JPH0830298A - 音声符号化装置 - Google Patents

音声符号化装置

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JPH0830298A
JPH0830298A JP6167672A JP16767294A JPH0830298A JP H0830298 A JPH0830298 A JP H0830298A JP 6167672 A JP6167672 A JP 6167672A JP 16767294 A JP16767294 A JP 16767294A JP H0830298 A JPH0830298 A JP H0830298A
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JP
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vector
statistical
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Application number
JP6167672A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Asakawa
吉章 淺川
Hidetoshi Sekine
英敏 関根
卓 ▲高▼島
Taku Takashima
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】4kbps以下の低ビットレートでも高品質な復号
音声品質を得ることの出来る音声符号化装置を提供す
る。 【構成】CELP型音声符号化装置の統計コードブック
検索部である第一の部分相互相関計算部403で、長期
予測ベクトルと打切りインパルス応答との部分相互相関
を計算する。第二の部分相互相関計算部405で、入力
音声と打切りインパルス応答との部分相互相関を計算す
る。部分パワー計算部407で、打切りインパルス応答
の部分パワーを計算する。第二の誤差評価部で、上記結
果を用いて、長期予測ベクトルに直交化させてパルスコ
ードベクトルを検索するための誤差評価を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低ビットレートで高品
質な合成音声を得るに好適な音声符号化装置に係り、特
に、比較的少ない処理量で4kbps以下のビットレートに
適用できる音声符号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】合成音声と原音声の重み付き誤差を評価
し、その誤差を最小化するように符号化パラメータを決
定する「合成による分析」手法を取り入れた音声符号化
方式が最近提案され、低ビットレートでも比較的良好な
音声品質を得ることに成功している。代表的なものとし
て符号駆動線形予測符号化(CELP)方式(例えば、コ
ード エキサイテッド リニア プレディクション(C
ELP)“(Code-excitedlinear prediction)”,Proc. I
CASSP 85 (1985.3))があり、4.8kbpsで実用的な音声
品質を達成している。また、CELP方式の改良方式も
多数提案されており、例えば、ベクトル和駆動線形予測
符号化(VSELP)方式(例えば、ベクター サム
エクサイテッド リニア プレディクション(VSEL
P)スピーチ コーディング アト 8kbps“(Vector
sum excited linear prediction (VSELP) speech codi
ng at 8kbps)”,Proc. ICASSP 90 (1990.4))は、処理
量やメモリ容量,ビット誤り耐性の点で優れている。
【0003】一方、移動無線通信のディジタル化が本格
化し、周波数の有効活用の観点から、より低ビットレー
ト(4kbps以下)の音声符号化方式の開発が望まれてい
る。CELPやVSELPを単純に低ビットレート化し
ようとすると、品質劣化が大きくなり限界がある。これ
は適応コードブック検索による長期予測精度が低下し、
周期成分の再現性が低下する結果、復号音声の雑音感が
強くなるためである。そこで、従来の統計音源(雑音性
音源)の他に、パルス音源を導入し、周期性の再現性を
高める方式が提案されている。
