JPH08283404A - 一酸化炭素とオレフィン性不飽和化合物との共重合化方法 - Google Patents

一酸化炭素とオレフィン性不飽和化合物との共重合化方法

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JPH08283404A
JPH08283404A JP8041396A JP8041396A JPH08283404A JP H08283404 A JPH08283404 A JP H08283404A JP 8041396 A JP8041396 A JP 8041396A JP 8041396 A JP8041396 A JP 8041396A JP H08283404 A JPH08283404 A JP H08283404A
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group
olefinically unsaturated
unsaturated compound
carbon monoxide
viii metal
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JP8041396A
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English (en)
Inventor
Frank Baardman
フランク・バールドマン
Arleen Marie Bradford
アーリーン・マリー・ブラツドフオード
Jayne Jubb
ジエイン・ジユブ
Pieter Scheerman
ピーター・シエールマン
Rudolf J Wijngaarden
ルドルフ・ヤコブス・ヴイヤンガールデン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shell Internationale Research Maatschappij BV
Original Assignee
Shell Internationale Research Maatschappij BV
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 モノマーを、芳香族液体希釈剤の存在下
にて第VIII族金属源並びにヒドロカルビルボランに基づ
く触媒組成物と接触させ、少なくとも0.25kW/m3
攪拌力を重合混合物に加えることからなる一酸化炭素と
オレフィン性不飽和化合物とを共重合させる方法。 【効果】 従来法では重合速度が急速に低下し、触媒が
失活する欠点があったが、本法によれば重合速度の安定
化が促進される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一酸化炭素とオレ
フィン性不飽和化合物とを共重合させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】欧州特
許出願公開明細書第619335号には、一酸化炭素と
オレフィン性不飽和化合物との共重合化方法が開示され
ている。前記方法は、モノマーと、第VIII族金属及びヒ
ドロカルビルボランに基づく触媒組成物とを接触させる
ものである。この方法は、一酸化炭素とオレフィン性不
飽和化合物との線状共重合体を調製するのに適してい
る。共重合体は、特に交互共重合体(即ち、一酸化炭素
に由来するモノマー単位とオレフィン性不飽和化合物に
由来するモノマー単位とが交互に連なる共重合体)であ
る。欧州特許出願公開明細書第619335号に記載の
共重合化方法には、主に、重合速度が急速に低下し、触
媒が失活するという欠点がある。重合速度は1時間以内
でかなり低下し、滞留時間が1時間を越えてしまうと経
済的に有効な方法とは言えなくなる。例えば、共重合時
に第VIII族金属化合物をさらに添加し、脂肪族炭化水
素、エーテル類及び液化プロペン等の各種希釈剤を用い
ることにより、この状況を打破しようと試みたが、満足
できる結果は得られていない。
【0003】
【課題を解決するための手段】驚くべきことに、ある最
小値以上の攪拌力を加えると共に芳香族希釈剤を用いる
ことにより、重合速度の安定化が実質的に促進されるこ
とが見出された。芳香族希釈剤を用いることは、欧州特
