JPH08101679A - 楽器用弦及び該製造方法 - Google Patents

楽器用弦及び該製造方法

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JPH08101679A
JPH08101679A JP7263132A JP26313295A JPH08101679A JP H08101679 A JPH08101679 A JP H08101679A JP 7263132 A JP7263132 A JP 7263132A JP 26313295 A JP26313295 A JP 26313295A JP H08101679 A JPH08101679 A JP H08101679A
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Keisuke Ito
圭介 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、楽器用の弦を製造する素材として不向
きであるとされていた展延性に優れた金や銀、白金等を
用い、たとえば純金の音色を発する楽器用弦、あるいは
純銀の音色を発する楽器用弦などを作ることにある。 【解決手段】 高引張強度を有し、且つ線径が数μm〜
0.数mmである炭素繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊
維の長繊維、及び金属極細線から選ばれる少なくとも1
種類以上から成る1又は複数本の線を芯線(10)と
し、該芯線(10)を金、銀、白金、パラジューム、銅
等の貴金属、その他の延性に優れた金属、これらの金属
の合金、及び合成樹脂から選ばれる少なくとも1種類の
素材(12)によって前記芯線(10)の質量が該芯線
(10)を被覆する素材(12)の質量に対して実質的
に無視し得るように重厚に被覆し、実質的に該素材(1
2)の音色を発するように楽器用弦18を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は楽器用弦及び該製造
方法に関し、より詳しくはピアノやギター、バイオリン
等の弦楽器に使用される楽器用弦とその製造方法に関す
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】弦楽器に使用される楽
器用弦は打弦、撥弦及び弓奏弦に分類され、これら楽器
用弦には従来より金属製弦、合成樹脂製弦、羊腸ガット
弦等が用いられている。楽器用弦はその性質上、楽器に
弦を張設し且つ調律するため、相当強い引張強度が要求
されている。特に、楽器用弦は楽器に張設したとき張力
が安定していなければ調律することができず、また弓奏
することによって弦が延びたりあるいは弾くことによっ
て弦が切れたりしては、楽器用弦として用いることがで
きない。
【0003】このため、金や銀、白金等の延性に優れた
金属はたとえ線化しても、その金属線は張力を掛けると
すぐに延びてしまい楽器用の弦として用いることができ
なかった。このため、従来からこれらの金属によって楽
器用の弦が作られたことはなかった。
【0004】一方、金や銀、白金等の貴金属が響かせる
音色は古来より良いとされており、また金等の貴金属で
製造された楽器用の弦はその貴金属の価値に応じて資産
的価値を有することとなる。更に、金等により作られた
弦はその金属色や光沢により従来にない美感を与えるこ
ととなる。
【0005】ところで、楽器用弦は古くからたとえば実
公昭2−9581号、特公昭52−25243号、実公
昭59−39744号、特公昭58−40756号、特
開昭55−57893号等々の公報に開示されるよう
に、芯線の周りに他の金属を被覆したり、巻線を施した
りして、必要とする音色を得るように構成されている。
しかし、これらの楽器用弦の芯線はいずれも、楽器用弦
の全体に占める質量及び断面積が大きく、これらの芯線
に金や銀等の貴金属を被覆したとしても、たとえば
「金」そのものの音色にはならない。
【0006】そこで、本発明者は従来、楽器用の弦を製
造する素材として不向きであるとされていた金や銀、白
金等を用いて楽器用弦を作るため鋭意研究を重ねた結
果、本発明に至ったのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る楽器用弦の
要旨とするところは、高引張強度を有し、且つ線径が数
μm〜0.数mmである炭素繊維、炭化珪素繊維、セラミ
ック繊維の長繊維、及び金属極細線から選ばれる少なく
とも1種類以上から成る1又は複数本の線を芯線とし、
