JPH08332250A - グリップ及びゴルフクラブ - Google Patents

グリップ及びゴルフクラブ

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JPH08332250A
JPH08332250A JP7141978A JP14197895A JPH08332250A JP H08332250 A JPH08332250 A JP H08332250A JP 7141978 A JP7141978 A JP 7141978A JP 14197895 A JP14197895 A JP 14197895A JP H08332250 A JPH08332250 A JP H08332250A
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JP
Japan
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grip
golf club
shaft
bouncing putty
putty
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JP7141978A
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Hiroyuki Ito
廣行 伊藤
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MIIMU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 握った時に容易に変形して衝撃時にもその変
形状態を保持できるグリップを提供する。 【構成】 グリップ本体に内部空間を設け、その内部空
間にバウンシングパテ、またはバウンシングパテを含浸
させたスポンジを充填して成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゴルフ及びそれを使った
ゴルフクラブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、グリップは例えばゴルフにおい
て、「グリップに始まりグリップに終わる」と言われる
ほど重要な基本要素の一つである。このグリップが悪い
とスイングも悪くなりやすい。そしてクラブを正しくし
っかり握り、それをスイング中に特にインパクト時にお
いてもなおかつそれを維持することは、ボールの方向性
に大きな影響を与えている。
【0003】図10(a)、(b)は従来のゴルフクラ
ブ及びグリップを示す図である。特に図10(a)は、
そのグリップ30の部位に関しては断面図で示し、図1
0(b)のグリップについても断面図で示してある。図
10(a)、(b)に示すように、鉄、カーボンなどよ
り成る中空体のゴルフクラブシャフト1の先端にはメタ
ル、ウッド製などのヘッド2が固定され、シャフト1の
基端1Aには天然ゴム、合成ゴム製などのグリップ30
が装着される。グリップ30のグリップエンド30Bの
中央には開口30Aを持つ。シャフト1は一般的にクラ
ブヘッド2からグリップ3のグリップエンドに向かうに
従って図の矢印方向にテーパー状に太く、且つそれに被
せるグリップ3も矢印方向に向う程に径が大きく且つ肉
厚である。従ってこのシャフト1の基端1Aでグリップ
30を被せた場合には、さらにそのグリップの厚さ分太
くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図11(a)は左手を
示し、図11(b)は図10(a)、(b)のゴルフク
ラブを握る人間の両手で握った状態での、その対向正面
からみた場合の外観図である。図11(a)、(b)に
示すように、上記ゴルフクラブを握る人間の手100は
中指を最長として薬指、子指の順に矢印方向に短くなっ
ている。従ってクラブを手100で握った場合を考えて
みると、通常は左手はグリップ30のグリップ端30B
に近い位置から子指と薬指と中指の順でしっかりと把握
しなければならないし、右手中指と薬指でしっかりと把
握しなければならない。
【0005】従ってクラブの構造状の形状の問題と相ま
って手の中でも一番非力で短い指の子指でクラブのグリ
ップの一番太い部分をしっかりと把握しなければならな
