JPH08158369A - 逆解析方法 - Google Patents

逆解析方法

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JPH08158369A
JPH08158369A JP33073994A JP33073994A JPH08158369A JP H08158369 A JPH08158369 A JP H08158369A JP 33073994 A JP33073994 A JP 33073994A JP 33073994 A JP33073994 A JP 33073994A JP H08158369 A JPH08158369 A JP H08158369A
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JP
Japan
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unknown parameter
estimated
error
analysis
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Application number
JP33073994A
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English (en)
Inventor
Etsuro Saito
悦郎 斉藤
Noriyuki Kobayashi
範之 小林
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Fujita Corp
Original Assignee
Fujita Corp
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Publication date
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い精度で効率よく未知パラメータの逆解析
を行う。 【構成】 構造物の計測データおよび推定すべき未知パ
ラメータの仮定値を含む所定の仮定値をもとに、繰り返
し拡張カルマンフィルタ処理を行う。重みづけ手段44
はその結果得られた推定値の誤差共分散値に重みづけを
行う。第2の処理手段45は、第1の処理手段42が求
めた推定値と、重みづけされた共分散値とを初期値とし
て、繰り返し拡張カルマンフィルタ処理を行う。収束判
定手段46は、その推測値の収束を判定し、収束してい
ない場合には、第2の処理手段45が求めた誤差共分散
値に重みづけ手段44で重みづけさせ、その結果と、第
2の処理手段45が求めた推定値とを新たな初期値とし
て、第2の処理手段45に再び処理を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造物の挙動を計測し
て得られた計測値を入力データとして構造物に対する対
象物の未知パラメータの値を推定する逆解析方法に関
し、特に繰り返し拡張カルマンフィルタを用いる逆解析
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ウイナー(Wiener)による定常信号を用
いた周波数領域の解析は古典制御理論といわれる。これ
に対してカルマン(Kalman)( Kalman, R. E. : A new
approach to linear filtering and prediction probl
ems, Trans. ASME, J. Basic Eng., Vol. 82, pp. 35-4
5, 1960., および Kalman, R. E. and R. S. Bucy: New
result in linear filtering and prediction theory,
Trnas, ASME, J. BasicEng., Vol. 83, pp. 95-108, 19
61.)による時系列解析と状態空間表示をもとにした線
形システム理論は現代制御理論とよばれ、さまざまな分
野で幅広く活用されている。この制御理論にもとづくカ
ルマンフィルタは、入出力データのバラツキや誤差が大
きい場合に、それらのデータをもとに、線形ダイナミッ
ク・システムのパラメータを逆解析して推定しようとす
るとき、特に有効である。そして、カルマンフィルタを
適用すると、処理はデータを逐次入力しながらのシーケ
ンシャル処理となるため、変動に対して追従性よく結果
を得ることができ、かつ計算規模も小さいため、パーソ
ナル・コンピュータ程度の計算機でも短時間で処理を完
了できる。
【0003】拡張カルマンフィルタは、カルマンフィル
タをより一般的に非線形システムに適用できるように拡
張したものである。従って、応用範囲はより広く、種々
の場面で利用されている。例えば、D. G. Carmichael
( Carmichael, D. G. : The state estimation proble
m in experimental structural mechanics, Applicatio
n of statistics & probability soil and strctural e
ngineering, 3rd Inter.Conf. pp. 802-815, 1979-2.
)は、この拡張カルマンフィルタをコンクリートのク
リープ問題、および線形1自由度系動的問題に応用して
いる。また、C-B. Yun( Yun, C-B. and M. Shinozuka:
Identification of nonlinear structuraldynamic sys
tems, J. Struct. Mech. 8(2), pp. 182-203, 1980.)
