JPH0822539A - 画像処理方法 - Google Patents

画像処理方法

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JPH0822539A
JPH0822539A JP6177573A JP17757394A JPH0822539A JP H0822539 A JPH0822539 A JP H0822539A JP 6177573 A JP6177573 A JP 6177573A JP 17757394 A JP17757394 A JP 17757394A JP H0822539 A JPH0822539 A JP H0822539A
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Kunihiko Kido
邦彦 木戸
Koichi Sano
耕一 佐野
Junichi Taguchi
順一 田口
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】適応型非線形フィルタ処理により発生する画像
歪みや偽像の発生を防ぎながらノイズ低減効果を高める
ための前後処理を提供する。 【構成】平滑化マトリクスFi(i=1、2…)の全てを含むこ
とができる最小サイズのマトリクスをM(104)とす
る。ここでマトリクスMの各成分は、各平滑化マトリク
スFi(i=1、2…)の対応する成分から絶対値が最大なもの
を選ぶ。このマトリクスMによる線形フィルタの周波数
特性から、ゼロクロスする周波数すべてを含む帯域Iを
決定する。線形Low-passフィルタLとして領域Iを含む
高周波側を減衰させるものと、線形高域強調フィルタH
としてフィルタLとフィルタHによる合成フィルタLH
がちょうど領域Iを強調するもの(102)を決定す
る。そして、画像デ−タに合成フィルタ処理LFHを施
すことによってノイズ低減を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像処理方法に関し、
特に画像データに対するノイズの低減処理技術およびそ
の前後処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ノイズに埋もれたS/Nの悪い画像デ−
タに対して、画像処理によってS/Nを向上させる技術
は、画像処理の分野では古くから研究されており、多種
多様な方法が考えられてきた。
【0003】このうち、適応型非線形フィルタと呼ばれ
るフィルタを用いて、画像データをフィルタリングする
ことによりS/Nを向上させる技術が知られている。こ
れは、画像を構成するのに重要な要素、例えばエッジな
どの構造を各画素ごとに何らかの方法で推定し、その推
定結果に応じてその構造物を壊さないような平滑化処理
を適応的に行うものである。
【0004】平滑化の方法としては、各画素ごと等方的
に平滑化するタイプのフィルタを用いる方法と、平滑化
に異方性のあるタイプのフィルタを用いる方法とがあ
る。ここで、異方性のあるタイプの適応型非線形フィル
タの例としては、特開平4−188283号「画像処理
方法および装置」に開示されたものなどがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】適応型非線形フィルタ
における構造推定は、そのフィルタが保存しようとする
構造を予めモデル化しておき、画像データをそのモデル
に当てはめるような方法が通常採られる。モデル化の方
法は、構造の形状を分類したテンプレ−トであったり、
確率統計論的な方法であったりするが、単純な2値画像
などは別として、十分な構造のモデル化は一般に難し
い。従って、対象とする画像やノイズの特性を考慮した
最適と思われる方法で構造を近似することになる。
【0006】しかし、S/Nが悪くなるとノイズの影響
により、構造のモデルによる近似誤差が無視できなくな
り画像歪みが発生する。また、ノイズによる偽構造がモ
デルに適合してしまうことによって、ノイズ成分の構造
化現象が生じる場合もある。
【0007】特に、適応型非線形フィルタはエッジ等の
