JPH0816656B2 - 試料の再配向を伴う高分解能核磁気共鳴用プローブ - Google Patents

試料の再配向を伴う高分解能核磁気共鳴用プローブ

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JPH0816656B2
JPH0816656B2 JP1508269A JP50826989A JPH0816656B2 JP H0816656 B2 JPH0816656 B2 JP H0816656B2 JP 1508269 A JP1508269 A JP 1508269A JP 50826989 A JP50826989 A JP 50826989A JP H0816656 B2 JPH0816656 B2 JP H0816656B2
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    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/30Sample handling arrangements, e.g. sample cells, spinning mechanisms
    • G01R33/307Sample handling arrangements, e.g. sample cells, spinning mechanisms specially adapted for moving the sample relative to the MR system, e.g. spinning mechanisms, flow cells or means for positioning the sample inside a spectrometer

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Description

【発明の詳細な説明】 【技術分野】
本発明は、核磁気共鳴(NMR)、特に多結晶質及び/
又はアモルファス固体のNMR測定に関する。
【背景技術】
1946年の発見以来、核磁気教例(NMR)は、種々の液
体及び固体材料の研究における有力な分析道具となっ
た。これは非侵襲的であって、すぐに解釈できる結果を
与える。測定された化学シフトは、研究中の物質のモデ
ル構造ユニットと直ちに関連させることができる。これ
に加えて、緩和速度は分子運動についての情報を与え
る。磁気核の特性共鳴周波数は、都合のよい高周波(R
F)領域にあり、周知の電子技術によって検出できる。 NMR実験は次のように説明することができる。原子核
は棒磁石と見なすことができ、この磁石はその電荷と核
スピンのため、連合した磁気モーメントをもつ。この磁
気モーメントは、外力が無ければランダムに配向されて
いる。外部磁場内に置くと、核は離散的(discrete)ス
ピン状態となる。量子化された量のエネルギが、このよ
うな各スピン状態に伴っている。各状態のエネルギは、
研究されている核の核磁気モーメントと問題の核の近傍
の磁場に依存する。この磁場は、外部磁場と、近くの電
子と核によって生じる磁場との重ね合わせである。した
がって、各スピン状態に伴うエネルギレベルの測定は、
研究されている核の環境についての情報を提供すること
ができる。 NMR測定は、核スピン状態の間のエネルギ差を決定す
ることによって行う。これを達成するためには、問題の
材料の試料を外部磁場内に置き、第2の振動磁場を第1
の定常磁場に垂直の方向にかけることによって励起す
る。これは、振動RFエネルギを、外部磁場の方向に垂直
に位置するコイルを通してかけることによって達成でき
る。第2の磁場は、このコイルを流れるパルス電流によ
って生じる。この第2磁場は、そのエネルギが第1磁場
によって決定される核スピン状態の間の遷移を生じさせ
る。このような励起中に核に吸収され、又は励起後に核
から放射されたエネルギは、種々のスピン状態の間のエ
ネルギ差についての情報を提供する。 NMR測定の精度は、研究される試料の物理的形態に依
存する。高度に精密な化学シフト測定とNMR線の分離
は、溶液中の試料分子のランダムなタンブリングと迅速
な再配向のために、液体試料に対して可能である。この
迅速な再配向は、共鳴している核の周囲をNMR実験のタ
イムスケールで効果的に等方性とする。 しかしながら、多結晶質、粉状、ガラス状固体等の研
究では、定常磁場に対する各粒子の配向が異なるため、
観察可能な線は広げられる。異方性的な線の広がりが、
このタイプの試料についての高分解能作業を伝統的に不
可能としてきた。 固体試料について観察される線の広がり量を減らすた
めに、種々の方法が採られてきた。例えば、結晶質材料
を外部磁場に対して特定の方向に配向させる技術は、従
来の技術として知られている。あいにく、このような方
法は多くの場合に実用的ではない。というのは、多くの
固体は、単結晶形では得られず、また材料全体を通じて
一定の方向に配向させることができないからである。実
際に、NMRスペクトル用の多くの試料は、粉末又はアモ
ルファス固体としてのみ存在することが望まれている。 従来の技術において、線が広がるという困難性は、マ
ジック角度スピニング(MAS)を用いることによって部
分的に克服することができる。この技術を用いる場合、
外部磁場に対して54.7度の角度、すなわちマジック角度
において、試料を急速に回転させる。以下にもっと詳細
に議論する理由によって、このスピニングは、化学シフ
ト異方性、永年(secular)双極子相互作用、及び1次
4重極相互作用のような要因によって起こるいわゆる1
次の線の広がりを取り除く。この結果、100Hzのオーダ
の線幅が、非4重極核に対して典型的に観察される。 これらの線幅は、MAS無しで得られるものよりも大き
く改良されているが、それでもなお液体によって得られ
るものよりもずっと幅が広い。典型的には、0.2Hzの線
幅が液体に対しては観察される。 4重極核の場合に、線幅はより悪い。4重極核の線幅
は、先ず第一に2次4重極相互作用によって決定され、
強力な磁場における軽い核に対して数kHz又はそれ以上
のオーダである。マジック角度スピニングは、この線の
広がりに対して十分には調整しない。 したがって、本発明の目的は、固体の核磁気性質を測
定するための改良された装置を提供することである。 本発明のさらなる目的は、粉末にした、又はアモルフ
ァスな、又はさもなければ配向的に無秩序な固体試料の
構造決定用の改良された分解能を有するNMR装置を提供
することである。 これら及びその他の目的は、以下の発明の詳細な記載
と添付図面によって、当業者に明らかになるであろう。
【発明の開示】
本発明は、試料のNMRスペクトル測定用装置からな
る。試料は、磁場用の試料ホールダ中に置かれる。次い
で、試料ホールダを、2組又はそれ以上の球面調和関数
の平均値が実質的にゼロであるトラジェクトリーに沿っ
て移動させる。 本発明の1つの実施態様においては、これは前記試料
を試料軸の周りにスピンさせることによって達成され
る。次いで、試料を、固定端又はその一点の周りに前記
磁場の方向に対し第1と第2の角度の間に回動させる。 本発明の第2の実施態様においては、試料を試料軸の
周りにスピンさせる。次いで、試料軸に頂角θを有す
る円錐をなぞらせる。この円錐は、磁場に対して角度θ
だけ傾斜している。ここで、θとθとは、各角の
コサインがルジャンドルの多項式のゼロであるように選
択する。 本発明の第3の実施態様においては、試料が複数の配
向の間に“ホップ(hop)”される。 図面の簡単な説明 図1は、磁場内の試料ホールダ中の粒子の配向を示
す。 図2は、理想的NMR実験中の試料と磁化位置を示す。 図3は、2つの蓄積実験の第1中の試料ホールダと試
料磁化位置を示す。 図4は、2つの蓄積実験の第2中の試料ホールダと試
料磁化位置を示す。 図5は、試料ホールダを幾つかの離散位置のそれぞれ
に移動させるための本発明による装置の部分切り取り斜
視図である。 図6は、スピンしている試料ホールダの軸の角度を移
動させるための本発明による装置の好ましい実施態様を
示す。 図7は、理想的NMR実験中の回転子と磁化位置を示
す。 図8は、本発明により2つの実験の第1中に用いられ
る回転子と試料磁化位置を示す。 図9は、本発明により2つの実験の第2中に用いられ
る回転子と試料磁化位置を示す。 図10は、本発明の原理によってスピンしている試料が
置かれたときに、この試料がNMR装置内で配向する相対
角度の略図である。 図11は、本発明による装置内で用いられるスピナの部
分切り取り図である。 図12は、試料に図2に示すパターンでスピンを起こさ
せるための本発明による装置の分解図である。 図13は、磁極の間に位置する図4に示す装置の断面図
である。 図14(a)は、試料スピニング無しで得られたシュウ
酸ナトリウムの粉末化試料中のNa23のNMRスペクトルで
ある。 図14(b)は、マジック角度のスピニングによって得
られたシュウ酸ナトリウムの粉末化試料中のNa23のNMR
スペクトルである。 図14(c)は、図4に示す装置の使用によって得られ
たシュウ酸ナトリウムの粉末化試料中のNa23のNMRスペ
クトルである。 図15は、本発明による装置の他の実施態様を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
急速な等方性再配向のもとでは、異方性核相互作用は
平均化されてしまう。液体中における回転、拡散運動及
びガス中における衝突は、自然の力で起こっている分子
運動で、このような平均化をもたらすものの例である。
これと対比して、固体又は部分的に配向された試料中に
おける核スピンは、拘束、又は部分的に拘束する環境中
に閉じ込められており、急速な等方性配向によるランダ
ム化の恩恵を受けない。このため、粉末化固体のNMRス
ペクトルは、スピン相互作用の異方性の結果を反映する
