JPH0817772B2 - ノイズを除去した主信号の検出方法及び装置 - Google Patents

ノイズを除去した主信号の検出方法及び装置

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JPH0817772B2
JPH0817772B2 JP3508040A JP50804091A JPH0817772B2 JP H0817772 B2 JPH0817772 B2 JP H0817772B2 JP 3508040 A JP3508040 A JP 3508040A JP 50804091 A JP50804091 A JP 50804091A JP H0817772 B2 JPH0817772 B2 JP H0817772B2
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、検出信号からノイズ信号を取り除く技術に
関し、特に、複数の参照センサを使って未知のノイズを
取り除く技術に関する。
ノイズ環境で発生する原信号の真の表示を得ることに
ついての問題は、種々の状況において、例えば、ソーナ
ー信号あるいは地震信号の検出や、妊産婦“ノイズ”信
号があるときの胎児の心電図の検知において生ずる。
この技術分野においては、主センサによって検出され
た望ましくないノイズを、信号を受けずにノイズだけを
受ける所謂“無信号”参照センサを用いることによって
取り除き可能であることが知られている。無信号参照セ
ンサの出力は、主センサの出力からノイズ成分を除去す
るのに使われるフィルタ定数を導き出すために、主セン
サの出力と関連して用いられる。取り除かれるべき独立
した単一ノイズソース(ノイズ源)が1つ以上あるとき
には、1つ以上の単一参照センサを使用するのが良いこ
とが認識されている。しかしながら、使用することので
きる参照センサの個数には制限のあることも認識されて
いる。当該技術分野においては、検出されるべき信号の
状態を損なうことなく、主センサ出力の全ての重要なノ
イズ成分を取り除くのに必要な参照センサの正確な個数
を確かめる方法は知られていない。さらに、ほとんどの
状況下で、主信号の全くない参照センサ出力を得ること
は不可能である。既知のノイズ除去技術は、参照センサ
によって検出される少量の主信号の影響を、検出される
べき信号を除去する程までに増幅してしまう傾向を有し
ている。
ウイドロー等による“適応ノイズキャンセレーショ
ン:原理および応用”と題する従来文献「Proceedings
of IEEE vol.63,No.12,1975年12月」には、胎児の
心電図を得るのに、1つの主センサと1つあるいはそれ
以上の無信号参照センサとを使用することによって、ノ
イズを除去する構成が記されている。各参照センサ出力
は、主センサからの情報とともに、所謂ウィーナー・フ
ィルタについての定数を決定するのに使われている。ウ
ィーナー・フィルタは、参照信号にフィルタ処理を施す
ものであり、フィルタ処理がなされた後の参照出力は、
望ましくない成分を含まない真の信号の表示を得るため
に、主出力から差し引かれる。ウィドロー等は、無信号
参照センサの出力により識別された成分を主センサの出
力信号から取り除く試みにおいて、参照信号の各々に対
してそれぞれ別個にウィーナー・フィルタを用いてい
る。ウィドロー等は、無信号参照センサが何個用いられ
るべきか明らかではないことを示している。当該技術分
野における1つの問題は、非常に少ない個数の参照セン
サしか使用されないならば、信号から重要なノイズ成分
の全部は取り除くことができないことにある。従来の手
法の特別な問題点は、独立したノイズ源の個数よりも多
くの参照センサが用いられるならば、ウィーナー・フィ
ルタ・アルゴリズムは、相互にコヒーレントな非常に多
くの参照センサ情報を受け取ることにより、フィルタ定
数の計算に用いられるマトリックスが不良条件となった
り、ランク不定になることである。これによって、定め
られるべきフィルタ定数が不足したり、あるいは計算が
完全に失敗したりする。この従来技術に伴う他の問題
は、実際問題として、所謂無信号参照信号が、検出され
るべき主信号によって実際に影響を受ける可能性がある
ことである。ウィーナー・フィルタの目的は、参照セン
サによって検出された全ての成分を主成分から取り除く
ことにあるので、ウィーナー・フィルタ処理において使
用されるこのような信号がたとえ少量のものであって
も、その影響によって、真の信号をノイズとともに除去
する可能性がある。胎児の心電図へのニーズは、例えば
胎児不整脈や胎児の他の心臓異常の正しい診断を行なう
ために、長い間、医者によって認識されていた。しかし
ながら、胎児の心電図を得るのに信頼性のあるいかなる
装置も、従来技術において、開発されていない。
カオ・チャンキューによる“特異値分解を用いた適応
ノイズ除去の新しいアルゴリズム”と題する他の従来文
献「Acta Automatica Sinica Vol.12,NO.2,1986年4
月」には、1つの単一参照センサを用いたノイズ除去方
法が記されている。このセンサの出力は、1回の時間遅
延処理あるいはそれ以上の時間遅延処理が施されて、時
間間隔を変化させて利用される。このようにして得られ
た値は、マトリックスで表現され、特異値分解によっ
て、ある値を零として扱ってマトリックスを被約(redu
ced)させることがもくろまれている。この文献は、い
くつかの時間間隔で試験したときの単一センサ出力の統
計的従属あるいは統計的独立を取り扱っているが、複数
のノイズ源を検出するのに用いられるいくつかの参照セ
ンサからの相互にコヒーレントな過剰情報の問題を扱っ
ていない。
他の従来文献,例えばファン・オステローム等による
“特異値分解を用いた胎児ECGにおける妊婦成分の除
去”と題する文献「Electrocardiology'83:Proceedings
of the 10th International Congress on Elec
