JPH0759794A - 位相敏感電力検出機能を備えたラジオ波切除装置 - Google Patents

位相敏感電力検出機能を備えたラジオ波切除装置

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JPH0759794A
JPH0759794A JP5206743A JP20674393A JPH0759794A JP H0759794 A JPH0759794 A JP H0759794A JP 5206743 A JP5206743 A JP 5206743A JP 20674393 A JP20674393 A JP 20674393A JP H0759794 A JPH0759794 A JP H0759794A
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JP
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signal
voltage
electrode
power
radio frequency
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JP5206743A
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D Edwards Stewart
ディー. エドワーズ スチュワート
A Stern Roger
エイ. スターン ロジャー
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EP TECHNOL Inc
II P TECHNOL Inc
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II P TECHNOL Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実際のラジオ波電力(位相敏感電力)を検出
する機能を備え、これに基づいて、ラジオ波電力を制御
することにより、組織切除処置を正確かつ安全に行うこ
とが可能なラジオ波切除装置を提供する。 【構成】 ラジオ波エネルギーを用いて組織を切除する
ための装置であって、ラジオ波エネルギーの供給源30
と、該供給源と電気的に接続されており、切除部位でラ
ジオ波エネルギーを放射する電極手段16と、該電極手
段16へ送達されるラジオ波電流を測定し、測定された
ラジオ波電流信号を発生させる電流モニタ手段40と、
該電極手段16でのラジオ波電圧を測定し、測定された
ラジオ波電圧信号を発生させる電圧モニタ手段42と、
該測定された電流信号に該測定された電圧信号を掛け
て、該電極手段へ伝達される実際の位相敏感電力を表す
位相敏感電力信号を求めるアナログ乗算器集積回路58
と、該実際の電力信号に基づいて機能を行う制御手段7
0とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的にはカテーテル
及び関連する電力源に関する。さらに特定的には、本発
明は、身体の内部領域で操縦及び操作された後、治療を
目的とする損傷を形成するようにエネルギーを伝達する
切除カテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】今日の医療処置において、医師は、目的
とする組織範囲を切除するように身体の内部領域へアク
セスするために、カテーテルを用いている。医師にとっ
ては、組織を切除するために用いられる体内でのエネル
ギー放射を慎重且つ正確に制御することが重要である。
【0003】カテーテルに対する慎重且つ正確な制御の
必要性は、心臓内の組織を切除する処置の間は特に重大
である。電気生理学的治療と呼ばれるこれらの処置は、
心臓のリズム障害を治療するためにさらに広く用いられ
てきている。
【0004】これらの処置の間、医師はカテーテルを大
静脈又は大動脈(典型的には、大腿動脈)を通して、治
療されるべき心臓の内部領域へ進める。次に、医師は操
縦機構をさらに操作して、カテーテルの末端に取り付け
られた電極が、切除されるべき組織に直接接するように
する。医師は、組織を削除して損傷を形成するように、
ラジオ波エネルギーを電極の先端から組織を通して不関
電極へ放射する。
【0005】心臓の切除は、切除電極からのエネルギー
の放射を正確にモニタして制御するような性能を特に、
必要とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の装置は、急速に
変動するラジオ波電圧及び電流の二乗平均された結果に
基づいて切除電極へのラジオ波電力を制御する。これら
の二乗平均された結果は、ラジオ波電圧がラジオ波電流
と同位相である場合にのみ実際の電力を表す。位相シフ
トが起こると、二乗平均された電圧及び電流の積は、位
相角の余弦の係数の分だけ、実際の電力とは異なる。そ
して、二乗平均の結果は、切除電極での所望の電力レベ
ルを維持しようとする制御決定に直接用いられなくな