広く、またしばしば特色のない線を示す。 細かい結晶、その破片、又は分子である粒子又はリー
ジョン(粒子のセット)からなる配向的に無秩序な1つ
の試料を考えてみよう。NMR実験においては、試料は、
予め定められた方向を有する磁場内に置かれる。各粒子
によって吸収され、又は放射される電磁エネルギの周波
数は、磁場に対するその配向に依存するであろう。試料
は、連続した領域の粒子配向を含むので、広いスペクト
ルが観察される。このスペクトルの幅の広さによって、
このような測定の有用性が制限される。 理想的には、液体試料において測定されるのと類似の
性質、すなわち粒子又はリージョンの全ての可能な配向
にわたって平均化された各粒子又はリージョンのNMR周
波数を、固体試料について測定したいと欲するであろ
う。このような平均は、粒子のサイズには無関係であ
り、測定されている材料の基礎となる物理的性質の鋭敏
な測定を構成する。 原理としては、これは試料を融解又は溶解させて、液
状とした試料を測定することによって達成できる。しか
しながら、興味のある多くの試料はこのようなやり方で
は研究することができない。 従来技術の第2は、マジック角度スピニングと呼ば
れ、液体及びガス中で平均化をもたらす自然運動に類似
した部分的平均化運動を提供する。急速度でスピンして
いる無秩序な試料中の核の見かけの1次の異方性は、外
部磁場の方向と試料がスピンされている軸との間の角度
に依存する。適当な角度を選択することによって、観察
される線幅の改良が達成される。 マジック角度の選択の仕方は、図1を参照すれば最も
容易に理解することができる。符号712によって示す方
向を有する磁場内に位置する試料ホールダ710内に試料
を置く。磁場は、符号714によって示す軸を有する第1
の座標系を形成する。試料ホールダは、符号720によっ
て示す第2の座標系に関して描くことができる。与えら
れた時にはいつでも、この座標系の第1の座標系714に
対する角度関係を1組の角度Ωの値を与えることによっ
て特定できる。試料ホールダ710が動くと、Ωは時間と
ともに変化する。Ωの変化の仕方は、関数Ω(t)によ
って特定される。 試料ホールダ中において、試料の各粒子又はリージョ
ンはそれが関連する座標系によって特定されるそれ自身
の配向を有する。例示的な粒子座標系を符号730−732に
よって示す。各粒子座標系は、1組の角度Ωの値を与え
ることによって、座標系720に関して特定される。粒子
座標系730は、Ωによって特定され、粒子座標系731は
Ωによって特定され、また粒子座標系732はΩによ
って特定される。Ω、Ω、及びΩは、いったん試
料が試料ホールダ710内に置かれると、その値が定まる
定数であることに注意すべきである。 各組の角度Ωは、3つの角度α、θ、及びφからな
り、これらは関係した2つの座標系間の角度を特定す
る。 試料中のランクLまでの永年相互作用によるi番目の
粒子又はリージョンによって放射されるNMR周波数は、
良い近似値として、次の式によって与えられることを示
すことができる。 ここで、Apmの値は、Ωと試料の化学的性質に依存
する。関数Ypmは、ランクpの一般化された球面調和関
数である。各ランクpに対して、2p+1のこのような関
数の1組がある。すなわち、mは−pから+pまでの値
をとる。これらの関数は、2つの角度、すなわち試料軸
と磁場方向との間の角度と、磁場方向のxy面への投影と
試料関連フレームのx軸との間の角度にのみ依存する。 この議論の目的で、次の式を試料中のi番目の粒子又
はリージョンによって寄与される永年相互作用による周
波数分散と呼ぶことにしよう。測定されたNMR信号は 、各粒子によって放射された信号の和である。各粒子
は、一定の1組の周波数w0と周波数分散D1とによってス
ペクトルに寄与しており、この周波数分散は、各粒子が
異なった配向を有するので、各粒子ごとに異なってい
る。 周波数w0は試料の化学的性質のみに依存する。理想
上、測定したいのはこれらの周波数である。しかしなが
ら、これらの周波数は、異なった粒子又はリージョンに
対しては異なる周波数分散項によってマスキングされて
いる。これらの項は、配向的に無秩序な試料に対して観
察される広く、しばしば特色のないスペクトルを生じ
る。 回転子710がその軸711の周りに十分に急速にスピンさ
れると、i番目の粒子に対して測定されるスペクトル
は、式(1)によって与えられるスペクトルの平均であ
って、この平均は、スピン運動によって実現されたΩ
(t)角度の範囲にわたって得られたものである。した
がって、i番目粒子の寄与は次の式のようになる。 ここで、<>はこのかっこで囲まれた量の平均値を示
す。回転子710を軸711の周りにスピンさせると、一般化
球面調和の平均値<Ypm(Ω(t)>は0以外の全ての
m値に対してゼロである。m=0に対しては、次の式の
ようになり、ここでPpはオーダ <Ypo(Ω(t))>=Pp(cosθ) (4) pのルジャンドル多項式を示し、θは磁場の方向と試料
ホールダの軸、すなわち方向712と回転子軸711との間の
角度である。 したがって、回転子710を軸711の周りにスピンさせる
と、各粒子によって寄与される周波数分散は次の式で与
えられる。ここで、Bpは試料の性質に依存する定数であ
る。 マジック角度スピニングの場合には、θはP2(cos
θ)がゼロであるように、すなわちθ=54.7度に選択さ
れる。かくして、上記のようにマジック角度において試
料をスピンさせると、いわゆる1次の線の広がりを取り
除く。1次の線の広がり効果は、P2項に比例し、主とし
て化学シフト異方性、永年双極子相互作用、及び1次の
4重極相互作用に対応する。 上に記載したアプローチは、式(5)中のP2が周波数
分散の主要な寄与者である場合にのみ、観察される線幅
の顕著な減少をもたらす。これは、例えばC13、Si29、P
31に基づくNMR測定に対してそうである。 不幸にして、多くの興味のある場合はこの制約を満足
させない。例えば、B11、O17、Na23、Al27に対しては、
P2、P4項の両方が有意である。これらの場合には、主と
して2次の4重極広がりに該当する。また、2次の双極
子−双極子相互作用による広がり、及び磁化率異方性
は、スピン半分核(the spin one half nuclei)、例え
ば上記C13のマジック角度スピニングにおいて観察され
る周波数分散にも寄与する可能性がある。そのような物
理的効果が存在する場合には、ルジャンドル多項式の1
つ以上が重要である。これらの場合にマジック角度で試
料をスピンさせることは若干の改良をもたらすが、結果
として得られるスペクトルはまだ広すぎて、これに基づ
くNMR測定で求められている全てのデータを与えること
はできない。 配向的に無秩序なシステムに対するNMRスペクトルの
不十分な分解能を改良する方法で、従来の技術中で示唆
されているのは、磁場の強さを増加させることである。
2次の広がりによって制約されているNMR測定の分解能
が、磁場を強めると向上することは示すことができる。
不幸にして、非現実的に強い磁場が、粉末を用いて観察
される線の広がりを取り除くためにしばしば必要とされ
る。 ルジャンドル展開における2つ又はそれ以上の項が有
意の場合には、観察される周波数分散を最小にするため
に、経験的にスピン角度を調整することによって、若干
の付加的な改良を達成することができる。しかしなが
ら、ルジャンドル展開における1つ以上の項が重要であ
る場合には、周波数分散はしばしばまだ大きすぎて、有
用なデータを提供することができない。 本発明は、式(5)中の2つ又はそれ以上の項が有意
な場合にも、周波数分散の大きな減少をもたらす。本発
明は、より複雑な運動パターンを用い、配向的に無秩序
な試料中の各粒子によって吸収され、又は放射される電
磁エネルギの周波数のより平均化された測定を可能にす
る。マジック角度スピニングは、試料配向の限られた範
囲にわたる周波数を平均化するにすぎない。したがっ
て、これは、磁場の方向に対する試料の各粒子又はリー
ジョンの全ての可能な配向にわたって平均化が行われる
液体において得られると同様な分解能を与えるものでは
ない。 本発明は、2組の球面調和関数の各関数の平均値が全
てのm値に対してゼロであるという性質を有するΩ
(t)を用いることによって、改良された線幅を提供す
る。すなわち、試料ホールダ710は、Ωが時間の関数、
Ω(t)になるように移動させられるが、ここでΩ
(t)は次の式を満足させる。式中、pはqとは異な
り、またpとqと m=−pから+pまでに対し<Ypm(Ω(t))>=0
及び m=−qから+qまでに対し<Yqm(Ω(t))>=0
(6) の両方ともゼロより大きい。2次の双極子−双極子相互
作用による線の広がり、及び磁化率異方性が除去される
べき場合には、p=2、q=4である。しかしながら、
当業者にはpとqの他の値も他の2次の線の広がりを取
り除くために選択できることが明らかであろう。 式(6)を満足させるように、多数の異なったパスΩ
(t)を構成できる。3つの例示的なパスの型を、本発
明の3つの異なった実施態様に対応させて以下に論じ
る。しかしながら、式(6)を満足させる他のパスも見
出すことができることは、当業者には明らかであろう。 本発明の第1の実施態様は、もしNMR周波数の逆数に
比較して短い時間内に装置が試料を動かすことができる
とすれば、NMRスペクトルを測定するために本発明が用
いられであろうというやり方を先ず第一に考えることに
よって容易に理解されるであろう。次いで、この制約を
除くために蓄積技術を組み込むことができるやり方を議
論する。 複数の配向間を“ホップ”する試料ホールダ内に試料
が収容されているときの、試料運動のパターンを考えて
みよう。このようなパターンは、1組の配向Ωと1組
の停滞時間Tiとによって記述することができる。ここ
で、iは1からNまでにわたり、Nは配向の数である。