trocardiology,ブラチスラバ,チェコスロバキア,1983
年8月14日」は、多−参照(信号)環境におけるノイズ
除去への特異値分解の応用に関している。この文献は、
主センサ出力と複数の参照センサの出力との両方から得
られた計算値のマトリックスに特異値分解を適用するこ
とを提案している。この従来文献技術における1つの問
題は、特異値分解から得られた値のうちどの値が主セン
サから得られ、どの値が参照センサから得られたのかを
予測することが難しいということである。主信号の寄与
を参照信号の寄与から分離する正確な方法は、この文献
には提案されていない。
著者ロンジーニ等による“ほぼ直交した基底関数:リ
アルタイム胎児ECG技術”と題する他の従来文献「ZEEE
Transactiona on Biomedical Engineering,Vol.BM
E−24,NO.1,1977年1月」には、複数の参照源からの信
号から得られた値の参照マトリックスへの直交基底関数
の適用が論ぜられている。この従来技術の手法における
1つの問題は、参照信号に少量の主信号が含まれること
から生ずる問題,あるいは、いくつかの参照センサから
の相互にコヒーレントな過剰情報から生ずる問題を扱っ
ていないことである。
発明の概要 従来技術のこれらの問題および他の問題は、本発明に
よって、少なくとも1つの主信号検出器と多数の“無信
号”参照信号検出器とを用いた構成で、フィルタ定数を
決定するに先立って、“無信号”参照センサ出力にいく
らかの量の主信号が含まれることにより生ずる有害な影
響を除去し、また、独立したノイズ源を示さない参照セ
ンサの寄与を除去することによって克服される。フィル
タ定数は、ノイズ除去された主信号を作成するために参
照出力が主センサ出力から差し引かれる先立って、参照
出力を調整するのに用いられる。本発明の1つの観点に
よれば、フィルタリング・アルゴリズムに用いられるフ
ィルタ定数の計算は、計算プロセスに閾値を設定し、こ
の閾値以下の値を計算から除去してなされる。本発明に
よれば、有利には、選択された参照センサの個数を、他
の参照センサを追加した結果として追加のノイズ源がさ
らに含まれることのない個数まで、安全に増加させるこ
とができる。さらに本発明では、実際のノイズ源の個数
よりも多くの参照検出器が用いられるときに、参照セン
サ出力に真の信号が少量含まれることによって主要な信
号成分が不注意に除去されてしまうのを回避し、従来技
術における結果の不確定性を回避することができる。
本発明の1つの観点によれば、検出されるべき主原信
号(primary source signal)を示す出力信号は、い
くつかの参照出力について相関データを導き出し、参照
信号のある線形結合を表わすフィルタ定数を定める情報
を作成することによって得られる。相関値が所定閾値を
越える参照センサへのこれらのソースの寄与成分だけが
フィルタ定数を定める際に考慮される。閾値以下の寄与
成分は、考慮から除外される。フィルタ定数を参照出力
に作用させて、主出力からノイズ源の影響を取り除くた
めにフィルタ処理された参照出力を主出力から差し引
く。他の相関データ値と比べたときに、小さな大きさの
相関データは、独立したノイズ源を表わしていないの
で、フィルタ定数の計算プロセスから除外される。さら
に、小さな値の相関データに含まれ重要な影響を与える
主源信号値が、有利には除去される。
本発明の1つの実施例では、主ソース検出器と複数の
参照検出器とが、ノイズ修正されたソーナー・水中聴音
器出力を得るのに用いられる。全ての重要なノイズ源を
検出することを保証するために多数の参照検出器を用
い、独立したノイズ源を表わさない検出器信号の寄与成
分を除去する。種々の参照検出器から受け取られた信号
に基づくクロス相関データは、クロス−スペクトル密度
マトリックスを構成するのに用いられる。既知の直交化
手法を用いてマトリックスを解き、所定の閾値以下の被
約マトリックス(reduced matrix)の固有値を除去
し、これによって、主信号源からの参照信号の寄与成分
と、独立したノイズ源を表わさない参照センサからの寄
与とを除去する。被約マトリックスの残りの値は、フィ
ルタ定数を定めるために、参照センサと主センサとの相
関データと関連させて用いられる。フィルタ定数は、参
照センサによって検出されたものと同等な信号の寄与成
分を除去するために、既知の仕方で、参照センサに属す
るパワースペクトル密度データに作用される。有利に
は、多数の参照検出器を用い、独立したノイズソースを
表わさないこれらの信号の寄与成分を除去することによ
って、ソーナー検出や主信号が種々のノイズ源の存在す
る中にある場合の他の用途に対して十分に改善された出
力信号を与える。
本発明の他の実施例では、胎児の真の心臓活動を表わ
す胎児心電図を得るのに本発明が用いられる。この実施
例では、妊婦の腹部領域に複数の主センサを用いて、胎
児心電図用の複数のトレースを作る。婦人の体内の他の
領域には比較的に多数の参照センサを位置決めして、婦
人の心拍および他のノイズ源から生ずるノイズを検出す
る。参照センサおよび主センサからの出力は、マルチプ
レクスされ、デジタルコンピュータに加わり、デジタル
コンピュータにおいては、参照センサの出力に基づいて
クロス相関値を定めてクロス相関マトリックスを構成す
る。このマトリックスは、既知の特異値分解手法を用い
て解かれ、所定の閾値以下の相関値が除去される。被約
マトリックスの残りの値は、参照センサ出力に作用され
るフィルタ定数を定めるのに用いられ、フィルタ処理さ
れた出力は、胎児の心拍信号を定めるため主センサ出力
から差し引かれる。コンピュータは、胎児の心電図を作
るため、胎児出力信号を合成し、合成された出力信号を
心電図出力装置あるいは他の記録装置に与える。参照セ
ンサ出力の余剰分についてはこれを本発明により除去で
きるので、何個のノイズ源が信号に影響を与えるのかが
未知の環境では、有利には、できるだけ多くのセンサを
用いるのが良い。
本発明は、有利には、ここで述べられた例示の用途に
