JPH0824623A - 流動層触媒反応装置 - Google Patents

流動層触媒反応装置

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JPH0824623A
JPH0824623A JP18305994A JP18305994A JPH0824623A JP H0824623 A JPH0824623 A JP H0824623A JP 18305994 A JP18305994 A JP 18305994A JP 18305994 A JP18305994 A JP 18305994A JP H0824623 A JPH0824623 A JP H0824623A
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JP
Japan
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fluidized bed
catalyst
cooling
regeneration
gas
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Application number
JP18305994A
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English (en)
Inventor
Yoneichi Ikeda
米一 池田
Shinji Tashiro
眞治 田代
Toshio Tsutsui
俊雄 筒井
Osamu Kubota
修 久保田
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Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の装置では処理することが難しかったよ
うな炭素含量の大きい原料を処理できる流動層触媒反応
装置を提供することである。 【構成】 本装置10は、反応塔12と、上部の再生部
14と、下部の冷却部16とからなる複合塔18とを備
えている。再生部は、流動層を形成して反応塔から移送
された触媒を再生し、再生した触媒を反応塔に送入す
る。冷却部は、連通部36を介して上部の再生部に連通
している。また、再生部流動層から触媒を冷却部流動層
に溢流させる溢流管58が、再生部から連通部を貫通し
て冷却部に下降するように設けられている。冷却部は、
管60より流動化ガスを導入して触媒を流動させつつ冷
却管62により冷却し、冷却した触媒を流動化ガスに同
伴させて再生部流動層に戻す。連通部は、多数の貫通孔
を備え、冷却部から上昇する流動化ガス及びそれに同伴
された触媒を通過させると共に再生部に形成された触媒
流動層を支持する。触媒は、溢流管を介して再生部流動
層から冷却部流動層に流下して冷却され、次いで冷却部
流動層から流動化ガスに同伴して再生部流動層に戻る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反応による析出炭素量
が著しく多い重質油の熱分解や水素化分解などの反応プ
ロセスの研究過程から発想されたものであり、触媒の再
生を常時必要とし、触媒の再生反応に多大な発熱を伴う
流動層触媒反応装置に関し、更に詳細には炭素含量の大
きい重質の原料物質を分解して軽質の生成物質を製造す
るのに適した流動層触媒反応装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】流動層触媒反応装置は、基本的には、流
動層用触媒を使用して触媒流動層を形成しつつ原料物質
を処理する反応塔からなるものと、更にはその反応塔に
加えて触媒を再生するための再生塔を加えたものがあ
る。例えば、後者の例としては、代表的には石油精製工
場において減圧軽油等の重質の原料油を分解してガソリ
ン等の軽質の製品油を製造する流動接触分解装置があ
る。尚、本明細書において、重質とは沸点が高く比重が
比較的大きいことを言い、軽質とは沸点が低く比重が比
較的小さいことを言う。一般に、重質な原料は分子量が
大きく、軽質な原料は分子量が小さい。
【0003】ところで、従来、流動接触分解法は、炭素
含量がそれほど多くない原料、例えば減圧軽油等を原料
