JPH08108026A - バグフィルタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数個のバグフィルタに均一な消石灰の付着
層を形成させることにより少い消石灰量で高い排ガス処
理性能をもつように構成したバグフィルタ装置を提供す
る。 【構成】 容器１内に複数個のろ布６が設けられてい
る。容器１の下部のバグフィルタハウスホッパ部には、
排ガス入口２が設けられている。バグフィルタハウスホ
ッパ部には、排ガス入口２に対向させて異なる大きさの
開口部を有する３個の流入排ガス分散用の分流板１３〜
１５が設けてある。分流板１３〜１５の開口はこの順に
小さくなっていて、排ガス入口２から流入する排ガスは
この分流板１３〜１５で分散されバグフィルタハウスホ
ッパ部へ均一に流される。従って、排ガスと共に流入し
た消石灰はバグフィルタ６の表面に均一に付着し排ガス
を効率良く処理する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ごみ焼却場等の排ガス
処理用バグフィルタにおいて、ろ布への消石灰や特殊反
応助剤（本発明では単に消石灰と総称する）の付着が均
一になるように改良したバグフィルタ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図８に従来の一般的なバグフィルタ装置
（パルスジェット型反応集じん装置）の断面図を、図９
に同装置のろ布部分の拡大断面図を示す。図８及び図９
において、１は反応集じん装置の容器、２は同容器１の
下部に設けられた排ガス入口、３は同容器１の上部に設
けられた処理ガス出口、４は逆洗パルス用の電磁弁、５
は逆洗ノズル、６は円筒形に形成され、容器１に設けら
れたろ布固定部１１にその上部が固定され吊り下げられ
た複数のろ布である。

【０００３】７はろ布６の直上に設けた逆洗ノズル５か
らの高圧空気が導入されるベンチュリ管、８は容器１の
下端部に設けられた反応物の払出し用スクリューコンベ
ア、９はろ布６の表面に付着した消石灰層、１０はろ布
内部に挿入されベンチュリ管７をその上部に取付けたベ
ンチュリ管付きゲージである。

【０００４】以上の構成をもつ従来の装置において、排
ガスと反応剤の消石灰は、排ガス入口２より容器１下部
のバグフィルタハウスホッパ部へ入り、図のように正面
板に衝突した後にそれぞれ上部で固定され吊り下げられ
た複数個の円筒形のろ布６を通過する。反応剤の消石灰
はろ布６の表面に付着し、また、排ガスはろ布６に付着
した消石灰層９を通過するときに消石灰と反応して処理
される。

【０００５】ろ布６を逆洗する場合には、逆洗パルス用
電磁弁４によって高圧の空気を逆洗ノズル５へ送り込
み、ベンチュリ管７を通ってろ布６内部へと流れこんだ
空気によって、排ガスと反応した消石灰等がろ布６の表
面から払い落され、容器１下部のバグフィルタハウスホ
ッパ部に設けられた反応灰払出し用スクリューコンベア
８によって払出される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このような従来のバグ
フィルタ装置において、消石灰等を含んだ排ガスは排ガ
ス入口２より容器内の正面板に衝突し図８に示されてい
るように反入口側のろ布６へと流れ込むため複数個のろ
布全面に消石灰等の均一な付着層を形成することができ
ず、排ガス処理性能の低下が生ずる。そこで本発明はこ
のような不均一な消石灰付着層の形成を防止し、少ない
消石灰量でより高い排ガス処理性能を維持することを可
能にしたバグフィルタ装置（パルスジェット型反応集じ
ん装置）を提供することを課題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、容器
内に複数個のろ布を設けると共にその容器下部のバグフ
ィルタハウスホッパ部から消石灰と排ガスを導入しその
消石灰を前記ろ布に付着させて、そのろ布を通過する排
ガスを処理するように構成したバグフィルタ装置におけ
る前記課題を解決するため、そのバグフィルタハウスホ
ッパ部に排ガス入口に対向させて開口部を有する１個ま
たは２個以上の、流入排ガス分散用の分流板を設けた構
成を採用する。

【０００８】本発明によるバグフィルタ装置で２個以上
の分流板を設ける場合、それらの分流板の開口部は排ガ
ス入口から遠いもの程小さくする。例えば分流板を３個
設ける場合、一段目分流板の開孔率は排ガス入口断面積
の９５〜５０％とし、二段目分流板の開孔率は排ガス入
口断面積の７５〜３０％、三段目分流板は同じく５０〜
１０％の範囲に順次絞り込んだ形状とする。

【０００９】なお、分流板の開口の形状は丸型でも四角
形でも適宜の形でよい。分流板の数も３個に限定するも
のではなくバグフィルタハウスホッパの規模に合わせて
適宜の数に設定してよい。

