JPH0815431B2 - 導電性酵素膜 - Google Patents

導電性酵素膜

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JPH0815431B2
JPH0815431B2 JP60257481A JP25748185A JPH0815431B2 JP H0815431 B2 JPH0815431 B2 JP H0815431B2 JP 60257481 A JP60257481 A JP 60257481A JP 25748185 A JP25748185 A JP 25748185A JP H0815431 B2 JPH0815431 B2 JP H0815431B2
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JP
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enzyme
polypyrrole
god
immobilized
fad
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益男 相澤
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Mitsubishi Electric Corp
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  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はバイオセンサやバイオリアクタ等に用いる
導電性酵素膜に関するものである。
〔従来の技術〕 酸化還元酵素の活性中心には、電子を授受する機能を
もつ機能団を有することがある。この機能団は電子を授
受することによつて基質分子の酸化あるいは還元を行う
ものである。例えばグルコースオキシダーゼ(GOD)の
例で説明するとGODにはフラビンアデニンジヌクレオチ
ド(FAD)と呼ばれる反応活性中心がある。グルコース
からグルコン酸へのGODによる酸化は、次式に示すよう
にグルコースから2個の水素原子がFADに移動すること
によつて起こる。
好気的条件下ではグルコースの酸化に伴つて生成した
FADH2は、酸素によつて酸化され再びFADに変化する。こ
のようにこの種の酸化還元酵素は反応活性中心が酸化体
と還元体の両者の構造を交互に取りながら基質の酸化を
連続的に行うことができる。
酸化還元酵素はこのような性質をもつために、金属電
極のような電子移動体上に酵素を固定化し、(2)式に
示すような反応を起こさしめて電子移動体の電位による
反応の制御や酵素反応量の電流による計測等を行おうと
する試みが以前からあつた。
ここにEは酵素を示し、oxおよびredは各々酸化体お
よび還元体を示す。酵素の還元体Eredから電子を電子移
動体に効率よく移動させる方法がこれらの試みの中で最
も技術的に困難であり、以前の試みでは酵素から電子を
引き抜き、それを電子移動体に引き渡す役割を果たすメ
デエータ分子Mを酵素−電子移動体間の電子移動の担い
手にするということが行われていた。すなわち全体とし
て式(3)に示すような反応が起つて、酵素から電極へ
の電子移動が起こることになる。
Mとしてはベンゾキノン等の分子を使うことが多い。
しかしながら酵素から電子移動体への電子移動にメデ
エータMを介するために、反応気質溶液中にメデエータ
分子を混入したり、また酵素とともに固定化する等の操
作を行う必要があつた。この難点を克服するために関与
する酵素を直接化学修飾法により電子移動体に固定化し
ようとする試みがあつたが(千田貢、相沢益男、小山昇
編、高分子機能電極、学会出版センサ、1983年)、この
方法では酵素から電子移動体への電子移動を効率良く行
なわさせることが難しいとされている。このようなメデ
エータ分子のもつ問題点を克服するため、電子移動体に
化学架橋法によつて直接酵素を結合せしめて電子の授受
を行わせる試みもあるが、電子の授受を効率良く行わし
めることは困難であつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、電子移動体として作動する導電性高分子中
に酵素を固定化し、酵素と電子移動体の間の電子授受を
直接かつ効率良く行うことができ、また電子移動体すな
わち導電性高分子の電位を外部から制御することによつ
て酵素反応を連続的に行わしめたり、またその量を任意
に制御することのできる導電性酵素膜を得ることを目的
とする。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明に係わる導電性酵素膜は、酸化還元酵素を導
電性高分子であるピロール及びピロール誘導体の少なく
とも一種のポリマーに固定化したものである。
〔作用〕
この発明における導電性酵素膜は、導電性高分子中に
酵素が固定化されているため酵素から電子移動体として
も作動する導電性高分子へ直接電子を授受することがで
き、また電子移動体すなわち導電性高分子の電位の制御
により、酵素反応を連続的に行わしめたり、その量を制
御することが可能なものである。
〔実施例〕
以下この発明の実施例を図について説明する。模式的
に示した第1図において(1)はポリピロール、(2)
はGODである。1M(モル)の塩化カリウムに30mg/mlのGO
Dと0.1Mのピロールを溶解し、そこに白金線を浸漬し、
