JPH0790399A - 溶融金属の非金属介在物除去フィルタ - Google Patents
溶融金属の非金属介在物除去フィルタInfo
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- JPH0790399A JPH0790399A JP5226798A JP22679893A JPH0790399A JP H0790399 A JPH0790399 A JP H0790399A JP 5226798 A JP5226798 A JP 5226798A JP 22679893 A JP22679893 A JP 22679893A JP H0790399 A JPH0790399 A JP H0790399A
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- molten metal
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Filtering Materials (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 加工時に欠陥を生ずることのないように、原
料となる溶融金属中に混入した非金属介在物をインライ
ンで確実に且つ安価に除去できるようにすることを目的
とする。 【構成】 溶融金属中に混入した非金属介在物を除去す
る濾過層2と、当該濾過層2を補強する補強層3とが、
前記溶融金属よりも融点の高い金属粒子を焼結してなる
多孔質材の積層構造に形成され、前記濾過層2を形成す
る金属粒子4は、これを焼結したときに形成される多孔
質材の空隙が除去すべき非金属介在物より小さくなる粒
径に選定され、前記補強層3を形成する金属粒子5は、
前記濾過層2を形成する金属粒子4より大きな粒径に選
定されていることを特徴とする。
料となる溶融金属中に混入した非金属介在物をインライ
ンで確実に且つ安価に除去できるようにすることを目的
とする。 【構成】 溶融金属中に混入した非金属介在物を除去す
る濾過層2と、当該濾過層2を補強する補強層3とが、
前記溶融金属よりも融点の高い金属粒子を焼結してなる
多孔質材の積層構造に形成され、前記濾過層2を形成す
る金属粒子4は、これを焼結したときに形成される多孔
質材の空隙が除去すべき非金属介在物より小さくなる粒
径に選定され、前記補強層3を形成する金属粒子5は、
前記濾過層2を形成する金属粒子4より大きな粒径に選
定されていることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属を加工するときの
欠陥原因となる非金属介在物を溶融金属中から除去する
溶融金属の非金属介在物除去フィルタに関し、特に、電
子機器内配線に使用されるケーブル導体や、電子機器部
品用マグネットワイヤ導体、ICボンディングワイヤ等
の極細線材の原料となる金属に含まれる非金属介在物を
インラインで除去するのに適している。
欠陥原因となる非金属介在物を溶融金属中から除去する
溶融金属の非金属介在物除去フィルタに関し、特に、電
子機器内配線に使用されるケーブル導体や、電子機器部
品用マグネットワイヤ導体、ICボンディングワイヤ等
の極細線材の原料となる金属に含まれる非金属介在物を
インラインで除去するのに適している。
【0002】
【従来の技術】例えば、極細銅線を製造する場合、電気
銅や銅スクラップを原料として、SCR法,DFP法,
CONTIROD法等の連続溶解鋳造圧延法により銅荒
引線を製造し、次いでこの荒引線を伸線加工して極細線
を形成する。このとき、溶解時に生成される金属性酸化
物や、鋳造工程において耐火物質が磨耗して形成される
セラミック粉が非金属介在物として溶融金属中に混入す
るため、荒引線を伸線加工したときに介在物のある部分
で断線しやすく生産性が悪いという問題があった。
銅や銅スクラップを原料として、SCR法,DFP法,
CONTIROD法等の連続溶解鋳造圧延法により銅荒
引線を製造し、次いでこの荒引線を伸線加工して極細線
を形成する。このとき、溶解時に生成される金属性酸化
物や、鋳造工程において耐火物質が磨耗して形成される
セラミック粉が非金属介在物として溶融金属中に混入す
るため、荒引線を伸線加工したときに介在物のある部分
で断線しやすく生産性が悪いという問題があった。
【0003】このため、従来より、溶融金属中に混入し
た非金属介在物をセラミックフォームフィルタ(CF
F)を用いてインラインで除去しながら荒引線を製造
し、この荒引線を鉄粉探傷装置により選別して、合格し