該芯線を金、銀、白金、パラジューム、銅等の貴金属、
その他の延性に優れた金属、これらの金属の合金、及び
合成樹脂から選ばれる少なくとも1種類の素材によって
前記芯線の質量が該芯線を被覆する素材の質量に対して
実質的に無視し得るように重厚に被覆し、実質的に該素
材の音色を発するようにしたことにある。
【0008】また、かかる楽器用弦において、前記楽器
用弦における打弦部、撥弦部、弓奏部、及び弦支持部か
ら選ばれる1又は2箇所以上に耐摩耗処理を施したこと
にある。
【0009】次に、本発明に係る楽器用弦の製造方法の
要旨とするところは、前記楽器用弦の製造方法におい
て、前記芯線に重厚に被覆される金属と同一又は該金属
の融点より高い金属の薄膜を該芯線にコーティングした
後、溶融させられた前記重厚に被覆される金属中に該芯
線を浸漬させて重厚に被覆し、その後、必要に応じて断
面ほぼ円形に成形することにある。
【0010】また、かかる楽器用弦の製造方法におい
て、前記請求項1に記載する楽器用弦の製造方法におい
て、不活性ガス中又は真空中で、溶融させられた前記重
厚に被覆される金属中に該芯線を浸漬させて重厚に被覆
し、その後、必要に応じて断面ほぼ円形に成形すること
にある。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る楽器用弦とそ
の製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明す
る。
【0012】かかる本発明の楽器用弦は炭素繊維あるい
は炭化珪素繊維やセラミック繊維の長繊維を1本又は複
数本束ねたり、あるいは金属極細線等を同様に用いた芯
線により構成しているため、細くて引張強度の高い弦が
得られる。かかる芯線の周囲に巻線等を施して楽器用弦
として用いることも可能であるが、その芯線の周囲を金
や銀、白金等あるいは合成樹脂によって被覆して、実質
的に金や銀、白金あるいは合成樹脂等から成る楽器用の
弦が得られる。得られた弦が楽器に張設させられると
き、弦に作用する引張張力は芯線が負担し、一方、弾か
れたりあるいは弓奏されて弦が振動して発する音は弦の
断面積及び質量のほとんどを占める金や銀等の音色とな
る。
【0013】また、弦の打弦部等の摩耗させられ易い箇
所の表面に耐摩耗処理を施すことにより、断線を防止す
ることができるとともに断面減少に伴う音色の変化等を
防止することができる。
【0014】次に、かかる本発明の楽器用弦の製造方法
は、炭素繊維などの芯線をメッキなどの手法により金属
の薄膜を被覆して、芯線が直接空気すなわち酸素と接触
するのを防止し、溶融させた金属にその芯線を浸漬させ
て重厚に金属を被覆する。その際、溶融させた金属の高
熱に芯線が曝されることになるが、芯線は金属によって
コーティングされているため、芯線が焼失したり、ある
いは酸化したりすることがない。
【0015】また、他の製造方法は、炭素繊維などの芯
線を不活性ガス中、あるいは真空中で溶融させた金属に
その芯線を浸漬させて重厚に金属を被覆する。その際、
同様に溶融させた金属の高熱に芯線が曝されることにな
るが、不活性ガス中あるいは真空中であるため、芯線が
焼失したり、あるいは酸化したりすることがない。した
がって、芯線は当初の高引張強度を維持し、且つ線径数
μm〜0.数mm程度の炭素繊維などに貴金属などを重厚
に被覆することができ、その金属の音色を発する楽器用
弦が製造される。
【0016】次に、本発明に係る楽器用弦の実施の形態
を炭素繊維を例にして図面に基づいてより詳しく説明す
る。
【0017】図1において、符号10は石油ピッチ系炭
素繊維の長繊維であり、複数の炭素繊維10が束ねられ
た外表面には従来においては楽器用の弦を製造するのに
不適当とされていた延性に優れた延性金属12が被覆さ
れている。
【0018】炭素繊維10の引張強度はおよそ300 K
g/mm2 前後あるいはそれ以上であり、またその単繊維の
直径は約10μm前後であって、楽器用の弦の芯線とし
て充分使用し得るものである。炭素繊維10は空気中で
は約450℃、真空中又は不活性ガス中では約2500
℃の耐熱温度性能を有する。一方、炭素繊維10の表面
に被覆される延性金属12としては金や銀、白金、銅、
パラジューム等の貴金属、あるいはその他の延性に優れ
た金属、更にこれらの金属たとえば金と銅との合金や金
と鉄との合金等が用いられる。
【0019】ここで、たとえば延性金属12のうち金の
融点は1064.43 ℃、銀の融点は961.93℃である。これら
延性金属12を溶融させて炭素繊維10の表面に被覆す
