JPH08229091A - リラックスゼーション装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浴槽中に上下方向の流水を生じさせてこの流
水によるゆらぎを利用して入浴者の皮膚表面を４ヘルツ
から９ヘルツの振動を与えて刺激し、容易に且つ短時間
に心身のリラックス状態を作り出す。 【構成】 浴槽２の側周面及び底面の外部側に浴槽２内
の水を循環させる循環水路３を設け、浴槽２底面に外部
側の循環水路３と連通する底部流出入口２ａを形成し、
底部流出入口２ａの直下の循環水路３に、浴槽２内の入
浴者ａの皮膚表面を４ヘルツから９ヘルツの振動を与え
て刺激する流水を上下方向に生じさせる流水発生器４を
左右に取付け、浴槽２の側周面の上部側に外部側の循環
水路３と連通する上部流出入口２ｂを形成し、浴槽２内
に入浴者ａを上方から入れて昇降させる昇降機５を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、浴槽中に上下方向の
流水を生じさせてこの流水によるゆらぎを利用して皮膚
表面を４ヘルツから９ヘルツの振動を与えて刺激し、心
身をリラックス状態にすることのできるリラックスゼー
ション装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】リラックス状態とは、身体や精神の緊張
をゆるめ、くつろぐことである。リラックス状態では、
例えば創造力や勘、閃きなどが発揮され易くなり、創造
性や判断力が高まり、肉体的或いは知的能力が充分に発
揮されるようになる。なお、脳波の波計の測定による
と、リラックス状態ではα（アルファ）波が多くなるこ
とが知られている。

【０００３】これに対し、不安やイライラなどのストレ
ス状態はリラックス状態と反対の状態である。軽度のス
トレス状態では適当な緊張が好結果を生む場合もある
が、一般にストレスは肉体や精神に悪影響を与える。そ
して、ストレスが極限状態まで高まると、肉体や精神が
ボロボロの状態となり、最悪の場合には死にいたらしめ
ることがある。なお、脳波の波計の測定によると、スト
レス状態ではβ（ベータ）波が現れることが知られてい
る。

【０００４】特に、現代の社会生活はストレス社会と言
われるように種々の社会心理的なストレスがある。この
ため、心身に悪影響を与えるストレス状態を解消しリラ
ックス状態に至る方法が提案されている。例えば、適度
な運動や散歩、自然に親しむなどである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現代の
サラリーマン社会では、企業間の競争の激化に伴い多忙
となり、前述のようなリラックス状態に至る、例えば適
度な運動や散歩、自然に親しむなどの時間を作り出すの
が容易でなかった。

【０００６】しかも、前述のようなリラックス状態に至
る方法を利用して、心身をストレス状態からリラックス
状態へと自分の力でコントロールできるようになるに
は、ある程度の訓練を経てそのコツをつかまなければな
らず、リラックス状態を作り出すことは容易でなかっ
た。

【０００７】この発明は、上記のような課題に鑑み、そ
の課題を解決すべく創案されたものであって、その目的
とするところは、浴槽中に上下方向の流水を生じさせて
この流水によるゆらぎを利用して入浴者の皮膚表面を４
ヘルツから９ヘルツの振動を与えて刺激し、容易に且つ
短時間に心身のリラックス状態を作り出すことのできる
リラックスゼーション装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めにこの発明は、浴槽の側周面及び底面の外部側に浴槽
内の水を循環させる循環水路を設け、浴槽底面に外部側
の循環水路と連通する底部流出入口を形成し、底部流出
入口の直下の循環水路に、浴槽内の入浴者の皮膚表面を
４ヘルツから９ヘルツの振動を与えて刺激する流水を上
下方向に生じさせる流水発生器を左右に取付け、浴槽の
側周面の上部側に外部側の循環水路と連通する上部流出
入口を形成し、浴槽内に入浴者を上方から入れて昇降さ
せる昇降機を設けた構成よりなるものである。

【０００９】

【作用】以上のような構成を有するこの発明は、次のよ
うに作用する。すなわち、浴槽中に上下方向の流水を生
じさせて、この流水によるゆらぎを利用して入浴者の皮
膚表面を４ヘルツから９ヘルツの振動を与えて刺激する
ことにより、リラックス状態のときに現れるα（アルフ
ァ）波を短時間に生じさせて、容易に且つ短時間に心身
のリラックス状態を作り出すように作用する。

【００１０】

【実施例】以下、図面に記載の実施例に基づいてこの発
明をより具体的に説明する。ここで、図１はリラックス
ゼーション装置の正断面図、図２はリラックスゼーショ
ン装置の側断面図、図３はリラックスゼーション装置の
平面図である。

