JPH0816747B2 - 光スペクトラムアナライザー - Google Patents

光スペクトラムアナライザー

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JPH0816747B2
JPH0816747B2 JP63179648A JP17964888A JPH0816747B2 JP H0816747 B2 JPH0816747 B2 JP H0816747B2 JP 63179648 A JP63179648 A JP 63179648A JP 17964888 A JP17964888 A JP 17964888A JP H0816747 B2 JPH0816747 B2 JP H0816747B2
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optical waveguide
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、光スペクトル分析を行なう光スペクトラム
アナライザー、特に詳細には音響光学効果を利用して光
スペクトルを分析する光スペクトラムアナライザーに関
するものである。
(従来の技術) 光スペクトルを分析する光スペクトラムアナライザー
としては、種々のものが公知となっている。従来より広
く実用に供されている光スペクトラムアナライザーの1
つとして、例えばツェルニターナー型と称されるものが
知られている。この光スペクトラムアナライザーは、照
射された被測定光を回折させる回折格子を回転させ、そ
れにより回折光をスリット上において移動させ、このス
リット越しに回折光を検出したときの回折格子の回転角
に基づいて光スペクトルを分析するものである。このよ
うな光スペクトラムアナライザーは、高分解能で光スペ
クトルを分析可能となっている。
(発明が解決しようとする課題) しかしこのような光スペクトラムアナライザーは、大
型でかつ重いので取扱い性に難があり、例えば携帯使用
等には不向きであった。小型軽量に形成されうる光スペ
クトラムアナライザーも種々考えられているが、そのよ
うなものの多くは分解能が低いという問題を有してい
る。
そこで本発明は、小型軽量に形成可能で、しかも分解
能の高い光スペクトラムアナライザーを提供することを
目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の光スペクトラムアナライザーは、表面弾性波
が伝播可能な材料から形成された光導波路と、 この光導波路内に入射されて該光導波路内を進行する
被測定光としての導波光の光路に交わる方向に進行し
て、該導波光を回折、偏向させる連続的に周波数が変化
する表面弾性波を上記光導波路において発生させる表面
弾性波発生手段と、 上記表面弾性波によって偏向されて光導波路外に出射
した前記被測定光を検出する光検出手段と、 上記表面弾性波発生手段の作動、停止を繰り返させる
ことにより、表面弾性波を前記周波数よりも低い所定の
変調周波数でON−OFF変調する変調手段と、 この変調手段から前記変調周波数に対応した信号を受
けるとともに、上記光検出手段から被測定光検出信号を
受け、この検出信号から前記変調周波数と同じ周波数の
成分のみを取り出すフィルター手段と、 このフィルター手段から取り出された上記成分に基づ
いて、光検出手段が被測定光を検出したときの表面弾性
波の周波数を検出する周波数検出手段とから構成された
ことを特徴とするものである。
(作用) 光導波路内を導波する導波光は、この光導波路を伝播
する表面弾性波と交差すると、音響光学相互作用により
回折、偏向する。この偏向角δは、表面弾性波の進行方
向に対する導波光の入射角をθとすると、δ=2θであ
る。そして導波光の波長、実効屈折率をλ、Neとし、表
面弾性波の波長、周波数、速度をそれぞれΛ、f、vと
すれば、 である。Neおよびvは一定であるから、この式で示され
るブラッグ条件を満足して導波光が最も効率良く回折す
るときの前記入射角θと表面弾性波周波数fが分かれ
ば、導波光すなわち被測定光の波長λが分かることにな
る。
また導波光(被測定光)が非常に波長が近接した複数
のスペクトル成分を含む場合、各スペクトル成分を表面
弾性波の回折作用により分離させることができる。した
がって、例えば前記光検出器の前にピンホール板等を配
置して、各スペクトル成分の光がそれぞれ個別に検出さ
れるようにしておけば、上述のように波長が近接してい
