JPH08128899A - 分光画像収集装置 - Google Patents

分光画像収集装置

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JPH08128899A
JPH08128899A JP29221694A JP29221694A JPH08128899A JP H08128899 A JPH08128899 A JP H08128899A JP 29221694 A JP29221694 A JP 29221694A JP 29221694 A JP29221694 A JP 29221694A JP H08128899 A JPH08128899 A JP H08128899A
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wavelength
tunable filter
wavelength tunable
filter
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JP29221694A
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Satoshi Kawada
聡 河田
Sadahiro Takemoto
禎広 竹本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】分光被検体としての物体に制約を課すことがな
く、また、任意の波長の分光画像を得られるようにして
汎用性をもたせること、特に顕微画像分光に好適な分光
画像収集装置を提供することを目的とする。 【構成】物体の原像(3)を第1のレンズ系(4)によって
波長可変フィルタ(5)に結像する。フィルタ(5)で分光
された透過像は第2のレンズ系によって撮像手段の光電
面(8)に結像する。波長可変フィルタ(5)を波長変化方
向に移動し、複数の画像(I1,I2,I3,…)をメモリ
(11)に記憶する。波長を指定し、メモリ(11)の画像情報
を処理して分光画像(S1,S2,…)を再構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分光画像収集装置に関
し、特に、汎用性があり小型化できかつ取扱いが容易
で、とりわけ顕微画像分光に好適な分光画像収集装置に
関する。
【0002】
【従来の技術と問題点】画像分光法は、2次元の空間軸
(画像)に波長軸を加えた3次元データより、物体・物質
の分析を行うものである。画像のもつ空間情報と、光と
物体・物質との相互作用であるスペクトル(吸収、反
射、蛍光等)により、形状、濃度分布、定性・定量分
析、成分パターンなど、様々な情報を得ることができ
る。利用されている分野も広く、顕微鏡をもちいた微細
領域の分析・測定をはじめ、望遠鏡による天体の分析や
航空機による森林資源、海洋資源の分布測定などが挙げ
られる。原理も単に干渉フィルタを用いただけのものか
ら、回折格子型分光器と結像光学系の組合わせ、フーリ
エ画像分光法など多様な手法が知られている。
【0003】ここでは主に利用されている顕微画像分光
を例にすると、一般に、顕微画像分光法では、顕微鏡の
照明光学系に干渉フィルタを挿入し、単色化した照明光
を試料に照射して分光画像を得る手法が用いられる(例
示として「分光撮像装置」と題する特開昭63−269
875号公報の技術が知られている)。この単色光照射
により得られる透過像または反射像より、その波長の光
を吸収するあるいは反射する物質の分布がわかる。顕微
分光法が検出器としてポイントディテクタを用いるのに
対し、顕微画像分光法ではテレビカメラなどのイメージ
センサを用いることになるため、走査すべき軸は波長方
向のみとなる。つまり波長走査は、干渉フィルタを短い
波長のものから長い波長のものに、順次交換することに
より行う。顕微画像分光法では、結果が画像しとして得
られるため非常に直感的なデータが得られることにな
る。例えば透過顕微鏡の場合、観測波長で吸収の多い物
質の分布状態が画像として得られることになる。得られ
る3次元データより、数学的に成分パターンを推定する
方法や固有値解析により成分数を求める手法も知られて
おり(特開平1−242941号公報)、顕微画像分光法
を用いる利点は医学、薬学、解剖学、生物学、化学、電
子工学など広範な分野で非常に大きい。
【0004】本願発明と関連する公知技術として、特
開昭61−226638号公報、特開昭63−290