許出願公開明細書第619335号によれば、この共重
合に適する数多くの希釈剤の中からごく一部を選ぶこと
に等しいため、この発見は実に予期せぬことである。従
って、本発明は、モノマーを、芳香族液体希釈剤の存在
下にて第VIII族金属源並びにヒドロカルビルボランに基
づく触媒組成物と接触させ、少なくとも0.25kW/m3
の攪拌力を重合混合物に加えることからなる一酸化炭素
とオレフィン性不飽和化合物とを共重合させる方法に関
する。重合速度の安定性が改善されるため、1時間を越
える、特に1.5時間を越える、さらに3.5時間を越
える滞留時間でも有効である。また、本発明の方法は、
用いる第VIII族金属の量の割りには多量の共重合体を調
製することができる。さらに、欧州特許出願公開明細書
第619355号によれば、第VIII族金属よりも大過剰
のヒドロカルビルボランを用いるのが望ましい。例え
ば、ホウ素/第VIII族金属のモル比が約50:1となる
ようにヒドロカルビルボランを用いるのが望ましい。本
発明の方法は、有利には、欧州特許出願公開明細書第6
19335号で推奨される値よりも低いホウ素/第VIII
族金属のモル比(例えば、25:1未満)にて行うこと
ができる。従って、本発明の方法は、経済的観点からだ
けでなく、調製された重合体中に残存する触媒の量を低
減する(通常、これは溶融安定性といった重合体の特性
に有利に働く)ことができる点においても有効である。
【0004】本明細書中では、「第VIII族金属」にはル
テニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジ
ウム及び白金等の貴金属並びに鉄、コバルト及びニッケ
ル等の鉄族金属が含まれる。本発明の方法に適した触媒
組成物は、上記金属のカチオン源に基づくものである。
第VIII族金属の適切なカチオン源には、硫酸塩、硝酸塩
及びリン酸塩等の鉱酸の塩、メタンスルホン酸及びp−
トルエンスルホン酸等のスルホン酸の塩が含まれる。好
適な源は、カルボン酸塩、特に6個のまでの炭素原子を
有するカルボン酸塩であり、酢酸、プロピオン酸及びト
リフルオロ酢酸等である。必要ならば、カチオン源とし
て元素状態または0価状態の金属を用いることもでき、
例えば、第VIII族金属が1個または2個のヒドロカルビ
ル基に共有結合している錯体といった錯体状態である。
この共有結合ヒドロカルビル基は脂肪族または芳香族で
あり、通常12個までの炭素原子を含むものである。好
適な共有結合ヒドロカルビル基は、脂肪族基であり、特
にメチル基及びn−ブチル基等のn−アルキル基であ
る。第VIII族貴金属に基づく触媒組成物が好適であり、
バラジウムに基づくものが最も好適である。好適なパラ
ジウム源は酢酸パラジウム(II)である。
【0005】第VIII族金属の他に、触媒組成物にはヒド
ロカルビルボランが含まれる。ヒドロカルビルボラン
は、通常は一般式BXYZ(式中、X、Y及びZは独立
して置換または未置換ヒドロカルビル基、水酸基、置換
または未置換ヒドロカルビルオキシ基あるいはハロゲン
原子を表し、但しX、Y及びZのうち少なくとも一つは
置換または未置換ヒドロカルビル基を表す)で定義され
る。上記ヒドロカルビル基及びヒドロカルビルオキシ基
のヒドロカルビル基は、脂肪族または芳香族基であり、
通常、12個までの炭素原子を有する基である。好適な
ヒドロカルビル基は置換または未置換のアリール基であ
る。ヒドロカルビル基の好適な置換基は、トリハロメチ
ル基、ニトロ基及びハロゲン原子といった電子吸引性基
または原子である。全ての水素原子が置換基で置換され
たヒドロカルビル基は、「ヒドロカルビル基」に含まれ
る。ヒドロカルビル基は、特にフェニル基、さらにパー
フルオロフェニルまたは3,5−ビス(トリフルオロメ
チル)フェニル基である。適切な脂肪族基の例として
は、エチル、n−ブチル及びn−ヘキシル基が挙げられ
る。ハロゲン原子X、YまたはZは好ましくはフッ素で
ある。ヒドロカルビルボランの例としては、フェニルジ
フルオロボラン、フェニルボロン酸及びヘキシルボロン
酸が挙げられる。X、Y及びZの3つの基全てがヒドロ
カルビル基であるのが好適である。好適なヒドロカルビ
ルボランはトリフェニルボラン、トリス(パーフルオロ
フェニル)ボラン及びトリス〔3,5−ビス(トリフル