たもののみを極細線の加工に供したり、また、少量の銅
線製造に関しては、再電解・再々電解精製を行った高純
度銅を使用し、もともと非金属介在物の少ない原料を使
用することにより、伸線加工時における断線を防止して
いる。
た非金属介在物をセラミックフォームフィルタ(CF
F)を用いてインラインで除去しながら荒引線を製造
し、この荒引線を鉄粉探傷装置により選別して、合格し
たもののみを極細線の加工に供したり、また、少量の銅
線製造に関しては、再電解・再々電解精製を行った高純
度銅を使用し、もともと非金属介在物の少ない原料を使
用することにより、伸線加工時における断線を防止して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CFF
は比較的目が粗いため微小な非金属介在物を除去するこ
とができず、また、微小な非金属介在物まで除去できる
ように目を細かくすると、溶融金属が通過し難くなって
生産効率が低下するという問題があった。また、鉄粉探
傷装置で合格したものだけを極細線に加工しているので
歩留りが悪いだけでなく、鉄粉探傷装置では非金属介在
物を検出することはできないので、合格品を伸線加工し
ても断線を生じてしまい、結局材料選別の信頼性も低い
という問題があった。
は比較的目が粗いため微小な非金属介在物を除去するこ
とができず、また、微小な非金属介在物まで除去できる
ように目を細かくすると、溶融金属が通過し難くなって
生産効率が低下するという問題があった。また、鉄粉探
傷装置で合格したものだけを極細線に加工しているので
歩留りが悪いだけでなく、鉄粉探傷装置では非金属介在
物を検出することはできないので、合格品を伸線加工し
ても断線を生じてしまい、結局材料選別の信頼性も低い
という問題があった。
【0005】さらに、再電解・再々電解精製を行った高
純度銅を使用する場合には、溶解・鋳造を行う作業環境
もクリーンルーム化するなど非金属介在物の混入防止対
策のため、コストが嵩むという問題があった。そこで、
本発明は、加工時に欠陥を生ずることのないように、原
料となる溶融金属中に混入した非金属介在物をインライ
ンで確実に且つ安価に除去できるようにすることを技術
的課題としている。
純度銅を使用する場合には、溶解・鋳造を行う作業環境
もクリーンルーム化するなど非金属介在物の混入防止対
策のため、コストが嵩むという問題があった。そこで、
本発明は、加工時に欠陥を生ずることのないように、原
料となる溶融金属中に混入した非金属介在物をインライ
ンで確実に且つ安価に除去できるようにすることを技術
的課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明は、溶融金属中に混入した非金属介在物を除
去する濾過層と、当該濾過層を補強する補強層とが、前
記溶融金属よりも融点の高い金属粒子を焼結してなる多
孔質材の積層構造に形成され、前記濾過層を形成する金
属粒子は、これを焼結したときに形成される多孔質材の
空隙が除去すべき非金属介在物より小さくなる粒径に選
定され、前記補強層を形成する金属粒子は、前記濾過層
を形成する金属粒子より大きな粒径に選定されているこ
とを特徴とする。
に、本発明は、溶融金属中に混入した非金属介在物を除
去する濾過層と、当該濾過層を補強する補強層とが、前
記溶融金属よりも融点の高い金属粒子を焼結してなる多
孔質材の積層構造に形成され、前記濾過層を形成する金
属粒子は、これを焼結したときに形成される多孔質材の
空隙が除去すべき非金属介在物より小さくなる粒径に選
定され、前記補強層を形成する金属粒子は、前記濾過層
を形成する金属粒子より大きな粒径に選定されているこ
とを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明によれば、濾過層は、金属粒子を焼結し
て成る多孔質材で形成され、当該多孔質材には除去すべ
き非金属介在物より小さな空隙が形成されているので、
処理しようとする溶融金属を濾過すると、加工に際し悪
影響を及ぼす大きさの非金属介在物が確実に捕捉され
る。また、濾過層は補強層で補強されており、濾過層自
体を薄く形成しても強度的な問題はないので、非金属介
在物を除去できる最小限の薄さに形成することにより、
溶融金属を容易に通過させ、且つ、非金属介在物を確実
に除去することができる。さらに、補強層を形成する金
属粒子は、前記濾過層を形成する金属粒子より大きな粒
径に選定されており、その分だけ隙間も大きいので、補
強層を設けることにより溶融金属の流れが妨げられるこ
ともない。
て成る多孔質材で形成され、当該多孔質材には除去すべ