急峻な構造を保存しようという処理であるため、相対的
に高周波成分が強調される傾向にあり、構造のモデル化
の方法と平滑化方法に依存する特有な偽像が知覚されや
すくなる。
【0008】例えば、医用画像を対象にした場合など、
ノイズ低減処理による分解能劣化を極力抑えたいときに
は平滑化効果の異方性を強くする必要にせまられる。こ
のとき、平滑化処理が構造物の方向に依存して変わる非
対称的な処理のため、平滑化の強くかかる方向と弱くか
かる方向との平滑化効果の差による格子上(あるいは縞
模様)の偽像を発生させることがある。
【0009】本発明は、ノイズ低減を目的とした適応型
非線形フィルタ処理を画像データに施す際に、該フィル
タ処理を施すことにより発生する画像歪みや偽像の発生
を防ぎながらノイズ低減効果を高めることができる画像
処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る画像処理方
法は、複数個用意されたマトリクスFi (i=1、2…)から
画像デ−タの各画素ごとに1つのマトリクスFi を選択
し、選択したマトリクスFi を用いて平滑化を行うフィ
ルタ処理Fを含み、上記フィルタ処理Fの前処理とし
て、上記マトリクスFi (i=1、2…)から生成したマトリ
クスMによる線形フィルタのゼロクロス周波数を含む帯
域Iおよびその高周波側を減衰させる線形ローパスフィ
ルタLを画像データに施すこと、及び上記フィルタ処理
Fの後処理として、上記線形ローパスフィルタLとの合
成フィルタが上記帯域Iを強調することになる線形高域
強調フィルタHを施すことを特徴とする。
【0011】マトリクスMは、例えば、前記各マトリク
スFi (i=1、2…)の全てを含むことができる最小サイズ
のマトリクスであって、その各成分を上記各マトリクス
Fi(i=1、2…)において対応する成分のうちで絶対値が最
大となるものとしたものを用いる。
【0012】帯域Iは、マトリクスMによる線形フィル
タの周波数特性からゼロクロスする周波数を全て含む帯
域とするが、具体的には、周波数空間の直流から最も離
れているゼロクロスと直流に最も近いゼロクロスとを検
出し、直流から最も離れているゼロクロスの距離を半径
とする円の内側と直流に最も近いゼロクロスの距離を半
径とする円の外側との共通部分をゼロクロスを含む前記
帯域Iとして決定するとよい。
【0013】前記線形ローパスフィルタLおよび前記線
形高域強調フィルタHは、それぞれ、単調減少関数およ
び単調増加関数とするとよい。また、前記線形ローパス
フィルタLはゼロクロスを持たないようなものとするの
がよい。
【0014】具体的には、前記線形ローパスフィルタL
を次数nのバタ−ワ−スフィルタとし、前記線形高域強
調フィルタHを次数n−2のバタ−ワ−スフィルタの逆
フィルタで実現できる。また、前記線形ローパスフィル
タLのカットオフ周波数と前記線形高域強調フィルタH
の逆フィルタのカットオフ周波数とを同じにするとよ
い。
【0015】
【作用】後述する実施例の欄で説明するように、帯域I
は、この帯域のエネルギーを減衰させると構造の劣化を
極力抑えてノイズ低減効果を最も大きくすることができ
る領域であり、フィルタ処理Fはこの帯域Iを大きく減
衰させるが、このため、帯域Iよりも高域のノイズ成分
を強調してしまう。上記線形ローパスフィルタLは、周
波数帯域Iよりも高周波側を抑圧することにより、構造
モデルの近似誤差により発生する高周波ノイズを抑える
ことができる。さらに、上記高域強調フィルタHは、フ
ィルタLとHの合成フィルタの周波数帯域Iを強調する
ようなものを選んでいるから、フィルタFによる周波数
帯域Iのエネルギ−の減衰を補うことによって相対的な
高域強調を抑える。これにより、ノイズ成分のみを十分
減衰させたまま、線形ローパスフィルタLによるエッジ
等のぼけを回復させることができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。
【0017】まず、実施例の画像処理方法を説明する前
に、構造のモデル化が単純な場合に適応型非線形フィル
タ処理がどのような周波数特性を示すかについて説明す
る。