とどまらずに、多数のノイズ源あるいはノイズモードが
存在する場合に主信号を検出しようとする種々のノイズ
除去用途に用いることができる。例えば、本発明を心臓
移植心電図に用いて、移植された心臓からより強い信号
がある場合に旧い心臓の脈中心活動(nerve center a
ctivity)の心電図を作ることができる。本発明の他の
用途には、ノイズ環境において信号を検出しようとする
音検出,電話,レーダー,テレビ等の分野が含まれる。
また、本発明は、検出されたノイズ信号を合成相補(co
mplementary)信号によって除去するアクティブノイズ
除去に有利には用いられる。
図面の簡単な説明 本発明を図面を参照して説明する。
第1図は、1つあるいはそれ以上の胎児用センサと、
複数の参照センサと、胎児の心臓活動を表わす波形を合
成するコンピュータとを用いて胎児の心電図を作成する
システムのブロック図である。
第2図は、第1図のコンピュータによって実行される
機能を示すフローチャートである。
第3図は、第1図のコンピュータにより用いられるメ
モリアレイのブロック図である。
第4図および第5図は、合成された波形の計算に用い
られるマトリックスを示す図である。
第6図は、1つあるいはそれ以上の水中聴音器と複数
の参照センサと合成波形用のコンピュータを用いて、検
出された水中信号のグラフを作成するシステムのブロッ
ク図である。
第7A図および第7B図は、合成された波形の生成の際、
第6図のコンピュータによって実行される機能を示すフ
ローチャートである。
第8図および第9図は、異なる計算閾値を用いてノイ
ズ源のパワースペクトル密度を表わす曲線を示す図であ
る。
詳細な説明 第1図は、胎児の心電図を得るための構成のブロック
図である。このシステムは、心電図に再生されるべき胎
児心拍信号を検出するために妊産婦の腹部領域に置かれ
た複数(m)の胎児用センサ101を有している。主セン
サの個数は、心電図にとって望まれる独立した胎児信号
表示の数に等しい。このシステムは、複数(n)の参照
センサ102を使用している。例として、婦人の腹部から
離れた体の種々の部分に、10個の参照センサを置くこと
ができる。これらの参照信号は、女性体内および心電図
の記録がなされる環境内で、独立したノイズ源を検出す
るのに使用される。胎児用センサ101の出力に影響を与
える独立した重要なノイズ源を検出するのに十分な個数
の参照センサが使用される限り、参照センサ102の正確
な個数は、重要ではない。しかしながら、参照センサの
個数が多くなればなる程、ノイズ除去に要するコンピュ
ータの計算時間が長くなる。他のノイズ源は、例えば呼
吸等の他の筋活動からの生理信号を含んでいる。また、
ノイズ源としては、電線のノイズ,測定誤差等を含んで
いることが予想される。胎児用センサ101,参照センサ10
2の各々は、多くノイズ源の全てのある線形結合をピッ
クアップする。本発明のシステムでは、胎児用センサ10
1の各々についての信号が、他の胎児用センサとは独立
した全ての参照センサを参照して、コンピュータ125に
よって計算される。一般に、腹部領域における胎児用セ
ンサ101の1つは、胎児心拍から20%のオーダーの信号
を受け、他のソース(源),主に妊産婦の心拍から80%
のオーダーの信号を受ける。最終的な出力信号を得るの
に、胎児用センサの1つの出力は、参照センサ102の全
ての出力の混合結果を考慮して修正される。但し、上記
混合結果は、参照センサ出力の重要な最小線形結合を含
まない。
胎児用センサ101,参照センサ102には、心電図を得る
のに一般に用いられている市販のセンサを用いることが
できる。センサ101,102の各々によって検出された信号
は、導線108を介して増幅器104に送られ、増幅器104に
よって増幅される。これらの増幅器は、較正された増幅
信号をシステムに与えるのに用いられる良く知られた可
変ゲイン増幅器であるのが望ましい。増幅器104は、導
線103によってフィルタ105に接続されている。フィルタ
105は、良く知られた低周波バンドパスフィルタであ
り、高周波偽信号による妨害を避けるために設けられて
いる。フィルタ105は、導線106を介して良く知られたマ
ルチプレクス回路110に接続されている。アナログフィ
ルタの出力は、マルチプレクスされて、導線112を介し
て良く知られたアナログ−デジタル(A/D)変換器115に
送られる。A/D変換器は、マルチプレクスされたアナロ
グ情報を所定のサンプリングレート、例えば256波形サ
ンプル/秒でデジタルデータワードに変換する。A/D変
換器115によって得られたデジタルデータは、導線113を
介してデータ記憶部118に送られる。データ記憶部118
は、センサからのデータを、患者,記録時間等を識別す
るヘッダ情報とともにファイルに記憶するコントローラ
120を有している。コントローラ120は、マルチプレクス
されたデジタルセンサ情報をデータレコードに編集す
る。なお、該データレコードは、データ記憶部118から
バス126を介してコンピュータ125により読み出され、胎
児の心拍を表わす合成出力信号を定めるようコンピュー
タにより用いられる。コンピュータ125は、所望の胎児
心電図を得るためにグラフィックプリンタ128を制御す
る。
コンピュータ125は、胎児センサ101の各々について合
成出力信号を得るためノイズ除去を行なう。ノイズ除去
は、余分な参照出力によって影響されることなく複数の
参照センサ102からの出力に基づいて計算された特定の
信号成分を胎児センサ101の出力から取り除くことによ
りなされる。ノイズ除去は、周波数領域でなされても良
いし、あるいは時間領域でなされても良い。周波数領域
でなされる場合には、時間平均されたセンサ出力を例え
ば高速フーリエ変換によって周波数領域に変換し、セン
サ出力のクロス−スペクトル密度マトリックスを良く知
られた仕方で作る。このようなマトリックスは、所謂エ
ルミート対称性を有していることが知られている。時間
領域でなされる場合には、参照センサ出力を用いて、相
