JPH08313546A - 変位感知機能を備えたカンチレバーユニットとその変位測定回路 - Google Patents

変位感知機能を備えたカンチレバーユニットとその変位測定回路

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JPH08313546A
JPH08313546A JP11732895A JP11732895A JPH08313546A JP H08313546 A JPH08313546 A JP H08313546A JP 11732895 A JP11732895 A JP 11732895A JP 11732895 A JP11732895 A JP 11732895A JP H08313546 A JPH08313546 A JP H08313546A
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JP
Japan
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displacement
cantilever
piezoresistive layer
piezoresistive
resistance
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Withdrawn
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JP11732895A
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Inventor
Hajime Takahashi
一 高橋
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】応力や温度による誤差を含まない変位信号を出
力する、変位感知機能を備えたカンチレバーユニットと
その変位測定回路を提供する。 【構成】カンチレバーユニットは、支持部材20、支持
部材20に支持されたV字形状のカンチレバー12、支
持部材20に設けられた二つの抵抗素子22と24を備
えている。カンチレバー12は、絶縁物質からなるレバ
ー部14と、その下面に設けられた下側圧電抵抗層16
と、上面に設けられた上側圧電抵抗層18とから構成さ
れている。下側圧電抵抗層16と上側圧電抵抗層18
は、同一の材料によって同じ形状、同じ厚さに作られて
おり、両者は同じ特性を有している。抵抗素子22と2
4の抵抗値は同じで、これらは圧電抵抗層16と18の
抵抗値に等しい。二つの圧電抵抗層16、18と二つの
抵抗素子22、24は、配線によって相互に接続され、
ホイトストーンブリッジを構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料表面の微小な凹凸
を測定する原子間力顕微鏡に用いるカンチレバーに関す
る。
【0002】
【従来の技術】原子間力顕微鏡(AFM)では、試料表
面の凹凸はカンチレバーの先端の上下方向の変位として
とらえられる。通常、カンチレバーの変位の検出は、光
てこ法による光学式変位センサーや臨界角法による光学
式変位センサーを用いて行なっている。
【0003】また、最近では、カンチレバー自体に変位
検出機能を設けた集積型カンチレバーが提案されてい
る。このような集積型カンチレバーは、例えば、「M. T
ortonese, H. Yamada, R. C. Barrett and C. F. Quat
e, "Atomic force microscopy using a piezoresistive
cantilever", Transducers and Sensors' 91」やPC
T出願WO92/12398に開示されている。
【0004】集積型カンチレバーは、上から見た形状が
V字状あるいはU字状となっており、その構造を図6に
模式的に示すように、レバー部102の下面に圧電抵抗
層104が設けられている。カンチレバー100の先端
の下面には探針108が固定されている。
【0005】圧電抵抗層104は、一般的な金属抵抗素
子を用いた歪みゲージと同様に、外部から力を受けて変
形すると、変形の程度すなわち歪み量に応じて抵抗値が
変化する。従って、カンチレバー100が変位すると、
その変位量に対応した分、圧電抵抗層104の抵抗値が
変わる。
【0006】前述の集積型カンチレバーでは、圧電抵抗
層104の両端に電圧を印加しておき、圧電抵抗層10
4の抵抗値の変化を調べることにより、カンチレバー1
00の変位を求めている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】測定時、カンチレバー
100の先端にある探針106は、図6に示すように、