【0018】いま、図5に示すような5*5のマトリク
スを用いて構造の推定と平滑化処理を行う適応型非線形
フィルタ処理Fを考える。構造の推定と平滑化の方法は
どのようなものでも良いが、いずれにしても各画素ごと
の構造の推定結果に応じて5*5のマトリクスの各成分
の重み係数が変化し、このマトリクスに従う重み付け平
均処理によりノイズ低減を行うものとする。
【0019】ここで、構造のモデル化が単純であるとい
うことを、構造によって決まる重み係数のマトリクス集
合の元の個数(要素の数、図5の例では8つ)が少な
く、各マトリクスにおいて0以外の成分(図5の例では
斜線部分)の値が一定であると定義する。故に、構造の
モデル化が単純であるほど、適応型非線形フィルタ処理
Fの処理後の周波数特性は、5*5の矩形窓関数による
線形フィルタの周波数特性に近づくことになる。
【0020】5*5の矩形窓関数による線形フィルタの
周波数特性を調べると、振幅特性は、図2のようにな
る。図2は、周波数空間のωx軸のプロファイルである
が、窓関数のカットオフが急激なためサイドロ−ブが発
生し、ゼロクロス周波数Wi(i=1,2)が中高域周
波数領域に離散的に存在する。
【0021】従って、構造のモデル化が単純な適応型非
線形フィルタFは、図3のフィルタF処理後の周波数特
性のグラフ302のように、ゼロクロス周波数Wi付近
の中域周波数成分のエネルギ−を極端に減衰させる傾向
がある。
【0022】加えて、適応型非線形フィルタ処理では、
エッジなど急俊な変化を保存する性質により、高周波成
分は相対的に強調される。例えば図3の周波数特性のグ
ラフ302において、エネルギーが減衰するゼロクロス
周波数Wi付近より高周波側の成分が相対的に強調され
ている。
【0023】このような特性は、各画素ごとの構造のモ
デル適合度に応じて生じる平滑化効果の差を強調し、画
像歪みや偽像を発生させる危険性がある。このような周
波数特性を示すと必ず画像歪みや偽像が発生するわけで
はないが、モデル化の方法や平滑化方法(特に平滑化処
理の異方性)によっては悪影響をおよぼす原因となる。
【0024】以上を考慮し、本実施例では、まず5*5
の矩形窓関数を線形フィルタとして使用したときのゼロ
クロス周波数すべてを含む周波数帯域Iを、図1の領域
101のように決定する。そして、適応型非線形フィル
タ処理Fの前処理として、周波数帯域Iを含む高周波側
を線形Low-passフィルタLでゆるく減衰させておく。
【0025】また、適応型非線形フィルタ処理Fの後処
理として、線形Low-passフィルタLによって失われたエ
ネルギ−を高域強調フィルタHによって回復させる処理
を行う。このときのフィルタHは、フィルタLとフィル
タHの処理を続けて行った場合の周波数特性が図1の1
02のように周波数帯域Iを強調するようなものを選
ぶ。
【0026】前処理としての線形Low-passフィルタL
は、図3の301のような減衰特性を有するものであ
る。これにより、周波数帯域Iよりも高周波側で発生す
る強調領域を抑圧することにより、構造モデルの近似誤
差のため発生するノイズの高周波成分を抑える働きがあ
る。
【0027】対象とする画像に対して周波数帯域Iは、
この領域のエネルギ−を減衰させると構造の劣化を極力
抑えながらノイズ低減効果を最も大きくすることができ
る帯域と考えられる。逆に言うと、適応型非線形フィル
タFは、周波数帯域Iを大きく減衰させると同時に高周
波成分は極力保存されるように設計されていると考えら
れる。このような、周波数帯域Iを検出して、それを含
む高周波側をゆるく減衰させるため局所構造のモデルに
よる近似誤差を抑えることができる。
【0028】Low-passフィルタLは線形フィルタであ
り、エッジ等をぼかすので、フィルタ処理L,Fの後に
高域強調フィルタでぼけを補正する必要がある。
【0029】ここで、フィルタL,Fで処理後、フィル
タFの特性により再び周波数帯域Iのパワ−が減衰する
ことに注意する。従って、フィルタLの逆フィルタのよ
うな高域強調フィルタを施すと、減衰させておいた周波
数帯域Iより高周波側の成分を再び強調することにな
り、前処理としてのLow-passフィルタLの効果が消失し