946号公報が挙げられる。によれば「顕微鏡と、波
長を変化させて試料を照射する照光装置と、上記顕微鏡
の像を電気信号に変換する撮像装置と、その撮像装置の
画像信号をA/D変換するA/D変換器とディジタル変
換された複数画面の画像信号を記憶するメモリと、その
メモリに記憶されている異なる画面の画像信号を読み出
して互いに演算を行わせる演算手段と、その演算結果を
表示する画像表示手段を有し、異なる波長により照光さ
れた試料の顕微鏡像を互いに演算して合成された画像を
形成するよう構成された顕微鏡分光像形成装置」を開示
している。また、によれば「顕微鏡の視野下に置かれ
た細胞を識別するための装置において、選択自在の複数
の干渉フィルタと、選択された上記干渉フィルタを介し
て顕微鏡像を撮像する撮像手段と、その撮像手段による
画像を表示する表示手段を備えた細胞識別装置」が開示
されている。
【0005】ところで、の技術は、照光装置が、白色
光源を内蔵した分光器で構成され、分光器により波長を
変化させて試料を照明しており、従来の、多数個の干渉
フィルタを順次に交換することを分光器に代替したもの
と基本的に変わりはない。欠点は、照明系に分光器を用
いることから全体に大型化し、また、特定の波長光での
み試料を照明するという構成であるため、試料は小さな
顕微試料程度に限られてしまい、汎用性(例えば、広義
に、自然界の一般の物体を被検体とするようなこと)は
全く可能でない。又、の技術では、干渉フィルタはタ
ーレット円盤に複数個配列されていて、顕微鏡で得られ
た試料像に対し、選択信号により選択された干渉フィル
タの1つが適用される。しかし、干渉フィルタはターレ
ット円盤に配列されることから、その個数は自ずと制限
され、個々の干渉フィルタの波長刻みは比較的に粗くな
らざるを得ず、波長間隔の粗い分光画像しか得られず細
密な分析には適さない問題がある。また、仮に、波長刻
みの小さい干渉フィルタが多数個準備されていて、置き
換えたり或いはターレット円盤自体を取り替えたりする
ことが考えられるが、それら操作は大変に煩わしいに相
違ない。そして、分光計測においては、被検体の分光波
長特性が先験されていないことが多く、上記ターレット
方式では、たとえ多数個の干渉フィルタが準備されてい
たとしても取扱いの不便さとともに、汎用性に欠ける
(任意の波長で行えない)という問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、被検体とし
ての物体に制約を課すことがない分光画像収集装置を提
供することを基本的な課題とする。他の課題は、被検体
の分光波長特性が先験されていない場合でも、これを容
易に克服できるように汎用性をもたせること、換言すれ
ば、任意の波長の分光画像が得られるようにすることで
ある。また、他の課題は、小型化を追及することであ
り、特に、顕微分光に適用する場合には、画像分光部が
顕微鏡に搭載可能な程度に小型化できるようにすること
である。さらに他の課題は、顕微分光に使用する場合に
おいて、異なる顕微鏡機種に容易に適用可能にすること
である。
【0007】
【課題を達成するための手段】本発明に係る分光画像収
集装置は、物体の像を結像する第1のレンズ系と、第1
のレンズ系の結像面に配置される波長可変フィルタと、
波長可変フィルタに結像される物体像を結像する第2の
レンズ系と、第2のレンズ系の結像面に光電面が配置さ
れる撮像手段と、前記波長可変フィルタを波長変化方向
に移動させる移動手段と、波長可変フィルタの移動に従
って前記撮像手段によって得られる画像情報を逐次に記
憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された画像情報を波
長ごとに1画像に再構成する画像処理手段とを備え、波
長可変フィルタの1回の移動により物体の多波長にわた
る分光画像を得るようにしたことを基本的な特徴として
いる。
【0008】好ましくは、前記物体は顕微試料であり、
前記第1のレンズ系、波長可変フィルタ、第2のレンズ
系及び撮像手段からなる構造体を顕微鏡に搭載する。さ
らに好ましくは、前記撮像手段は2次元固体撮像素子で
構成する。
【0009】
【作用】第1のレンズ系によって、波長可変フィルタ上
に白色の物体像が結像される。この白色の物体像は波長
可変フィルタを透過し、透過するとき、波長可変フィル
タにより分光される。分光された透過像は、第2のレン
ズ系によって、撮像手段の光電面に結像される。光電面