配向Ωは、加えられている磁場の方向に対する試料ホ
ールダ軸の角配向を特定する。 試料ホールダの配向と試料の偏極ベクトルが、実験中
の種々の時間において図2に示されている。図2は、符
号(a)−(f)を付けた多数の対の図面からなる。図
面の各対のうちの上方の図は、加えられている磁場の方
向に対する試料ホールダの配向を示す。各対の下方の図
は、加えられている磁場の方向に対する試料の磁化ベク
トルの位置を示す。加えられている磁場は、各図におい
てz軸に平行であると想定している。 図2(a)は実験開始、すなわち時間t=0における
これらの位置を示す。この時間においては、試料ホール
ダの配向はΩであり、磁化ベクトルMはz軸に沿って
いる。t=0においてRFパルスが試料に加えられると、
磁化ベクトルをy軸の周りに回転させて、図2(b)に
示すようにx軸に沿って位置する。この図はt=0+に
おける試料とMの位置を示す。Mが回転する軸は、RF信
号の位相によって決定される。慣用のNMR分光計におい
ては、RFコイルはx、y入力を含むドライブ回路に接続
されている。RF信号の位相は、前記x、y入力に接続さ
れる信号の比によって特定される。例えば、もしx成分
のみを有する信号が入力されると、Mはy軸の周りに回
転するであろう。 試料ホールダの位置は、時間T1の間Ωに留まる。実
験の経過中、Mはz軸の周りに歳差運動(precess)を
する。時間t=T1−までに、Mは図2(c)に示すよう
に角度φを歳差運動しているであろう。ここで、
“−”は、問題の時間がT1直前の瞬間であることを示
す。 t=T1において、試料ホールダはその配向が図2
(d)に示すようにΩとなるように“瞬間的”に移動
させられる。試料ホールダは、時間間隔T2の間Ωに留
まる。この時間間隔の間、磁化ベクトルMは歳差運動を
続ける。t=(T1+T2)−までに、Mは図2(e)に示
すようにさらに角度φを歳差運動しているであろう。
t=(T1+T2)において、試料ホールダは今度はΩ
さらに移動させられる。 各時間間隔の終わりに試料ホールダをホップさせるこ
のプロセスは、試料ホールダがΩまで移動し、時間間
隔TNが経過するまで繰り返される。この点において、試
料ホールダの位置と磁化ベクトルは図2(f)に示すよ
うになるであろう。磁化ベクトルは、角度φ=φ+φ
+…φを歳差運動をすることになる。 実験の終わりにおける磁化ベクトルの位置は、RFコイ
ル内の信号を測定することによって決定できる。この信
号は、実験の始めに試料にパルスを与えるために使用さ
れたのと同一のx、y入力から出力される。このように
して測定されたx、y信号は、それぞれMcos(φ)、Ms
in(φ)に比例する。これらの出力は、それぞれx出
力、y出力と呼ぼう。 NMR技術の当業者に次の式は知られているが、式中T
=T1+T2+…TNである。 φ=w0T (7) 本発明による装置と方法において、ΩとTiとは式
(6)を満足させるように選択される。これは次の式の
ようであれば、そうである。式中pはqと異なり、pと
qとは m=−pから+pまでに対し 及び m=−qから+qまでに対し ともに0より大きい。本発明の好ましい態様において
は、p=2、q=4である。上記のとおり、2次の双極
子−双極子相互作用及び磁化率異方性から生じる線の広
がりに対する主な寄与は、この場合に取り除かれること
になる。 p=2、q=4の場合に対し、式(7)を満足するに
要する最小の角度の数は6である。この場合には、T1
T2=…=T6=Tである。すなわち、等しい停滞時間がそ
れぞれの試料配向において用いられる。問題の角度は、
原点に中心をもつ20面体の各頂点に向かうときの試料軸
によって想定される配向に相当する。第1の配向は、z
軸、すなわち磁場の方向に沿って横たわる試料軸に相当
する。残りの5つの配向は、磁場方向に対して63.43度
の角度にある試料軸に相当する。これらの配向は、z軸
と一致する軸と2.6343度の頂角を有する円錐上における
等間隔の5つの配向に相当する。 もしw0が定数であれば、φの単一の測定で十分であろ
う。しかしながら、もしNMRスペクトルに1つより多く
の線があれば、一連の異なった測定を異なったTの値に
おいて行わなければならない。このときには、次のよう
な複雑な関数が構成 eiφ<T>=cos(φ(T))+i[sin(φ
(T))] (9) され、そのフーリェ変換を行う。NMR技術の当業者には
周知のように、結果として得られるフーリエ変換関数は
NMRスペクトルである。 上記議論では、測定されているNMR周波数の逆数と比
較して短い時間に、試料ホールダを種々の位置の間をホ
ップさせることができるということを仮定していた。こ
のような瞬間的ホッピング装置を作るための費用は禁止
的に高い。もしホッピング時間がこの時間と比較して長
いと、ホップが完了する時までに磁化ベクトルMはゼロ
まで減衰してしまうであろう。結果として、実験の終わ
りには信号は何も存在しないであろう。 本発明による装置と方法においては、試料ホールダが
引き続いた位置の間を移動する時間中に磁化ベクトルを
効果的に蓄積することによって、磁化ベクトルの減衰を
回避する。 本発明が作用する方法は、試料ホールダが2つの離散
した配向ΩとΩとの間をホップし、かつ試料は各角
度において等しい時間を消費するという単純なNMR実験
を参照することによって、最も容易に理解できるであろ
う。このNMR実験は、磁化ベクトルが歳差運動をする角
度の和をいかして得るかを説明するために用いられるで
あろう。単一のホップの場合には、Tの各値に対するφ
Tを測定するために、2つの実験が必要である。 1つの測定をするためにこれら2つの実験を組み合わ
す仕方は、図3と図4を参照することによって、最も容
易に理解される。これらの図は、上方の図が試料ホール
ダの位置を示し、下方の図が磁化ベクトルMを示すとい
う点で、図2と類似している。図3は、第1の実験中の
異なった時間における試料ホールダ軸と磁化ベクトルと
を示す。図4は、第2の実験中の異なった時間における
試料ホールダ軸と磁化ベクトルとを示す。デカルト座標
系の軸と加えられている磁場の方向とは、図2に関して
前記したのと同様である。時間t=0において、RFパル
スが試料に加えられ、磁化ベクトルMを傾けてxy面にあ
るようにする。RFパルスは、個々のx、y信号を前記コ
イル制御回路に入力することによって加える。RFパルス
の位相は、磁化ベクトルMが最初x軸に沿うように調整
する。 時間T経過後、Mは図3(a)に示すように角度φ
歳差運動をしているであろう。磁化ベクトルMは、それ
ぞれx、y軸に沿った成分Mx、Myに分解できる。この時
点で、RF信号がコイルに与えられて、磁化ベクトルを空
間中に回転させる。この回転の方向は、各実験に対して
異なる。回転の方向は、与えられるRF信号の位相によっ
て決定される。第1の実験においては、回転軸はy軸で
ある。これは、磁化ベクトルをz軸から傾けるために用
いられたのと同一の回転軸である。したがって、最初の
RFパルスの位相から180度相違する位相を有するパルス
が用いられる。この回転の後には、x軸に沿っていた磁
化の成分は、今は図3(b)に示すようにz軸に沿うよ
うになる。 この時点において、試料ホールダをΩへ動かす。こ
の運動は、磁化ベクトルの歳差運動期間に比較して長い
時間を要する。この時間の間に、y軸に沿った磁化の成
分はゼロに減衰しているであろう。しかしながら、z軸
に沿った成分は、量子力学の法則によって減衰しないで
あろう。したがって、試料がΩへ動いた後では、磁化
は図3(c)に示すようになるであろう。すなわち、そ
れはz軸に沿っており、Mxと等しい大きさを有するであ
ろう。次に、第1のRFパルスの位相と同一の位相をもつ
第3のRFパルスを試料に与える。これによって磁化はy
軸の周りに90度回転して、図3(d)に示すようにx軸
と一線になる。 さらに時間間隔Tが経過した後には、磁化ベクトルは
図3(e)に示すように角度φ歳差運動をしているで
あろう。この時点におけるコイルのx、y出力からの信
号は、それぞれMxcos(φ)、MXsin(φ)に等しい
大きさを有するであろう。MxはMcos(φ)に等しいの
で、x、y出力はそれぞれMcos(φ)cosφ)、Mco
s(φ)sin(φ)に等しい信号を有することにな
る。 図4は、第2の実験中の異なった時間における試料軸
と磁化ベクトルとを示す。時間t=0において、RFパル
スが第1の実験と同様に試料に加えられる。このパルス
後、磁化ベクトルMは第1の実験と同様にx軸に沿って
横たわる。 時間T経過後、Mは図4(a)に示すようにこの場合
も角度φ歳差運動をしているであろう。この時点で、
RF信号がコイルに与えられて、磁化ベクトルをx軸の周
りに回転させる。これは、y軸の周りに磁化を回転させ
るために用いた位相と位相において90度だけ異なったRF
パルスを与えることによって達成できる。この回転の後
には、y軸に沿っていた磁化の成分は、今は図4(b)
に示すようにz軸に沿うようになる。 次いで、、試料ホールダをΩへ動かす。この運動
は、磁化ベクトルの歳差運動期間に比較して長い時間を
要する。この時間の間に、x軸に沿った磁化の成分はゼ
ロに減衰し、z軸に沿った成分のみが図4(c)に示す
ように残るであろう。次に、第1のRFパルスの位相と同
一の位相をもつ第3のRFパルスを試料に与える。これに
よって磁化はy軸の周りに90度回転して、図4(d)に
示すようにx軸と一線になる。磁化ベクトルの大きさは
今度はMyになるであろう。 さらに時間間隔Tが経過した後には、磁化は図4
(e)に示すように角度φ歳差運動をしているであろ
う。この時点におけるRFコイルのx、y出力からの信号
は、それぞれMycos(φ)、Mysin(φ)に等しい大
きさを有するであろう。MyはMsin(φ)に等しいの
で、x、y出力はそれぞれMsin(φ)cos(φ)、M
sin(φ)sin(φ)に等しい信号を有することにな
