JPH08286958A - ジョブスケジューリング解析方法 - Google Patents

ジョブスケジューリング解析方法

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JPH08286958A JP7087966A JP8796695A JPH08286958A JP H08286958 A JPH08286958 A JP H08286958A JP 7087966 A JP7087966 A JP 7087966A JP 8796695 A JP8796695 A JP 8796695A JP H08286958 A JPH08286958 A JP H08286958A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のジョブが並行実行可能な計算機システ
ムにおいて、バッチ処理を実施する前に、効率的なジョ
ブスケジューリング案を提供するとともに、システム構
成に変更があった場合の影響を変更前に予測すること。 【構成】 過去のジョブ実行履歴115をもとに各ジョ
ブの実行開始条件を決定し、上記実行履歴情報から、上
記各ジョブの実行時間を求める。ジョブ多重度増減など
のシステム運用上の変更をパラメタ情報114として与
えられた場合に、そのパラメタを条件として付加してシ
ミュレーション部104でシミュレーションを行い、そ
の結果をジョブスケジュール案として提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のジョブが並行し
て動作することが可能な計算機システムにおけるジョブ
スケジューリング解析方法に関し、特に、構成の異なる
計算機システムに移行する際に有効なジョブスケジュー
リング解析方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、大規模なバンキングシステムにお
けるオンライン処理や流通業における商品管理をするた
めのオンライン処理では、顧客サービスの向上を図るた
めに、数多くの業務が実施されている。オンライン処理
には、その業務で取り扱ったデータを集計するための一
括データ処理(バッチ処理)が付随している。オンライ
ン処理量の増加やオンラインサービスの種類の多様化に
伴い、バッチ処理量は増大し、その処理内容も複雑化し
つつある。一般に、オンライン処理を行うジョブをオン
ラインジョブ、バッチ処理を行うジョブをバッチジョブ
と呼ぶ。これらの増大化しつつある業務に対処するため
に、複数のCPUを用意した計算機システムの構築を行
い、そのシステムでバッチ業務を実施する傾向にある。
この複数CPUを有するシステム構築手法として、複数
台のCPUを一つの主記憶装置を共有して一つのオペレ
ーティングシステム(OS)で動作するシステム(密結
合マルチプロセサシステム)がある。もう一つのシステ
ム構築手法として、独立したCPUおよび主記憶装置を
持つ複数個の計算機を、チャネル間結合装置などで結合
させたシステム(疎結合マルチプロセサシステム)があ
る。
【0003】上述した両方の構築手法によるシステムに
おいては、短時間でバッチ処理が完了するように効率の
よいジョブスケジュールを編成する必要がある。特に、
疎結合マルチプロセサシステムでは、複数の独立したO
Sが動作するため、OS間で相互に連携をとりながら業
務を遂行する必要がある。そこで、バッチ処理を効率よ
く実施させる従来の手法として、特開平5−17380
7号公報や特開平6−68052号公報に開示されたも
のがある。この2件は、疎結合マルチプロセッサシステ
ム上で、負荷が均等化されるように動的に資源の利用率
を測定し、スケジューリングを行うジョブ分散方式に関
するものである。すなわち、上記特開平5−17380
7号公報に記載されたものは、一定時間毎にシステムの
資源負荷量を測定する資源負荷測定手段を設け、そこで
の測定結果に応じてジョブ実行多重度を動的に変更させ
るものである。また、上記特開平6−68052号公報
に記載されたものは、一定時間間隔でプロセッサの使用
率を測定するプロセッサ使用率監視部を設け、最も負荷
の低いプロセッサにジョブを自動的に割り当てる機能に
関するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、業務の多様化や
データ量の増加に伴い、バッチ処理が複雑化しているこ
とは前述の通りである。ジョブの処理時間を短縮するた