る。実際に、大きな位相シフトが起こると、二乗平均さ
れた結果が、誤った制御決定を導き得るという問題点が
あった。
【0007】本発明はこのような現状に鑑みてなされた
ものであり、実際のラジオ波電力(位相敏感電力)を検
出する機能を備え、これに基づいて、ラジオ波電力を制
御することにより、組織切除処置を正確かつ安全に行う
ことが可能なラジオ波切除装置を提供することが、本発
明の目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のラジオ波切除装
置は、ラジオ波エネルギーを用いて組織を切除するため
の装置であって、ラジオ波エネルギーの供給源と、該供
給源と電気的に接続されており、切除部位でラジオ波エ
ネルギーを放射する電極手段と、該電極手段へ送達され
るラジオ波電流を測定し、測定されたラジオ波電流信号
を発生させる電流モニタ手段と、該電極手段でのラジオ
波電圧を測定し、測定されたラジオ波電圧信号を発生さ
せる電圧モニタ手段と、該測定された電流信号に該測定
された電圧信号を掛けて、該電極手段へ伝達される実際
の位相敏感電力を表す位相敏感電力信号を求める電力モ
ニタ手段と、該実際の電力信号に基づいて機能を行う制
御手段とを備えており、そのことにより上記目的が達成
される。
【0009】さらに、前記制御手段が、ユーザが判読で
きる形式で前記位相敏感電力信号の値を示す表示手段を
有していてもよい。
【0010】さらに、前記制御手段が、前記位相敏感電
力信号に基づいて、前記供給源の電圧出力を制御するフ
ィードバック手段を有していてもよい。
【0011】さらに、前記フィードバック手段が、所望
の位相敏感電力量を格納するためのレジスタ手段と、該
レジスタ手段内の該所望の位相敏感電力量と、前記電力
モニタ手段によって発生される前記位相敏感電力信号と
を比較して、ズレ信号を発生させる比較器手段と、該ズ
レ信号に応答して、前記供給手段の出力電圧を変える命
令手段とを有していてもよい。
【0012】さらに、前記命令手段が、所定の最小ズレ
信号を維持するために前記供給源の出力電圧を変えるこ
ともできる。
【0013】さらに、前記装置が、前記測定されたラジ
オ波電流信号に基づいて二乗平均された電流信号を求め
る手段と、前記測定されたラジオ波電圧信号に基づいて
二乗平均された電圧信号を求める手段と、該二乗平均さ
れた電流信号に該二乗平均された電圧信号を掛けて、前
記電極手段へ伝送される見かけ上の電力を表す二乗平均
された電力信号を求める手段と、該二乗平均された電力
信号と、前記電力モニタ手段によって発生された前記位
相敏感電力信号とを比較し、前記電極手段での前記測定
されたラジオ波電圧信号と前記測定されたラジオ波電流
信号との間の位相シフトを示すズレ信号を発生させる手
段と、該位相シフトズレ信号に基づいて機能を行う位相
シフト制御手段とを有している位相シフト検出手段をさ
らに備えていてもよい。
【0014】さらに、前記位相シフト制御手段が、前記
位相シフトズレ信号が所定の値を越えた場合に、ラジオ
波エネルギーの伝導を中断させることができる。
【0015】さらに、前記位相シフト制御手段が、前記
位相シフトズレ信号が所定の値を越えた場合に、警告信
号を発生させることができる。
【0016】さらに、前記制御手段が、前記位相シフト
ズレ信号が所定範囲内のままである場合に、前記位相敏
感電力信号に基づいて、前記供給源の電圧出力を制御す
るフィードバック手段を有していてもよい。
【0017】さらに、前記フィードバック手段が、前記
位相シフトズレ信号が所定範囲を越えて増大する場合
に、前記供給源の出力電圧を低下させることができる。
【0018】さらに、前記フィードバック手段が、前記
位相シフトズレ信号が所定の最大値を越える場合に、前
記電極手段への電力を中断させることもできる。
【0019】さらに、前記装置が、前記測定されたラジ
オ波電流信号に基づいて、二乗平均された電流信号を求
める手段と、前記測定されたラジオ波電圧信号に基づい
て、二乗平均された電圧信号を求める手段と、該二乗平
均された電圧信号を該二乗平均された電流信号で割っ
て、測定された組織インピーダンス信号を求める手段
と、該測定された組織インピーダンス信号に基づいて機
能を行うインピーダンス制御手段とを有している組織イ
ンピーダンスモニタ手段をさらに備えていてもよい。
【0020】さらに、前記インピーダンス制御手段が、
選択された間隔の間の該測定された組織インピーダンス
信号の変化を計算し、所定の基準に基づいて制御信号を
発生させることもできる。
【0021】さらに、前記インピーダンス制御手段が、
前記測定された組織インピーダンス信号が所定の範囲外
である場合に、前記電極手段へのエネルギーを中断させ
る命令信号を発生させることもできる。
【0022】さらに、前記所定の範囲が約50から30
0オームであってもよい。
【0023】さらに、前記インピーダンス制御手段が、
前記測定された組織インピーダンス信号が所定範囲にな
り始め、時間に伴ってそれを越えて増大し、前記電極手
段上の血液の凝固を示唆する場合に、制御信号を発生す
ることもできる。
