JPH08129025A - 3次元画像処理流速計測方法 - Google Patents

3次元画像処理流速計測方法

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JPH08129025A
JPH08129025A JP26578194A JP26578194A JPH08129025A JP H08129025 A JPH08129025 A JP H08129025A JP 26578194 A JP26578194 A JP 26578194A JP 26578194 A JP26578194 A JP 26578194A JP H08129025 A JPH08129025 A JP H08129025A
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tracer
calculated
dimensional
image processing
correlation coefficient
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JP26578194A
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Yoshihiro Namiki
好広 並木
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Mitsubishi Space Software Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は3次元画像処理流速計測方法に関
し、特に、トレーサ粒子を流れ場に投入することにより
可視化した流れ場を複数のカメラで同時撮像し、デジタ
ル画像処理を行うことにより3次元流速計測を行うこと
を目的とする。 【構成】 本発明による3次元画像処理流速計測方法
は、各カメラ(2)からの画像データ(2a)を小領域に区分
し、小領域と基準位置の小領域における各画像データの
相関係数を算出し、この相関係数を移動予想位置の小領
域の基本確率とみなし、3次元座標と対応付けを行い、
デンプスターの結合規則を用いて各位置ごとの基本確率
を統合し、移動位置を距離差及び撮影時間差から3次元
の速度成分を測定する構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3次元画像処理流速計
測方法に関し、特に、トレーサ粒子を流れ場に投入する
ことにより可視化した流れ場を複数台のカメラで同時に
撮影し、デジタル画像処理を行うことにより3次元流速
計測を行うための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】複数台のカメラを用いた3次元の流速計
測では例えば特開平5−34365号公報に記載のよう
に、シート光発生のための光学装置及びカメラに特殊な
回転機構を設けて、3次元性の強い流れを計測するもの
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術は、特
殊な光学装置及び回転機構付きのカメラを必要とすると
共に、測定場として矩形型水路が前提のため、カメラに
対し垂直方向の流れの測定は前後のシート光間隔で制約
を受けると云う問題があった。また上記技術以外に、複
数のカメラの撮影データに関しステレオ写真法により、
対象位置を算定すると計測誤差により、各カメラからの
算定位置が一致しない過誤発生の問題もあった。
【0004】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、特に、特殊な光学系装置及び回転
機構付きのカメラを必要とせず、流れの場に関する制約
のない簡易な設備で過誤発生の少ない3次元流速計測を
行う3次元画像処理流速計測方法及び装置を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による3次元画像
処理流速計測方法においては、複数台のCCDカメラ、
同期ユニット、画像処理ボード及びコンピュータからな
る3次元画像処理流速計測装置において、前記各カメラ
からの画像データを小領域に区分し、小領域の画像デー
タと、基準位置の小領域に対する画像データとの相関係
数を算出し、算出した相関係数を移動予想位置の小領域
の基本確率とみなし、3次元座標と対応付けを行い、デ
ンプスターの結合規則を用いて各位置ごとの基本確率を
統合し、最大の基本確率となった小領域を移動位置と