る。 2つの実験からのx出力を合計すると次の式が得られ
る。同様にyアウトプット Mcos(φ)cos(φ)+Msin(φ)sin(φ)= Mcos(φ+φ) (10) の和から次の式が得られる。 Mcos(φ)sin(φ)+Msin(φ)cos(φ)= Msin(φ+φ) (11) このような予備知識を与えておいて、eiΦを計算す
るために蓄積実験を用いる仕方についてついて議論しよ
う。ここで次の式が与えられる。もし式(8)を満足さ せるためにN個の配向Ωを要するとすると、N−1の
位置変化が必要となる。各位置変化において、その位置
変化の直前に存在した磁化ベクトルのx又はy成分を蓄
積することができる。したがって、与えられた蓄積実験
のいずれも、各位置変化に先だって蓄積された磁化ベク
トルの成分を特定することによって特定できる。 可能な各蓄積実験の終わりに、すなわち試料がΩ
おいて時間TNを消費した後に、RFコイルのx、y出力か
らの信号を測定する。x出力からの信号は次の式(12)
のようになり、またy出力からの信号は次の式(13)の
ようになるであろう。 式中磁化ベクトルのx成分がi番目の位置変化におい
て蓄積されたとすると、Fi(x)=cos(x)であり、
また磁化ベクトルのy成分がi番目の位置変化において
蓄積されたとすると、Fi(x)=sin(x)である。N
−1の位置変化があるので、可能な蓄積実験が2N-1であ
り、各実験は式(12)、(13)で示す形の2つの項を生
じる。したがって、全ての可能な蓄積実験を行うことに
よって、 の形、式中Fiはサイン又はコサイン、の全ての項を測定
することができる。 数学に熟練した者には、eiΦが次の式のように展開
できることが明らかであろう。 式中iFjはサイン又はコサインであり、またRi項は定
数である。式(14)中には2N項がある。これらは正確に
は種々の蓄積実験から得られる2n項である。したがっ
て、可能な全ての実験を行うことによってeiΦの値を
得ることができる。次いで異なったTの値に対してe
iΦを測定し、そのフーリエ変換をとると、所望のNMR
スペクトルを決定することができる。 前記の位置変化を達成するための装置を図5に符号40
0で示す。装置400は符号401により示す方向を有する一
定磁場に置かれる。簡単化のために、この磁場を発生さ
せるために用いられる磁石は図面から省いた。 研究しょうとする材料を試料ホールダ402内に置く。
試料ホールダ402は、支持部材403と404との間に、ピン
ヒンジ405の周りに自由に動くように据え付けられてい
る。試料ホールダ402の軸と磁場方向の間の角度は、ロ
ッド406によって試料ホールダ402の底にヒンジ連接され
た第1のアクチュエータ420によって制御される。アク
チュエータ420は空気作動のリニア・アクチュエータで
あることが好ましい。 x、y軸に関する試料ホールダ402の配向は、符号430
で示す第2のアクチュエータによって制御される。支持
部材402と403とは、テーブル432上に取り付けられ、こ
のテーブルはさらに軸434に取り付けられている。アク
チュエータ430は、テーブル432を軸434の周りに回転さ
せるために用いられ、この軸によってx、y軸に関する
試料ホールダ402の配向が決定される。 試料ホールダ402はRFコイル440内に位置している。RF
コイル440の一部分は明瞭化のために切り取ってある。R
Fコイル440は試料ホールダ402に対して固定した位置で
示されているが、RFコイル440は、試料ホールダ402を囲
み、これと共に移動するコイルによって置換できること
が当業者には明らかであろう。このようなコイルは、ノ
イズ比に対して増加した信号を与えるであろう。このよ
うなコイルを用いるときには、これからの信号は実験中
コイルの配向の変化に対して調整する必要があるであろ
う。 本発明の第2及び第3の例示的実施態様は、問題の軸
を予め定めたやり方で動かしながら、その軸の周りに試
料をスピンさせる。第2の実施態様においては、この軸
は1つの平面を移動する。 第2の態様で用いられる運動を与える装置の断面を図
6中の符号600で示す。軸604の周りにスピンする試料ホ
ールダ内に試料を置く。軸604はヒンジ結合されてい
て、NMRスペクトル測定の時間間隔中に磁場の方向605に
対して角度θとθの間を回動する。この回動は、空
気的に駆動できるアクチュエータ606によって制御す
る。この回動装置は、従来技術によるNMRシステム、例
えば“可変角度スピニング”、又は2次元相関実験の従
来技術とは、NMRスペクトルの測定時間中試料を動かす
ことによって、2つ又はそれ以上のルジャンドル多項式
の寄与を取り除くために回動パラメータを選択するとい
う点において異なる。これとは対照的に、可変角度スピ
ニングにおいては、試料がスピンする軸の角度はスペク
トル測定時間中固定されている。 試料は1つのコイル、例えばコイル607を介してRFパ
ルスによって励起される。以下の議論においては、コイ
ルは磁場に関して固定されているものと仮定する。しか
しながら、コイルがホールダ602に関して固定されてい
る態様がNMR技術の当業者には明らかであろう。後者の
装置は、低出力のRF信号で高出力の検出信号が得られる
という利点がある。しかしながら、このような装置を用
いると、信号を試料ホールダの角位置に対して修正しな
ければならない。このような修正は、コイルが固定され
ていると回避できる。 回動運動は、適当な機械的メカニズムを用いて軸604
を動かすことによって達成できる。このようなメカニズ
ムは、多くのNMR分光計に含まれており、試料のスピニ
ング角度を調整するために用いられている。軸の運動
は、この軸を1つの平面に限定するというようなもので
ある。θ、θと、軸の回動の仕方を選択することに
よって、式(5)中の2つ又はそれ以上の項から生じる
周波数分散への寄与を取り除くことができる。 一般的な場合において、Pnを取り除くためには、次の
条件が満足されなければならない。式中W(θ)は各角
度θにおいて消費される時間に比例し、また積分はθ ∫Pn(cosθ)W(θ)dθ=0 (15) の現実化された値にわたる。以下の議論から明らかにな
るように、全時間2Tが種々の角度において消費される。
ここで2Tは次の式のとおりである。軸604に対する ∫W(θ)dθ=2T (16) 正弦曲線運動は、実施するのに特に容易である。例え
ば、次の式のとおりで、式 θ(t)=θ+(θ−θ)cos(αt) (17) 中αは定数である。この場合には、もしθ=23.27度
でθ=117.37であれば、P2とP4項は取り除くことがで
きることを示すことができる。 式(5)中の2つ以上の項を取り除きたい場合には、
それに対応して式(14)中にもっと多くの自由パラメー
タを導入しなければならない。これは、前記のリニア、
又は正弦曲線運動よりもっと複雑な運動を用いることに
よって達成できるであろう。例えば、N個の離散した角
度θ、ただしiは1からNまでにわたる、の間を軸60
4が離散した“フリップ(flip)”をするようにプログ
ラムできる。この場合に、W(θ)は多数のデルタ関数
の和であろう。すなわち、1からNまでの間のiのある
値に対して、θがθに等しくなったときを除き、W
(θ)はゼロとなるであろう。θとW(θ)の値は、
式(5)中の所望の項を取り除くようにして決定される
であろう。例えば、回転子が各角度において等しい時間
を消費する2つの角度θとθ、W(θ)=W(θ
)=T、との間の離散フリップの場合には、多項式P2
とP4とは、θ=37.38度とθ=79.19度とによって取
り除くことができる。もしθ=39.23度、θ=90
度、W(θ)=1.25W(θ)であれば、3つのルジ
ャンドル多項式P2、P3、P4からの式(5)への寄与を同
時に取り除くことができる。 前記フリッピングは、NMRの時間スケールに比較して
短い時間内に達成されなければならない。一般的に、こ
れを経済的に実行可能な機械的メカニズムによって達成
することは難しい。本発明は、この困難を、種々の位置
の間のフリップ中における試料の磁化を効果的にフリー
ズ(freeze)するために蓄積技術を用いることによって
克服する。これは、より経済的な機械的運動を用いるこ
とを可能にするが、実験プロトコルの複雑性を増す。 この運動を達成するために用いられる方法は、図3、
4を参照して前述したのと同様の蓄積技術を用いる。軸
が離散した2つの角度θとθとの間を瞬間的にフリ
ップし、かつ試料は各角度において等しい時間を消費す
る場合を考えてみよう。図7は、単一のNMR実験中の試
料の位置と磁化ベクトルの位置とを示す。図7の上方の
各図面は試料位置を示し、下方の図面は磁化の位置を示
す。以下の議論においては、加えられる磁場はデカルト
座標系のz軸に沿っていることと仮定し、図7(a)の
下部に示す。試料の最初の位置は、図7(b)の上部に
示す。試料の磁化も最初はこのz軸に沿っているであろ
う。実験の始めに、RFパルスがコイル607を用いて試料
に加えられる。 このRFパルスは、試料の磁化をz軸に垂直になるよう
に傾ける。RFパルス後の磁化ベクトルMの位置は、図7
(b)に示す。RF信号の位相を調整することによって、
試料の磁化は、x軸に沿って横たわるように傾くであろ
う。NMR周波数w0は、このように傾いた後に磁化ベクト
ルがz軸の周りに歳差運動をする速度である。測定した
いのはこの歳差運動の周波数である。 時間Tが経過した後、磁化ベクトルMは図7(c)で
示すように角度φ回転しているであろう。試料ホール
ダは、z軸に対して角度θでなおスピンしているであ
ろう。この時点において、試料軸は図7(d)に示すよ
うに第2の角度θへ瞬間的にフリップされる。第2の
時間間隔Tが経過した後、Mは図7(e)に示すように
さらに角度φ歳差運動をしているであろう。φとφ
との和は、時間間隔2Tにわたるw0の平均値に等しい。 この和の角度の値は、最初に試料を励起するために用