めの方法として、計算機のCPU性能を上げるかまたは
ジョブ全体を高多重化する手段が考えられる。しかしな
がら、前者の単一CPU性能を上げるには現在の技術で
ほぼ限界が現れており、今後、後者のジョブの高多重化
が必須になるのは確実と考えられる。しかし、これらの
複雑なバッチジョブの相関関係を崩さずに、バッチジョ
ブの高多重化を実現するには、ジョブのスケジューリン
グの効率化を行わなければ、マルチプロセサシステムの
計算機資源を有効に活用することにはならない。上記2
つの公開公報に記載された従来技術は、既に構築された
システム上でのジョブ実行中に動的にジョブスケジュー
リングを決定するものである。これは、ジョブが実行さ
れる際に、そのジョブ単体に対してスケジューリングの
効率化を図るもので、ジョブ全体に対しての測定を行っ
てスケジューリングの効率化を行うものではなかった。
また、これらの従来技術は、既に構築されたシステムで
ジョブを実行する場合に適用されるものであり、システ
ム構成の変更を行う場合の前もったジョブスケジューリ
ング評価に利用することができなかった。
【0005】オンラインジョブが時間に依存したジョブ
であるのに対し、一括データ処理であるバッチジョブは
決まった入力ファイルに対し一定の処理を行う開始時刻
に依存しないという性質を持つ。このような複数のジョ
ブが定期的に繰り返されるような形態であるジョブに関
しては、過去のジョブ実行履歴をもとに、その後のジョ
ブ実行の予測が可能である。このような性質のジョブに
ついて、実行される前にジョブスケジューリング計画を
行うことによって、全体の処理時間の短縮を見込むこと
ができる。また、システム設計時に前記のようなジョブ
スケジューリング計画を行うことで、ディスク装置など
へのファイルの配置計画などを立てることができ、シス
テム構成の変更を行う場合の前もったジョブスケジュー
リング評価を行うことができる。
【0006】本発明はバッチジョブのスケジューリング
効率化を対象とし、以下の三つの目的を持つ。本発明の
第一の目的は、バッチ処理を実施する前に、過去の実行
履歴をもとに、効率的なジョブスケジュールの立案を支
援することが可能なジョブスケジューリング解析方法を
提供することにある。本発明の第二の目的は、ジョブ多
重度などのシステム運用上の変更があった場合に、過去
の実行履歴をもとに、その効果を変更前に見積もること
が可能なジョブスケジューリング解析方法を提供するこ
とにある。本発明の第三の目的は、疎結合マルチプロセ
サシステム上にジョブを分配させる場合に、上記システ
ム内の他の計算機に接続されているディスクへのアクセ
ス頻度を少なくし、データ転送に関するオーバーヘッド
を低くおさえるため、分配されるジョブがアクセスする
ファイルが上記システム内の一つの計算機に接続されて
いるディスクに配置することが可能となるように、各ジ
ョブを実行させる計算機を、過去の履歴情報をもとに決
定することが可能なジョブスケジューリング解析方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記第一の目
的を達するために、複数のジョブが並行して動作するこ
とが可能な計算機システム上で動作した各ジョブの実行
履歴情報と当該各ジョブが動作中に入出力操作を行った
ファイルのアクセス履歴情報を用いてシミュレーション
を行なう。そのための手法として、各バッチジョブは、
参照するファイルが生成されていれば、論理的に実行可
能であることに着目して、上記アクセス履歴情報から、
各ジョブの実行開始条件を決定するステップと、上記実
行履歴情報から、上記各ジョブの実行時間を求めるステ
ップとを設ける。そして、シミュレーションの対象であ
る計算機システムにおけるジョブ多重度を、並行して動
作可能な最大ジョブ数とする第一条件と、各ジョブの実
行順序は、上記実行開始条件に従うという第二条件をも
とにしてシミュレーションを行うステップを設ける。ま
た本発明は、上記第二の目的を達するために、ジョブ多
重度増減などのシステム運用上の変更をパラメタとして
与えられた場合に、該パラメタを第三条件として付加す
るステップをさらに設けてシミュレーションを行なう。
さらに、本発明は、上記第三の目的を達するために、上
記シミュレーションを行なう前に、予めアクセスするフ
ァイルの局所性に基づいてジョブのグルーピングを行う
ステップを設ける。
【0008】
【作用】本発明によると、収集したアクセス履歴情報か
ら各ジョブの実行開始条件を決定し、実行履歴情報から