銀/塩化銀電極を参照電極として白金線に+1Vの電圧を
かけて定電位で電気化学重合を行うことによつて、第1
図に示したような導電性GOD膜を得た。白金線表面に形
成されるポリピロール(2)は下図のような化学構造を
もち、 この重合過程中に共存して存在するGODを取組んで重
合することによつてGOD包括固定化ポリピロール膜を形
成すると考えられる。
参考データを得るためにGODの代わりに0.002MのFADを
含むピロールと塩化カリウムを溶した溶液を用い、前述
のGOD固定化ポリピロールと同様の方法でFAD固定化ポリ
ピロール膜を白金線上に作成した。そのサイクリツクボ
ルタングラムを第2図に示す横軸は銀/塩化銀電極に対
する電子移動体電位、縦軸は電流を表わす。白金線の電
位は銀/塩化銀電極を介して印加し、走査速度10mV/sで
走査した。第2図から−0.3VにFADの酸化および−0.4V
にFADの還元の電流のピークのあることがわかり、ポリ
ピロールに固定化されたFADの酸化および還元が白金線
を介して電子移動体であるポリピロールの電位を変える
ことによつて起つていることがわかる。第3図はFAD固
定化ポリピロール(点線)とGOD固定化ポリピロール
(実線)の還元挙動を微分パルスボルタンメトリーで測
定した結果を比較した図である。但し、走査速度2mV/
s、パルスインターバル1s、パルス高さ50mVである。FAD
固定化ポリピロール(点線)では判然とFADが電子移動
体であるポリピロールから電子を受けて還元されている
ことがわかる。一方、GOD固定化ポリピロール(実線)
においても−0.3Vまで急激に流れる電流量が増え、それ
以降漸増していることが図からわかるが、−0.3Vまでの
電流量の急激な増加の部分はFAD固定化ポリピロールの
電流値の上昇カーブと類似しており、GOD内の反応活性
部位であるFADが電子の移動体であるポリピロールによ
り、直接電子を受けて還元されていると推測できる。な
お、−0.3V以降の徐々なる電流値の増加はGOD分子のFAD
以外の部分が還元を受けているために流れる電流による
ものと考えられる。以上の結果より、ポリピロールに固
定化したGOD内のFAD部は導電性であるポリピロールより
電子を直接効率良く授受する能力をもつていることがわ
かつた。
ここで述べたGOD固定化ポリピロールについて、そのG
OD活性をペルオキシダーゼ存在下でO−ジアニジンの発
色を用いて測定したところ、このGOD固定化ポリピロー
ルは17.6×10-3unit/cm3のGOD活性をもつことがわかつ
た。
また、このGOD固定化ポリピロールを脱酸素した0.001
Mグルコース溶液に浸漬してGOD内のFADを還元形に変換
してから、このGOD固定化ポリピロールを−0.3Vで定電
位電解酸化したところ、FADの酸化に伴う電流を観測す
ることができた。またポリピロールの電位をFADが酸化
体としてのみ存在するように外部から印加して同様の実
験を行うと連続的に電流の流れることも観察された。
以上まとめるとポリピロールに固定化されたGODは酵
素活性を保持し、かつGOD内のFAD部位は電子移動体とし
て作動するポリピロールと直接効率良く電子を授受する
ことができるということが明らかになつた。またポリピ
ロールの電位を外部から変えることによつて酸素反応量
を制御できることもわかつた。
なお上記実施例では導電性酵素膜を得るためにピロー
ルのポリマーを用いたが、N−メチルピロールのような
ピロールの誘導体を用いても良く、また上記実施例では
酵素としてGODを用いた例を示したが、アルコールデヒ
ドロゲナーゼのような他のフラビン系酵素や広く他種の
酸化還元酵素を用いても同様の効果を奏する。また上記
実施例では酵素を1種類用いる例について述べたが、2
種以上の酵素の組合せを用いても良い。また上記実施例
では導電性酵素膜を形成する場として、白金を用いた例
を示したが、他の導電性物質を用いても良い。
また、酸化還元酵素を、ピロール及びピロール誘導体
が混つたものに固定化してもよい。
〔発明の効果〕
以上のようにこの発明によれば、酸化還元酵素を導電
性高分子であるピロール及びピロール誘導体の少なくと
も一種に固定化したので、酵素の活性中心部位と電子移
動体の間に効率よく電子を授受させることのできる導電
性酵素膜を得ることのできる効果がある。またこの導電
性酵素膜の電位を外部から制御することによつて、酵素
反応を連続的に行わしめたり、その量を制御することが
できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の導電性酵素膜の一実施例によるGOD
固定化ポリピロール膜の模式図、第2図はFAD固定化ポ
リピロールのサイクリツクボルタングラム、第3図はFA
D固定化ポリピロールとGOD固定化ポリピロールの微分パ
ルスボルタングラムである。 なお図中(1)はポリピロール、(2)はグルコースオ
キシダーゼ(GOD)である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グルコースオキシダーゼを導電性高分子で
    あるピロール及びピロール誘導体の少なくとも一種のポ
    リマーに固定化したことを特徴とする導電性酵素膜。
JP60257481A 1985-11-13 1985-11-13 導電性酵素膜 Expired - Lifetime JPH0815431B2 (ja)

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