試料108に接触させられる。探針106と試料108
の間には走査のために水平方向に相対的な移動が与えら
れる。例えば、図6に描かれるように、試料108がカ
ンチレバー100に対して左方向に移動する場合、試料
108の表面が全く平坦であっても、探針106と試料
108の間の摩擦μのために、探針106に水平方向の
力が加わり、この結果、カンチレバー100には引張応
力が働く。
【0008】レバー部102に設けられた圧電抵抗層1
04は、曲げ応力に対してだけではなく、引張応力に対
しても、抵抗値が変化する。従って、集積型カンチレバ
ーを用いて検出される変位信号は、純粋な上下方向変位
すなわち曲げ応力による歪み量に基づく成分の他に、引
張応力による歪み量に基づく成分をも含んだものとなっ
ている。言い換えれば、集積型カンチレバーで得られる
変位信号は、引張応力による歪み分の誤差を含んだもの
となっており、カンチレバーの上下方向の変位を正確に
反映したものとなっていない。
【0009】この事実から明かなように、純粋にカンチ
レバーの上下方向の変位に対応した、臨界角法による光
学式変位センサーで得られる変位信号とは、信号の性格
が異なっており、このため、両者の間の相関関係が取り
難いという不都合も生じる。
【0010】また、集積型カンチレバーでは、変位測定
時、圧電抵抗層104には常に電流が流れているため、
圧電抵抗層104は自分自身の発熱により温度が上昇す
る。物質の抵抗値は温度にも依存しているので、変位測
定の間、圧電抵抗層104の抵抗値は、同じ歪みであっ
ても、一定値を維持せず、変化して行ってしまう。従っ
て、集積型カンチレバーで得られる変位信号は、温度上
昇による抵抗値変動分の誤差を含んだものとなってお
り、カンチレバーの上下方向の変位を正確に反映したも
のとなっていない。
【0011】本発明は、このような事情を考慮してなさ
れたものであり、応力や温度による誤差を含まない変位
信号を出力する、変位感知機能を備えたカンチレバーユ
ニットとその変位測定回路を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、変位感知機能
を備えたカンチレバーユニットであって、支持部から延
びた絶縁性のレバー部と、レバー部の下側面に設けられ
たループ状の下側圧電抵抗層で、レバー部の先端を通
り、両端がレバー部の固定端に位置している下側圧電抵
抗層と、レバー部の上側面に設けられたループ状の上側
圧電抵抗層で、下側圧電抵抗層と同じ形状かつ同じ特性
の上側圧電抵抗層と、レバー部の固定端近くの支持部に
設けられた二つの抵抗素子で、共に圧電抵抗層と同じ抵
抗値を持つ二つの抵抗素子とを有しており、二つの圧電
抵抗層と二つの抵抗素子は、二つの圧電抵抗層が連結し
たホイトストーンブリッジを構成している。
【0013】その変位測定回路は、圧電抵抗層と抵抗素
子の連結部同士の間に一定電圧を印加する手段と、二つ
の圧電抵抗層の連結部と二つの抵抗素子の連結部の間の
電圧を測定する手段とで構成される。
【0014】あるいは、圧電抵抗層と抵抗素子の連結部
同士の間に交流電圧を印加する手段と、二つの圧電抵抗
層の連結部と二つの抵抗素子の連結部の間の電圧を測定
する手段とで構成される。
【0015】
【作用】圧電抵抗層と抵抗素子の連結部同士の間に電圧
を印加し、二つの圧電抵抗層の連結部と二つの抵抗素子
の連結部の間の電圧を測定する。この測定電圧は、後に
実施例の箇所で詳しく説明するように、応力による歪み
と温度変化による歪みによる影響を含んでおらず、純粋
にレバー部の曲がりを反映したものとなる。
【0016】ホイトストーンブリッジに印加する電圧が
一定電圧の場合には、レバー部の曲がりは測定電圧の値
から求められ、交流電圧の場合には、測定電圧の振幅か
ら求められる。
【0017】
【実施例】まず、第一実施例について図1〜図3を参照
して説明する。図1に示すように、カンチレバーユニッ
トは、支持部材20、支持部材20に支持されたV字形
状のカンチレバー12、支持部材20に設けられた二つ
の抵抗素子22と24を備えている。カンチレバー12
は、絶縁物質からなるレバー部14と、その下面に設け
られた下側圧電抵抗層16と、上面に設けられた上側圧
電抵抗層18とから構成されている。下側圧電抵抗層1
6と上側圧電抵抗層18は、同一の材料によって、同じ
形状、同じ厚さに作られており、両者は同じ特性を有し
ている。二つの抵抗素子22と24の抵抗値は同じで、
これらは圧電抵抗層16と18の抵抗値に等しい。な
お、図には描かれていないが、カンチレバー12の先端
部の下面には、好適には、探針が設けられている。
【0018】二つの圧電抵抗層16、18と二つの抵抗
素子22、24は、配線によって相互に接続されてい
て、ホイトストーンブリッジを構成している。このホイ
