JPH0779685B2 - 植物細胞培養法 - Google Patents

植物細胞培養法

Info

Publication number
JPH0779685B2
JPH0779685B2 JP3008731A JP873191A JPH0779685B2 JP H0779685 B2 JPH0779685 B2 JP H0779685B2 JP 3008731 A JP3008731 A JP 3008731A JP 873191 A JP873191 A JP 873191A JP H0779685 B2 JPH0779685 B2 JP H0779685B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
medium
plant cell
plant
cell culture
culture method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3008731A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04252178A (ja
Inventor
彰宏 岡本
浩 桜沢
Original Assignee
株式会社ナーサリーテクノロジー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ナーサリーテクノロジー filed Critical 株式会社ナーサリーテクノロジー
Priority to JP3008731A priority Critical patent/JPH0779685B2/ja
Publication of JPH04252178A publication Critical patent/JPH04252178A/ja
Publication of JPH0779685B2 publication Critical patent/JPH0779685B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物細胞培養法に関
し、さらに詳しくは、液体培養において、再分化能を有
する植物細胞を効率的に維持、増殖させることのできる
植物細胞培養法に関する。
【0002】
【従来の技術】植物細胞培養においては、培地の pH、
アンモニウムイオン、硝酸イオンは培地作製時に決定さ
れ、培養中にそれを制御することは一般にされていな
い。植物細胞培養ではこの3者は非常に重要な役割をも
っているが、その最適値或いは最適濃度は培養前での値
として種々検討され、植物細胞毎に決定される。また、
培地 pHにおいては、培養中制御されることがあるが、
これは培養中に培地中の無機イオンを植物細胞が摂取す
ることによって生ずる pH変化を補正することを目的と
する。この場合には、緩衝剤を培地に添加することで、
その代替をすることが可能である。
【0003】しかしながら、上記従来の植物細胞培養法
においては、植物細胞の増殖効率の点で改善すべき問題
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、植物
細胞の増殖効率を改善した植物細胞培養法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、液体培地による植物細胞
培養法において、液体培地のpHを指標としてアンモニ
ウムイオンを含むアルカリ及び硝酸イオンを含む酸を添
加しつつ、植物細胞を培養することにより再分化能を維
持したまま植物細胞の増殖効率が著しく向上することを
見出し、この新知見に基づいて本発明を完成した。
【0006】したがって、本発明の植物細胞培養法は、
液体培地による植物細胞培養法において、予めpHの下
限と上限を設定し、培地中のpHが下限よりも下回った
場合にはアンモニウムイオンを含むアルカリを培地に添
加し、培地中のpHが上限より上回った場合には硝酸イ
オンを含む酸を培地に添加して、培地中のアンモニウム
イオン濃度と硝酸イオン濃度の適正化を図りつつ、植物
細胞を培養することにより再分化能を有する植物細胞を
維持、増殖させることを特徴とするものである。
【0007】本発明の適用対象となる植物としては、例
えば、イネ、ニンジン、パセリ、セロリー、ダイズ、メ
ロン、ニンニク、アスパラガス等の植物を挙げることが
できる。植物細胞の液体培養に使用する液体培地として
は、通常の植物細胞培養に使用することのできる液体培
地であれば、いずれでもよいが、好適には、MS培地、
N6培地、SH培地、LS培地、ホワイトの培地、B5
培地等を挙げることができる。
【0008】上記植物細胞は、種々の方法により得るこ
とができるが、例えば、生長点、胚軸、葉、根等の植物
の外植片を、炭素源及び無機塩とオーキシン等の植物ホ
ルモンを含有する培地に置床し、外植片より発生した不
定形の細胞塊のみを同様の培地で、例えば、三角フラス
コやジャーファーメンター等の容器を用いて継代培養す
ることにより得ることができる。
【0009】アンモニウムイオンを含むアルカリとは、
アンモニウムイオンを含み、 pHの高いアルカリであれ
ば、いずれでもよいが、例えば、アンモニア水等を挙げ
ることができる。硝酸イオンを含む酸とは、硝酸イオン
