JPH08261830A - ブロック化部分空間法を用いた色と形状の同時識別方法 - Google Patents

ブロック化部分空間法を用いた色と形状の同時識別方法

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JPH08261830A
JPH08261830A JP7087331A JP8733195A JPH08261830A JP H08261830 A JPH08261830 A JP H08261830A JP 7087331 A JP7087331 A JP 7087331A JP 8733195 A JP8733195 A JP 8733195A JP H08261830 A JPH08261830 A JP H08261830A
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JP7087331A
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Satoru Toyooka
了 豊岡
Nobuaki Hayasaka
伸明 早坂
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Nissho Corp
Original Assignee
Nissho Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】ロボットや自動搬送車等の画像処理装置に使用
し、識別対象の色と形状を簡単な構成で、同時に識別す
る方法。 【構成】識別対象のスクリーン4上の画像5と、予め学
習用サンプル画像のブロック化部分空間法で求めた空間
フィルタとの内積をブロック毎に求めて画像内のパター
ンの識別を行うブロック化部分空間法において、識別対
象は自発光物体や、白色光で照射された物体や、空間光
変調器10に表示された画像とし、これらの物体からの
光、または空間光変調器を通った光を光分散素子3で分
散してスクリーン上に結像させ、受光器6を経て演算処
理装置7に入力して識別を行う。 【効果】画像の色と形状の識別・分類を、簡単な構成で
同時に行え、空間フィルタの2枚組み合わせで色・形状
の異なるグループの識別が可能で対象とするスペクトル
範囲は紫外光から赤外光まで広範囲で、内積演算を光学
式に行う構成で高速な現象の色と形状の同時識別ができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はロボットや自動搬送車等
におけるマシンビジョン、リモートセンシング、電子内
視鏡その他の各種装置の画像処理装置において使用し、
識別対象の色と形状を同時に識別するための方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】上述したような各種装置の画像処理装置
における従来の画像識別方法は、文字や数字又は記号等
の比較的簡単な単色パターンについて、2値化処理や細
線化処理等の前処理を行った後、計算機内でパターンマ
ッチングを行う方法である。
【0003】また最近、カラー画像の色と形状を識別す
るために、色毎に形状情報の識別を行う方法や、色の情
報を、他の情報に置き換えて識別を行う方法等のいろい
ろな方法が提案されつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の、従来の画像識
別方法が対象とする物体は単色であって、パターンに複
雑な構造を持つようなものではなく、カラー画像の識別
はできない。また後者の方法では、構成が複雑となった
り、リアルタイムの同時識別が困難である等の課題があ
る。本発明は、以上の点に鑑みて創案されたもので、パ
ターンに複雑な構造を持つカラー画像の識別を、比較的
簡単な構成により行えるようにすることを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明では、まず、識別対象のスクリーン上の
画像と、予め学習用サンプル画像につきブロック化部分
空間法を適用して求めた空間フィルタとの内積をブロッ