として来たが、近年、炭素含量の極めて大きい原料を処
理する必要が生じている。例えば石油精製工場において
は、処理する原油中に占める重質原油の割合が多くなっ
ているため、必然的に流動接触分解装置の原料が重質の
油になっていることによる。従来の流動接触分解装置で
は、減圧軽油又は減圧軽油に常圧残渣を混合した炭素含
量(原料に対して触媒上に析出するコークの重量比率で
表示)が多くても3〜5重量%の原料を処理していた
が、近年、6重量%以上、更には10重量%以上の炭素
含量の原料油を処理する必要が生じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の流動層
触媒反応装置に炭素含量の大きい原料を導入すると、反
応塔では原料の分解に際し、多量の炭素が触媒に堆積す
る。従って、再生塔で触媒を再生するには、反応塔で触
媒に堆積した多量の炭素を空気又は酸素含有ガスによっ
て燃焼し、二酸化炭素又は一酸化炭素にして触媒から遊
離させることが必要になる。しかし、再生塔で多量の炭
素を燃焼させると、再生塔の触媒再生温度が著しく上昇
し、触媒活性のみならず触媒自体の機械的強度が低下す
る。また、反応塔には温度の高い再生触媒が導入される
ので、反応塔の温度が必然的に上昇し、過剰分解等の極
めて望ましくない影響が反応工程に生じる。
【0005】そこで、再生塔の触媒を強制的に冷却し
て、再生塔内の触媒温度を低下させる試みが提案されて
いる。例えば、米国特許2,970,117号、米国特
許2,873,175号、米国特許2,862,798
号等において、再生塔に熱交換器型の冷却手段を付設し
て除熱を行う方法が提案されている。しかし、それらの
方式では、再生塔と冷却手段との間で触媒粒子を安定し
て循環させることが難しいので、再生塔の流動層温度が
所定の温度に低下するとは認めがたく、かかる方式は、
炭素含量が7〜8%以上のような高い原料を処理する装
置としては適していない。
【0006】そこで、本発明の目的は、従来の装置では
処理することが難しかったような炭素含量の大きい原料
を処理できる流動層触媒反応装置を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る流動層触媒反応装置は、触媒流動層を
形成しつつ反応を進行させる反応塔と、触媒流動層を形
成しつつ反応塔から移送された触媒を再生する再生塔と
を備え、再生した触媒を反応塔に送入するようにした流
動層触媒反応装置において、再生塔が、触媒を再生する
再生部と、再生部の下に形成された冷却部と、再生部と
冷却部との間に位置して再生部と冷却部とを連通させる
連通部とから構成され、冷却部は流動化ガスを導入して
触媒を流動させる手段と流動化した触媒を冷却する手段
とを備えて再生部から流下した触媒を流動させつつ冷却
し、連通部が、多数の貫通孔を有する部材で形成されて
いて、貫通孔を介して、冷却部流動層から上昇する流動
化ガス及びそれに同伴する触媒を再生部に流入させると
共に再生部の触媒流動層を支持し、再生部流動層から触
媒を冷却部流動層に溢流させる溢流管が、再生部から冷
却部に下降するように設けられ、触媒は、溢流管を介し
て再生部流動層から冷却部流動層に流下して冷却され、
次いで冷却部流動層から流動化ガスに同伴して再生部流
動層に戻るようにしたことを特徴としている。
【0008】本発明において、反応塔及び再生塔の塔と
は、塔、槽等を含む縦型容器を意味する。本発明では、
触媒とは、化学反応を起す物質系に共存してその反応速
度を増大させるが、その化学反応の化学量論に無関係
な、すなわち反応式に現れない物質を言い、更に、本発
明で用いる触媒は流動層を形成するのに好適な固体粒子
状物質である。冷却部に送入する流動化ガスは、好まし
くは、再生部に送入する再生ガスのガス源から供給され
るガスを使用する。これにより、流動化ガスは、冷却部
内で触媒層を通過して流動化させた後、再生部に流入
し、再生部に直接送入された再生ガスと一緒になって廃
触媒を再生する。
【0009】連通部は、冷却部から上昇する流動化ガス
及び触媒を再生部流動層中に分散し、かつ再生部流動層
を支持できる限り、特にその構造に制約は無く、多数の
開口を分散させた支持構造、例えば多孔板、グリッド等
を使用できる。均一なガス分散を行うためには、開口を