【００１１】図において、リラックスゼーション装置１
は、浴槽中に上下方向の流水を生じさせてこの流水によ
るゆらぎを利用して皮膚表面を４ヘルツ〜９ヘルツの振
動を与えて刺激し、容易に且つ短時間に心身のリラック
ス状態を作り出す装置で、リラックスゼーション装置１
には浴槽２を中心として、循環水路３、流水発生器４、
昇降機５などが一体的に機能するような状態に設けられ
ている。

【００１２】浴槽２は浴槽内の水（湯を含む）が上下方
向に流れるような構造になっている。このため、浴槽２
の側周面及び底面の外部側には浴槽２内の水を循環させ
る循環水路３を設けられている。つまり、浴槽２は循環
水路３の内部にすっぽりと収まるように取付けられてい
て、浴槽２とその外部側の循環水路３とは浴槽２の側周
面及び底面を形成する側板及び底板によって仕切られて
いる。

【００１３】浴槽２の底面には外部側の循環水路３と連
通する底部流出入口２ａが形成されている。底部流出入
口２ａには格子状の安全柵が取付けられていて、入浴者
ａの足などが底部流出入口２ａ内に落ち込むのを防いで
いる。この実施例では底部流出入口２ａは浴槽２の底面
に左右に２つに分離した円形形状の状態で形成されてい
るが、１つのものが左右方向に繋がった状態のものから
なっていてもよい。

【００１４】浴槽２の底面に形成された２つの底部流出
入口２ａの直下の循環水路３には、浴槽２内に上下方向
の流水を生じさせる流水発生器４がそれぞれ設けられて
いる。流水発生器４は浴槽内の入浴者の皮膚表面を４ヘ
ルツから９ヘルツの振動を与えて刺激する流水を上下方
向に生じさせる機能を果たす。

【００１５】各流水発生器４は水を底部流出入口２ａか
ら浴槽２内に流入して上向きの流水を生じさせたり、逆
に浴槽２内の水を底部流出入口２ａから吸い出して浴槽
２内に下向きの流水を生じさせる機能を有している。ま
た、左右の各流水発生器４は同一向きの流水を生じさせ
るような使い方の他に、流水発生器４で上向きの流水を
生じさせ、他方の流水発生器４で下向きの流水を生じさ
せるような使い分けも簡単にできる。この上下方向の流
水又は左右の使い分けは後述のモーター４ｃの回転方向
を変えることによって簡単に制御できる。

【００１６】流水発生器４はその先端側が循環水路３内
に挿入されており、その先端には流水を生じさせるプロ
ペラ４ａが取付けられている。また、流水発生器４はそ
の基端側が循環水路３の下方の外部に出ており、動力伝
達機構としてのベルト４ｂを介してモーター４ｃに連動
連結している。そして、このモーター４ｃの駆動により
上記プロペラ４ａが回転し、プロペラ４ａの回転により
流水が生じるようになっている。

【００１７】モーター４ｃはその速度が調整可能であ
り、モーター４ｃの速度を調整することにより、流水の
速さを可変でき、入浴者の皮膚表面を４ヘルツから９ヘ
ルツの振動を与えて刺激する流水を上下方向に生じさせ
ることができる。また、左右のモーター４ｃはそれぞれ
正逆回転自在であり、左右のモーター４ｃを同一方向に
回転させたり、左右のモーター４ｃを互いに逆方向に回
転させたりすることができる。

【００１８】浴槽２の側周面の上部側には、外部側の循
環水路３と連通する上部流出入口２ｂが形成されてい
る。上部流出入口２ｂは浴槽２の側周面に周面方向に形
成されている。この実施例では上部流出入口２ｂは多数
の通水孔から形成されている。上部流出入口２ｂは、浴
槽２内に上向きの流水が生じた場合には流出口として機
能し、浴槽２内に下向きの流水が生じた場合には流入口
として機能する。これに対して、底部流出入口２ａは逆
の役目、つまり、浴槽２内に上向きの流水が生じた場合
には流入口として機能し、浴槽２内に下向きの流水が生
じた場合には流出口として機能する。

【００１９】底部流出入口２ａ及び上部流出入口２ｂは
浴槽２と循環水路３との境界部分となり、底部流出入口
２ａから流出した浴槽２内の水は循環水路３と通って上
部流出入口２ｂから再び浴槽２内に流入し、逆に、上部
流出入口２ｂから流出した浴槽２内の水は循環水路３と
通って底部流出入口２ａから再び浴槽２内に流入するよ
うになっている。