オロメチル)フェニル〕ボランである。
【0006】ヒドロカルビルボランの使用量には、特別
な限定はない。しかしながら、上述したように、ホウ
素:第VIII族金属のモル比が25未満となるような量に
てヒドロカルビルボランを用いるのが本発明の特徴であ
る。この比は、特に0.1〜20、好ましくは0.5〜
15、さらに好ましくは1〜10である。本発明では、
より有利に重合速度を初期レベルに維持するために、共
重合時にヒドロカルビルボランの一部を供給するのが有
利である。例えば、ヒドロカルビルボランのうち40%
またはそれ以下、好ましくは5〜30%を重合開始時に
供給し、残りを後処理よりも前の段階にて連続的にまた
は段階的に供給する。本発明の方法の触媒組成物は、好
ましくは追加成分として第VIII族金属と錯体を形成する
配位子に基づく。配位子1分子中に2個の錯体形成部位
が存在すると、触媒の活性が有意な影響を受けることは
明らかである。従って、第VIII族金属と錯体を形成する
ことのできる基を少なくとも2個含有する配位子を用い
るのが好適である。余り好ましくはないが、一座配位
子、即ち、第VIII族金属と錯体を形成することのできる
基を1個含有する化合物を用いることもできる。適切に
は、リン、窒素または硫黄を含有する基を2個有する二
座配位子を用いる。1−ジフェニルホスフィノ−3−エ
チルチオプロパン等の二座混合配位子を用いることもで
きる。
【0007】二座配位子の好適な基は、一般式
【化2】 R1 2 1 −R−M2 3 4 (I) で表される。式中、M1 及びM2 は独立してリン、ヒ素
またはアンチモン原子を表し、R1 、R2 、R3 及びR
4 は独立して未置換ヒドロカルビル基または極性置換ヒ
ドロカルビル基、特に10個までの炭素原子を有する前
記基を表し、Rは架橋部に少なくとも2個の炭素原子を
含有する二価有機架橋基を表す。式(I)の配位子中、
1 及びM2 は好ましくはリン原子を表す。R1
2、R3 及びR4 は独立して、任意に極性置換された
アルキル、アリール、アルカリル(alkaryl) 、アラルキ
ルまたはシクロアルキル基を表すことができる。好まし
くはR1 、R2 、R3 及びR4 のうち少なくとも一つは
芳香族基、特に極性置換された芳香族基を表す。適切な
極性基には、フッ素及び塩素等のハロゲン原子、メトキ
シ及びエトキシ基等のアルコキシ基、並びにメチルアミ
ノ、ジメチルアミノ及びジエチルアミノ基等のアルキル
アミノ基が含まれる。アルコキシ基及びアルキルアミノ
基は、各アルキル基中に特に5個までの炭素原子を含有
する。
【0008】R1 、R2 、R3 及びR4 のうち一つまた
はそれ以上、特に各々が、M1 またはM2 に対するオル
ト位がアルコキシ基、特にメトキシ基にて置換されたア
リール基、好ましくはフェニル基を表すのが好適であ
る。これにより、より有利に重合速度を初期レベルに維
持することが可能となる。式(I)の配位子中、Rは好
ましくは2〜4個の架橋原子(このうち少なくとも2個
は炭素原子である)を含有する二価有機架橋基を表す。
この種の基Rの例としては、−CH2 −CH2 −、−C
2 −CH2 −CH2 −及び−CH2 −CH2 −CH2
−CH2 −が挙げられる。好ましくは、Rはトリメチレ
ン基である。好適な配位子は、1,3−ビス〔ビス
(2,4−ジメトキシフェニル)ホスフィノ〕プロパ
ン、1,3−ビス〔ビス(2,4,6−トリメトキシフ
ェニル)ホスフィノ〕プロパンであり、さらに好ましく
は1,3−ビス〔ビス(2−メトキシフェニル)ホスフ
ィノ〕プロパンである。
【0009】他の適切な二座配位子は、一般式
【化3】 (式中、X1 及びX2 は独立して各々架橋部に3〜4個
の原子(このうち少なくとも2個は炭素原子である)を
含有する有機架橋基を表す)を有する窒素含有化合物で
ある。架橋基X1 及びX2 をつなぐ追加の架橋基があっ
てもよい。この種の化合物の例としては、2,2’−ビ
ピリジン、4、4’−ジメチル−2,2’−ビピリジ
ン、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビピリジン、
1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−
1,10−フェナントロリン及び4,7−ジメチル−