を含み、 pHの低い酸であれば、いずれでもよいが、例
えば、硝酸等を挙げることができる。
【0010】本発明におけるアンモニウムイオン濃度と
硝酸イオン濃度の適正化は、培地のpHをpHセンサー
により測定し、予め設定した下限を下回るとアンモニウ
ムイオンを含むアルカリがポンプにより添加され、培地
のpHが下限以上になるとポンプは停止し、また、培地
のpHが予め設定した下限を下回ると、硝酸イオンを含
む酸がポンプにより添加され、上限以下になるとポンプ
が停止することによって行うことができる。
【0011】再分化能を有するとは、植物細胞を炭素源
及び無機塩と植物ホルモンを含有する培地に置床し、そ
の植物細胞より、将来、植物体となることができる組織
体、例えば、不定胚、不定芽、胚様体等を形成させるこ
とができることをいう。
【0012】
【作用】上記のように、本発明によれば、培地中のアン
モニウムイオン濃度及び硝酸イオン濃度の適正化を図り
つつ、植物細胞を液体培養することによって、従来より
も高い増殖効率で、再分化能を有する植物細胞が維持、
増殖される。
【0013】
【実施例】種子胚盤より誘導し、継代培養を行っている
イネ細胞を、新鮮培地の入った通気攪拌型培養槽に、5
g/Lで植え付け、2週間培養後、細胞の生重量を測定し
た。培養中は、5%アンモニア水及び1N硝酸により、
培地の pHを 5.7〜5.9 になるよう制御を行った。
【0014】実験は3回実施した。その結果を表1に示
す。
【0015】
【表1】
【0016】(注)表1において、増殖率とは、培養開
始時、植え付けた細胞量(生重量)をag 、培養終了時
の細胞量(生重量)をbg とすると、増殖率はb/aで
表される。いずれの実験においても、従来培養法(コン
トロール)を上回り、その増殖率は、従来培養法を1と
すると、本発明による培養法では、1.86(平均)であっ
た。また、再分化能についても従来培養法以上の能力を
保持していた。
【0017】培地中のアンモニウムイオン及び硝酸イオ
ンを高速液体クロマトグラフィーに分析し、その消長を
調べたところ、一点を境にして、それ以前ではアンモニ
ウムイオンが、それ以後では硝酸イオンが、培地中で一
定に制御されていた。(図)ここでの再分化能の評価
は、イネ細胞塊を発芽体形成培地に置床し、形成された
発芽体の数を計測することで行った。その結果を表2に
示す。
【0018】
【表2】
【0019】(注)表2において、発芽率とは、置床し
た細胞塊数をa個、培養後、発芽体の生じた細胞塊数を
b個とすると、b/aで表される。次に、使用した培地
組成及び培養方法を示す。 <細胞培養条件>培地 250mlを入れた 500ml容通気攪拌
型培養槽にて、25〜27℃, 50rpm にて培養。または、培
地1Lを入れた2L容通気攪拌型培養槽にて、30℃, 50
rpmにて培養。 <発芽体誘導条件>9cmシャーレに、1mm以上の細胞塊
をシャーレ当たり、16個ずつ、計80個置床する。25〜27
℃で、4週間培養する。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、植物細胞培養におい
て、再分化能を有する細胞を効率的に維持、増殖するこ
とができる。`出願人 株式会社 ナーサリーテクノ
ロジー代理人 弁理士 平木 祐輔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 竹内正幸他2名編集「新植物組織培養」 朝倉書店(昭和54年9月20日発行)第64〜 65頁 3)PHの項目 平井篤志他2名著 生物化学実験法16 「植物細胞育種入門」学会出版センター (1982.3.25発行)第47〜49頁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体培地による植物細胞培養法におい
    て、予めpHの下限と上限を設定し、培地中のpHが下
    限よりも下回った場合にはアンモニウムイオンを含むア
    ルカリを培地に添加し、培地中のpHが上限より上回っ
    た場合には硝酸イオンを含む酸を培地に添加して、培地
    中のアンモニウムイオン濃度と硝酸イオン濃度の適正化
    を図りつつ、植物細胞を培養することにより再分化能を
    有する植物細胞を維持、増殖させることを特徴とする植
    物細胞培養法。
JP3008731A 1991-01-28 1991-01-28 植物細胞培養法 Expired - Lifetime JPH0779685B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3008731A JPH0779685B2 (ja) 1991-01-28 1991-01-28 植物細胞培養法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3008731A JPH0779685B2 (ja) 1991-01-28 1991-01-28 植物細胞培養法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04252178A JPH04252178A (ja) 1992-09-08
JPH0779685B2 true JPH0779685B2 (ja) 1995-08-30

