JPH08137695A - 仮説比較装置および仮説比較処理方法 - Google Patents

仮説比較装置および仮説比較処理方法

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JPH08137695A
JPH08137695A JP6276914A JP27691494A JPH08137695A JP H08137695 A JPH08137695 A JP H08137695A JP 6276914 A JP6276914 A JP 6276914A JP 27691494 A JP27691494 A JP 27691494A JP H08137695 A JPH08137695 A JP H08137695A
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proof
hypothesis
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JP6276914A
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Mitsuru Oda
充 織田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】推論システムにおける仮説比較装置および仮説
比較処理方法に関し,与えられた知識の不確実性を原因
として互いに競合する結論が導かれたとき,知識がどの
ような対象領域の知識であるかに依存せずに,それら競
合する結論に対応する仮説間の優先順位を与える手段を
提供することを目的とする。 【構成】同一知識から導かれる競合する結論Ai を,そ
の知識下で成立する可能性のある仮説とみなし,仮説A
i の信頼度に関する評価値を,仮説Ai を結論とする証
明およびその証明に対する反証の存在を考慮した基準に
従った評価関数により求め,仮説Ai 間の優先順位を比
較する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,推論システムにおいて
競合する仮説間に優劣順位を与えるための装置に関し,
特に知識の不確実性を原因として生じた互いに競合する
結論間に,証明に対する反証の存在を考慮した基準を用
い,より信頼性の高い結論を示すための優先順位を提示
する仮説比較装置および仮説比較処理方法に関するもの
である。
【0002】知識ベースの出現により,注目する対象領
域に関する経験や知識を事実あるいは規則の形で計算機
上に蓄積し,利用することが可能となった。知識ベース
に格納される知識は,それから導かれる任意の結論間で
競合しないという無矛盾性が保証されていることが望ま
れる。
【0003】しかし,知識ベースに格納される知識量が
多い場合や,知識を抽出する対象領域自体が曖昧にしか
把握されない場合には,知識ベースに格納される知識の
無矛盾性は保証されない。
【0004】知識ベースに格納される知識が,無矛盾性
を保証されない不確実な知識となる場合には,格納され
る知識から導かれた結論自身あるいはその結論を得る推
論過程に現れる中間結果に対する競合する結論もまた同
一の知識の結論となる可能性がある。
【0005】このような無矛盾性が保証されない不確実
な知識であることを前提とした知識ベースの利用をする
場合,注目する命題が知識ベースから導かれたという証
明可能性だけで良しとするのではなく,注目する命題に
対する競合命題もまた同時に導かれないかを検査し,も
し導かれるならば,両者のいずれがより信頼に値するか
比較する必要がある。
【0006】
【従来の技術】例えば,知識として「低気圧が近づいて
いれば,明日雨が降る。」,「夕焼けであれば,明日雨
は降らない。」というルール(規則)があり,また「低
気圧が近づいている。」,「夕焼けである。」という事
実が与えられたとき,「明日雨が降る。」,「明日雨は
降らない。」とういう競合する結論が導かれることにな
る。
【0007】このような競合する結論が生じることを回
避するためには,知識ベースに蓄積する知識に矛盾が生
じることのない知識のみを格納することが望ましい。そ
のため,事前にまたは事後に知識ベース中の知識の無矛
盾性をチェックし,矛盾が生じる知識の除去を図る方式
も考えられているが,知識の数が膨大な場合や知識を抽
出する対象領域自体が曖昧である場合など,現実的な問
題としては無矛盾性の完備は不可能であることがある。
そこで,従来は同一の知識から競合する結論が導かれる
と,どれを優先するかについての優先順位を利用者に問
い合わせるなどして,優先順位の選択を人間に委ねるこ
