信媒体に送信を行う場合に生じる伝搬遅延を算出し、
この伝搬遅延に対応する伝搬遅延識別子を決定して出力
する。識別子設定手段は、識別子決定手段から受け取っ
た伝搬遅延識別子を第1の発明のデータ送信装置が持つ
伝搬遅延識別子保持手段に伝搬遅延識別子として設定す
る。
【0022】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0023】本実施例において、図1に示す通信媒体1
08に同期データを送信するデータ送信機107は伝搬
遅延識別子105を保持する伝搬遅延識別子保持手段1
01、最大送信データ量106を保持する最大送信デー
タ量保持手段102、帯域取得手段103、送受信手段
104より構成される。P1394に同期データを送信
する場合には、送出に先立って帯域の管理を行っている
ノードから帯域を取得しなくてはならない。
【0024】図2にP1394に同期データを送信する
場合に、取得の必要な帯域を示す。同期データの帯域
は、バスが未使用であることを検出してから使用権の要
求を行うまでの時間T1、バスの使用権の要求が管理ノ
ードに到達するまでにかかる伝搬時間T2、バスの使用
権管理ノードでの判断時間T3、使用権管理ノードから
出力された判断結果を受け取るまでにかかる伝搬時間T
4、データの送信前のバスの占有期間T5、データの送
信レートを表す信号を出力する時間T6、パケット自体
の送信にかかる時間T7、転送終了を表す信号を出力す
る時間T8、パケットがバスの使用権の管理ノードに到
達するまでの伝搬遅延T9の合計によって決まる時間に
相当する帯域となる。
【0025】この帯域の中で、パケット自体の転送にか
かる時間であるT7以外の値は送信レートや送信データ
の量には無関係であり、送信するノードとバスの使用権
を管理するノードの間に存在する中継ノードの数によっ
て決まる。ただしP1394では、バスの使用権を管理
するノードが接続上の中心にある必要が無いため、パケ
ットの転送時間以外にかかる時間は、それぞれのノード
によって異なる。それぞれのノード毎の値を求めるため
にはバスの使用権の管理を行うノードのバス上での位置
を考慮しなくてはならない。
【0026】しかし、この値を使用権の管理ノードの位
置に無関係な値として求め、またバス全体で同一の値を
使用する場合には、バスに存在する最大中継ノード数
を、送信ノードとバスの使用権を管理するノードの間の
最大中継ノード数として使用すればよい。
【0027】そこで、図3に示すようにバスの使用権を
管理するノード301からN回の接続で、(N−1)個
の中継ノード302だけ離れた送信ノード303がパケ
ットを出力すると考えた場合、P1394の規格に示さ
れた値を使用して計算すると、パケットの転送以外に使
用する時間Tohは(数1)に示す値となる。
【0028】
【数1】
【0029】さらにこの値はP1394において、帯域
管理に使用する単位を使用して表すと、パケットの転送
帯域以外に必要な帯域(以下オーバヘッド帯域と称す
る)BWohは(数2)のように表すことが出来る。
【0030】
【数2】
【0031】P1394で使用される帯域の単位は、1
00Mbpsでの伝送の際に2bitの転送にかかる帯
域を1とした値である。
【0032】伝搬遅延識別子105は、通信媒体108
に接続された機器の接続形態より求められるもので、こ
の識別子の値によってオーバヘッド帯域を一意に決定す
ることが出来る。伝搬遅延識別子保持手段101に保持
される伝搬遅延識別子105は、初期状態では、P13
94で許される最大の接続形態である、16回の接続で
15個の中継ノードがある場合のオーバヘッド帯域に対
応する値が設定される。一方最大送信データ量保持手段
102に保持される最大送信データ量106は、P13
94で使用する同期通信用パケットのデータ部分である
ペイロード部に含めることの出来る最大のデータ量を示
すものである。図4に同期データの送信で使用されるパ
ケットの形式を示す。同期データ転送用のパケットは、
P1394で規定された4バイトのパケットヘッダ40
1、パケットヘッダ用の4バイトのCRC402、同期
データの種別などを示すために使用される8バイトのC
IPヘッダ403、同期データ404、4バイトのデー
タ用CRC405より構成される。このうちCIPヘッ
ダ403と同期データ404を合わせた部分がペイロー
ドであり、同期データの大きさはデータの種類やそのデ
ータの伝送に必要とされるレートによって可変である。
【0033】このパケットには同期データに加えて、パ
ケットのヘッダなどを含めて20バイトのデータが付加