Family

ID=11701102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3008731A Expired - Lifetime JPH0779685B2 (ja) 1991-01-28 1991-01-28 植物細胞培養法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0779685B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998037176A1 (en) * 1997-02-19 1998-08-27 Phytobiotech Inc. Method for increasing the growth of plant cell cultures

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
平井篤志他2名著生物化学実験法16「植物細胞育種入門」学会出版センター(1982.3.25発行)第47〜49頁
竹内正幸他2名編集「新植物組織培養」朝倉書店(昭和54年9月20日発行)第64〜65頁3)PHの項目

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04252178A (ja) 1992-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wetherell et al. Sources of nitrogen supporting growth and embryogenesis in cultured wild carrot tissue
Alawaadh et al. Micropropagation of lacy tree philodendron (Philodendron bipinnatifidum Schott ex Endl.)
CN107736251A (zh) 一种紫脊百合试管小鳞茎繁殖方法
CN101911914A (zh) 一种适于蕨类植物孢子萌发与育苗的培养基
Shanjani Nitrogen effect on callus induction and plant regeneration of Juniperus excelsa
WO1987002701A1 (en) Methods and media for enhanced somatic embryogenesis
CN107251838A (zh) 一种杜梨组培苗生根培养基
EP0147236B1 (en) Process for the promotion of regeneration of plants from tissue cultures
JPH0779685B2 (ja) 植物細胞培養法
Rosanna et al. The effectiveness of paclobutrazol and organic fertilizer for the growth and yield of potatoes (Solanum tuberosum L.) in medium plain
Plessis et al. Preliminary study on in vitro shoot culture of Hibiscus coddii subsp. barnardii, an indigenous South African flowering plant
JP3934874B2 (ja) 組織培養によるマホガニー属樹木の大量増殖法
KR100333559B1 (ko) 생장조절제 무첨가 배양용기에서 인삼 세포의 대량 생산 방법
JPH0731308A (ja) 植物の増殖方法およびその増殖方法に用いる液体培地
Ossai et al. Development of micropropagation system for yam (Dioscorea spp.) using somatic embryogenesis
CN100411508C (zh) 一种高效诱导植物组织分化再生的培养方法
KR19990086801A (ko) 저반부 배양에 의한 백합종구의 기내 대량생산 방법
JPH07155081A (ja) 矮化トルコぎきょうの種苗の生産方法
KR102403394B1 (ko) 암배양 최적화를 통하여 고품질의 감자 마이크로튜버를 생산하는 방법
CN115885850B (zh) 一种老芒麦再生的组培培养基和老芒麦成熟胚再生组培方法
CN107125135A (zh) 一种利用花序轴高效诱导大蒜胚性愈伤组织的方法
JPH02286020A (ja) ギョウジャニンニクの種苗大量増殖法
Guevin et al. Effects of Glutamine and Osmoticum on Somatic Embryo Maturation in Norway Spruce (Picea abies)(L.) Karst.
Islam et al. Factors affecting in vitro bulblet growth of Lilium orientalis' Stargazer'and'Casablanca'
Li et al. Basal medium with modified calcium source and other factors influence on shoots culture of tree peony