いという困難な矛盾が生じてしまう。このことによって
インパクトでの衝撃にグリップの把持力が耐えられずに
ゆるみ、ボールの方向性を狂わす要因となっている。
【0006】また上記のグリップの構造自体も、一般的
には硬質ゴムによる一体成形の構造であるため多くの変
形を望めない。また逆に大きな変形を可能にするには柔
らかな材質を適用すればよいが、そうするとアドレスで
グリップをした際には小さな力で変形するため、しっか
りと正確にグリップをすることは可能であるが、逆にイ
ンパクトの衝撃時には更に大きく変形してしまい問題解
決にはならない。
【0007】上記のグリップの構造上の問題を解決する
ための従来例としては、グリップ内面(シャフトに接す
る面)に微小な溝を設け、その変形により把持した時の
なじみ性を向上させる目的のものもあるが、その効果は
多くを期待できない。その他はグリップ性を向上させる
ためにグリップ表面(手が接触する面)の溝形状に工夫
をこらしたものなどもあるが、やはり多くを期待できる
ものではない。
【0008】このように上記従来技術は、グリップを握
った時に非力な指の力でゆるみないグリップが難しく、
またインパクトの衝撃時にはグリップの変形状態を保持
するのが困難となる問題があった。
【0009】尚、バウンシングパテを使用した公知例に
は特開平4−11974がある。この公知例は、バウン
シングパテ内に有弾性微小中空球体を混入した例であ
る。適用例としては、足首等のサポータや、バットやテ
ニスラケット等打球運動具のグリップの例が開示されて
いる。かかる公知例は、微小中空球体を必要とするこ
と、及びそれを混入したが故に、バウンシングパテの本
来の機能が生かせないとの問題がある。またゴルフクラ
ブでは野球バットやラケットに比べて、手になじむか否
か、ゴルフボールのインパクト時にしっかりと指が固定
されているか等の極めて重要な要求が課せられており、
構造、材質等で特別の配慮が必要である。また、上記公
知例ではサポータで代表されるように帯状の素材(例え
ば布地)に弾性中空球体入りのバウンシングパテを埋め
込み、且つその布地の両端に接着自在なチャック(マジ
ックテープ)をはりつけ、足首等の対象部位に素材を巻
き付けチャックにより固定するようにしたものである。
従ってあくまで外部から着脱自在にはりつけたりする使
い方であり、ゴルフクラブではそうした着脱自在のグリ
ップではグリップそのものが動いてしまい、使いものに
ならない。また、微小中空空間球体を混入させたゲル状
物質の充填例として特開昭62−159601がある
が、適用対象を異にしていること(靴への適用例)、及
び特開平4−11974と同様の問題もある。
【0010】本発明の目的は、ゴルフクラブのグリップ
において、そのグリップを握った時に非力な指の力で容
易に変形してゆるみなくしっかりとしたグリップが可能
となり、加えてインパクトの衝撃時にもその変形状態を
保持可能なグリップ構造を有するグリップ、更にかかる
グリップを使用したゴルフクラブを提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のグリップ、及びそれを使ったゴルフクラブ
は、それぞれグリップ本体に内部空間を設け、バウンシ
ングパテ、またはバウンシングパテを含浸させたスポン
ジを充填して構成するようにしたものである。
【0012】さらに本発明のゴルフクラブのグリップ及
びそれを使ったゴルフクラブは、グリップ本体に複数個
の軸対称配置の所定断面形状(円弧断面形状または円断
面形状等)をもつ長手方向内部空間を設け、その内部空
間にバウンシングパテ、またはバウンシングパテを含浸
させたスポンジを充填して構成するようにしたものであ
る。
【0013】
【作用】上記グリップ、それを使ったゴルフクラブは、
それぞれグリップ本体に設けた内部空間に充填されたバ
ウンシングパテ、またはバウンシングパテを含浸させた
スポンジが、それぞれ使用者がグリップを握る時に柔ら
かに変化して指全体にしっくりとゆるみなくなじみ、且
つ衝撃時にもその状態が保持されるという所要のグリッ
プ機能を十分に満たしている。
【0014】更に上記のゴルフクラブのグリップ及びゴ
ルフクラブは、そのグリップ本体に設けた複数個の軸対
称配置の所定断面形状、または円弧断面形状または円断
面形状をもつ長手方向内部空間に充填されたバウンシン
グパテ、またはバウンシングパテを含浸させたスポンジ