【0024】さらに、前記インピーダンス制御手段が、
凝固の開始又は前記電極手段の位置の突然のシフトを示
唆する前記測定された組織インピーダンス信号の所定量
を越える増加に、応答して制御信号を発生することもで
きる。
【0025】さらに、前記インピーダンス制御手段が、
前記測定された組織インピーダンス信号が所定の最大量
を越え、前記電極手段への皮膚接触不良、又は前記装置
における電気的問題を示唆する場合に、制御信号を発生
させることもできる。
【0026】さらに、前記インピーダンス制御信号が、
前記測定された組織インピーダンス信号の値を、ユーザ
が判読できる形式で示す表示装置を有していてもよい。
【0027】
【作用】本発明は、ラジオ波エネルギーを用いて組織を
切除するための改良された装置を提供する。この装置
は、送達されている実際の位相敏感電力の測定に基づい
て切除電極へのラジオ波エネルギーの送達を制御する。
装置はまた、ラジオ波電圧とラジオ波電流との間に位相
シフトが発生する時点を検出し、適切な作用を開始す
る。
【0028】一実施例において、装置はラジオ波エネル
ギーの供給源を備えている。電極部分が、供給源によっ
て送達されるラジオ波エネルギーを切除部位で放射す
る。装置は電極部分へ送達されるラジオ波電流を測定
し、測定されたラジオ波電流信号を発生させる。装置は
また、電極部分でのラジオ波電圧を測定し、測定された
ラジオ波電圧信号を発生させる。
【0029】本発明の一実施例によれば、装置は、測定
された電流信号に測定された電圧信号を掛ける電力モニ
タを備えている。これによって、モニタは、電極手段へ
伝送される実際の位相敏感電力を表す位相敏感電力信号
を求める。装置は、実際の電力信号に基づいて機能を実
行する制御装置を備えている。
【0030】一構成において、制御装置が位相敏感電力
信号の値をユーザが判読できる形式で表示する。
【0031】他の構成において、制御装置は、位相敏感
電力信号に基づいて、供給源の電圧出力を制御するフィ
ードバックループを有している。
【0032】本発明の他の実施例によれば、装置はラジ
オ波位相シフト検出器を備えている。検出器は、測定さ
れたラジオ波電流信号及び測定されたラジオ波電圧信号
に基づいて、二乗平均された電流及び電圧信号を求め
る。検出器は、二乗平均された電流信号に二乗平均され
た電圧信号を掛ける。これによって、二乗平均された電
力信号が得られる。この信号は、電極手段を伝達される
見かけ上の電力を表す。検出器は、二乗平均された電力
信号を、電力モニタによって発生される位相敏感電力信
号と比較する。検出器は、測定されたラジオ波電圧信号
と測定されたラジオ波電流信号との間の位相シフトの大
きさを表すズレ信号を発生させる。検出器は、位相シフ
トズレ信号に基づいて、機能を実行する。
【0033】一構成において、位相検出器は、位相シフ
トズレ信号が所定値を越える場合に、ラジオ波エネルギ
ーの伝導を中断させる。
【0034】好ましい構成において、供給源電力フィー
ドバックループは、位相シフトズレ信号が所定範囲のま
まである場合に、位相敏感電力信号に基づいて供給源の
電圧出力を制御する。位相シフトズレ信号がこの範囲を
越えると、フィードバックループは供給源の出力電圧を
低下させる。位相シフトズレ信号が所定の最大量を越え
ると、フィードバックループは電極部分への電力を中断
させる。
【0035】本発明によれば、装置は、実際の位相敏感
電力測定に応じて、切除電極へのラジオ波電力を制御す
る。また、装置は、ラジオ波電圧とラジオ波電流との位
相差を検出して、この係数をその制御決定を作成する際
に組み込む。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例について説明する。
【0037】図1は、本発明の特徴を実施する、人体の
組織に対して切除を行うための装置10を示している。
装置10は、ラジオ波エネルギーを送達するラジオ波発
生器12を備えている。装置10はまた、ラジオ波放射
用先端電極16を有する操縦可能なカテーテル14を備
えている。
【0038】図示される実施例において、装置10は単
極モードで動作する。この構成において、装置10は、
スキンパッチ電極を備えている。この電極は不関第2電
極18として機能する。使用に際して、不関電極18
は、患者の背中又はその他の外部皮膚領域へ付着する。
【0039】或いは、装置10は、双極モードにおいて
動作することもできる。このモードにおいては、カテー
テル14に両方の電極が設けられている。
【0040】図示される実施例において、切除電極16
及び不関電極18はプラチナからなる。
【0041】装置10は、多くの異なる環境において用
いられ得る。本明細書では、心臓の切除治療を行うため
に用いられる場合の装置10を説明する。
【0042】この目的で使用される場合、医師は、大静
脈又は大動脈(典型的には大腿動脈)を通してカテーテ
ル14を治療されるべき心臓の内部領域へ進める。次
に、医師は、先端電極16が切除対象の心臓内の組織に
接するように配置するためにカテーテル14をさらに操