関値のマトリックスを良く知られた仕方で作る。このマ
トリックスは、例えば時刻tにおけるセンサAの出力と
時刻tからτの時間遅れでとられた他のセンサBの出力
との間の相関を表わしている。かくして、先づセンサA
に表われ、しかる後センサBに表れる信号成分は、相関
マトリックスに反映される。
第2図は、時間領域解析を用いて胎児心電図を作る際
に、コンピュータ125によってなされる処理を示すフロ
ーチャートである。データ記憶部118に記憶されたデー
タは、数期間内の各センサについての数レコードのデー
タとなっている。コンピュータ125は、所定期間中のm
個の胎児用センサ101の1つについてのデータとn個の
参照センサ102の全てについてのデータとを含む1つの
レコードを読み出す。このようなレコードの各々は、い
くつかの時間区分,例えば1秒当り256のサンプリング
回数を有している。コンピュータは、参照センサ出力間
での多くの時間遅延量についての相関に基づいてフィル
タ定数を計算する。1つの相関マトリックスが作られろ
と、この相関マトリックスは、特異値分解を用いて、特
異値が対角上に表れるように対角マトリックスの形に変
換される。次いで、この結果の特異値要素は、閾値と比
較され、小さな値の成分が取り除かれる。結合されたフ
ィルタ定数は、記憶されている参照出力に作用され、該
参照出力は、計算期間における信号成分を得るために胎
児用センサ出力の1つから差し引かれる。しかる後、こ
の処理は、例えば10秒の期間中の1つのレコードの時間
ステップ(time step)の各々についての胎児信号成分
が計算されるまで、多くの時間ステップの各々について
繰り返される。選択された胎児用センサについてのノイ
ズ除去された胎児出力信号が適宜に合成される。この処
理は、胎児用センサの各々について繰り返される。
第2図のブロック100は、遅延タップ(lag tap)の
設定処理を示している。遅延タップは、選択された主セ
ンサの出力と参照センサ1〜nの出力との間の相関を決
めるのに用いられる時間間隔を定める。例えば、波形が
A/D変換器115において1秒当り256サンプル数のレート
でサンプリングされるならば、タップを、1秒の期間に
わたって線形的に(linearly),例えば20番目の読出し
ごとに取り出して間隔をへだてることもできるし、ある
いは例えば1,2,4,8,16…のように対数周期的に間隔をへ
だてることもできる。他の値については、予想される信
号の時間変動にある程度応じて選択することができる。
ブロック100には、さらに、相関マトリックスの分解
後、小さな値の特異値成分を取り除くのに用いられる閾
値の設定が示されている。閾値は、分解後のマトリック
スにおける最も大きな特異値を考慮して定められる。閾
値は、例えば、最も大きな値の1%(−20dB)あるいは
0.01%(−40dB)に設定される。閾値が非常に小さく設
定されるならば、真の信号の小さな成分を含む確率は増
加する。閾値が非常に大きく設定されるならば、重要な
ノイズ源をノイズ除去アルゴリズムから除外することが
できる。ブロック100には、また、U0の値の設定が示さ
れている。この実施例においては、ウィーナー・フィル
タ・アルゴリズムは、ノイズ除去を行なうのに用いられ
る。ウィーナー・フィルタの定数は、減衰プロセスを使
用して適応的に計算することができる。適応減衰プロセ
スを制御する1つの方法は、保持される履歴量を制御す
る移動平均を用いることによって、ブロック100におけ
る相関を時間ステップ(time step)ごとに更新するこ
とである。この実施例では、減衰定数Uは、U=U0(ic
ount−1)/icountである。値U0は、この実施例ではブ
ロック100において、0.1に設定される。icountの値は、
フィルタ定数の計算が異なる時間ステップについて初期
化されるごとに、インクレメント(増加)される。これ
のかわりに、全ての時間ステップについて決まった一組
の相関平均を計算し、これを使ってウィーナー・フィル
タの単一の組を作ることによって、非適応的な仕方でウ
ィーナー・フィルタ定数を得ることができる。
第2図のブロック200では、相関マトリックスに用い
られるメモリを、計算エラーを避けるために、“0"に設
定する。ブロック300では、プログラムのカウンタを初
期化する。ブロック400は、記録された患者の識別情
報,参照回数等を含むレコードヘッダ情報のデータ記憶
部からの読み出しを示している。ブロック500では、最
初のデータレコードがデータ記憶部118から読み出され
る。このレコードは、第1図に符号102で示した参照セ
ンサ1〜nと胎児用センサの1つとから多くの(例えば
256の)時間ステップにわたって集められたデータを含
んでいる。このような最初のレコードは、1つの領域メ
モリ,すなわち上方アレイメモリに読み込まれている。
判断ブロック600によって、処理がブロック500に戻され
ると、先に読み出されたレコードを下方メモリアレイに
移し、2番目のレコードを上方アレイに読み込む。
第3図は、メモリ130における上方メモリアレイ,下
方メモリアレイを示す図である。ブロック500では、上
方アレイからの情報は、下方アレイに移され、1つのレ
コードが上方アレイに読み込まれる。このステップは、
ブロック600からブロック500への戻りが2回目になると
実行され、最初のレコードを下方メモリアレイに移し、
2番目のレコードを上方メモリアレイに読み込む。1つ
のレコードは、例えば、1秒当りに集められた情報を有
している。A/D変換器115が256Hzのサンプリングレート
では、1秒間のデータは、256の時間ステップを有して
いる。相関データおよびフィルタ定数は、例えば時間ス
テップiでの上方メモリアレイのデータとそれよりも前
の遅延タップに等しい期間で発生するデータとの比較結
果に基づいて相関データを得るために、ブロック100で
設定された遅延タップを用いて各時間ステップごとにブ
ロック1000〜1200で計算される。上記前のデータは、同
じレコードで(すなわち、上方メモリアレイ301で)発