通過するガス速度は、20m/sec 〜120m/sec の範
囲、望ましくは30m/sec 〜80m/sec の範囲とする。
ガス速度が20m/sec より低いと、ガスの分散が不均一
になるばかりでなく、再生部流動層の触媒の一部が開口
を介して流下することがあるからである。また、ガス速
度が120m/sec以上になると、開口周辺の部材の磨耗
が大きくなるからである。再生ガスは、連通部の上下い
ずれに導入してもよい。
【0010】溢流管は、再生部と冷却部との間の連結部
を貫通するように設けてもよく、また再生部から塔の外
に出て塔の外壁に沿って外側を下降し、再び冷却部内に
入るように設けてもよい。再生部と冷却部との間の触媒
循環量は、冷却部に送入する流動化ガスの流量の大小に
応じて増減し、一方、循環量が多いほど、再生部の温度
は低下する。言い換えれば、再生部流動層の温度は、流
動化ガスの流量と冷却部の温度によって制御される。冷
却部の温度を一定とすると、再生部流動層の温度を低い
温度に維持する時には流動化ガスの流量を大きくし、再
生部流動層の温度が高くてもよい時には流動化ガスの流
量を小さくできる。空気を用いる場合には、触媒の再生
に必要なガス量は一定であり、また再生部流動層を形成
するのに必要なガス量も一定であるから、冷却部に送入
する流動化ガスとして再生部に送入する再生ガスと同じ
ガスを使用する時には、再生部に送入する再生ガスの量
をそれだけ減少できる。
【0011】以上説明したように、再生部の触媒温度を
所定温度に維持するためには、再生部と冷却部との間の
触媒循環量を適切な量に維持することが必要がある。再
生部と冷却部との間の触媒循環量は、冷却部への流動化
ガスの送入量と、冷却部流動層上部と再生部流動層との
間のフリーボードの高さによって支配される。流動化ガ
スに同伴されて上方に上昇する触媒の一部は、重力によ
り落下して下の流動層に戻るので、流動化ガスに同伴さ
れる触媒輸送量は、流動層からの距離に応じて減少し、
流動層からある距離以上上方に上昇すると、ほぼ一定の
値となる。輸送量がほぼ一定になる流動層上部からの距
離(高さ)は、TDHといわれている。TDH以上の高
さでは、触媒輸送量は、ガス空塔速度のみで変化し、流
動層からの高さは無関係となるので、流動層の制御が容
易になる。TDHの大きさは、下記の式で近似的に求め
ることができる。 TDH/DT =5(UO /DT 0.75 ここで、UO はガス空塔速度(m/sec )を表し、DT
塔径(m)を表す。
【0012】よって、本発明の望ましい実施態様は、前
記連通部の貫通孔を通過するガス速度が20〜120m
/s、好ましくは30〜80m/sであり、冷却部の流
動層から連通部までの高さh(m)が、下式の関係にあ
ることを特徴としている。 h/DT ≧4(UO /DT 0.75 ここで、UO 及びDT はそれぞれ冷却部のガス空塔速度
(m/sec )及び冷却部の塔径(m)を表す。本発明で
は、連通部が、冷却部の流動層上部から上方にTDHの
値の80%以上高い位置に設けてある。尚、冷却部の流
動層高さは、冷却管等の冷却手段を浸漬することができ
る高さがあれば十分である。
【0013】冷却部に設ける冷却手段は、流動化してい
る触媒を冷却できる限り制約は無いが、好適には、曲が
り部を下方に向け流動層内に上下方向に配置されたUチ
ューブ状の管状体で冷却手段を構成し、管状体内に冷却
水を流して触媒を冷却する。Uチューブ状の管状体で構
成することにより、触媒からの伝熱による管状体の熱膨
張をUチューブ状の自由端で自在に逃がすことができ
る。また、管状体として、通常のボイラー用規格品のよ
うな直径と長さの円管を使用できる。また冷却媒体とし
て水を使用することにより、加圧蒸気として冷却熱を回
収することができる。
【0014】本発明の望ましい実施態様では、冷却部流
動層は、その温度が500°C 以下、好ましくは450
°C 以下になるように前記冷却手段により冷却されるこ
とを特徴としている。これにより、冷却部では実質的に
触媒上のコークの燃焼反応が進行しないようにされてい
る。
【0015】本発明の更に望ましい実施態様では、再生
部のガス空塔速度が0.3〜1.5m/s、好ましくは
0.4〜1.0m/sになるように再生部の流動化ガス
の導入流量を調節し、かつ冷却部のガス空塔速度が0.