ても各スペクトル成分を正確に測定可能となる。
そして表面弾性波を上述のようにON−OFF変調させれ
ば、該表面弾性波によって回折される導波光(被測定
光)も同じ周波数でON−OFF変調されるようになる。そ
こで、回折された被測定光を検出する光検出器の出力信
号から上記変調の周波数と同一の周波数成分を取り出せ
ば、それはほぼ被測定光のみに基づく成分となる。した
がって、光検出器の出力信号にノイズが含まれていて
も、それをカットして、被測定光を高S/Nで検出可能と
なる。
(実 施 例) 以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を詳細に説
明する。
第1図は本発明の第1実施例による光スペクトラムア
ナライザーに示すものである。この光スペクトラムアナ
ライザー10は、基板11上に形成された光導波路12と、こ
の光導波路12に形成された導波路レンズ13と、光ビーム
出射用集光性回折格子(Focustig Grating Coupler、
以下FGCと称する)14と、これらのレンズ13およびFGC14
の間を進行する導波光の光路に交わる方向に進行する表
面弾性波15を発生させるチャープ交叉くし形電極対(Ch
irped Inter Digital Transducer、以下チャープIDT
と称する)17と、上記表面弾性波15を発生させるために
このチャープIDT17に高周波の交番電圧を印加する高周
波アンプ19と、上記電圧の周波数を連続的に変化(掃
引)させるスイーパー20と、上記チャープIDT17と高周
波アンプ19との間に配されて該IDT17に印加される交番
電圧をON−OFFさせるスイッチ回路25と、このスイッチ
回路25の作動を制御する変調制御回路26とを有してい
る。
また上記光ビーム出射用FGC14から出射した光ビームL
4が照射される位置には、ピンホール板30と、上記光ビ
ームL4の強度を測定するフォトダイオード等の光検出器
31が配置されている。この光検出器31が出力する光量信
号S1は後述するロックインアンプ35によって増幅され、
このロックインアンプ35の出力信号S1′はサンプリング
回路32に入力され、このサンプリング回路32が出力する
周波数検出信号S2は、制御回路33に入力されるようにな
っている。
本実施例においては一例として、基板11にLiNbO3ウェ
ハを用い、このウェハの表面にTi拡散膜を設けることに
より光導波路12を形成している。なお基板11としてその
他サファイア、Si等からなる結晶性基板が用いられても
よい。また光導波路12も上記のTi拡散に限らず、基板11
上にその他の材料をスパッタ、蒸着する等して形成する
こともできる。なお光導波路については、例えばティー
タミール(T.Tamir)編「インテグレイテッド オプ
ティクス(Integrated Optics)」(トピックス イン
アプライド フィジックス(Topics in Applied P
hysics)第7巻)スプリンガー フェアラーグ(Spring
er−Verlag)刊(1975);西原、春名、栖原共著「光集
積回路」オーム社刊(1985)等の成著に詳細な記述があ
り、本発明では光導波路12としてこれら公知の光導波路
のいずれをも使用できる。ただし、この光導波路12は、
上記Ti拡散膜等、後述する表面弾性波が伝播可能な材料
から形成されなければならない。また光導波路は2層以
上の積層構造を有していてもよい。
チャープIDT17は、例えば光導波路12の表面にポジ型
電子線レジストを塗布し、さらにその上にAu導電用薄膜
を蒸着し、電極パターンを電子線描画し、Au薄膜を剥離
後現像を行ない、次いでCr薄膜、Al薄膜を蒸着後、有機
溶媒中でリフトオフを行なうことによって形成すること
ができる。なおチャープIDT17は、基板11や光導波路12
が圧電性を有する材料からなる場合には、直接光導波路
12内あるいは基板11上に設置しても表面弾性波15を発生
させることができるが、そうでない場合には基板11ある
いは光導波路12の一部に例えばZnO等からなる圧電性薄
膜を蒸着、スパッタ等によって形成し、そこにIDT17を
設置すればよい。
例えば半導体レーザ等の光源21から発せられてスペク
トル分析にかけられる光ビームLは、光源21に接続され
た光ファイバー22、結合器23、および光導波路12の端面
12aに直接結合された光ファイバー24を介して、該端面1
2aから光導波路12内に取り込まれる。この光ビームL