とが行われている。
【0008】すなわち,同一の知識から共に導かれた競
合する結論A1 ,…,An がある場合,何かしらの基準
を用いて競合する結論A1 ,…,An を比較し,競合す
る結論A1 ,…,An 間に優先順位を導入することで対
処できる。従来の多くの方法では,導かれる可能性のあ
る競合する結論A1 ,…,An のいずれを優先するかと
いう順位を直接与えてしまう方法が採られている。この
ような方法では,異なる対象領域それぞれに対して競合
する結論(競合命題)A1 ,…,An 間に成立する優先
順位を与える判定者の存在を仮定する必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし,従来技術のよ
うに任意の対象領域に関して上記専門家が存在すること
を仮定することは,現実的に困難である。したがって,
同一知識から競合する結論A1 ,…,An が導かれる場
合において,利用された知識がいかなる対象領域の知識
であるかに依存しない基準に従って,互いに競合する結
論A1 ,…,An間に優先順位を与えることが必要とな
る。
【0010】本発明の目的は,不確実性を原因とし,互
いに競合する結論が与えられた知識から共に導かれたと
き,それら競合する結論を与えられた知識において成立
する仮説とみなし,知識がいかなる対象領域の知識であ
るかに依存せずに,それら競合する結論に対応する仮説
間の優先順位を与える手段を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】図1は,本発明の構成図
である。図中,10はCPUおよびメモリなどからな
り,知識格納部2,記憶部11,推論部12を備える仮
説比較装置を表す。20はキーボードなどの入力装置,
30はディスプレイを表す。
【0012】記憶部11は,仮説記憶部1,証明記憶部
4,証明評価値記憶部6,仮説評価値記憶部8の各記憶
手段からなり,また推論部12は,証明構成部3,証明
評価部5,仮説評価部7,仮説比較部9の各処理機能部
から構成される。
【0013】仮説記憶部1は,評価対象となる互いに競
合する仮説群を表す論理式の集合を格納する記憶手段で
ある。知識格納部2は,論理式の集合として表現された
知識を格納する記憶手段である。
【0014】証明構成部3は,論理式が与えられたと
き,知識格納部2に格納された知識を用い,その論理式
を結論とする証明を構成する処理手段である。証明記憶
部4は,証明構成部3において構成された証明を格納す
る記憶手段である。
【0015】証明評価部5は,所属判定部51,前提式
評価部52,部分証明抽出部53,競合命題発見部54
および証明評価値合成部55を副機能部として持ち,証
明が与えられたとき,その証明の結論のその証明に対す
る評価値を計算する処理手段である。
【0016】所属判定部51は,論理式が与えられたと
き,その論理式が知識格納部2に含まれる論理式である
か否かを判定する処理手段である。前提式評価部52
は,論理式が与えられたとき,所属判定部51の判定に
従い,その重みを与える処理手段である。部分証明抽出
部53は,証明およびそれに含まれる論理式が与えられ
たとき,その論理式を結論とする与えられた証明の部分
証明を切り出す処理手段である。競合命題発見部54
は,論理式が与えられたとき,その論理式に対応する命
題の競合命題を表す論理式を構成する処理手段である。
証明評価値合成部55は,部分証明に対する評価値が与
えられたとき,その部分証明を含む証明の評価値を計算
する処理手段である。
【0017】証明評価値記憶部6は,証明評価部5にお
いて計算された証明の評価値を格納する記憶手段であ
る。仮説評価部7は,証明評価値記憶部6に格納された
証明に対する評価値を用い,各仮説に対する評価値を計
算する処理手段である。
【0018】仮説評価値記憶部8は,仮説評価部7で計
算された各仮説に対する評価値を格納する記憶手段であ
る。仮説比較部9は,仮説評価値記憶部8に格納された
各仮説の評価値の大小関係に従い,仮説間の優劣を判定
し,その結果をディスプレイ30等に提示する処理手段
である。
【0019】
【作用】言葉の定義として,証明Pに対する反証P′と
は,証明Pに前提式,導出式,結論のいずれかとして現
れる論理式Aが表す命題に対する競合命題を表す論理式
を結論とする証明であるとする。
【0020】本発明では,同一知識から導かれる競合す
る結論A1 ,…,An を,その知識下で成立する可能性
のある仮説とみなし,仮説A1 ,…,An それぞれに対
して, 証明Pに対する信頼度は,証明Pに対する反証P′
が構成可能なとき,反証P′が構成できない場合より低