2〜2.0m/s、好ましくは0.4〜1.2m/sに
なるように、冷却部の流動化ガスの導入流量を調節する
ことを特徴としている。尚、この実施態様で使用する触
媒は25〜250μm、好ましくは40〜120μmの
範囲の重量平均径と、0.3〜1.5g/cm3 の嵩密
度とを有する実質的に球状の流動層触媒である。
【0016】気固系の流動層は、層密度に応じて濃厚流
動層と高速流動層および気流搬送(稀薄流動層)とに分
けられている。層密度は、主として流動化ガスの流速で
定まり、通常の流動層用粒子では、濃厚流動層及び高速
流動層を形成する空塔速度は、それぞれ約0.1〜2m
/s及び約2〜4m/sである。再生部のガス空塔速度
が0.3m/s以下になると、流動層内の触媒粒子の混
合の程度が低下し、局部的に温度が上昇し、逆に1.5
m/s以上になると、流動化ガスに同伴される触媒飛散
量が増加し、いずれも好ましくない。冷却部のガス空塔
速度が0.2m/s以下および2.0m/s以上になる
と、熱の移動が低下し、除熱が困難になる。
【0017】更に、本実施態様では、流動化ガスの流量
を上述のように規定して再生部の流動層を濃厚流動層と
しているために、流動層密度が大きく、触媒粒子混合が
よく、触媒粒子間の伝熱がよいので、再生部において局
部的発熱が抑制され、流動層内が均一な温度に保たれる
ので、触媒の熱的な劣化が抑制される。また、反応塔の
流動層を濃厚流動層にすれば、供給原料や反応生成物が
粘着性を帯びても触媒粒子同士の粘着、凝集などが起こ
り難い。また、好適には、反応塔及び再生部の流動層上
部に比較的大きな空間(フリーボード)を設け、反応塔
ガス及び再生部ガスに同伴された触媒粒子を沈降させる
ようにする。これにより、流動層からの飛散粒子が少な
くなり、濃厚流動層を安定して維持できる。
【0018】本発明は、反応塔にて実質的に吸熱反応を
行い、再生部にて発熱反応を行うような流動層触媒反応
に広く適用できる。特に反応生成物と再生ガスとを分離
して取出したい場合には好適である。このような反応例
としては、石油工業における流動接触分解、水素化分
解、熱分解、化学工業における脱アルキル、メタンカッ
プリングなど多くを挙げることができる。尚、ここで言
う実質的に吸熱反応とは、通常の吸熱反応に加えて、反
応が発熱反応であっても、温度を維持して反応を進行さ
せるために熱を外部から供給する必要がある反応を言
う。
【0019】
【作用】炭素含量の大きい重質の原料物質を分解して炭
素含量の小さい軽質の生成物質を製造する工程を実用的
かつ安定して実施するには、触媒上に析出したコーク成
分を再生部で燃焼させる際に発生する極めて大きな熱量
を系外に取り出す必要がある。本発明では、冷却部を再
生部の下部に連続して設け、溢流管を介して再生部流動
層から冷却部流動層に触媒を流下させて、冷却部流動層
で冷却し、次いで冷却部流動層から流動化ガスに同伴さ
せて再生部流動層に戻している。これにより、触媒が再
生部と冷却部との間で安定して循環しつつ冷却部で冷却
されるので、再生部で発生する熱量を系外に安定して取
り出し、再生部の温度を所定の温度に維持することがで
きる。再生部流動層の高さは、溢流管の高さにより定め
られるので安定している。
【0020】
【実施例】以下、添付図面を参照し、実施例に基づいて
本発明をより詳細に説明する。図1は、本発明に係る流
動層触媒反応装置の一実施例の構成を示す図である。流
動層触媒反応装置(以下、簡単に装置と略称する)10
は、反応塔12と、上部の再生部14及び下部の冷却部
16からなる複合塔(再生塔)18とから構成されてい
る。反応塔12は、流量調節弁20を有する廃触媒流出
管22と、反応塔流動化ガス送入管24と、原料油供給
管26とを塔下部を備え、反応塔流動化ガス送入管24
から導入されるガスにより塔内に滞留する触媒を流動化
して流動層28を塔内に形成する。また、反応塔12
は、塔頂部にサイクロン捕集器30と、反応塔ガス流出
管32とを備え、反応塔12内で生成したガスをサイク
ロン捕集器30経由反応塔ガス流出管32により外部に