【0004】本発明の発明者らは、特願平4−276991号
及び特願平4−345902号で、一定振幅で等間隔のパルス
列をコードベクトルとするCELP型音声符号化装置の
効率的なコードブック検索方法を考案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、CELP型音
声符号化装置では、現実的な処理量で実現するために、
適応コードブックの検索と統計コードブックの検索を逐
次的に実行することが多い。しかし、逐次検索は準最適
解を求めることになるため、適応コードブックと統計コ
ードブックを同時に検索する場合に比べ、復号音声と原
音声の誤差が大きくなり、音質が劣化するという問題が
ある。
【0006】この問題に対し、適応コードブックの検索
結果として得られる長期予測ベクトルに対して統計コー
ドベクトルを直交化し、統計コードベクトルに含まれる
長期予測ベクトルに従属な成分を除去してから統計コー
ドブックを検索する手法が提案されている。しかし、統
計コードブックに格納されているコードベクトル全てを
長期予測ベクトルに対して直交化する必要があるため、
処理量の大幅な増加が避けられない。
【0007】本発明の目的は、パルス音源の特徴を利用
した効率的な直交化方法を提案することにより、比較的
低処理量で高品質な復号音声の得られる音声符号化装置
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の統計コードブック検索部には、インパルス
応答計算部と第一の部分相互相関計算部,第一の部分相
互相関メモリ,第二の部分相互相関計算部,第二の部分
相互相関メモリ,部分パワー計算部,部分パワーメモ
リ,誤差評価部を具備する。
【0009】
【作用】インパルス応答計算部では、LPC分析部で抽
出されたLPC係数を用いて重み付き合成フィルタのイ
ンパルス応答を計算する。このインパルス応答は、あら
かじめ定められた長さで打ち切られ、打切りインパルス
応答が得られる。
【0010】次に、第一の部分相関計算部では、適応コ
ードブック検索の結果得られる長期予測ベクトルの1サ
ンプルずつ始点をずらした部分における、上記一定長に
打ち切られたインパルス応答との相互相関値(部分相互
相関値)を計算し、各始点ごとの部分相互相関値を第一
の部分相互相関メモリに格納する。
【0011】第二の部分相互相関計算部では、長期予測
ベクトルの代わりに重み付き入力音声に対して同様の処
理を行い、第二の部分相互相関メモリに結果を格納す
る。
【0012】部分パワー計算部では、各始点における打
切りインパルス応答の部分パワーを計算し、部分パワー
メモリに格納する。
【0013】誤差評価部では、パルス音源コードベクト
ルのパルス位置情報に基づき、第一及び第二の部分相互
相関メモリと部分パワーメモリから対応する位置の第一
及び第二の部分相互相関値と部分パワー値を読み出し、
評価関数(誤差関数と等価)の計算を行い、最適なコー
ドベクトルを選択する。この時、パルス音源コードベク
トルは、長期予測ベクトルに対して直交化してから選択
するのと等価な効果が得られる。
【0014】
【実施例】本発明は、符号駆動線形予測(CELP)音
声符号化方式に基づいているので、具体的な実施例の説
明に先立って、まずCELP方式の原理について説明す
る。
【0015】図1はCELPの符号化部における駆動音
源決定の原理図である。同図では、音源の周期性を表す
成分として適応コードブック108の出力である長期予
測ベクトル110と、周期性以外の成分(ランダム性,
雑音性)として統計コードブック109の出力であるコ
ードベクトル111にそれぞれの利得112,113を
乗じて加算した荷重和114を駆動音源としている。
【0016】最適な駆動音源を得るためのコードブック
の検索は次のようにしてなされる。一般に駆動音源を合
成フィルタに入力して得られる合成音声が、原音声(入
力音声)に一致するような駆動音源が得られれば良い
が、実際にはなんらかの誤差(量子化歪)を伴う。した
がってこの誤差を最小化するように駆動音源を決定すれ
ば良いことになるが、人間の聴覚特性は必ずしも誤差量
と音声の主観品質の対応が取れないことが知られてい
る。そこで聴覚特性との対応が良くなるように重み付け
した誤差を用いるのが一般的である。聴覚重み付けにつ
いては、例えば次の文献に記載されている(ア ニュー