される。このうち最大送信データ量保持手段に保持され
るのはCIPヘッダ403の8バイトと同期データのデ
ータ量を合わせた値である。したがって送信に先立って
取得する必要のある帯域は、最大送信データ量に示され
た値に12バイトを加えた大きさを持つパケットが、送
信に使用するレートで送信される際に必要となる帯域
と、前述のオーバヘッド帯域をあわせた帯域となる。
【0034】一方、図5にP1394の各ノードが持つ
アドレス空間内に置かれる、同期データの送信を制御す
るためのレジスタである送信用PCR(プラグ・コント
ロール・レジスタ)の構成を示す。PCRは32bit
のレジスタで、そのPCRが使用可能か否かを示す1ビ
ットのバリッド・フラグ501、その送信用PCRによ
って制御される送信が送信中に停止できることを示す1
ビットのアンオウンド・コネクション・カウンタ50
2、そのPCRへの指示を行った機器の数を示す6ビッ
トのコネクション・カウンタ503、2ビット未使用フ
ィールド504、6ビットの同期データの送信に使用す
るチャネル番号を示すチャネル505、送信に使用する
レートを示す2ビットのデータ・レート506、伝搬遅
延識別子保持手段に相当する4ビットのオーバ・ヘッド
ID507、最大送信データ量保持手段に相当しペイロ
ードの大きさを4バイトを単位として表した10ビット
のペイロード・サイズ508より構成される。
【0035】送信を制御する送信制御装置は、このレジ
スタへ値を書き込むことにより送信を制御することがで
き、一方このレジスタの値を読み出すことで、その時点
の送信の状態を知ることが出来る。送信装置は、送信用
PCRのバリッド・フラグ501が1である間に、アン
オウンド・コネクション・カウンタ502もしくはコネ
クション・カウンタ503に0以外の値が書き込まれた
場合、送出を行う。逆にこの両者が0になった場合に
は、出力を停止する。なお、コネクション・カウンタ5
03が0で、アンオウンド・コネクション・カウンタ5
02が1の場合にのみ、送信開始の指示を行った機器以
外がアンオウンド・コネクション・カウンタ502をク
リアして送信を停止させることができる。
【0036】帯域取得手段103はこの帯域取得を行う
場合、後述する理由により伝搬遅延識別子105が書き
変わっている可能性があるため、伝搬遅延識別子保持手
段101に保持された伝搬遅延識別子105と最大送信
データ量保持手段102に保持された最大送信データ量
106に基づいて帯域の取得を行う。帯域取得を行う場
合、帯域取得手段103は、最大送信データ量保持手段
102から最大送信データ量106を読み出し、前述の
理由によりペイロードの大きさからパケットの大きさを
求めるために、この最大送信データ量106に12バイ
トを加え、この大きさのパケットをPCRに含まれるデ
ータ・レート506で送信する際に必要とされる帯域を
求める。さらに帯域取得手段103は、伝搬遅延識別子
保持手段101から伝搬遅延識別子105を読み出し、
伝搬遅延識別子105によって決まるオーバヘッド帯域
をパケット送信の帯域に加える。
【0037】帯域取得手段103は以上の結果得られた
帯域を帯域割り当て要求として送受信手段104に出力
し、送受信手段104は受け取った帯域割り当て要求を
帯域の管理ノードに送るために、非同期通信パケットと
して通信媒体108に送出する。そして、その要求の結
果として受け取ったパケットを帯域取得手段103に出
力する。帯域取得手段103は帯域割り当て要求の結果
から帯域が取得できたか否かを判断する。またこの帯域
取得の結果に基づいて、PCRのアンオウンド・コネク
ション・カウンタ502またはコネクション・カウンタ
503への書き込みによって送信開始の指示を行うこと
ができる。
【0038】以上の手順について、現在開発が進めれて
いるディジタルVTRのデータの送信を目的で、帯域割
り当てを行う場合の例を以下に示す。
【0039】P1394を用いて、このディジタルVT
Rのデータを送信する場合には、データは480バイト
毎に区切られ、同期パケットとして転送される。従って
最大送信データ量保持手段には、この480バイトにC
IPヘッダの8バイトを加えた488バイトを4バイト
を単位として表した、122という値が最大送信データ
量として書き込まれている。
【0040】帯域取得手段103は、PCRに含まれた
最大送信データ量保持手段(ペイロード・サイズ50
8)から最大送信データ量である122という値を読み
出し、これを4倍して、ペイロードの大きさが488バ
イトであることを知る。さらには、この488バイトに