が、それぞれ使用者がグリップを握る時に軸対称にほぼ
均等な力で柔らかに変形して指全体にしっくりとゆるみ
なくなじみ、、且つ衝撃時にもその状態が保持されるの
で所要のグリップ機能を十分に満たしている。
【0015】
【実施例】図2は本発明のゴルフクラブの実施例図、特
に外観図を示す。シャフト1の先端にはヘッド2が取り
付けられ、シャフト1の基端にはグリップ3が装着固定
されている。シャフト1の素材は鉄やカーボン等からな
る。シャフト1は中空構造である。グリップ3は弾性体
部材、例えば天然または合成ゴム製の硬質ゴム素材より
成り、その表面(人間の手の触れる部位)は人間の手が
すべりにくいような種々の形状をとる。グリップ3は肉
厚な円筒形状体であって、そのグリップエンドに向かっ
てテーパー状にその内径が太く、且つその肉厚もグリッ
プエンドに向かって大きくなっている。その肉厚部の内
部は中空空間を有し、この空間内には応力に応じて剛性
が変化する物質(充填材)、例えばバウンシングパテ、
好ましくはシリコンバウンシングパテ、またはそれを含
浸したスポンジを充填した。グリップ3のグリップエン
ド側には閉じ用の端面蓋部5を取り付け、シャフトエン
ド及びグリップエンドを塞ぐ。
【0016】図1(a)、(b)は、本発明の図2のゴ
ルフクラブのグリップを主にした実施例図である。図1
(a)がシャフトの軸長手方向の断面図、図1(b)が
A−A断面図である。シャフト1の基端はプレーヤーの
把持部分であって、その端方向(基端端部)にかけてテ
ーパー状の拡がりを持つ形状をなす。このテーパー状の
拡がりによって、プレーヤーがゴルフクラブを握りやす
くしている。
【0017】シャフト1の基端にはグリップ3を装着し
一体化してある。グリップ3のグリップ本体4の肉厚部
内には中空空間6を有し、この中空空間のグリップエン
ド側の開孔6Bから前記充填材が挿入充填される。更
に、グリップ3のグリップエンドには、グリップ3と別
体のグリップ端面蓋部5を取り付ける。グリップ3及び
端面蓋部5は天然または合成ゴム等の硬質弾性部材を素
材とすることが好ましいが、両者は必ずしも同一素材で
ある必要はない。グリップ3はプレーヤーの把持する部
位であるため、握りやすく、且つ把持力に応じた変形性
を持つ素材がよい。また、グリップ3の素材としては公
知のゴルフクラブのグリップの素材をそのまま使用する
ことが可能である。端面蓋部5は、グリップ3のエンド
が開孔6Bを持つこと及びシャフトエンドが開放である
ことから、これを外部から塞ぐ役割を持つ。開孔6Bを
閉じるための部分が、蓋部5の先端に取り付けた断面略
T字形状の突起蓋5Bである。端面蓋部5の中央には小
孔5Aを持つ。蓋部5は、公知のグリップエンドの如き
形状でよい。グリップ3と蓋部5とを一体成形したもの
を使用してもよい。この一体成形の場合には、グリップ
3の端面(蓋部5に相当する部位)は、開孔6Bを外部
から塞ぐための開口(例えばこの開口に閉じ用の小片を
つめ込み固着する。図4参照)を持つこと以外では、公
知のグリップエンドと同じ外形形状でよい。
【0018】当然のことながら、グリップ3の内形は基
端部に沿ってテーパー状の拡がりをシャフト部位の表面
に円滑に沿うような、略同一の形状をなす。且つグリッ
プ3はグリップエンド側程肉厚である。かくして、グリ
ップ3は、内形がテーパー状の拡がりをグリップエンド
方向に持つ円筒形状であることが理解されよう。更にグ
リップ3は、その肉厚内部が中空構造をなす。例えば、
図1(b)には、4つの中空空間6を持つ例を示す。こ
の例は、図1(b)に示すように、軸長手方向を中心軸
として、この軸の周囲に対称に4つの中空空間6を設け
たものであり、各中空空間6の形状は、図1(b)の断
面で示すように円弧断面形状をなす。また、軸長手方向
に沿って、図1(b)に示すようにそのテーパー方向に
長く延びた空間をなす。この長く延びた空間の長さは、
プレーヤーの手の握り部分を充分に含む長さ(手の大き
さや握り位置を考慮)であることが好ましい。従って、
グリップ3自体の長さは、公知のグリップ長さよりも若
干長いことが望ましい。
【0019】グリップ3の中空空間6には、応力に応じ
て剛性が変化する物質(充填材)6A、例えばバウンシ
ングパテ、好ましくはシリコンバウンシングパテ、特に
商品名がリバースフォーム(株式会社信越化学の商品)