てしまう。
【0030】そこで、高域強調フィルタHとしては、図
1の102のように、フィルタLとHの合成フィルタの
周波数特性が周波数帯域Iを強調するようなものを選
び、フィルタFによる周波数帯域Iのエネルギ−の減衰
を補うことによって相対的高域強調を抑えるようにす
る。すなわち、周波数帯域Iより高周波側のエネルギ−
損失分を帯域Iに繰り込む形となる。これにより、ノイ
ズ成分のみを十分減衰させたまま、Low-passフィルタL
によるエッジ等のぼけを回復させることができる。
【0031】なお、線形Low-passフィルタLは、ゼロク
ロスを持たないものがよい。ゼロクロスを持つもので
は、そのゼロクロスの周波数の成分が完全に減衰されて
しまい、後処理で回復が不能になるからである。また、
線形Low-passフィルタLと高域強調フィルタHの逆フィ
ルタのカットオフ周波数は、同じにするとよい。そのよ
うにすると、合成フィルタLHのピークがカットオフ周
波数付近になり、帯域Iを強調するように容易に設定で
きるようになるからである。
【0032】本発明の実施例をさらに詳しく説明する。
以下では、対象となる画像デ−タをMRI(Magnetic R
esonance Imaging)とした場合について説明する。適応
型非線形フィルタとしては、特願平5−140334号
「ノイズ低減フィルタ−」のフィルタを採用する。以下
では、この適応型非線形フィルタを方向依存フィルタF
と呼ぶことにする。
【0033】まず、方向依存フィルタFの処理方法を、
図4を参照して簡単に説明する。ここでは、2次元画像
I(i,j)を256*256サイズの正方形マトリクスで表
現するものとする。
【0034】方向依存フィルタFの処理では、まず、各
画素(i,j)を中心として、図5に示されるような5*5
のマトリクス内の8方向に対応する濃度変化の大きさE
(i)(i=1〜8)を、以下の式にしたがって計算する。
【0035】 Δk,l(i,j)=|I(i+k,j+l)-I(i,j)| (k,l=-2〜2) E(1)=Δ0,1(i,j)+Δ0,-1(i,j)+Δ0,2(i,j)+Δ0,-2(i,j) E(2)=Δ-1,1(i,j)+Δ+1,-1(i,j)+Δ+1,-2(i,j)+Δ-1,+2
(i,j) E(3)=Δ-1,1(i,j)+Δ+1,-1(i,j)+Δ-2,+2(i,j)+Δ+2,-2
(i,j) E(4)=Δ-1,1(i,j)+Δ+1,-1(i,j)+Δ+2,-1(i,j)+Δ-2,+1
(i,j) E(5)=Δ1,0(i,j)+Δ-1,0(i,j)+Δ2,0(i,j)+Δ-2,0(i,j) E(6)=Δ-1,-1(i,j)+Δ+1,+1(i,j)+Δ+2,+1(i,j)+Δ
-2,-1(i,j) E(7)=Δ-1,-1(i,j)+Δ+1,+1(i,j)+Δ+2,+2(i,j)+Δ
-2,-2(i,j) E(8)=Δ-1,-1(i,j)+Δ+1,+1(i,j)+Δ+1,+2(i,j)+Δ
-2,-1(i,j)
【0036】次に、濃度変化の大きさE(i)(i=1〜8)が最
小となる方向にある5画素から単純平均を計算し、この
平均値を注目画素(i,j)の出力とする。以上の処理を、
全画素に行うことによってノイズ低減処理画像J(i,j)を
得る。
【0037】次に、線形Low-passフィルタLの決め方に
ついて説明する。上記のように、方向依存フィルタFに
は平滑化効果に強い異方性が存在し、各画素ごとに、図
5で示される方向の1次元平滑化Fi (i=1〜8)のいずれ
かが選択される。
【0038】ここで、上述の説明では、直接図2のよう
な矩形窓関数の周波数特性を持ち出して説明したが、実
際には、複数用意されたフィルタFi (i=1〜8)から適当
なマトリクスを作成し、その線形フィルタの周波数特性
を利用するようにしている。具体的には、図1の下段に
示すように、すべてのフィルタFi (i=1〜8)を含む最小
サイズのマトリクスM(104)であって、そのマトリ
クスMの各成分は各マトリクスFi (i=1〜8)において対
応する成分のうち絶対値が最大のものとした5*5の正
方形マトリクスMを作成する。