き非金属介在物より小さな空隙が形成されているので、
処理しようとする溶融金属を濾過すると、加工に際し悪
影響を及ぼす大きさの非金属介在物が確実に捕捉され
る。また、濾過層は補強層で補強されており、濾過層自
体を薄く形成しても強度的な問題はないので、非金属介
在物を除去できる最小限の薄さに形成することにより、
溶融金属を容易に通過させ、且つ、非金属介在物を確実
に除去することができる。さらに、補強層を形成する金
属粒子は、前記濾過層を形成する金属粒子より大きな粒
径に選定されており、その分だけ隙間も大きいので、補
強層を設けることにより溶融金属の流れが妨げられるこ
ともない。
【0008】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
具体的に説明する。図1は本発明に係る非金属介在物除
去フィルタを示す断面図、図2は他の実施例を示す断面
図、図3は本発明に係るフィルタを用いた小型溶解連続
鋳造装置の一例を示す断面図、図4はアルミニウム用鋳
造装置の断面図である。
具体的に説明する。図1は本発明に係る非金属介在物除
去フィルタを示す断面図、図2は他の実施例を示す断面
図、図3は本発明に係るフィルタを用いた小型溶解連続
鋳造装置の一例を示す断面図、図4はアルミニウム用鋳
造装置の断面図である。
【0009】図中1は、銅を鋳造する場合に用いる非金
属介在物除去フィルタであって、濾過層2及び当該濾過
層2を補強する補強層3が積層されて二層構造に形成さ
れ、銅に対して熱伝導性が良く、銅より融点及び比重が
高く、反応性は低く、且つ、濡れ性のよいタングステン
粒子4,5を焼結して積層形成されている。
属介在物除去フィルタであって、濾過層2及び当該濾過
層2を補強する補強層3が積層されて二層構造に形成さ
れ、銅に対して熱伝導性が良く、銅より融点及び比重が
高く、反応性は低く、且つ、濡れ性のよいタングステン
粒子4,5を焼結して積層形成されている。
【0010】このフィルタ1は、例えば、濾過層2とし
て、粒径0.02〜0.04mmのタングステン粒子4,4・・を
厚さ2mm程度の板状に加圧形成し、補強層3として、粒
径0.05〜0.19mmのタングステン粒子5,5・・を厚さ5
mm程度の板状に加圧形成し、濾過層2及び補強層3を積
層して直径 100mmの平板に成形し、約1100〜1300度で予
備焼結し、その後約3000度で通電焼結して二層構造の多
孔質材に形成されている。
て、粒径0.02〜0.04mmのタングステン粒子4,4・・を
厚さ2mm程度の板状に加圧形成し、補強層3として、粒
径0.05〜0.19mmのタングステン粒子5,5・・を厚さ5
mm程度の板状に加圧形成し、濾過層2及び補強層3を積
層して直径 100mmの平板に成形し、約1100〜1300度で予
備焼結し、その後約3000度で通電焼結して二層構造の多
孔質材に形成されている。
【0011】このフィルタ1の濾過精度は、焼結する金
属の粒径により決定され、例えば、隣合う三個のタング
ステン粒子4,4・・が互いに三角形を形成するように
配列されると、粒径0.02mmのとき最小隙間径は 0.003mm
となり、3ミクロン以上の非金属介在物を確実に捕捉す
ることができる。
属の粒径により決定され、例えば、隣合う三個のタング
ステン粒子4,4・・が互いに三角形を形成するように
配列されると、粒径0.02mmのとき最小隙間径は 0.003mm
となり、3ミクロン以上の非金属介在物を確実に捕捉す
ることができる。
【0012】また、濾過層2はわずか2mm程度と薄いの
で、溶融金属を容易に通過させることができ、且つ、補
強層3により補強されているので強度的にも問題はな
い。なお、このタイプは、極細マグネットワイヤ導体,
ICボンディングワイヤ等の小ロット生産に適してい
る。
で、溶融金属を容易に通過させることができ、且つ、補
強層3により補強されているので強度的にも問題はな
い。なお、このタイプは、極細マグネットワイヤ導体,
ICボンディングワイヤ等の小ロット生産に適してい
る。
【0013】図2は他の実施例を示し、本例では、補強
層3がさらに二層構造に形成され、粒径 0.2〜1.0mm の
タングステン粒子5aを焼結して2〜8mmの厚さに形成
した第一層3aと、粒径0.05〜0.19mmのタングステン粒
子5bを焼結して2〜5mmの厚さに形成した第二層3b
とからなる。そして、補強層3の前記第二層3b側に、
粒径0.02〜0.04mmのタングステン粒子4を焼結して1〜
3mmの厚さに形成した濾過層2が積層されている。
層3がさらに二層構造に形成され、粒径 0.2〜1.0mm の
タングステン粒子5aを焼結して2〜8mmの厚さに形成