と呼ばれるシリコンバウンシングパテ、またはそれを含
浸したスポンジを充填する。バウンシングパテは、ゴム
状の物質であり、形状的にみた性質としてはゲル、液
体、弾性ゴムの3つの性質を備えた物質である。シリコ
ンバウンシングパテの構造及びその製法の一例としての
文献には特公昭26−6944がある。リバースフォー
ムと呼ばれるシリコンバウンシングパテの分子構造の一
例を以下に示す。
【化1】 このシリコンバウンシングパテは シリコン樹脂(ゴ
ム)の分子構造にほう素Bを付加したものである。また
重合体としての化学式の一例を化学式2に示す。
【化2】
【0020】シリコンバウンシングパテに対比できるも
のとして、プラスチックフォームやエアーマット、ゲル
等がある。プラスチックフォームやエアーマットは、軽
く容易に変形して外部からの応力に追従するが、応力の
大小に応じた反撥変形は基本的にない。またゲルは、外
部からの衝撃に対して、エアーマットに比して緩衝性は
あるが、軽量化に問題がある。一方、シリコン樹脂(ゴ
ム)、特にシリコン生ゴムは、分子の長さ、種類に多様
性があり、シリコン樹脂にフィラー、硬化剤(種類、量
が種々選択可能である)とを組み合わせることで自由に
目的の硬さの素材を得ることができるとの利点がある。
こうしたシリコン生ゴムの特徴を生かしつつ、外部応力
の大小に応じてその硬さが変化する材質を持つものとし
て提供されたのがシリコンバウンシングパテである。
【0021】化学式1や2からわかるように、シリコン
バウンシングパテはシリコン化合体を結ぶ酸素の代わり
にほう素Bを使ったものであり、ほう素Bによる結合
は、遅い周期のエネルギー刺激には切れやすく、速い周
期のエネルギー刺激には切れにくいという外部応力の周
波数への依存性を持つ。
【0022】また、シリコン樹脂は、耐熱耐寒性(−5
0℃〜+250℃)、耐薬品性、耐オゾン性等の性質を
持つが、バウンシングパテもこうした性質を受け継いで
いる。尚、水やアルコールには弱いという性質がある。
従って、使用に際しては、水やアルコールの影響を受け
にくい環境で使うことが必要となる。空気は水分を含む
ことから、空気中に露出させて使うことは好ましくな
い。
【0023】グリップ3の中空空間6へのバウンシング
パテの充填法は以下のやり方をとる。 (1)、中空空間6の端部は、図1(a)に示すように
そのグリップエンドに注入用開孔6Bを持つ。アルコー
ル性溶剤に溶かしたバウンシングパテを注射器状の注入
器内に入れておき、注入口をこの開孔6Bに挿入し、外
部からパテそのものに力を加えることで開孔6B内の中
空空間6内にバウンシングパテを押し出す。その後でア
ルコール性溶剤を気化させてバウンシングパテのみを残
す。溶剤に溶かさないでバウンシングパテを直接に注入
器内から押し出すやり方もある。バウンシングパテはゆ
っくりした外部応力に対しては、ゆるやかに変化するか
ら、かかる押し出しが可能となる。全ての中空空間につ
いてバウンシングパテを隙間なく注入し充填を完了す
る。
【0024】注入及び開孔6Bの閉じ方を図3〜図6に
示す。図3には蓋部5とグリップ3とを一体化した蓋付
きグリップでの注入手順(実線)を示し、図4にはその
際の蓋付きグリップの構造を示す。グリップ3は蓋部5
に相当する部位を一体成形した構造であり、開孔6Bを
塞ぐための蓋本体開口6Cを持つ。この挿入口に外部か
ら小片6Eを挿入接着して固定化して開口6Cを塞ぐ。
図3でステップS1が注入工程、ステップS2が小片6E
を閉じる工程を示す。この後で、ステップS3(破線)
で、図4のグリップ3をシャフトに装着させる作業を行
う。
【0025】図5は、蓋部5とグリップ3とを別体化し
た場合におけるグリップでの注入手順(実線)を示す。
図6はその際のグリップ3の構造を示す。図6のグリッ
プ3は、図1(a)、(b)のグリップに相当する。更
に、図5によれば、ステップS4で図6のグリップ3に
注入が行われ、ステップS5蓋部5をグリップ3に装
着、ステップS6でグリップ3をシャフト1へ装着す
る。ステップS6は注入後の手順となる。
【0026】シリコンバウンシングパテが水やアルコー
ルに弱いという観点及び若干の流動性を持つとの観点か
ら大気を完全に遮断する必要があり、図3〜図6で開孔
6Bを塞ぐための小片6Eと図1の5Bは、接着剤にて
固着または簡単に離脱しないようにする必要がある。例