【００２０】浴槽２内の水の循環通路となる循環水路３
の下部側には、循環水路３内を移動する水がスムーズに
流れるように整流板３ａが設けられている。また、循環
水路３の上部には浴槽２及び循環水路３内に水（又は
湯）を供給する給水口３ｂが設けられている。さらに、
循環水路３の下部には浴槽２及び循環水路３内から水
（又は湯）を排出する排水口３ｃが設けられている。

【００２１】昇降機５は、浴槽２内に入浴者ａを上方か
ら入れて昇降させる機器で、載置台５ａ、アーム５ｂ、
支柱５ｃから主に形成されている。載置台５ａは入浴者
ａの足が載る台で、載置台５ａは通水性の格子柵から形
成されている。アーム５ｂはその下端が載置台５ａの端
部に固設されており、上方に垂直に延設され、その上部
は後方に直角に曲がって水平に形成されており、水平な
先端は摺動盤５ｄに固設されている。摺動盤５ｄにはそ
の左右に２基の蟻溝５ｅが夫々形成されている。各蟻溝
５ｅには支柱５ｃの側面に垂直にそれぞれ形成された２
基のガイド５ｆが各々係合されていて、摺動盤５ｄはこ
のガイド５ｆに沿って上下方向に摺動自在になってい
る。載置台５ａはアーム５ｂ、摺動盤５ｄ、ガイド５ｆ
を介して、支柱５ｃに上下方向に昇降自在に支持されて
いる。

【００２２】浴槽２の上部には入浴者ａが浴槽２内で身
体のバランスを保つために、両手で掴まる把持部２ｃが
設けられている。また、浴槽２の上端側にはシャワー２
ｄが取付けられていて、浴槽２に入る前の入浴者ａを体
を洗い、又浴槽２から出る入浴者ａの体を洗うことがで
きるようになっている。

【００２３】次に、上記実施例の構成に基づく作用につ
いて以下説明する。先ず、浴槽２及び循環水路３内に水
（又は湯）を供給する。水は給水口３ｂを通じて循環水
路３内に入り、循環水路３の水は、底部流出入口２ａ及
び上部流出入口２ｂから浴槽２内に流入する。

【００２４】このようにして、浴槽２及び循環水路３内
に水（又は湯）を供給した後、図示しない操作ボタンを
操作して、流水発生器４を駆動させる。流水発生器４の
モーター４ｃが駆動すると、その駆動力はベルト４ｂを
伝わって循環水路３内に取付けられているプロペラ４ａ
を回転させる。このとき、モーター４ｃの回転数は、４
ヘルツから９ヘルツの振動を入浴者ａの皮膚表面に作用
するような速度に設定される。

【００２５】プロペラ４ａが一定方向に回転を始める
と、その回転力により一定方向に流水が発生する。そし
て、その流水により、循環水路３内の水は一定方向に循
環移動を始め、例えば、底部流出入口２ａから浴槽２内
に流入する。浴槽２内に流入した水は浴槽２内を上向き
に流れる。このときの流速はプロペラ４ａの回転速度を
調整することにより変えることができる。このようにし
て浴槽２内には例えば、上向きの流水が生じる。

【００２６】上記の操作と並行して、入浴者ａは浴槽２
の上方に上昇している昇降機５の載置台５ａに載り、昇
降機５を降下させる。昇降機５の降下は、摺動盤５ｄが
支柱５ｃのガイド５ｆに沿って下降すると、摺動盤５ｄ
に固設されているアーム５ｂは一体となって下降する。
この下降するアーム５ｂの下端には入浴者ａが載ってい
る載置台５ａが固設されていて、入浴者ａはアーム５ｂ
の降下によって、その下方の浴槽２内に入る。浴槽２内
に降下する途中で必要に応じて、浴槽２の上端に設けら
れたシャワー２ｄによって体を洗浄してもよい。

【００２７】浴槽２内に昇降機５によって入った入浴者
ａには、流水発生器４よって生じた例えば上向きの流水
によって、浴槽２内に入浴者ａの体の皮膚表面を４ヘル
ツから９ヘルツの振動で刺激して所謂流水マッサージを
行い、皮膚感覚を刺激する。浴槽２内の入浴者ａの皮膚
表面を４ヘルツから９ヘルツの振動で刺激した水は浴槽
２の上部側に流れて、上部流出入口２ｂから循環水路３
に排出される。循環水路３に排出された水は、循環水路
３を通って再び流水発生器４で強制的に底部流出入口２
ａから浴槽２内に送り出される。この繰り返しによっ
て、浴槽２内には常に入浴者ａの皮膚表面を４ヘルツか
ら９ヘルツの振動で刺激するに必要な流れが維持され
る。