流出させている。サイクロン捕集器30は、生成したガ
ス中に同伴された触媒を分離するために設けてある。ま
た、塔頂圧力は、反応塔ガス流出管32に設けられた圧
力調節弁34により調整される。
【0021】反応塔流動化ガス送入管24より導入され
るガスは、触媒を流動化させると共に原料油の分解反応
に与かっている。原料油供給管26より導入された重質
の原料油は、流動層触媒の下で反応塔流動化ガス送入管
24より供給されたガスと反応して、軽質のガス成分と
コーク成分とに分解し、ガス成分はサイクロン捕集器3
0を経由塔頂のガス流出管32から外部に流出する。一
方、コーク成分は触媒上に堆積し、触媒の活性を低下さ
せる。
【0022】複合塔18は、上部部分を構成する再生部
14と、下部部分を構成する冷却部16とからなり、そ
の境界に多孔支持板36を備えている。多孔支持板36
は、多数の開口を備えた多孔板で構成され、冷却部16
から上昇する流動化ガス及び触媒を通過させて再生部流
動層に合流させると共に再生部14の触媒流動層を支持
する働きを有する。再生部14は、廃触媒流出管22及
びその下端に連結された反応塔搬送管(反応塔ライザ
ー)38と、流量調節弁40を備えた再生触媒流入管4
2とを介して反応塔12と接続している。反応塔ライザ
ー38は、反応塔12の下部から斜めに延びる廃触媒流
出管22の下端に接続し、上方に伸びて再生部14の流
動層30上の空間部にサイクロン捕集器44を経て連通
している。また、反応塔ライザー38は、廃触媒流出管
22との連結部近傍に気流搬送用の気体を導入する反応
塔ライザーガス送入管46を備えている。再生部14の
上部には、サイクロン捕集器48が設けてあり、サイク
ロン捕集器48に接続された再生部ガス流出管50が再
生部14の塔頂から外部に伸びていて、再生部ガスを外
部に流出させる。サイクロン捕集器48は、外部に流出
する再生部ガス中に同伴された触媒粒子を分離するため
に設けてある。また、塔頂圧力は、再生部ガス排出管5
0に設けられた圧力調節弁52により調整される。多孔
支持板36上の再生部14には、再生ガス送入管54が
多孔支持板36の上下に接続され、ガス分散器57A、
Bを介して再生部流動層に連通し、再生ガスを流動層内
に送入する。
【0023】コークが付着して活性を失った廃触媒は、
流量調節弁20により流量調節されつつ反応塔12の下
部から廃触媒流出管22内を下降し、次いで反応塔ライ
ザーガス送入管46より導入された気体に同伴されて反
応塔ライザー38内を上昇してサイクロン捕集器44経
由再生部14に搬送される。サイクロン捕集器44は、
触媒粒子を搬送気体から分離するために設けてある。再
生部14内で、廃触媒は、再生ガス送入管54より導入
された再生ガス(酸素含有ガス)、例えば空気により流
動化して流動層56を形成しつつ、触媒上のコークを再
生ガスにより燃焼させて、触媒活性を再生させる。活性
が再生した触媒は、流量調節弁40により流量調節され
つつ再生触媒流入管42を通って反応塔12に戻り、再
びに反応に寄与する。
【0024】冷却部16は多孔支持板36を介して再生
部14に連通しており、更に再生部流動層56から冷却
部流動層64に触媒を溢流させる溢流管58が再生部1
4から冷却部16に下降している。これに代えて、図2
に示すように、再生部14から一旦に塔外に出て塔壁に
沿って外側を下降し、冷却部16に入るようにしても良
い。冷却部16の下部には、冷却部流動化ガス送入管6
0が再生ガス送入管54から分岐して設けられ、流動化
ガスを導入して塔内の触媒層を流動化させるようになっ
ている。また、塔内にはUチューブ状の複数本の冷却管
62がUチューブの曲がり部を下方に向けて流動層64
内に上下に配置されていて、一方の端部から冷却水が流
入し、他方の端部から冷却水又は蒸気が排出している。
【0025】再生部14内では、付着したコークが再生
反応により燃焼して、触媒温度が上昇する。高温の触媒
は、溢流管58を下降して冷却部16に入り、そこで冷
却部流動化ガス送入管60より導入されたガスにより流
動化して流動層64を形成しつつ冷却管62内を流れる