モデル オブ エルピーシー エクサイテーション
フォー プロデューシング ナチュラル−サウンディン
グ スピーチ アト ロー ビット レイツ“(A new
model of LPC excitation forproducing natural-sound
ing speech at low bit rates)", Proc. ICASSP 82(1
982.5))。
【0017】この聴覚重み付け誤差を評価するために、
駆動音源114は重み付け合成フィルタ105に入力さ
れ、重み付け合成音声116を得る。入力音声101も
聴覚重み付けフィルタ104を通して重み付け入力音声
115を得、重み付け合成音声116との差を取って重
み付け誤差波形117を得る。なお、聴覚重み付けフィ
ルタ104と重み付け合成フィルタ105のフィルタ係
数は、あらかじめ入力音声101をLPC(線形予測)
分析部102に入力して得られたLPCパラメータ10
3によって決められる。
【0018】重み付け誤差波形117は、2乗誤差計算
部118で誤差評価区間にわたって2乗和を計算され、
重み付け2乗誤差119が得られる。前述のように駆動
音源は長期予測ベクトルと統計コードベクトルとの荷重
和であるから、駆動音源の決定は、各コードブックから
どのコードベクトルを選択するかを決めるコードベクト
ル指標の決定に帰着する。すなわち、長期予測ラグ10
6とコードベクトル指標107を順次変えて重み付け2
乗誤差119を算出し、誤差最小化部120で重み付け
誤差が最小となるものを選択すれば良い。このような駆
動音源決定法を「合成による分析」法と呼んでいる。
【0019】この様にして最適な駆動音源が決定した
ら、長期予測ラグ106,コードブック指標107,利
得112,113、及びLPCパラメータ103を伝送
パラメータとして多重化部121で多重化し、送信デー
タ122とする。また、この時の駆動音源114を用い
て、適応コードブック108の状態が更新される。
【0020】上述の「合成による分析」法を忠実に実行
しようとすると、すなわち、毎回重み付け誤差を評価し
ながら長期予測ラグと統計コードベクトルの指標を同時
に最適化しようとすると、膨大な処理量となる。そのた
め、実際には逐次最適化等の手法が用いられる。
【0021】一方、復号部における処理を図2に示す。
まず受信データ222が多重分離部221で各種パラメ
ータに分離される。長期予測ラグ206に基づき適応コ
ードブック208を検索し、長期予測ベクトル210を
出力する。また、コードブック指標207に基づき統計
コードブック209を検索し、音源ベクトル211を出
力する。長期予測ベクトル210と音源ベクトル211
にそれぞれの利得212と213を乗じ、加算した信号を
駆動音源214として合成フィルタ230に入力する。
合成フィルタのフィルタ係数は、LPCパラメータ20
3によって決まる。ポストフィルタ231は必須ではな
いが、合成音声の主観的品質を改善するために多用さ
れ、その出力が出力音声232となる。
【0022】本発明の実施例の音声符号化装置の符号化
部を図3に、復号化部を図4に示す。本実施例は、上述
のCELP方式の原理に基づいて構成されたものである
が、適応コードブック検索と統計コードブック検索は逐
次的に成される。また、統計コードブックに格納されて
いるコードベクトルは、一定振幅で等間隔のパルス列で
ある。
【0023】音声符号化部では、所定の標本化周波数
(通常8kHz)でA/D変換されたディジタル音声信
号11が入力される。
【0024】短期予測分析部(LPC分析部)12は分
析フレーム長の音声データ11を読みだし、短期予測係
数を算出する。フレーム長は、例えば、40ms(32
0サンプル)程度である。
【0025】短期予測係数は、適当な方法で量子化さ
れ、量子化指標18が伝送パラメータとして出力され
る。また、短期予測係数の量子化値17が、次段以降の
処理で参照される。
【0026】さらに、入力音声11は聴覚重み付けフィ
ルタ19で重み付けられ、重み付け音声が得られる。こ
の重み付け音声から重み付け合成フィルタの過去の内部
状態の影響を取り除いたものを求め、これを新たに重み
付け入力音声24とする。
【0027】長期予測分析は、サブフレームごとに適応
コードブックの検索によって実行されるので、以下では
適応コードブック検索と呼ぶ。ここで、サブフレーム長