いたコイルにおいて検出されるRF信号の位相から得られ
る。試料がRFパルスによって励起された後は、試料を励
起するために用いたコイルは、典型的には試料から放射
されるRFエネルギを受けるために用いられる。この検出
された信号の大きさと位相は、磁化のxy平面における投
影を測定するものであり、磁化は試料内における相互作
用に応じて変化する。本発明の好ましい態様におては、
コイルはx出力とy出力を与える回路に接続される。x
出力は位相角のコサインの信号倍の大きさである。y出
力は位相角のサインの信号倍の大きさである。磁化ベク
トルを傾けるために用いられるRF信号もまたこのコイル
を介して入力され、また上記出力に類似のx、y入力を
介して同様に入力される。 上記のとおり、もしw0が純粋に単一の周波数であれ
ば、単一の測定で十分であろう。しかしながら、一般的
に、w0は多数の離散した線を有する周波数スペクトルで
ある。したがって、前記測定は異なったTの値に対して
反復しなければならず、各測定はφ=φ+φに対し
て1つの値を与える。次に関数eiΦのフーリエ変換を
計算する。結果としての関数は、その試料に対する通常
のNMRスペクトルである。角度及び/又は取り除くべき
多項式の異なった選択に対して、時間スライスT1、T2
…TNは異なった比をとり、またこの比に比例したインク
レメントを想定することができる。 前述のとおり、瞬間的なフリッピングは達成するのが
難しい。一般的に、磁化ベクトルMが“フリップ”の前
後で同一となるほど短い時間内に試料軸をフリップさせ
たいと思う。試料をこのような短時間に動かすことは難
しいので、本発明では、磁化の1つの成分を効果的にフ
リーズさせ、これにより試料軸がθとθとの間を移
動する時間内の変化を防ぐことによって作用する。前記
のものと類似の蓄積技術が、問題の成分をフリーズさせ
るために用いられる。前記の単純な2角度実験において
は、各時点に対して2つの実験を行う。各実験におい
て、異なった磁化成分が試料軸をフリップさせる前にフ
リーズされる。次いで、これら2つの実験のデータを組
み合わせてφの値を計算する。 これら2つの実験が測定を作り出すために結び付けら
れる方法は、図8及び図9を参照することにより非常に
容易に理解される。これらの図は図7と類似であり、上
図は試料回転子の位置を示し、下図は磁化ベクトルMの
位置を示す。図8は、第1の実験中における種々の時刻
での試料ホールダ軸および磁化ベクトルを示す。図9
は、第2の実験中における種々の時刻での試料ホールダ
軸および磁化ベクトルを示す。デカルト座標系と印加磁
場の方向は図7に参考として記述されたものと同様であ
る。時間t=0で、RFパルスが試料に加えられ磁化ベク
トルMを現在xy平面にあるように傾けさせる。RFパルス
は上述したコイル制御回路に分離したx信号とy信号を
入力することにより加えられる。RFパルスの位相は磁化
ベクトルMが最初x軸に沿って在るように調節される。 時間Tの経過後、Mは図8(a)に示されるように角
度φ回転する。磁化ベクトルは、それぞれ異なったx
軸およびy軸に沿って成分MxおよびMyに分解される。こ
の時点において、RF信号は磁化ベクトルMを空間に回転
させるようにコイルに加えられる。この回転の方向は、
各実験によって異なる。回転方向は加えられるRF信号の
位相によって決定される。第1の実験においては、回転
の軸はy軸である。これは磁化ベクトルをz軸から傾け
るのに用いられるのと同じ回転軸である。よって、初め
のRFパルスの位相から180度に在る位相を有するパルス
が用いられる。この回転の後、x軸に沿った磁化成分
は、図8(b)に示すように、現在z軸に沿って存在す
るであろう。 この時点で、試料軸はθにフリップされる。そのフ
リッピングは、磁化ベクトルの歳差運動期間に較べて長
い時間を要する。この時間中に、y軸に沿った磁化成分
はゼロに減衰するであろう。しかし、z軸方向の成分は
量子力学の法則により減衰しないであろう。よって、試
料軸がθに動いた後、磁化は図8(c)に示すように
なるであろう。すなわち磁化はz軸に沿ってありMxに等
しい大きさを備えているであろう。つぎに、第3のRFパ
ルスが試料に加えられそれは第1のRFパルスの位相と同
じ位相を有している。これは磁化をy軸の周りに90度回
転させ、したがって磁化は現在図8(d)に示すように
x軸に配列されている。 さらに時間Tの後に、磁化は図8(e)に示すように
角度φ歳差運動するであろう。この時点でコイルのx
出力とy出力からの信号はそれぞれMxcos(φ)とMxs
in(φ)に等しい大きさを持つであろう。MxはMcos
(φ)に等しいので、x出力およびy出力はそれぞれ
Mcos(φ)cos(φ)およびMcos(φ)sin
(φ)に等しい信号を有するであろう。 図9は、第2の実験中における種々の時刻での試料軸
および磁化ベクトルを示す。時間t=0で、RFパルスが
第1の実験と同様に加えられる。このパルスに加えた
後、磁化ベクトルは第1の実験と同様にx軸に沿って存
在する。 時間Tの経過後、Mは図9(a)に示されるように角
度φ回転するであろう。この時点において、RF信号は
磁化ベクトルをx軸の周りを回転させるようにコイルに
加えられる。これは磁化をy軸の周りに回転させるのに
用いられるものと90度位相の異なったRFパルスを加える
ことにより達成される。この回転の後、y軸に沿った磁
化成分は、図9(b)に示すように、現在z軸に沿って
存在する。 この時点で、試料軸はθにフリップされる。そのフ
リッピングは、磁化ベクトルの歳差運動期間に較べて長
い時間を要する。この時間中に、x軸に沿った磁化成分
は0に減衰し、図9(c)に示すように、z軸方向の成
分のみが残るであろう。つぎに、第3のRFパルスが試料
に加えられそれは第1のRFパルスの位相と同じ位相を有
している、これは磁化をy軸の周りに90度回転させ、し
たがって磁化は現在図9(d)に示すようにx軸に配列
されている。磁化ベクトルの大きさは現在Myであろう。 さらに時間Tの後に、磁化は図9(e)に示すように
角度φ歳差運動するであろう。この時点でコイルのx
出力とy出力からの信号はそれぞれMycos(φ)とMys
in(φ)に等しい大きさを持つであろう。MyはMsin
(φ)に等しいので、x出力およびy出力はそれぞれ
Msin(φ)cos(φ)およびMsin(φ)sin
(φ)に等しい信号を有するであろう。 2つの実験からのx出力を加えると次式を得る。 Mcos(φ)cos(φ)+Msin(φ)sin(φ)= Mcos(φ+φ) (18) 同様に、y出力の和は次式となる。 Mcos(φ)sin(φ)+Msin(φ)cos(φ)= Msin(φ+φ) (19) 上記2つの実験が多くの異なった時間Tの間繰り返さ
れた後、関数 ei<φ1+φ2>=cos(φ+φ)+isin(φ
+φ) (20) が形成されこの関数のフーリエ変換が計算される。上記
したように、結果の関数はNMR周波数スペクトルであ
る。 本発明の上記実施態様は、2つの角度で等しい停滞時
間を用いたが、各2つのルジャンドル多項式の時間平均
がゼロであることを与えるような異なった停滞時間と角
度が用いられてもよいことは、当業者には明らかなこと
であろう。 同様に、本発明の上記実施態様は磁化を特定軸の周り
に90度回転させるようなRFパルスを用いた。試料が第1
の角度で第1の時間間隔を第2の角度で第2の時間間隔
を費やした後、磁化が歳差運動する角度を決定するため
に他の位相関係が用いられてもよいことは、当業者にと
って明らかなことである。 加えて、2つ以上の角度が用いられる実施態様もまた
当業者には明らかなことである。上記したように、この
ような実験は2以上のルジャンドル多項式の寄与を除去
させることを許容する。さらに一般の場合に行われなけ
ればならない蓄積実験の数は2n-1であり、nは角度の数
である。 本発明の第3の実施態様において、これら2次効果は
2つの軸の周りを急激に試料をスピンニングさせること
により克服される。本発明の一層好ましい実施態様にお
いて実行される基本的スピンニング運動は図10に示され
る。試料は角速度w1で軸4の周りをスピンする試料ホー
ルダ2の中に置かれる。それから、試料ホールダ2は角
速度w2でスピンする第2の軸12の周りをスピンするより
大きなシリンダ10内に置かれる。このより大きなシリン
ダ10が8で示される外部磁場方向に対し角度θ傾けら
れる。この運動の結果、試料ホールダ2の軸4はθ
頂角の円錐5をなぞる(sweep out)。 試料が同時にθとθの周りをスピンされるとき観
測されるランクLまでの永年相互作用による最終の中心
バンド周波数分散は、ルジャンドル多項式の積の関数で
あることが示されるであろう ここで、Cpは試料の化学的及び物理的性質に依存する
定数である。 4重極と双極子・双極子広がりに対し、pが偶数であ
る項のみが有意にゼロと異なることが示されるであろ
う。さらに、pが2あるいは4に等しい項がこの場合周
波数分散に大きく寄与する。従って、本発明のより好ま
しい実施態様においては、角度は次式のように選ばれる P2(cosθ)=P4(cosθ)=0 (22) 逆に、θとθは次式のように選ばれることも可能
である P2(cosθ)=P4(cosθ)=0 (23) 他の周波数分散効果は、それらの効果に最も寄与する
ルジャンドル多項式の項がゼロになるようにθとθ
を選択することにより減小させられるであろう。 角速度w1とw2は、回転運動の周期が測定される試料に
対するNMR緩和時間に較べて小さいことを保証するのに
十分に大きくなければならない。加えて、以下に述べる
理由により、w1とw2のある整数比は望ましくは避けられ
るべきである。 これらの高いスピン速度を達成するために、本発明は
空気軸受上に浮かされかつ空気ジェットによって駆動さ
れる円筒型の目的物を採用している。図11は基本的な空
気軸受の形態を示している。シリンダ16はアウターハウ