冷却水により冷却される。本実施例では、冷却部16に
導入する流動化ガスとして空気を用いているが、これに
限るものではない。冷却された触媒は、流動化ガスに同
伴して上昇し、多孔支持板36を通過して、再生部14
の流動層56に合流し、流動層56の触媒と混合して流
動層56全体を冷却する。
【0026】従来の流動層触媒反応装置で用いられてい
るような多孔板型又は多孔管型のディストリビュータ
が、原料油供給口26、反応塔流動化ガス送入管24、
再生ガス送入管54及び冷却部流動化ガス送入管60の
端部に取り付けてあり、導入したガスを均一に分散させ
るようになっている。反応塔12の原料油供給口26の
下部には、多段多孔板が設けられ、塔底部へ降下する触
媒は、反応塔流動化ガス送入管24から上昇する流動化
ガスと接触して、触媒に残存している油分がストリップ
される。
【0027】反応塔12、再生部14及び冷却部16の
流動層28、56、64上の空間には、フリーボードが
設けられている。反応塔ガス及び再生部ガスをサイクロ
ン捕集器30、48に導入するまえに、同伴された触媒
を沈降分離させている。フリーボードの必要容積は塔径
及びガス空塔速度が大きくなる程、大きくする必要があ
るが、通常、フリーボードの高さを塔径の2〜4倍以上
とする。これにより、サイクロン捕集器での未捕集によ
る触媒の損失が少なくなる。
【0028】本実施例では、流動層からの飛散粒子を回
収して流動層へ循環するために、サイクロン捕集器3
0、48と、その下部へ連結されたデイプレッグ66、
68とがフリーボード領域に設けられている。それらサ
イクロン捕集器及びデイプレッグはFCCなどの流動層
で通常用いられているものでよい。更に、本実施例で
は、反応塔ライザー38の出口に別のサイクロン捕集器
44を設けて、反応塔12から再生部14へ移送される
触媒を捕集しているが、再生部14にはサイクロン捕集
器48が設けてあるので、反応塔ライザー38からの触
媒の分離は、より簡単な別の遠心分離手段でもよい。ま
た、本実施例では、冷却部16の流動化ガスとして空気
を使用することにより、それを再生部14における再生
ガスとしても利用している。この場合、冷却部16の流
動層64の温度を実質的に再生反応が進行しないような
温度500°C 好ましくは450°C 以下に維持する必
要がある。
【0029】以下に、本実施例の流動層触媒反応装置の
操作方法を説明する。先ず、塔頂圧力を設定して所定流
量の流動化ガス及び再生ガスを反応塔12、再生部14
及び冷却部16に導入し、次いで所定量の触媒を充填
し、各塔内に流動層を形成する。次いで、反応塔ライザ
ーガス送入管46から反応塔ライザー38に気体を導入
しつつ流量調節弁20、40を調節して、反応塔12と
再生部14との間で触媒循環を確立する。続いて、反応
塔12及び再生部14の各流動層を加熱し、所定の温度
になった時、所定流量の原料油を反応塔12に導入す
る。次に、再生部14及び冷却部16の流動層温度が所
定の温度に維持されるように、冷却管62には所定流量
の冷却水を流す。以上の操作により、反応塔12で触媒
に析出したコークは再生部14で燃焼され、触媒活性を
取り戻した触媒が反応塔12に戻る。一方、触媒は再生
部14と冷却部16との間を安定して循環しつつ冷却部
16で十分に冷却されるので、再生部14は、重質の原
料油を処理している場合でも、比較的低い温度に保持さ
れる。
【0030】実験例 1.実験装置の概要 図1に示す装置10の構成に従って実験装置を作製し
た。反応塔12、再生部14、冷却部16及びその他図
1に示す主要要素の寸法、配置は以下の通りである。 1)反応塔12 塔径:D1=0.080m 塔高:7.5m 2)再生部14 塔径:D2=0.08m 塔高:5m 3)冷却部16 塔径:D3=0.05m 塔高:4m 溢流管入口高さ:H3 =3m 冷却管の管径:d=0.01m 冷却管長:l =5m
【0031】2.実験例1 上述の実験装置を用いて、石油系重質油の分解反応を以
下の条件で連続的に実施した。 1)原料:比重0.90の石油系重質油であって、反応塔1
