JPH0810104B2 - 疑似冷却温度測定装置を具備した真空冷却機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、物品を急速に冷却する
ため、真空状態におかれた含水物品の蒸発潜熱の放出に
よって物品が温度降下する性質を利用して、物品を冷却
する真空冷却機の物品の冷却温度測定をする装置に係
り、特に薬品，化成品，食品の水分量の多い物を真空状
態下で冷却を行わせる真空冷却機の物品の冷却温度測定
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、真空冷却機においては、収納容器
は統一寸法のものが使用されることが多く、作業性から
収納量も１７ｋｇ前後になっていることが多い。このよ
うに複数の収納容器に冷却対象物を入れて真空冷却する
場合、冷却対象物の温度測定は、温度センサーを、代表
的な収納容器内の冷却対象物に突っ込んで測定してい
る。

【０００３】また、温度センサーを使用しない場合は、
タイマーを使って、あらかじめ冷却対象物の重量毎に冷
却時間を測定しておいて、その都度、設定を行って冷却
している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べたも
ののうち前者においては、温度センサーは１〜２．５ｍ
位のケーブルまたはワイヤー状のものが一般であるが、
冷却の都度脱着をするため、損傷が激しくまた、作業者
が温度センサーを除去せずに、収納容器を搬出して切断
する事故も起こしている。また、食品冷却の時、温度セ
ンサーはその都度洗浄しなければならない等の問題点を
有していた。

【０００５】また、後者においては、タイマーの設定値
をその都度かえなければならぬ煩わしさと、未熟作業者
にとっては、誤操作による「冷却不足」「冷却オーバ
ー」を起こし易いという問題点を有していた。

【０００６】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、冷却対象物と同時に水タンクに収容した弱温水
を真空冷却し、この弱温水の冷却温度を測定し、この温
度を冷却対象物の疑似的温度として、冷却完了を制御し
ようとするものであり、そのための疑似冷却温度測定装
置を具備した真空冷却機を提供しようとするものであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における装置は、一定寸法の収納容器を複数
個収容して真空冷却する真空冷却機において、収納容器
と同容量または大きめの水タンクを設け、タンク水面上
部空間を蒸発室とすると共に、冷却室と水タンク蒸発室
間を通気管で接続し、且つ、水タンクに水温度計を設置
したことを特徴とする疑似冷却温度測定装置を具備した
真空冷却機である。

【０００８】そして、上記疑似的に温度を測定する水タ
ンクは、冷却室から独立させて設置するか、冷却室の天
井または側面に設置することになる。水タンクには、水
面上部空間を蒸発室にし、自動排水弁、水タンク水位セ
ンサーおよび水タンク温度センサーを設けると共に、付
属装置として、各冷却毎に弱温水を供給する加熱装置付
弱温水タンクを設ける。

【０００９】また、蒸発室の蒸発面積は、収納容器の開
口面積に等しくすることが望ましい。このようにする
と、水タンク内の水は、収納容器内の冷却対象物とほぼ
同じ条件で冷却することができて、実際の冷却対象物の
冷却温度に近い疑似冷却温度を得ることができる。

【００１０】さらに、操作として、水タンクに入れる弱
温水の温度は、冷却対象物の冷却終了温度より１０℃前
後高い温度としておく。水タンクと弱温水タンクに貯留
する水量は、種々の検討の結果、単一の収納容器に収納
されている冷却対象物とほぼ同一熱容量相当分が望まし
い。この熱容量とは、「（冷却対象物の重量）×（冷却
対象物の比熱）」である。

【００１１】

【作用】収納容器と同容量または大きめの水タンクを設
け、タンク水面上部空間を蒸発室とすると共に、冷却室
と水タンク蒸発室間を通気管で接続し、且つ、水タンク
に水温度計を設置したことを特徴とする疑似冷却温度測
定装置を具備し、蒸発室の蒸発面積は、収納容器の開口
面積に等しくすることが望ましい。このようにすると、
水タンク内の水は、収納容器内の冷却対象物とほぼ同じ
条件で冷却することができて、実際の冷却対象物の冷却
温度に近い疑似冷却温度を得ることができる。

【００１２】

【実施例】実施例について図面を参照して説明する。図
１は疑似冷却温度測定装置を具備した真空冷却機の説明
図であり、冷却室１の側面には、収納物の出し入れする
出入口ドア２があり、真空を維持するため、出入口ドア
２の周囲は気密パッキン３により気密を保つ、冷却室１
内に収納容器固定支持台５に冷却対象物４０１を入れた
収納容器３０１が収容される。また、冷却室１の上部に
排気口４が設けられ、排気管９により真空発生源（真空
ポンプ）に連結し排気が行われる。