ジング18内に保持されている。アウターハウジング18は
圧縮空気を取り入れ可能にする入口20,22を備えてお
り、それによりアウターハウジング18内の空気軸受面2
4,26上にシリンダ16を浮遊させ“潤滑させ”ている。空
気は、28と30に示されるアウターハウジング18とシリン
ダ16の間の出口空間を経由して空気軸受24と26から出て
いく。 シリンダ16の中央表面32は外側表面よりわずかに異な
った直径である。インペラ溝34と36は中央表面32に刻ま
れる。シリンダ16は、インペラ溝34と36に対して圧縮空
気を当てることにより回転するように作られている。シ
リンダ16を駆動するためにインペラ溝34と36に当たる空
気は、オリフィス38と40で入る。消費されたインペラ駆
動空気は、42と44位置でオリフィスを通ってアウターハ
ウジング18を出ていく。 2つの同時スピニング機構の結果は、図10に記述した
2重運動を達成するために必要である。この2重運動を
達成するための装置が図12に示される。図12に描かれた
装置は本質的に5個の基本部品を備えている。5個の部
品は、試料ホールダ46と、ホールダ46を保持する第1ハ
ウジング48と、第1ハウジング48を順番に収容する中央
シリンダ50と、装置ハウジング52と、終端キャップ54
(一方のみ記されている)である。 調査される物質の試料は、試料ホールダ46の中央の内
孔56に置かれる。試料ホールダ46は、その表面に刻まれ
たV字の切れ目のインペラ溝58のリングを含んでいる。
インペラ溝58上に当たる圧縮された駆動空気の流れは、
図11に示したシリンダ16を参照して記述された方法で試
料ホールダ46をスピンさせる。典型的な実施態様におい
ては、試料ホールダ46は2000Hzでスピンする。 試料ホールダ46はハウジング48内のチャンバ47内に挿
入される。試料ホールダ46は、チャンバ47の各端部にあ
る終端キャップ66によって適所に保持される。それら終
端キャップの1つは隠れており、このため図面において
見ることが出来ない。 試料ホールダ46は空気軸受上に支えられ、その空気軸
受はハウジング48のチャンバ47内において2つの対応す
る表面に関して空気軸受表面70および72を浮遊させるこ
とにより実施されている。浮遊機構は本質的に上記図11
を参照して記述されているものである。空気は、ハウジ
ング48内のオリフィスを通りハウジング48と空気軸受表
面70と72の間の空間内に注入される。オリフィスは前記
空気軸受の近くにある。空気軸受から消費された空気が
終端キャップ66内のオリフィス68を通ってハウジング48
を出る。 空気軸受と駆動機構によって使われた空気は、第1ハ
ウジングの各端部に1つある2つの空気入口オリフィス
60を通って第1ハウジング48に入る。空気入口オリフィ
ス60の1つは、図12に示した見えるところから隠されて
いるため、示されていない。ハウジング48は、入口側オ
リフィス60から空気軸受表面70と72へ空気の経路を定め
るため図11に示したものと類似した経路を含んでいる。
同様に、ハウジング48内の経路は、空気をインペラ58の
位置に導く。インペラ58からの消費されたスピン空気
は、スピン空気出口オリフィス62と64で第1ハウジング
48から吐き出される。 上記したように、試料ホールダ46は第1ハウジング48
に挿入され、オリフィス68を含む2つの終端キャップ66
によって適所に保持されている。空気軸受表面70と72か
らの消費された空気は、主として凹面溝74と76中にオリ
フィス68を通って排出される。空気軸受表面70と72から
の空気のいくらかは空気出口オリフィス62と64を通って
出る。 第1ハウジング48は中央シリンダ50の中央空洞78の中
にはまっている。第1ハウジング48は中央シリンダ50に
挿入されるときに第1ハウジング48の外側表面がシリン
ダ50の円筒表面と合致するように形成されている。空気
出口オリフィス62と64は中央シリンダ50の空気出口オリ
フィス110と112と一線上に配列され、第1ハウジング48
が中央シリンダ50に挿入されるとき空気出口オリフィス
62と64を通って第1ハウジング48に出る空気が空気出口
オリフィス110と112を通って中央シリンダ50の表面に送
られる。 終端キャップ66においてオリフィス68を通って第1ハ
ウジング48を出る空気は、また第1ホールダ48と空洞78
の端壁間の通路を形成する凹面溝74と76を通って中央シ
リンダ50の表面に送られる。その通路は、終端キャップ
66を離れた空気が中央シリンダ50の表面に達することを
許容する。 第1ハウジング48において空気軸受と駆動機構のため
の圧縮空気は、中央シリンダ50の端部を通り通路106と1
08を経由して供給される。以下にさらに詳細に説明する
ように、空気は終端キャップ54における突出部100を通
って前記通路106と108に注入される。 中央シリンダ50は、第1ハウジング48と共通した多く
の性質を有している。中央シリンダ50は表面に刻まれた
V字の切れ目のインペラ溝80と82からなる2つの輪を有
している。インペラ溝80と82に対して供給される圧縮空
気は、中央シリンダ50をスピンさせる。圧縮されたイン
ペラ駆動空気のための入口は118と120に配置される。イ
ンペラ駆動空気を出すための出口84,86,88および90はデ
バイスハウジング52に見られる。 中央シリンダ50は、2つの終端キャップ54によってデ
バイスハウジング52内に保持される。各終端キャップ54
は圧縮空気供給源に接続された空気入口ポート92を備え
ている。空気入口ポート92は、中央シリンダ50における
通路106と108に組み合わされる中空の突出部100に結合
されている。各突出部100の終端104は、順番に空気を第
1ハウジング48の空気入口オリフィス60に供給するた
め、圧縮空気が通路106に流れることを許容するための
オリフィスを備えている。 中央シリンダ50は図11を参照して記述されたのと類似
の方法で空気軸受上にて、デバイスハウジング52内に保
持される。中央シリンダ50はその外側端部に空気軸受表
面96と98を含んでいる。空気は、デバイスハウジング52
の壁におけるオリフィス109を通して空気軸受表面96と9
8及びデバイスハウジング52壁の間の空間に注入され
る。このために用いられる空気はデバイスハウジング52
におけるチャンネルを通ってオリフィス109につなげら
れる。2つのチャンネルは118と120に示される。問題の
チャンネルは、図13を参照して詳細に説明されるよう
に、外部マニホールドを通して圧縮空気供給源に接続さ
れている。同様に、圧縮空気は、図13を参照して詳細に
説明されるように、オリフィス83を第2のマニホールド
を通して圧縮空気供給源に接続することによってインペ
ラ80と82に対して導かれる。 上記したように、スピン空気は、中央シリンダ50にお
ける出口オリフィス110,112,114(一部不明瞭)および1
16と直接つながれている第1ハウジング48のオリフィス
62と64を通って出てくる。出口オリフィス114と116は、
図12の視野から隠された第1ハウジング48におけるスピ
ン空気出口の第2の組に役にたつ。かくして、ホールダ
46からの消費されたスピニング空気はスピン空気出口62
と64から出て来、そして空気出口オリフィス110,112,11
4および116を通っていく。このスピナー空気は最終的に
空気出口84,86,88及び90を通って装置から放出される。
凹状表面74及び76を経由して第1ハウジング48から放出
される消費された空気は、また空気出口84,86,88及び90
を経由し装置から去っていく。中央シリンダ50に対する
空気軸受からの消費された空気は、終端キャップ54に位
置する空気ポート126を通って出ていく。 デバイスハウジング52の中央部分128は検出コイル130
に適合するように拡大される。検出コイル130はNMR測定
中にRF周波数を検出するために用いられる。 図13は、外部磁石の極132の間に置かれた本発明の装
置の断面図を示す。圧縮空気は、図13に示す入口ポート
およびそれぞれマニホールド145と147に結合された2つ
の付加的ポート140と141を通して供給される。マニホー
ルド147は問題となっているインペラに対し空気を導い
て入口83に空気を供給する。マニホールド145は図12に
示すように空気軸受表面96及び98上に中央シリンダ50を
浮かせるために空気を供給する入口118と120に結合され
る。 再び図12を参照すると、中央シリンダ50は1秒あたり
数百回転の角速度w2でスピンする。従って、試料ホール
ダ46に加えられる力は非常に大きくなり得る。これらの
力は、第1ハウジング48中に試料ホールダ46を支持する
ために空気軸受によって支持されなければならない。 これらの力は、試料ホールダ46のディメンジョンを適
正に選択することにより減少されるであろう。試料ホー
ルダ46は、1秒あたり2000回転以上の速度でスピンす
る。試料ホールダ46は要するに図10に示すように角度θ
だけ垂直方向から変位した軸を有する小さなジャイロ
スコープである。力学で知られるように、そのように変
位したジャイロスコープはその軸がジャイロスコープの
慣性モーメントに依存する角速度θとw1で円錐をなぞ
る。ジャイロスコープは次の関係を満足する角速度wnut
で歳差運動するであろうことが示される w1=(Itr−Iax)wnutcos(θ)/Iax (24) ここで、ItrとIaxは試料ホールダ46の横方向及び軸方
向の慣性モーメントである。 慣性モーメントが、w2に対する望ましい値が式(24)
に与えられるwnutに等しくなるように選択されたなら
ば、試料ホールダ46は第1ハウジング48を通して加えら
れるなんらの力も無しに所望のw2で歳差運動するであろ
う。問題の慣性モーメントは中空シリンダを含む試料ホ
ールダ46の半径と長さに依存する。したがって、ある与