し、前記基準位置に対する移動位置の距離差及び撮影時
間差から3次元の速度成分を測定するようにした方法で
ある。
【0006】さらに詳細には、前記小領域の区分を、ト
レーサの分割面に適用し、移動先におけるトレーサの各
分割面と基準位置におけるトレーサの指定した分割面と
の相関係数を算出し、算出した相関係数をトレーサの移
動先における指定した分割面の回転位置の基本確率とみ
なし、デンプスターの結合規則を用いて、各分割面ごと
の基本確率を統合し、最大の基本確率となった分割面を
回転位置とし、前記基準分割面に対するトレーサの回転
角度、及び撮影時間差から回転角速度成分を計測するこ
とを特徴とする請求項1記載の3次元画像処理流速計測
方法。
【0007】
【作用】本発明による3次元画像処理流速計測方法にお
いては、複数台のCCDカメラ、同期ユニット、画像処
理ボードとコンピュータの装置構成で、各カメラからの
画像データを小領域に区分し、小領域のトレーサ密度分
布に関する画像データと、基準位置の小領域のトレーサ
密度分布に関する画像データとの相関係数を算出し、算
出した相関係数を移動位置の基本確率とみなし、3次元
座標と対応付けを行い、デンプスターの結合規則を用い
て各位置ごとの基本確率を統合し、最大の基本確率とな
った小領域を移動位置と判定する。このように判定した
移動位置は小領域大きさ分の誤差を含んだものとなるの
で、移動位周辺の相関係数の分布を2次関数で近似し、
2次関数の最大値地点の座標を最終的な移動位置とす
る。もとの位置と最終的な移動位置の距離差と撮影時間
差から基準位置の小領域における3次元の速度成分の測
定を行うことができる。
【0008】
【実施例】以下、図面と共に本発明による3次元画像処
理流速計測方法の好適な実施例について詳細に説明す
る。まず、本発明による3次元画像処理流速計測方法の
説明に入る前に、デジタル画像処理技術を用いて流速計
測を行う場合について述べる。近年、デジタル画像処理
技術を用いて流れの可視化画像から定量的な情報を取り
出そうとする研究が盛んに行われ、研究成果を用いた2
次元画像処理流速計測装置については一部製品化されて
いる。最近では2次元画像処理流速計測より多くの情報
が得られる3次元画像処理流速計測へと研究は進んでい
る。画像処理流速計測はその原理より流れ場に投入した
個々のトレーサを時々刻々追跡して流体の局所の速度を
計測するPTV(Particle Tracking Velocimetry)
と、異なる時刻でのトレーサの分布パターンの類似性に
より流体の局所の速度を計測するPIV(Particle Ima
ging Velocimetry)がある。PIVは原理的にPTVよ
りもトレーサの空間密度の高い速度ベクトルの計測が可
能であり、流れ場の既知情報をあまり必要としない特長
があり、流速計以外の3次元画像処理計測への応用範囲
も広い(ロボットのテーチング、振動計測、生体計測、
微生物観察等)。しかしながら誤った速度ベクトル(過
誤ベクトル)発生がPTVより高く、特に3次元PIV
(以下3D−PIVと称する)の場合、その影響が大き
い。また複数台のカメラまたはステレオカメラを用いて
3次元計測を行なった場合、各カメラの撮影データから
算定したトレーサ位置は計測誤差等により一致しないと
ともにトレーサの対応付けの誤り発生も指摘されてい
る。これら問題に対し、現在研究されている3D−PI
Vの手法では特殊な光学装置を用いて画面を2分割し、
カメラ1台で撮影し、周知のニューラルネットワークに
よる過誤ベクトル補正により対処することが提案されて
いる。しかしながら実用化する上では特殊な光学装置が
必要となる上に計測対象範囲が矩形型水路モデルに限定
される。一方、軍事システム等の情報処理システム(In
telligent System)の分野においては、複数個の精度の
低いセンサからの観測対象に関するデータに対しデータ
融合を行い、データの不完全性を補完し、観測精度を高
めるデータ融合の手法が研究されている。特に最近では
従来のベイズの定理による手法の欠点を克服したデンプ
スターシェーファー論理によるデータ融合手法を適用し
た情報処理システムが盛んに研究されている。そこで3
D−PIVにおける複数カメラからの撮影データを情報
処理システムのセンサデータと等価なものとみなし、デ
ータ融合の手法を適用することにより複数カメラからの
撮影データの対応付けを行い。過誤ベクトルの発生を防
止するデータ融合による3D−PIV実現手法(以下、
本手法と称する。)について提案するものである。本手
法により、特殊な光学装置を必要とせず、計測対象範囲
