JPH0796027B2 - 医療機器用廃液バッグシステム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は医療機器用廃液バッグシステムに関する。さら
に詳しくは、ハンガーフレームと、廃液バッグセット
と、コンテナとからなる医療機器用廃液バッグシステム
に関する。

［従来の技術］ 透析機、血漿交換機、血漿処理装置などにおいて、薬液
回路、体外循環血液回路などに使用するプラスチックス
のチュービング回路は、治療に先だって回路内の洗浄、
プライミング作業が必要である。また治療中不用になっ
た廃液の排出も行われる。これらの廃液は患者の体液、
血液よりなり、危険な病原菌などが含まれていることが
多い。

従来は廃液ラインの下にポリバケツ、ポリタンクなどの
開放した容器を置き、洗浄、プライミング、治療中の廃
液をこの中に垂れ流していた。治療終了後、取扱者はこ
の容器を廃棄場所に運んで、廃棄するのが通常であっ
た。このばあい、開放容器であるため、治療中、運搬中
に取扱者と廃液の接触が避けられず、重大な、病気の感
染を生じる危険性があり、また見た目にも不潔感が避け
られなかった。

これを避けるため、閉鎖型のバッグを使用したいのであ
るが、従来の既成の装置にはこれらのバッグを取り付け
る設備がなく、かといって、装置の改造をするには厚生
省による改造許可を要するなど、種々の障害があり、な
かなか実現が困難であった。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明は前記従来技術における問題点に鑑みてなされた
ものであり、廃液の収集廃棄を取扱うにあたって、取扱
者と廃液との接触による病原菌の汚染、感染を起こすこ
となく、また周囲に不潔感を与えず効果的に廃液処理を
行うシステムであって、閉鎖型バッグを使用し、装置へ
の接着、取外し、廃棄場所への運搬が簡単容易に実施で
き、また装置の改造、回路の修正を要しないシステムを
提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明は少なくとも２個の廃液バッグを保持するためフ
レームの上方の左右のバッグを釣り下げるフックを有し
ており、該フックはバッグを持ち上げフレームから取り
外すとき、はずれやすいよう、内方に向いており、下方
には廃液バッグが廃液で満たされ重くなったバッグを支
えるためのすのこ状の床を有しており、すのこ状の床は
用済みの後のバッグを持ち上げるためのバッグの下方に
あるハンドル部分に手が入る隙間を有してなる廃液バッ
グ保持用ハンガーフレームと、少なくとも２箇所よりの
廃液を１本にまとめるラインであって、上流側先端が回
路の廃液ラインに挿入接続可能なチューブコネクタを有
している合流ライン、下流側先端が少なくとも２個の廃
液バッグにつながる分流ライン、合流ラインと分流ライ
ンとを接続しているコネクタおよび上方の左右にハンガ
ーフレームに釣り下げるための小孔を有し、下方には用
済み後手で釣り下げるためのハンドリング用の開口部を
有する廃液バッグからなる使い捨て型廃液バッグセット
と、ハンガーフレームおよび廃液バッグセットを収容す
るコンテナとからなる医療機器用廃液バッグシステムに
関する。

［作 用］ 本発明の医療機器用廃液バッグシステムは、ハンガーフ
レームに閉鎖型の廃液バッグが容易に着脱しうる状態で
適切にセットされ、透析機、血漿交換機、血漿処理装置
などの装置の下部などに設置されて前記装置と容易に接
続できるので、装置への装着、取外し、廃棄場所への運
搬が簡単容易に実施でき、また装置の改造や回路の修正
を要しない。さらに、ハンガーフレームおよび廃液バッ
グセットを収容するコンテナを備えているので、廃棄場
所への運搬が一層容易になるばかりでなく、廃液が廃液
バッグから漏れ出たばあいにも、コンテナが廃液を貯溜
し、外部に影響を与えることがない。

［実施例］ つぎに、本発明の廃液バッグシステムの実施例を図面に
基づいて説明する。

第１図は本発明の廃液バッグシステムの一実施例を示す
斜視図である。

第１図において、廃液バッグ（１）はハンガーフレーム
（２）のフック（３）につり下げられており、下部をハ
ンガーフレーム（２）のすのこ状の床（４）に支持され
ている。廃液バッグ（１）には分流ライン（５）が接続
されており、分流ライン（５）の上流側端部に設けられ
たキャップ付コネクタ（６）と合流ライン（７）の下流
側端部に設けられたキャップ付コネクタ（８）とが接続
されている。なお、第１図の実施例においては、これら
キャップ付コネクタ（６）および（８）として、一方に
はキャップを備えた雄型ルアーロックコネクタ、他方に
はキャップを備えた雌型ルアーロックコネクタが用いら
れている。２個のキャップ付コネクタ（６）および
（８）は分流ライン（５）と合流ライン（７）とを接続
するコネクタを構成しており、該コネクタと、分流ライ
ン（５）と、合流ライン（７）と、廃液バッグ（１）と
は廃液バッグセットを構成している。前記ハンガーフレ
ーム（２）および廃液バッグセットはコンテナ（10）に
収容されている。

前記廃液バッグ（１）の数は図示されている２個に限定
されるものではなく、３個以上であってもよく、そのば
あいには分流ライン（５）の下流側端部が必要数に分岐
される。同様に合流ライン（７）の上流側も必要に応じ
て３個以上としてもよい。

