JPH08203709A - 電流制限素子 - Google Patents
電流制限素子Info
- Publication number
- JPH08203709A JPH08203709A JP1260995A JP1260995A JPH08203709A JP H08203709 A JPH08203709 A JP H08203709A JP 1260995 A JP1260995 A JP 1260995A JP 1260995 A JP1260995 A JP 1260995A JP H08203709 A JPH08203709 A JP H08203709A
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- JP
- Japan
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- ptc
- elements
- resistance
- temperature
- ptc elements
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 PTC素子を応用した、小型で大定格電流対
応可能な電流制限素子を提供する。 【構成】 PTC素子1a、1b、1c、1d、1eの
表裏面それぞれには、それらと同形状で導体による電極
2とリード線4が接合されている。リード線4は、電極
2の端部から外部へ引き出され、PTC素子1a、1
b、1c、1d、1eが電気的に並列接続になるように
+極、−極それぞれがひとまとめにされて相対向する方
向へ、絶縁外被電線5として集約されている。絶縁体3
は、電極2を接合した2つのPTC素子間に重ね合わ
せ、熱的、電気的に絶縁を図っている。より速いトリッ
プ応答性を確保するため、1eよりも低いトリップ温度
となるPTC素子1c、1dを隣接させ、それらの外側
には、さらに低いトリップ温度となるPTC素子1a、
1bを隣接させる。
応可能な電流制限素子を提供する。 【構成】 PTC素子1a、1b、1c、1d、1eの
表裏面それぞれには、それらと同形状で導体による電極
2とリード線4が接合されている。リード線4は、電極
2の端部から外部へ引き出され、PTC素子1a、1
b、1c、1d、1eが電気的に並列接続になるように
+極、−極それぞれがひとまとめにされて相対向する方
向へ、絶縁外被電線5として集約されている。絶縁体3
は、電極2を接合した2つのPTC素子間に重ね合わ
せ、熱的、電気的に絶縁を図っている。より速いトリッ
プ応答性を確保するため、1eよりも低いトリップ温度
となるPTC素子1c、1dを隣接させ、それらの外側
には、さらに低いトリップ温度となるPTC素子1a、
1bを隣接させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用配線システム
において、ヒューズ代替えとして使用可能な機能を有す
る電流制限素子に関するものである。
において、ヒューズ代替えとして使用可能な機能を有す
る電流制限素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、正温度抵抗係数を有する素子(以
下PTC素子という)は、電流制限素子として、使用さ
れる場合があった。その使用される理由として、PTC
素子には、図4に示すように低い温度領域で、低い抵抗
値を示すが、ある温度以上になると急激に抵抗値が増大
するといった温度−抵抗の一般的特性を有していること
にある。この急激に抵抗値が増大する時の温度を一般に
トリップ温度と称する。このPTC素子は、温度−抵抗
の一般的特性を利用して、電流制限素子として使用され
ている。これは、過電流によって、PTC素子から発生
するジュール熱により、PTC素子の温度が上昇し、ト
リップ温度に達すると高い抵抗値で平衡状態となり、P
TC素子の通過電流値が制限されるといった現象を利用
したものである。
下PTC素子という)は、電流制限素子として、使用さ
れる場合があった。その使用される理由として、PTC
素子には、図4に示すように低い温度領域で、低い抵抗
値を示すが、ある温度以上になると急激に抵抗値が増大
するといった温度−抵抗の一般的特性を有していること
にある。この急激に抵抗値が増大する時の温度を一般に