生したものでも良いし、あるいはそれよりも前のレコー
ドで(すなわち、下方メモリアレイ302で)発生したも
のでも良い。
ブロック700では、時間ステップ(time step)の値
を後での使用のために初期化する。この後、ブロック80
0に進み、ブロック800では、信号成分が計算される現在
のレコードの時間ステップの跡をたどるために、time
stepの値をインクレメント(増加)する。ブロック800
では、icountの値を増加して減衰定数Uを計算する。ブ
ロック800の処理の開始時には、移動平均での使用に履
歴がないので、減衰定数は“0"である。icountの値は、
ブロック800の処理を開始する毎に、すなわち、新たな
時間ステップが選択される毎に、移動平均が修正される
ように、ブロック800においてインクレメント(増加)
される。ブロック1000では、所定の時刻での参照信号の
各々とブロック100で初期化された遅延タップによって
定められた時点での他の全ての参照信号との間の相関を
示す相関マトリックスを作る。第4図は、n個の個々の
参照信号Xl〜Xnと自己のおよび他の全ての参照信号X+ 1
〜X+ nとの相関を表わす参照相関マトリックスを示す図
である。このマトリックスは、m個の個々の遅延時間に
おけるXX+の相関値を表わしている。例として、値X11X+
nmは、遅延時間1における参照信号1と遅延時間mにお
ける参照信号nとの相関値を表わしている。XX+の値
は、ブロック800において特定されたUの値によって定
められる移動平均を使って平均化することができる。第
5図は、胎児用センサYの1つの出力値とm遅延時間に
おける参照センサX1〜Xnの各々の出力値との相関マトリ
ックスを示している。
ブロック1000において相関マトリックスを作った後、
ブロック1100に進み、マトリックスを対角化する。この
実施例では、数学の数本に記されている良く知られた特
異値分解プロセスを用いて、マトリックスを特異値対角
マトリックスに被約(reduce)する。所謂グラム−シュ
ミット法のような他の既知の手法もマトリックス分解に
利用できる。ブロック1110では、特異値対角マトリック
スの全ての要素をブロック100で設定された閾値,例え
ば対角マトリックス中の最も大きな要素の1%と比較す
る。ブロック1120では、閾値以下の全ての要素を“0"に
設定する。これは、相互にコヒーレントなノイズ源を表
わす要素と、主信号の1つの要素を含む小さな値の要素
とをフィルタリング処理から除外するものである。主信
号の1つの要素を含む小さな値の要素は、これが拘束を
受けないウィーナー・フィルタ・アルゴリズムの適用範
囲に含まれるならば、除去できるであろう。ブロック11
30では、残りのマトリックス要素,すなわち閾値よりも
大きいかあるいは閾値と同じ値をもつ要素の逆数をとっ
て(invert)、対角マトリックスの擬反転(pseudo−in
verse)を導出する。ブロック1200では、擬反転値をYX+
マトリックス値とともに用いて各参照信号,各遅延タッ
プごとにウィーナー・フィルタ定数を計算する。ブロッ
ク1400では、ブロック1200で計算されたフィルタ定数を
参照センサ出力に作用させ、フィルタ処理された参照出
力を考慮中の主センサの出力から差し引く。この仕方
で、ノイズ除去された胎児出力信号が、1つの時間ステ
ップについて1つの選択された胎児用センサ102に対し
て得られる。
ブロック1500における判断により追加の時間ステップ
が処理されるべきであることが示されるならば、ブロッ
ク800に戻って、time stepおよびicountをインクレメ
ント(増加)する。また、新たな移動平均をicountのイ
ンクレメントされた値を用いて計算する。しかる後、ブ
ロック800に移動し、前の時間ステップに用いられた同
じ遅延タップについて新たなフィルタ定数を計算し、ブ
ロック1400に示されているような選択フィルタ・アルゴ
リズムを用いて、信号を再び計算する。このシーケンス
はブロック500において上方メモリアレイに読み込まれ
たレコードについての全ての時間ステップが処理される
まで繰り返される。しかる後、ブロック1600では、追加
のレコードが読み取られるべきか否かの判断がなされ
る。追加のレコードが読み取られるべきならば、前のレ
コードを上方メモリアレイから下方メモリアレイに移
し、新たなレコードが上方アレイに読み込む。選択され
た全てのレコードが処理されたとき、ブロック1400で計
算されたZについての値は、心電図を得るため、コンピ
ュータによってグラフィックレコーダに合成波形として
転送される。第2図の処理は、m個の心電図出力トレー
スを得るために、m個の胎児用センサ101の各々につい
て繰り返される。
第6図は、水中での信号に対してノイズ除去を行ない
該信号のグラフィック表示を行なうためのシステムの実
施例を示すブロック図である。異なる位置での信号の表
示を得るために、m個の複数の水中聴音器151を用いる
ことができる。ノイズ除去に用いられる参照センサ出力
を得るために、n個の複数の参照センサ152を用いてい
る。水中聴音器151と参照センサ152とは、導線153を介
して増幅器155に互いに接続されている。増幅器は、好
ましくは、出力信号を較正するための可変ゲイン増幅器
であるのが良い。増幅された信号は、導線157によって
増幅器155に接続されたフィルタ159によりフィルタ処理
される。フィルタ159は、好ましくは、高周波偽信号を
阻止するのに用いられる低周波バンドパスフィルタであ
るのが良い。フィルタ159は、導線160を介してマルチプ
レクス回路162に接続されており、フィルタ処理された
アナログ信号はマルチプレクス回路162においてマルチ
プレクスされ、マルチプレクスされた出力信号は、導線
164を介していA/D変換器166に送られる。水中聴音器お
よび参照センサのマルチプレクスされた出力を表わすデ
ジタルデータ出力は、導線168を介してデータ記憶部170
に転送される。データ記憶部170は、コントローラ172を