ク毎に求めることにより画像内のパターンの識別を行う
ブロック化部分空間法において、識別対象は自発光物体
とし、この自発光物体からの光を光分散素子により分散
させてスクリーン上に結像させ、これを受光器を経て演
算処理装置に入力して識別を行うことを提案する。
【0006】また本発明では、識別対象のスクリーン上
の画像と、予め学習用サンプル画像につきブロック化部
分空間法を適用して求めた空間フィルタとの内積をブロ
ック毎に求めることにより画像内のパターンの識別を行
うブロック化部分空間法において、識別対象は白色光で
照射された物体とし、この白色光で照射された物体から
の光を光分散素子により分散させてスクリーン上に結像
させ、これを受光器を経て演算処理装置に入力して識別
を行うことを提案する。
【0007】また本発明では、識別対象のスクリーン上
の画像と、予め学習用サンプル画像につきブロック化部
分空間法を適用して求めた空間フィルタとの内積をブロ
ック毎に求めることにより画像内のパターンの識別を行
う方法において、識別対象は空間光変調器に表示された
画像とし、この空間光変調器を透過させた光を光分散素
子により分散させてスクリーン上に結像させ、これを受
光器を経て演算処理装置に入力して識別を行うことを提
案する。
【0008】また本発明では、上記構成において、空間
光変調器をカラー液晶ディスプレーパネルにより構成す
ることを提案する。
【0009】また本発明では、上記構成において、スク
リーンを摺りガラスにより構成することを提案する。
【0010】そして本発明では、上記構成において、空
間フィルタは、シートフイルム等で構成した固定式のも
のをスクリーンに重ねて構成することを提案する。
【0011】また本発明では、上記構成において、空間
フィルタは、演算処理装置の演算部に構成することを提
案する。
【0012】また本発明では、スクリーンは空間光変調
器により構成し、学習段階においては摺りガラスの機能
として動作させると共に、識別時においては、空間フィ
ルタの機能として動作させることを提案する。
【0013】さらに本発明では、受光器はモノクロイメ
ージセンサにより構成することを提案する。
【0014】また本発明では、受光器は、1点又は数点
の光強度を検出する装置により構成することを提案す
る。
【0015】そして本発明では、白色光は、可視光、赤
外光または紫外光を利用することを提案する。
【0016】そして本発明では、空間フィルタは、色、
形状の異なるサンプル画像につき求めた複数のものを重
ねて識別を行うことを提案する。
【0017】
【作用】複雑な構造を持った画像に関するパターン認識
法として有効なベクトル部分空間法において、画像をブ
ロック化して演算を行うブロック化部分空間法は、画像
全体に対して部分空間法を適用するよりも少ない計算量
・データ量で画像の形状の識別・分類を行うことができ
る。
【0018】識別対象のカラー画像は光分散素子を通過
させて結像させることにより、スペクトル情報を位置情
報に変換することができ、従ってこの変換した画像につ
き上記ブロック化部分空間法を適用することにより、画
像の色と形状の識別・分類を同時に行うことができる。
【0019】
【実施例】次に本発明の実施例を図を参照して説明す
る。図1は本発明を適用する構成の第1実施例を示すも
ので、この実施例では、色と形状の識別対象は、白色
光、例えば太陽光に照明された物体1である。物体1か
らの光は、レンズ2aで平行光とされて光分散素子3を
通り、次いでレンズ2bを経てスクリーン4上に結像さ
れる。この例では、スクリーン4は摺りガラス4aによ
り構成しており、スクリーン4上の画像5はレンズ2c
を経て受光器6に結像され、画像5の各所の光強度が電
気信号に変換されて計算機7に入力され、処理に供され
る。この例では、受光器6はモノクロのイメージセンサ
により構成している。尚、符号8aは受光器6の制御用
のドライバを示すものである。
【0020】上記スクリーン4上の画像5は、物体1の
像が、光分散素子3により波長毎に分散されて波長方向
にずれて表示される。即ち、物体1の色の情報、即ちス
ペクトル情報は、スクリーン4上の位置情報に変換され
る。この実施例では、光分散素子3は回折格子としてお