に結像された分光透過像は、光電面の1ラインごとに異
なる波長の画像となっている。記憶手段は、撮像手段に
よって得られる1ラインごとに異なる波長の画像情報を
記憶するが、波長可変フィルタは移動手段によって波長
変化方向に移動され、移動に従って前記記憶手段は逐次
に異なる波長範囲の画像情報を記憶する。画像処理手段
は、記憶手段に記憶された異なる波長範囲の画像情報か
ら、同一波長のラインを抽出し、波長ごとに1画像に再
構成する。
【0010】
【発明の原理】図を用い、本発明の原理をより詳しく説
明する。図1に波長可変フィルタの断面模式図を示して
いる。リニア波長可変フィルタ(Linear Var
iable Interferrence Filte
r)と称される干渉フィルタである。その構造は、くさ
び状のカラーガラスフィルタ1に、多重の干渉膜2をく
さび状に形成し、所定の厚さとされている。基本的に
は、一般の干渉フィルタと同様、干渉膜2の多重干渉し
た光が出射するため、干渉膜の厚みで透過波長が異なる
s<λl)ことになる。リニア波長可変フィルタでは、
干渉膜2の厚さがくさび状に連続して変化しているた
め、透過する波長が膜厚の変化方向に連続に変化する。
このため、入射光(白色光)をフィルタ上のどの位置に通
過させるかにより波長選択が行える。カラーガラスフィ
ルタ1には、変化する透過波長に応じてグラデーション
がかけられており、高次の干渉光をカットする。透過率
は全波長領域(λs〜λl)でほぼ均一であり、40%以上
はある。半値全幅は10nm前後である。
【0011】図2、図3は本発明の原理の説明図であ
る。図2において、3は図示しない固有のスペクトル情
報を有した物体の原像を示し、原像3は第1のレンズ系
4によって、波長可変フィルタ5の面上に結像される。
波長可変フィルタ5に結像された像は白色像であり、こ
の白色像6は波長可変フィルタ5を透過するとき、波長
可変フィルタ5の長手方向に連続する波長ごとに分光さ
れる。透過した分光像は、第2のレンズ系7によって、
図示しない撮像手段の光電面8上に結像される。波長可
変フィルタ5を波長変化方向に移動させて、複数の画像
1,I2,I3,……を得る。画像I1,I2,I3,……
はイメージプロセサ9によりディジタル符号化され、逐
一コンピュータ10を介してメモリ11に格納される。
図3(a)は、撮像ないしメモリ11に格納された画像
1,I2,I3,……を模式的に示している。図3に示
す個々の画像は、y方向(光電面8のライン方向に相当
する)には同一の波長であるが、x方向(波長可変フィル
タ5の波長が変化する移動方向に相当する)には波長が
連続して変化しており、個々の画像はその始端と終端の
波長が異なっている。波長可変フィルタ5の移動位置す
なわち波長の位置と、光電面8上の画像のライン位置と
は一定の関係で結びつけられるので、コンピュータ10
内蔵の画像処理手段によって、メモリ11に格納された
情報から、目的とする波長の分光画像S1,S2,……を
得ることができる。図3(b)には、同図(a)の画像を再構
成した分光画像セットを模式的に示している。なお、図
3(c)に示すように、同一座標(x,y)の画素の強度
(I)を連続して記録ないし記憶すれば、波長可変フィル
タ5の1度の移動で、その画素(x,y)の成分のスペク
トル分布を簡単に得ることができる。
【0012】上記から明らかなように、波長可変フィル
タ5に物体の白色像さえ結像させればよいので、被検体
としての物体に何ら制約が課せられることがない。小さ
な顕微試料から、きわめて広い領域、例えば航空機から
とらえられる各種の光像であってもよく、また、望遠鏡
を介した天体の像であってもよい。又、波長可変フィル
タ5の1回の移動による画像セットをメモリに記憶しさ
えすれば、画像処理によって、任意の波長の分光画像が
出力できるので、きわめて汎用性に富むということがで
きる。被検体の分光波長特性が予め知れていない場合に
は、従来、多数個のフィルタの準備とそれらの交換作業
等に時間と労力を費やし、また熟練も必要とされていた
が、本発明によれば、何の熟練も要求されずにデータを
収集でき、波長ごとに連続して分光画像を表示させるこ
とにより、きわめて短時間のうちに、有意な分光波長特
性の波長域を見いだすことが可能となる。さらに、本発
明に係る装置は自動化が容易なので、他の装置と組み合
わせてシステムを構成する場合、システムの全自動化に
大きく貢献するということができる。
【0013】以下では、物体が顕微試料である場合、す