有している。コントローラ172は、データ記憶部170にデ
ータレコードの形でデータを記憶する。ここで、各レコ
ードは、動作状態,関連レコード数等を識別するヘッダ
を有しており、また、各レコードは、水中聴音器151の
1つの出力成分と各参照センサ152の出力成分とを有し
ている。コンピュータ180は、ノイズ除去動作に用いら
れる。コンピュータは、データバス175によってデータ
記憶部のデータのレコードをヘッダから読み出し、かか
るレコードを解析のためにコンピュータのメモリ182に
格納する。合成出力信号を表わすデータは、出力グラフ
を得るためにプロッタ185に送られる。
第7A図および第7B図は、ノイズ除去を行なう際にコン
ピュータ180によってなされる機能例を示すフローチャ
ートである。コンピュータは、第7A図のブロック201に
示されているように、メモリのある範囲を初期化し、特
に、計算エラーをできるだけ避けるために、クロス−ス
ペクトル密度マトリックスを構成するのに用いられるメ
モリ領域を“0"に設定する。ブロック202では、フィル
タ定数の計算において、包含(inclusion)または排除
(exclusion)についての固有化を計算するのに用いら
れる閾値を設定する。コンピュータ180は、ブロック203
に示すように、データ記憶部170からデータレコードを
読み出し、このレコードを計算のためにコンピュータ18
0のメモリ182に格納する。ブロック205では、ブロック2
03で得られたレコードに対して高速フーリエ変換を行な
う。選択的には、フーリエ変換を行なうに先立って、ウ
ィンドー関数をレコードに作用させても良い。ブロック
207では、このレコードからのクロス−スペクトル密度
の寄与を周波数領域で計算し、現在の合計値に加算す
る。周波数領域での値に基づいて、各参照センサについ
てのクロス−スペクトル密度値をある特定の周波数での
自己の参照センサ出力および他の全ての参照センサ出力
に関して定めて、クロス−スペクトル密度マトリックス
を構成する。マトリックスの項は、XX+によって示され
る。ここで、“+"はエルミート演算子,すなわち転置共
役演算子を表わしている。同様のマトリックスを、参照
センサX1〜Xnの各々に関して水中補聴器Yの1つのクロ
ス−スペクトル密度値で構成する。
第7B図のブロック211では、KFREQとして表わされてい
る量を、後での計算に用いるため、“1"に設定する。ブ
ロック213では、特異値分解またはグラム−シュミット
・マトリックス被約法を用いて、XX+マトリックスを対
角化する。ブロック215では、対角化されたマトリック
スの固有値を閾値(例えば、最大固有値の1%)と比較
する。ブロック217では、閾値以下の全ての固有値を
“0"に設定し、ブロック219では、閾値よりも大きいか
または閾値に等しい値の逆数をとる(invert)。この仕
方で、小さな固有値からの寄与を除外しながら、対角化
されたマトリックスの擬反転(pseudo−inverse)を計
算する。小さな固有値は、信号またはノイズの小さな寄
与成分を表わしているか、または独立でないノイズ源を
表わしている。従って、この仕方で、検出されるべき信
号に由来する小さな寄与成分を除外し、これによって、
信号が全て除去されたりあるいは一部除去されたりする
ことを阻止し、ノイズ除去された信号を得る際に、重要
な独立ノイズ源だけを含ませる。ブロック221では、ウ
ィーナー・フィルタのフィルタ定数を既知の仕方で計算
し、ブロック223では、特定の周波数においてノイズ除
去された信号Zを計算するために、選択された1つの水
中補聴器の出力と関連させてフィルタ定数を用いる。判
断ブロック225では、KFREQの値をブロック203で得られ
たレコードの周波数サンプル総数を表わすNFREQと比べ
ることによって、このレコードに他の周波数が含まれて
いるか否かの判断を行なう。追加の周波数サンプルが考
慮されるべきであるならば、KFREQの値をブロック229で
インクレメント(増加)し、ブロック223において追加
の周波数サンプルについて他の信号成分Zを計算するた
めに、ブロック213に戻って、ブロック213,215,217,21
9,221の一連の動作を実行する。この実施例では、ブロ
ック209で構成されたクロス−スペクトル密度マトリッ
クスは、複数の周波数をカバーしており、ブロック213
では、上記特定周波数に関係するマトリックス要素だけ
の対角化がなされる。
1つの特定の試みでは、パワースペクトル密度グラフ
を作成する際、第7A図,第7B図に関して述べたように、
異なる閾値を用いて同じデータからフィルタ定数を計算
する。第8図および第9図は、パワースペクトル密度を
周波数の関数として描いたグラフを示している。第8図
は、最大固有値の1%である20dB閾値を用いたときのク
ロス−スペクトル密度曲線と、最大固有値の0.01%に設
定された40dB閾値を用いたときのクロス−スペクトル密
度曲線とを示している。曲線Aは、未修正の信号を示し
ている。曲線Aとほぼ一致している第2の曲線A′は、
20dB閾値を用いてノイズ除去をされた信号を示してい
る。曲線Bは、40dB閾値を用いてノイズ除去をされた信
号を示している。曲線Bは、10Hz領域において他の曲線
から逸脱している。未修正の曲線Aは、10Hzのところで
ノズルの寄与があることを示している。このノイズの寄
与は、20dB閾値を用いてノイズ除去をされた信号を表わ
す曲線にも現れている。しかしながら、このノイズの寄
与成分は、曲線Bで示されるように、40dB閾値を使って
除去された。元のデータを調べたところ、10Hzのところ
で、約30dBのノイズ源がある。閾値を−20dBのレベルに
設定したときには、このノイズ源は除去されなかった
が、閾値を−40dBに設定することによって、このノイズ
源が除去された。従って、閾値をより低く設定すること
によって、より多くのノイズ信号を検出しうることが容
易にわかる。しかしながら、ウィーナー・アルゴリズム
を実行するのに用いられたコンピュータは、最大固有値