各ジョブの実行時間を求めることにより現状のジョブ実
行に基づいたジョブ実行開始時間を求めることができ
る。そして、シミュレーションの対象である計算機シス
テムにおけるジョブ多重度を、並行して動作可能な最大
ジョブ数とする第一条件と、上記実行開始条件に従うと
いう第二条件をもとにしてシミュレーションを行うステ
ップにより、ジョブスケジューラによらない仮想的なジ
ョブ実行を再現できる。このシミュレーション結果か
ら、処理時間短縮がはかれるジョブスケジュール案を提
示することができる。
【0009】ジョブ多重度増減などのシステム運用上の
変更をパラメタとして与えられた場合に、そのパラメタ
を上記実行開始条件などに付加することにより、運用上
の変更を行った場合のジョブスケジュール結果を提供で
きる。その結果、現状システムでの問題点を解決する見
積りを得た上でのシステム再構築が可能となる。また、
シミュレーションを行う前に、あらかじめアクセスする
ファイルに基づいてジョブのグルーピングを行うことに
より、パラメタとして与えられた新しいシステム条件で
のジョブスケジュール結果を提供できる。その結果、疎
結合マルチプロセサシステムなどの現行のシステムと違
った構成のシステム上でのジョブスケジュール案を提示
することができる。以上のように、実行履歴を用いる静
的な評価により、本発明は実機を用いることなく、すな
わち対象となるシステムに負担をかけることなくジョブ
スケジュールに関する定量的評価を得ることが可能にな
る。
【0010】
【実施例】本実施例では、一つ以上のCPU、および、
そのCPUからアクセスされるディスクを有する1つ以
上の計算機により構成される計算機システムを対象とし
ている。計算機システムが複数の計算機から構成される
場合には、それら各計算機は相互に通信を行う手段を有
するものとする。上記の計算機システムにおいて、複数
のジョブは並行実行される。ここで、並行実行されるジ
ョブの数には上限があり、その上限をジョブ多重度と呼
ぶ。ジョブは、一つ以上のジョブステップにより構成さ
れる。ここでジョブステップは、そのジョブの中で実行
されるプログラムの一つに対応している。 read、 writ
e、参照などの動作が行われたファイルを、本件ではア
クセスファイルと呼ぶ。バッチジョブは、参照するファ
イルが生成されていれば論理的に実行可能である。従っ
て、あるジョブがアクセスするファイルが他のジョブに
よってアクセスされている場合には、その他のジョブが
終了した後に実行開始する必要がある。ジョブが、どの
ジョブの実行終了後に開始すべきであるかをスケジュー
リング条件と呼ぶ。
【0011】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細
に説明する。図1は、本発明の一実施例の基本的なシス
テム構成を示している。本実施例において、計算機10
1は、CPU102、メモリ103により構成されてい
る。メモリ103上には、後述するパラメタ情報114
およびジョブ実行履歴115を入力してジョブスケジュ
ーリング解析を行なうジョブスケジューリング解析部1
04、システムの稼働履歴を収集するシステム稼働履歴
収集部110、およびジョブスケジュールプログラム1
11が設けられ、さらに、ジョブスケジュールプログラ
ム111はジョブ起動部112および登録作成部113
から構成されている。これらの各部における処理はCP
U102によって実行されるものとする。
【0012】計算機101に登録されたジョブは、ジョ
ブスケジュールプログラム111内の登録簿作成部11
3により、ジョブ登録簿117に登録される。ジョブ起
動部112は、上記の手順により作成されたジョブ登録
簿117をもとに、ジョブを起動し実行状態にする。起
動するには、起動しようとするジョブが、どのプログラ
ムを実行するもので、どのファイルにアクセスするかを
記述したジョブ制御文118が各ジョブ毎に用意されて
いる必要がある。ジョブ起動部112は、このジョブ制
御文118をもとに、ジョブを実行するのに必要なファ
イルなどの資源が確保されているかを確認した上でジョ
ブを起動する。
【0013】ジョブは上記手順により実行状態になる。
その実行状況をシステム稼働履歴収集部110が収集し
てジョブ実行履歴115を作成する。このジョブ実行履
歴115の構成例を図2に示す。採取する実行履歴デー
タとしては、同図に示すように、ジョブ開始レコード1
15−1、ジョブステップ開始レコード115−2、ア