2内の触媒上に析出するコーク量(重量)が、原料油の
重量の15wt%であった。 原料油供給量:14kg/h 2)使用触媒:水素化分解用触媒 平均粒径:60μm 、かさ密度:0.80g/cm3 3)運転条件 反応塔 再生部 冷却部 反応塔ライサ゛ー 塔頂圧力〔kg/cm2G 〕 10 10 10 − 流動層温度〔°C 〕 650 700 400 300 ガス空塔速度〔m/s 〕 0.3 0.4 0.7 8 流動層密度〔g/cm3] 0.55 0.50 0.40 0.20 流動層高さ〔m 〕 6 3.5 3.5 − 触媒充填量〔kg] 17 9 2 − 送入ガス流量[Nm3/h] 16 5 15 24 反応塔〜再生部−触媒循環量〔kg/h〕 40 冷却部16の流動層64上のTDH=1.8m
【0032】 4)冷却水の条件 冷却水流量〔kg/h〕: 150 冷却水温度 : 入口 20°C 、出口 90°C 5)送入ガス組成 反応塔に導入したガス組成:H2=80vol %、その他はCH
4 など 反応塔ライザー38に導入したガス:N2 再生部14及び冷却部16に導入したガス:空気
【0033】6)実験結果 本実験では、再生された触媒のコーク含有量がほぼ一定
に維持されていることから、反応で生成されるコークは
完全に除去され、定常状態に保たれていることが確認さ
れている。また、再生部ガスの組成(vol %)は、C
O2:16.7、CO:1.9 、H2:0.9 、N2その他:80.5であっ
た。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、多数の開口を有する連
通部を介して冷却部を再生部の下部に設け、溢流管を通
して再生部流動層から冷却部流動層に触媒を流下させ
て、冷却部流動層で冷却し、次いで冷却部流動層から流
動化ガスに同伴させて再生部流動層に戻している。これ
により、触媒が再生部と冷却部との間で安定して循環し
つつ冷却部で冷却されるので、再生部で発生する熱量を
系外に安定して取り出し、再生部の温度を所定の温度に
維持することができる。よって、炭素含量が大きい原料
を流動接触反応にて分解した場合でも、反応塔の触媒流
動層の温度を所定温度に維持して過剰分解等の望ましく
ない反応を防止することができる。従って、本発明に係
る流動層触媒反応装置を使用すれば、従来の流動層触媒
反応装置では処理できなかったような重質で炭素含量の
大きい原料を処理することができる。
【0035】本発明では、再生部と冷却部とが連通部を
介して1本の塔で形成されているので、それぞれが独立
した機器で構成されている場合に比べて、第1には、構
造が著しく簡単になると共に運転もそれだけ容易にな
り、第2には、塔自体及び塔の支持架台を含む設備コス
トが低くなり、第3には、設置に必要な敷地面積も小さ
くて済むと言う利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流動層触媒反応装置の一実施例の
構成を示すフローシートである。
【図2】溢流管の別の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
10 本発明に係る流動層触媒反応装置の一実施例 12 反応塔 14 再生部 16 冷却部 18 複合塔(再生塔) 20 流量調節弁 22 廃触媒流出管 24 反応塔流動化ガス送入管 26 原料油供給管 28、56、64 流動層 30、44、48 サイクロン捕集器 32 反応塔ガス流出管 34、52 圧力調節弁 36 多孔支持板 38 反応塔搬送管(反応塔ライザー) 40 流量調節弁 42 再生触媒流入管 46 反応塔ライザーガス送入管 50 再生部ガス流出管 54 再生ガス送入管 57 ガス分散器 58 溢流管 60 冷却部流動化ガス送入管 62 冷却管 66、68 デイプレッグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 修 千葉県袖ヶ浦市北袖1番地 富士石油株式 会社袖ヶ浦製油所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒流動層を形成しつつ反応を進行させ