るには、溶融させられた延性金属12の温度はその融点
以上の温度とされる必要があり、通常の条件では炭素繊
維10に延性金属12を被覆することができない。そこ
で、次に延性金属12を炭素繊維10に被覆する方法を
説明する。
【0020】空気中で延性金属12を炭素繊維10に被
覆するには、図2に拡大して示すように、炭素繊維10
の表面に延性金属12と同一の金属か、あるいはその金
属より融点の高い金属14がメッキ法によりコーティン
グされる。たとえば、被覆される延性金属12が金であ
る場合、コーティングされる金属14は金やあるいは融
点の高い白金等が用いられ、また延性金属12が銀であ
る場合、コーティングされる金属14は銀や金等が用い
られる。また、コーティング方法は炭素繊維10が電気
的に良導体であることから電解メッキ法によるのが最も
好ましく、その他無電解メッキ法によってコーティング
しても良い。
【0021】炭素繊維10の表面にコーティングを施す
のは、金属14の溥膜によって炭素繊維10を空気(酸
素)と遮断して、炭素繊維10の耐熱温度性能を真空中
と同等にするためであり、したがってコーティングされ
た金属14の溥膜にピンホール等があってはならない。
また、金属14として、被覆される延性金属12と同一
又はそれより融点の高い金属が使用されるのは、空気中
で溶融させられた延性金属12中に炭素繊維10を浸漬
したとき、金属14の溥膜が溶融させられて炭素繊維1
0と空気とが接触しないようにするためである。
【0022】金属14によってコーティングされた炭素
繊維10は弦を楽器に張設するとき必要とされる張力に
対応して1本乃至複数本が束ねられて用いられる。複数
本の炭素繊維10はそれを一つにまとめるため、図3に
示すように、炭素繊維10等の長繊維や極細線16が巻
付けられたり、あるいは複数の炭素繊維10が撚り合わ
せられて用いられている。得られた炭素繊維10の束は
溶融させられた延性金属12の中に浸漬され、炭素繊維
10の表面に延性金属12が付着させられ、必要に応じ
て伸線が施されて、ほぼ断面円形の楽器用弦18が製造
される。炭素繊維10の表面を被覆する延性金属12の
断面積及び質量は楽器用弦18の断面積及び質量のほと
んどを占め、楽器用弦18は実質的に延性金属12によ
って構成されたのと同じとされる。
【0023】楽器用弦18は直接あるいは楽器取付け治
具を介して楽器に張設される。なお、楽器用弦18の振
動を楽器取付け治具によって補うように構成することも
可能である。楽器に張設された楽器用弦18に作用する
軸方向の引張力は炭素繊維10が負担し、一方、弾かれ
たりあるいは弓奏されて楽器用弦18が横振動して発す
る音は実質的に弦18の断面積と質量を構成する延性金
属12から発することとなる。
【0024】次に、延性金属12を不活性ガス中あるい
は真空中で炭素繊維10に被覆する場合、不活性ガス中
あるいは真空中では炭素繊維10の耐熱温度が約250
0℃であることから、炭素繊維10を延性金属12より
融点の高い金属によってコーティングする必要はなく、
溶融させられた延性金属12の中に浸漬させられて被覆
される。ただし、本例においても炭素繊維10をコーテ
ィングしておくのは、延性金属12と炭素繊維10との
密着性を高めるために望ましい。
【0025】炭素繊維10に延性金属12を被覆する方
法としては上述のように溶融させた延性金属12中に炭
素繊維10を浸漬させる方法だけでなく、たとえば図4
に示すように、延性金属によって製造されたパイプ20
内に炭素繊維10を挿通させ、炭素繊維10とパイプ2
0とを硬ろう又は軟ろうによりろう付け又ははんだ付け
しても良い。
【0026】また、図5に示すように、延性金属により
造られたパイプ22に軸方向のスリット24を設けて、
そのスリット24から炭素繊維10をパイプ22内に挿
入するように構成しても良い。本例においても、パイプ
22と炭素繊維10とは硬ろう又は軟ろうによりろう付
け又ははんだ付けされる。いずれの例においても、ろう
は延性金属が金である場合は金ろう又は金はんだが、延
性金属が銀である場合は銀ろう又は銀はんだがそれぞれ
用いられるのが美観等の見地から好ましい。
【0027】更に、図4又は図5に示す金属パイプ2
0,22内に挿入された炭素繊維10を、金属パイプ2
0,22を伸線金型あるいは伸線ロール等により圧着し
たり、引き延ばして密着させるように構成することも可
能である。
【0028】また、炭素繊維10を延性金属で被覆する
方法として、その他スパッタリング法、真空蒸発法、電
解法等により、芯線の表面に所定の厚さになるまで延性