1,10−フェナントロリンが挙げられる。好適な化合
物は、2,2’−ビピリジン及び1,10−フェナント
ロリンである。
【0010】他の適切な二座配位子は、一般式
【化4】 R5 S−Q−SR6 (III) (式中、R5 及びR6 は独立して未置換または極性置換
ヒドロカルビル基を表し、Qは架橋部に2〜4個の炭素
原子を含有する二価架橋基を表す)を有する硫黄含有化
合物である。基R5 及びR6 は、好ましくはアルキル基
であり、各々特に10個までの炭素原子を有する。非常
に適切なビスチオ化合物は、1,2−ビス(エチルチ
オ)エタン及び1,2−ビス(プロピルチオ)エテンで
ある。一座配位子としては、一般式
【化5】 R7 8 9 3 (IV) (式中、M3 はリン、ヒ素またはアンチモン原子を表
し、R7 、R8 及びR9 は各々独立して未置換または極
性置換ヒドロカルビル基、特に11個までの炭素原子を
有する前記基、例えば、n−アルキル基及びアリール
基、特にフェニル基を表す)を有する化合物を用いるの
が好適である。適切な置換基は、メトキシ及びエトキシ
基等のアルコキシ基である。好適な一座配位子は、トリ
ス(o−トリル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフ
ェニル)ホスフィン、トリナフチルホスフィン及びトリ
ス(n−ブチル)ホスフィンである。
【0011】二座配位子の量は変えることができるが、
通常、触媒組成物中に含まれる第VIII族金属の量に依存
する。二座配位子の好適な量は、二座配位子が窒素二座
配位子でない場合には、第VIII族金属1グラム原子当た
り0.5〜8モル、好ましくは0.5〜2モルであり、
二座配位子が窒素二座配位子の場合には、好ましくは第
VIII族金属1グラム原子当たり0.5〜200モル、特
に1〜50モルである。一座配位子は、好ましくは第VI
II族金属1グラム原子当たり0.5〜50モル、特に1
〜25モルの量にて含まれる。触媒組成物の性能は、キ
ノン等の有機酸化促進剤を混合することにより改善する
ことができる。好適な促進剤は、ベンゾキノン、ナフト
キノン及びアントラキノンからなる群から選ばれる。促
進剤の量は、有利には第VIII族金属1グラム原子当たり
1〜50モル、好ましくは1〜10モルである。本発明
の方法における触媒の使用量には、特別な限定はない。
上述したように、調製すべき共重合体の量に対してでき
る限り少量の触媒組成物を用いるのが有利である。推奨
できる触媒組成物の量は、一酸化炭素と共重合すべきオ
レフィン性不飽和化合物1モル当たりの第VIII族金属の
グラム原子で計算して、10-8〜10-2である。好適な
量は、10-7〜10-3である。
【0012】プロトン性化合物の存在下にて共重合を行
うのが有利である。プロトン性化合物を用いることの利
点は、重合速度を初期レベルに維持できることにある。
プロトン性化合物の例としては、酸(スルホン酸、カル
ボン酸、ホウ酸とグリコールとの付加物またはサリチル
酸等)、アルコール並びに水である。プロトン性化合物
が炭素原子を含む場合には、通常15またはそれより少
ない炭素原子を有する。好適な酸は、18℃の水溶液に
て測定したpKaが6未満、好ましくは4未満、特に2
未満のものである。好適なプロトン性化合物は、第一
級、第二級及び第三級脂肪族アルコール等のアルコール
類並びにフェノール類である。これらは、モノアルコー
ルまたはグリコール等のポリオールであってもよい。好
適なアルコールは、水と完全に相溶する低級アルコール
(通常モノアルコールとして理解される)、特にメタノ
ール及びエタノールである。プロトン性化合物の使用量
には、特別な限定はない。適切な酸の量は、第VIII族金
属1グラム原子当たり0.5〜200当量、特に1.0
〜50当量、さらには1.0〜10当量である。プロト
ン性化合物がアルコール、特に低級アルコールの場合、
希釈剤の全容量に対して20容量%まで、特に1〜10
容量%のプロトン性化合物を芳香族希釈剤に混合するこ
とが可能である。
【0013】本発明の共重合化方法にモノマーとして用
いることのできるオレフィン性不飽和化合物には、不飽
和エステル等の炭素及び水素のみからなる化合物並びに
さらにヘテロ原子も含有する化合物が含まれる。不飽和
炭化水素が好適である。適切なモノマーの例としては、