【0039】各マトリクスFi (i=1〜8)は、単純平均で
あり重み係数はすべて一定値(例えば、1/5)である
ので、方向依存フィルタFの周波数特性は、5*5の矩
形窓関数に近くなる。既に説明したように、この5*5
の矩形窓関数の周波数特性は、図2のような振幅特性を
示す。
【0040】ここでゼロクロス周波数は、直流からの距
離が42/128〜86/128の領域の間にあることがわかる。こ
の周波数帯域が、既に図1や図3で説明した領域I(1
01)となる。
【0041】本実施例の方向依存フィルタFでは、この
帯域Iの周波数成分が抑圧される傾向がある。そこで、
前処理として、100/128をカットオフ周波数とする線形L
ow-passフィルタLをかけて、方向依存フィルタFによ
る周波数帯域Iの高周波側に発生する相対的高域強調を
抑えるようにする。
【0042】なお、一般にMRI画像は、画像構成に重
要な要素が低周波から高周波まで一様に広がっているた
め、明確なカットオフ周波数を設定することが難しい。
従って、線形Low-passフィルタLとしては、バタ−ワ−
スフィルタのようなカットオフ周波数が不明瞭なものが
良い。そこで、振幅の減衰特性を以下の式で表わせる線
形Low-passフィルタを、L(ω0,n)=L'(ωx,ωy)とする。
【0043】h(ω)=1/√(1+(ω/ω0)2^n) L(ω0,n)=L'(ωx,ωy)=h(√ωx2+ωy2)
【0044】通常、バタ−ワ−スフィルタは、上記の振
幅減衰とともに、カットオフ周波数で-πからπへの折
り返しが起こるような位相シフトを伴うが、簡単のため
に線形Low-passフィルタL(ω0,n)では、位相シフトは行
わず単純に振幅減衰だけを行うフィルタとした。もちろ
ん、位相シフトを伴うバタ−ワ−スフィルタを用いても
よい。ここで、上記の目的を満たす条件として、ω0=10
0/128、n=4を選ぶと、図6のような特性を示す。
【0045】次に、中高域強調フィルタHの決め方を説
明する。中高域強調フィルタHとしては、合成フィルタ
LHが周波数帯域Iを強調するようになるものを用い
る。これにより、線形Low-passフィルタL(100/128,4)に
よるエッジ部のぼけをノイズの増幅を最低限に抑えて復
元することができる。
【0046】本実施例では、中高域強調フィルタHとし
て、L(100/128,2)の逆フィルタ1/L(100/128,2)を採用す
る。図7に、この中高域強調フィルタHの周波数特性を
示す。図8に、フィルタLとHの合成フィルタL(100/12
8,4)/L(100/128,2)の周波数特性を示す。図8により、
合成フィルタLHが周波数帯域Iを強調するようになっ
ていることが分かる。逆にいえば、合成フィルタLHが
周波数帯域Iを強調するように、中高域強調フィルタH
を定めたことになる。
【0047】以上のように決定したフィルタL,Hと方
向依存フィルタFから、合成フィルタGを、次のように
構成する。
【0048】G=LFH
【0049】フィルタGは、計算機上でのソフトウエア
で実現してもデジタル回路で実現しても良い。いずれに
しても、フィルタGをMRI画像Iに適用すると、方向
依存フィルタFを単独でかけるよりも不自然な画像歪み
を発生させることなく、ノイズ低減効果が上げることが
できる。
【0050】本実施例ではMRI画像を対象にしたた
め、線形Low-passフィルタと高域強調フィルタの特性を
バタ−ワ−スとしたが、他の対象画像に対しては、その
画像の特性にあったフィルタを選ぶべきである。
【0051】また、MRIは断層像の周波数成分を計測
する装置であるため、計測デ−タを離散フ−リエ変換す
ることによって目的の断層像を得ることができる。この
とき、計測デ−タに直に上記の線形Low-passフィルタL
をかけることによって、フィルタ処理時間を節約するこ
とができる。
【0052】以上の実施例では画像デ−タは2次元画像
であったが、容易に3次元または高次元の画像デ−タに
拡張することができる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、ノイズ低減を目的とし
た適応型非線形フィルタ処理を画像データに施す際に、