えば、蓋5Bは図1(a)に示す如く、装着後に蓋部5
が開孔6Bから抜け出さないような断面T字形にしてお
くことが好ましい。小片6Eの先端も断面T字形にする
とぬけにくい。 (2)、天然または合成ゴムを加工してグリップを作る
過程で、バウンシングパテをゴム上に載せ内部に閉じ込
めて一体的に成形するやり方がある。この成形法では、
外部からの注入用開孔6Bは不要である。 (3)、前述の(1)では開孔6Bからパテを注入する
やり方をとったが、開孔6Bはグリップエンドに設けな
い例もある。
【0027】シャフト1へのグリップ3の装着法は以下
の如きやり方をとる。 (1)、図7にこの装着手順を示す。この際のグリップ
3は図1(a)、(b)のものである。従って、グリッ
プ3には蓋部5が既に装着されている。シャフト1のグ
リップ3を装着する基端部位の外周全面(または有効外
周部位)に、両面接着テープ(下巻テープとも云う)の
一方の面を、その上紙を取り除いた上で、接着する(ス
テップS10)。この場合、接着テープは基端部位の外周
上で互いに重なり合わないように接着する。接着テープ
の外周上での貼り方は、らせん状に巻くやり方またはシ
ャフトの軸方向に貼るやり方がある。基端部位の外周の
円周と同等の大きさの接着テープであれば1回巻回する
だけでよい。こうして貼り付けが完了した後で、接着テ
ープの他方の面の上紙を剥す。グリップの厚みを大きく
するには、こうした貼り付けを2重3重と行う。上紙を
剥した後で、グリップ3の内部空間(ここではシャフト
1の基端が挿入されるべき空間のこと)へ、接着テープ
の接着剤を溶かすべき溶剤を注ぎ込む(ステップ
11)。この注ぎ込み時には、グリップエンドの穴5A
及び端面蓋5の差込み開口5Bの孔を塞いで溶剤が外に
逃げないようにする。溶剤を注ぎ込んだ後で即座にグリ
ップ3をシャフト1の基端に挿入する(ステップ
12)。この時に、グリップ3内に入った溶剤をシャフ
ト1の下巻きテープに振りかけておくと、グリップ3が
シャフト1へ挿入しやすくなる。そして、シャフト1と
グリップ3とが正常な位置関係になるように即座に調整
する(ステップS13)。この後で所定の時間経過で溶剤
の一部は気化し、シャフトとグリップとの強固な接着が
なされる。 (2)、シャフト1に接着テープを貼り付けておくやり
方をとったが、そうでないやり方もある。グリップ3の
内部空間(ここではシャフト1の基端が挿入されるべき
空間のこと)に、溶剤に接着剤を溶かして得た接着剤溶
液を入れ、これにシャフト1の基端を挿入するやり方で
ある。接着テープを予め巻き付けておく手間が省ける利
点を持つが、接着剤の接着能力は高いものが必要であ
る。
【0028】図8は図1(a)、(b)のシリコンバウ
ンシングパテの外部変形周波数(変形速度)に対する内
部印加エネルギー(内部衝撃力、粘弾性率)の特性図で
ある。図8に示すように、シリコンバウンシングパテは
低い外部変形周波数(変形速度)に対しては内部印加エ
ネルギー(内部衝撃力、粘弾性率)が低く、高い外部変
形周波数(変形速度)に対しては内部印加エネルギー
(内部衝撃力、粘弾性率)が高い特性を示している。従
って、このバウンシングパテは遅い応力変化には極めて
柔軟に変形するが、速い応力変化には強い抵抗を示す物
質であることがわかる。従ってシリコンバウンシングパ
テはこのような物性から、グリップに要求される応力特
性を満足する素材や緩衝剤として優れている。
【0029】図1の(a)、(b)の構造の如きグリッ
プや図4の如きグリップを持つゴルフクラブにおいて、
ゴム製などのグリップ3の内部のバウンシングパテ充填
部6は図8のような特性を有することにより、図11
(b)に示したようにグリップ3を握る時には柔らかく
変形して左手の小指、薬指、中指があたかも埋没するよ
うに変形するため、両手のグリップ3への接触面積が飛
躍的に増大して指全体にしっくりとゆるみなくなじみ、
かつゴルフボールを打った時の衝撃時にもその状態が保
持されて形状が崩れない。従ってこのグリップ3によっ
てグリップが本来求められている機能を十分に満足でき
る。
【0030】また小さな力でグリップ3を変形させ、し
かもその変形状態は練習用グリップモデルのようにあら
かじめ外形が握り手に似せて固定して設定されたものと
違い、使用者の指の大きさ等に左右されることなく各使
用者の仕様に正確に順応するので汎用性が高く、特に多