も限定しない3D−PIVが実現可能と考えられ、さら
に、従来の3D−PIVでは原理的に計測できないトレ
ーサの回転角度計測が可能になる。従って、以下に、本
手法の基本計測原理及び応用案としてトレーサ回転角度
の計測要領について説明する。
【0009】本発明ではPIVの基本原理としてトレー
サの分布パターンの類似性を時空間相関法で計測する。
そこで基本計測原理説明の準備として時空間相関法につ
いて説明すると共に、データ融合の手法を適用するので
このデータ融合の概要についても説明する。 時空間相関法 時空間相関法(spatio tempotal correlation method)
による速度ベクトルの計測は周知のように、空間的に狭
い領域で対象とする画像中の物体の形状及び速度が一定
であること(局所的定常性)を前提に次の通り定義され
ている。ここでは説明を簡単にするため画像関数が1次
元の場合を示す。図1に示す画像関数f(x,t)が局所的
定常性を満たせば、次の(1)式で示す時空間相関関数R(x
0,△x,τ)(以下、相関関数と称す。)が最大値となる
時間τ1agは2点x0,x0+△x間のf(x,t)の波形の時
間差(遅れ時間)を表している。
【0010】
【数1】
【0011】この時の相関関数の分布を図2に示す。τ
は画像関数fが速度vで距離△xだけ移動する時間を表
す。したがって点x0での画像関数の移動速度v、距離
△x、遅れ時間τ1agとの関係は次式となる。 v=△x/τ1ag (2)式 このように図2に示す時空間相関関数より得られる情報
から速度を求める手法を時空間相関手法と定義されてい
る。
【0012】次に、周知(情報処理学会論文誌、VO
L.35,No.6,1994に開示)のデータ融合及
びデンプスター(Dempster-Shafer)理論の概要につい
て述べる。データ融合の目的は、観測対象に関する複数
データを利用し、対象の探知識別や状況の理解のための
有意な情報を効果的に抽出することにある。種々の電磁
スペクトルのセンサデータや観測員からのレポートな
ど、ある一つの対象に関する複数データを融合して、デ
ータの不完全性の補完、精度の向上及び信頼度の向上を
図り、観測対象から得られる情報の確からしさを改善す
るものである。データ融合システムの一例を図4に示
す。環境・観測対象1、センサシステム2、データ融合
プロセス3、融合データ/知識・状況データベース・知
識ベース4A、意志決定プロセス4、対応手段5、セン
サ管理6及び環境・観測対象1へのフィードバックルー
プから構成される。データ融合プロセス3はアソシエー
ション3A、追尾3B及び推論・結合3Cの3つの機能
ブロックで構成される。アソシエーション3Aは新しい
データと既存データの関連づけ、または新しいデータ間
の関連づけを行う。追尾3Bは観測対象1の状態推定を
行い継続的な追尾を行う。推論・結合3Cは関連づけた
データを保有知識を基に推論し、結合して意志決定プロ
セス4に必要な確度の高い結論を得る。アソシエーショ
ン3A及び追尾3Bに関しては、相関ゲート、距離測
度、最大尤度法などの確率統計的仮説検定法、またはカ
ルマンフィルタなどの状態推定モデルが用いられてい
る。推論・結合3Cではセンサシステム2から証拠とし
て報告された観測対象1の状態または識別の推定量を確
率(ベイズ確率)、確率区間(デンプスター理論)また
はファジイ集合(ファジイ理論)等で表現し、ベイズモ
デル、プロダクションシステム(ルールベース推論)ま
たは証拠的推論等を用いて結合する。
【0013】前記デンプスター理論は、1967年にデ
ンプスター(Dempster)が提案し、そのの後シェーファ
ー(Shafer)がエキスパートシステムの不確実性測度と
しての重要性を認めて体系化したものである。ベイズの
確率では仮説集合の各要素に確率値が割当られるがデン
プスター理論では集合内の各要素を自由に動ける確率質
量を新しい確率の概念として定義した。情報(証拠)を
仮説空間上の信頼度(belief)として、下界確率と上界
確率との間の確率区間で表す。下界確率(確度)は証拠
が仮説を支持する度合い、上界確率(尤度)は仮説につ
いて反証できない度合いを表す。これらの証拠をデンプ
スターの結合則によって結合することにより、複数の独
立的な証拠に基づく融合結果を得ることができる。ま
た、前述のベイズの確率に対し次の欠点が指摘されてい
る。証拠または仮説の確率決定に必要な統計データまた
は首尾一貫した条件確率が得られない場合適用すること
ができない。知識の欠如(無知)と不信用とを区別でき