トリップ温度と称する。このPTC素子は、温度−抵抗
の一般的特性を利用して、電流制限素子として使用され
ている。これは、過電流によって、PTC素子から発生
するジュール熱により、PTC素子の温度が上昇し、ト
リップ温度に達すると高い抵抗値で平衡状態となり、P
TC素子の通過電流値が制限されるといった現象を利用
したものである。
【0003】このように電流制限素子として使用する場
合のPTC素子は、材質的にはポリマー系、セラミック
系で種々開発されており、一般的に図5(a)に示す円
板状や図5(b)に示す長方形板状で、厚さ0.5〜1
mm程度のPTC素子1´の両面に電極2´を設け、電
極にリード線3´あるいは、金属端子(図示せず)等を
接続した形状を成している。
合のPTC素子は、材質的にはポリマー系、セラミック
系で種々開発されており、一般的に図5(a)に示す円
板状や図5(b)に示す長方形板状で、厚さ0.5〜1
mm程度のPTC素子1´の両面に電極2´を設け、電
極にリード線3´あるいは、金属端子(図示せず)等を
接続した形状を成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動車
用配線システムにおいて、従来のPTC素子単体を用い
た電流制限素子は、定格電流、すなわち、トリップ温度
に達する電流値は、数アンペア以下と小さく、使用に耐
えうるものではない。そのため、定格電流値を大きくす
るには、PTC素子の表面積を増大させる、あるいは、
放熱板を取り付ける等が設計上容易に考えられる。しか
し、これでは、電流制限素子の外形が大きくなり、実装
が困難になる恐れがあった。
用配線システムにおいて、従来のPTC素子単体を用い
た電流制限素子は、定格電流、すなわち、トリップ温度
に達する電流値は、数アンペア以下と小さく、使用に耐
えうるものではない。そのため、定格電流値を大きくす
るには、PTC素子の表面積を増大させる、あるいは、
放熱板を取り付ける等が設計上容易に考えられる。しか
し、これでは、電流制限素子の外形が大きくなり、実装
が困難になる恐れがあった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、かかる点に鑑みてなされたも
のであり、PTC素子を応用した電流制限素子におい
て、小型で大定格電流対応可能な電流制限素子を提供す
ることを目的としている。
のであり、PTC素子を応用した電流制限素子におい
て、小型で大定格電流対応可能な電流制限素子を提供す
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、正温度抵
抗係数を有する素子の両面に電極を形成し、該電極を形
成した正温度抵抗係数を有する素子の少なくとも2つ以
上を層状に配列し、各層間に絶縁体を形成したことを特
徴とするものである。
抗係数を有する素子の両面に電極を形成し、該電極を形
成した正温度抵抗係数を有する素子の少なくとも2つ以
上を層状に配列し、各層間に絶縁体を形成したことを特
徴とするものである。
【0007】第2の発明は、層内側の正温度抵抗係数を
有する素子のトリップ温度より低いトリップ温度の特性
を有する正温度抵抗係数を有する素子を層外側に形成し
たことを特徴とするものである。
有する素子のトリップ温度より低いトリップ温度の特性
を有する正温度抵抗係数を有する素子を層外側に形成し
たことを特徴とするものである。
【0008】第3の発明は、中心軸から外周側に向け
て、正温度抵抗係数を有する素子が筒形状で層状に形成
し、内周側の正温度抵抗係数を有する素子のトリップ温
度より低いトリップ温度の特性を有する正温度抵抗係数
を有する素子を外周側に形成したことを特徴とするもの
である。
て、正温度抵抗係数を有する素子が筒形状で層状に形成
し、内周側の正温度抵抗係数を有する素子のトリップ温
度より低いトリップ温度の特性を有する正温度抵抗係数
を有する素子を外周側に形成したことを特徴とするもの
である。
【0009】
【作用】本発明の電流制限素子によれば、複数のPTC
素子の両面に電極を形成し、電気的に並列接続すること
によって各PTC素子単体の定格電流が、小さくても複
数のPTC素子全体としては、素子の層の数に比例して
電流通過面積が大きくなり、その分、大きな電流を流す
ことが可能となる。さらに、該電極を形成したPTC素