した第一層3aと、粒径0.05〜0.19mmのタングステン粒
子5bを焼結して2〜5mmの厚さに形成した第二層3b
とからなる。そして、補強層3の前記第二層3b側に、
粒径0.02〜0.04mmのタングステン粒子4を焼結して1〜
3mmの厚さに形成した濾過層2が積層されている。
【0014】この場合も、前例と同様に濾過層2で3ミ
クロン以上の非金属介在物を確実に捕捉することがで
き、また、溶融金属を容易に通過させることができる。
さらに、補強層3を二層構造にしたタイプは、濾過層2
をより頑丈に補強してその有効面積を広くすることがで
きるので、大量の溶融金属を連続的に処理する大型連続
鋳造機のフィルタに適している。
クロン以上の非金属介在物を確実に捕捉することがで
き、また、溶融金属を容易に通過させることができる。
さらに、補強層3を二層構造にしたタイプは、濾過層2
をより頑丈に補強してその有効面積を広くすることがで
きるので、大量の溶融金属を連続的に処理する大型連続
鋳造機のフィルタに適している。
【0015】6は、銅を溶解して荒引線を製造する小型
溶解連続鋳造装置であって、高周波誘導加熱コイル7で
加熱される溶解鋳造用グラファイトルツボ8の底部流出
口9にフィルタ1が装着されると共に、当該流出口9が
溶銅10を直径10mmの銅ロッド12に鋳造して引き出
すグラファイト鋳型11に連通されている。そして、鋳
型から引き出された銅ロッド12を連続伸線機(図示せ
ず)にて数工程を経て直径0.025mm の極細線に伸線加工
した。
溶解連続鋳造装置であって、高周波誘導加熱コイル7で
加熱される溶解鋳造用グラファイトルツボ8の底部流出
口9にフィルタ1が装着されると共に、当該流出口9が
溶銅10を直径10mmの銅ロッド12に鋳造して引き出
すグラファイト鋳型11に連通されている。そして、鋳
型から引き出された銅ロッド12を連続伸線機(図示せ
ず)にて数工程を経て直径0.025mm の極細線に伸線加工
した。
【0016】この場合、タングステン粒子で形成された
フィルタ1は、セラミック材と比べて熱膨張率が低く、
焼結により強固に溶着しているので、加熱・溶融金属の
熱衝撃に耐え、濾過中でのタングステン粒子の欠け落ち
が少ない。また、タングステンとグラファイトは熱膨張
率が近似しているので、グラファイトルツボ8に取り付
けるフィルタ1の隙間を小さくすることが可能となり、
溶融金属の漏れを防止して、確実に濾過することができ
る。
フィルタ1は、セラミック材と比べて熱膨張率が低く、
焼結により強固に溶着しているので、加熱・溶融金属の
熱衝撃に耐え、濾過中でのタングステン粒子の欠け落ち
が少ない。また、タングステンとグラファイトは熱膨張
率が近似しているので、グラファイトルツボ8に取り付
けるフィルタ1の隙間を小さくすることが可能となり、
溶融金属の漏れを防止して、確実に濾過することができ
る。
【0017】表1は、原料1kgを極細線に伸線加工し
たときの断線回数及び断線サンプル中に見られた非金属
介在物の成分であって、実験例は本発明の非金属介在物
除去フィルタ1を使用したもの、比較例1はフィルタ1
の替わりに、穴径 0.5mm, 厚さ30mm, 直径100mm のア
ルミナ製セラミックフォームフィルタを使用し、比較例
2はフィルタ1を外して鋳造・伸線加工をおこなったも
ののデータである。
たときの断線回数及び断線サンプル中に見られた非金属
介在物の成分であって、実験例は本発明の非金属介在物
除去フィルタ1を使用したもの、比較例1はフィルタ1
の替わりに、穴径 0.5mm, 厚さ30mm, 直径100mm のア
ルミナ製セラミックフォームフィルタを使用し、比較例
2はフィルタ1を外して鋳造・伸線加工をおこなったも
ののデータである。
【0018】
【表1】
【0019】本発明に係るフィルタ1で濾過した溶融金
属は、 0.003mm以上の大きさの非金属介在物が完全に除
去されており、伸線加工に影響を及ぼさない 0.003mm未
満の大きさの非金属介在物しか混入されていないので、
線径 0.025mmまで伸線加工しても断線することがない。
これに対し、セラミックフォームフィルタを使用したも
のについては、伸線加工時に悪影響を及ぼす 0.003mm以
上の大きさの非金属介在物が除去されていないので11
回断線を生じ、フィルタを使用しなかったものについて
は20回以上もの断線があった。
属は、 0.003mm以上の大きさの非金属介在物が完全に除
去されており、伸線加工に影響を及ぼさない 0.003mm未
満の大きさの非金属介在物しか混入されていないので、