なわち本発明に係る分光画像収集装置を顕微鏡に適用し
た場合の実施例を具体的に説明する。
【0014】
【実施例】図4は実施例の構成図を示している。図4に
おいて、20は顕微鏡本体であり、この顕微鏡本体20
に試料像を結像するリレーレンズ21を結合し、リレー
レンズ21の上に波長可変フィルタを移動するフィルタ
移動機構部22を連結している。フィルタ移動機構部2
2の上には、波長可変フィルタの透過像を結像するため
のマクロレンズ23を連結し、マクロレンズ23にはC
CDカメラ24を連結している。CCDカメラ24に
は、2次元CCD固体撮像素子を内蔵し、出力はイメー
ジプロセサ25に入力される。イメージプロセサ25
は、CCDカメラ24からのビデオ信号をA/D変換し
1フレームを512×512画素、濃度レベル8bit
にディジタル符号化し、イメージプロセサ内蔵のメモリ
(4フレーム分、256KB×4)に格納する機能を有
し、パーソナルコンピュータ26によって制御される。
パーソナルコンピュータ26は、多数枚の画像データを
記憶するための大容量ハードディスク装置を備えてい
る。ハードディスク装置27の容量は、この例では80
MBである。フィルタ移動機構部22の波長可変フィル
タの移動及び位置決めは、コンピュータ26の指令出力
に基づいて行う構成であるので、そのインターフェース
部及びサーボ回路28を設けている。モニタ29は、C
CDカメラ24で撮像した画像や、測定し処理した結果
の分光画像をイメージプロセサ25を介して表示するこ
とができる。
【0015】図5には上記フィルタ移動機構部22の詳
細を示している。図5において、平滑な基台30上に、
図示しないガイドに案内されて直線動自在なリニアステ
ージ31が設けられている。リニアステージ31にはフ
ィルタホルダ32が固定され、フィルタホルダ32に波
長可変フィルタ33が保持されている。リニアステージ
31は下部に固定した送りネジ螺合ナット34を備え、
送りネジ35の回転によって基台上を直線動する。送り
ネジ35は、DCモータ36により正逆回転駆動され
る。ピニオンとギヤ37は減速用であり、ウォームとギ
ア38を介して送りネジ35は回転される。リニアステ
ージ31の一端には、直線変位精密ポテンショメータ3
9の軸39aが連結されている。ポテンショメータ39
の出力によりリニアステージ31の位置、すなわち波長
可変フィルタ33の位置情報が与えられる。
【0016】図6は、図4に示したリレーレンズ21の
上に搭載される構造体を詳しく示している。フィルタ移
動機構部22の基台30の上下には、顕微鏡におけるC
マウント方式の規格に適合するCマウント座金41,4
2を取り付けている。Cマウント座金42には取付方向
調整リング43を連結し、リング43には微調整用の像
倍率可変リング44を連結している。そして、リング4
4に像倍率1倍のマクロレンズ23を取り付け、マクロ
レンズ23にCCDカメラ24を連結している。図4に
示したリレーレンズ21は像倍率が5倍のものを使用し
ており、Cマウント座金41の端面から17.5mmの
距離に位置する波長可変フィルタ33の干渉膜面に顕微
試料像を結像する。干渉膜面に結像された顕微試料像
は、マクロレンズ23及びCCDカメラ24のレンズに
よって、CCDカメラ24内蔵の2次元CCD素子の光
電面に結像される。なお、Cマウント座金41,42を
用いたのは、異なる顕微鏡機種への取り付けを容易に可
能にするためである。
【0017】尚、上記のパーソナルコンピュータ26
は、具体的には、(株)日本電気製・品番PC9801V
Xを用いており、また、イメージプロセサ25は(株)シ
バソク製・品番VM21B1を、CCDカメラ24は
(株)日本電気製・型番TI−23A、DCモータ36は
(株)マブチモータ製・品番RE280、マクロレンズ2
3は(株)酒井硝子製・品番LMC10M100を用いて
いる。波長可変フィルタ33は、(株)ショットガラス社
(SCHOTT GLASWERKE)製の品番VERI
L S 60を用いている。このVERIL S 60は、
有効長が41.9mmで可変波長域は400〜700n
mである。すなわち、フィルタの移動長1mmに対し
て、7.16nm波長が変化する。また、ポテンショメ
ータ39は、(株)三京貿易が発売元となっている品番R
ECTI P12−50を用いており、有効ストローク
長が50mmであり、位置データDを8ビットで出力し
ているので、約0.2mmの分解能で位置決めが可能で
ある。これは、波長可変フィルタの波長変化量の約1.