子の少なくとも2つ以上を層状に配列し、各層間に絶縁
体を形成する、つまり素子の積層化により、素子全体の
小型化を図ることができる。
素子の両面に電極を形成し、電気的に並列接続すること
によって各PTC素子単体の定格電流が、小さくても複
数のPTC素子全体としては、素子の層の数に比例して
電流通過面積が大きくなり、その分、大きな電流を流す
ことが可能となる。さらに、該電極を形成したPTC素
子の少なくとも2つ以上を層状に配列し、各層間に絶縁
体を形成する、つまり素子の積層化により、素子全体の
小型化を図ることができる。
【0010】一方、前述のようにPTC素子の両面に電
極を形成し、該電極を形成したトリップ温度が同一のP
TC素子の少なくとも2つ以上を層状に配列し、各層間
に絶縁体を形成した電流制限素子の場合、過電流発生時
の各PTC素子の温度分布は、各PTC素子が同じ発熱
量であっても外気に接する外層ほど放熱効果が高く、P
TC素子が発熱しても温度が低くなり易いため、内層に
比べ外層ほどトリップ温度に達する時間が長くなる。例
えば、定格電流の200%の過電流に対して前述の電流
制限素子では、数10秒以上である。
極を形成し、該電極を形成したトリップ温度が同一のP
TC素子の少なくとも2つ以上を層状に配列し、各層間
に絶縁体を形成した電流制限素子の場合、過電流発生時
の各PTC素子の温度分布は、各PTC素子が同じ発熱
量であっても外気に接する外層ほど放熱効果が高く、P
TC素子が発熱しても温度が低くなり易いため、内層に
比べ外層ほどトリップ温度に達する時間が長くなる。例
えば、定格電流の200%の過電流に対して前述の電流
制限素子では、数10秒以上である。
【0011】さらに電流制限素子のトリップ温度に達す
る時間を短くするために、層内側のPTC素子のトリッ
プ温度より低いトリップ温度の特性を有するPTC素子
を層外側に形成することにより、各PTC素子がトリッ
プ温度に達するまでの時間をほぼ均一にすることがで
き、より速いトリップ応答性を有する電流制限素子を実
現可能にする。さらに詳細に説明すると、外層から内層
に向けて各PTC素子が順次、トリップ温度に達するよ
うに各PTC素子のトリップ温度をそれぞれ選定するこ
とにより、トリップ温度に達していない残りの各PTC
素子に流れる電流値が増加することによって発熱が大き
くなり、さらに各PTC素子間が絶縁体によって熱的に
も絶縁されることによりPTC素子の放熱が小さく、内
層側のPTC素子は、温度上昇し易くなる。そのため、
最外層がトリップ温度に達すると時間的には、順次、な
だれ現象的に極めて短時間(例えば、定格電流200%
の過電流に対して、数秒以下)に全てのPTC素子がト
リップ温度に達することになる。
る時間を短くするために、層内側のPTC素子のトリッ
プ温度より低いトリップ温度の特性を有するPTC素子
を層外側に形成することにより、各PTC素子がトリッ
プ温度に達するまでの時間をほぼ均一にすることがで
き、より速いトリップ応答性を有する電流制限素子を実
現可能にする。さらに詳細に説明すると、外層から内層
に向けて各PTC素子が順次、トリップ温度に達するよ
うに各PTC素子のトリップ温度をそれぞれ選定するこ
とにより、トリップ温度に達していない残りの各PTC
素子に流れる電流値が増加することによって発熱が大き
くなり、さらに各PTC素子間が絶縁体によって熱的に
も絶縁されることによりPTC素子の放熱が小さく、内
層側のPTC素子は、温度上昇し易くなる。そのため、
最外層がトリップ温度に達すると時間的には、順次、な
だれ現象的に極めて短時間(例えば、定格電流200%
の過電流に対して、数秒以下)に全てのPTC素子がト
リップ温度に達することになる。
【0012】また、各PTC素子間が絶縁体によって電
気的にも絶縁されているため、この部分がコンデンサー
の機能を果たし、急激に変化するサージ電圧により各P
TC素子が破壊されるのを防止することができる。
気的にも絶縁されているため、この部分がコンデンサー
の機能を果たし、急激に変化するサージ電圧により各P
TC素子が破壊されるのを防止することができる。
【0013】
(実施例1)本発明の実施例1を図1および図3(a)
に基づいて説明する。図1(a)は、実施例1の構造を
示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A