くのアマチュアゴルファーや非力な女性ゴルファーにと
っては大きな効果をもたらす。またバウンシングパテの
衝撃吸収力により、手指もしくは手首、ひじなどへの衝
撃の悪影響を緩和して手首の腱鞘炎の防止にも効果があ
る。またインパクト時にゆるまないから従って滑らない
ため、特に雨の日などにクラブが滑って抜け飛ぶ危険性
及びクラブを損傷する危険性を少なくする。さらにグリ
ップが緩まず滑らないということは、左手グローブの摩
滅を最小限に止める効果をもたらして左手グローブの消
耗を改善する効果がある。
【0031】図9(a)、(b)は本発明のゴルフクラ
ブのグリップの他の実施例を示す縦断面図及び矢印A−
A横断面図である。図9(a)、(b)において、この
ゴルフクラブのシャフト1の基端に装着されるグリップ
3は、12個の中空空間を持ち、且つこの中空空間はグ
リップの肉厚部の円周に沿って等間隔に存在し、更に、
A−A断面でみた場合、軸対称配置円形断面形状をな
す。更に、12個の中空空間は、グリップの長手方向
に、プレーヤーの手の握り部分を充分にカバーするだけ
の長さ(図9(a)参照)を持つ。中空空間6の開孔6
Bは、その端部円周に沿ってフランジ形状をなし、更に
蓋部5の開孔6Bへの押入断面も略T字形をなす。尚、
グリップと蓋部とが別体でも、一体形成でも本実施例は
採用可能である。
【0032】図9(a)、(b)の構造のゴルフクラブ
のグリップ3において、ゴム製などのグリップ3の内部
のバウンシングパテ充填部は図8のような特性を有する
ことにより、従来のグリップよりも外径が大きくなって
もこのグリップ3を握った時に柔軟に変形するため、従
来のグリップ性能からすれば手により密着するようにな
じむので、より優れた性能を有している。
【0033】以上の実施例において、グリップ3は、独
立した商品として販売するやり方と、クラブの製造過程
で装着させるやり方とがある。どちらも採用できる。ま
た、パテを充填する中空空間は、実施例に限定されな
い。その形状(外形や内径や肉厚部分の形状やその大き
さ)や数、更に配置の仕方も種々可能である。例えば軸
対称ではない例、断面円形ではなく矩形形状例、長手方
向に1つの空間としたが2つ以上の独立した空間を設け
る例、2個のみの空間例、手の把持状況に合った異なる
厚みや大きさ(容量)を持つ空間例等種々がある。ま
た、上記各実施例以外の他のグリップとしても利用可能
である。更に、本実施例では、グリップの表面(手が触
れる側)が、握りやすく且つ離脱しがたく種々の形状を
とることも含まれる。また、グリップの内側(シャフト
に触れる部分)も装着しやすく且つ離脱しないような種
々の形状をとることも含まれる。
【0034】バウンシングパテを含浸したスポンジにつ
いて説明する。バウンシングパテ自体を使う代わりに、
ウレタンスポンジ等に含浸させたものを、中空空間に挿
着することもできる。ウレタンスポンジへの含浸に際し
ては、先ずシリコンバウンシングパテを溶剤(例えば酢
酸エチル)にて溶液化する。この含浸液にウレタンスポ
ンジを通して含浸させ、所定時間乾燥させることでバウ
ンシングパテを含浸したスポンジを得ることができる。
このスポンジは、スポンジ本来の持つ柔軟さ(変形しや
すさ)と共に、押圧された場合にバウンシングパテの働
きで衝撃に対して強い剛性を得るとの利点がある。かか
るスポンジを中空空間内にすきまなく押し込み、蓋で閉
じる。
【0035】このスポンジを充填した場合、スポンジの
持つ変形しやすさが好ましい場合と好ましくない場合と
があり、こうしたことを考慮して使用すること(グリッ
プを形成すること)が必要である。またグリップの素材
の弾性体の硬さや軟らかさとの相対的な関係で、含浸ス
ポンジを使用するか、バウンシングパテを使用するかを
決定することもある。また、含浸スポンジとバウンシン
グパテとを併用して使う例もある。
【0036】含浸スポンジの外観図を図12に示す。こ
のスポンジ200は、直方体の形状に切り取ったもので
あり、その大きさや形は切り取り方で種々である。こう
した含浸スポンジ200を中空空間内に押し込み隙間な
く詰め込みふたをしてグリップとして使う。尚、ウレタ
ンスポンジ以外に、気泡性の性質を持つプラスチックフ
ォームその他の一般素材への含浸もありうる。バウンシ
ングパテとして、シリコン型、及びほう素型としたが、
それ以外のバウンシングパテの適用を否定するものでな
い。