4nmに相当する。
【0018】図7は、図4のインターフェース部及びサ
ーボ回路28の詳細な回路図を示している。コンピュー
タ26からは、基本的に、リセット信号(RESET)と
ステージの再起動のためのストローブ信号(STROB
E)、及びリニアステージ31が位置すべき位置データ
D(8bit)が与えられる。回路は、データセレクタ5
0を含むD/A変換回路51とリニアステージの位置決
め用のサーボ回路52とを備える。サーボ回路52は、
ポテンショメータ39の出力信号と、コンピュータ26
から出力された位置データDのD/A変換信号とをオペ
アンプ53において比較し、リニアステージ31が位置
データDで指定される目標位置に近づくように、DCモ
ータ36を正回転(或いは逆回転)させるようにトランジ
スタ群54をスイッチングする。なお、データセレクタ
50は、コンピュータ26からの位置データDと8ビッ
ト・ディップスイッチ55の設定データとを選択するた
めのもので、この回路をコンピュータに接続しない場合
には、位置データDをディップスイッチ55で設定でき
るようにしている。また、サーボ回路52の電源投入直
後と、コンピュータ26のリセット(RESET信号の
反転)直後は、データセレクタ50がデイップスイッチ
55の設定データを出力できるように回路を構成してい
る。
【0019】以上の構成の分光画像収集装置の性能を検
証するため、まず、波長可変フィルタ33の半値全幅を
測定した。次いで、リニアステージ31の位置とCCD
カメラ24の測定画面における座標との関係、つまり波
長可変フィルタ33の位置に係る波長と測定画面のライ
ン位置との関係を求めた。波長可変フィルタ33は、製
造会社から特定仕様のものを入手できるとはいえ、製造
工程上のバラツキ等に起因して個々には特性が一様でな
く、したがって、装置に用いた場合には装置に固有の特
性を予め知っておく必要がある。特に、後者の関係性
は、分光画像を再構成する場合に必須となる。
【0020】波長可変フィルタ33の半値全幅を調べる
ために、低圧水銀ランプの輝線スペクトルを利用した。
低圧水銀ランプの放射光をコリメートし、波長可変フィ
ルタ33に照射する。このとき、波長可変フィルタによ
り、特定の輝線の像が得られる。波長範囲を選んで、5
77nmと546nmの輝線を用いた。輝線は、フィル
タの半値幅に比べれば充分に単色とみなせるので、この
輝線の像の拡がりを測定することによって、半値全幅の
値が得られる。得られた半値全幅の値は10nmであっ
た。
【0021】次に、波長可変フィルタ33と測定画面
(CCDカメラ24の光電面)の位置関係を求めた。図8
に一般化した説明図を示す。Fは波長可変フィルタを示
し、x−y座標系で与えられる測定画面はMで示してい
る。L2は第2のレンズ系である。波長可変フィルタF
を矢印方向、すなわち測定画面Mのx方向に移動する場
合を考える。コンピュータ26より、D/A変換回路5
1にデータDを出力したとき、測定画面のx軸、座標が
Xのライン(x=Xの破線で示すライン)は、波長可変フ
ィルタFの破線で示す波長λの透過光を測定していると
する。データDのLSBの1bitに対して、波長可変
フィルタFがa(nm/bit)移動し、D=0でX=0
のラインが波長b(nm)の透過光を測定しており、測定
画面Mのx軸1ラインに対して、測定波長がc(mm)変
化しているものとすれば、データD、座標X、波長λ
(nm)の関係は次の(1)式で与えられる。
【0022】 λ=a・D+b+c・X ……………(1) (1)式の係数a,b,cがわかれば、任意のデータDを
出力したとき、任意のラインで測定している波長λの値
が分かることになる。反対に、波長λの値を与えれば、
特定のデータDにおける特定のXの値が分かることにな
る。係数a,b,cは、D,X,λのデータセットによ
り、最小二乗法により求めることができる。すなわち、
nをデータセット数とし、Σはnについての総和を表す
ものとして、係数a,b,cは以下の(2)式で与えられ
る。
【0023】
【数1】
【0024】D,X,λのデータセットを得るために、
前述した、半値全幅の測定に用いた低圧水銀ランプの輝
線スペクトルを用いた。輝線スペクトルの像が、測定画
面M上のどこにピークがあるかを調べる。コンピュータ
26より、データDを出力し、低圧水銀ランプの405
nm,436nm,546nm,578nmの輝線が測
定画面上のどの位置で、強度が最大になるかを調べ、強