下する, また仮説Ai (1≦i≦n)に対する信頼度は,仮
説Ai を結論とする一般に複数存在する証明の持つ信頼
度の和Si と,仮説A1 ,…,An それぞれを結論とす
る一般に複数存在する証明の持つ信頼度の和の総和Σn
i との比Si /Σn i である, という基準に従った評価関数により,仮説A1 ,…,A
n に対する評価値を与えこれらを仮説A1 ,…,An
れぞれに対する信頼度とみなして,仮説A1 ,…,An
間の優先順位を比較する。
【0021】以下における説明のための記号を,次のよ
うに定義する。 A1 ,…,An :競合仮説を表す論理式, K:知識に対応する論理式の集合, P(Ak 1 ,…,P(Ak Nk:論理式Ak を結論と
するKに含まれる論理式から構成される証明, V:仮説に対する評価値を与える評価関数, V′:証明に対する評価値を与える評価関数。
【0022】仮説Ak に対する評価値V(Ak )(1≦
k≦n)は, V(Ak ) =Σi V′( P(Ak i )/Σk (Σi V′( P(Ak i )) 〔Σi はi=1からNk までの総和, Σk はk=1から
nまでの総和〕で与える。ただし,P(Ak i (1≦
i≦N)は,Ak を結論とするKに含まれる論理式から
構成される証明である。
【0023】また,証明P(Ak i に対する評価値
V′(P(Ak i )は,以下の式で定義される証明に
対する評価関数V′により求められる。ただし, SPh (1≦h≦L):証明Pの結論を導く推論ステッ
プにおいて直接利用した論理式を結論とするPの部分証
明, SPh * j (1≦j≦Mh ):部分証明SPh の結論に
対する競合命題を結論とする証明, σK (A):知識Kにおける論理式Aの重み, とする。
【0024】V′(P)は,証明Pが複数の論理式を含
む場合, V′(P)=(Σh ( ( V′(SPh ) +Σj (1−V′(SPh * j )))/(1+Mh )))/L その他の場合, V′(P)=σK (A) 〔Σh はh=1からLまでの総和, Σj はj=1からM
h までの総和〕とする。
【0025】共に同一の知識Kから結論として導かれる
競合仮説A1 ,…,An に対する評価値V(A1 ),
…,V(An )をA1 ,…,An に対する信頼度として
比較することにより,証明に用いた前提の信頼度および
反証の存在を考慮した競合仮説A1 ,…,An 間の優先
順位を導入することが可能となる。
【0026】任意の論理式Aについて0≦σK (A)≦
1を満たすならば,評価値V(A1),…,V(An
は,いずれも0≦V(A1 ),…,V(An )≦1を満
たす評価値を持つ。
【0027】
【実施例】以下,本発明の一実施例について図を用いて
説明する。本発明の仮説比較装置10は,互いに競合す
る仮説A1 ,…,An に事前に与えられた知識Kに基づ
いて計算される評価値を与え,その値がより大きい仮説
を優先するという順位を用い,競合仮説間の事前に与え
られた知識下における優先順位を与えるものである。
【0028】本実施例における証明は,仮説推論による
証明を採用する。これに伴い,任意の論理式Aについて
知識Kにおける論理式Aの重みσK (A)を以下のよう
に与える。
【0029】σK (A)=1 …if A∈K, =0.5 …otherwise 図2は,仮説比較装置を構成する各機能部間のデータの
流れを表す図である。図3は,仮説比較装置の処理手順
を表すフローチャートである。以下,図2および図3に
より,本発明の実施例に係る仮説比較装置の処理手順を
説明する。
【0030】STEP1;評価対象となる互いに競合す
る仮説を表す論理式A1 ,…,An が仮説記憶部1に入
力される。
【0031】STEP2;もし仮説記憶部1に格納され
た未評価な仮説Ak (1≦k≦n)を取り出せたなら
ば,STEP3へ移る。もし取り出せないならば,ST
EP8へ移る。
【0032】STEP3;証明構成部3において,仮説
k を結論とする証明P(Ak 1 ,…,P(A k Nk
を,知識格納部2に格納された知識を用いて構成する。
【0033】STEP4;証明構成部3において構成さ
れた証明P(Ak 1 ,…,P(Ak Nkを証明記憶部
4に格納する。
【0034】STEP5;もし証明記憶部4に格納され
た論理式Ak を結論とする未評価な証明P(Ak
i (1≦i≦Nk )を取り出せたならば,STEP6へ
移る。もし取り出せないならば,STEP2へ移る。
【0035】STEP6;証明評価部5において,作用
の項で説明した証明の評価値の計算方法に従い,証明P
(Ak i の評価値V′(P(Ak i )を計算する。
【0036】STEP7;証明評価値記憶部6におい