12バイトを加えた500バイトが同期データ用のパケ
ットの大きさであるとがわかる。さらにはPCRに含ま
れるデータ・レート506の値をもとに、パケット送信
にかかる帯域を求める。ここでデータ・レート506が
100Mbpsでの転送を示していた場合にこの帯域
は、P1394で使用する帯域の単位を使用して200
0となる。一方、データ・レート506が200Mbp
sを示している場合にはこの半分の1000になる。
【0041】さらに帯域取得手段103はPCRに含ま
れる伝搬遅延識別子保持手段(オーバヘッドID50
7)から伝搬遅延識別子を読み出す。帯域取得手段10
3は(表1)に示す4ビットの伝搬遅延識別子のビット
パターンとオーバヘッド帯域の対応表を持っており、読
み出した伝搬遅延識別子からオーバヘッド帯域を求めめ
る。
【0042】
【表1】
【0043】この結果得られたオーバヘッド帯域とパケ
ットの帯域である2000を合わせた値が取得すべき帯
域となる。
【0044】一方、PCRのコネクション・カウンタ5
03が0で、アンオウンド・コネクション・カウンタ5
02が1の時には、送信開始の指示を行ったノード以外
がアンオウンド・コネクション・カウンタ502をクリ
アすることで、送信を停止させることができるため、こ
の停止した送信で使用していた帯域を使用して他の送信
を行うことができる。またこの際に、PCRに含まれる
伝搬遅延識別子と最大送信データ量によって使用してい
た帯域を知ることができる。
【0045】図6に、このような送信機の切り替えを行
う際の送信装置の構成を示す。図6において、すでに送
信を行っている第1の送信装置606は、伝搬遅延識別
子604を保持する伝搬遅延識別子保持手段601、最
大送信データ量605を保持する最大送信データ量保持
手段602、通信媒体607との間でパケットの送受信
を行う送受信手段603から構成され、一方の新しく送
信を開始する第2の送信装置614は、通信媒体607
との間でパケットの送受信を行う送受信手段608、帯
域取得手段609、伝搬遅延識別子612を保持する伝
搬遅延識別子保持手段610、最大送信データ量613
を保持する最大送信データ量保持手段611から構成さ
れる。
【0046】第2の送信装置614が第1の送信装置6
06の送信を停止させ、第1の送信装置606が使用し
ていた帯域を使用して送信を行う場合、第1の送信装置
のPCRのアンオウンド・コネクション・カウンタをク
リアする。またこのとき、第2の送信装置の帯域取得手
段609は第1の送信装置606のPCRの一部として
構成される伝搬遅延識別子保持手段601に保持されて
いる伝搬遅延識別子604と最大送信データ量保持手段
602に保持されている最大送信データ量605を読み
出す。
【0047】なおこの場合、第1の送信装置606のノ
ードIDは、第1の送信装置が送信している図3に示す
構造を持つ同期データ用パケットのCIPヘッダの中に
含まれているので、第2の送信装置614は送信されて
いるデータを一度受信してCIPヘッダを調べること
で、そのデータの送信を行っている第1の送信装置60
6のノードIDを特定することできる。
【0048】そこで、第2の送信装置614の帯域取得
手段609は、第1の送信装置606から読み出した伝
搬遅延識別子604と最大送信データ量605をもと
に、前述の通常の帯域取得と同様の方法で、第1の送信
装置が取得して使用していた帯域を求める。ここで求め
た、第1の送信装置606が取得していた帯域は、第1
の送信装置606の送信が停止した後には、第2の送信
装置614が使用できることになる。
【0049】なお、第1の送信装置606の使用してい
た帯域を求める際に使用するデータ・レートは、通常、
PCRに含まれるデータ・レート506を読み出して使
用するが、第1の送信装置606のノードIDを知るた
めに同期データ用パケットを受信した際の受信レートに
よっても知ることができるため、必ずしもPCRに含ま
れるデータ・レート506を読み出す必要はない。
【0050】さらに帯域取得手段609は、上記の手順
で求められる譲り受けた帯域と、第2の送信装置614
の伝搬遅延識別子保持手段610に保持された伝搬遅延
識別子612と最大送信データ量保持手段611に保持
された最大送信データ量613から同様にして求める、
使用予定の帯域とを比較し、両者に差がある場合には余
分な帯域を帯域の管理ノードに返却したり、逆に不足す
る帯域を取得する必要がある。
【0051】ただしこのとき、第1の送信装置606か
ら読み出した伝搬遅延識別子604が第2の送信装置6