トストーンブリッジは、下側圧電抵抗層16の抵抗をR
b 、上側圧電抵抗層18の抵抗をRu 、抵抗素子22の
抵抗をRc1、抵抗素子24の抵抗をRc2とすると、図2
(A)で示され、その等価回路は図2(B)で示され
る。図2(B)において、Eはブリッジ電源の電圧、e
は出力電圧(変位信号)を示している。本実施例では、
ブリッジ電源には定電圧電源を想定している。また、図
示してないが、ブリッジ電源には、各抵抗の偏差や配線
の抵抗などによる初期不平衡を調整するための抵抗用バ
ランス回路が付加される。なお、交流電圧電源を用いる
例は、第二実施例で説明する。
【0019】次に、圧電抵抗層16と18に生じる歪み
について考察する。まず、図3(A)に示すように、カ
ンチレバー12に曲げの力FB がかかった場合について
考える。この場合、曲げの力FB が原因で生じる下側圧
電抵抗層16の歪みをεdb、上側圧電抵抗層18の歪み
をεubとすると、下側圧電抵抗層16は伸び、そのぶん
上側圧電抵抗層18は縮むので、εubとεdbの関係は、 εub=−εdb (1) となる。
【0020】次に、図3(B)に示すように、カンチレ
バー12に引っ張りの力FE がかかった場合について考
える。この場合、引っ張りの力FE が原因で生じる下側
圧電抵抗層16の歪みをεde、上側圧電抵抗層18の歪
みをεueとすると、下側圧電抵抗層16と上側圧電抵抗
層18が受ける力は、方向も大きさも等しいので、εue
とεdeの関係は、 εue= εde (2) となる。
【0021】従って、カンチレバー12に曲げの力FB
と引張の力FE が同時にかかった場合、上側圧電抵抗層
18に生じる歪みεu は、前述のεubとεueを用いて、 εu =εub+εue (3) で表される。同様に、下側圧電抵抗層16に生じる歪み
εd は、前述のεdbとεdeを用いて、 εd =εdb+εde (4) で表される。
【0022】さらに、温度変化により生じる下側圧電抵
抗層16の歪みεdt、上側圧電抵抗層18の歪みεut
加味すると、上側圧電抵抗層18に生じる歪みεu は、 εu =εub+εue+εut (5) 下側圧電抵抗層16に生じる歪みεd は、 εd =εdb+εde+εdt (6) で表される。
【0023】また、温度変化により生じる抵抗素子22
(Rc1)の歪みをεc1、抵抗素子24(Rc2)の歪みを
εc2とすると、図2(B)のホイトストーンブリッジの
出力電圧すなわち変位信号eは、ブリッジ電源の電圧を
E、各抵抗を歪みゲージと見なし、そのゲージ率をKs
とすると、 e= 1/4・E・KS ・(εu −εd −εc1+εc2) (7) で与えられる。この式は、高橋賞、河井正安共著「ひず
み測定入門」大成社刊(51ページ)に記載されてい
る。
【0024】ところで、(1)式、(2)式、さらに、 εut=εdt (8) εc1=εc2 (9) の関係から、(7)式は、 e= 1/4・E・KS ・(εu −εd +εc1−εc1) = 1/2・E・KS ・εub (10) となる。
【0025】(10)式から分かるように、ホイトストー
ンブリッジの出力信号すなわち変位信号eは、引張応力
による歪みと温度変化による歪みを含んでおらず、従っ
て、カンチレバー12の曲がり即ち先端の上下変位に対
応していることが分かる。
【0026】また、ノイズに関して言えば、ホイトスト
ーンブリッジは被測定対象の近くに位置するので、ノイ
ズレベルはほぼ等しいと考えられる。従って、機械的ノ
イズや電気的ノイズもキャンセルされると期待できる。
【0027】このように、本実施例によれば、応力や温
度による誤差を含まないカンチレバー先端の変位信号が
得られる。続いて、第二実施例について図4と図5を参
照して説明する。本実施例は、ホイトストーンブリッジ
の印加電圧に交流電圧を用いた例である。
【0028】ブリッジ電源に交流電源を用いた場合に
は、各抵抗の容量は無視できないため、図1のカンチレ
バーユニットの等価回路は図4に示すようになるため、
容量バランスをとる必要がある。
【0029】本実施例では、図5に示すように、ブリッ
ジ回路30には、ブリッジ電源として交流電源32が接
続されている。抵抗の初期不平衡を調整するための抵抗
用バランス回路38、容量の初期不平衡を調整するため
の容量用バランス回路40が設けられている。また、ブ
リッジ回路30の出力信号を増幅する増幅器34、検波
回路36が設けられている。
【0030】ブリッジ回路30からの出力信号は、交流
電源32からの交流搬送波が抵抗の歪みの現象波形で振
幅変調されたものとなる。振幅変調された出力信号は、
増幅器34で増幅された後、検波回路36で搬送波と比
較され、歪みの現象波形が検波される。
【0031】第一実施例で説明したように、ブリッジ回
路30の出力信号eは、引張応力による歪みと温度変化