作する。ユーザは、接触した組織上に損傷を形成するた
めに、先端電極16内へ発生器12からラジオ波エネル
ギーを送る。
【0043】図1に示される実施例において、カテーテ
ル14は、ハンドル20、ガイドチューブ22、及び先
端24を備えており、先端24には先端電極16(以下
では切除電極とも呼ばれる)が設けられている。ハンド
ル20はカテーテル先端24のための操縦用機構26を
内蔵している。ハンドル20の後方から延びているケー
ブル28はプラグ(不図示)を有している。プラグは、
切除電極16へラジオ波エネルギーを送るために、カテ
ーテル14を発生器12に接続する。ラジオ波は、損傷
を形成するように組織に熱を加える。
【0044】左右操縦用ワイヤ(不図示)が、操縦用機
構26を先端24の左右側に相互接続するように、ガイ
ドチューブ22を通って延びている。操縦用機構26を
左に回転させると左操縦用ワイヤが引っ張られ、先端2
4が左へ曲げられる。同様に、操縦用機構26を右へ回
転させると右操縦用ワイヤが引っ張られ、先端24が右
へ曲げられる。このように、医師は、切除されるべき組
織に接するように切除電極16を操縦する。
【0045】発生器12は、主分離型変圧器32を通し
て第1及び第2の伝導線34及び36に接続されている
ラジオ波電力供給源30を備えている。
【0046】図示される環境において、電力供給源30
は、500kHzの周波数で50ワットまでの電力を送
達する。第1の伝導線34は切除電極16まで続いてい
る。第2の伝導線36は不関パッチ電極18まで続いて
いる。
【0047】実際の及び見かけ上のラジオ波電力のモニ
図2及び図3に示すように、装置10は、発生器12に
よって患者へ送達されるラジオ波電流及びラジオ波電圧
を測定するための第1のモニタ手段38を備えている。
第1のモニタ手段38はまた、RMS(二乗平均され
た)電圧(単位ボルト)、RMS電流(単位アンペア)
及び実際の位相敏感電力(単位ワット)を示す制御信号
を導出し、発生器12の他の制御機能を支援する。
【0048】第1のモニタ手段38は、各種構造及び構
成とすることができる。図示される実施例において、第
1のモニタ手段38は、第1の線34から組織を通って
第2の線36へ通過する(つまり、切除電極16から不
関パッチ電極18への)ラジオ波電流を測定するための
電流モニタ手段40を備えている。
【0049】第1のモニタ手段38はまた、電圧モニタ
手段42を備えている。電圧モニタ手段42は、第1及
び第2の伝導線34及び36の間(つまり、切除電極1
6と不関パッチ電極18との間)に発生されるラジオ波
電圧を測定する。
【0050】第1のモニタ手段38は、3個の制御出力
44、46及び48を有している。第1の制御出力44
は、切除電極16によって伝導されるRMS電流を表す
信号を伝える。
【0051】第2の制御出力46は、切除電極16と不
関パッチ電極18との間のRMS電圧を表す信号を伝え
る。
【0052】第3の制御出力48は、切除電極16によ
って伝送される実際の位相敏感電力を表す信号を伝え
る。
【0053】図示される実施例において(図2及び図3
に示すように)、電流モニタ手段40は、第2の伝導線
36において接続される分離された電流感知変圧器50
を有している。この構成において、電流感知変圧器50
は、切除電極16を通して不関パッチ電極18へ通過す
るラジオ波電流を直接測定する。
【0054】測定される値は選択された速度で変化する
ラジオ波信号であり、図示される実施例においては50
0kHzである。
【0055】電流感知変圧器50は、第1の制御出力4
4へ接続されており、RMS電流を求める。第1の制御
出力44は、この機能を行うために集積回路のRMSコ
ンバータ52を備えている。RMS電流コンバータは先
ず、電流感知変圧器50からのラジオ波電流入力信号を
二乗し、次に、二乗された信号をユーザ規定の期間にわ
たって平均化する(図示される実施例においては約0.
01秒に一度である)。RMS電流コンバータ52は次
に、平均二乗値の平方根を取る。得られる出力はRMS
電流を表す。
【0056】RMS電流信号は、急速に変化するラジオ
波電流入力信号に比べて、比較的ゆっくりと変化する信
号の形態をとる。
【0057】図2及び図3に示すように、電圧モニタ手
段42は、第1及び第2の伝導線の間に接続される分離
された電圧感知変圧器54を備えている。この構成にお
いて、電圧感知変圧器54は、切除電極16と不関パッ
チ電極18との間の身体組織にかかるラジオ波電圧を直
接測定する。
【0058】電流感知変圧器50によって測定される値
と同様に、測定された電圧値は、選択された500kH
zの速度で変化するラジオ波信号である。
【0059】電圧感知変圧器54は、第2の制御出力4
6へ接続されており、RMS電圧を求める。第2の制御
出力46は、この機能を行うための集積回路のRMSコ
ンバータ56を有している。RMS電圧コンバータ56
は、ラジオ波電圧入力信号を二乗し、次に、電流コンバ
ータ52によって用いられる期間と同一のユーザ規定期
間にわたってそれを平均化する。次に、RMS電圧コン