て,証明評価部5で計算された証明P(Ak i の評価
値V′(P(Ak i )を格納し,STEP5へ移る。
【0037】STEP8;証明評価値記憶部6に格納さ
れたAk (1≦k≦n)を結論とする証明P
(A k 1 ,…,P(Ak Nk(1≦k≦n)の評価値
V′(P(Ak 1 ),…,V′(P(Ak Nk)(1
≦k≦n)を用い,作用の項で説明した仮説の評価値の
計算方法に従い,仮説評価部7において仮説Ak の評価
値V(Ak )(1≦k≦n)を計算する。
【0038】STEP9;仮説評価部7で計算された仮
説Ak の評価値V(Ak )(1≦k≦n)を,仮説評価
値記憶部8において格納する。
【0039】STEP10;仮説評価値記憶部8に格納
された,仮説Ak (1≦k≦n)の評価値V(Ak
(1≦k≦n)の大小関係に従い,仮説比較部9におい
て仮説A1 ,…,An間の優先順位を判定し,その結果
を出力して終了する。
【0040】次に,証明評価部5における(上記処理S
TEP6の)より詳細な処理手順を説明する。図4は,
図2における証明評価部5での処理STEP6のより詳
細な処理を表すフローチャートである。
【0041】STEP6.1;もし証明P(A)が論理
式Aのみから構成される証明ならば,STEP6.2へ
移る。もし証明P(A)が部分証明を持つならば,ST
EP6.4へ移る。
【0042】STEP6.2;所属判定部51におい
て,論理式Aが知識格納部2に格納された論理式である
か否かを判定し,前提式評価部52において論理式Aの
重みσK (A)を計算する。
【0043】STEP6.3;証明P(A)の評価値
V′(P(A))をσK (A)として,STEP7へ移
る。
【0044】STEP6.4;部分証明抽出部53にお
いて,証明P(A)において結論となるAを導く推論ス
テップに直接前提として用いられた論理式A′1 ,…,
A′n それぞれを結論とする証明P(A)の部分証明P
(A′1 ),…,P(A′n )を証明P(A)から取り
出す。
【0045】STEP6.5;競合命題発見部54にお
いて,証明P(A)においてAを導く推論ステップに直
接前提として用いられた論理式A′j (1≦j≦n)が
表す命題に対する競合命題を表す論理式A′j * 1
…,A′j * mj(1≦j≦n)を構成する。
【0046】STEP6.6;証明構成部3において,
A′j * k (1≦j≦n,1≦k≦mj )を結論とする
証明P(A′j * k 1 ,…,P(A′j * k Nk(1
≦j≦n,1≦k≦m j )を,知識格納部2に格納され
た知識を用いて構成する。
【0047】STEP6.7;証明構成部3において構
成された証明P(A′j * k l (1≦j≦n,1≦k
≦mj ,1≦l≦Nk )を証明記憶部4に格納する。
【0048】STEP6.8;証明評価部5において,
論理式A′1 ,…,A′n それぞれを結論とする証明P
(A)の部分証明P(A′1 ),…,P(A′n )およ
びA′j * 1 ,…,A′j * mj(1≦j≦n)を結論と
する証明P(A′j * k 1 ,…,P(A′j * k Nk
(1≦j≦n,1≦k≦mj )の評価値V′(P(A′
1 )),…,V′(P(A′n ))およびV′(P
(A′j * k 1 ),…,V′(P(A′j * k Nk
(1≦j≦n,1≦k≦mj )を計算する。
【0049】STEP6.9;評価値V′(P
(A′1 )),…,V′(P(A′n ))およびV′
(P(A′j * k 1 ),…,V′(P(A′j * k
Nk)(1≦j≦n,1≦k≦mj)から,作用の項で説
明した証明の評価値の計算方法に従い,証明評価値合成
部55において証明P(A)の評価値V′(P(A))
を計算し,STEP7へ移る。
【0050】図5は,具体例に現れる証明を表す図であ
る。以下,図5を用いて,具体的に知識Kおよび競合仮
説群を与えた例について,上記手順に従った競合仮説間
の優先順位を与える過程を説明する。
【0051】知識として一段論理式の集合K K:{Dodo(Donald),In-Cage(Donald), Dodo(Donald)→Bird(Donald), Bird(Donald)→Fly(Donald), Dodo(Donald)→¬Fly(Donald), Fly(Donald) →Escape(Donald), In-Cage(Donald) →¬Escape(Donald)} が,仮説比較装置10の知識格納部2に格納されている
とする。
【0052】ただし,上記命題はそれぞれ次の意味を表