らは、多自由度系に対して、各質点の計測データが得ら
れることを前提として、沖合の構造物の解析に応用して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の応用例は、計測データの数が限られている場合でも正
確な推定結果が得られること、および初期値の設定範囲
が広いときでも良好な推定結果が得られることに関して
保証を与えるものではない。
【0005】本発明はこのような点に着目してなされた
もので、その目的は、計測値の数が限られており、また
計測値に含まれる雑音成分が大きい場合でも、さらに与
えるべき初期値を狭い範囲に限定しなくても、高い精度
で効率よく推定値を得ることができる未知パラメータの
逆解析方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ため、第1の発明は、構造物の挙動を計測し、得られた
計測値を入力データとして前記構造物に対する対象物の
未知パラメータの値を推定する逆解析方法において、前
記構造物の挙動を計測して得られた計測値と、推定した
い前記構造物に対する対象物の未知パラメータの仮定値
と、その誤差の共分散値と、前記計測値に含まれる雑音
の共分散値の仮定値とを取り込み、拡張カルマンフィル
タを所定回数繰り返して前記未知パラメータの推定値と
その誤差の共分散値とを解析する第1の解析ステップ
と、前記測定値と、前記第1の解析ステップで解析した
前記未知パラメータの推定値と、所定の重みを乗じた前
記誤差共分散値とを初期値として取り込んで再度、拡張
カルマンフィルタを所定回数繰り返して前記未知パラメ
ータの推定値とその誤差の共分散値とを解析する第2の
解析ステップと、最初に設定した前記未知パラメータの
前記仮定値と、前記第2の解析ステップで解析した前記
未知パラメータの推定値とを比較し、両者が所定の誤差
水準内で一致していないときは、前記誤差共分値に所定
の重みを乗じて再度第2の解析ステップを行い、両者が
所定の誤差水準内で一致したときは、前記第2の解析ス
テップで解析した前記未知パラメータの推定値を最適推
定値とする判定ステップとを有することを特徴とする。
【0007】また、第2の発明は、構造物の挙動を計測
し、得られた計測値を入力データとして前記構造物に対
する対象物の未知パラメータの値を推定する未知パラメ
ータの逆解析方法において、前記構造物の挙動を計測し
て得られた計測値と、推定したい前記構造物に対する対
象物の未知パラメータの仮定値と、その誤差の共分散値
と、前記計測値に含まれる雑音の共分散値の仮定値とを
取り込み、拡張カルマンフィルタを所定回数繰り返して
前記未知パラメータの推定値とその誤差の共分散値とを
解析する第1の解析ステップと、前記測定値と、前記第
1の解析ステップで解析した前記未知パラメータの推定
値と、所定の重みを乗じた前記誤差共分散値とを初期値
として取り込んで再度、拡張カルマンフィルタを所定回
数繰り返して前記未知パラメータの推定値とその誤差の
共分散値とを解析する第2の解析ステップと、前記第2
の解析ステップで解析した前記未知パラメータの推定値
に対して所定の評価関数の値を算出する評価ステップ
と、前記評価ステップで算出した前記評価関数の値が所
定の基準を満たしていないときは、前記誤差共分値に所
定の重みを乗じて再度第2の解析ステップを行い、前記
評価関数の値が所定の基準を満たしたときは、前記第2
の解析ステップで解析した前記未知パラメータの推定値
を最適推定値とする判定ステップとを有することを特徴
とする。
【0008】
【作用】第1の発明の逆解析方法によれば、構造物に対
する挙動の計測値と、第1の解析ステップで繰り返し拡
張カルマンフィルタ処理によって解析された未知パラメ
ータの推定値と、誤差共分散値に重みを乗じたものとを
初期値として再度第2の解析ステップで繰り返し拡張カ
ルマンフィルタ処理を行って、未知パラメータの最適推
定値を求める。その結果、非常に安定した推定結果を得
ることが可能となり、計測値の数が限定され、また計測
値に含まれる雑音成分が大きい場合でも、さらに、最初
に入力する未知パラメータの仮定値を狭い範囲に限定し
なくても、高い精度で効率よく推定値を得ることができ
る。
【0009】そして、繰り返し拡張カルマンフィルタ処
理を基本としていることから、処理はデータを逐次入力
しながらのシーケンシャル処理となり、変動に対する高
い追従性が得られ、かつ計算時間が短くてすみ、計算規