【００１０】前記した構成を採用した本発明によるバグ
フィルタ装置は、そのバグフィルタハウスホッパ部に排
ガス入口に対向させて設けた流入排ガス分散用の分流板
によって、流入して来る排ガスをバグフィルタハウスホ
ッパ部に均一に流すことができ、従って、バグフィルタ
のろ布全面に消石灰等の均一付着層を形成させることが
可能となる。

【００１１】分流板は排ガス入口に対向させて設けられ
ており、その開口を分流板の中央に設ければ中心がバグ
フィルタハウスホッパ部の排ガス入口中心線にほぼ合わ
せて設定され、また、排ガス入口から奥へ行くに従って
開口が小さく絞ってあるため、排ガスが分流板に衝突し
てバグフィルタ部へ上昇する排ガス流量を均一にするこ
とができる。これによって本発明のバグフィルタ装置で
は高効率な排ガス処理性能と消石灰供給量の低減によっ
て低ランニングコストによる運転が可能となる。

【００１２】また、本発明によるバグフィルタ装置で
は、前記した分流板として、その開口部を囲むように上
部及び両側部が曲板、下部が平板で構成されたものを採
用したものも提供する。

【００１３】このように構成した分流板をもつバグフィ
ルタ装置とすることによってバグフィルタハウスホッパ
部に排ガス入口から流入して来る消石灰と排ガスは、そ
の分流板によって上方向と横方向の３方向へ滑らかに分
散される。これによって上向きの流れがほゞ均一化し、
消石灰等が分流板に付着することも防止される。

【００１４】平板形状の分流板を用いた場合、排ガス入
口部側の１段目の分流板における上昇流への変換作用が
弱いが、前記したように曲板形状とすることによりその
不具合が改善できる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明によるバグフィルタ装置を図１
〜図７に示した実施例に基づいて具体的に説明する。な
お、図１〜図７において、図８及び図９に示した従来の
装置と同じ構成の部分には同一の符号を付してありそれ
らについての重複する説明は省略する。

【００１６】（第１実施例）まず、図１〜図４に示した
第１実施例によるバグフィルタ装置について説明する。
図１及び図２において２は排ガス入口、１３〜１５はサ
ポート１２によって容器１のバグフィルタハウスホッパ
部内に設置され、中心に四角の開口部をもつ四角形の排
ガス分流板で、この分流板１３〜１５によって排ガス入
口２から流入する排ガスはバグフィルタハウスホッパ部
内で分散され、排ガスと共に消石灰は容器１の上部より
吊り下げられたろ布６によってほゞ均一に捕集される。
そして排ガスはろ布６の表面へ付着した消石灰層を通過
するときに、消石灰と反応して処理される。

【００１７】分流板１３〜１５の開口部の中心は、排ガ
ス入口２の中心線にほぼ合致させるように配置する。ま
た、その開口の大きさは、図３，図４によく示されてい
るように、排ガス入口２に近いもの程大とし、分流板１
３から１５へと奥へ行く程漸減するように設けてある。

【００１８】本実施例による装置は以上説明した構成を
有しているので、バグフィルタハウスホッパ部へ排ガス
入口２から流入した消石灰と排ガスは、排ガス入口２に
対向して設けられた分流板１３〜１５の開口を通って奥
へ流れるが、一部はその分流板１３〜１５に開口のまわ
りで衝突してバグフィルタ６に向けて上昇する。こうし
てバグフィルタ６へ流れる排ガス流量を均一にすること
ができる。その結果、本バグフィルタ装置では高効率な
排ガス処理性能と消石灰供給量の低減によって低ランニ
ングコストによる運転が可能となる。

【００１９】（第２実施例）次に、図５〜図７に示した
第２実施例によるバグフィルタ装置について説明する。
この第２実施例によるバグフィルタ装置でも、分流板サ
ポート１２によってバグフィルタハウスホッパ部内に３
個の分流板２３〜２５が配設されている。この分流板２
３〜２５は、その開口部１６の上部と両側部が図のよう
な曲板１７によって形成されると共に、その開口部１６
の下部が平板１８で形成されている。

【００２０】開口部１６の中心は、第１実施例の場合と
同様、排ガス入口２の中心線にほゞ合致させており、ま
た、その開口の大きさも第１実施例の場合と同様、排ガ
ス入口２に近いもの程大とし、分流板２３から２５へと
奥のもの程漸減されている。

【００２１】すなわち、一段目分流板２３の開孔率は排
ガス入口ダクト断面積の５０〜９５％とし、二段目分流
板２４の開孔率は３０〜７５％、三段目分流板２５の開
孔率は１０〜５０％の範囲としてある。また、分流板の
形状は前記したように開口部１６を囲んで上部及び両側
部を曲板１７、下部を平板１８とし排ガス下流へ向って
曲板が広がるように配置してあるが、上向きの流れの均
一化及び分流板への消石灰等の付着防止も考慮してい
る。