クセスファイルに関するファイルクローズレコード11
5−3、ジョブステップ終了レコード115−4、ジョ
ブ終了レコード115−5などが挙げられる。これらの
各レコードは、ジョブの実行開始、ファイルのクローズ
などの事象によって発生するものであり、それらのレコ
ードの先頭または内部にそのレコードが何の事象によっ
て発生したかを表すレコードタイプが含まれている。本
実施例では、ジョブ開始レコードを01、ジョブステッ
プ開始レコードを02、ファイルクローズレコードを0
3、ジョブステップ終了レコードを04、ジョブ終了レ
コードを05とするレコードタイプに関する記述が、各
レコードの先頭にあるものとする。
【0014】図2に示されたジョブ実行履歴データであ
る各レコードについてさらに詳細に説明する。ジョブ開
始レコード115−1は、レコードタイプ01の他に、
ジョブ名、ジョブ開始日付、ジョブ開始時刻を有し、ジ
ョブステップ開始レコード115−2は、レコードタイ
プ12の他に、ジョブステップ名、ジョブステップ開始
日付、ジョブステップ開始時刻、このレコードを出した
ジョブ名を有し、アクセスファイルに関するファイルク
ローズレコード115−3は、レコードタイプ03の他
に、ファイル名、ファイルクローズ日付、ファイルクロ
ーズ時刻、このレコードを出したジョブステップ名、こ
のレコードを出したジョブ名を有し、ジョブステップ終
了レコード115−4は、レコードタイプ04の他に、
ジョブステップ名、ジョブステップ終了日付、ジョブス
テップ終了時刻、このレコードを出したジョブ名を有
し、ジョブ終了レコード115−5は、レコードタイプ
05の他に、ジョブ名、ジョブ終了日付、ジョブ終了時
刻、CPU使用時間を有している。
【0015】ジョブ実行履歴115とともにジョブスケ
ジューリング解析部104へ入力されるパラメタ情報1
14の構造を図3に示す。パラメタ情報114は、ジョ
ブに関するデータである図2に詳細に示したジョブ実行
履歴115以外の、シミュレーションに必要な、空間数
(最大ジョブ実行多重度)や、CPU性能比率(新たな
システムにおけるCPUの性能の改善比率)や、出力結
果の指定などの全ての情報を含む。図3は空間数30、
CPU性能比率1(同一性能のCPUの場合)、グルー
ピングON(グルーピング機能を有効にした場合)、・
・・の場合を示している。
【0016】次に、本発明が特徴としているジョブスケ
ジューリング解析部104の詳細を説明する。ジョブス
ケジューリング解析部104は、図1に示したように、
上述した実行履歴データ115(図2参照)を解析する
ジョブデータ解析部600、上述したパラメタ情報11
4(図3参照)からシミュレーションに必要な情報であ
るシミュレーション条件定義情報(図5の114−1)
を作成するパラメタ解析部700、ジョブデータ解析部
600により作成されたデータについてジョブのグルー
ピングを行うジョブグルーピング部800、これらの入
力データによりジョブの実行状況をシミュレートするシ
ミュレーション部900により構成される。ジョブスケ
ジューリング解析部104と、システム稼働履歴収集部
110は、本実施例では同一システム内に設けている
が、別システムに設けてもよい。
【0017】また、シミュレーション部900で解析さ
れた結果が、シミュレーション結果116として、シミ
ュレーション部900より出力される。このシミュレー
ション結果116の例を図4に示す。出力情報として
は、同図に示すように、シミュレーション後のジョブ実
行多重度の時間的遷移116−1や、実行ジョブのリス
ト116−2などが挙げられる。図4の実行ジョブのリ
スト116−2は、空間1の実行ジョブはJOB1、J
OB5、およびJOB3で、空間2の実行ジョブはJO
B2およびJOB8であり、例えば、JOB1は7:0
0乃至7:45に実行され、実行時間は45分間である
ことを示している。なお、実行ジョブのリスト中にジョ
ブ毎に使用される資源などを含めることも可能である。
【0018】次に、ジョブスケジューリング解析部10
4の詳細な説明図を図5に示す。ジョブデータ解析部6
00は、ジョブ実行履歴115から本発明でシミュレー
ションに用いる情報単位である情報セル200を作成す
る。情報セル200は、ジョブ実行履歴115の中に含
まれる履歴の種類によって、図6の情報セル構成例に示
したように、ジョブ情報セル201、ジョブステップ情
報セル202、ファイル情報セル203に大別される。
情報セル200はテーブル構造になっており、その中の