模も小さい。さらに、この逆解析方法は、繰り返し拡張
カルマンフィルタを適用できる分野にはすべて適用でき
るので、その応用範囲は極めて広い。
【0010】また、第2の発明の逆解析方法によれば、
構造物に対する挙動の計測値と、繰り返し拡張カルマン
フィルタ処理によって解析される未知パラメータの推定
値と、誤差共分散値に重みを乗じたものとを初期値とし
て再度繰り返し拡張カルマンフィルタ処理を繰り返して
実行する。その結果、非常に安定に推定結果を得ること
が可能となり、計測値の数が限定され、また計測値に含
まれる雑音成分が大きい場合でも、さらに与えるべき初
期値を狭い範囲に限定しなくても、高い精度で効率よく
推定値を得ることができる。また、推定すべき状態変数
の種類は複数であってもよく、従って、複数種類の状態
変数の推定値を同時に得ることができる。
【0011】そして、繰り返し拡張カルマンフィルタ処
理を基本としていることから、処理はデータを逐次入力
しながらのシーケンシャル処理となり、変動に対する高
い追従性が得られ、かつ計算時間が短くてすみ、計算規
模も小さい。さらに、この逆解析方法は、繰り返し拡張
カルマンフィルタを適用できる分野にはすべて適用でき
るので、その応用範囲は極めて広い。
【0012】また、この第2の発明の逆解析方法によれ
ば、第2の解析ステップで解析された未知パラメータの
推定値に対して算出される評価関数によって未知パラメ
ータの最適推定値を求めるのでより安定した推定結果を
することができる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の第1の実施例について図面を
参照して詳しく説明する。図1は、第1の発明に係る逆
解析方法を適用した山留め工事の施工管理システムの概
略構成を示す機能ブロック図である。このシステムは、
土木工事における山留め掘削工事を管理するためのもの
であり、キーボードなどの入力装置1、現状解析部2、
逆解析部4、予測解析部6を有する解析装置8、および
CRTディスプレイなどの表示装置10から成る。
【0014】現状解析部2は、カーブフィッティング手
段22と、スムージング手段24と、現状解析値算出手
段26とによって構成されている。逆解析部4は本発明
に直接係わる部分であり、第1の繰り返し拡張カルマン
フィルタ処理手段(以下、第1の処理手段という)42
と、重みづけ手段44と、第2の繰り返し拡張カルマン
フィルタ処理手段(以下、第2の処理手段という)45
と、収束判定手段46と、確認値算出手段49とによっ
て構成されている。そして、予測解析部6は、山留め弾
塑性解析手段62によって構成されている。
【0015】現状解析部2、逆解析部4、予測解析部6
は、パーソナル・コンピュータ(パソコン)などの計算
機を構成する解析装置8内に、ハードウエアあるいはソ
フトウエアとして設けられている。
【0016】ここで山留め掘削工事において形成される
山留め架構について、その断面を模式的に示す図2を参
照して説明する。図2において、102は地表であり、
108が掘削面である。掘削面108の両側には山留め
壁体104a,104bがそれぞれが打ち込まれ、土石
などが崩れることを防止している。山留め壁体104
a,104bの間には切梁106が渡され、土圧に抗す
るかたちで山留め壁体104a,104bを補強してい
る。山留め壁体104a,104bは、鋼矢板を用いた
り、あるいはRC連続地中壁によって形成する。山留め
掘削工事は、まず山留め壁体104a,104bを地中
に打ち込むことから始まり、その後、山留め壁体104
a,104b間において掘削を進める。そして掘削の進
行に伴って、切梁106を浅い方から順次適切な間隔で
架設していく。
【0017】本実施例の山留め工事の施工管理システム
は、山留め壁体104a,104bの傾斜角および切梁
106の軸力を入力計測データとして入力装置1から入
力する。山留め壁体104a,104bの傾斜角の計測
は傾斜計110a,110bを用い、山留め壁体104
a,104bに沿って深さ方向で例えば1〜2mの間隔
でその傾斜を計測する。また、切梁106の軸力の計測
は、各切梁106で軸力測定器112を用いて計測す
る。尚、傾斜計110a,110bは、山留め壁体10
4a,104b内に複数設置されている。
【0018】カーブフィッティング手段22は、地表1
02からの深さの関数である傾斜角および軸力の計測デ