バータ56は、平均二乗電圧値の平方根を取る。
【0060】得られるRMS電圧信号は(RMS電流信
号と同様に)、比較的ゆっくりと変化する信号の形態を
とる。
【0061】電圧感知変圧器54は、第3の制御出力4
8にも接続されており、実際の位相敏感電力を求める。
第3の制御出力48は、この機能を行うためのアナログ
乗算器集積回路58を有している。乗算器回路は、一入
力として、電流感知変圧器50からのラジオ波入力電流
信号を直接受け取る。乗算器回路58は、第2の入力と
して、電圧感知変圧器54からのラジオ波入力電圧信号
を直接受け取る。
【0062】乗算器回路58の出力は、これら2つの入
力の積であり、切除電極16によって伝送される実際の
ラジオ波電力を表す。
【0063】電力値は(その成分電流及び電圧入力と同
様に)、比較的ラジオ波の速度で変化するラジオ波信号
である。
【0064】第3の制御出力48は、ローパスフィルタ
60も有している。500kHzのラジオ波速度で動作
する図示される実施例において、フィルタ60の選択さ
れた遮断周波数は、約100Hzである。急速に変化す
る測定される入力電力値は、フィルタ60によってロー
パスフィルタされ、比較的ゆっくりと変化する信号とな
る。
【0065】この信号は、切除電極16が目的の組織へ
送達するラジオ波エネルギーの実際の位相敏感電力信号
を表す。
【0066】第1、第2及び第3の制御出力44、46
及び48は、それぞれ、適切なインラインスケーリング
回路62を備えている。スケーリング回路62は、RM
S電流信号、RMS電圧信号、及び実際の位相敏感電力
信号を、発生器12の残りの回路構成によって使用可能
となるような特定の電圧範囲にスケール(比例変換)す
る。図示される実施例において、スケールされる範囲は
0.0から5.0ボルトである。
【0067】第1のモニタ手段38は、アナログからデ
ジタルへのコンバータ64も備えている。コンバータ6
4は、アナログRMS電流出力信号、RMS電圧出力信
号、及び実際の位相敏感電力信号のうち選択される1つ
又はそれ以上をデジタル化する。
【0068】コンバータ64の単数又は複数のデジタル
出力は、測定結果を表示するために用いられることがで
きる。図示される実施例において、ユーザに実際の位相
敏感電力信号を示すために、装置10は、発生器12上
に第1のデジタル表示装置66を備えている。
【0069】コンバータ64の単数又は複数のデジタル
出力は、発生器12の動作を制御するためにも用いられ
ることができる。図示される実施例において、装置10
は、切除電極16でのラジオ波電力を制御するためにラ
ジオ波出力電圧を所望の範囲又は一定値に維持するフィ
ードバックループ内で、デジタル化された出力を用い
る。発生器12によって送達される電力を制御すること
によって、医師は、切除処置の間に、所望の深さの損傷
を再現可能に形成することができる。
【0070】この構成において、装置10は、発生器1
2のための実際の位相敏感電力に対する所望の動作値を
ユーザが入力するための入力装置68を備えている。装
置10は、電力制御手段70を備えている。電力制御手
段70は、所望の電力を実際の位相敏感電力と比較する
ための比較器71を有している。比較器の出力は、測定
される実際の電力と設定値電力との間の誤差を最小とす
るように、ラジオ波電力供給源30の出力電圧を変化さ
せる。
【0071】図示される実施例において、電力制御手段
70は、ラジオ波電圧と電流との間の位相差もモニタす
る。電力制御手段70は、見かけ上の電力を計算し、計
算された見かけ上の電力を実際の位相敏感電力と比較す
ることによってこの機能を行う。ラジオ波電圧と電流信
号とが全く同位相であれば、見かけ上の電力と実際の位
相敏感電力とは同一となる。しかしながら、位相差があ
る場合には、実際の位相敏感電力は、位相角の余弦を表
す係数の分だけ、見かけ上の電力とは異なっている。
【0072】図示される実施例において、電力制御手段
70は、RMS電流とRMS電圧の積を求める乗算器回
路72を備えている。乗算器回路72の得られる出力
は、装置10の見かけ上の(つまり、位相敏感ではな
い)電力を形成する。電力制御手段70は、得られる見
かけ上の電力を実際の位相敏感電力と比較するための比
較器74を有している。比較器74の出力の大きさは、
位相シフトの量を表す。
【0073】位相シフト比較器74の出力が所定の量を
越えると、電力制御手段70は、ラジオ波電圧と電流と
の間に位相シフトが起こったことを示す警告信号を発生
させる。装置10は、ユーザに警告するために、点滅灯
及びアラーム音(不図示)を備えていることもできる。
【0074】電力制御手段70は、位相シフト比較器7
4の出力が閾値量よりも上の許容可能な範囲内のままで
ある場合には、一定値の電力を維持するように動作す
る。電力制御手段70は、位相シフト比較器74の出力
がこの範囲を越えて増大した場合には、供給源30の出
力電圧を低下させるように動作する。位相シフト比較器
74の出力が最大閾値を越える位相シフトを示す場合に