【００１３】水タンク１０１の水面上部空間は蒸発室１
１２を形成し、蒸発室１１２には排気口４に通ずる通気
管１０２により、冷却室１と蒸発室１１２とは同気圧と
なる。水タンク１０１には、水タンク水位センサー２０
１により水位を決め、水タンク温度センサー２０２によ
り温度が表示される。また、水タンク１０１の下部に排
水自動弁１０３が、他方上部には弱温水タンク１０５と
の間を遮断する弱温水注入自動弁１０４があり、弱温水
タンク１０５には弱温水タンク水位センサー２０３，弱
温水タンク温度センサー２０４がもうけられている。

【００１４】さらに付属させて、加圧清水を弱温水とす
るために加圧清水給水自動元弁１０７、温度コントロー
ラー１０８、ヒーター１０６があり、温められた弱温水
は、給水管１０９を通って弱温水タンク１０５に貯えら
れる。

【００１５】つぎに本発明の疑似冷却温度測定装置を具
備した真空冷却機の運転操作について図２を参照して説
明する。先ず真空冷却機は通常の真空冷却機と同様に運
転されるもので、出入口ドアーを開いて、冷却対象物を
搬入して、出入口ドアーを閉めて、真空ポンプの起動に
より真空冷却が開始される。真空ポンプの運転により冷
却室内が減圧により、冷却対象物の水分が蒸発して冷却
が行われ、冷却完了すれば、真空冷却を停止して、冷却
室内部圧を大気圧にしてから、出入口ドアーを開いて、
冷却終了物を搬出する。

【００１６】一方、疑似冷却温度測定装置は、真空冷却
機の冷却室の内部圧力が大気圧になると、水タンクの自
動排水弁が開き冷却完了した水を排水し、水タンク水位
センサーが下限を示すと、水タンクの自動排水弁を閉
め、水タンク弱温水自動注水弁を開くことにより、予め
ヒーターで加熱された弱温水が水タンクに注水される。
弱温水が注入されて、水タンク水位センサーが上限を示
し適切な水位となると、水タンク弱温水自動注水弁を閉
めれば、疑似冷却温度測定装置は、測定可能となり、そ
の後真空冷却を行えば、水タンクの弱温水が冷却され
て、水タンク温度センサー温度により、冷却対象物の疑
似冷却完了値を知ることができる。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されている
ので、次に記載する効果を奏する。一定寸法の収納容器
を複数個収容して真空冷却する真空冷却機において、収
納容器と同容量または大きめの水タンクを設け、タンク
水面上部空間を蒸発室とすると共に、冷却室と水タンク
蒸発室間を通気管で接続し、且つ、水タンクに水温度計
を設置したことを特徴とする疑似冷却温度測定装置を具
備した真空冷却機であるから、タイマーにより冷却完了
を感知する場合、タイマーの設定値をその都度かえなけ
ればならぬ煩わしさと、未熟作業者にとっては、誤操作
による「冷却不足」「冷却オーバー」を起こすことな
く、また、温度センサーの場合、作業者が温度センサー
を除去忘れによる温度センサーの破損、さらに温度セン
サーの脱着をするため起こる損傷が避けられ、疑似冷却
温度測定装置により冷却対象物の冷却完了を知ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の疑似冷却温度測定装置を具備した真空
冷却機の概要説明図である、

【図２】本発明の疑似冷却温度測定装置を具備した真空
冷却機の運転フローである。

【符号の説明】

１ 冷却室 ２ 出入口ドアー ３ 気密パッキン ４ 排気口 ９ 排気管 １０１ 水タンク １０２ 通気管 １０３ 排水自動弁 １０４ 弱温水注入自動弁 １０５ 弱温水タンク １１２ 蒸発室 ２０１ 水タンク水位センサー ２０２ 水タンク温度センサー ２０３ 弱温水タンク水位センサー ２０４ 弱温水タンク温度センサー ３０１ 収納容器 ４０１ 冷却対象物

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一定寸法の収納容器を複数個収容して真
   空冷却する真空冷却機において、収納容器と同容量また
   は大きめの水タンクを設け、タンク水面上部空間を蒸発
   室とすると共に、冷却室と水タンク蒸発室間を通気管で
   接続し、且つ、水タンクに水温度計を設置したことを特
   徴とする疑似冷却温度測定装置を具備した真空冷却機。