度ピークラインの座標Xを求めた。そして、求めたλ,
X,Dの4つのデータセットから前記の係数a,b,c
を求めた。
【0025】図4の構成において、画像データセットの
取り込み処理は、コンピュータ26におけるプログラム
に基づいて行っている。基本的なフローは、コンピュー
タ26から回路28にデータDを送出し、イメージプロ
セサ25を制御してCCDカメラ24からの画像信号を
A/D変換しイメージプロセサ25内蔵のフレームメモ
リに記憶させて、コンピュータ26を経由させてハード
ディスク装置27に記憶させるというよく知られたの一
連の処理であり、データDを所定の刻みでもって増分な
いし減分して処理を反復し、複数枚の画像データを得
る。例えば、回路28に0から252まで、4間隔すな
わち2ビット間隔(波長で約4.7nm間隔)でデータD
を送信し、それぞれのフィルタ位置で1画像を取り込む
とすると、合計64枚の画像データをハードディスク装
置27に得ることができる。
【0026】また、分光画像を再構成する処理は、コン
ピュータ26におけるプログラムに基づいて行ってい
る。基本的なフローは、波長λの値が与えられると、前
記の式(1)に基づき、D0,D1,D2,D3,……におい
て(1)式を満足するライン座標Xnを求める。そして、
求められたライン座標Xnのライン情報で画像の骨格を
形成する。Xn以外のライン情報は隣接するXkとXk-1
の実測ラインデータより(画素データの)直線補間により
演算して求める。このようにして、任意の波長λの分光
画像を再構成することができる。なお、メモリ27が大
容量であり、多数の画像を格納できる場合には、前記の
直線補間による処理を不要にできることは言うまでもな
い。
【0027】また、使用法の一態様において、波長可変
フィルタ33の一回目の移動は、データDの刻みを粗く
して(例えば、上記のように4間隔)、分光特性の有意な
波長範囲を見い出すことに用い、次には、その有意な波
長範囲をデータDの刻みを細かくして(例えば、最小の
刻み1で)、波長走査することにより、より情報量の多
い分光画像を得ることが可能である。
【0028】上記に示した実施例の構成において顕微画
像分光測定を行った結果を次に示す。測定試料(2色L
ED、植物試料、ICパターン)に応じて異なる顕微鏡
を用い、透過照明系、反射照明系のいずれの照明光学系
にも対応できることが確認される。
【0029】第1は、2色LEDの構造を顕微鏡観察
し、得られる顕微画像に対して、画像分光測定と発光部
分のスペクトル測定を行った。試料として用いたLED
は(株)東芝製の品番TLOG205で、緑色(ピーク波
長は565nm)と橙色(ピーク波長は610nm)の2
色で点灯する。これを点灯させた状態でLEDの構造部
を上方から顕微鏡観察し、画像分光測定を行った。図9
(a)〜(e)に得られた顕微分光画像の写真像を示す。57
0nm(同図(b))及び610nm(同図(d))の分光画像
で、発光部の強度が最大になっていることが確認でき
る。図10(a),(b)は測定したスペクトル分布特性であ
り、同図(c)に掲載したカタログデータと一致している
ことが確認できる。なお、顕微鏡には(株)オリンパス製
の機種品番BH−2を用い、4倍の対物レンズを適用し
た。
【0030】第2には、植物試料に対して顕微画像分光
測定を行った。試料は、カボチャの網紋道管((株)京都
科学製)で、2色の染料(サフラニン、ファーストグリー
ン)により染色されているものである。得られた顕微分
光画像を図11(a)〜(f)に写真像として示す。物質の違
いにより、別々の染料に染色されているため、波長によ
り、吸収パターンが異なっていることが確認できる。用
いた顕微鏡は、ツァイス社製・品名Axiophoto
で、透過顕微鏡である。用いた対物レンズは10倍であ
る。
【0031】第3には、落射照明系によりEPROMの
ICパターンを測定した。得られた分光画像を図12
(a)〜(f)に写真像として示す。用いた顕微鏡は、蛍光顕
微鏡であり、(株)ニコン製の品名Optiphotoで
ある。なお、この顕微鏡は照明光学系の光源に高圧水銀
灯が使用されているが、高圧水銀灯の発光波長特性はス
パイク状のピークをもつため画像分光測定の光源にはな
じまない。このため、投光管の位置からハロゲン光源の
ファイバ照明装置により照明を行った。また、対物レン
ズは金属対物でなく蛍光用のものをそのまま用いてい
る。このため写真像には多少の収差がある。