す。 Dodo(Donald):「Donaldはドードーである。」 In-Cage (Donald):「Donaldはカゴの中にいる。」 Bird(Donald):「Donaldは鳥である。」 Fly (Donald):「Donaldは飛べる。」 Escape(Donald):「Donaldは逃げる。」 また,任意の命題A,Bについて,それぞれ, A→B:「AならばB」, ¬A :「Aでない」, A∧B:「AかつB」, を表す。
【0053】単純に,知識格納部2に格納された知識K
を用いて推論した場合には,競合命題Escape(Donald),
¬Escape(Donald)が共に導かれてしまい矛盾が生じる。
ここで,仮説比較装置10に対して競合仮説Escape(Don
ald),¬Escape(Donald)が入力されたとする。仮説比較
装置10では,まず入力された競合仮説Escape(Donal
d),¬Escape(Donald)のそれぞれを仮説記憶部1に格納
する(図3のSTEP1)。
【0054】次に,未評価な仮説Escape(Donald),¬Es
cape(Donald)のうちEscape(Donald)が取り出されたとす
る(図3のSTEP2)。Escape(Donald)を結論とする証明
を構成する(図3のSTEP3)。ここでは,図5(a)で
示される証明P(Escape(Donald))のみが知識格納部2に
格納されている知識を用いて構成できる。
【0055】P(Escape(Donald))を証明記憶部4に格納
する(図3のSTEP4)。証明記憶部4に格納された未評
価な証明P(Escape(Donald))の評価値V′( P(Escape
(Donald))) を取り出す(図3のSTEP5)。
【0056】P(Escape(Donald))は,結論Escape(Donal
d)のみから構成される証明ではないので(図4のSTEP6.
1),P(Escape(Donald))においてEscape(Donald)を導
く推論ステップに直接用いられた論理式Fly(Donald) ,
Fly(Donald) →Escape(Donald)を結論とするP(Escape
(Donald))の部分証明P(Fly(Donald)) ,P(Fly(Donal
d)→Escape(Donald)) を取り出す(図4のSTEP6.4)。
【0057】Fly(Donald) ,Fly(Donald) →Escape(Don
ald)に対する競合命題¬Fly(Donald) ,¬(Fly(Donald)
→Escape(Donald)) (図4のSTEP6.5)を結論とする証
明P(¬Fly(Donald)),P(¬(Fly(Donald)→Escape(D
onald)))を構成する(図4のSTEP6.6)。
【0058】ここでは図5(b)に示したP(¬Fly(Do
nald))のみが構成可能である。P(¬Fly(Donald))を証
明記憶部4に格納する(図4のSTEP6.7)。この例で
は,P(Fly(Donald)) の反証として構成できる証明は,
P(¬Fly(Donald))のみである。逆に,P(¬Fly(Dona
ld))に対する反証もまたP(Fly(Donald)) のみしか構成
できない。
【0059】また,P(Fly(Donald)→Escape(Donald))
に対する反証は存在しない。このことからV′( P(Fly
(Donald))),V′( P(¬Fly(Donald))) ,V′( P(F
ly(Donald)→Escape(Donald)))を,作用の部分で述べた
計算方法に従い,証明評価部5で計算すれば共に“1”
となる(図4のSTEP6.8)。したがって, V′( P(Escape(Donald))) =[[V′( P(Fly(Donald))) +(1−V′( P(¬Fly(Donald))))]/2 +V′( P(Fly(Donald)→Escape(Donald)))]/2 =[[1+(1−1) ]/2+1]/2=0.75 となる(図4のSTEP6.9)。
【0060】この値をV′( P(Escape(Donald))) とし
て証明評価値記憶部6に格納する(図3のSTEP7)。証
明記憶部4に格納されたEscape(Donald)を結論とする未
評価な証明はないから,仮説記憶部1に格納された未評
価な仮説¬Escape(Donald)を結論とする証明を構成し,
証明記憶部4に格納する(図3のSTEP5,STEP2,STEP
3,STEP4)。¬Escape(Donald)を結論とする証明とし
て構成できる証明は,図5(c)に示される証明P(¬
Escape(Donald)) のみである。
【0061】P(¬Escape(Donald)) において¬Escape