10に保持されていた伝搬遅延識別子612よりも小さ
な場合には、第2の送信装置614の伝搬遅延識別子6
12を第1の送信装置606から読み出した伝搬遅延識
別子604と同じ値にすることができる。これは、伝搬
遅延識別子がバスの接続形態のみによって求められるも
のであり、後述する出伝搬遅延識別子を算出する際に使
用した計算方法によっては、ノード毎に異なる値が書き
込まれている可能性はあるが、同一のバスに接続された
ノードであるならばその中で最小の伝搬遅延識別子を使
用することができるためである。
【0052】前述のように伝搬遅延識別子保持手段の初
期値は、バスがP1394の規格で許される最大の構成
の場合に対応する値である。したがって、帯域を譲り受
ける第2の送信装置614が伝搬遅延識別子612とし
て初期値を持つもので、一方、第1の送信装置606の
伝搬遅延識別子604はバスの接続形態を調べることで
初期値よりも小さな値が書き込まれていた場合などに
は、帯域を譲り受ける際に伝搬遅延識別子の大きさを比
較して、小さい方の値を使用する事で、通信媒体の持つ
帯域を有効利用することが可能となる。
【0053】図7は、送信制御装置が伝搬遅延識別子を
求める際の動作を示すブロック図である。本実施例にお
いて、送信装置710は、通信媒体706との間でパケ
ットの送受信を行う送受信手段707、伝搬遅延識別子
709を保持する伝搬遅延識別子保持手段708より構
成され、送信制御装置705は、通信媒体に接続された
機器の接続形態を解析する解析手段701、解析結果に
基づいて伝搬延識別子を決定する識別子決定手段70
2、送信装置710の伝搬識別子保持手段708に伝搬
遅延識別子709を設定する識別子設定手段703、通
信媒体706との間でパケットの送受信を行う送受信手
段704より構成される。
【0054】解析手段701は、P1394のバスリセ
ットの際にバスに接続される各ノードが送出するセルフ
IDパケットをすべて受信し、このセルフIDパケット
に含まれる情報を用いてバスの木構造を解析する。この
木構造を解析することで、各ノード間で通信を行う際の
中継ノードの数を求め、この最大値を出力する。一方、
識別子決定手段702は、解析手段701より入力する
バスでの最大の中継ノード数から、生じる可能性のある
最大の伝搬遅延を計算し、この値をもとに同期データを
送信する際に取得が必要になるオーバヘッド帯域の大き
さを求める。さらに識別子決定手段702は、このオー
バヘッド帯域から最も適切な伝搬遅延識別子を決定して
出力する。
【0055】この際に使用する中継ノード数とオーバヘ
ッド帯域の対応としては、例えば(表2)に示す値を使
用することができる。
【0056】
【表2】
【0057】表2に示す値は、バスの使用権を管理する
ノードの位置に関わらずに決まる最大値であり、(数
2)に示した式を用いた計算によって求められたもので
ある。なお、バスの使用権を管理するノードのバス上で
の位置を考慮して伝搬遅延を計算することも可能であ
り、この場合、そのバスに存在する最大の中継数は同じ
であっても(表1)に示すオーバヘッド帯域よりも小さ
な値となることもある。またオーバヘッド帯域と4ビッ
トの伝搬遅延識別子のビットパターンとの対応は、(表
1)に示した値を使用する。したがって伝搬遅延識別子
を決定することができる。
【0058】このようにして識別子決定手段702は解
析手段701より入力する最大中継ノードの数をもとに
オーバヘッド帯域を求め、さらにはこのオーバヘッド帯
域より伝搬遅延識別子を決定して出力する。またこのよ
うな対応を決めることで、伝搬遅延識別子からオーバヘ
ッド帯域を一意に決定することができる。
【0059】識別子設定手段703は、識別子決定手段
702によって決められた伝搬遅延識別子を入力し、送
信装置710の伝搬識別子保持手段709への書き込
む。この書き込みは非同期通信パケットを用いて、PC
Rへの書き込み操作によって行われる。
【0060】前述のように、送信装置710の伝搬遅延
識別子保持手段708の初期値は、P1394で許され
る最大の接続形態によって決まる識別子が書き込まれて
いる。この値を変更するためには、バスの接続形態を解
析して最大の中継ノード数を知る必要がある。しかし、
バスの接続形態を解析せずに伝搬遅延識別子を初期値の
まま使用しても、同期データの通信は可能であるため、
すべての送信装置が接続形態の解析手段701や識別子
決定手段702、また識別子設定手段703を持つ必要
はない。ただしこの場合には、本来必要な帯域よりも大
きな帯域の取得を行ってしまうので、通信媒体の持つ帯