は、電力制御手段70は、切除電極16への全ての電力
を遮断するための信号を発生させる。
【0075】組織インピーダンスのモニタ 図4に示すように、装置10は、切除を受ける組織のイ
ンピーダンスを求めるための第2のモニタ手段76をさ
らに備えている。第2のモニタ手段76は、組織のイン
ピーダンスを絶対項で求めるだけでなく、時間に伴う組
織インピーダンスの変化を記録するようにも機能する。
【0076】第2のモニタ手段76は、予めプログラム
された基準に従って、組織インピーダンスの観測された
絶対値及び感知された変化に基づいて、適切な制御信号
を発生させる。
【0077】第2のモニタ手段76は、各種構造及び構
成とすることができる。図示される実施例において、第
2のモニタ手段76はマイクロプロセッサ78を備えて
いる。マイクロプロセッサ78は、所定の間隔で(例え
ば、20ミリ秒毎、50Hzのサンプリングレートを表
す)、アナログからデジタルへのコンバータ64のデジ
タル化された出力をサンプルする。
【0078】マイクロプロセッサ78は、また、サンプ
ルされデジタル化されたRMS電圧信号をサンプルされ
デジタル化されたRMS電流信号で割る。数値結果は、
サンプルに対する組織インピーダンス(単位オーム)で
ある。好ましくは、装置10は、サンプルされた組織イ
ンピーダンスをユーザに示す第2の表示装置80を発生
器12上に有している。
【0079】マイクロプロセッサ78は、また、時間に
伴うサンプルされた組織インピーダンスの記録を維持す
る。この記録から、マイクロプロセッサ78は、選択さ
れた間隔の間の組織インピーダンスの変化を計算し、所
定の基準に基づいて適切な制御信号を発生させる。
【0080】マイクロプロセッサ78が組織インピーダ
ンスに基づいて制御信号を発生させる際に基づく所定の
基準は、変えることができる。好ましくは、組織インピ
ーダンス制御信号は、直前に説明した電力制御手段70
のモニタ及び制御機能を向上させるために用いられる。
【0081】図示される実施例において、測定された組
織インピーダンスが所定の設定範囲外になると、マイク
ロプロセッサ78は、実際の位相敏感電力レベルがどの
ように感知されても、切除電極16への電力を遮断する
ように命令信号を発生させる。心臓の切除処置のための
組織インピーダンスに対する設定範囲は、約50〜30
0オームであると考えられる。
【0082】組織インピーダンスが設定範囲になり始
め、時間に伴ってそれを越えて増大する場合、最も有り
得る原因は、切除電極16上での血液の凝固である。組
織インピーダンスが設定範囲を越えて突然上昇すること
は、凝固の突然の開始、又は切除電極16の位置の突然
のシフトを示唆する。組織インピーダンスの急速な変動
はまた、切除電極16と目的組織との間の接触状態が悪
いことを示唆し得る。全てが迅速な対応を要求する。例
えば、切除電極16の撤退及び洗浄、又は切除電極16
の再配置である。
【0083】装置10は、これらの状態が起こった場合
にユーザに警告を伝えるために、点滅灯及びアラーム音
(不図示)を備えていることが好ましい。
【0084】非常に高い組織インピーダンスは、不関電
極18の皮膚への接触の悪さ、又は装置10における電
気的問題を示唆し得る。この場合も、迅速な補正動作が
要求される。
【0085】組織インピーダンスは設定範囲内である
が、範囲内の所定量を越えて上昇する場合には、第2の
モニタ手段76が電力出力を中断するのではなく低下さ
せる制御信号を発生させる。この構成において、組織イ
ンピーダンスの比較的狭い範囲(例えば、80〜150
オーム)が設立されることができ、この範囲内の比較的
一定の電力を維持する。
【0086】組織温度のモニタ 図5に示すように、装置10は、切除電極16に接触し
ている組織の温度を感知するための第3のモニタ手段8
2を備えている。第3のモニタ手段82は、切除電極1
6に設けられている温度感知手段84を有している。装
置10は、発生器制御機能を実行するために感知された
組織温度に応答する、発生器12のための制御手段86
を備えている。
【0087】熱絶縁手段88は、温度感知手段84を切
除電極16から熱的に分離する。従って、温度感知手段
84は、切除電極16に熱を加えず、或いは熱量の一部
にもならない。それは、接触している組織の本当の温度
を示すように働き、切除電極16へ熱を加えず、また、
切除電極16の周囲の温度によっても影響を受けない。
【0088】図6(a)〜(c)に示される実施例にお
いて、切除電極16は、その先端92に内部ウェル90
を有している。温度感知手段84がこのウェルを占め
る。
【0089】この構成において、熱絶縁手段88は、温
度感知手段84を、ウェル90の内部表面及び切除電極
16の残りの部分から熱的に絶縁する。
【0090】図6(a)〜(c)において、温度感知手
段84は、2つの関連するリード線96及び98を有す
る小さなビードサーミスタ94を備えている。サーミス
タ94の温度感知端は、組織への接触のために切除電極
16の先端92で露出されている。
【0091】図示される実施例において(図6(a)〜