【0037】更に、図13(a)に示すように、天然ま
たは合成ゴム製の素材とバウンシングパテとを混合して
おき、これを固化してグリップ50として使う例もあ
る。また、図13(b)に示すようにグリップ自体を例
えば3層構造(51、52、53)とし、下層(シャフ
ト等の物体側に接する部分)51と上層53(手が触れ
る部分)とを天然または合成ゴム製とし、中間層をバウ
ンシングパテまたはゴムとの混合体とするやり方もあ
る。図13(c)に示すように2層54、55とし、下
層54を天然または合成ゴムとバウンシングパテとの混
合層とするやり方もある。尚、図13(a)〜(c)は
いずれも素材形態で開示してある。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、使用者がゴルフクラブ
のグリップを握る時に柔らかに変形して指全体にしっく
りとゆるみなくなじみ、かつ衝撃時にもその状態が保持
されるという本来グリップに要求される所要の機能を十
分に満たすことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は本発明のゴルフクラブのグリ
ップの一実施例を示す縦断面図及び矢印A−A横断面図
である。
【図2】本発明のゴルフクラブの外観実施例図である。
【図3】本発明の蓋付グリップのバウンシングパテの注
入手順を示す図である。
【図4】図3の手順でのグリップの実施例図である。
【図5】本発明の蓋なしグリップのバウンシングパテの
注入手順を示す図である。
【図6】図5の手順でのグリップの実施例図である。
【図7】本発明のシャフトへのグリップの装着手順を示
す図である。
【図8】図1(a)、(b)のバウンシングパテの変形
周波数に対する内部印加エネルギーの特性図である。
【図9】(a)、(b)は本発明のゴルフクラブのグリ
ップの他の実施例を示す縦断面図及び矢印A−A横断面
図である。
【図10】(a)、(b)は従来のゴルフクラブ及びグ
リップを例示する部分縦断面外観図及び縦断面図であ
る。
【図11】(a)、(b)はグリップ把持を説明する図
である。
【図12】本発明のシリコンバウンシングパテを含浸し
たスポンジの外観図である。
【図13】(a)、(b)、(c)はグリップの他の実
施例図である。
【符号の説明】
1 シャフト 3 グリップ 4 グリップ本体 5 グリップ本体端面ふた 6 バウンシングパテ(充填部)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴルフクラブのグリップ本体に内部空間
    を設け、その内部空間にバウンシングパテを充填して成
    るゴルフクラブのグリップ。
  2. 【請求項2】 ゴルフクラブのグリップ本体に内部空間
    を設け、その内部空間にバウンシングパテを含浸させた
    スポンジを充填して成るゴルフクラブのグリップ。
  3. 【請求項3】 ゴルフクラブのグリップ本体に複数個の
    軸対称配置の所定断面形状を持つ長手方向内部空間を設
    け、その内部空間にバウンシングパテを充填して成るゴ
    ルフクラブのグリップ。
  4. 【請求項4】 ゴルフクラブのグリップ本体に複数個の
    軸対称配置の所定断面形状を持つ長手方向内部空間を設
    け、その内部空間にバウンシングパテを含浸させたスポ
    ンジを充填して成るゴルフクラブのグリップ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかのグリップ本体
    は、弾性体部材より成るものとしたグリップ。
  6. 【請求項6】 シャフトの先端にヘッドを固定すると共
    に、シャフトの基端に請求項1〜4記載のいずれかのグ
    リップを装着固定してなるゴルフクラブヘッド。
  7. 【請求項7】 中空体のシャフトと、 シャフトの先端に固着したヘッドと、 シャフトの基端に装着固定され、肉厚部に中空空間を持
    ち、この中空空間にグリップエンドの開孔より挿着した
    バウンシングパテ(又はそれを含浸したスポンジ)を充
    填したゴム製グリップと、 グリップエンドに装着された、上記開孔閉じ用で且つシ
    ャフトの端部閉じ用の端面蓋部と、 より成るゴルフクラブ。
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