域を有効利用することはできない。
【0061】そこで、通信媒体に送信制御装置705を
接続し、バスに接続された機器の接続形態を解析して伝
搬遅延識別子を求め、そのバスに接続された送信装置の
伝搬遅延識別子保持手段に適切と思われる伝搬遅延識別
子を設定することで、通信媒体の持つ帯域を効率的に使
用することができるようになる。伝搬遅延識別子保持手
段は、バスを通して書き込むことが可能であるので、バ
ス上に少なくとも1つの送信制御装置があれば、初期値
よりも小さな伝搬遅延識別子を設定することが可能であ
り、この結果として、すべての送信装置が接続形態の解
析手段701や識別子決定手段702などを持つ必要は
なく、(表1)に示した伝搬遅延識別子とオーバヘッド
帯域の対応表を持っていることで、通信媒体が持つ帯域
の有効利用が可能となる。
【0062】一方、このように伝搬遅延識別子保持手段
を持つ送信装置以外の送信制御装置が、すでに設定され
ている値よりも適切な伝搬遅延識別子を書き込む可能性
がある。したがって、前述のように帯域取得手段が帯域
の取得を行う際には伝搬遅延識別子保持手段の値を読み
出し、読み出した値に基づいてオーバヘッド帯域を求め
る必要がある。
【0063】さらに、伝搬遅延識別子保持手段に保持さ
れる伝搬遅延識別子は、送信装置を切り替える際に使用
するため、帯域の取得を行ったときに使用した値である
必要がある。従って、送信制御装置が伝搬遅延識別子を
設定するのは、その時点で送信を行っていない送信装置
のみである。すなわちPCRのアンオウンド・コネクシ
ョン・カウンタ502とコネクション・カウンタ503
がともに0の場合にのみ、伝搬遅延識別子を設定するこ
とができる。
【0064】伝搬遅延識別子は、本来バスの接続形態が
定まれば、最も適切な値は一つ定まるものである。しか
しながら最も適切な値を求めるためには、バスの接続形
態を解析して、すべてのノード間の中継ノード数と、ま
た場合によってはバスの使用権管理ノードのバス上での
位置を正確に求めなくてはならない。このような処理を
行うためには複雑な解析処理が必要である。一方、バス
に接続された機器が少ない場合には、機器の数だけをも
とに、最適ではないものの、伝搬遅延識別子を初期値よ
りも小さな値に設定することができる。
【0065】P1394では、最も離れたノード間での
中継ノード数は15で、16回の接続にしなければなら
ないことが規格に定められている。バスに接続されたノ
ードの数Mが17よりも小さな値であった場合には、ど
のような接続形態をとったとしても、最も離れたノード
間の中継ノード数は(M−2)を越えることはない。し
たがってこのような場合には、接続形態の解析は行わず
に、バスに接続されたノード数で考えられる最大の中継
ノード数である(M−2)を中継ノード数として伝搬遅
延識別子を決定することができる。一方、Mが17より
も大きな値であった場合には、中継ノード数として、P
1394で許された最大の値である15を用いる。この
ようにして求められた伝搬遅延識別子を設定すること
で、バスに接続された機器の数が少ない場合には、通信
媒体の持つ帯域を最大限に利用することはできないが、
複雑な処理を行わずに、伝搬遅延識別子の設定を全く行
わない場合に比べて帯域の有効利用が可能となる。
【0066】以上のように、送信制御装置が伝搬遅延識
別子を求める方法は複数有り得る。また、同一のバス上
に伝搬遅延識別子の設定を行う送信制御装置が複数存在
することも有り得る。従って、すでに最適と思われる伝
搬遅延識別子が書き込まれた伝搬遅延識別子保持手段
に、それよりも大きな伝搬遅延識別子が書き込まれるこ
とがある。このようなことが生じると、通信媒体の持つ
帯域を有効利用することができなくなる危険性がある。
そこで、伝搬遅延識別子を設定する際には、すでに設定
されている値と設定しようとする値と比較して、すでに
設定されている値よりも小さな値の場合にのみ設定を行
うことによって、上記の危険性を回避することができ
る。
【0067】
【発明の効果】以上のように第1の発明では、帯域の取
得を行った際に使用した伝搬遅延識別子と最大送信デー
タ量が通信媒体を通して外部から読み出しが可能である
ため、同じ通信媒体に接続された別の機器がこの取得さ
れた帯域を求めることが可能となり、この結果すでに取
得された帯域を使用して他の送信装置が送信を行う際の
帯域の移行を伴う帯域取得の手続きを簡略化する事が可
能となる。
【0068】第2の発明では、送信制御装置が通信媒体
に接続された機器の接続形態を解析し、この解析結果に
基づく伝搬遅延識別子を設定することで、通信媒体の持