また、前記コンテナ（10）は、ハンガーフレーム（２）
および廃液バッグセットを収容して移動でき、万一洩れ
出した廃液を貯溜しうるものであれば、いかなるコンテ
ナであってもよく、さらに移動を容易にするために車輪
などを備えていてもよい。

廃液バッグセットのハンガーフレームへの装着時から、
治療終了後の取り外し時までラインはコネクタで接続さ
れており、バッグ廃棄の段階ではじめて合流ラインと分
流ラインとを切り離し、それぞれにキャップをして、合
流ラインは本体の回路につないだままで、分流ラインは
バッグと一緒に廃棄する。

本発明の廃液バッグシステムを装置と接続するときは、
あらかじめ合流ラインのみを装置に取付けておき、廃液
バッグセットをハンガーフレームに装着したのち、コン
テナに載せ機器の下方に運び、合流ラインと接続する。
廃液バッグセットのハンガーフレームへの装着は操作の
容易な場所で行い、装着後比較的狭い機器の下方にコン
テナで運ぶ。

洗浄、プライミング、治療中に万が一何等かの事情で廃
液バッグより廃液が漏れ出たばあいにも、外部に影響を
与えないよう、廃液はコンテナ内に貯溜される。

治療終了後、コネクタにキャップをしたのち、本体回路
と廃液バッグとを切り離し、コンテナを機器の下から取
り出し、操作のしやすい場所でバッグの下方のハンドル
部分を持って、バッグを下方より取り出し、上部のフッ
ク部分を外し、バッグを廃棄箇所に運び廃棄する。

第２図は、本発明の廃液バッグシステムに用いる廃液バ
ッグセットの一例を示す説明図である。

廃液バッグセットは、上流端にチューブコネクタ（11）
を有し、下流端にコネクタキャップ（12）を備えたキャ
ップ付コネクタ（８）を有する合流ライン（７）と、上
流端にコネクタキャップ（13）を備えたキャップ付コネ
クタ（６）を有する分流ライン（５）と、廃液バッグ
（１）とからなり、合流ライン（７）と分流ランイ
（５）はそれぞれのキャップ付コネクタ（８）および
（６）によって互いに着脱自在に接続されている。

第３図は廃液バッグを示す平面図である。

廃液バッグ（１）の上部中央には分流ライン（５）の下
端部の１本が熱融着などによって取付けられており、そ
の両側にはハンガーフレームのフックにつり下げるため
の一対の小孔（14）が設けられている。また廃液バッグ
の下部には手で持つためのハンドル部分（15）が設けら
れている。

前記分流ライン（５）、合流ライン（７）および廃液バ
ッグ（１）の材料としては、このような医療用器具に通
常用いられる材料をとくに限定なく用いることができ
る。

第４図は本発明の廃液バッグシステムに用いるハンガー
フレームの一例を示す斜視図である。

ハンガーフレーム（２）には少なくとも２個の廃液バッ
グ（１）を釣り下げるフック（３）と、廃液バッグ
（１）の下部を支持するすのこ状の床（４）とを有して
いる。前記すのこ状の床（４）は、第３図に示されるよ
うな廃液バッグ（１）下部のハンドル部分（15）に手に
入れやすいように、ハンドル部分（15）を支持する部分
の部材は手が入る程度の間隔を有している。

前記ハンガーフレーム（２）の材料にもとくに限定はな
く、金属、木、樹脂などいかなる材料をも用いることが
できる。

第５図はハンガーフレームの別な例を示す斜視図であ
る。

第５図には針金状の材料でつくられたハンガーフレーム
（２）が示されており、第４図のハンガーフレームと同
様にフック（３）とすのこ状の床（４）とを有してい
る。

［発明の効果］ 本発明の医療機器用廃液バックシステムは既成の機器、
既成の回路の変更を必要とせず閉鎖型廃液バッグの使用
を可能にするとともに、操作が簡単、容易であり、病原
菌の感染、汚染を防止しうるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の廃液バッグシステムの一実施例を示す
斜視図、第２図は廃液バッグセットの一例を示す説明
図、第３図は廃液バッグの一例を示す平面図、第４図は
ハンガーフレームの一例を示す斜視図、第５図はハンガ
ーフレームの別な一例を示す斜視図である。 （図面の主要符号） （１）：廃液バッグ （２）：ハンガーフレーム （５）：分流ライン （７）：合流ライン （10）：コンテナ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも２個の廃液バッグを保持するた
   めフレームの上方の左右にバッグを釣り下げるフックを
   有しており、該フックはバッグを持ち上げフレームから
   取り外すとき、はずれやすいよう、内方に向いており、
   下方には廃液バッグが廃液で満たされ重くなったバッグ
   を支えるためのすのこ状の床を有しており、すのこ状の
   床は用済み後のバッグを持ち上げるためのバッグの下方
   にあるハンドル部分に手が入る隙間を有してなる廃液バ
   ッグ保持用ハンガーフレームと、 少なくとも２箇所よりの廃液を１本にまとめるラインで
   あって、上流側先端が回路の廃液ラインに挿入接続可能
   なチューブコネクタを有している合流ライン、下流側先
   端が少なくとも２個の廃液バッグにつながれる分流ライ
   ン、合流ラインと分流ラインとを接続しているコネクタ
   および上方の左右にハンガーフレームに釣り下げるため
   の小孔を有し、下方には用済み後手で釣り下げるための
   ハンドリング用の開口部を有する廃液バッグからなる使
   い捨て型廃液バッグセットと、 ハンガーフレームおよび廃液バッグセットを収容するコ
   ンテナ とからなる医療機器用廃液バッグシステム。