による歪みを含んでいないので、検波回路36で得られ
る現象波形は、純粋にカンチレバー12の先端の上下変
位に対応したものとなる。従って、応力や温度による誤
差を含まないカンチレバー先端の変位信号が得られる。
【0032】本実施例では、ブリッジ電源に交流電源を
用いているため、容量用バランス回路40を余計に設け
る必要があるものの、定電圧電源を用いる場合に比べ
て、抵抗の発熱が少なくなり、温度ドリフトの影響が少
なくなるという利点がある。また、熱起電力も非常に小
さい。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、応力や温度による誤差
を含まない変位信号を出力する、変位感知機能を備えた
カンチレバーユニットとその変位測定回路が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例のカンチレバーユニットの
構成を示す図である。
【図2】(A)は図1の各抵抗の結線の様子を示す図
で、(B)はその等価回路を示す図である。
【図3】(A)はカンチレバーに曲げの力がかかったと
きの様子を示す図で、(B)は引張応力がかかったとき
の様子を示す図である。
【図4】ブリッジ電源に交流電源を用いた場合におけ
る、図1のカンチレバーユニットの等価回路を示す図で
ある。
【図5】本発明の第二実施例による、ブリッジ電源に交
流電源を用いた場合の検出回路の構成を示す図である。
【図6】従来例のカンチレバーの構成とその課題を説明
するための図である。
【符号の説明】
14…レバー部、16…下側圧電抵抗層、18…上側圧
電抵抗層、20…支持部材、22、24…抵抗素子。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変位感知機能を備えたカンチレバーユニッ
    トであって、 支持部から延びた絶縁性のレバー部と、 レバー部の下側面に設けられたループ状の下側圧電抵抗
    層で、レバー部の先端を通り、両端がレバー部の固定端
    に位置している下側圧電抵抗層と、 レバー部の上側面に設けられたループ状の上側圧電抵抗
    層で、下側圧電抵抗層と同じ形状かつ同じ特性の上側圧
    電抵抗層と、 レバー部の固定端近くの支持部に設けられた二つの抵抗
    素子で、共に圧電抵抗層と同じ抵抗値を持つ二つの抵抗
    素子とを有し、 二つの圧電抵抗層と二つの抵抗素子が、二つの圧電抵抗
    層の連結したホイトストーンブリッジを構成している、
    変位感知機能を備えたカンチレバーユニット。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のカンチレバーユニットの
    レバー部の先端の変位を測定するための変位測定回路で
    あって、 圧電抵抗層と抵抗素子の連結部同士の間に一定電圧を印
    加する手段と、 二つの圧電抵抗層の連結部と二つの抵抗素子の連結部の
    間の電圧を測定する手段とを有している、変位測定回
    路。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のカンチレバーユニットの
    レバー部の先端の変位を測定するための変位測定回路で
    あって、 圧電抵抗層と抵抗素子の連結部同士の間に交流電圧を印
    加する手段と、 二つの圧電抵抗層の連結部と二つの抵抗素子の連結部の
    間の電圧を測定する手段とを有している、変位測定回
    路。
JP11732895A 1995-05-16 1995-05-16 変位感知機能を備えたカンチレバーユニットとその変位測定回路 Withdrawn JPH08313546A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102689869A (zh) * 2011-03-24 2012-09-26 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 平面内谐振式直拉直压微悬臂梁结构及制备方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102689869A (zh) * 2011-03-24 2012-09-26 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 平面内谐振式直拉直压微悬臂梁结构及制备方法

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Legal Events

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Effective date: 20020806