要素(ポインタ)が関連のある情報セルをポイントする
ことで、情報セル全体がリスト構造になるように構成さ
れている。ジョブ情報セル201は、そのジョブを構成
するジョブステップ情報セル202のリストを指す。ま
た、そのジョブステップ情報セル202は、そのジョブ
ステップでアクセスするファイルのファイル情報セル2
03を指す。これらが1組となって、ジョブの全体の情
報を表す。ジョブ実行履歴115には解析の対象となる
ジョブが複数含まれているため、ジョブ情報セル201
自身も、リスト構造となっており、ポインタによって順
次次のジョブ情報セル201を指すように構成されてい
る。
【0019】次に、上記の各情報セルのさらに詳細なテ
ーブル構造を図7〜図9を用いて説明する。各情報セル
には、情報セルのリスト構造を形成するための情報とと
もに、実行履歴の中に含まれる情報が必要に応じて格納
される。図7はジョブ情報セル201のテーブル構造を
示すものである。同図中、ポインタ301はジョブ情報
セルのリストにおいて次の要素をポイントするもので、
ポインタ302は、そのジョブを構成するジョブステッ
プの情報セルのリストの先頭をポイントするものであ
る。また、303はジョブを識別するためのジョブ名
を、304はジョブ開始時刻を、305はジョブ終了時
刻を格納する領域であり、これらはシミュレーション部
900で実行条件を求める際に使用される。また、30
6はそのジョブが使用したトータルのCPU使用時間を
格納する領域である。
【0020】図8はジョブステップ情報セル202のテ
ーブル構造を示すものである。同図中、ポインタ401
はジョブステップ情報セルのリストにおいて次の要素
(ジョブステップ情報セル)をポイントするもので、ポ
インタ402は、そのジョブステップでアクセスするフ
ァイルの情報セルのリストの先頭をポイントするもので
ある。403はジョブステップを識別するためのジョブ
ステップ名を、404はそのジョブステップで実行され
るプログラム名を格納するための領域である。図9はフ
ァイル情報セル203のテーブル構造を示すものであ
る。同図中、ポインタ501はファイル情報セルのリス
トにおいて次の要素(ファイル情報セル)をポイントす
るためのものである。502はファイルを識別するとと
もに、シミュレーション部900で実行条件を求める際
に使用されるファイル名を格納するための領域である。
【0021】次に、ジョブデータ解析部600の処理の
流れを図10のフローチャートを用いて詳細に説明す
る。まず、ジョブ実行履歴115から、先頭のデータを
読み込み、ステップ602乃至ステップ606の処理を
ジョブ実行履歴115のデータが空になるまで継続する
(ステップ601)。そのレコードが読み込まれるまで
の情報セルリストの中に、そのレコードの内容を格納す
べき情報セルが存在しないレコード、例えば、ジョブ開
始レコードなどを読み込んだ場合、新たに内容を格納す
る情報セルを作成する必要がある。読み込んだジョブ実
行履歴115のデータが、これらの新たに情報セルを作
成するべきレコードタイプであるか否かを判定する(ス
テップ602)。
【0022】上記ステップ602における判定が真であ
った場合、該レコードがジョブか、ジョブステップか、
またはファイルに関するものであるかをそのレコードの
内容から判定し、それに該当する形式の情報セルの領域
を確保し(ステップ603)、その領域にデータを格納
するとともに、その新しい情報セルに対するリストから
のポインタ設定など、リスト構造を形成するための情報
を設定する(ステップ604)。上記ステップ602に
おける判定が偽であった場合、それ以前に作成された情
報セルの中の対応する情報セルにデータを格納する(ス
テップ605)。その後、ジョブ実行履歴115の次の
データの処理を対象として判定ステップ601に戻る
(ステップ606)。
【0023】パラメタ解析部700は、図3に示した如
きパラメタ情報114を解析して、シミュレーションの
条件となるシミュレーション条件定義情報114−1を
作成するものである。次に、パラメタ解析部700の処
理を図11のフローチャートを用いて詳細に説明する。
まず、パラメタ情報114からパラメタの読み込みを行
い、ステップ702乃至ステップ703に示した処理を
パラメタ情報114のパラメタが空になるまで継続する
(ステップ701)。読み込んだパラメタ情報がどのパ
ラメタであるかを判別し、パラメタのタイプに合わせて
シミュレーション条件定義情報114−1に反映させる