    る反応塔と、触媒流動層を形成しつつ反応塔から移送さ
    れた触媒を再生する再生塔とを備え、再生した触媒を反
    応塔に送入するようにした流動層触媒反応装置におい
    て、 再生塔が、触媒を再生する再生部と、再生部の下に形成
    された冷却部と、再生部と冷却部との間に位置して再生
    部と冷却部とを連通させる連通部とから構成され、冷却
    部は流動化ガスを導入して触媒を流動させる手段と流動
    化した触媒を冷却する手段とを備えて再生部から流下し
    た触媒を流動させつつ冷却し、 連通部が、多数の貫通孔を有する部材で形成されてい
    て、貫通孔を介して、冷却部流動層から上昇する流動化
    ガス及びそれに同伴する触媒を再生部に流入させると共
    に再生部の触媒流動層を支持し、 再生部流動層から触媒を冷却部流動層に溢流させる溢流
    管が、再生部から冷却部に下降するように設けられ、 触媒は、溢流管を介して再生部流動層から冷却部流動層
    に流下して冷却され、次いで冷却部流動層から流動化ガ
    スに同伴して再生部流動層に戻るようにしたことを特徴
    とする流動層触媒反応装置。
  2. 【請求項2】 前記連通部の貫通孔を通過するガス速度
    が20〜120m/sであり、冷却部の流動層上部から
    連通部までの高さh(m)が、下式の関係にあることを
    特徴とする請求項1に記載の流動層触媒反応装置。 h/DT ≧4(UO /DT 0.75 ここで、UO 及びDT はそれぞれ冷却部のガス空塔速度
    (m/sec )及び冷却部の塔径(m)を表す。
  3. 【請求項3】 冷却部流動層は、その温度が500°C
    以下、好ましくは450°C 以下になるように前記冷却
    手段により冷却されることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の流動層触媒反応装置。
  4. 【請求項4】 冷却部に送入する前記流動化ガスは、再
    生部に送入する再生ガスのガス源から供給されたガスで
    あることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか
    1項に記載の流動層触媒反応装置。
  5. 【請求項5】 前記流動化した触媒を冷却する手段が、
    流動層内に上下方向に設けられたUチューブ状の管状体
    で構成され、管状体内に冷却水を流して触媒を冷却する
    ようにしたことを特徴とする請求項1から4のうちのい
    ずれか1項に記載の流動層触媒反応装置。
  6. 【請求項6】 触媒が、25〜250μmの範囲の重量
    平均径と、0.3〜1.5g/cm3 の嵩密度とを有す
    る実質的に球状の流動層触媒であって、 再生塔のガス空塔速度が0.3〜1.5m/sになるよ
    うに再生塔の流動化ガスの導入流量を調節し、かつ冷却
    部のガス空塔速度が0.2〜2.0m/sになるように
    冷却部の流動化ガスの導入流量を調節することを特徴と
    する請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の流動
    層触媒反応装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102827629A (zh) * 2012-08-30 2012-12-19 中国石油大学(华东) 一种轻质原料、重油组合进料的催化裂解反应装置
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JPWO2016147950A1 (ja) * 2015-03-13 2017-04-27 三菱レイヨン株式会社 流動床反応器に触媒を充填する方法及びニトリル化合物の製造方法

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