【００２２】このように構成された第２実施例のバグフ
ィルタ装置において、排ガス入口２から流入して来る消
石灰と排ガスは分流板の開口部１６を直進する流れと曲
板１７に沿って流れる上方向と横方向の３方向に分散さ
れる。

【００２３】これによってバグフィルタへ流れる排ガス
流量を均一にすることができ、その結果、本バグフィル
タ装置によれば高効率な排ガス処理性能と消石灰供給量
を低減することができる。

【００２４】以上、本発明を図示した実施例に基づいて
具体的に説明したが、本発明がこれらの実施例に限定さ
れず特許請求の範囲に示す本発明の範囲内で、その具体
的構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもな
い。

【００２５】例えば、上記実施例では四角形の開口部を
もつ四角形の分流板を設けているが、その開口部の形は
これに限らず適宜のものでよく、また、分流板の形も四
角形に限定されない。更にまた、図示したものでは分流
板を３枚用いているが、その数も限定されない。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によるバグ
フィルタ装置では、バグフィルタハウスホッパ部に排ガ
ス入口に対向させて、開口部を有する１または２個以上
の、流入排ガス分散用の分流板を設けた構成としている
ので、排ガス入口からバグフィルタハウスホッパ部へ流
入する排ガスの流れはこの分流板によって分散されて均
一化され、従って、排ガスと共に流入して来た消石灰等
はろ布表面へ均一に付着される。

【００２７】従って、本発明によれば、高効率の排ガス
処理性能を維持し、なおかつ少ない消石灰供給量すなわ
ち低ランニングコストによる排ガス処理装置を提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係るパルスジェット型反
応集じん装置の縦断面図。

【図２】図１におけるバグフィルタハウスホッパ部の部
分拡大図。

【図３】図２のＡ−Ａ線、Ｂ−Ｂ線、Ｃ−Ｃ線方向に見
た側面図。

【図４】図２のＤ−Ｄ矢視図。

【図５】本発明の第２実施例に係るバグフィルタ装置に
おけるバグフィルタハウスホッパ部の部分拡大図。

【図６】図５における分流板２４を示した図面で（ａ）
は図５のＡ−Ａ矢視図、（ｂ）はその縦断面図。

【図７】図６に示した分流板の斜視図。

【図８】従来のパルスジェット型反応集じん装置の縦断
面図。

【図９】図８のバグフィルタの拡大断面図。

【符号の説明】

１ 容器 ２ 排ガス入口 ３ 処理ガス出口 ４ 逆洗パルス用電磁弁 ５ 逆洗ノズル ６ ろ布 ７ ベンチュリ管 ８ 反応灰払出し用スクリューコンベア ９ 消石灰層 １０ ベンチュリ付きゲージ １１ ろ布の固定部 １２ 分流板サポート １３ 一段目分流板 １４ 二段目分流板 １５ 三段目分流板 １６ 開口部 １７ 曲板 １８ 平板 ２３ 一段目分流板 ２４ 二段目分流板 ２５ 三段目分流板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 匠 横浜市中区錦町12番地 三菱重工業株式会 社横浜研究所内 (72)発明者 仙波 範明 横浜市中区錦町12番地 三菱重工業株式会 社横浜研究所内 (72)発明者 今村 建二 横浜市中区錦町12番地 三菱重工業株式会 社横浜研究所内 (72)発明者 洞口 光弘 横浜市中区錦町12番地 三菱重工業株式会 社横浜研究所内 (72)発明者 小瀬 公利 横浜市中区錦町12番地 三菱重工業株式会 社横浜製作所内 (72)発明者 佐久間 哲哉 横浜市中区錦町12番地 三菱重工業株式会 社横浜製作所内 (72)発明者 親松 秀昭 横浜市磯子区杉田４丁目４番25号 アイ・ シー・ティー株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器内に複数個のろ布を設けると共に同
   容器の下部のバグフィルタハウスホッパ部から消石灰と
   排ガスを導入しその消石灰を前記ろ布に付着させて同ろ
   布を通過する排ガスを処理するように構成したバグフィ
   ルタ装置において、前記バグフィルタハウスホッパ部に
   排ガス入口に対向させて開口部を有する１個または２個
   以上の、流入排ガス分散用の分流板を設けたことを特徴
   とするバグフィルタ装置。
2. 【請求項２】 前記分流板が、その開口部を囲むように
   上部及び両側部が曲板、下部が平板で構成されているこ
   とを特徴とする請求項１記載のバグフィルタ装置。