JPH08116649A - 電動機用鉄心の焼鈍および酸化皮膜処理方法 - Google Patents

電動機用鉄心の焼鈍および酸化皮膜処理方法

Info

Publication number
JPH08116649A
JPH08116649A JP25187594A JP25187594A JPH08116649A JP H08116649 A JPH08116649 A JP H08116649A JP 25187594 A JP25187594 A JP 25187594A JP 25187594 A JP25187594 A JP 25187594A JP H08116649 A JPH08116649 A JP H08116649A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
iron core
annealing
temperature
electric motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25187594A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Igarashi
吉広 五十嵐
Masami Wada
正美 和田
Koji Shimamura
紘二 島村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP25187594A priority Critical patent/JPH08116649A/ja
Publication of JPH08116649A publication Critical patent/JPH08116649A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動機用の固定子鉄心内に回転子鉄心を入れ
て誘導加熱装置にて焼鈍処理する方法と焼鈍処理後の回
転子鉄心のスロット絶縁をほどこす方法。 【構成】 電動機用鉄心を誘導加熱によって焼鈍するに
際し、固定子鉄心の中に回転子鉄心を入れて同時に焼鈍
する方法、および焼鈍処理後の回転子鉄心を大気中で加
熱処理することにより、スロット内に酸化皮膜を形成さ
せる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として小型電動機に
用いられる鉄心の焼鈍および酸化皮膜処理方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】小型交流用電動機の鉄心は主として電気
鉄板を使用しており、この電気鉄板にはあらかじめ鉄鋼
メーカーにおいて、最終の磁気特性を保証したフルプロ
セス材と、ユーザーにて焼鈍をして使用することを前提
としたセミプロセス材の2種類があり、フルプロセス材
を用いる場合は原材料が高価なためコスト高になるばか
りでなく、鉄心製造過程における打抜き加工による加工
歪みによって鉄心の鉄損が増加する問題がある。一方、
セミプロセス材を用いると比較的安価に原材料を入手で
きるものの、鉄心の加工歪みの除去ならびに磁気特性の
改善を目的とした焼鈍処理が必要である。また、回転子
鉄心はアルミダイカスト後のロス低減を図るため、一般
的に酸化皮膜処理がほどこされている。特に電動機の小
型高効率化傾向の強い昨今では、セミプロセス材および
フルプロセスを問わず、固定子鉄心の焼鈍処理と回転子
の酸化皮膜処理は不可欠となってきている。
【0003】この焼鈍および酸化皮膜処理は、一般的に
は電気抵抗発熱およびガスや石油の燃焼熱によって雰囲
気を加熱し、さらに鉄心を加熱するという間接加熱法が
主として採用されている。まずこの焼鈍処理により固定
子鉄心の磁気特性は、電気鉄板の種類によっても多少の
差異はあるが鉄損の低下と、低磁場での磁束密度の上昇
が起こる。特に固定子鉄心の鉄損の低下による電動機の
特性向上効果は最大の利点である。また、回転子鉄心の
酸化皮膜処理はアルミダイカスト後の電気的な損失が低
減される。
【0004】しかし従来からの焼鈍および酸化皮膜処理
法には、次の二つの問題点がある。まず第一に、間接加
熱のため加熱効率が低く加熱に長時間(例えば5〜8時
間)を要し、かつ消費エネルギーも莫大である。この解
決策としては加熱時間の大幅短縮および消費エネルギー
の節約を可能とした誘導加熱法による処理方法が検討さ
れているが、ほとんどが固定子鉄心の焼鈍方法のみであ
り、酸化皮膜処理方法については従来の工法が採用され
ている。
【0005】第二の問題点は、電動機の固定子鉄心は特
性向上のため鉄損を低下させる目的で焼鈍処理される
が、回転子鉄心の鉄損は電動機特性に与える影響が少な
いため、一般的には酸化皮膜処理専用炉または、焼鈍炉
の温度(例えば450℃〜550℃)を変えて処理が採
用されており、この方法では回転子処理用の専用炉を設
けるか、または固定子鉄心と回転子鉄心の処理条件をそ
の都度変更する方法がとられており、この方法では設備
費用も莫大となりまた生産上からもロスが多い方法であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来方法では、
間接加熱法のため加熱効率が低い,大電力が必要,加熱
時間が長い,大型の設備が必要、なおかつ24時間の連
続操業を余儀なくされており、省エネルギーの点からも
従来のものは欠点があった。また昨今の電動機の小型高
効率化傾向の中では回転子鉄心の鉄損も無視できなくな
ってきている。
【0007】よって本発明は上記従来の問題点を解決す