断面図である。1a、1b、1c、1d、1eは、長方
形板状のPTC素子を示している。各PTC素子1a、
1b、1c、1d、1eの表裏面それぞれには、PTC
素子1a、1b、1c、1d、1eと同形状で導体によ
る電極2が接合され、電極2にはリード線4が接合され
ている。リード線4は、電極2の端部から外部へ引き出
され、各PTC素子1a、1b、1c、1d、1eが電
気的に並列接続になるように+極、−極それぞれがひと
まとめにされて相対向する方向へ、絶縁外被を付けた電
線5として集約されている。3は、PTC素子と同形状
の絶縁体を示している。絶縁体3は、図1(a)に示す
ように電極2を接合した2つのPTC素子間に重ね合わ
せ、熱的、電気的に絶縁を図っている。この絶縁体3に
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、
ポリアミド等の熱可塑性樹脂が望ましいが、絶縁性を有
するものであれば、この限りではない。
に基づいて説明する。図1(a)は、実施例1の構造を
示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A
断面図である。1a、1b、1c、1d、1eは、長方
形板状のPTC素子を示している。各PTC素子1a、
1b、1c、1d、1eの表裏面それぞれには、PTC
素子1a、1b、1c、1d、1eと同形状で導体によ
る電極2が接合され、電極2にはリード線4が接合され
ている。リード線4は、電極2の端部から外部へ引き出
され、各PTC素子1a、1b、1c、1d、1eが電
気的に並列接続になるように+極、−極それぞれがひと
まとめにされて相対向する方向へ、絶縁外被を付けた電
線5として集約されている。3は、PTC素子と同形状
の絶縁体を示している。絶縁体3は、図1(a)に示す
ように電極2を接合した2つのPTC素子間に重ね合わ
せ、熱的、電気的に絶縁を図っている。この絶縁体3に
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、
ポリアミド等の熱可塑性樹脂が望ましいが、絶縁性を有
するものであれば、この限りではない。
【0014】また、各PTC素子1a、1b、1c、1
d、1eのトリップ温度は、それぞれ異なり、その配列
順序に特徴があるため以下説明する。図3(a)は、実
施例1の各PTC素子の抵抗値−温度特性を示すグラフ
である。図3(a)に示すように各PTC素子1a、1
b、1c、1d、1eの各トリップ温度をTka、Tk
b、Tkc、Tkd、Tkeとすると、 Tka≦Tkb<Tkc≦Tkd<Tke という条件で各PTC素子が定められ、図1(a)に示
すように配置される。
d、1eのトリップ温度は、それぞれ異なり、その配列
順序に特徴があるため以下説明する。図3(a)は、実
施例1の各PTC素子の抵抗値−温度特性を示すグラフ
である。図3(a)に示すように各PTC素子1a、1
b、1c、1d、1eの各トリップ温度をTka、Tk
b、Tkc、Tkd、Tkeとすると、 Tka≦Tkb<Tkc≦Tkd<Tke という条件で各PTC素子が定められ、図1(a)に示
すように配置される。
【0015】つまり、最もトリップ温度が高いPTC素
子1eを最内層に配置させ、その外側には、1eよりも
低いトリップ温度となるPTC素子1c、1dを隣接さ
せる。そして、1c、1dの外側には、さらに低いトリ
ップ温度となるPTC素子1a、1bを隣接させるとい
うことである。このように、隣接するPTC素子のトリ
ップ温度を比較して、内層側が高くなるように順次、P
TC素子を配列させることが特徴の一つである。よっ
て、隣接しない1aと1bや1cと1dのトリップ温度
は、前述の特徴を満足していれば、それぞれ同一温度で
あってもよい。また、本実施例で示したPTC素子の層
数は、複数であればよく、その形状も特に限定するもの
ではない。
子1eを最内層に配置させ、その外側には、1eよりも
低いトリップ温度となるPTC素子1c、1dを隣接さ
せる。そして、1c、1dの外側には、さらに低いトリ
ップ温度となるPTC素子1a、1bを隣接させるとい
うことである。このように、隣接するPTC素子のトリ
ップ温度を比較して、内層側が高くなるように順次、P
TC素子を配列させることが特徴の一つである。よっ
て、隣接しない1aと1bや1cと1dのトリップ温度