(ステップ702)。例を挙げると、パラメタ情報11
4から、ジョブが実行される多重度を空間数として読み
込み、シミュレーション条件定義情報114−1の中の
対応する項目に設定する。処理を継続するために次のパ
ラメタ情報114を対象として判定ステップ701に戻
る(ステップ703)。
【0024】ジョブグルーピング部800は、現行のシ
ステムと異なる疎結合マルチプロセサシステムを意識し
た、ファイルアクセスの局所性に着目したジョブグルー
ピングを行った結果を得る場合に用いられるものであ
る。ジョブグルーピング部800の処理により、ジョブ
情報セル201のリストを、アクセスするファイルが重
複するジョブの情報セルのリストに分割しグルーピング
する。該ジョブグルーピング部800で作成されたジョ
ブグループ単位でシミュレーション部900によりシミ
ュレーションを行うことで、アクセスするファイルの重
複をなくした、あるいは少なくしたジョブグループでの
スケジューリング解析結果を出すことが可能になる。
【0025】次に、ジョブグルーピング部800の処理
を図12のフローチャートを用いて詳細に説明する。ま
ず最初に、シミュレーション条件定義情報114−1の
中のジョブのグルーピングを行うか否かを指定している
テーブルデータを参照し、グルーピングを行うと指定し
てある場合に以下のステップ802乃至ステップ804
の処理を行い、それ以外は処理を行わないで処理を終了
する(ステップ801)。
【0026】ステップ801において、グルーピングを
行なうと指定してある場合には、まず、ジョブ情報セル
201の読み込み動作を行い、以下のステップ802乃
至ステップ804の処理をジョブ情報セル201のリス
トが空になるまで継続する(ステップ802)。ステッ
プ802で読み込んだジョブ情報セルで表されるジョブ
と同一ファイルにアクセスするジョブを、ジョブ情報セ
ルのリストの中から順次検索し、これらのジョブを同一
グループとみなしてグルーピングする。また、ここで同
一グループとされたジョブと同一ファイルにアクセスす
るジョブも同様に同一グループとする(ステップ80
3)。次のジョブ情報セルを対象として(ステップ80
4)、ステップ802に戻って再び同様の処理を行な
う。
【0027】次に、シミュレーション部900における
ジョブ実行のシミュレーションの手順を図13および図
14のフローチャートを用いて詳細に説明する。図14
は、図13で行われるジョブ情報セル201のリストつ
なぎ換えを摸式的に表したものである。図14におい
て、201−j(j=1〜i)は内容の異なるジョブ情
報セルを表す。図14中の空間1001のテーブル構造
例を図15に示す。図15に示した空間1001のテー
ブル構造において、ポインタ1101は次の空間100
1をポイントするためのものである。また、ポインタ1
102はその空間1001に接続されるジョブ情報セル
のリストの先頭をポイントするためのものである。
【0028】次に、図13のフローチャートに沿ってシ
ミュレーション部900の動作を詳細に説明する。まず
最初に、シミュレーション条件定義情報114−1から
情報を読み込む。シミュレーション条件定義情報114
−1が空になるまで以下のステップ902乃至ステップ
903の処理を行う(ステップ901)。シミュレーシ
ョン条件定義情報114−1が空になったら、ステップ
904に進む。
【0029】ステップ902では、読み込んだシミュレ
ーション条件に対応した処理を行う。例えば、ジョブ実
行多重度の最大数を表す空間数のパラメタであった場合
は、その数の空間1001をメモリ領域に確保する。ま
たCPU性能比率であった場合は、ジョブ情報セル20
1内のCPU使用時間306を該比率に合わせて換算
し、同時にジョブ終了時刻305の書き換え(図7参
照)も行う。
【0030】接続するジョブ情報セルのリスト1の先頭
から、ジョブ情報セル201を順々に取り出すために、
ジョブ情報セル201があるかどうかの判定を行い(ス
テップ904)、ジョブ情報セル201があった場合、
先頭からそれを順に取り出し空になるまで以下のステッ
プ905乃至ステップ911の処理を行う。まず、上記
のジョブの、他のジョブとのファイル受渡しなどのスケ
ジューリング条件を求める(ステップ905)。次に、
ステップ905で求めたスケジューリング条件により実
行開始可能な時刻を算出する(ステップ906)。ステ
ップ906で求めた時刻に空間1001に接続されたジ