ータを入力装置1から取り込むと、それぞれに対して3
次のスプライン関数を用いたカーブフィッティングを行
う。スムージング手段24はこのカーブフィッティング
の結果に対してさらに、ハニングのウインドウを用いて
スムージングを行う。このようなカーブフィッティング
およびスムージングによって、計測データにバラツキが
あったり雑音が含まれている場合でも、その影響を緩和
することができる。また、計測データ数が少ない場合で
も補間してデータ数を増やすことができる。そのため、
山留め架構の現状解析のためのデータとして適切なデー
タが得られ、さらに後に行う逆解析において良好な結果
が得られる。
【0019】現状解析値算出手段26には、山留め壁体
104a,104bの材質、山留め壁体104a,10
4bの厚さ、ならびに掘削面108の深さを含むデータ
が、現状解析に必要な基礎データとして与えられる。現
状解析値算出手段26はこれらのデータと、スムージン
グ手段24から受け取った山留め壁体104a,104
bの傾斜角データおよび切梁106の軸力データとを取
り込んで、既知の数学的手法によって山留め壁体104
a,104bの変位、曲げモーメント、ならびに曲げ剛
性を求める。例えば、山留め壁体104a,104bの
変位は、山留め壁体104a,104bの傾斜角を関数
積分することによって求める。また、山留め壁体104
a,104bの曲げモーメントは、山留め壁体104
a,104bの曲げ剛性の仮定のもとに、山留め壁体1
04a,104bの傾斜角を関数微分することによって
求める。
【0020】現状解析値算出手段26は、このようにし
て取得した物理量を、山留め壁体104a,104bの
傾斜角データおよび切梁の軸力データと共に、山留め架
構の現状解析のためのデータとして出力し、CRTディ
スプレイなどの表示装置10に所定の形式で表示させ
る。山留め工事の施工者はその表示によって山留め工事
の現状を認識し、工事の効率的な実施および安全の確保
に役立てることができる。
【0021】また、現状解析値算出手段26は同時に、
求めた山留め壁体104a,104bの変位、曲げ剛
性、ならびに曲げモーメントと、切梁106の軸力の各
データとを逆解析部4に出力する。
【0022】逆解析部4では、第1の繰り返し拡張カル
マンフィルタ処理手段42がまず、現状解析値算出手段
26からの山留め壁体104a,104bの変位、曲げ
剛性、ならびに曲げモーメントと、切梁106の軸力の
各データとを、計測データとして受け取る。第1の処理
手段42には、これらの計測データの他に、未知パラメ
ータである山留め壁体104a,104bの背面側圧
と、掘削面108の地中の地盤反力係数の仮定値(設計
値)が計測データとして入力され、さらに山留め架構の
構造寸法、切梁106のばね定数、先行変位、先行荷
重、ならびに山留め壁体104a,104b両端の境界
条件などのデータが逆解析に必要な計測データとして入
力される。これらの逆解析に必要なデータは入力装置1
を介して入力される。
【0023】 そ
して、第1の処理手段42は、図3に模式的に示すよう
に、山留め壁体104a,104bの背面に加わる圧
力、すなわち背面側圧aの、深さ方向の分布Aと、地盤
反力係数Bの同じく深さ方向の分布を繰り返し拡張カル
マンフィルタ処理、すなわち拡張カルマンフィルタにロ
ーカル・イテレーションを組み込んだ処理によって推定
する。この拡張カルマンフィルタによる解析は、例えば
“ Jazwinski,A. H. :Stochastic processes and filte
ring theory, Academic Press, 1970.”によって行うこ
とができる。拡張カルマンフィルタによる解析では、背
面側圧aおよび地盤反力係数Bの推定値の初期値と、そ
れらの誤差の共分散値と、計測値である山留め壁体10
4a,104bの変位、および切梁106の軸力に含ま
れる雑音の共分散値の初期値とを取り込み、第1の処理
手段42は、これらの初期値および上記計測値を用いて
繰り返し拡張カルマンフィルタ処理を行って、背面側圧
aおよび地盤反力係数Bの最適推定値と、それらの誤差
の共分散値とを求める。なお、上記初期値の具体的数値
として、本例では、背面側圧aおよび地盤反力Bには仮
定値(設計値)を用い、誤差共分散値は30%、雑音の
共分散値は50%とする。
【0024】第1の処理手段42は次式に示す拡張カル
マンフィルタによって解析処理を実行する。
【0025】