(Donald)を導く推論ステップに直接用いられた論理式を
結論とする部分証明に対する反証は構成できない(図3
のSTEP5,図4のSTEP6.1,STEP6.4,STEP6.5,STEP
6.6,STEP6.7)。
【0062】したがって, V′( P(¬Escape(Donald))) =[V′( P(In-Cage(Donald))) +V′( P(In-Cage(Donald)→¬Escape(Donald)))]/2 =[1+1]/2=1 となる(図4のSTEP6.8,STEP6.9)。
【0063】この値を証明評価値記憶部6に格納する
(図3のSTEP7)。未評価な証明,および競合仮説は存
在しない(図3のSTEP5,STEP2)から,競合仮説Esca
pe(Donald),¬Escape(Donald)に対する評価値V(Escap
e(Donald))およびV(¬Escape(Donald)) を求める(図
3のSTEP8)。
【0064】V(Escape(Donald))およびV(¬Escape(D
onald)) は作用の部分で述べた計算方法に従い,以下の
ように仮説評価部7で計算される。 V(Escape(Donald)) =V′( P(Escape(Donald))) /(V′( P(Escape(Donald))) +V′( P(¬Escape(Donald)))) =0.75/ (0.75+1) =0.43 V(¬Escape(Donald)) =V′( P(¬Escape(Donald))) /(V′( P(Escape(Donald))) +V′( P(¬Escape(Donald)))) =1/( 0.75+1) =0.57 これらの値を仮説評価値記憶部8で格納し(図3のSTEP
9),仮説比較部9において,V(Escape(Donald))<V
(¬Escape(Donald)) であることから,「 Escape(Dona
ld) より¬Escape(Donald)が優先される」と判定され
る。この結果が出力される(図3のSTEP10)。
【0065】知識Kから共に導かれた競合命題Escape(D
onald),¬Escape(Donald)のうち,Escape(Donald)の証
明に対する反証が存在するため,知識Kにおいては¬Es
cape(Donald)の方が優れる結論であることが仮説比較装
置10により判定されたのである。
【0066】
【発明の効果】本発明により,不確実性を原因とし,与
えられた知識から互いに競合する仮説が共に導かれたと
き,知識がいかなる対象領域の知識であるかに依存せず
に,それら競合仮説間の優先順位を与えることが可能に
なる。以上で説明した方法により,無矛盾性が保証され
ない知識下での推論において互いに競合する結論が同時
に得られても,より信頼性の高い結論を選択することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成図である。
【図2】仮説比較装置を構成する各機能部間のデータの
流れを表す図である。
【図3】仮説比較装置における処理手順を表すフローチ
ャートである。
【図4】図3に示すSTEP6の詳細な処理手順を表す
フローチャートである。
【図5】本発明の実施例による具体的な証明の例を表す
図である。
【符号の説明】
1 仮説記憶部 2 知識格納部 3 証明構成部 4 証明記憶部 5 証明評価部 6 証明評価値記憶部 7 仮説評価部 8 仮説評価値記憶部 9 仮説比較部 10 仮説比較装置 11 記憶部 12 推論部 20 入力装置 30 ディスプレイ 51 所属判定部 52 前提式評価部 53 部分証明抽出部 54 競合命題発見部 55 証明評価値合成部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに競合する仮説に事前に与えられた
    知識に基づいて計算される評価値を与え,その値がより
    大きい仮説を優先するという順位を用い,競合仮説間の
    事前に与えられた知識下における優先順位を与える仮説
    比較装置であって,評価対象となる互いに競合する仮説
    群を表す論理式の集合に対して,その論理式を結論とす
    る証明を構成する証明構成手段と,証明およびそれに含
    まれる論理式が与えられたとき,その論理式を結論とす
    る与えられた証明の部分証明を切り出し,また与えられ
    た論理式に対応する命題の競合命題を表す論理式を構成
    し,部分証明および競合命題に対して評価した評価値か
    ら,与えられた証明の結論のその証明に対する評価値を
    計算する証明評価手段と,前記証明評価手段により計算