低級オレフィン(即ち、2〜6個の炭素原子を含有する
オレフィン、エテン、プロペン及びブテン−1等)、環
状オレフィン(シクロペンテン等)、芳香族化合物(ス
チレン、α−メチルスチレン等)、並びにビニルエステ
ル(酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル等)が挙げられ
る。エテン並びにエテンと他のα−オレフィン(例えば
プロペンまたはブテン−1)との混合物が好適である。
通常、一方の一酸化炭素:他方のオレフィン性不飽和化
合物のモル比は、1:5〜5:1の範囲から選ばれる。
好ましくは、モル比は1:1.5〜1.5:1であり、
実質的に等モルが最も好ましい。本発明の共重合化方法
は、芳香族液体希釈剤の存在下にて行う。芳香族液体希
釈剤の例には、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン及
びキシレン等の芳香族化合物が含まれ、通常、200℃
以下、好ましくは150℃以下の沸点を特徴とするもの
である。ケトン(例えば、アセトン)、塩素化脂肪族炭
化水素(例えば、クロロホルムまたはジクロロメタン)
並びに低級アルコール(例えば、メタノール及びエタノ
ール)等の上述のプロトン性希釈剤等の他の希釈剤を、
芳香族液体希釈剤に混合してもよい。芳香族液体希釈剤
には、通常少なくとも80容量%、特に90容量%の芳
香族化合物が含まれる。
【0014】本発明の方法にて、芳香族希釈剤に懸濁し
た状態の共重合体を調製する場合には、モノマーを触媒
組成物に接触させる前に、固体微粒子材料を芳香族液体
希釈剤中に懸濁させるのが有利である。本発明のこの態
様は、重合速度を初期レベルに維持するのに有利であ
る。この態様では、触媒は好ましくは希釈剤の溶液とし
て用いられる。また、固体微粒子材料上に堆積するある
いは固体微粒子材料に化学的に結合する触媒を用いるの
が有利である。後者の型の触媒は当該技術分野にて公知
であり、例えば、欧州特許出願公開明細書第51171
3号、同第404228号及び同第619334号に記
載されている。通常、一酸化炭素とオレフィン性不飽和
化合物との共重合体、特に、調製すべき共重合体と同一
のモノマーに基づく共重合体を、固体微粒子材料として
使用する。これは、例えば一酸化炭素とエテンとの線状
交互共重合体を調製する場合、前の重合で得られた一酸
化炭素とエテンとの線状交互共重合体を希釈剤中に懸濁
させることを意味している。他の適切な固体微粒子材料
は、シリカ、アルミナ、タルク、すす及び重合体(例え
ば、ポリエテン、ポリプロペン、ポリスチレン)といっ
た無機または有機材料である。
【0015】固体微粒子材料の適切な使用量は、希釈剤
の重量に対して0.1〜20重量%、さらに適切には
0.5〜10重量%である。固体微粒子材料の嵩密度
は、通常50〜1000kg/m3 、特に100〜500kg
/m3 である。固体微粒子材料は、通常、10-6〜10-3
m 、特に10-6〜5×10-4m の平均粒子径を有する。
平均粒子径は以下のように求められる。市販の粒子径分
析装置を用い、固体微粒子材料の代表試料の累積重量分
布を粒子径の関数として求める。テレンス アレン「粒
子径測定」(チャップマン&ホール、ロンドン、198
1年)、第122頁以降に記載されているように、累積
重量分布関数を累積表面積分布関数に変換する。平均粒
子径は、累積表面積分布関数の中央値として求められ
る。本発明の共重合化方法は、少なくとも0.25kW/m
3 、特に少なくとも0.5kW/m3 の攪拌力を重合混合物
に加えて行う。攪拌力が0.25kW/m3 未満の場合に
は、液相中のモノマー、特に一酸化炭素が消耗して共重
合速度が低下する。少なくとも0.25kW/m3 の攪拌力
を加えることにより、この状態が改善される。調製すべ
き共重合体の懸濁液を生成する希釈剤を用いた場合、少
なくとも0.5kW/m3 、特に少なくとも1.0kW/m3
攪拌力を加えるのが有利である。実際的な力密度の最大
値は20kW/m3 である。力密度の好適範囲は1.5〜1
5kW/m3である。攪拌力は、任意の適切な手段(例えば
攪拌装置、ジェットミキサーまたはガス流)によって重
合混合物に加えることができる。
【0016】共重合化方法は、通常20〜200℃、好