【数1】
【0026】また、各変換行列は次式によって表され
る。
【0027】
【数2】
【0028】重みづけ手段44は、第1の処理手段42
の拡張カルマンフィルタによる解析によって得られた背
面側圧aおよび地盤反力係数Bの推定値および誤差共分
散値を第1の処理手段42から受け取り、この推定値と
所定の重みを乗じた誤差共分散値とを第2の処理手段4
5に出力する。
【0029】第2の処理手段45も、第1の処理手段4
2と同様に繰り返し拡張カルマンフィルタ処理を行う。
第2の処理手段45は、上記した計測データと、第1の
処理手段42で得られた背面側圧aおよび地盤反力係数
Bの推定値と、所定の重みを乗じた誤差共分数値を取り
込んで、繰り返し拡張カルマンフィルタ処理を行って、
背面側圧aおよび地盤反力係数Bの推定値と、それらの
誤差の共分散値とを算出し、収束判定手段46に出力す
る。なお、重みづけ手段44と第2の処理手段45とが
本発明の第2のフィルタ処理ステップにおける処理を実
施している。
【0030】 収束判定手段46は、
第2の処理手段45で得られた推定値(背面側圧aと地
盤反力係数B)と、第1の処理手段42で得られた推定
値(背面側圧aと地盤反力係数B)とを比較する。そし
て、その比較により一定水準の許容誤差の範囲内で一致
していない場合には、グローバル・イテレーションとし
て再び繰り返し拡張カルマンフィルタ処理を行うため、
重みづけ手段44で再度誤差共分散値に対して所定の重
みづけを行う。そして、第2の処理手段45は、前記同
様に繰り返し拡張カルマンフィルタ処理を再び実行し、
結果を収束判定手段46に出力する。
【0031】収束判定手段46は、再び、第2の処理手
段45で得られた推定値(背面側圧aと地盤反力係数
B)と、第1の処理手段42で得られた推定値(背面側
圧aと地盤反力係数Bと)とを比較して、両者が一定水
準の許容誤差の範囲内で一致していない場合には、前記
両者が一定水準の許容誤差の範囲内で一致するまで同様
の処理を実行する。そして、第1の処理手段42と第2
の処理手段45で得られたそれぞれの推定値が、一定水
準の許容誤差の範囲で一致している場合には、第2の処
理手段45で得られた推定値は収束したとして、第2の
処理手段45で得られた背面側圧aと地盤反力係数Bの
推定値を最適推定値として出力され、CRTディスプレ
イなどの表示装置10に表示し、同時に確認値算出手段
49にも出力する。図5は、第2の処理手段45で得ら
れた未知パラメータである背面側圧aと地盤反力係数B
の推定値(点線)と実測値(実線)とを示す図であり、
本発明に係る繰り返し拡張カルマンフィルタを用いれ
ば、数回(例えば4回以上)の繰り返しにより、推定値
(背面側圧aと地盤反力係数B背面)は実測値に非常に
近い値を得ることができた。
【0032】確認値算出手段49は、これらの推定結果
を受け取ると、それをもとに既知の数学的手法を用いて
山留め壁体104a,104bの変位、曲げモーメン
ト、ならびに切梁106の軸力を算出し、確認値として
出力して表示装置10に表示する。このシステムのオペ
レータはこれらの確認値を見て推定結果の妥当性を判断
する。
【0033】そして、予測解析部6の山留め弾塑性解析
手段62は、逆解析部4の収束判定手段46から受け取
った背面側圧aおよび地盤反力係数Bの推定結果と、山
留め壁体104a,104bの曲げ剛性、変位、曲げモ
ーメントや切梁106のばね定数、切梁の先行荷重、切
梁位置の壁体先行変位の各データを取り込んで、既知の
数学的手法によって弾塑性解析して、次期施工段階の山
留め壁体104a,104bの変位および曲げモーメン
ト、切梁の軸力、ならびに塑性域等のデータを算出し、
また山留め架構解体時の山留め挙動としてこれらのデー
タを求めて出力し、表示装置10に表示する。山留め工
事の施工者はその表示を見ることによって今後の工事の
安全性を予測して工事を安全に合理的に進めることがで
きる。図6は、予測解析部6で得られた次期施工段階に
おける山留め壁体104a,104bの変位と曲げモー
メントの予測値(実線)と実測値(○印)とを示す図で
あり、実測値に非常によく対応した予測値を得ることが
できた。
【0034】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。図4は、第2の発明に係る逆解析方法を適用した山
留め情報化施工管理システムの概略構成を示す機能ブロ