線径 0.025mmまで伸線加工しても断線することがない。
これに対し、セラミックフォームフィルタを使用したも
のについては、伸線加工時に悪影響を及ぼす 0.003mm以
上の大きさの非金属介在物が除去されていないので11
回断線を生じ、フィルタを使用しなかったものについて
は20回以上もの断線があった。
【0020】20は、アルミニウムを溶解して荒引線を
製造する小型連続鋳造装置であって、電熱線ヒータ21
で加熱される鋳造用ムライトルツボ22の下部側面に溶
融アルミニウム供給管23が接続されると共に、上部側
面に引出口24が形成され、当該引出口24には溶融ア
ルミニウム25を直径10mmのアルミニウムロッド26
に鋳造して引き出す鋳型27が形成され、ルツボ22を
上下に仕切る隔壁28の開口部にタングステン製のフィ
ルタ1が装着されている。そして、アルミニウムロッド
26を連続伸線機(図示せず)にて数工程を経て直径0.
030mm の極細線に伸線加工した。
製造する小型連続鋳造装置であって、電熱線ヒータ21
で加熱される鋳造用ムライトルツボ22の下部側面に溶
融アルミニウム供給管23が接続されると共に、上部側
面に引出口24が形成され、当該引出口24には溶融ア
ルミニウム25を直径10mmのアルミニウムロッド26
に鋳造して引き出す鋳型27が形成され、ルツボ22を
上下に仕切る隔壁28の開口部にタングステン製のフィ
ルタ1が装着されている。そして、アルミニウムロッド
26を連続伸線機(図示せず)にて数工程を経て直径0.
030mm の極細線に伸線加工した。
【0021】表2は、原料1kgを極細線に伸線加工し
たときの断線回数及び断線サンプル中に見られた非金属
介在物の成分であって、実験例は本発明の非金属介在物
除去フィルタ1を使用したもの、比較例はフィルタ1の
替わりに、穴径0.15mm, 厚さ25mm, 直径 100mmのアル
ミナ製セラミックフォームフィルタを用いて鋳造・伸線
加工を行ったときのデータである。
たときの断線回数及び断線サンプル中に見られた非金属
介在物の成分であって、実験例は本発明の非金属介在物
除去フィルタ1を使用したもの、比較例はフィルタ1の
替わりに、穴径0.15mm, 厚さ25mm, 直径 100mmのアル
ミナ製セラミックフォームフィルタを用いて鋳造・伸線
加工を行ったときのデータである。
【0022】
【表2】
【0023】この例でも、本発明に係るフィルタ1で濾
過した溶融金属は、 0.003mm以上の大きさの非金属介在
物が完全に除去されているため断線を起こさず、比較例
に示すセラミックフォームフィルタを使用した場合は、
伸線加工時に悪影響を及ぼす0.003mm以上の大きさの非
金属介在物が完全に除去されていないため12回の断線
があった。
過した溶融金属は、 0.003mm以上の大きさの非金属介在
物が完全に除去されているため断線を起こさず、比較例
に示すセラミックフォームフィルタを使用した場合は、
伸線加工時に悪影響を及ぼす0.003mm以上の大きさの非
金属介在物が完全に除去されていないため12回の断線
があった。
【0024】なお、溶融金属とフィルタの材質との組み
合わせは、例えば、溶融銅,銀,アルミニウムに対し
て、タングステン製フィルタ,モリブデン製フィルタが
用いられ、溶融銀に対してステンレス鋼製フィルタ等が
あげられる。また、溶融金属は銅に銀を少量添加したよ
うな合金系のものであってもよい。
合わせは、例えば、溶融銅,銀,アルミニウムに対し
て、タングステン製フィルタ,モリブデン製フィルタが
用いられ、溶融銀に対してステンレス鋼製フィルタ等が
あげられる。また、溶融金属は銅に銀を少量添加したよ
うな合金系のものであってもよい。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、濾
過層が補強層で補強され、濾過層自体を薄く形成しても
強度的な問題はないので、非金属介在物を除去できる最
小限の薄さに形成することにより、溶融金属を容易に通
過させることができると同時に、当該濾過層は隣接する
金属粒子間に除去すべき非金属介在物より小さな空隙を
形成しているので、処理しようとする溶融金属に混入さ
れた非金属介在物を確実に除去することができるという
優れた効果を有する。
過層が補強層で補強され、濾過層自体を薄く形成しても
強度的な問題はないので、非金属介在物を除去できる最
小限の薄さに形成することにより、溶融金属を容易に通
過させることができると同時に、当該濾過層は隣接する
金属粒子間に除去すべき非金属介在物より小さな空隙を
形成しているので、処理しようとする溶融金属に混入さ
れた非金属介在物を確実に除去することができるという