ない。これに対しデンプスター理論では、無知すなわち
知らないということを明確に表現し、不信用すなわち信
用しないということを区別することができるものであ
る。
【0014】次に、前述の各前提説明に基づき、本発明
におけるデータ融合による3D−PIVシステムについ
て図5と共に述べる。なお、前述の説明と同一又は同等
部分には同一符号を用いて説明する。すなわち、計測対
象であるトレーサ粒子群からなる計測対象1は複数のC
CDカメラ2で撮像され、計測ウィンドウ設定部10か
らの計測ウィンドウ10aによりウィンドウ設定された
各相関処理部11へ画像データ2aが入力され、各相関
処理部11の出力11aがデータ融合処理3へ入力さ
れ、その処理結果3aが速度ベクトル算定処理部12で
処理され、速度ベクトル信号12aとして出力される。
なお、この各CCDカメラ2には、図示しない同期ユニ
ット、画像処理ボード及びコンピュータが接続されてい
る。
【0015】以下に、実際の動作について述べる。ま
ず、基本的に3台以上のCCDカメラ2を用いて計測対
象1を同時撮影する。あらかじめ流速を計測したい場所
を3次元の計測ウィンドウの中心座標と幅で定義し、各
カメラ2の撮影データごとに、計測ウィンドウ10aの
投影範囲内の撮影データ各小領域の画像データと、撮影
時間間隔△t時間後の撮影対象の移動予想位置周辺の撮
影データとの相関処理を行い、各カメラ2ごとの相関係
数を算出する。相関係数を予想位置に対する各カメラ2
からの情報の信頼度とみなし、各カメラ2からの相関係
数をデータ融合し、融合した結果、相関係数の最も高い
予想位置を△t時間後の撮影対象1の移動位置と判定す
る。この判定結果に基づき速度ベクトル(vx,vy,vz)を
算定する。
【0016】以下、前記3D−PIVシステムの各構成
要素の基本処理内容について説明する。 計測ウィンドウ設定部10の初期値の設定 初期値の設定について述べる。初期値として設定する値
を図6に示す。流速を計測したい場所(局所部分)の中
心座標を3次元座標0(X0,Y0,Z0)で定義する。相関係
数を算定する範囲を3次元計測ウィンドウとしてXY
面、YZ面及びZY面を形状・面積の等しい正方形の辺
の長さmで定義する。ここで定義した3次元の計測ウィ
ンドウを以後、TRW(トラッキングウィンドウ)と称
す。また計算時間短縮のため流速ベクトルの予想値V0
(vx,vy,vz)をあらかじめ設定する。TRWの△時間後
の移動位置を捜索する(相関をとる)対象の3次元ウィ
ンドウを以降、TGW(ターゲットウィンドウ)と称す
る。TGWはTRWの中心座標と流速ベクトルより算定
した予想位置の周辺に3次元マトリクス状に複数個設置
する。
【0017】カメラ座標への変換 前述で定義したTRW、及びTRWと速度ベクトルより
算定するTGWをそれぞれのカメラ座標系に変換する。
座標変換は写真測量に用いる共線条件による次式により
行う。あらかじめ既知の基準点情報によりカメラの姿勢
角及び焦点距離を、非線形連立方程式を非線形最小2乗
法で解くことにより算定し、カメラ映像内の座標(x,
y)を次式で算定する。
【0018】
【数2】
【0019】相関処理 まず、相関値算定について述べる。(3),(4)式により3
次元のTRW及びTGWは2次元座標系へ投影される。
投影された2次元のウィンドウに対し2次元の時空間相
関手法を適用し、各TRWとTGWのペアに対する相関
係数を算出する。いまカメラ座標系に変換したTRW、
TGWをtrw,tgwと記す。trwの座標x,yの小領域の
画像関数をf(x;y)、trw上の空間位置をずらした点(x1,
y1)を中心としたn2個の小領域を設定し、その領域の画
像関数値(濃度レベル)をf1と記する。次にtgwの分布
関数をg(x,y)、tgw上の空間位置をずらした点(x1,y1)
を中心としたtrwと同じ大きさの小領域をtrwと同数設定
し、その領域の画像関数値(濃度レベル)をg1とす
る。従って、trwに対するtgw(x,y)の相関係数は次の(5)
で算定できる。なお、このtrwとtgwの相関係数算出は図
7で示すように行われる。
【0020】
【数3】
【0021】相関係数の検定について述べる。ノイズ等
により実際と全く異なった場所に対し、相関係数がRfg
>0となる場合がある。そこで、(5)式で算出した相関
係数はtrwに対する真情報のtgwにおける点推定値と考
え、Rfg(s,y)を次式(6),(7)で正規分布関数値に近似
して、有意水準αに基づき検定を行い、検定を満たす相
関係数のみ採用する。
【0022】
【数4】
【0023】以上の処理をtrwとtgwのペアの数分行い、