金属を成長させて楽器用弦を製造することも可能であ
る。本例は細い弦の製造に適しており、高音部用の弦の
製造に良い。
【0029】更に、延性金属によって造られた帯状の薄
膜を、複数の炭素繊維を軟ろう等によって固めて断面円
形に形成された芯線の表面にスパイラル状に巻付け、そ
の後、熱処理等によって炭素繊維とスパイラル状の延性
金属とを密着固定して、本発明に係る楽器用弦を製造す
ることも可能である。また、線条に形成された延性金属
を芯線である炭素繊維の表面に密に卷着被覆しておいて
も良い。
【0030】以上、芯線である炭素繊維の表面に、金,
銀,白金等の貴金属やその他の延性に優れた金属、更に
これら貴金属との合金、貴金属と卑金属との合金等、延
性金属を被覆する例について詳細に説明したが、その
他、延性金属に代えて合成樹脂によって芯線である炭素
繊維を被覆しても良い。合成樹脂によって被覆する場
合、芯線と合成樹脂との境界において剥離が生じないよ
うに、芯線の適宜箇所に突起等を設けておくのが好まし
い。
【0031】得られた楽器用の弦は芯線の周りを硬度の
低い金等の延性金属によって被覆されているため、弦支
持部や打弦部,撥弦部,弓奏部等は特に摩耗し易い。そ
こで、これら弦支持部等についてのみ耐摩耗処理を施し
ておくのが好ましい。たとえば、延性金属として金を使
用する場合、数%のクロムかあるいは鉄を溶かした金の
合金にボロンの粉末を加えて熱処理をすることによって
表面硬度の高い金が得られる。同様に使用された延性金
属あるいは合成樹脂に対応して、部分的に表面処理が施
されるのが好ましい。
【0032】以上の実施例では炭素繊維として石油ピッ
チ系炭素繊維を用いて説明したが、特に折曲げ性に優れ
た「グラノック」(商標名,日本石油株式会社製)が好
ましい。ただし、折曲げ作用によって破断し易い他の炭
素繊維であっても、楽器への支持装置を別途考案するこ
とによって本考案を適用することが可能である。
【0033】次に、芯線としてセラミック繊維や金属極
細線等を用いる場合について説明する。
【0034】セラミック繊維の一例として「Si-Ti-C-O
ファイバー」(チラノ繊維;商標名,宇部興産株式会社
製)を示すと、空気中で1000℃,窒素ガス中で13
00℃の熱に耐える耐熱性を示す。このチラノ繊維をそ
のまま前述と同様に芯線として用いても良く、あるいは
金属との親和性を高めるためにチラノ繊維の表面にセラ
ミックウイスカーやセラミック微粉末を付着させて同様
に用いても良い。繊維の表面にセラミックウイスカー等
を付着させて構成された芯線に延性金属等を被覆した弦
は、芯線と延性金属等との密着性が高いため、音の安定
性が期待される。なお、チラノ繊維はセラミック繊維の
一例であって、その他のセラミックからなる繊維であっ
ても本考案を適用し得るのは当然である。また、空気中
における耐熱性を高めるため、導電性のないセラミック
繊維の表面に金属のコーティングを施すには、無電解メ
ッキや溶射などの手法が採用される。
【0035】また、炭素繊維やセラミック繊維に代えて
金属極細線を用いても良い。金属極細線は線径約10〜
数100μmの細線で、引張強度の高い金属が用いられ
る。一例を示すと「サイファー」(商標名,(株)神戸製
鋼所)は引張強度が475 Kg/mm2 、弾性率が2000
0 Kg/mm2 、伸びが4.0%であり、450℃以下で熱
による変質がない。したがって、本例においては450
℃以下で延性金属を被覆させる必要がある。たとえば、
金−すず合金から成るはんだは融点が260℃であり、
サイファーと延性金属とのはんだ付けに適している。
【0036】その他、極細線の状態で充分引張強度の高
い金属であれば、本発明に係る楽器用弦の芯線として使
用し得るものであり、何ら限定されるものではない。
【0037】以上、本発明の実施例を詳述したが、その
他本発明を適用し得る長繊維として炭化珪素繊維が挙げ
られ、また上述の炭素繊維やセラミック繊維等を任意に
組み合わせて芯線として用いることも可能である。ま
た、本発明に係る楽器用弦は公知のように低音弦を得る
ために、更に金や銀等の線を巻き付けて、巻線として構
成しても良いのは言うまでもない。この場合、本発明に
係る楽器用弦は芯線の伸びが小さく、したがってポアソ
ン比が小さいことから、巻線の芯線となる楽器用弦と巻
付線との間に隙間が生ずることはほとんどない。更に、
本発明に係る楽器用弦を巻線用の巻付線として利用する
ことも可能であり、この場合、金や銀等が有する延性に
よる障害が除去され、安定した金や銀の音色を発する低
音部用の弦を得ることができる。