は、例えば、10ms(80サンプル)程度である。適
応コードブック検索部25で、音声の周期性を表すパラ
メータである長期予測ラグ28と長期予測利得53,長
期予測ベクトル58が抽出され、長期予測ラグの指標3
0と長期予測利得指標52aが伝送パラメータとして出
力される。また、適応コードブックの検索に用いた一部
のパラメータが、統計コードブック検索部36に供給さ
れる。
【0028】統計コードブック検索部(パルス音源検索
部)36では、統計コードブック(パルス音源コードブ
ック)38に格納されているコードベクトルに重み付け
合成フィルタ処理を施し、長期予測ベクトルと直交化さ
せた後に誤差評価を行い、最適なコードベクトル50と
その時の利得54を出力する。コードベクトル50の指
標(インデクス)49と利得の指標52bが伝送パラメ
ータとして出力される。
【0029】音源生成部60では、長期予測ベクトル5
8,長期予測利得53,統計コードベクトル50,統計
コードベクトル利得54を用いて駆動音源55を作成
し、適応コードブック26の更新に用いる。
【0030】図4の音声復号化部では、受信符号復号器
62により、伝送符号61から、長期予測ラグの指標6
3,同利得80,統計コードベクトルのインデクス6
4,同利得79,LPC情報符号67が分離復号され
る。
【0031】長期予測ベクトル復号器71では長期予測
ラグの指標63に基づき、適応コードブック68から長
期予測ベクトル69を読み出す。同様に、統計コードベ
クトル復号器72では、インデクス64に基づき、統計
コードブック70からコードベクトル77を読み出す。
【0032】音源生成器90では、長期予測ベクトル6
9,同利得80,統計コードベクトル77,同利得79
を用いて駆動音源84を作成し、合成フィルタ85へ供
給するとともに適応コードブック68の更新に用いられ
る。
【0033】駆動音源84を、合成フィルタ85に入力
することによって、合成音声86が得られる。合成フィ
ルタ85のフィルタ係数は、短期予測パラメータの量子
化指標67に基づいてLPC復号器81により復号され
た短期予測パラメータ82が用いられる。合成フィルタ
の後に、主観的な音質を向上させる目的で、ポストフィ
ルタが接続されることもある。
【0034】復号音声(ディジタル信号)はDA変換さ
れ、アナログ音声に変換され、出力される。
【0035】以下では、本発明の主要部分の詳細な機能
について説明する。
【0036】図3における重み付けフィルタ19の伝達
関数は数1の通りである。
【0037】
【数1】
【0038】ここにαi はフィルタ係数(線形予測係
数)、Npはフィルタ次数でたとえばNp=10、λは
重み付けパラメータで通常λ=0.8である。
【0039】図5に適応コードブック検索部25の詳細
ブロック図を示す。重み付け合成フィルタ301の伝達
関数は数2の通りである。
【0040】
【数2】
【0041】この合成フィルタ21は重み付けパラメー
タλを含んでいる点が、復号側の合成フィルタと異なる
点である。
【0042】このフィルタ301に適応コードブック2
6から読み出された長期予測ベクトル40を入力し、重
み付け長期予測ベクトル302とする。ここで、長期予
測ベクトル40をbL(n),重み付け長期予測ベクトル
302をb′L(n)と表記する。Lは長期予測ラグの値
を示し、ラグの検索範囲としてあらかじめ定められた範
囲の値を取る。また、nはサブフレーム内の位置を示
す。
【0043】第一の誤差評価部303では、以下の処理
がなされる。長期予測ラグの検索は、数3に示す誤差E
L を最小化するようなラグLを検索することである。
【0044】
【数3】
【0045】ここで、p(n)は重み付け入力音声24
を、βL はラグLに対する最適利得を示す。誤差EL
最小化は、(CL)2/GLの最大化に帰着することが知ら
れている。ここに、CLおよびGLはそれぞれ数4,数5
で与えられる。
【0046】
【数4】
【0047】
【数5】
【0048】検索対象となる全てのLに対して(CL)2
L を計算し、これを最大化するラグを改めてLと置
く。また、この時の最適利得はβL=CL/GL として求
まる。最適なラグL,利得βL,長期予測ベクトルb
L(n)をそれぞれ28,53,58として出力する。ま
た、重み付け長期予測ベクトルb′L(n)と計算過程で
求めたCL,GLを併せて42として出力する。