るもので、誘導加熱方法により電動機用鉄心の固定子の
中に回転子を入れて同時に焼鈍処理を行い、さらに回転
子はその後加熱処理をすることにより低コストで短時間
に磁気特性のすぐれた電動機用鉄心を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を解決するため
に本発明は、電動機用鉄心の固定子と回転子を同時に誘
導加熱によって加熱して焼鈍処理を行なうもので、その
誘導加熱温度T℃を750℃以上800℃以下とし、T
℃までの到達処理時間を30分以上の範囲にしたもので
あり、また固定子鉄心の中に回転子鉄心を入れて同時に
処理すために誘導加熱周波数をO.7kHz以上1.0k
Hz以下にすることにより、固定子鉄心は焼鈍し回転子鉄
心はスロット部分の打抜き歪みが除去できる温度まで加
熱する。また回転子鉄心は焼鈍処理後に電気炉などの簡
易炉にて大気中にて加熱処理を行うことによりスロット
に酸化皮膜処理をほどこす。
【0009】
【作用】本発明は、加熱効率や加熱時間短縮の点から誘
導加熱法を用い、なおかつ固定子鉄心の中に回転子鉄心
を入れて同時に焼鈍する方法で、誘導加熱法によって電
動機用固定子鉄心と回転子鉄心を同時に焼鈍する場合、
特に問題となるのは鉄心形状の異なる固定子鉄心と回転
子鉄心を目的の焼鈍温度まで均一に上げることである。
【0010】まず固定子鉄心は加工歪みの除去および磁
気特性の改善目的から鉄心全体の温度を750℃以上8
00℃以下にすればよいが、回転子鉄心の場合は加工歪
みの大きいスロット部分のみを750℃以上800℃以
下の温度にする必要があり、この場合適格な周波数の選
択が非常にむずかしいということである。
【0011】一般的に周波数の選択は(数1)で与えら
れる。
【0012】
【数1】
【0013】ところが電動機用鉄心は、図2(a),図
2(b)に示すように複雑な形状をしており、(数1)
では加熱周波数を決定するのはむずかしく、ほとんどが
経験的ものから推定されている。例えば0.5kHzの周
波数で加熱した場合は加熱時間が長く、10kHzでは電
流浸透度が浅いため鉄心全体が焼鈍されなく、最低温度
の750℃を確保しかつ短時間で昇温するには、固定子
鉄心の温度が部分的に900℃以上になることが判明し
た。前記のように固定子鉄心の温度が部分的に高くなっ
たり、急加熱を行なうと固定子鉄心の変形が発生し寸法
精度が低下し、焼鈍後の磁気特性改善率が低下する。
【0014】本発明はこの点をふまえて、誘導加熱の周
波数と固定子鉄心の温度および規定温度まで到達する時
間を規制しており、本発明に示す条件下において固定子
鉄心の中に回転子鉄心入れて誘導加熱することにより、
最も温度分布の良い焼鈍を行なうことができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。
【0016】まず、電動機用鉄心の焼鈍処理に採用する
周波数を選定するため、図2(a),(b)に示す鉄心
について周波数による鉄心の温度分布を測定した。
【0017】図2(a),図2(b)に示す鉄心は、最
大外径Aが105mm、内径Bが50mmのものを用いた。
この鉄心でまず固定子は外径約10mmより内側、回転子
は回転子外径から約10mmのところまでが電動機設計上
最も磁束密度が高くなる。よって上記部分の温度バラツ
キが少ない加熱周波数選定を行なった。
【0018】図3は電動機鉄心の誘導加熱周波数と温度
の関係を示す。ここで図3(b)に示す様に●は図2
(a),は図2(b)の鉄心についての値である。まず
商用周波数60Hzで加熱した場合、温度バラツキは少な
いが加熱時間が長すぎることが判明した。そこで、さら
に周波数を変えて検討した結果、図3のように周波数
0.9kHz前後で温度バラツキが少なく、加熱時間も短
い結果を得た。つまり、電動機用鉄心の固定子の中に回
転子を入れて同時に加熱する場合、各鉄心の温度分布と
寸法変化を考慮した時、T℃に達するまでの時間を30
分以上取り、誘導加熱周波数が0.9kHzの時最も良い
結果となった。また、回転子鉄心については焼鈍処理後
に大気中で250℃以上300℃以下で加熱処理するこ
とにより、スロット内に絶縁皮膜を形成することができ
る。
【0019】上記条件で処理した固定子鉄心と回転子鉄
心の焼鈍有無の差を電動機特性で(表1)に比較した。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように本発明
は、小型電動機用鉄心の焼鈍および酸化皮膜処理に当た
り特殊な材料や大型の設備によらず、磁気特性および電
気特性にすぐれた鉄心を供給することが可能であり、特
にスキンパス圧延法によって製造されたセミプロセス材
においては、回転子鉄心の焼鈍効果は大きく実用的価値
の大なるものである。
【0022】なお本発明の焼鈍温度の上限を800℃と
したのは、800℃以上の高温で焼鈍処理をした場合、
鉄板表面にある層間絶縁被膜が著しく劣化し、剥離する
こともある。また、回転子鉄心のブリッジ部分が高温に
なるとブリッジ部分の強度が低下し、次工程のアルミニ
ウムダイカストにおいて、ブリッジ部分の膨れが発生す
るためである。
【0023】また、本発明の酸化皮膜処理温度を250
℃以上300℃以下としたのは錆が発生しない温度で、
なおかつ電気的絶縁層が形成する温度とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における誘導加熱の温度状態
を示す図
【図2】電動機用固定子鉄心の平面図
【図3】電動機鉄心の誘導加熱周波数と温度の関係を示
す図