り、従ってスクリーン4上には、±1次、0次、その他
の高次の回折像が得られるが、スペクトル情報を位置情
報として含む、どの次数の像も、単独で又は複数組み合
わせて利用することができる。図に示すように、この例
では、±1次、0次の回折像を含むスクリーン4の範囲
を対象範囲としている。回折格子は、反射型、透過型の
いずれを利用することもでき、また図に示すように一方
向の回折格子とする他、クロスグレイティング等、多方
向の回折格子を利用することもできる。また光分散素子
5としては、プリズムを利用することもできる。
【0021】以上の第1実施例においては、まず、適数
のサンプル物体の回折画像をスクリーン4上に表示し
て、これらの画像を受光器6を介して電気信号に変換
し、後述するようにブロック化部分空間法を適用して最
適な空間フィルタを設計する。即ち、学習を行う、この
後、この空間フィルタは計算機7の演算部にデータとし
て記憶し、識別すべき物体の画像をスクリーン4上に表
示させ、スクリーン4上の画像の各所の光強度を受光器
6により測定して、計算機7上で、この画像と空間フィ
ルタとの内積をブロック毎に求めて画像の識別を行うの
である。この構成では、受光器6は、モノクロイメージ
センサにより構成することができる。
【0022】図2は本発明を適用する構成の第2実施例
を示すもので、図1と同様な構成要素には同一の符号を
付して重複する説明は省略する。この第2実施例ではス
クリーン4は摺りガラス4aに代えて、液晶ディスプレ
ーパネル等の空間光変調器4bにより構成している。こ
の構成では、空間光変調器4bは、上記学習段階におい
ては、計算機7からドライバ8bを介しての制御により
摺りガラスとしての機能として動作させると共に、識別
時においては、設計した空間フィルタのパターンを形成
して、空間フィルタの機能として動作させることによ
り、上記内積演算を光学的に行うことができる。この構
成では、受光器8は、上記モノクロイメージセンサの
他、ホトトランジスタ、ホトダイオード、光電子増倍管
等の、画像の光強度を点検出する素子を単数または複数
用いて構成したものとすることができる。
【0023】図3は本発明を適用する構成の第3実施例
を示すもので、上述した図の構成と同様な構成要素には
同一の符号を付して重複した説明は省略する。この第3
実施例では、識別対象は、物体1の像をカラーイメージ
センサ9を通して入力し、カラー液晶ディスプレーパネ
ル等の空間光変調器10に表示されたカラー画像であ
る。符号11は白色光源であり、この白色光源11から
の白色光は、レンズ2aにより平行光とされてカラー空
間光変調器10を照射し、このカラー空間光変調器10
を透過する。次いで透過した光は、光分散素子3を通
り、レンズ2bを経てスクリーン4上に結像する。スク
リーン4は第1実施例と同様に摺りガラスにより構成し
ている。従って、受光器6や、空間フィルタの構成、及
び学習段階及び識別段階の動作も第1実施例と同様な動
作を採用することができる。
【0024】図4は本発明を適用する構成の第4実施例
を示すもので、この構成では、第3実施例におけるスク
リーンを、第2実施例と同様に摺りガラス4aに代え
て、液晶ディスプレーパネル等の空間光変調器4bによ
り構成している。従って、受光器6や、空間フィルタの
構成、及び学習段階及び識別段階の動作も第2実施例と
同様な動作を採用することができる。
【0025】次に、本発明の動作原理を説明する。ま
ず、空間フィルタの設計につき、その原理を説明する。
複雑な構造を持った画像に関するパターン認識法として
有効なものに、直交変換の一つであるベクトル部分空間
法がある。このベクトル部分空間法は、直交変換の中で
は原理的にデータ圧縮効率が最も高い変換であるため、
複雑な構造を持つ画像のパターン認識・分類について適
用した場合、特に大きな威力を発揮する。そして本発明
者等は、このベクトル空間法を適用するにあたり、画像
をブロック化することで、画像全体に対して部分空間法
を適用するよりも少ない計算量・データ量で画像の識別
・分類を行えるブロック化部分空間法を提案している。
(例えば、早坂、豊岡、門野:光学連合シンポジウム旭