ョブ情報セルリストの内容を検索し、上記実行開始可能
な時刻に空きがあり、実行可能であるか否かを判定する
(ステップ907)。
【0031】上記ステップ907における判定が真(実
行可能)であった場合、その空いている空間1001に
ジョブ情報セルを接続する。また、ジョブ情報セルを接
続した際、そのジョブ情報セルが指し示すジョブステッ
プ情報セルなども一緒に空間1001に接続する(ステ
ップ908)。上記ステップ907における判定が偽
(実行不可)であった場合、上記ステップ906で求め
た実行開始可能時刻以降で、最も早く実行が可能となる
空間1001に、ジョブ情報セルを接続する(ステップ
909)。その後、上述したジョブ情報セルの接続が終
了した後、ジョブ実行時間などのジョブ情報セル内のデ
ータの書換えを行い(ステップ910)、次のジョブ情
報セルを対象として判定ステップ904に戻る。なお、
シミュレーション部900での処理中に、ジョブが実行
されない時間が生じることがある。これらの時間を空き
であることを表すジョブ情報セルで表すことで、空間1
001のジョブ情報セルリスト内でのアイドル時間を表
現することができる。
【0032】次に、シミュレーション部900における
ステップ904乃至ステップ911によって具体的にど
のようにジョブ情報セルが変更されるかを図14を参照
しながら説明する。まず、判定ステップ904におい
て、接続すべき未処理のジョブ情報セルのリストを参照
する。図14に示した例の場合、未処理のジョブ情報セ
ルとして201−1、201−2、…、201−iがあ
るから判定ステップ904はYESであるため、リスト
の先頭から201−1、201−2、…、201−iを
順に取り出してそれぞれに対してステップ905乃至ス
テップ911の処理を行なう。
【0033】最初に、リストの先頭のジョブ情報セル2
01−1を処理するにあたり、ステップ905乃至ステ
ップ908またはステップ909において、シミュレー
ションの結果をメモリ上で表したジョブ情報セルのリス
トの中でジョブ情報セル201−1がどのジョブの後で
実行されるべきかを割出す。図14における例の場合、
ジョブ情報セル201−4の後に実行されるものとす
る。その場合、ステップ908またはステップ909に
おいて、ジョブ情報セル201−1は201−4の後に
つなぎ換えられる。同時にジョブ情報セル201−1は
未処理のジョブ情報セルリスト200からは削除され
る。以上説明したように、本実施例では、ジョブの実行
状況をメモリ上で情報セルのリストとして表し、パラメ
タ情報とジョブ実行履歴を用いてシミュレーションを行
う。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、現行のシステムでのジ
ョブ処理時間短縮が図れるジョブスケジューリング案を
得られる。さらに、システム構成変更によるジョブ実行
状況が、システム構成変更前に、現行システムのジョブ
稼働状況をもとにして把握することが可能になる。さら
に、ジョブ実行履歴に基づいてシミュレーションを行う
ため、対象となるシステムに動的なジョブモニタリング
程の負担をかけずに静的に評価を行うことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のジョブスケジューリング解析方法を実
現するためのジョブスケジューリング解析部104を具
備した計算機システムの一実施例である。
【図2】本発明の入力情報となるジョブ実行履歴115
の説明図である。
【図3】本発明の入力情報となるパラメタ情報114の
説明図である。
【図4】本発明の出力情報となるシミュレーション結果
116の説明図である。
【図5】本発明のジョブスケジューリング解析部104
の具体的な構成例である。
【図6】本発明のジョブスケジューリング解析方法で用
いられるジョブおよびジョブに関するデータである情報
セルの構成を示した説明図である。
【図7】ジョブのデータを格納するジョブ情報セルのテ
ーブル構造を示した説明図である。
【図8】ジョブステップのデータを格納するジョブステ
ップ情報セルのテーブル構造を示した説明図である。
【図9】アクセスファイルのデータを格納するファイル
情報セルのテーブル構造を示した説明図である。
【図10】ジョブデータ解析部600の処理を説明した
フローチャートである。
【図11】パラメタ解析部700の処理を説明したフロ
ーチャートである。
【図12】ジョブグルーピング部800の処理を説明し
たフローチャートである。