(発散ビーム)は導波路レンズ13によって平行ビームと
され、光導波路12内を導波する。この導波光L1は前記
(1)式で示されるブラッグ条件が満たされれば、チャ
ープIDT17から発せられた表面弾性波15との音響光学相
互作用により、図示のように回折(Bragg回折)する。
回折した導波光L2は、FGC14の作用で、集束しつつ光導
波路12外に出射する。
以下、上記導波光の回折、偏向について、第2、3図
を参照して詳細に説明する。第2図はチャープIDT17の
部分を拡大して詳しく示すものであり、また第3図は導
波光L1と表面弾性波15の波数ベクトルを示している。第
2図に示すように導波光L1は、表面弾性波15の進行方向
に対して一定の角度θで入射する。また、表面弾性波15
に入射する前の導波光L1および通過した後の導波光L2
波数ベクトルをそれぞれ とし、表面弾性波15の波数ベクトルを とすると、前記(1)式で示したブラッグ条件が満たさ
れるときは第3図に示すように となっており、導波光L2の導波光L1に対する偏向角はδ
=2θである。この入射角θが上述のように一定であれ
ば、上記(2)式が成立するときの偏向角δも一定であ
る。したがって、ブラッグ条件を完全に満たして光導波
路12外に出射する光ビームL4は、一定方向に出射する。
光検出器31の前のピンホール板30は、上記の一定方向に
出射した光ビームL4がピンホール30aを通過するように
配設されている。
導波光L1(被測定光)の波長をλ、表面弾性波15の波
長をΛとすると、 であり、また導波光L2の波長もλであるから、 である。したがって前記(2)式を満足する の値は、入射角θが固定である以上、1つの に対して1つだけ存在する。そこでこの(2)式が成立
するとき(つまり光ビームL4がピンホール30aを通過し
て光検出器31に検出されたとき)の の値から、すなわち表面弾性波15の波長Λの値から、波
長λが求められうる。
この波長λは、前記(1)式から求めることも勿論可
能であるが、入射角θや、導波光L1に対する光導波路12
の屈折率Neが不明でも求められうる。すなわち周波数が
既知(λrefとする)の基準導波光を光導波路12内に入
射させ、そのとき波長Λrefの基準表面弾性波によって
この基準導波光が回折されたとする。第3図において基
準導波光の波数ベクトルを▲▼、波長Λrefの基準
表面弾性波の波数ベクトルを▲▼、回折された基準
導波光の波数ベクトルを▲▼とすると、 ΔOPQ∽ΔSPRであるから、 OP=2π/λref、PQ=2π/Λref であるから、 λ=λref(Λ/Λref) ここで表面弾性波15の速度、周波数をそれぞれv、
f、基準表面弾性波の速度、周波数をそれぞれv ref、f
refとすると、 v=fΛ、v ref=f ref・Λref、v=v ref であるから、結局上式より λ=λref(f ref/f) ……(3) となる。つまり基準導波光の波長λrefおよび基準表面
弾性波の周波数f refを予め調べておけば、この(3)
式から被測定光の波長λが求められる。
先に述べた通り、光スペクトル分析を行なうときチャ
ープIDT17に印加される高周波の交番電圧の周波数は、
スイーパー20によりf minからf maxまで連続的に掃引さ
れる。またこのとき、変調制御回路26はスイッチ回路25
を繰り返しON−OFFさせる。それにより、チャープIDT17
に対する交番電圧の印加がON−OFFされ、表面弾性波15
は所定の変調周波数fvでON−OFF変調される。この変調
周波数f rは、例えばf min=1.0GHz、f max=2.0GHzに
対して100kHz程度と、上記交番電圧の周波数に対して十
分に低い値とされる。上述のように交番電圧の周波数す
なわち表面弾性波15の周波数が掃引されるとき、上記f
min、f maxの値が適切に設定されていれば、前記(1)
式を満たすある表面弾性波周波数f(f min≦f≦f ma
x)において導波光L1の回折が最も効率良く行なわれ
る。この際光導波路12から出射した光ビームL4は、ピン
ホール30aを通過して光検出器31によって検出される。
ここで、表面弾性波15は上記のようにON−OFF変調さ
れているから、この表面弾性波15によって回折した光ビ
ームL4も変調周波数f rで変調されており、したがって
光検出器31が出力する光量信号S1も変調周波数f rで変
調されるようになる。前述した変調制御回路26からロッ
クインアンプ35には、周波数f rのクロック信号Cが入