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動機の鉄心を誘導加熱によって所定の温
    度T℃まで加熱し焼鈍する時に、固定子鉄心の中に回転
    子鉄心を入れて同時に焼鈍する電動機用鉄心の焼鈍方
    法。
  2. 【請求項2】電動機用固定子鉄心の温度T℃が750℃
    以上800℃以下でT℃まで達する時間を30分以上と
    し、誘導加熱周波数を0.7kHz以上1.0kHz以下と
    した請求項1記載の電動機用鉄心の焼鈍方法。
  3. 【請求項3】非酸化性雰囲気中で焼鈍をほどこすことを
    特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の電動機用鉄
    心の焼鈍方法。
  4. 【請求項4】電動機の鉄心を誘導加熱によって所定温度
    T℃まで加熱し焼鈍する時に、固定子鉄心の中に固定子
    鉄心を入れて同時に焼鈍した後、回転子鉄心を250℃
    以上300℃以下で加熱処理を行ないスロット絶縁をほ
    どこす電動機鉄心の焼鈍および酸化皮膜処理方法。
  5. 【請求項5】電動機用固定子鉄心の温度T℃が750℃
    以上800℃以下でT℃まで達する時間を30分以上と
    し、誘導加熱周波数を0.7kHz以上1.0kHz以下と
    した請求項4記載の電動機鉄心の焼鈍および酸化皮膜処
    理方法。
JP25187594A 1994-10-18 1994-10-18 電動機用鉄心の焼鈍および酸化皮膜処理方法 Pending JPH08116649A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25187594A JPH08116649A (ja) 1994-10-18 1994-10-18 電動機用鉄心の焼鈍および酸化皮膜処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25187594A JPH08116649A (ja) 1994-10-18 1994-10-18 電動機用鉄心の焼鈍および酸化皮膜処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08116649A true JPH08116649A (ja) 1996-05-07

Family

ID=17229239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25187594A Pending JPH08116649A (ja) 1994-10-18 1994-10-18 電動機用鉄心の焼鈍および酸化皮膜処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08116649A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1677408A1 (en) * 2004-12-28 2006-07-05 Hitachi, Ltd. Rotor for rotating machine, manufacturing method of rotor and motor for electrically driven power steering
WO2006120093A1 (de) * 2005-05-10 2006-11-16 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur herstellung eines magnetisch wirksamen elements einer elektrischen maschine und vorrichtung zur durchführung des verfahrens

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1677408A1 (en) * 2004-12-28 2006-07-05 Hitachi, Ltd. Rotor for rotating machine, manufacturing method of rotor and motor for electrically driven power steering
JP2006187174A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Hitachi Ltd 回転機のロータ,その製造方法及び電動パワーステアリング用モータ
JP4558478B2 (ja) * 2004-12-28 2010-10-06 日立オートモティブシステムズ株式会社 回転機のロータ,その製造方法及び電動パワーステアリング用モータ
WO2006120093A1 (de) * 2005-05-10 2006-11-16 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur herstellung eines magnetisch wirksamen elements einer elektrischen maschine und vorrichtung zur durchführung des verfahrens

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1231292A (en) Local heat treatment of electrical steel
TWI635950B (zh) 轉子鐵芯的製造方法及馬達鐵芯的製造方法
CN114302972B (zh) 热处理方法和热处理炉
JPS6161510B2 (ja)
EP0108575B1 (en) Local annealing treatment for cube-on-edge grain oriented silicon steel
JPH0657857B2 (ja) 低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法
JPH08116649A (ja) 電動機用鉄心の焼鈍および酸化皮膜処理方法
US3415696A (en) Process of producing silicon steel laminations having a very large grain size after final anneal
CN109182705A (zh) 一种脉冲电流实现室温下快速制备取向薄带电工钢的方法
JPH05211749A (ja) 電動機用鉄心の焼鈍方法
US2227156A (en) Treatment of electrical apparatus
US3220891A (en) Annealing sheet metal coils and product
CN111684085A (zh) 能够但非强制再退火的电工带材
US3196054A (en) Process of decarburizing and annealing of open coil silicon-iron sheet stock without intervening surface treatment
CN112391522A (zh) 一种纳米晶带材的热处理工艺方法
US2237061A (en) Method of annealing magnetic material
JPS62272843A (ja) 電動機の鉄心焼鈍方法
JPS6342331A (ja) 低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法
GB2082204A (en) Producing boron-inhibited grain-oriented electromagnetic silicon steel
JPH03253248A (ja) 電動機用回転子鉄心の酸化被膜処理方法
KR0119557B1 (ko) 절연피막의 밀착성이 우수한 무방향성 전기강판의 제조방법
JPH0213923B2 (ja)
JPH0133535B2 (ja)
SU1078481A1 (ru) Способ изготовлени витых ленточных магнитопроводов
JPH0645823B2 (ja) 高珪素鉄板の製造方法