(7)式の検定の結果採用したRfg(x,y)値をTGW(X,Y,
Z)に対応づける。すなわち、3次元のTGWはカメラ数
をa、ペアとなったTRW数をbとすると最大a×b個
のRfg(x,y)値を対応づけて保有することになる。これ
らの値をTRWの移動位置推定のための情報として活用
することを次項で説明する。
【0024】データ融合について述べる。前述の相関処
理によりTGWには各カメラごとのTRWとの相関係数
が対応づけられている。相関係数をTGWに対する各カ
メラからの情報の信頼度とみなしデンプスターの結合則
によりデータ融合を行い、全カメラからの信頼度を融合
した結果、信頼度の最も高いTGWをTRW内のトレー
サの△t後の移動位置と判定する。デンプスターの結合
則成立のためには次の条件を満たさなければならない。
すなわち、A0を有限な全集合、A1(i=1,2,・・・)をその
部分集合とすると基本確率(確率質量)m(A1(i=0,1,・・
・)は〔0,1〕の値をとり、次の条件を満たす。
【0025】
【数5】
【0026】前述のデンプスターの結合則を相関結果に
適用するためにいまTRW1に対し相関の得られたTG
WをTGWi(i=1,・・・n)と記する。TRWの移動先の
TGWについて、次の仮説が可能と考えられる。仮説の
全集合をH0={H1,H2,・・・}とすると H1: {TGW1} : Hn: {TGWn} Hn+1: {TGW1またはTGW2または・・・ま
たはTGWn} 仮説に対する基本確率(確率質量)にRfg(x,y)値を対
応させるために次の(9)式で変換を行い、(8)式の条件を
満たすようにする。TGWiのRfg(x,y)をRfg(TGW
i)の様に表記する。
【0027】
【数6】
【0028】各カメラ2は同期して同一対象に対する撮
影を行いデータを取り込むが、それぞれカメラ2ごと別
系統で計算機に入力する。したがって各カメラ2からの
データはそれぞれ独立と考える。いまカメラ2が3台と
するとカメラA→カメラB→カメラCの順で結合すると
すると、m1,m2を独立な証拠に基づいて得られたカメ
ラA、カメラBのそれぞれの基本確率として、カメラA
のデータに対する相関処理の結果TRW1の移動位置が
TGW1する仮説をH11と記す。すなわちカメラA,B
からTGWi(i=1,・・・n)をTRW1の移動位置とする
仮説H11,H21はそれぞれ焦点要素とするとカメラA,
Bの結合後の各の基本確率は次の(10)式で算定される。
【0029】
【数7】
【0030】カメラA,Bの結合結果に基づきTRWi
(i=1,・・・n)をTRW1の移動位置を仮説H121と記す。
次にカメラ3との結合後の基本確率は同様に次の(11)式
となる。
【0031】
【数8】
【0032】前述の(11)式の結果に基づき基本確率の一
番高い仮説を採用する。さらに現在対象にしているTR
W1とは別のTRW2との相関係数による仮説の基本確
率m4(H1)をH1の否定情報H1バーとして(10)式と同様
に結合し、さらに基本確率の精度を高めることができ
る。またカメラ配置が3台の場合、互いに3次元座標系
の中心にカメラ中心線が直角に交差するのが理想的であ
るが、実際には2台のカメラが近接して配置する場合も
考えられる。あるカメラを中心に考えると近くに配置
(直角に交差する割合が低い)されたカメラからの情報
の価値は遠方(直角に交差する割合が高い)に配置した
カメラからの情報より低いと考えられる。この場合、(1
0),(11)式を適用すると情報価値の高い遠方のカメラ情
報の信頼値を結合することにより低下させてしまう恐れ
がある。そこで文献、周知のシステム制御情報学会論文
誌、VOL.17,No.5,1994に示される手法
を用いてデンプスターの結合則に現実の知識に近い形の
ものを用いる。例えば、前述のカメラ3台の時、カメラ
1とカメラ2を近接して配置した場合カメラ1とカメラ
2が同じTGWiをTRWの移動先とする仮説に対する
基本確率に関し m12(Hi)=max(m1(Hi),m2(Hj)) (i=j時) (12) (max:最大値を選択) という条件式を(10)式に追加する。
【0033】計算例 表1にTRW1に対するTGW1〜TGW3のカメラ3
台の信頼値を示す。カメラAとカメラBの結合結果を表
2に示す。表中のUは不明(仮説Hn+1)の場合を表
す。表2の結果より基本確率はTGW1=0.18、T
GW2=0.29、TGW3=0.45、U=0.08と
なる。表3にカメラ3台を結合した場合の結果を示す。
最終的な基本確率はTGW1=0.13、TGW2=0.