力される。該ロックインアンプ35は内蔵しているバンド
パスフィルターにより、光量信号S1から上記周波数f r
と同じ周波数の成分を取り出し、その成分を増幅し、光
量信号S1′として出力する。一般に光量信号S1には、光
ビームL4を検出した信号成分以外の各種ノイズが含まれ
るが、上述のようなバンドパスフィルターに通すことに
より、光量信号S1′は各種ノイズをカットした高S/Nの
ものとなりうる。こうして本装置においては、回折した
光ビームL4の強度を精度良く検出可能となる。
スイーパー20に接続されたサンプリング回路32は、ロ
ックインアンプ35が出力する光量信号S1′が所定レベル
以上の光量を示したとき、つまりブラッグ条件が成立し
て導波光L1が回折されたときの交番電圧周波数、つまり
表面弾性波周波数fを求める。この周波数fを示す信号
S2は、制御回路33に入力される。この制御回路33には、
前述した基準導波光の波長λrefおよび基準表面弾性波
の周波数f refが予め記憶されており、該制御回路33は
これらの波長λref、周波数f refおよび信号S2が示す方
面弾性波周波数fから、前記(3)式に基づいて導波光
L1の波長λを演算する。
こうして求められた導波光L1すなわち被測定光の波長
λを示す信号S3は制御回路33から出力され、例えば液晶
表示装置、光電管表示装置等の表示装置34に入力され、
この信号S3に基づいて上記波長λの値が表示される。
なお上記表示装置34は、適当な記録装置等に置き換え
られてもよい。また本実施例においては、被測定光の波
長λを制御回路33が演算して求めるようになっている
が、このような演算は別途人手によって行なうようにし
てもよい。つまり少なくとも、光検出器31が所定レベル
以上の光量を検出したときの表面弾性波周波数fが検出
されるようになっていれば、被測定光の波長λを求める
ことができる。
ここで、本発明の光スペクトラムアナライザーは、被
測定光が互いに波長が極めて近接した複数のスペクトル
成分からなる場合でも、各スペクトル成分を高分解能で
測定可能となっている。以下、この点について詳述す
る。例えば、被測定光が、互いに近接した波長λ、λ
、λ(λ<λ<λ)のスペクトル成分からな
るものとする。そして第4図に示すように、中間の波長
λの導波光と表面弾性波15との間でブラッグ条件が満
たされベクトル の方向に回折光が出射するものとする。このとき波長λ
およびλの導波光も、表面弾性波15に対して、完全
では無いがほぼブラッグ条件を満たす状態となる。した
がってこれらの波長λおよびλの導波光も表面弾性
波15によって回折され、光導波路12から出射する。しか
しこれらの光の回折角は、波長λの光の回折角とは異
なり、第4図に示すようにそれぞれ の方向となる(なお第4図において、G1、G3がそれぞ
れ、波長λ、λの導波光の波数ベクトルの始点であ
る)。したがって光導波路12から出射した光ビームは、
各スペクトル成分毎に分離する。このようにしてピンホ
ール板30上で各スペクトル成分が完全に分離されれば、
前記交番電圧の周波数が掃引されるとき、ピンホール板
30上を3つのビームスポットが移動し、各波長の光は順
次個別にピンホール30aを通過する。
したがって、光検出器31が検出する光量と、上記交番
電圧周波数すなわち表面弾性波周波数の関係は、第5図
図示のようなものとなる。つまり、波長λ、λ、λ
の各スペクトル成分は、それぞれ表面弾性波周波数が
f1、f2、f3のときに個別に検出される。これらの表面弾
性波周波数f1、f2、f3が検出されれば、波長λ
λ、λは前述と同様にして求められうる。
次に第6、7および8図を参照して本発明の第2実施
例について説明する。なおこれら第6〜8図において、
既に説明したものと同じ要素等については同符号を付し
てあり、それらについての説明は特に必要の無い限り省
略する。第6図および第7図に示されるように本実施例
の光スペクトラムアナライザー50においては光導波路12
に、前記チャープIDT17に加えて第2のチャープIDT18が
設けられている。このチャープIDT18は第2の表面弾性
波16を発生させるものであり、この表面弾性波16は、第
1の表面弾性波15によって回折、偏向した導波光L2を、
該偏向をさらに増幅させる方向に回折、偏向させる。本
例において第1および第2のチャープIDT17、18には、
高周波アンプ19から互いに等しい周波数の掃引交番電圧
が印加されるようになっている。したがって第1および