ましくは30〜150℃の温度範囲にて行う。反応は、
2〜200バールの圧力範囲にて行うのが便利であり、
20〜100バールの圧力範囲が好適である。方法は、
通常、液体希釈剤の量が10kgを越えるような規模にて
行う。方法はバッチ法または連続法のどちらでも行うこ
とができる。連続法の場合、直列に接続された2または
それ以上の反応器を用いるのが有利である。これは一定
の反応容積と一定量の触媒を用いて所定の期間内に調製
され得る重合体の量が増えるためである。本発明にて得
られる共重合体は、繊維、フィルムまたはシート用の熱
可塑性物質として適しており、また射出成形、圧縮成形
及び吹付塗装にも適している。本発明の共重合体は、自
動車工業、食品及び飲料品用の包装材料の製造、並びに
この種の各種用途に用いることができる。本発明を、以
下実施例を挙げて説明する。希釈剤には、分析級の化学
物質を使用した。
【0017】
【発明の実施の形態】実施例1(比較) 一酸化炭素とエテン及びプロペンとの共重合体を以下の
ように調製した。トリス(パーフルオロフェニル)ボラ
ン(0.247g、0.48ミリモル)を空気中で計量
し、乾燥させたシュレンクチューブに入れてジクロロメ
タン100mlに溶解した。バッフル及び傾斜ブレード攪
拌機を備えた300mlオートクレーブに溶液を移した。
続いてプロペン25gを添加した。予め混合しておいた
一酸化炭素とエテン(1:1モル比)とでオートクレー
ブを30バールまで加圧した。加えた攪拌力は約3kW/m
3 であった。オートクレーブを70℃に加熱した。ジク
ロロメタン10mlに溶解したL2 Pd(CH3 CO2
2 (0.0154g、0.025ミリモル)(式中、L
2 は1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンを
表す)を、オートクレーブ内に注入した。一酸化炭素/
エテン混合物にてオートクレーブを50バールに加圧
し、一酸化炭素/エテン混合物を供給しながらこの圧力
に1時間維持した。圧力を抜き、オートクレーブを室温
まで冷却した。重合体生成物を濾過して回収し、ジクロ
ロメタンで洗浄して乾燥させた。一酸化炭素/エテン混
合物の添加速度から、共重合体/(gパラジウム・時)
で表した重合速度を計算した。初期重合速度、1時間後
の速度(即ち圧力を抜く前の速度)及び速度の減少率を
表に示す。
【0018】実施例2〜6 一酸化炭素とエテン及びプロペンとの共重合体を、実施
例1の方法にならって調製した。但し、ジクロロメタン
の代わりに、希釈剤としてトルエン、n−ヘプタン、ク
ロロトリフルオロメタン、1,4−ジオキサン及び液化
プロペンから1種づつ使用した。液化プロペンの場合、
2 Pd(CH3 CO2 2 (式中、L2 は1,3−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)プロパンを表す)をヘプタ
ンに溶解した。結果を表に示す。
【0019】
【表1】 a) 比較 b) 重合速度はほぼ0.0 c) 測定不可
【0020】実施例7(比較) 一酸化炭素とエテン及びプロペンとの共重合体を、実施
例1の方法にならって調製した。但し、共重合を1時間
後に停止せず、1時間後に、ジクロロメタン20mlに溶
解した追加のL2 Pd(CH3 CO2 2 (0.028
g、0.047ミリモル)(式中、L2 は1,3−ビス
(ジフェニルホスフィノ)プロパンを表す)をオートク
レーブに注入した。追加のL2 Pd(CH3 CO2 2
を注入した時点での重合速度は、0.1kg共重合体/
(gパラジウム・時)であった。追加のL2 Pd(CH
3 CO2 2 を注入した後も重合速度の増加は見られ
ず、重合速度がさらに減少したことが確認された。
フロントページの続き (72)発明者 アーリーン・マリー・ブラツドフオード オランダ国 1031 シー・エム アムステ ルダム、バトホイスウエヒ 3 (72)発明者 ジエイン・ジユブ オランダ国 1031 シー・エム アムステ ルダム、バトホイスウエヒ 3 (72)発明者 ピーター・シエールマン オランダ国 1031 シー・エム アムステ ルダム、バトホイスウエヒ 3 (72)発明者 ルドルフ・ヤコブス・ヴイヤンガールデン オランダ国 1031 シー・エム アムステ ルダム、バトホイスウエヒ 3