26、TGW3=0.57、U=0.04となり、TRW
の移動先はTGW3の位置と判定する。さらに参考値と
してTRW2に対するTGW1〜TGW3の信頼値(T
RW1に対する否定情報)が得られたとして、表3の値
と結合することにより基本確率はTGW1=0.12、
TGW2=0.24、TGW3=0.52、TGW1=
0.02、TGW2=0.04、TGW3=0.02、U
=0.04となり、TGW3の信頼値が一番高いことに
変化ない。結合結果を表4に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】速度ベクトル算定 まず、移動位置の補正について述べる。相関係数はTG
W間隔の離散的な値となり、最大相関係数も真の値より
小さくなる。そこで移動位置の算定精度を上げるために
周辺TGWの相関係数値を用いてTGWの中心座標の補
正を行う。XYZ軸の各軸方向ごと前後のTGWの相関
係数値により、相関係数の分布を2次関数で近似し、2
次関数の各軸上の最大地点をその軸の補正したTRWの
中心移動座標とする内挿補間を行う。図8,9に近接T
GWとの関係を示す。
【0039】次に、速度ベクトルの算定について述べ
る。前述のように補正したTRWの中心移動座標(Xc,Y
c,Zc)、TRWの中心座標(X0,Y0,Z0)及び撮影時間間
隔△tから次の(12)式によりTRWの速度ベクトル(V
x,Vy,Vz)を算出する。
【0040】
【数9】
【0041】なお、本式に関しては座標の計測誤差に対
し非常に敏感なため、周知のカルマンフィルタを用いた
手法が改善方式として提案されている。本手法において
はデータ融合により誤差が最小限となる前提で、あわせ
て計算時間を短縮するため前述の(13)式を速度ベクトル
算定に用いる。
【0042】他の実施例として、前述の計測原理の考え
を適用することで従来の3D−PIVではできなかった
トレーサの回転角度計測の要領について簡単に説明す
る。説明を簡単化にするため次の前提を設ける。カメラ
3台がそれぞれX軸、Y軸及びZ軸上に配置するものと
する。したがってカメラ3台からXY面、YZ面及びX
Z面の3面の撮影データが得られる。TGWは3.の手
法により、すでにTRWと対応つけられたものとする。
トレーサは3次元のウィンドウ中に1つ存在し、ウィン
ドウより小さいものとする。またトレーサのある面は他
の面と異なった画素特性を持ち、TRWからTGWに移
動する間に半回転以上しないものとする。いまTRWの
XY面、YZ面、ZX面を中心から上下に分割し特徴的
な分割面と他の分割面との相関係数を(5)式により算定
すると図10に示すようななだらかな特性曲線を各軸ご
と有するものとする。
【0043】回転角度計測の原理 TRWがTGWに移動するまでの間に回転したとする
と、TRWの特徴的な面との相関係数値が一番高いTG
Wの面がTRWの回転方向と考えられる。そこでTRW
1面とTGW6面との相関係数を(5)式により算定し、
(6),(7)式により検定を行う。その結果TRWの分割面
AiとTGWの分割面Biとの間に次の仮説が得られ
る。いまA1に対し相関の得られたTGW面をBi(i=
1,・・・,n)と記する。仮説の全集合をH0={H1,H2,・・
・}とすると H1: {B1} : Hn: {Bn} Hn+1: {B1またはB2または・・・またはB
n} すなわち、前述のデータ融合の場合と同じ条件であるの
で、(9)式によりBi(i=1,・・・,n)の基本確率m1(B
i)を算定し、基本確率が最大な分割面BiがA1の移
動先と判定する。さらにトレーサにA1以外に特徴的な
分割面Ajがあれば、TGWの全ての分割面に対し上記
要領で基本確率mj(B1)を算定し(10),(11)式のデン
プスターの結合則を用いて精度を高めることができる。
移動先のBiを判定したら、ここではカメラ2の各軸と
の成す角度から0度、90度、180度、270度の4
点しか相関係数が得られないため図10の相関係数の分
布曲線を2次関数で近似してX軸、Y軸、Z軸の最大値
地点の角度を内挿補間し、回転角(ω,ψ,κ)を算定
する。なお、この回転角度(Vω,Vψ,Vκ)は次の(1
3)式にて算出する。
【0044】
【数10】
【0045】従来の3D−PTVの手法で乱流計測を行
う場合、トレーサ粒子は乱れの最高周波数の運動まで十
分追従し、かつ乱れのミクロな長さスケールに対してト
レーサ径を小さくする必要があった。したがってトレー
サ粒子に対する条件は非常にきびしく、PIVによる乱
流計測実現の一つの制約でもある。そこで、本応用案を
活用し、トレーサ粒子が乱流に対し、ある程度大きくて
も渦のエネルギーをトレーサ粒子の回転運動に対する影
響として検知できるため、従来の3D−PTVのように
直接トレーサの回転線跡を確認しなくても、トレーサの
回転運動発生箇所を乱流発生箇所として検知可能であ
る。したがって、PIVの乱流計測に対する適用範囲を
広げることが可能となる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、特殊な光学系装置及び