(c)を参照)、第3のモニタ手段82は、異なるサー
ミスタ94の中で公称抵抗のズレに対処するようにサー
ミスタ94を較正するための手段132を備えている。
カテーテル14の製造過程に、サーミスタ94の抵抗
が、既知の温度、例えば摂氏75度で、測定される。測
定された値に等しい較正抵抗器134が、カテーテルハ
ンドル20内に組み込まれる。較正抵抗器134のリー
ド線は、第3のモニタ手段82へ接続される。
【0092】図示されるタイプのサーミスタ94は、商
品名111-202CAK-BD1としてFenwal社(マサチューセッツ
州)によって市販されている。リード線96及び98
は、#36 AWG信号配線Cu+クラッド鋼鉄(重絶縁)か
らなる。
【0093】注型用樹脂100は、電極ウェル内にサー
ミスタ94並びにリード線96及び98を封止してい
る。絶縁被覆102は、封止されたリード線96及び9
8もシールドしている。同時に、樹脂100及び被覆1
02は、周囲の切除電極16からサーミスタ94を電気
的に絶縁する。
【0094】注型用樹脂100及び絶縁被覆102は各
種材料を用いて形成され得る。図示される実施例におい
て、ロックタイト(loctite)接着剤は、注型用樹脂1
00として機能するが、シアノアクリレート接着剤又は
RTV接着剤なども用いられ得る。被覆102は、ポリ
イミド(polyimide)材料からなるが、他の従来の電気
絶縁材料もまた用いられ得る。
【0095】図示される実施例において、熱絶縁手段8
8は、封止されたサーミスタ94並びにリード線96及
び98を包み込むチューブ104を有している。熱絶縁
チューブ104自体は、ウェル90の内壁に接着され
る。
【0096】チューブ104の熱絶縁材料は変えること
ができる。図示される実施例において、約0.003イ
ンチの厚さの壁を有するポリイミド(polyimide)材料
である。マイラー又はカプトン(kapton)などの他の熱
絶縁材料も用いられ得る。
【0097】サーミスタ94のためのリード線96及び
98は電極ウェル90からガイドチューブ22を通って
カテーテルハンドル20内へ延びている。そこで、リー
ド線96及び98は、ハンドル20から延びているケー
ブル28と電気的に結合している。ケーブルプラグ(不
図示)が発生器12と接続し、サーミスタ94からの信
号を第3のモニタ手段82へ伝達する。
【0098】図7(a)〜(c)は、温度感知手段84
のアレイを有する切除電極16の他の実施例を示す。温
度感知手段84の少なくとも1つ、及び好ましくはそれ
らの全てが、図6(a)〜(c)に示されるように切除
電極16から熱的に分離されている。
【0099】図7(a)〜(c)に示すように、多数か
らなるアレイを有する例における切除電極16は内部コ
アウェル106を備えている。5個のブランチウェル1
08A〜108Eがコアウェル106から延びている。
ブランチウェル108A〜108Eは切除電極16の表
面で開口している。1つのブランチウェル108Aが、
図6(a)〜(c)に示される単一の温度感知手段84
と同様に、切除電極16の先端で開口している。その他
の4つのブランチウェル108B〜108Eは、コアウ
ェル106からある角度をなして45度のアーチ状間隔
で延びている。4つのブランチウェル108B〜108
Eは、切除電極16の側面で開口しており、先端ウェル
ブランチ108Aを囲んでいる。
【0100】1つの温度感知手段84が、各ブランチウ
ェル108A〜108Eを占有している。図示される好
ましい実施例において、熱絶縁手段88は、各温度感知
手段84を、関連するブランチウェル108A〜108
Eの内部表面及び切除電極16の残りの部分から熱的に
分離している。
【0101】図6(a)〜(c)に示される実施例と同
様に、各温度感知手段84は、2つの付随するリード線
96及び98を有する小さなビードサーミスタ94を備
えている。サーミスタ94の温度感知端は、組織へ複数
箇所で接触するために切除電極16の先端で露出されて
いる。付随するリード線96及び98は、中央コアウェ
ル106内で束にされ、ガイドチューブ22を通ってハ
ンドル20へ延びている。
【0102】図6(a)〜(c)に示される実施例と同
様に、注型用樹脂100は、各サーミスタ94及びその
リード線96及び98を、関連するブランチウェル内に
封止している。絶縁被覆102も同様に、封止されたリ
ード線96及び98をシールドしている。それと共に、
樹脂100及び被覆102は各サーミスタ94を周囲の
切除電極16から電気的に絶縁している。
【0103】図6(a)〜(c)に示される実施例と同
様に、熱絶縁チューブ104は、各電気的に封止された
サーミスタ94及びそのリード線96及び98を包み込
んでいる。さらに、図6(a)〜(c)に示される実施
例と同様に、接着剤が、各熱絶縁チューブ104を各ブ
ランチウェル108A〜108Eの内壁へ接着してい
る。
【0104】図8(a)〜(c)は、多数の温度感知手
段84を有する切除電極16のさらに他の実施例を示
す。
【0105】図8(a)〜(c)に示される構成におい