【００２８】これにより、浴槽２内の入浴者ａは流水マ
ッサージを受けて常時皮膚感覚を刺激されて、α（アル
ファ）波が短時間に現れ、ストレスが蓄積された入浴者
の気持ちは和らげられ、短時間にリラックス状態に導か
れる。そして、充分にリラックスした後には、昇降機５
を駆動させて、載置台５ａを上昇させて浴槽２の外にで
る。浴槽２から出る際に、浴槽２の上端に設けられたシ
ャワー２ｄによって体を洗浄してもよい。

【００２９】流水発生器４は、そのモーター４ｃの回転
方向を変えることによって、浴槽２内に上向きの流れの
他に下向きの流れも簡単に造り出すことができる。特
に、上向きの流れを生じさせる場合には、底部流出入口
２ａから流入した水は、載置台５ａに載っている足の裏
の皮膚表面を４ヘルツから９ヘルツの振動で刺激するこ
とができる。人間の足の裏には種々のツボがあるため、
足の裏を刺激することは非常にマッサージ効果を高め、
より短時間でリラックス状態に導くこと可能となる。

【００３０】浴槽２内に下向きの流れを生じさせたい場
合には、モーター４ｃを逆方向に回転させる。また、左
右のモーター４ｃの回転方向を逆にすることにより、一
方の流水発生器４では上向きの流れを生じさせ、他方の
流水発生器４では下向きの流れを生じさせることもでき
る。

【００３１】なお、この発明は上記実施例に限定される
ものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々
の改変をなし得ることは勿論である。

【００３２】

【発明の効果】以上の記載より明らかなように、この発
明に係るリラックスゼーション装置によれば、水流によ
って皮膚表面を４ヘルツから９ヘルツの振動を与えて刺
激することができ、それによって、脳波をそれに近い周
波数にもって行くことができる。リラックスしたときの
脳波は約８ヘルツであり、２〜３分で脳波を変えてリラ
ックス状態に導くことができる。また、瞑想のときの脳
波の周波数は約４ヘルツであり、水流を調整して皮膚表
面を４ヘルツの振動で刺激することにより、２〜３分で
瞑想状態に導くことができる。

【００３３】このように、浴槽中に上下方向の流水を生
じさせて、この流水によるゆらぎを利用して皮膚表面を
４ヘルツ〜９ヘルツの振動を与えて刺激することによ
り、リラックス状態のときに現れるα（アルファ）波を
短時間に生じさせて、容易に且つ短時間に心身のリラッ
クス状態を作り出すことができる。

【００３４】これにより、例えば適度な運動や散歩、自
然に親しむなどの時間を作り出すのが容易でない者であ
っても、また、心身をストレス状態からリラックス状態
へと自分の力でコントロールするコツを会得していない
者であっても、容易且つ短時間にリラックス状態を作り
出すことができる。

【００３５】このように、容易に且つ短時間にリラック
ス状態を作り出すことができるので、心身に悪影響を与
えるストレス状態を短時間に解消でき、ストレスに起因
する種々の病気の発生を未然に防ぐことができるとい
う、極めて新規的有益なる効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示すリラックスゼーション
装置の正断面図である。

【図２】この発明の実施例を示すリラックスゼーション
装置の側断面図である。

【図３】この発明の実施例を示すリラックスゼーション
装置の平面図である。

【符号の説明】

１ リラックスゼーション装置 ２ 浴槽 ２ａ 底部流出入口 ２ｂ 上部流出入口 ２ｃ 把持部 ２ｄ シャワー ３ 循環水路 ３ａ 整流板 ３ｂ 給水口 ３ｃ 排水口 ４ 流水発生器 ４ａ プロペラ ４ｂ ベルト ４ｃ モーター ５ 昇降機 ５ａ 載置台 ５ｂ アーム ５ｃ 支柱 ５ｄ 摺動盤 ５ｅ 蟻溝 ５ｆ ガイド

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽の側周面及び底面の外部側に浴槽内
   の水を循環させる循環水路を設け、浴槽底面に外部側の
   循環水路と連通する底部流出入口を形成し、底部流出入
   口の直下の循環水路に、浴槽内の入浴者の皮膚表面を４
   ヘルツから９ヘルツの振動を与えて刺激する流水を上下
   方向に生じさせる流水発生器を左右に取付け、浴槽の側
   周面の上部側に外部側の循環水路と連通する上部流出入
   口を形成し、浴槽内に入浴者を上方から入れて昇降させ
   る昇降機を設けたことを特徴とするリラックスゼーショ
   ン装置。