回転機構付きのカメラを必要とせず、流れの場に関する
制約もなく簡易な設備で過誤発生も少ない3次元流速計
測を行うことができ、実験設備の経済化が図れる。また
X,Y,Z軸をそれぞれ含むトレーサ面の相関係数を使
用するため、トレーサ面に画像上の特徴さえあればトレ
ーサの回転角度も計測可能であり、従来の画像処理流速
計測装置では計測できない角度に関するパラメータの測
定が可能である。また、データ融合の手法の適用によ
り、従来3D−PIVに比して、計測精度の向上、計測
対象範囲の拡大及び計測パラメータ種類の増加が図れ
る。また、時空間相関法の適用により、トレーサの制限
をあまり受けないため、流速計測以外の3次元画像処理
計測分野への応用範囲を広くすることができる。さら
に、3台以上のCCDカメラ及び画像処理ボード付きの
パソコンで実現可能なため小回りのきく3次元画像処理
計測装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像関数を示す構成図である。
【図2】画像関数を示す構成図である。
【図3】時空間相関関数を示す構成図である。
【図4】データ融合システムを示すブロック図である。
【図5】本発明による3D−PIVシステムを示すブロ
ック図である。
【図6】計測ウィンドウの初期値設定を示す構成図であ
る。
【図7】相互相関値算出を示す構成図である。
【図8】移動位置の補正における近接TGWとの関係を
示す構成図である。
【図9】移動位置の補正における近接TGWとの関係を
示す構成図である。
【図10】トレーサ各面との相関特性を示す特性図であ
る。
【符号の説明】
2 CCDカメラ 2a 画像データ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数台のCCDカメラ(2)、同期ユニッ
    ト、画像処理ボード及びコンピュータからなる3次元画
    像処理流速計測装置において、前記各カメラ(2)からの
    画像データ(2a)を小領域に区分し、小領域の画像データ
    と、基準位置の小領域に対する画像データとの相関係数
    を算出し、算出した相関係数を移動予想位置の小領域の
    基本確率とみなし、3次元座標と対応付けを行い、デン
    プスターの結合規則を用いて各位置ごとの基本確率を統
    合し、最大の基本確率となった小領域を移動位置とし、
    前記基準位置に対する移動位置の距離差及び撮影時間差
    から3次元の速度成分を測定することを特徴とする3次
    元画像処理流速計測方法。
  2. 【請求項2】 前記小領域の区分を、トレーサの分割面
    に適用し、移動先におけるトレーサの各分割面と基準位
    置におけるトレーサの指定した分割面との相関係数を算
    出し、算出した相関係数をトレーサの移動先における指
    定した分割面の回転位置の基本確率とみなし、デンプス
    ターの結合規則を用いて、各分割面ごとの基本確率を統
    合し、最大の基本確率となった分割面を回転位置とし、
    前記基準分割面に対するトレーサの回転角度、及び撮影
    時間差から回転角速度成分を計測することを特徴とする
    請求項1記載の3次元画像処理流速計測方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2185481A1 (es) * 2001-03-19 2003-04-16 Univ Madrid Carlos Iii Equipo de velocimetria por correlacion de imagenes con reduccion de los errores asociados a gradientes de velocidad y a bordes de la ventana de interrogacion.
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CN100385242C (zh) * 2005-08-11 2008-04-30 北京航空航天大学 三切面体视粒子图像测速系统
US20140168424A1 (en) * 2011-07-21 2014-06-19 Ziv Attar Imaging device for motion detection of objects in a scene, and method for motion detection of objects in a scene
CN103984936A (zh) * 2014-05-29 2014-08-13 中国航空无线电电子研究所 用于三维动态目标识别的多传感器多特征融合识别方法
JP2016057084A (ja) * 2014-09-05 2016-04-21 株式会社ジェイテクト 流速計測方法

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