の1万分の1,すなわち−40dBを表わすデータと同等な精
度をもっていない。さらに、実データは、最大固有値の
1%だけの精度しかもっていないので、40dB閾値よりも
20dB閾値を用いるのが妥当である。さらに、検出される
べき信号の一部を所謂“無信号”参照センサがピックア
ップしうる範囲を定めるのが常に重要である。このよう
な信号が、参照センサによって検知されたノイズ源出力
の1%以下であると仮定すると、20dB閾値とすることに
よって、この信号を除去させずにすむであろう。
第9図は、第8図の計算に用いられたものとは異なる
実験結果の出力を表わす計算データを使ったときの、20
dB閾値を用いたクロス−スペクトル密度曲線と40dB閾値
を用いたクロス−スペクトル密度曲線とを示している。
第9図の曲線Aは、未修正の信号を示しており、曲線B,
Cは、それぞれ、20dB閾値,40dB閾値を用いてノズル除去
された信号を示している。2つの閾値を用いたノズル除
去結果は、40dB閾値を用いていくらか大きいノイズ除去
結果が示されている33Hz付近の領域以外では、互いにほ
ぼ同じである。第9図から、曲線Aによって示された未
修正信号は、ノイズ除去処理において、フィルタ計算用
の20dB閾値あるいは40dB閾値のいずれか一方を用いて、
実質的に修正された。例えば、約8Hzから30Hzを僅かに
越えた周波数領域では、未修正データと大部分の領域に
わたってほぼ一致している修正済信号曲線B,Cとの間で
顕著な相違として示されているように、実質的なノイズ
除去がなされた。
ノイズ除去を行なうための変形例では、ブロック221
におけるような特定の周波数に関するフィルタ定数の計
算までは、第7A図および第7B図のフローチャートの各ス
テップを実行する。次いで、値Zを計算するかわりに、
計算されたフィルタ定数の値をコンピュータのメモリに
格納し、ブロック225で示されているような判別を行な
い、他の周波数がブロック203で得られたレコード中に
含まれているかを判断する。このレコード中に他の周波
数が含まれているならば、ブロック229に示されている
ようにKFREQの値をインクレメント(増加)し、第7B図
に示されているようにブロック213に戻って、追加の周
波数用のフィルタ定数を作成する。全ての周波数につい
てのフィルタ定数が周波数領域での値に換算されて計算
され記憶されたとき、データレコードあるいはそのセグ
メントがメモリから得られ、データレコードに対して高
速フーリエ変換がなされ、このデータを周波数領域に変
換する。しかる後、格納済のフィルタデータをデータレ
コードに作用させ、周波数領域での結果を高速逆フーリ
エ変換によって、時間領域に戻す。次いで、時間領域で
の結果をデータプロッタに転送し、時間領域でのフィル
タ済出力プロットを得る。フィルタ定数については、こ
れに基本軸についてオーバーラップさせて選択されたデ
ータレコードのセグメントに基づいて既知の仕方で計算
しても良い。全てのフィルタ定数が計算され格納され
後、これらのフィルタ定数を周波数領域の同じデータレ
コードのセグメントに作用されることができる。但し、
データレコードのセグメントは、フィルタ定数を作成す
る目的のために選ばれたセグメントと同じである必要は
ない。
上述の実施例は、本発明の単なる例示であり、本発明
の思想および範囲を逸脱することなく、当業者によって
本発明の他の種々の構成および実施例を導出しうること
が理解されよう。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主信号を検出する位置に少なくとも1つの
    主センサを置き、 ノイズ源にノイズ源信号を検出するための複数の参照セ
    ンサを置き、 前記少なくとも1つの主センサからの主センサ出力と前
    記複数の参照センサの各々からの参照センサ出力とを検
    出し、 前記参照センサ出力を比較し、前記参照センサ出力から
    相互に独立なノイズ源成分を識別し、前記識別された成
    分を用いてフィルタ定数を作成し、 前記参照センサ出力の各々を前記フィルタ定数によって
    修正して、修正参照出力を得て、前記修正参照出力に対
    応した成分を前記主センサ出力から差し引くことによっ
    て修正主出力を得ることを特徴とするノイズを除去した
    主信号の検出方法。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項に記載の方法において、
    前記比較処理は、前記参照センサ出力間の差を表わす相
    関データを作成する工程を有していることを特徴とする
    方法。
  3. 【請求項3】請求の範囲第2項に記載の方法において、
    さらに前記複数の参照センサ出力から導き出された相関
    値のマトリックスを構成し、前記マトリックスを種々の
    値の要素をもつ対角マトリックスに変換し、所定の閾値
    以下の値をもつ要素を前記対角マトリックスから除去す
    る工程とを有していることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】請求の範囲第3項に記載の方法において、
    前記閾値は、前記対角マトリックス要素への主信号の寄
    与成分よりも大きいことを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】請求の範囲第3項に記載の方法において、
    前記閾値は、前記被約マトリックス要素の少なくとも1
    つの値を参照して定められていることを特徴とする方
    法。
  6. 【請求項6】請求の範囲第1項に記載の方法において、
    独立した主たるノイズ源の数より多い個数の参照センサ
    をノイズ源に置くことを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】主信号を検出する位置に少なくとも1つの
    主センサを置き、 ノイズ源にノイズ源信号を検出するための複数の参照セ