は、前述の特徴を満足していれば、それぞれ同一温度で
あってもよい。また、本実施例で示したPTC素子の層
数は、複数であればよく、その形状も特に限定するもの
ではない。
【0016】(実施例2)本発明の実施例2を図2およ
び図3(b)に基づいて説明する。図2(a)は、実施
例2の構造を示す斜視図であり、図2(b)は、図2
(a)のB−B断面図である。1a´、1b´、1c
´、1d´は、薄板円筒形状のPTC素子を示してい
る。なお、PTC素子1a´、1b´、1c´、1d´
の形状は、筒形であればよく、限定されるものではな
い。各PTC素子1a´、1b´、1c´、1d´の内
外面それぞれには、PTC素子1a´、1b´、1c
´、1d´の表面全体を覆う電極2が形成され、電極2
にはリード線4が接合されている。リード線4は、電極
2の端部から外部へ引き出され、各PTC素子1が電気
的に並列接続になるように+極、−極それぞれがひとま
とめにされて相対向する方向へ、絶縁外被を付けた電線
5として集約されている。3は、電極2全体を覆う形状
の絶縁体を示している。絶縁体3は、図2(a)に示す
ように電極2の外側に形成され、熱的、電気的な絶縁を
図っている。この絶縁体3には、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリアミド等の熱可塑性樹
脂が望ましいが、絶縁性を有するものであればこの限り
ではない。
び図3(b)に基づいて説明する。図2(a)は、実施
例2の構造を示す斜視図であり、図2(b)は、図2
(a)のB−B断面図である。1a´、1b´、1c
´、1d´は、薄板円筒形状のPTC素子を示してい
る。なお、PTC素子1a´、1b´、1c´、1d´
の形状は、筒形であればよく、限定されるものではな
い。各PTC素子1a´、1b´、1c´、1d´の内
外面それぞれには、PTC素子1a´、1b´、1c
´、1d´の表面全体を覆う電極2が形成され、電極2
にはリード線4が接合されている。リード線4は、電極
2の端部から外部へ引き出され、各PTC素子1が電気
的に並列接続になるように+極、−極それぞれがひとま
とめにされて相対向する方向へ、絶縁外被を付けた電線
5として集約されている。3は、電極2全体を覆う形状
の絶縁体を示している。絶縁体3は、図2(a)に示す
ように電極2の外側に形成され、熱的、電気的な絶縁を
図っている。この絶縁体3には、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリアミド等の熱可塑性樹
脂が望ましいが、絶縁性を有するものであればこの限り
ではない。
【0017】さらに、具体的な電流制限素子の各層の組
成の一例を以下説明する。 1)PTC素子1a´(トリップ温度: 90℃) :エチレン・エチルアクリル酸共重合体+カーボン+老
化防止剤 2)PTC素子1b´(トリップ温度:110℃) :低密度ポリエチレン+カーボン+老化防止剤 3)PTC素子1c´(トリップ温度:130℃) :高密度ポリエチレン+カーボン+老化防止剤 4)PTC素子1d´(トリップ温度:160℃) :ポリプロピレン+カーボン+老化防止剤 5)絶縁体3 : ポロプロピレン+老化防止剤
成の一例を以下説明する。 1)PTC素子1a´(トリップ温度: 90℃) :エチレン・エチルアクリル酸共重合体+カーボン+老
化防止剤 2)PTC素子1b´(トリップ温度:110℃) :低密度ポリエチレン+カーボン+老化防止剤 3)PTC素子1c´(トリップ温度:130℃) :高密度ポリエチレン+カーボン+老化防止剤 4)PTC素子1d´(トリップ温度:160℃) :ポリプロピレン+カーボン+老化防止剤 5)絶縁体3 : ポロプロピレン+老化防止剤
【0018】このような構造から成る電流制限素子の製
造方法の一例として、以下説明する。まず、電極2とな
る導体上に正温度抵抗係数を有する組成物を押し出し被
覆して、PTC素子1d´の層を形成し、そのPTC素
子1d´表面に電極2となる導体を螺旋巻き、あるい
は、縦添えし、電子線照射等で架橋処理を施す。次に、
導体上に絶縁材料を押し出し被覆して絶縁体3の層を形
成する。このように、内層より順次、電極2となる導
体、PTC素子1、電極2となる導体、絶縁体3を同軸
上に形成した後、その成形体を所望の寸法に切断し、リ