該フィルタ処理を施すことにより発生する画像歪みや偽
像の発生を防ぎながらノイズ低減効果を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の全体構成を示す図。
【図2】5*5の矩形窓関数による周波数特性を示す
図。
【図3】適応型非線形フィルタの周波数特性の例とLow-
passフィルタの減衰特性を示す図。
【図4】方向依存フィルタの処理チャートを示す図。
【図5】方向依存フィルタの平滑化マトリクスを示す
図。
【図6】実施例中の線形Low-passフィルタの周波数特性
を示す図。
【図7】実施例中の線形高域強調フィルタの周波数特性
を示す図。
【図8】実施例中の線形Low-passフィルタと高域強調フ
ィルタとの合成フィルタの周波数特性を示す図。
【符号の説明】
101…ゼロクロス周波数が存在する領域I 102…線形Low-passフィルタと高域強調フィルタの合
成フィルタの周波数特性 104…適応型非線形フィルタの平滑化フィルタすべて
を含む最小なマトリクス 301…線形Low-passフィルタの周波数特性 302…適応型非線形フィルタの周波数特性
フロントページの続き (72)発明者 田口 順一 神奈川県川崎市麻生区王禅寺1099番地 株 式会社日立製作所システム開発研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個用意されたマトリクスFi (i=1、2
    …)から画像デ−タの各画素ごとに1つのマトリクスFi
    を選択し、選択したマトリクスFi を用いて平滑化を
    行うフィルタ処理Fを含み、 上記フィルタ処理Fの前処理として、上記マトリクスF
    i (i=1、2…)から生成したマトリクスMによる線形フィ
    ルタのゼロクロス周波数を含む帯域Iおよびその高周波
    側を減衰させる線形ローパスフィルタLを画像データに
    施すこと、及び上記フィルタ処理Fの後処理として、上
    記線形ローパスフィルタLとの合成フィルタが上記帯域
    Iを強調することになる線形高域強調フィルタHを施す
    ことを特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】前記マトリクスMを、前記各マトリクスF
    i (i=1、2…)の全てを含むことができる最小サイズのマ
    トリクスであって、その各成分を上記各マトリクスFi
    (i=1、2…)において対応する成分のうちで絶対値が最大
    となるものとする請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 【請求項3】前記帯域Iは、前記マトリクスMによる線
    形フィルタにおける周波数空間の直流から最も離れてい
    るゼロクロスと直流に最も近いゼロクロスとを検出し、
    直流から最も離れているゼロクロスの距離を半径とする
    円の内側と直流に最も近いゼロクロスの距離を半径とす
    る円の外側との共通部分として決定される請求項1に記
    載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】前記線形ローパスフィルタLおよび前記線
    形高域強調フィルタHは、それぞれ、単調減少関数およ
    び単調増加関数とする請求項1に記載の画像処理方法。
  5. 【請求項5】前記線形ローパスフィルタLは、ゼロクロ
    スを持たない請求項1に記載の画像処理方法。
  6. 【請求項6】前記線形ローパスフィルタLを次数nのバ
    タ−ワ−スフィルタとし、前記線形高域強調フィルタH
    を次数n−2のバタ−ワ−スフィルタの逆フィルタとし
    た請求項4に記載の画像処理方法。
  7. 【請求項7】前記線形ローパスフィルタLのカットオフ
    周波数と前記線形高域強調フィルタHの逆フィルタのカ
    ットオフ周波数とを同じにする請求項4に記載の画像処
    理方法。
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