【0038】更に、芯線の表面に被覆される延性金属は
金色あるいは銀色等を楽しむだけでなく、たとえば金と
アルミニウムの合金により紫色としたり、あるいは金と
銅の合金により青乃至赤色にして、種々の色を楽しみフ
ァッション性を高めることが可能となる等、本発明はそ
の趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき種
々なる改良,修正,変形を加えた形態で実施し得るもの
である。
【0039】
【発明の効果】かかる本発明は高引張力を有する炭素繊
維やセラミック繊維等の長繊維あるいは金属極細線等を
楽器用の弦の芯線として使用することとしているため、
その芯線の表面に種々の材料により被覆を施すことがで
き、音質や弦の色等を種々変化させて楽しむことが可能
となる。特に、金や銀など、従来においては楽器用弦の
材料として不適当とされた金属をも使用することがで
き、その特有の音色を楽しむことができるとともに、使
用材料が貴金属である場合には資産価値を高めることが
できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る楽器用弦の実施の一形態を示す断
面図である。
【図2】図1に示す芯線を拡大して示す拡大断面図であ
る。
【図3】本発明に係る楽器用弦の製造方法を説明するた
めの要部正面図である。
【図4】本発明に係る楽器用弦の芯線に延性金属を被覆
する方法を説明するための要部斜視図である。
【図5】本発明に係る楽器用弦の芯線に延性金属を被覆
する他の方法を説明するための要部斜視図である。
【符号の説明】
10;炭素繊維 12;延性金属 14;金属 18;楽器用弦

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高引張強度を有し、且つ線径が数μm〜
    0.数mmである炭素繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊
    維の長繊維、及び金属極細線から選ばれる少なくとも1
    種類以上から成る1又は複数本の線を芯線とし、該芯線
    を金、銀、白金、パラジューム、銅等の貴金属、その他
    の延性に優れた金属、これらの金属の合金、及び合成樹
    脂から選ばれる少なくとも1種類の素材によって前記芯
    線の質量が該芯線を被覆する素材の質量に対して実質的
    に無視し得るように重厚に被覆し、実質的に該素材の音
    色を発するようにしたことを特徴とする楽器用弦。
  2. 【請求項2】 前記楽器用弦における打弦部、撥弦部、
    弓奏部、及び弦支持部から選ばれる1又は2箇所以上に
    耐摩耗処理を施したことを特徴とする請求項1に記載す
    る楽器用弦。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載する楽器用弦の製造
    方法において、前記芯線に重厚に被覆される金属と同一
    又は該金属の融点より高い金属の薄膜を該芯線にコーテ
    ィングした後、溶融させられた前記重厚に被覆される金
    属中に該芯線を浸漬させて重厚に被覆し、その後、必要
    に応じて断面ほぼ円形に成形することを特徴とする楽器
    用弦の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項1に記載する楽器用弦の製造
    方法において、不活性ガス中又は真空中で、溶融させら
    れた前記重厚に被覆される金属中に該芯線を浸漬させて
    重厚に被覆し、その後、必要に応じて断面ほぼ円形に成
    形することを特徴とする楽器用弦の製造方法。
JP7263132A 1995-10-11 1995-10-11 楽器用弦及び該製造方法 Withdrawn JPH08101679A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003067571A1 (en) * 2002-02-07 2003-08-14 Ilan Smolarski Cymbals, strings and components for musical instruments and a method of treating therefor
CN104464693A (zh) * 2014-12-23 2015-03-25 常熟市先锋乐器有限公司 音高稳定的琴弦

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