ード線4の接続や絶縁等端末処理を施す。
造方法の一例として、以下説明する。まず、電極2とな
る導体上に正温度抵抗係数を有する組成物を押し出し被
覆して、PTC素子1d´の層を形成し、そのPTC素
子1d´表面に電極2となる導体を螺旋巻き、あるい
は、縦添えし、電子線照射等で架橋処理を施す。次に、
導体上に絶縁材料を押し出し被覆して絶縁体3の層を形
成する。このように、内層より順次、電極2となる導
体、PTC素子1、電極2となる導体、絶縁体3を同軸
上に形成した後、その成形体を所望の寸法に切断し、リ
ード線4の接続や絶縁等端末処理を施す。
【0019】また、各PTC素子1a´、1b´、1c
´、1d´のトリップ温度は、異なり、その配列順序に
特徴があるため以下説明する。図3(b)は、実施例2
の各PTC素子の抵抗値−温度特性を示すグラフであ
る。図3(b)に示すように各PTC素子1a´、1b
´、1c´、1d´の各トリップ温度をTka´、Tk
b´、Tkc´、Tkd´とすると、 Tka´<Tkb´<Tkc´<Tkd´ という条件で各PTC素子1a´、1b´、1c´、1
d´が定められ、図1(b)に示すように配置される。
´、1d´のトリップ温度は、異なり、その配列順序に
特徴があるため以下説明する。図3(b)は、実施例2
の各PTC素子の抵抗値−温度特性を示すグラフであ
る。図3(b)に示すように各PTC素子1a´、1b
´、1c´、1d´の各トリップ温度をTka´、Tk
b´、Tkc´、Tkd´とすると、 Tka´<Tkb´<Tkc´<Tkd´ という条件で各PTC素子1a´、1b´、1c´、1
d´が定められ、図1(b)に示すように配置される。
【0020】つまり、最もトリップ温度が高いPTC素
子1d´を最内層に配置させ、その外側には、1d´よ
りも低いトリップ温度となるPTC素子1c´を外側に
隣接させる。そして、1c´の外側には、さらに低いト
リップ温度となるPTC素子1b´を隣接させるという
ことである。このように、隣接するPTC素子のトリッ
プ温度を比較して、内層側が高くなるように順次、PT
C素子を配列させることが特徴の一つである。
子1d´を最内層に配置させ、その外側には、1d´よ
りも低いトリップ温度となるPTC素子1c´を外側に
隣接させる。そして、1c´の外側には、さらに低いト
リップ温度となるPTC素子1b´を隣接させるという
ことである。このように、隣接するPTC素子のトリッ
プ温度を比較して、内層側が高くなるように順次、PT
C素子を配列させることが特徴の一つである。
【0021】
【発明の効果】以上、説明した如く、本発明の電流制限
素子によれば、PTC素子を応用した小型で大定格電流
対応可能な電流制限素子または、PTC素子を応用した
小型で大定格電流対応可能であり、かつ速いトリップ応
答性を有する電流制限素子を提供することができるた
め、自動車用配線システムにおいて、ヒューズ代替えと
して使用することができる。しかも、過電流による電流
遮断が実行された後も繰り返し使用できるため、ヒュー
ズには有しない新たな機能として自動車への部品搭載後
に部品交換を必要としないメンテナンスフリーを実現で
きる等顕著な効果を奏する。
素子によれば、PTC素子を応用した小型で大定格電流
対応可能な電流制限素子または、PTC素子を応用した
小型で大定格電流対応可能であり、かつ速いトリップ応
答性を有する電流制限素子を提供することができるた
め、自動車用配線システムにおいて、ヒューズ代替えと
して使用することができる。しかも、過電流による電流
遮断が実行された後も繰り返し使用できるため、ヒュー
ズには有しない新たな機能として自動車への部品搭載後
に部品交換を必要としないメンテナンスフリーを実現で
きる等顕著な効果を奏する。
【図1】実施例1の構造を示す斜視図およびA−A断面
図である。
図である。
【図2】実施例2の構造を示す斜視図およびB−B断面
図である。
図である。
【図3】実施例1および実施例2の各PTC素子の抵抗
値−温度特性を示すグラフである。
値−温度特性を示すグラフである。
【図4】従来のPTC素子の抵抗値−温度特性を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図5】従来の構造を示す斜視図である。
1a、1b、1c、1d、1e、1a´、1b´、1c´、1d´─PTC