    された証明に対する評価値を用い,各仮説に対する評価
    値を計算する仮説評価手段と,各仮説の評価値の大小関
    係に従い,仮説間の優劣を判定し,その結果を提示する
    仮説比較手段とを備えることを特徴とする仮説比較装
    置。
  2. 【請求項2】 互いに競合する仮説に事前に与えられた
    知識に基づいて計算される評価値を与え,その値がより
    大きい仮説を優先するという順位を用い,競合仮説間の
    事前に与えられた知識下における優先順位を与える仮説
    比較装置であって,評価対象となる互いに競合する仮説
    群を表す論理式の集合を格納する仮説記憶部と,論理式
    の集合として表現された知識を格納する知識格納部と,
    論理式が与えられたとき,前記知識格納部に格納された
    知識を用い,その論理式を結論とする証明を構成する証
    明構成部と,前記証明構成部において構成された証明を
    格納する証明記憶部と,論理式が与えられたとき,その
    論理式が前記知識格納部に含まれる論理式であるか否か
    を判定する所属判定部と,論理式が与えられたとき,前
    記所属判定部の判定に従い,その重みを与える前提式評
    価部と,証明およびそれに含まれる論理式が与えられた
    とき,その論理式を結論とする与えられた証明の部分証
    明を切り出す部分証明抽出部と,論理式が与えられたと
    き,その論理式に対応する命題の競合命題を表す論理式
    を構成する競合命題発見部と,部分証明に対する評価値
    が与えられたとき,その部分証明を含む証明の評価値を
    計算する証明評価値合成部と,前記所属判定部,前記前
    提式評価部,前記部分証明抽出部,前記競合命題発見部
    および前記証明評価値合成部を副機能部として持ち,証
    明が与えられたとき,その証明の結論のその証明に対す
    る評価値を計算する証明評価部と,前記証明評価部にお
    いて計算された証明の評価値を格納する証明評価値記憶
    部と,前記証明評価値記憶部に格納された証明に対する
    評価値を用い,各仮説に対する評価値を計算する仮説評
    価部と,前記仮説評価部で計算された各仮説に対する評
    価値を格納する仮説評価値記憶部と,前記仮説評価値記
    憶部に格納された各仮説の評価値の大小関係に従い,仮
    説間の優劣を判定し,その結果を提示する仮説比較部と
    を備えることを特徴とする仮説比較装置。
  3. 【請求項3】 互いに競合する仮説に与えられた知識に
    基づいて計算される評価値を与え,その値がより大きい
    仮説を優先するという順位を用い,競合仮説間の事前に
    与えられた知識下における優先順位を与える計算機シス
    テムにおける仮説比較処理方法において,事前に与えら
    れた論理式の集合として表される知識に含まれるか否か
    に従い,証明の注目する前提となる論理式に対する評価
    値を計算する処理過程と,注目する証明の前提となる論
    理式に対する評価値およびその証明に対して再帰的に与
    えられる反証群に対する評価値により,注目する証明に
    対する評価値を計算する処理過程と,注目する仮説を表
    す論理式を結論とする証明群に対して前記処理過程によ
    り与えられる評価値,および注目する仮説の競合仮説を
    表す論理式を結論とする証明群に対して前記処理過程に
    より与えられる評価値により,注目する仮説の評価値を
    計算する処理過程とを有し,各競合仮説間の優先順位を
    計算することを特徴とする仮説比較処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016067550A1 (ja) * 2014-10-29 2016-05-06 株式会社デンソー 危険予測装置、運転支援システム
JPWO2020044413A1 (ja) * 2018-08-27 2021-08-12 日本電気株式会社 仮説推論装置、仮説推論方法、及びプログラム

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US11934970B2 (en) 2018-08-27 2024-03-19 Nec Corporation Abduction apparatus, abduction method, and computer-readable recording medium

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