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノマーを、芳香族液体希釈剤の存在下
    にて第VIII族金属源並びにヒドロカルビルボランに基づ
    く触媒組成物と接触させ、少なくとも0.25kW/m3
    攪拌力を重合混合物に加えることからなる一酸化炭素と
    オレフィン性不飽和化合物とを共重合させる方法。
  2. 【請求項2】 第VIII族金属がパラジウムであり、ヒド
    ロカルビルボランが一般式BXYZ(式中、X、Y及び
    Zは独立して置換または未置換ヒドロカルビル基、好ま
    しくはアリール基を表す)で定義されることを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ヒドロカルビルボランを、ホウ素:第VI
    II族金属のモル比が25未満、特に0.1〜20となる
    ような量にて使用することを特徴とする請求項1または
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 追加の触媒成分として、一般式 【化1】 R1 2 1 −R−M2 3 4 (I) (式中、M1 及びM2 は独立してリン、ヒ素またはアン
    チモン原子を表し、R1、R2 、R3 及びR4 は独立し
    て未置換ヒドロカルビル基または極性置換ヒドロカルビ
    ル基、特に10個までの炭素原子を有する前記基を表
    し、R1 、R2 、R3 及びR4 のうち一つまたはそれ以
    上はM1 またはM2 に対するオルト位がアルコキシ基、
    特にメトキシ基にて置換されたアリール基、好ましくは
    フェニル基を表し、Rは架橋部に少なくとも2個の炭素
    原子を含有する二価有機架橋基を表す)を有する二座配
    位子を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 芳香族液体希釈剤が、少なくとも80容
    量%、特に90容量%の200℃以下、好ましくは15
    0℃以下の沸点を特徴とする芳香族化合物からなること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 オレフィン性不飽和化合物が、エテンま
    たはエテンと他のα−オレフィン(例えばプロペンまた
    はブテン−1)との混合物であり、一酸化炭素:オレフ
    ィン性不飽和化合物のモル比が、1:5〜5:1、好ま
    しくは1:1.5〜1.5:1であり、触媒組成物の量
    が、共重合すべきオレフィン性不飽和化合物1モル当た
    りの第VIII族金属のグラム原子で計算して、10-8〜1
    -2、好ましくは10-7〜10-3であり、温度を20〜
    200℃、好ましくは30〜150℃の範囲から選択
    し、圧力を2〜200バール、好ましくは20〜100
    バールの範囲から選択することを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも0.5kW/m3 の攪拌力を重合
    混合物に加えることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    か一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 調製すべき共重合体が芳香族液体希釈剤
    中にて懸濁液を形成し、少なくとも0.5kW/m3 、特に
    少なくとも1.0kW/m3 、好ましくは1.5〜15kW/m
    3 の攪拌力を重合混合物に加えることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
JP8041396A 1995-03-22 1996-02-27 一酸化炭素とオレフィン性不飽和化合物との共重合化方法 Pending JPH08283404A (ja)

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NL95200715.1 1995-03-22

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