ック図である。なお、図1に示した実施例と同一部分に
は同一符号を付して、その説明は省略する。本実施例で
は、逆解析部5は、第1の処理手段42、重みづけ手段
44、第2の処理手段45、評価関数計算手段47、収
束判定手段48で構成されている。従って、ここでは評
価関数計算手段47と収束判定手段48およびそれに関
連する部分についてのみ説明し、その他の部分について
は説明を省略する。本実施例は、第2の処理手段45ま
での解析処理は、図1に示した第1の実施例と同様であ
る。
【0035】評価関数計算手段47は、第2の処理手段
45から図3に示した背面側圧aおよび地盤反力係数B
の推定値および誤差共分散値を第2の処理手段45から
受け取ると、背面側圧aおよび地盤反力係数Bの推定値
を用い、次式によって表される評価関数の値を算出し
て、その結果を推定値および誤差共分散値と共に収束判
定部48に出力する。この評価関数の値は、前記計測値
と推定値の差の正規化2乗平均の関数である。
【0036】
【数3】
【0037】収束判定手段48は、評価関数の値を評価
関数計算手段47から受け取ると、それが最小値である
か否かを判定し、最小値でない場合には、グローバル・
イテレーションを行うため、重みづけ手段44で再度誤
差共散値に対して所定の重みづけを行う。
【0038】そして、第2の処理手段45は、前記同様
に繰り返し拡張カルマンフィルタ処理を再び実行し、結
果を評価関数計算手段47に出力する。
【0039】評価関数計算手段47はここで再び評価関
数の値を算出し、その結果を推定値および誤差共分散値
と共に収束判定部48に出力する。そして、収束判定部
48は、この評価関数の値を受け取ると、それが最小値
であるか否かを判定し、最小値でない場合には、再度、
重みづけ手段445に指示して重みづけを行わせ、一
方、最小値であった場合には、その推定結果は収束した
として、評価関数計算手段47で得られた背面側圧aと
地盤反力係数Bの推定値を最適推定値として出力され、
表示装置10に表示し、同時に確認値算出手段49にも
出力する。以下の処理は、図1に示した実施例と同様で
ある。
【0040】本実施例では、このように評価関数を用い
て推定結果が収束したか否かを判定するので、上記図1
に示した第1の実施例では収束しないような場合にも、
推定結果を収束させることができ、真の値に近い推定値
を得ることができる。尚、前記各実施例は、本発明に係
る逆解析方法を山留め掘削工事に適用した例であった
が、これ以外にも例えば軟弱地盤上の盛土工事等にも適
用可能である。また、前記各実施例では、構造物が山留
め工事に用いられる山留め壁体の例であったが、これに
限定されることなく、本発明において、構造物とは、そ
の文言の如何に拘らず、例えば土木工事やトンネル工事
等において使用されるコンクリート構造物や土構造物、
あるいは、地盤、道路、土木構造物、建築構造物等のよ
うな物やその一部をも広く含む概念である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、発明に係る繰り返
し拡張カルマンフィルタ処理による逆解析方法を用いる
ことで、非常に実測値に近い未知パラメータの推定値を
得ることが可能となり、計測値の数が限定され、また計
測値に含まれる雑音成分が大きい場合でも、さらに与え
るべき初期値を狭い範囲に限定しなくても、高い精度で
効率よく推定値を得ることができる。また、推定すべき
状態変数の種類は複数であってもよく、従って、複数種
類の未知パラメータの推定値を同時に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に係る逆解析方法を適用した山留め
工事の施工管理システムの一例を示すブロック図であ
る。
【図2】山留め架構を説明するための断面図である。
【図3】図2の山留め架構において推定すべき物理量を
説明するための模式断面図である。
【図4】第2の発明に係る逆解析方法を適用した山留め
工事の施工管理システムの一例を示すブロック図であ
る。
【図5】本発明に係る逆解析方法で得られた背面側圧と
地盤反力係数の推定値と実測値との比較を示す図であ
る。
【図6】本発明に係る逆解析方法で得られた推定値を基
にして解析した山留め壁体の変位と曲げモーメントの予
測値と実測値との比較を示す図である。
【符号の説明】