川’93講演予稿集(1993年) 25Ba06(第
45〜46頁)参照のこと。)この提案は、形状のみの
識別に関するものであるが、本発明では上述したとお
り、光分散素子を用いてスペクトル情報を位置情報に変
換することにより、複雑な構造を持つカラー画像パター
ンに対し、ブロック分割画像を適用して、色と形状を同
時に認識・分類する方法を提案するものである。
【0026】図5は本発明におけるパターン識別の基本
概念であるブロック分割画像モデルの原理を示す説明図
である。識別を行うためには、まず識別を行うための学
習用サンプルを用意することが必要となる。用意された
学習用サンプル画像は、それらのサンプル画像間及びブ
ロック間である程度の相関を持つため、部分空間法によ
り特徴抽出が可能である。そこで、スクリーン4上の画
像5を所望の数で分割した各空間フィルタブロック毎に
計算機7により特徴抽出を実行して画像のデータ圧縮・
特徴抽出を行う。この特徴抽出の対象は、上述したとお
り、スペクトル情報が位置情報に変換された画像であ
る。
【0027】学習サンプル像の総数をM、一枚の像の画
素数をN、学習サンプル像集合でi番目のサンプル像を
ベクトルX(i)(i=1,2,…,M)と表すことにする。画像
の各空間フィルタブロックは画素数nで構成する。ま
た、学習サンプル像集合のi番目の画像でj番目の不路
突くベクトルをxj(i)(j=1,2,…,N/n)と表すことにす
る。全ての空間フィルタブロックについて、特徴を最も
よく表すことができる基底ベクトルをukとすると、部
分空間法により学習用サンプル像は次式で示すように、
(i)'と近似して表現することができる。
【数1】 ここで、kは基底ベクトルの次元数(k=1,2,…,p)、a
jk(i)はi番目の学習用パターン像において、j番目の
空間フィルタブロックにおけるk番目の基底ベクトルの
係数である。次元pを適切に選択することで上式により
学習用パターン像は、効率的に特徴抽出・データ圧縮を
行うことができる。このブロック分割画像モデルは、画
像の構造的な特徴を反映するため、ブロックには最適な
ブロックサイズが存在するが、このサイズは、パターン
の構造の複雑さ等に応じて適宜に設定することができる
が、簡易な方法として経験的に設定することができる。
【0028】このブロック分割画像モデルを用いて識別
すべき画像を2クラスに分類する2クラス問題を考え
る。2クラス問題で最も簡単な分類の方法は、基底ベク
トルとテストサンプルとの内積値の代償で分類ができる
ような基底ベクトルを部分空間の中から一つ見つけるこ
とである。もし、そのような基底ベクトルが見つけられ
たとすると学習用サンプルと基底ベクトルとの内積値
は、クラス1とクラス2の学習用パターンベクトルを夫
々x,yとしたときに、次式のようになる。
【数2】 ここでrはクラスを分けるしきい値とする。よってテス
トサンプル、即ち識別対象をsとしたとき、sTu<r
であればクラス1に、sTu>rであればクラス2に属
することとなる。
【0029】ここで問題となるのは、どのようにして各
空間フィルタブロックについて、ただひとつの最適な基
底ベクトルを部分空間の中から選ぶのか、また、どのよ
うにして空間フィルタを合成するために必要な基底ベク
トルの組み合わせを見つけたらよいのかということであ
る。一般に、この基底ベクトルの組み合わせは膨大な数
になり、組み合わせを一つ一つチェックする方法を採用
することはできない。そこで、この組み合わせ問題を解
決するために、遺伝アルゴリズムや、ニューラルネット
ワークやシミュレーテッドアニーリング等を利用するこ
とができる。ここでは、その方法として、遺伝アルゴリ
ズムを採用している。遺伝アルゴリズムは、最適な組み
合わせを探索できる方法で、生物の進化の過程をそのま
まシミュレートしたものである。
【0030】次に本発明において採用した遺伝アルゴリ
ズムについて説明する。例えば遺伝子の構成分子を次の
6種類とする。 {○,△,□,●,▲,■} 親の遺伝子を例えば、 親1 ○○△□●■ 親2 ■○△■●□ であるとする。遺伝アルゴリズムでは、交差と突然変異
という2つの過程で親から子供を作る。交差とは親の遺