【0049】次に、統計コードブック検索部36につい
て説明する。図6は統計コードブック検索部36のブロ
ック図である。図6の説明に先立ち、誤差評価式から説
明する。
【0050】本実施例では、適応コードブックと統計コ
ードブックは逐次的に検索することを前提としている
が、統計コードベクトルを長期予測ベクトルに直交化さ
せない場合は、ターゲットベクトルとして数6を用い
る。
【0051】
【数6】
【0052】この時、誤差評価式は数7のようになる。
【0053】
【数7】
【0054】ここで、f′i(n)は統計コードベクトル
(パルス音源ベクトル)fi(n)を重み付け合成フィル
タに通過させた後のベクトルを示す。なお、iは統計コ
ードブックのインデクスを示す。このf′i(n)に対
し、直交化を施した場合の誤差評価式を説明する。
【0055】以下の数8乃至数11は、直交化方法の一
例である。
【0056】
【数8】
【0057】
【数9】
【0058】
【数10】
【0059】
【数11】
【0060】ここで、数11のf″i(n)が直交化後の
ベクトルである。誤差評価式は、数12に示すEi であ
る。
【0061】
【数12】
【0062】数12と数7を比較すると、数12の右辺
第二項が直交化によって付加された項であることが分か
る。数12の最小化は適応コードブックの検索と同様
に、(Ci)2/Giの最大化に帰着する。ここで、Ci
iはそれぞれ数13,数14である。
【0063】
【数13】
【0064】
【数14】
【0065】数8から数14までの一連の計算で、数8
は適応コードブック検索の過程で計算したGLであり、
数13の右辺第二項のΣの項は同じくCLであるため、
新たに計算しなおす必要はない。その結果、長期予測ベ
クトルに直交化させた場合の統計コードブック検索で処
理量が多いのは、数9と数13の右辺第一項の相互相関
計算と、数14の右辺第一項のパワー計算であることが
分かる。
【0066】本実施例では、統計コードベクトルは一定
振幅の等間隔のパルス列であるため、特願平4−276991
号で発明した、打切りインパルス応答を用いた処理量削
減手法が適用可能である。
【0067】相互相関とパワーは、本来ならばf′
i(n)が変わるごとに(指標iを更新するごとに)計算
しなおす必要がある。一方、b′L(n)とp(n)(0≦
n≦N−1、Nはサブフレームのサンプル数)と重み付
け合成フィルタのインパルス応答h(n)はあるサブフレ
ームでは一定である。ここで次数をLmin で打ち切った
インパルス応答をh′(n)(0≦n≦Lmin)とし、数
15で表されるaj(0≦j≦N−1)をあらかじめ計
算しておく。
【0068】
【数15】
【0069】aj は、図7に示すように、h′(n)の位
置を1サンプルずつシフトしたときの、h′(n)に対応
するp(n)の部分との相互相関を示してしている。
【0070】h′(n)はLmin で打ち切られているの
で、検索対象のいかなるパルス音源に対してもパルス間
でのオーバラップが生じない。したがって、数13の右
辺第一項を求めるには、例えば、図8に示すように、パ
ルス音源fi(n)のパルス位置がP1,P2,P3だっ
たとすると、あらかじめ計算してあるaj のうち、aP1
とaP2,aP3の和を計算すれば良いことになる。よっ
て、f′i(n)が変わるごとに行うべきインパルス応答
の畳み込みの計算が、あらかじめサブフレームに1回計
算してある部分相互相関の和に置き換えられることによ
り、処理量の大幅な低減が可能となる。まったく同様の
ことが、数9のb′L(n)とf′i(n)の相互相関計算に
も適用できる。
【0071】同様な手法が数14の右辺第一項のf′
i(n)のパワー計算についても適用できる。すなわち、
あらかじめ数16で定義されるgjを計算しておく。
【0072】
【数16】
【0073】なお、数16の示すとおり、0≦j≦N−
Lmin の場合はgj の値は一定になるので、g0 のみ計
算しておけば良い。パワーの計算も相互相関の場合と同
様に、fi(n)のパルス位置に対応したgjの和を求める
ことによって実現できる。
【0074】以上のことを、図6に戻って説明する。
【0075】インパルス応答計算部401は、重み付け
合成フィルタのインパルス応答を計算し、長さLmin で
打ち切られた打切りインパルス応答402を出力する。