つ帯域を有効利用することが可能となる。さらには、こ
の伝搬遅延識別子は通信媒体を通して機器の外部より設
定することが可能であるため、すべての送信装置が通信
媒体に接続された機器の接続形態を解析する解析手段を
持たなくとも、通信媒体上に少なくとも1つの送信制御
装置があることで、通信媒体の持つ帯域を有効利用する
ことが可能となる。
【0069】第3の発明では、通信媒体に接続された機
器の接続形態を解析する際に、通信媒体に接続された機
器の数に基づいて判断を行うことによって、複雑な処理
を必要とせずに、帯域の有効利用を行うことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において同期データの送信を行
う送信装置の主要部の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施例においてP1394の同期デー
タの送信の際に、取得の必要な帯域を示す図
【図3】本発明の実施例においてN回の接続で(N−
1)個の中継ノードだけ離れたノードの接続を示す図
【図4】本発明の実施例においてP1394で同期デー
タを送信する際に使用するパケットの構成を示す図
【図5】本発明の実施例において同期データの送信を制
御するレジスタであるPCRの構成を示す図
【図6】本発明の実施例において同期データの送信ノー
ドを切り替える際の2つの送信装置の主要部分の構成を
示すブロック図
【図7】本発明の実施例において伝搬遅延識別子の決定
と設定を行う送信制御装置と、伝搬遅延識別子を設定さ
れる送信装置の主要部分の構成を示すブロック図
【符号の説明】
101、601、610、708 伝搬遅延識別子保持
手段 102、602、611 最大送信データ量保持手段 103、609 帯域取得手段 104、603、608、704、707 送受信手段 105、604、612、709 伝搬遅延識別子 106、605、613 最大送信データ量 107、606、614、710 送信装置 108、607、706 通信媒体 201 パケット 202 バスの使用権要求 203 バスの使用許可 301 バスの使用権管理ノード 302 中継ノード 303 送信ノード 401 パケット・ヘッダ 402 ヘッダCRC 403 CIPヘッダ 404 同期データ 405 データCRC 501 バリッド・フラグ 502 アンオウンド・コネクション・カウンタ 503 コネクション・カウンタ 504 未使用フィールド 505 チャネル番号 506 データ・レート 507 オーバヘッドID 508 ペイロード・サイズ 701 解析手段 702 識別子決定手段 703 識別子設定手段 705 送信制御装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通信媒体に接続された機器の接続形態に依
    存した伝搬遅延が生じ、かつ前記通信媒体が持つ帯域の
    一部を送信に先立って取得して送信を行う通信媒体に接
    続されるデータ送信装置であって、 前記通信媒体に接続された機器の接続形態によって決定
    される伝搬遅延識別子を保持する伝搬遅延識別子保持手
    段と、 前記通信媒体に送出するパケットに含めることの出来る
    データの最大量を示す最大送信データ量を保持する最大
    送信データ量保持手段を備え、 前記伝搬遅延識別子保持手段は前記通信媒体を介して前
    記伝搬遅延識別子の読み出し及び書き込みが可能であ
    り、 かつ前記最大送信データ量保持手段は前記通信媒体を介
    して前記最大送信データ量の読み出しが可能であること
    を特徴とするデータ送信装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のデータ送信装置を制御する
    データ送信制御装置であって、 通信媒体に接続された機器の接続形態を解析する解析手
    段と、 前記解析手段が出力する解析結果に基づいて伝搬遅延識
    別子を決定する識別子決定手段と、 前記識別子決定手段が決定した前記伝搬遅延識別子を伝
    搬遅延識別子保持手段に設定する識別子設定手段を備え
    ることを特徴とするデータ送信制御装置。
  3. 【請求項3】解析手段は、通信媒体に接続された機器の
    数によって想定される最大の中継機器数に基づいて接続
    形態の判断を行う機能を有することを特徴とする請求項
    2記載のデータ送信制御装置。
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