伝子をある部分で入れ替える過程である。例えば親の遺
伝子の3番目と4番目の間を切り離して入れ換えるとす
ると子供は次のようになる。 子1 ■○△|□●■ 子2 ○○△|■●□ 突然変異とは、ある確率のもとに遺伝子のある部分をラ
ンダムに入れ換える過程である。例えば前記の親1の遺
伝子の3番目と4番目に突然変異を生じさせると、子供
は次のようになる。 子 ○○■●●■ このようにして交差と突然変異を組み合わせてたくさん
の子供を作る。作成された子供は評価関数で評価され、
優秀な子供が次の世代に引き継がれていく。そして優秀
の遺伝子が見つかるまでこの走査が繰り返される。
【0031】本発明に関しては、識別するための最適な
基底ベクトルの組み合わせを見つけるために遺伝アルゴ
リズムを適用した。即ち、遺伝子の構成分子として部分
空間の基底ベクトルを設定し(即ち、上記のブロック分
割画像モデルではp個の基底ベクトル)、遺伝子の並び
として、その空間フィルタブロックの基底ベクトルの組
み合わせを設定する。そして、子供を評価する評価関数
Jを以下に述べる式のように定義する。つまり、内積値
のクラス内分散を小さくし、クラス間平均内積値の分散
を大きくする走査を行う関数として評価関数Jを定義す
る。そして、最適な空間フィルタを作成するために、こ
の評価関数を大きくするように遺伝アルゴリズムを繰り
返す。
【0032】次に評価関数Jの決定方法について図6を
参照して説明する。学習用サンプルベクトルをsml、部
分空間の基底ベクトルをukとする。ここで部分空間の
基底番号をk、クラスの番号をl、学習用サンプル像の
番号をmとする。またクラスの数をL、各クラスにおけ
るサンプルの数をMlとする。l番目のクラスにおける
学習用サンプルのクラス内平均内積値を次式とする。
【数3】 l番目のクラスにおけるm番目のサンプルのクラス内平
均内積値との差の2乗は、次式となる。
【数4】 よってl番目のクラス内のクラス内分散は次式のように
なる。
【数5】 また全クラスの平均内積値は次式となる。
【数6】 l番目のクラスにおける全クラス平均内積値とクラス内
平均内積値との差の2乗はwl=(al−A)2となる。
よってクラス間分散は次式のようになる。
【数7】 最終的に評価関数Jは次式のようになる。
【数8】 ここでαは評価関数Jにおけるクラス内分散の重み、β
は評価関数Jにおけるクラス間分散の重みを表す。これ
らの値により、クラス内分散、クラス間分散のどちらを
重要視するかを決定することができる。この評価関数J
において、関数の分母の第1項目がクラス内の分散を評
価し、第2項目がクラス間の分散を評価する。上記α,
βの値はクラスの数Lとクラス内の学習サンプル数Ml
の相対的な大小関係に依存する。例えば、Lが大きい場
合、即ち多くのクラスを分類しなければならない場合に
は、クラス間分散を大きくする、即ちαを大きくする必
要がある。それに対して、1つのクラス内の学習サンプ
ルの数が多い場合には、その分散をできるだけ小さくす
ることによってクラス間の紛れ込み、即ち、あるクラス
に分類されるべきテストサンプルが、他のクラスに分類
されてしまうこと、を小さくすることができる。
【0033】次に実施結果を説明する。識別対象として
は、図7に示すように、{○・□・△}の三種類の形
状、{RED・GREEN・BLUE・YELLOW}
の4種類の色、合計12種類の学習サンプルを用意し
て、第3又は第4実施例の構成により学習、識別を行っ
た。尚、図ではハッチングにより色の違いを表してい
る。このような学習サンプルを光分散素子を通して分散
させてスクリーン上に結像させた分散像の一例は図8に
模式的に示すようになる。図中左側の像が、カラー入力
像の1次回折像、右側の像が0次回折像である。スペク
トル情報が位置情報に変換されている1次回折像は当
然、ぼけた像となっている。これらの学習データとして
の分散像は画像サイズ(200×100)である。この像を
(10×10)のブロック(ブロックの総数100個)に分割
し、ブロック毎に部分空間法により計算した基底ベクト
ルを大きい方から3つを示したものが、図9に示す模式
図である。入力像がぼけた像であるために、忠実度を0.