1 入力装置 2 現状解析部 4、5 逆解析部 6 予測解析部 8 解析装置 10 表示装置 22 カーブフィッティング手段 24 スムージング手段 26 現状解析値算出手段 42 第1の繰り返し拡張カルマンフィルタ処理手段 44 重みづけ手段 45 第2の繰り返し拡張カルマンフィルタ処理手段 46、48 収束判定手段 47 評価関数計算手段 49 確認値算出手段 62 山留め弾塑性解析手段 102 地表 104a,104b 山留めの壁体 106 切梁 108 掘削面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の挙動を計測し、得られた計測値
    を入力データとして前記構造物に対する対象物の未知パ
    ラメータの値を推定する逆解析方法において、 前記構造物の挙動を計測して得られた計測値と、推定し
    たい前記構造物に対する対象物の未知パラメータの仮定
    値と、その誤差の共分散値と、前記計測値に含まれる雑
    音の共分散値の仮定値とを取り込み、拡張カルマンフィ
    ルタを所定回数繰り返して前記未知パラメータの推定値
    とその誤差の共分散値とを解析する第1の解析ステップ
    と、 前記測定値と、前記第1の解析ステップで解析した前記
    未知パラメータの推定値と、所定の重みを乗じた前記誤
    差共分散値とを初期値として取り込んで再度、拡張カル
    マンフィルタを所定回数繰り返して前記未知パラメータ
    の推定値とその誤差の共分散値とを解析する第2の解析
    ステップと、 最初に設定した前記未知パラメータの前記仮定値と、前
    記第2の解析ステップで解析した前記未知パラメータの
    推定値とを比較し、両者が所定の誤差水準内で一致して
    いないときは、前記誤差共分値に所定の重みを乗じて再
    度第2の解析ステップを行い、両者が所定の誤差水準内
    で一致したときは、前記第2の解析ステップで解析した
    前記未知パラメータの推定値を最適推定値とする判定ス
    テップと、 を有することを特徴とする逆解析方法。
  2. 【請求項2】 構造物の挙動を計測し、得られた計測値
    を入力データとして前記構造物に対する対象物の未知パ
    ラメータの値を推定する逆解析方法において、 前記構造物の挙動を計測して得られた計測値と、推定し
    たい前記構造物に対する対象物の未知パラメータの仮定
    値と、その誤差の共分散値と、前記計測値に含まれる雑
    音の共分散値の仮定値とを取り込み、拡張カルマンフィ
    ルタを所定回数繰り返して前記未知パラメータの推定値
    とその誤差の共分散値とを解析する第1の解析ステップ
    と、 前記測定値と、前記第1の解析ステップで解析した前記
    未知パラメータの推定値と、所定の重みを乗じた前記誤
    差共分散値とを初期値として取り込んで再度、拡張カル
    マンフィルタを所定回数繰り返して前記未知パラメータ
    の推定値とその誤差の共分散値とを解析する第2の解析
    ステップと、 前記第2の解析ステップで解析した前記未知パラメータ
    の推定値に対して所定の評価関数の値を算出する評価ス
    テップと、 前記評価ステップで算出した前記評価関数の値が所定の
    基準を満たしていないときは、前記誤差共分値に所定の
    重みを乗じて再度第2の解析ステップを行い、前記評価
    関数の値が所定の基準を満たしたときは、前記第2の解
    析ステップで解析した前記未知パラメータの推定値を最
    適推定値とする判定ステップと、 を有することを特徴とする逆解析方法。
  3. 【請求項3】 入力される前記構造物の計測値のデータ
    は複数である請求項1または2記載の逆解析方法。
  4. 【請求項4】 出力される前記未知パラメータの推定値
    は複数である請求項1または2記載の逆解析方法。
  5. 【請求項5】 前記評価関数は、前記計測値と前記推定
    値との差の正規化2乗平均の関数である請求項2記載の
    逆解析方法。
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KR20220027497A (ko) * 2020-08-27 2022-03-08 경희대학교 산학협력단 역 해석 기능을 갖는 인공지능(ai) 기반 지능형 구조설계 방법

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