えられた長さの試料ホールダにたいし適正な半径と試料
区画サイズを選択することにより、問題の力は実質的に
減小させられるであろう。このようなジィイロスコープ
的歳差運動の使用は、以下に記載するように本発明の交
互の実施態様を参照してさらに議論されるであろう。 本発明により得られた劇的な進歩は、図14(a)−14
(c)に示されるように種々の装置で取られた粉砕され
たシュウ酸ナトリウムにたいするNa23のNMRスペクトル
に示される。図14(a)は、静止した試料について得ら
れるスペクトルである。図から知られるように、結果の
スペクトルは全く広いもので興味ある事実をほとんど示
していない。 図14(b)は同じシュウ酸ナトリウムのNMRスペクト
ルであるがマジック角度でスピンされた試料に関しての
ものである。図14(b)において矢印によって記された
ピークは試料の回転によってNMR信号を変調することか
ら得られるサイドバンドである。図14(b)に示される
スペクトルはNa23に対するかなり狭い線を示している
が、線幅は満足すべきものからまだ遠い。 図14(c)は図12に示す本発明の実施態様を用いた同
じシュウ酸ナトリウム試料からのNMRスペクトルであ
る。図12に示した試料ホールダ46は2000Hzでスピンさ
れ、一方中央シリンダ50は400Hzでスピンされた。式(2
1)中のθとθの値は、54.7度と70.1度に選択さ
れ、これらはP2(cosθ)とP2(cosθ)の0に対応した
ものである。Na23の線は500で示される。残りのピーク
は、Na23の線からの信号の変調からもたらされるサイド
バンドである。これらのサイドバンドは例えばより高い
角速度で試料をスピンすることによりあるいはマジック
角度スピニングにおいて用いられた手法と類似のサイド
バンド抑制技術により除かれることが可能である。これ
らの図から直ちに評価されるように、本発明により得ら
れた線幅は2つの上記した先行技術のいずれかを用いて
得られた線幅よりも劇的に小さくなっている。 本発明の上記実施態様におけるθとθの値は式
(21)のP2およびP4の項から生じる効果を排除するため
に選択された。Na23の場合に、これらの項は線幅に2つ
の大きな寄与がある。他の核で得られた線幅は、P2およ
びP4の他の項の結果となるであろう。P1(cosθ)=
0およびPj(cosθ)=0になるようにθとθ
選択することにより、式(21)においてP1あるいはPj
依存するいずれか2項から結果する線幅の広がりは、本
発明の上記実施態様によって除去され得ることが上記論
述から明かであろう。 本発明に関する装置は、また式(21)における3ある
いはそれ以上の項から生じる線幅の広がりを除去するた
めに用いられ得る。図12に示した装置において、試料ホ
ールダは軸の周りをスピンするシリンダからなる。この
シリンダは第2のシリンダ(中央シリンダ50)に組み付
けられ、このため試料ホールダ軸は第2シリンダの軸に
関してθ傾けられている。それから第2シリンダは、
磁場方向に対してθ傾けられてその軸の周りを回転す
る。 この型の構造はさらに複雑な運動にたいしても用いら
れ得る。例えば、式(21)から3項を除去するための装
置は、外側シリンダの内側に図12に示すような中央シリ
ンダ50を組み付けることにより形成され、これにより中
央シリンダ50の軸は外側シリンダの軸に関して角度θ2
傾けられる。外側シリンダは、磁場方向に相対的に角度
θ傾けられた軸の周りを第3の角速度でスピンされる
であろう。このような配列において得られる周波数分散
は3つのルジャンドル多項式の積の関数であることが示
されるであろう: θ12の値を選ぶことは自由である。 ここでもしθ1およびθが次のように選ばれた
ならば Pp(cosθ)=Pm(cosθ)=Pn(cosθ)=0(2
6) それによりPp,Pm,Pnに依存する項の線幅への寄与は除去
され得る。 N回入れ子に組み入れられたスピニングシリンダを有
する多重スピニング装置を形成し試料を最も内側のシリ
ンダに保持させることにより、原理的にN項が除去され
得ることは、上記議論から明かである。試料ホールダシ
リンダが1と分類されるならば、i=1〜Nとしてi番
目のシリンダは(i+1)番目のシリンダに組み付けら
れi番目のシリンダの軸は(i+1)番目のシリンダの
軸に関して角度θ傾けられる。N番目のシリンダの軸
は、磁場方向に関して角度θ傾けられている。角度θ
は各角度のコサインが異なったルジャンドル多項式が
のゼロであるように選ばれる。 本発明の第3の実施態様の実行に対する選択可能な構
造は、図15の650に記されている。試料は軸654の周りを
スピンする試料ホールダ652中に置かれる。試料ホール
ダ652は、653で示される球状にされた端部を備えたシリ
ンダである。試料ホールダ652は、方向660に外部磁場を
作る磁石の極間に位置する静止した固定子662内にはま
っている。固定子662は一端にて固定子662の内側のフラ
スト円錐面(frusto−conical surface)658に結合した
凹状面を有している。試料ホールダ652の球状端部53
は、凹状面656で固定子662にかみ合っている。 固定子662の軸672は、外部磁場660に関して角度θ
傾けられ、軸654は軸672からθ傾けられている。固定
子662における入口ポート668及び670からの駆動空気
は、試料ホールダ652の表面に刻まれたインペラ664及び
666当たるように形成されている。かくして、試料ホー
ルダ652に当たった空気は、試料ホールダ652を軸654の
周りにスピンさせ同時に軸672の周りの円錐674をなぞら
せる。また、入口ポート670を通って試料ホールダ652に
当たる空気は、上記した空気軸受に類似した空気軸受の
ように作用する。 試料ホールダ652は本質的にジャイロスコープであ
る。円錐674の周りを歳差運動する軸654の角速度は上記
した式(24)によって与えられる。 特別な種類に対し図15の角度θとθを変えること
により、2つのルジャンドル多項式からの周波数分散の
寄与は除去されることが可能である。 従って、ここではNMR実験を実行するための新しい装
置及び方法が記載されている。本発明に関する種々の変
更は、上記記載及び添付図面から当業者にとって明かで
あろう。さらに本発明は、以下の特許請求の範囲の全体
により個々に限定されるものである。

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料のNMRスペクトル測定装置であって、
    この装置は前記試料を磁場に保持する手段を含み、前記
    試料の配向は1組の角度Ωによって特定され、この1組
    の角度は前記磁場の方向に対して測定され、また前記装
    置は前記試料の配向を前記磁場に関して変えさせるため
    の配向手段を含み、時間tにおける前記試料の配向はΩ
    (t)に等しく、また2組の球面調和関数のそれぞれの
    時間平均、m=−kから+kまでに対してYkm(Ω
    (t))及びn=−jから+jまでに対してYjn(Ω
    (t))が、実質的にゼロであり、かつkはjと異な
    り、またkとjの両者はともにゼロと異なることからな
    る試料のNMR測定装置。
  2. 【請求項2】前記配向手段が、前記試料の配向を前記磁
    場方向に関して離散した配向の連続したものとするため
    の手段を含み、i番目の前記配向は1組の角度Ωによ
    って特定されるが、ここでiは1からNまでにわたり、
    Ωにおいて消費される時間はTiであり、かつm=−k
    から+kまでに対する 及びm=−jから+jまでに対する であることからなる請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】前記配向手段が、前記試料を試料軸の周り
    にスピンさせるための手段と、前記試料軸をその固定点
    の周りに前記磁場の方向に対して第1と第2の角度の間
    を回動させる回動手段とを含むことからなる請求項1に
    記載の装置。
  4. 【請求項4】前記回動手段が、前記試料軸を前記第1と
    第2の角度の間を定角速度で移動させるための手段をさ
    らに含むことからなる請求項3に記載の装置。
  5. 【請求項5】前記回動手段が、前記試料軸を第1の時間
    間隔の間前記第1の角度において停滞させるための手段
    と、前記試料軸を前記第2の角度へ移動させるための手
    段と、前記試料軸を第2の時間間隔の間前記第2の角度
    において停滞させるための手段とをさらに含むことから
    なる請求項3に記載の装置。
  6. 【請求項6】前記回動手段が、前記第1と第2の角度の
    間を時間と共に正弦曲線的に変化する角速度において前
    記試料軸を移動させるための手段をさらに含むことから
    なる請求項3に記載の装置。
  7. 【請求項7】前記配向手段が、前記試料保持手段を試料
    軸の周りにスピンさせる手段と、前記試料軸に予め定め
    られた頂角を有する円錐をなぞらせるための手段とを含
    み、前記円錐の軸は前記磁場の方向に対して予め定めら
    れた角度において傾斜していることからなる請求項1に
    記載の装置。
  8. 【請求項8】前記試料保持手段が、軸方向の慣性モーメ
    ントIaxと横方向の慣性モーメントItrを有するシリンダ
    を含み、前記試料保持手段をスピンさせる前記手段が、
    前記シリンダを1秒間にw1回転角速度でスピンさせるた
    めの手段を含み、また前記試料軸に円錐をなぞらせるた
    めの前記手段が、前記軸を1/Wnut秒ごとに前記円錐を1
    回転させるが、ここでw1は実質的に(Itr−IaxWnutco
    s(θ)/Iaxに等しく、θは前記磁場方向に関する