999としたとき部分空間の次元は3次元で十分であっ
た。即ち、図中左側から、第1基底ベクトル、第2基底
ベクトル、第3基底ベクトルを表し、そのNo.の下側
に固有値を示している。これらの3つの基底ベクトルの
固有値の総和は、全体の0.999であり、従って忠実度を
0.999としたときの部分空間の次元は3次元で十分であ
ることがわかる。
【0034】対象画像を識別するための空間フィルタ
は、その各空間フィルタブロックの位置において、上記
3つの基底ベクトルの中から選択し、そして全体として
組み合わせ処理を行って合成する。この処理は、上述し
た遺伝アルゴリズムを用いて行う。
【0035】対象画像の識別の実験は、図13に模式的
に示すように3つの実験グループにつき行った。即ち、
第1グループは形で識別(3つに分類)、第2グループ
は色で識別(4つに分類)、第3グループは色と形が混
在したグループG1,G2での識別(2つに分類)であ
る。尚、図13において、「○」がC、「□」がS、
「△」がT、「RED」がR、「GREEN」がG、
「BLUE」がB、「YELLOW」がYを表してい
る。
【0036】図14は形で分類した結果、図15は色で
分類した結果、図17は色・形が混在したグループ
1,G2で分類した結果を示す。また夫々図10、図1
1、図12は、各実験グループを分類するために合成さ
れた空間フィルタを、各ブロックにおける基底ベクトル
の番号により表したものである。これらの図に示される
ように、各実験グループの学習サンプル像のブロック毎
の特徴に従って、異なる基底ベクトルが各空間フィルタ
ブロックで選択されていることがわかる。そして各空間
フィルタによって得られる出力値を示す図14,図1
5,図16に示されるとおり、各実験グループ共に、各
識別対象毎に、少ない分散で異なる出力値が得られるこ
とがわかる。
【0037】
【発明の効果】本発明は以上の通りであるので、次のよ
うな効果がある。 識別対象のカラー画像は光分散素子を通過させて結像
させることにより、スペクトル情報を位置情報に変換す
ることができ、この変換した画像につきブロック化部分
空間法を適用することにより、画像の色と形状の識別・
分類を、比較的簡単な構成で同時に行うことができる。
即ち、物体の画像の色と形状とを同一に扱うことがで
き、これらの混在したグループについての識別が可能で
ある。 複雑な構造を持った画像に関するパターン認識法とし
て有効なベクトル部分空間法において、画像をブロック
化して演算を行うブロック化部分空間法は、画像全体に
対して部分空間法を適用するよりも少ない計算量・デー
タ量で画像の形状の識別・分類を行うことができる。 空間フィルタを2枚組み合わせることにより、色・形
状の異なるグループの識別が可能となる。 対象とするスペクトル範囲、紫外光から赤外光まで広
範囲である。 内積演算を光学式に行う構成においては、識別を瞬時
に行うことができ、従って高速な現象における色と形状
の同時識別が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用する構成の第1実施例を示す系
統図である。
【図2】 本発明を適用する構成の第2実施例を示す系
統図である。
【図3】 本発明を適用する構成の第3実施例を示す系
統図である。
【図4】 本発明を適用する構成の第4実施例を示す系
統図である。
【図5】 本発明におけるパターン認識の基本概念であ
るブロック分割画像モデルの原理を示す説明図である。
【図6】 本発明における評価関数の決定方法を示す説
明図である。
【図7】 識別対象の学習サンプルを示す説明図であ
る。
【図8】 学習サンプルのスクリーン上の分散像の一例
を模式的に示す説明図である。
【図9】 計算した基底ベクトルを固有値の大きな順で
3つ模式的に表した説明図である。
【図10】 合成された空間フィルタの一つを、各ブロ
ックにおける基底ベクトルの番号により表した説明図で
ある。
【図11】 合成された空間フィルタの他の一つを、各
ブロックにおける基底ベクトルの番号により表した説明
図である。
【図12】 合成された空間フィルタの更に、他の一つ
を、各ブロックにおける基底ベクトルの番号により表し
た説明図である。
【図13】 識別対象の実験のグループ分けの例を示す
説明図である。
【図14】 識別結果の一例を示す説明図である。
【図15】 識別結果の他例を示す説明図である。
【図16】 識別結果の更に他例を示す説明図である。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 識別対象のスクリーン上の画像と、予め