【図13】スケジューリングのシミュレーション部90
0の処理を説明したフローチャートである。
【図14】シミュレーションでのジョブ実行を表すため
のデータ構造を示した説明図である。
【図15】シミュレーションで用いられる空間1001
のテーブル構造を示した説明図である。
【符号の説明】
101:計算機、102:CPU、103:メモリ、1
04:ジョブスケジューリング解析部、600:ジョブ
データ解析部、700:パラメタ解析部、800:ジョ
ブグルーピング部、900:シミュレーション部、11
0:システム稼働履歴収集部、111:ジョブスケジュ
ールプログラム、112:ジョブ起動部、113:登録
簿作成部、114:パラメタ情報、115:ジョブ実行
履歴、116:シミュレーション結果、117:ジョブ
登録簿、118:ジョブ制御文
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 俊治 神奈川県川崎市麻生区王禅寺1099番地 株 式会社日立製作所システム開発研究所内 (72)発明者 木下 俊之 神奈川県川崎市麻生区王禅寺1099番地 株 式会社日立製作所システム開発研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のジョブが並行して動作することが
    可能な計算機システムにおけるジョブスケジューリング
    解析方法において、 動作した当該ジョブの実行履歴情報と、各ジョブが動作
    中に入出力操作を行ったファイルのアクセス履歴情報と
    を用いて各ジョブの実行のシミュレーションを行うこと
    を特徴とするジョブスケジューリング解析方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のジョブスケジューリング
    解析方法において、 上記各ジョブの実行のシミュレーションは、上記ジョブ
    の実行履歴情報と上記アクセス履歴情報の外に、さらに
    シミュレーションの実行条件を決定するパラメタ情報を
    用いて行われるものであることを特徴とするジョブスケ
    ジューリング解析方法。
  3. 【請求項3】 複数のジョブが並行して動作することが
    可能な計算機システムにおけるジョブスケジューリング
    解析方法において、 動作した当該ジョブの実行履歴情報を収集するステップ
    と、 各ジョブが動作中に入出力操作を行ったファイルのアク
    セス履歴情報を収集するステップと、 上記計算機システムで並行動作可能な最大ジョブ数(ジ
    ョブ多重度)を指定するステップと、 上記アクセス履歴情報から、ファイル受渡し関係が保た
    れるように、上記各ジョブの実行開始条件を決定するス
    テップと、 上記実行履歴情報から、上記各ジョブの実行時間を求め
    るステップと、 並行して動作可能な最大ジョブ数が上記ジョブ多重度
    で、かつ、ジョブの実行順序は、上記実行開始条件を満
    たし、かつ、上記ジョブは上記実行時間で処理を行うよ
    うに、上記各ジョブの実行のシミュレーションをするス
    テップとを有することを特徴とするジョブスケジューリ
    ング解析方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のジョブスケジューリング
    解析方法において、 計算機システムのハードウェア構成の変更内容を記述し
    たパラメタ情報を読み込むステップをさらに有し、 上記各ジョブの実行のシミュレーションをするステップ
    は、上記読み込んだ構成パラメタで指定された変更後の
    システム構成の上でのジョブ実行をシミュレーションす
    るものであることを特徴としたジョブスケジューリング
    解析方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のジョブスケジューリング
    解析方法において、 上記ジョブ実行履歴情報と上記アクセス履歴情報から、
    実行中に同一のファイルにアクセスした上記各ジョブを
    同一グループに属するように、上記各ジョブを分類する
    ステップをさらに有し、 上記分類されたグループ毎に、該グループに属するジョ
    ブの実行のシミュレーションを行うことを特徴としたジ
    ョブスケジューリング解析方法。
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