    ンサを置き、 前記主センサにより主出力を検出し、 前記参照センサの各々により参照出力を検出し、 前記主出力を前記参照出力の各々と比較して主比較デー
    タを作成し、 前記参照出力の各々と他の参照出力と比較して参照出力
    比較データを作成し、 前記参照センサ出力の相互に独立したノイズ源信号を表
    わすデータを識別するために前記比較データを処理し、 相互に独立したノイズ源信号を表わすデータと前記主比
    較データとから導き出された情報に基づいてフィルタ定
    数を作成し、 前記フィルタ定数を前記参照センサ出力に作用させて、
    フィルタ処理された参照センサ出力を発生させ、 前記フィルタ処理された参照センサ出力を前記主センサ
    出力から差引いてノイズ除去をされた主信号を発生させ
    ることを特徴とするノイズを除去した主信号の検出方
    法。
  8. 【請求項8】請求の範囲第7項に記載の方法において、
    前記比較処理は、さらに、参照出力比較データのマトリ
    ックスを構成し、前記マトリックスを対角の形に数学的
    に被約させて、被約マトリックスを導き出す工程を有
    し、また、前記識別処理は、前記被約マトリックスの要
    素の値を所定の閾値と比較する工程を有し、また、フィ
    ルタ定数を作成する前記処理は、前記所定閾値よりも大
    きな値をもつ前記被約マトリックスの要素を前記主比較
    データに結合する工程を有していることを特徴とする方
    法。
  9. 【請求項9】請求の範囲第7項に記載の方法において、
    前記比較処理は、特定時刻における参照出力を異なる特
    定時刻における他の参照出力と比較する工程を有してい
    ることを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】請求の範囲第8項に記載の方法におい
    て、参照出力比較データの前記マトリックスを数学的に
    被約させる前記処理は、特異値分解アルゴリズムを用い
    ることを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】請求の範囲第7項に記載の方法におい
    て、前記複数のセンサは、独立した主たるノイズ源の個
    数よりも多い個数を有していることを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】請求の範囲第8項に記載の方法におい
    て、参照出力比較データの前記マトリックスは、時間相
    関値を有していることを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】請求の範囲第8項に記載の方法におい
    て、参照出力比較データの前記マトリックスは、クロス
    −スペクトル密度値を有していることを特徴とする方
    法。
  14. 【請求項14】主信号を検出する位置に少なくとも1つ
    の主センサを置き、 ノイズ源にノイズ源の個数と少なくとも同じ個数のノイ
    ズ源信号を検出するための複数の参照センサを置き、 前記少なくとも1つの主センサと前記参照センサの各々
    からの出力とを所定の期間にわたって検出し、 複数の時間遅延を定め、 特定時刻における前記主出力および前記各参照出力を前
    記特定時刻から前記定められた遅延時間だけ遅延された
    時刻における全ての前記参照出力と比較し、 前記参照出力間の相関を表わすデータ値をマトリックス
    要素としてもつマトリックスを構成し、 前記マトリックスを対角マトリックス要素をもつ対角マ
    トリックスに数学的に被約させ、 前記対角マトリックス要素を所定の閾値と比較し、 前記閾値よりの大きな値をもつ対角マトリックス要素の
    逆数をとり(invert)、前記主出力と前記参照出力との
    間の相関を構成するデータと前記逆数要素とを用いてフ
    ィルタ定数を計算し、 前記フィルタ定数を前記参照出力の各々に作用させるこ
    とによってフィルタ処理された出力を作成し、 前記フィルタ処理された出力を前記主出力から差し引
    き、これによって前記ノイズ除去された主信号を表わす
    データを作成し、 前記ノイズ除去された主信号を合成することを特徴とす
    るノイズを除去した主信号の検出方法。
  15. 【請求項15】主センサ出力信号を発生する主センサ
    と、 参照センサ出力信号を各々発生する複数の参照センサ
    と、 主センサ出力信号と参照センサ出力信号とを受け取り、
    参照センサ出力信号を受け取ったときに、受け取った参
    照出力信号を比較し、受け取った参照センサ出力信号の
    相互に独立したノイズ源成分を使用するフィルタ定数に
    よって、受け取った参照センサ出力信号にフィルタ処理
    を行なって、フィルタ処理された参照信号を作成するコ
    ンピュータ装置と、 主センサ出力信号を受け取ったときに、フィルタ処理さ
    れた参照信号に対応した信号成分を主センサ出力から差
    し引くことによってシステム出力信号を作成するコンピ
    ュータとを有して成ることを特徴とする信号源を表わす
    主信号の検出装置。
  16. 【請求項16】請求の範囲第15項に記載の装置におい
    て、前記コンピュータは、さらに、参照センサ出力信号
    を受け取ったときに、参照信号相関値のマトリックスを
    構成し、所定閾値よりも大きなマトリックス値だけを用
    いてフィルタ処理された参照信号を生成することを特徴
    とする装置。
  17. 【請求項17】請求の範囲第16項に記載の装置におい
    て、さらに、システム出力信号に応答して、システム出
    力信号の表示をグラフィック表示するグラフィカルディ
    スプレイ出力装置を有していることを特徴とする装置。
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