優れた効果を有する。
【図1】本発明に係る非金属介在物除去フィルタの一例
を示す断面図。
を示す断面図。
【図2】他の実施例を示す断面図。
【図3】銅連続鋳造装置を示す断面図。
【図4】アルミニウム連続鋳造装置を示す断面図。
1・・・フィルタ 2・・・濾過層 3・・・補強層 3a・・第一層 3b・・第二層 4,5,5a,5b・・・タングステン粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥 村 博 司 東京都東久留米市八幡町一丁目2番9号 株式会社オプテックディディ・メルコ・ラ ボラトリー内 (72)発明者 寄 田 洋 一 東京都東久留米市八幡町一丁目2番9号 株式会社オプテックディディ・メルコ・ラ ボラトリー内 (72)発明者 草 間 正 行 東京都東久留米市八幡町一丁目2番9号 株式会社オプテックディディ・メルコ・ラ ボラトリー内
Claims (3)
- 【請求項1】 溶融金属中に混入した非金属介在物を除
去する濾過層(2)と、当該濾過層(2)を補強する補
強層(3)とが、前記溶融金属よりも融点の高い金属粒
子を焼結してなる多孔質材の積層構造に形成され、前記
濾過層(2)を形成する金属粒子(4)は、これを焼結
したときに形成される多孔質材の空隙が除去すべき非金
属介在物より小さくなる粒径に選定され、前記補強層
(3)を形成する金属粒子(5)は、前記濾過層(2)
を形成する金属粒子(4)より大きな粒径に選定されて
いることを特徴とする溶融金属の非金属介在物除去フィ
ルタ。 - 【請求項2】 前記濾過層(2)が、粒径0.02〜0.04mm
の金属粒子(4)を焼結して2〜5mmの厚さに形成され
ると共に、前記補強層(3)が、0.05〜0.20mmの金属粒
子(5)を焼結して3〜5mmの厚さに形成されて成る前
記請求項1記載の溶融金属の非金属介在物除去フィル
タ。 - 【請求項3】 前記補強層(3)が、粒径 0.2〜1.0mm
の金属粒子(5a) を焼結して2〜8mmの厚さに形成した
第一層 (3a) と、粒径0.05〜0.19mmの金属粒子 (5b) を
焼結して2〜5mmの厚さに形成した第二層 (3b) とを積
層して成り、当該第二層 (3b) 側に粒径0.02〜0.04mmの
金属粒子(4)を焼結して1〜3mmの厚さに形成した濾
過層(2)が積層されてなる前記請求項1記載の溶融金
属の非金属介在物除去フィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5226798A JPH0790399A (ja) | 1993-09-13 | 1993-09-13 | 溶融金属の非金属介在物除去フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5226798A JPH0790399A (ja) | 1993-09-13 | 1993-09-13 | 溶融金属の非金属介在物除去フィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0790399A true JPH0790399A (ja) | 1995-04-04 |
Family
ID=16850785
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5226798A Pending JPH0790399A (ja) | 1993-09-13 | 1993-09-13 | 溶融金属の非金属介在物除去フィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0790399A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003268461A (ja) * | 2002-03-14 | 2003-09-25 | Boeing Co:The | 反応性金属合金からハードアルファ介在物を濾過するためのシステムおよびフィルタ |
-
1993
- 1993-09-13 JP JP5226798A patent/JPH0790399A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003268461A (ja) * | 2002-03-14 | 2003-09-25 | Boeing Co:The | 反応性金属合金からハードアルファ介在物を濾過するためのシステムおよびフィルタ |
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