第2の表面弾性波15、16の周波数は、常に互いに等しい
値を保って連続的に変化する。また、これも第1実施例
と同様であるが、表面弾性波15、16はスイッチ回路25と
変調制御回路26の作用により、掃引される上記周波数よ
りも十分に低い変調周波数f rでON−OFF変調される。
この場合、導波光L1、第1の表面弾性波15によって回
折した後の導波光L2、第2の表面弾性波16によって回折
した後の導波光L3の波数ベクトルを各々 とし、第1、第2の表面弾性波15、16の波数ベクトルを とすると、上記2回の回折が行なわれるときは、 である。そして第1の表面弾性波15に対する導波光L1
入射角と、第2の表面弾性波16に対する導波光L2の入射
角とが互いにθで等しくなるようにチャープIDT17、18
を配置しておけば、この場合も第1および第2の表面弾
性波15、16の周波数f、すなわちIDT17、18に印加され
る交番電圧の周波数の値に基づいて被測定光Lの波長λ
を求めることができる。また本実施例においても、光検
出器31が出力する光量信号S1をロックインアンプ35に通
しているので、光ビームL4の強度を高S/Nで正確に検出
可能となる。
本例においても前述したような基準導波光と基準表面
弾性波(本例では互いに等しい周波数の第1、第2の2
つの基準表面弾性波を用いる)を用いるのであれば、前
記(3)式に基づいて被測定光の波長λを求めることが
できる。つまり第8図において、基準導波光の波数ベク
トルを▲▼、第1の基準表面弾性波の波数ベクトル
を▲▼、この第1の基準表面弾性波により回折され
た基準導波光の波数ベクトルを▲▼、第2の基準表
面弾性波の波数ベクトルを▲▼、この第2の基準表
面弾性波により回折された基準導波光の波数ベクトルを
▲▼とすると、この場合も ΔOPQ∽ΔSPR であるから、結局前記(3)式が成立する。
ただし本例では、導波光L1に対する2回回折後の導波
光L3の偏向角δは、導波光L1の第1の表面弾性波15への
入射角をθとすると4θとなる。これは前記第1実施例
における偏向角δ=2θの2倍であり、そのため本実施
例においては、スペクトル分析の分解能が第1実施例に
おけるよりも高められうる。以下、この点について詳述
する。
例えば第4図において、ベクトル と、ベクトル とがなす角度は、ベクトル に対してベクトル がなす角度が大きいほど、つまり表面弾性波による導波
光の回折角が大きいほど大となる。すなわち、光導波路
12から同時に出射する何本かの光ビームの出射角の差
は、導波光の偏向角δが大きいほど大となり、各光ビー
ムは前述のピンホール板30上で、より大きな間隔をおい
て分離するようになる。そのようになれば、より近接し
た、波長のスペクトル成分を分離可能となるので、結局
偏向各δが大きいほどスペクトル分析の分解能が向上す
ることになる。以下、具体的に数値例を挙げて説明す
る。2回回折の場合の偏向角δは前述の通り4θである
から、前記(1)式より、 である。したがって微小な波長の変化量Δλに対する偏
向角の変化量Δλは大略、 となる。ここでXカットのLiNbO3からなる光導波路12を
考えてNe=2.2、v=3463m/s、またf=1.5GHz、そして
回折点から前記ピンホール板320までの距離l=90mmと
すると、入射光ビーム径D=15mmのときピンホール上で
10μmのビームスポットを形成し、ピンホール板30上で
のビームスポットの分離量は大略l・Δδで、 l・Δδ=35,400×Δλ となり、空気中では l・Δδ=2.2×35,400×Δλ =77,880×Δλ となる。このビームスポット分離量l・Δδは、最小で
ビームスポット径だけ確保されれば、2つの光ビームを
分離して検出可能となる。したがって、前記光ビーム出
射用FGC14により光ビームL4が例えば光通信用光ファイ
バーのコア径と等しい10μmのスポット径に絞られると
すると、 77,880×Δλ=10μm であれば、波長差がΔλの2つの光ビームを分離して検
出可能となる。上記式を解くと、Δλは約0.13nmとな
る。つまりこの第2実施例装置は、約0.1nm単位でスペ
クトル分析を行なうことができる。
またこの光スペクトラムアナライザーを、例えば半導
体レーザの光スペクトル分析用に形成する場合は、上記
Δλは通常数nm程度であり、Δλ=100nmを想定すれば
十分であるから、上述のように表面弾性波周波数を1.5G
Hz程度とするならば、その帯域は50〜100MHz程度確保す
ればよい。