素子 2─────電極 3─────絶縁体 10、20───電流制限素子
素子 2─────電極 3─────絶縁体 10、20───電流制限素子
Claims (3)
- 【請求項1】正温度抵抗係数を有する素子の両面に電極
を形成し、該電極を形成した正温度抵抗係数を有する素
子の少なくとも2つ以上を層状に配列し、各層間に絶縁
体を形成したことを特徴とする電流制限素子。 - 【請求項2】層内側の正温度抵抗係数を有する素子のト
リップ温度より低いトリップ温度の特性を有する正温度
抵抗係数を有する素子を層外側に形成したことを特徴と
する請求項1記載の電流制限素子。 - 【請求項3】中心軸から外周側に向けて、正温度抵抗係
数を有する素子が筒形状で層状に形成し、内周側の正温
度抵抗係数を有する素子のトリップ温度より低いトリッ
プ温度の特性を有する正温度抵抗係数を有する素子を外
周側に形成したことを特徴とする請求項1記載の電流制
限素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1260995A JPH08203709A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 電流制限素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1260995A JPH08203709A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 電流制限素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08203709A true JPH08203709A (ja) | 1996-08-09 |
Family
ID=11810112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1260995A Pending JPH08203709A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | 電流制限素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08203709A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005004173A1 (ja) * | 2003-07-02 | 2005-01-13 | Tyco Electronics Raychem K.K. | 複合化ptc素子 |
EP3761325B1 (en) * | 2019-07-01 | 2023-11-29 | Littelfuse, Inc. | Pptc device having resistive component |
-
1995
- 1995-01-30 JP JP1260995A patent/JPH08203709A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2005004173A1 (ja) * | 2003-07-02 | 2005-01-13 | Tyco Electronics Raychem K.K. | 複合化ptc素子 |
JPWO2005004173A1 (ja) * | 2003-07-02 | 2006-08-17 | タイコ エレクトロニクス レイケム株式会社 | 複合化ptc素子 |
US7515032B2 (en) | 2003-07-02 | 2009-04-07 | Tyco Electronics Raychem K.K. | Combined PTC device |
JP5228211B2 (ja) * | 2003-07-02 | 2013-07-03 | タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 | 複合化ptc素子 |
EP3761325B1 (en) * | 2019-07-01 | 2023-11-29 | Littelfuse, Inc. | Pptc device having resistive component |
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