【0032】なお、上記の実施例では、波長可変フィル
タをステップ的に移動させているが、撮像手段に高速動
作のものを使用し制御を高速化すれば、波長可変フィル
タを等速で連続に移動させることができる。1回の移動
を2〜3秒、また1秒程度にまで高速化が可能である。
又、波長可変フィルタは、上記の実施例では、可視域
(400〜700nm)のものを用いているが、測定対象
に応じて、紫外域または赤外域の波長可変フィルタを適
用することができる。
【0033】本発明では、第1のレンズ系によって波長
可変フィルタに物体像を結像するようにしているが、こ
の第1のレンズ系は、広義には結像光学系であり、鏡面
を有する光学素子からなるものであってもよく、また鏡
面を有する光学素子を含むものでもよい。
【0034】本発明における撮像手段は、固体撮像素子
に限ることなく、撮像管であってもよい。撮像管では、
蓄積型が好ましく、いわゆるイメージオルシコン型と称
される光電型のほか、いわゆるビジコン型と称される光
導電型のものを含むものとする。2次元固体撮像素子を
用いると、装置は小型化するのみならず、その取り扱い
がきわめて容易になる利点がある。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、波長可
変フィルタに測定対象である物体の像さえ結像させれば
よいので、物体に制約を課されることがなく任意の物体
に対して分光画像の収集が行えると共に、波長可変フィ
ルタの1回の移動により任意の波長の分光画像を得るこ
とができ、取り扱いの容易さとともに汎用性があり、し
かも、光学系を顕微鏡に搭載可能な程度に小型化でき、
多用される顕微画像分光に好適に適用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】波長可変フィルタの説明図である。
【図2】本発明の原理の説明図である。
【図3】得られる画像、再構成した分光画像、及び画素
のスペクトルをそれぞれ示す模式的説明図である。
【図4】本発明の一実施例の構成図である。
【図5】フィルタ移動機構部の詳細説明図である。
【図6】光学系の構成を実態に即して示した拡大図であ
る。
【図7】コンピュータとのインターフェース部及びサー
ボ回路を示す回路図である。
【図8】波長可変フィルタと測定画面との関係を説明す
るための図である。
【図9】2色点灯LEDの各波長における分光画像を示
す図面に代わる写真である。
【図10】それぞれスペクトル分布の特性図である。
【図11】2色の染料により染色されたカボチャの網紋
道管の各波長における分光画像を示す生物の形態に係る
図面に代わる写真である。
【図12】ICパターンの各波長における分光画像を示
す基板上の微細なパターンに係る図面に代わる写真であ
る。
【符号の説明】
3 物体の原像 4 第1のレンズ系 5,33,F 波長可変フィルタ 6 物体像 7,L2 第2のレンズ系 8 光電面 9,25 イメージプロセサ 10,26 コンピュータ 11,27 メモリまたはハードディスク装置 21 リレーレンズ 22 フィルタ移動機構部 23 マクロレンズ 24 CCDカメラ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体の像を結像する第1のレンズ系と、第
    1のレンズ系の結像面に配置される波長可変フィルタ
    と、波長可変フィルタに結像される物体像を結像する第
    2のレンズ系と、第2のレンズ系の結像面に光電面が配
    置される撮像手段と、前記波長可変フィルタを波長変化
    方向に移動させる移動手段と、波長可変フィルタの移動
    に従って前記撮像手段によって得られる画像情報を逐次
    に記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された画像情報
    を波長ごとに1画像に再構成する画像処理手段とを備
    え、波長可変フィルタの1回の移動により物体の多波長
    にわたる分光画像を得るようにしたことを特徴とする分
    光画像収集装置。
  2. 【請求項2】前記物体は顕微試料である請求項1記載の
    分光画像収集装置。
  3. 【請求項3】前記撮像手段は2次元固体撮像素子である
    請求項1または2のいずれかに記載の分光画像収集装
    置。
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