    前記円錐の軸の傾斜角度であることからなる請求項7に
    記載の装置。
  9. 【請求項9】前記頂角のコサインは第1のルジャンドル
    多項式のゼロであり、また前記傾斜角度のコサインは第
    2のルジャンドル多項式のゼロであることからなる請求
    項7に記載の装置。
  10. 【請求項10】前記第1のルジャンドル多項式はオーダ
    2を有し、また前記第2のルジャンドル多項式はオーダ
    4を有することからなる請求項7に記載の装置。
  11. 【請求項11】前記試料保持手段が、丸められた端末を
    有するシリンダを含み、このシリンダはその表面にイン
    ペラを有し、また前記試料保持手段を試料軸の周りにス
    ピンさせるための前記手段が、前記磁場方向に対して前
    記予め定められた角度で傾斜する軸と前記予め定められ
    た頂角と等しい頂角とを有するフラスト円錐状固定子を
    含み、前記固定子が前記丸められた端末と係合させるた
    めの手段と、前記インペラに向けて空気ジェットを送る
    ための手段とをさらに含むことからなる請求項7に記載
    の装置。
  12. 【請求項12】前記空気ジェットを送るための手段が前
    記固定子内に複数の入り口ポートを含むことからなる請
    求項11に記載の装置。
  13. 【請求項13】前記試料保持手段が、そのなかに前記試
    料を保持するための区画を有する第1のシリンダを含
    み、この第1のシリンダの軸が前記試料軸と一致し、前
    記試料保持手段をスピンさせるための前記手段が前記第
    1のシリンダをその軸の周りにスピンさせるための手段
    を含み、また前記試料軸に円錐をなぞらせるための前記
    手段は、前記第1のシリンダを保持するための手段を有
    する第2のシリンダを含むが、この第2のシリンダの軸
    に対して前記第1のシリンダの軸は前記頂角をもって傾
    斜し、前記第2のシリンダの軸は前記磁場方向に対して
    前記傾斜角をもって傾斜しており、また前記第2のシリ
    ンダをその軸の周りにスピンさせる手段を含むことから
    なる請求項7に記載の装置。
  14. 【請求項14】試料のNMRスペクトル測定方法であっ
    て、この方法が、前記試料を磁場内に置くステップを含
    み、前記試料の配向は1組の角度Ωによって特定され、
    この1組の角度は前記磁場の方向に対して測定され、ま
    た時間tにおける前記試料の配向がΩ(t)に等しくな
    るように前記試料を前記磁場に関して移動させるステッ
    プを含み、2組の球面調和関数のそれぞれの時間平均、
    m=−kから+kまでに対してYkm(Ω(t))及びn
    =−jから+jまでに対してYjn(Ω(t))が、実質
    的にゼロであり、かつkはjと異なり、またkとjの両
    者はともにゼロと異なることからなる試料のNMRスペク
    トル測定方法。
  15. 【請求項15】前記試料を移動させる前記ステップが、
    前記試料を試料軸の周りにスピンさせることと、前記試
    料軸をその固定端末の回りに前記磁場の方向に対する第
    1と第2の角度の間を回動させることからなる請求項14
    に記載の方法。
  16. 【請求項16】前記試料軸を回動させるステップが、前
    記試料軸を前記第1と第2の角度の間を定角速度で移動
    させることをさらに含むことからなる請求項15に記載の
    方法。
  17. 【請求項17】前記試料軸を回動させるステップが、前
    記試料軸を第1の時間の間前記第1の角度において停滞
    させることと、前記試料軸を前記第2の角度に移動させ
    ることと、前記試料軸を第2の時間の間前記第2の角度
    において停滞させることをさらに含むことになる請求項
    15に記載の方法。
  18. 【請求項18】前記試料軸を回動させるステップが、前
    記第1と第2の角度の間を時間と共に正弦曲線的に変化
    する角速度において移動させることをさらに含むことか
    らなる請求項15に記載の方法。
  19. 【請求項19】前記試料を前記磁場に関して移動させる
    ことが、前記試料を試料軸の周りにスピンさせること
    と、前記試料軸に予め定められた頂角を有する円錐をな
    ぞらせることとを含み、前記円錐の軸は前記磁場の方向
    に対して予め定められた角度において傾斜していること
    からなる請求項14に記載の方法。
  20. 【請求項20】前記頂角のコサインは第1のルジャンド
    ル多項式のゼロであり、また前記傾斜角度のコサインは
    第2のルジャンドル多項式のゼロであることからなる請
    求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】前記第1のルジャンドル多項式はオーダ
    2を有し、また前記第2のルジャンドル多項式はオーダ
    4を有することからなる請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】試料のNMRスペクトル測定方法であっ
    て、この方法が、前記試料を磁場内に置くステップを含
    み、前記試料の配向は1組の角度Ωによって特定され、
    この1組の角度は前記磁場の方向に対して測定され、ま
    た前記試料の配向を前記磁場方向に関して離散した配向
    の連続したものとするステップを含み、i番目の前記配
    向は1組の角度Ωによって特定され、ここでiは1か
    らNにわたり、Ωにおいて消費される時間はTiであ
    り、m=−pから+pまでに対してΣTiYpm(Ω)=
    0及びm=−qから+qまでに対してΣTiYqm(Ω
    =0であり、かつYpmとYqmとはそれぞれオーダpとqと
    の一般化された球面調和関数であり、またpとqとは0
    よりも大きく、かつ互いに相異することからなる試料の
    NMRスペクトル測定方法。
  23. 【請求項23】p=2及びq=4であることからなる請
    求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】i=1から6までに対し、N=6及びTi
    =T、定数、であることからなる請求項23に記載の方
    法。
  25. 【請求項25】試料のNMRスペクトル測定方法であっ
    て、前記試料に磁場を発生させるステップと、この磁場
    の方向に対して第1の角度θだけ傾斜した試料軸の周
    りに前記試料をスピンさせるステップと、前記試料を第
    1の電磁パルスによって励起するステップと、前記第1
    の電磁パルスの停止後第1の時間間隔T1の間前記試料の
    磁化を歳差運動させるステップと、前記第1の電磁パル
    スに関して予め定められた位相を有する第2の電磁パル
    スによって前記試料を励起するステップと、前記磁場の
    方向に対して第2の角度θだけ前記試料軸を傾斜させ
    るステップと、前記第1の電磁パルスに関して予め定め
    られた位相を有する第3の電磁パルスによって前記試料
    を励起するステップと、前記第3の電磁パルスの停止後
    第2の時間間隔T2の間前記試料の磁化を歳差運動させる
    ステップと、前記試料から発せられる電磁エネルギの大
    きさと位相を検出するステップとを含み、θ、θ
    T1、及びT2は、T1Pn(cos(θ)+T2Pn(cos(θ
    =0及びT1Pm(cos(θ)+T2Pm(cos(θ)=0と
    なるように選択され、ここでPnとPmとはそれぞれランク
    nとmのルジャンドル多項式であり、nはmに等しくな
    いことからなる試料のNMRスペクトル測定方法。
  26. 【請求項26】n=2及びm=4であることからなる請
    求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】T1=T2であることからなる請求項25に記
    載の方法。
  28. 【請求項28】試料のNMRスペクトル測定装置であっ
    て、前記試料に磁場を発生させる手段と、この磁場の方
    向に対して第1の角度θだけ傾斜した試料軸の周りに
    前記試料をスピンさせる手段と、前記試料を第1の電磁
    パルスによって励起する第1の励起手段と、前記第1の
    電磁パルスに関して予め定められた位相を有し、かつ前
    記第1の電磁パルスの停滞後時間T1において作動する第
    2の電磁パルスによって前記試料を励起する第2の励起
    手段と、前記磁場の方向に対して第2の角度θだけ前
    記試料軸を傾斜させる手段と、前記第1の電磁パルスに
    関して予め定められた位相を有し、かつ前記試料軸が前
    記磁場の方向に対してθだけ傾斜した後に作動する第
    3の磁場パルスによって前記磁場を励起する第3の励起
    手段と、前記第3の磁場パルスの停止後時間T2において
    前記試料から発せられる電磁エネルギの大きさと位相を
    検出する手段を含み、θ、θ、T1、及びT2は、T1Pn
    (cos(θ)+T2Pn(cos(θ)=0及びT1Pm(cos
    (θ)+T2Pm(cos(θ)=0となるように選択さ
    れ、ここでPnとPmとはそれぞれランクnとmのルジャン
    ドル多項式であり、nはmに等しくないことからなる試
    料のNMRスペクトル測定装置。
  29. 【請求項29】n=2及びm=4であることからなる請
    求項28に記載の装置。
  30. 【請求項30】T1=T2であることからなる請求項28に記
    載の装置。
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