なお以上説明した第2実施例装置においては、第1お
よび第2の表面弾性波15、16の周波数が常に等しくなる
ようにされているが、これら第1および第2の表面弾性
波15、16の周波数は、常に等しい比を保って相異なる値
をとるようにされてもよい。
また被測定光である導波光を、3つ以上の表面弾性波
によって3回以上回折させるようにしても構わない。先
に述べた通り、導波光の偏向角δが大きいほどスペクト
ル分析の分解能が向上するから、このように多数回の回
折を行なえば、表面弾性波の周波数をさほど上げずにス
ペクトル分析の分解能を高めることができて好ましい。
(発明の効果) 以上詳細に説明した通り、本発明の光スペクトラムア
ナライザーによれば、高分解能で光スペクトルを分析可
能となる。しかも本発明の光スペクトラムアナライザー
は、光導波路に被測定光を入射させ、表面弾性波によっ
て被測定光を回折させる構造となっているので、小型軽
量に形成され、その上機械的な作動部分を備えないの
で、耐久性、信頼性も高いものとなる。
その上、本発明の光スペクトラムアナライザーにおい
ては、表面弾性波をON−OFF変調させることによって、
回折される被測定光をON−OFF変調させ、被測定光検出
手段の出力信号から上記変調の周波数と同じ周波数の成
分を取り出して被測定光の検出に供するようにしている
から、該被測定光を高S/Nで精度良く検出可能となる。
よって本装置によれば、光スペクトル分析を極めて正確
に行なうことができる。また上記被測定光の変調は電気
的に行なわれるので、この変調を機械的なチョッパーを
用いて行なう場合と異なり、被測定光を高S/Nで精度良
く検出可能とするために装置が著しく大型化してしまう
ようなこともない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例装置を示す概略斜視図、 第2図は上記第1実施例装置の一部を拡大して示す平面
図、 第3図は上記第1実施例装置における光ビーム偏向を説
明する説明図、 第4図は本発明装置における光スペクトルの分離を説明
する説明図、 第5図は本発明装置における検出光量と、表面弾性波周
波数の関係を示すグラフ、 第6図は本発明の第2実施例装置を示す概略斜視図、 第7図は上記第2実施例装置の一部を拡大して示す平面
図、 第8図は上記第2実施例装置における光ビーム偏向を説
明する説明図である。 10、50……光スペクトラムアナライザー 11……基板、12……光導波路 13……導波路レンズ、14……光ビーム出射用FGC 15……第1の表面弾性波、16……第2の表面弾性波 17……第1のチャープIDT 18……第2のチャープIDT 19……高周波アンプ、20……スイーパー 21……光源、25……スイッチ回路 26……変調制御回路、30……ピンホール板 30a……ピンホール、31……光検出器 32……サンプリング回路、33……制御回路 34……表示装置、35……ロックインアンプ L1……第1の表面弾性波に入射する前の導波光 L2……第1の表面弾性波を通過した導波光 L3……第2の表面弾性波を通過した導波光

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面弾性波が伝播可能な材料から形成され
    た光導波路と、 この光導波路内に入射されて該光導波路内を進行する被
    測定光としての導波光の光路に交わる方向に進行して、
    該導波光を回折、偏向させる連続的に周波数が変化する
    表面弾性波をこの光導波路において発生させる表面弾性
    波発生手段と、 前記表面弾性波によって偏向されて光導波路外に出射し
    た前記被測定光を検出する光検出手段と、 前記表面弾性波発生手段の作動、停止を繰り返させるこ
    とにより、前記表面弾性波を前記周波数よりも低い所定
    の変調周波数でON−OFF変調する変調手段と、 この変調手段から前記変調周波数に対応した信号を受け
    るとともに、前記光検出手段から被測定光検出信号を受
    け、この検出信号から前記変調周波数と同じ周波数の成
    分のみを取り出すフィルター手段と、 このフィルター手段から取り出された前記成分に基づい
    て、前記光検出手段が前記被測定光を検出したときの前
    記表面弾性波の周波数を検出する周波数検出手段とから
    なる光スペクトラムアナライザー。
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