なお、重み付け合成フィルタは図5における重み付け合
成フィルタ301と同一のものであり、かつ、インパル
ス応答はサブフレームに1回だけ計算すれば良いので、
適応コードブック検索部25で計算し、その結果を用い
ても良い。
【0076】第一の部分相互相関計算部403は、重み
付け合成フィルタ通過後の長期予測ベクトル42a
(b′L(n))と打切りインパルス応答の部分相互相関を
計算する部分であり、各始点における部分相互相関値を
第一の部分相関メモリ404に格納する。
【0077】同様に、第二の部分相互相関計算部は、重
み付け入力音声24(p(n))と打切りインパルス応答4
02の部分相互相関を計算する部分であり、結果を第二
の部分相関メモリ406に格納する。部分パワー計算部
は、各始点における打切りインパルス応答の部分パワー
を計算する部分であり、結果を部分パワーメモリ408に
格納する。以上の処理は、サブフレームに1回だけ実行
すれば良い。
【0078】第二の誤差評価部412は、基本的には数
8から数14の計算を行う訳であるが、数8及び数13
の右辺第二項のΣの項は、適応コードブック検索で計算
してあるGLとCLの値を使用する。GLとCLはそれぞれ
42b,42cとして適応コードブック検索部25から
供給される。また、数9及び数13の右辺第一項の相互
相関の計算は、部分相互相関値の加算によって実現す
る。具体的には、統計コードブックからの情報41とし
てパルス音源のパルス位置を入力し、第一または第二の
部分相関メモリからパルス位置に対応する部分相互相関
値を読み出し、それぞれを加算する。数14の右辺第一
項のパワー計算でも同様である。
【0079】本発明の実施例では、統計コードブック
(パルス音源コードブック)の検索で、処理量の増加を
ほとんど伴わずに、長期予測ベクトルとの直交化を行っ
た上で検索を行うことができる。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、一定振幅で等間隔のパ
ルス列をコードベクトルとするCELP型音声符号化装置
で、処理量の増加をほとんど伴わずに、長期予測ベクト
ルに直交化させてコードブック検索を行うことができる
ので、復号音声の品質が改善される。この結果、4kbps
以下のビットレートでも良好な音声品質の音声符号器を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CELP符号器の説明図。
【図2】CELP復号器の説明図。
【図3】本発明の一実施例の音声符号化装置の符号化部
のブロック図。
【図4】本発明の第二実施例の音声符号化装置の復号化
部のブロック図。
【図5】適応コードブック検索部のブロック図。
【図6】統計コードブック検索部のブロック図。
【図7】部分相互相関計算法の説明図。
【図8】簡略化畳み込み演算の説明図。
【符号の説明】
41…統計コードブック、401…インパルス応答計算
部、403…第一の部分相互相関計算部、404…第一
の部分相互相関メモリ、405…第二の部分相互相関計
算部、406…第二の部分相互相関メモリ、407…部
分パワー計算部、408…部分パワーメモリ、412…
第一の誤差評価部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】符号化部に線形予測分析部,重み付けフィ
    ルタ,適応コードブック,適応コードブック検索部,統
    計コードブック,統計コードブック検索部を含むCEL
    P型音声符号化装置において、前記統計コードブックに
    は一定振幅で等間隔のパルス列が格納されており、前記
    適応コードブック検索部は重み付け合成フィルタと第一
    の誤差評価部から成り、前記統計コードブック検索部は
    インパルス応答計算部,第一の部分相互相関計算部,第
    一の部分相互相関メモリ,第二の部分相互相関計算部,
    第二の部分相互相関メモリ,部分パワー計算部,部分パ
    ワーメモリを含むことを特徴とする音声符号化装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記統計コードブック
    検索部の処理に、前記適応コードブック検索部の処理結
    果を用いる音声符号化装置。
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