    学習用サンプル画像につきブロック化部分空間法を適用
    して求めた空間フィルタとの内積をブロック毎に求める
    ことにより画像内のパターンの識別を行うブロック化部
    分空間法において、識別対象は自発光物体とし、この自
    発光物体からの光を光分散素子により分散させてスクリ
    ーン上に結像させ、これを受光器を経て演算処理装置に
    入力して識別を行うことを特徴とするブロック化部分空
    間法を用いた色と形状の同時識別方法。
  2. 【請求項2】 識別対象のスクリーン上の画像と、予め
    学習用サンプル画像につきブロック化部分空間法を適用
    して求めた空間フィルタとの内積をブロック毎に求める
    ことにより画像内のパターンの識別を行うブロック化部
    分空間法において、識別対象は白色光で照射された物体
    とし、この白色光で照射された物体からの光を光分散素
    子により分散させてスクリーン上に結像させ、これを受
    光器を経て演算処理装置に入力して識別を行うことを特
    徴とするブロック化部分空間法を用いた色と形状の同時
    識別方法。
  3. 【請求項3】 識別対象のスクリーン上の画像と、予め
    学習用サンプル画像につきブロック化部分空間法を適用
    して求めた空間フィルタとの内積をブロック毎に求める
    ことにより画像内のパターンの識別を行う方法におい
    て、識別対象は空間光変調器に表示された画像とし、こ
    の空間光変調器を透過させた光を光分散素子により分散
    させてスクリーン上に結像させ、これを受光器を経て演
    算処理装置に入力して識別を行うことを特徴とするブロ
    ック化部分空間法を用いた色と形状の同時識別方法。
  4. 【請求項4】 空間光変調器は、カラー液晶ディスプレ
    ーパネルとする請求項3記載のブロック化部分空間法を
    用いた色と形状の同時識別方法。
  5. 【請求項5】 スクリーンは、摺りガラスとすることを
    特徴とする請求項1〜4記載のブロック化部分空間法を
    用いた色と形状の同時識別方法。
  6. 【請求項6】 空間フィルタは、シートフイルム等で構
    成した固定式のものをスクリーンに重ねて構成すること
    を特徴とする請求項1〜5記載のブロック化部分空間法
    を用いた色と形状の同時識別方法。
  7. 【請求項7】 空間フィルタは、演算処理装置の演算部
    に構成した請求項1〜5記載のブロック化部分空間法を
    用いた色と形状の同時識別方法。
  8. 【請求項8】 スクリーンは空間光変調器により構成
    し、学習段階においては摺りガラスの機能として動作さ
    せると共に、識別時においては、空間フィルタの機能と
    して動作させることを特徴とする請求項1〜4記載のブ
    ロック化部分空間法を用いた色と形状の同時識別方法。
  9. 【請求項9】 受光器はモノクロイメージセンサにより
    構成したことを特徴とする請求項1〜8記載のブロック
    化部分空間法を用いた色と形状の同時識別方法。
  10. 【請求項10】 受光器は、1点又は数点の光強度を検
    出する装置により構成したことを特徴とする請求項8記
    載のブロック化部分空間法を用いた色と形状の同時識別
    方法。
  11. 【請求項11】 白色光は可視光であることを特徴とす
    る請求項2〜10記載のブロック化部分空間法を用いた
    色と形状の同時識別方法。
  12. 【請求項12】 白色光は赤外光であることを特徴とす
    る請求項2〜10記載のブロック化部分空間法を用いた
    色と形状の同時識別方法。
  13. 【請求項13】 白色光は紫外光であることを特徴とす
    る請求項2〜10記載のブロック化部分空間法を用いた
    色と形状の同時識別方法。
  14. 【請求項14】 空間フィルタは、色、形状の異なるサ
    ンプル画像につき求めた複数のものを重ねて識別を行う
    ことを特徴とする請求項1〜13記載のブロック化部分
    空間法を用いた色と形状の同時識別方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0847838A3 (de) * 1996-12-12 2000-07-19 Gerhard Schubert GmbH Produktscanner

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