て、切除電極16は、前方電極部110及び後方電極部
112を有している。前方電極部110及び後方電極部
112は、一般的に球の形状である。
【0106】電気的及び熱的絶縁スリーブ114は、前
方電極部110と後方電極部112とを分離する。スリ
ーブ114は、一般的に筒状の形状である。得られる
「ピーナツ」型は、心臓の弁の部分内での使用に非常に
適している。
【0107】図示される実施例において、前方電極部1
10及び後方電極部112はプラチナからなる。スリー
ブ114はポリスルホン材料からなる。
【0108】多数の温度感知手段84が前方及び後方電
極部110及び112の各表面を占有する。温度感知手
段84の少なくとも1つ、好ましくは全部が、関連する
電極部110及び112の周りの本体から熱的に絶縁さ
れている。
【0109】各電極部110及び112は、関連する電
極部110及び112の表面で開口している内部コアウ
ェル116及びブランチウェル118を有している。温
度感知手段84が各ウェルブランチを占有している。図
示される好ましい実施例において、熱絶縁手段88は同
様に、各温度感知手段84を、関連するブランチウェル
116及び118の内部表面並びに電極部110及び1
12の残りから熱的に分離する。
【0110】図6(a)〜(c)に示される実施例と同
様に、各温度感知手段84は、2つの関連するリード線
96及び98を有する小さなビードサーミスタ94を有
している。サーミスタ94の温度感知端は、組織に複数
箇所で接触するために、関連する電極部110及び11
2の表面で露出している。関連するリード線96及び9
8は、中央コアウェル116内で束にされ、ガイドチュ
ーブ22を通ってハンドル20へ延びている。
【0111】前述の実施例と同様に、注型用樹脂100
が各サーミスタ94及びそのリード線96及び98を関
連するブランチウェル116及び118内に封止してい
る。また、前述の実施例と同様に、熱絶縁チューブ10
4が電気的に封止された各サーミスタ94及びそのリー
ド線96及び98を包み込んでいる。接着剤が、熱絶縁
チューブ104を各ブランチウェル116及び118の
内壁へ接着している。多数の温度感知手段84の可能な
アレイの数及び構成は、図6、図7及び図8に示される
特定の構造から変えることができることはもちろんであ
る。例えば、1個又はそれ以上の温度感知手段84が切
除電極16の先端の下の側部を占有することもできる。
温度感知手段84を保持するブランチウェルも、様々な
角度、鋭角、鈍角又は直角で、中央ウェルから延びるこ
とができる。全ての温度感知手段84が電極16から分
離される必要はないが、全てが分離されることが好まし
い。
【0112】図5に示すように、第3のモニタ手段82
は、異なる所定基準に従って感知された温度状態に応じ
て、異なる表示及び制御機能を行うことができる。
【0113】好ましくは、第3のモニタ手段82は、感
知された組織温度の絶対項に応答するだけでなく、時間
に伴う組織温度の変化を記録し、これらの変化に応答す
るようにも機能する。
【0114】図示される実施例において、第3のモニタ
手段82は、関連する切除電極16に設けられる各温度
感知手段84のための制御出力120を有している。
【0115】各サーミスタ94のためのリード線96及
び98は、制御出力120のための入力を供給する。或
いは、切除電極16に多数のサーミスタ94を設けた場
合には、ガイドチューブ22を横切るリード線96及び
98の数は、サーミスタ94の入力信号をマルチプレッ
クス化(時分割化)するための集積回路122を第3の
モニタ手段82内に設けることによって低減することが
できる。
【0116】図示される実施例において、第3のモニタ
手段82は、ユーザ規定の期間の間に(図示される実施
例においては約0.01秒毎に一回)サーミスタ94の
各アレイグループに対する平均温度を求めるためのコン
バータ124を備えている。図6(a)〜(c)に示さ
れる実施例は、1つのサーミスタ94を備えているの
で、入力信号と平均とは同一である。
【0117】図7(a)〜(c)に示される実施例は、
切除電極16の先端に集められた5個のサーミスタ94
の単一アレイグループを備えている。このアレイに対し
て、コンバータは個々の入力信号を加算して5で割る。
【0118】図8(a)〜(c)に示される実施例は、
2つのアレイグループを備えており、一方は前方電極部
110上に5個のサーミスタ94を有しており、他方は
後方電極部112上に4個のサーミスタ94を有してい
る。コンバータ124は、各アレイグループにおいて各
アレイグループの入力信号を加算して、サーミスタ94
の関連する数で割る。これによって、前方電極部110
の平均と、後方電極部112の平均とがそれぞれ得られ
る。
【0119】第3のモニタ手段82は、アナログからデ
ジタルへのコンバータ126を有している。コンバータ
126は、装置10に対して感知された単数又は複数の
温度平均をデジタル化する。
【0120】コンバータ126は、較正抵抗器134の
値もデジタル化する。サーミスタ抵抗値は、較正抵抗値
で割られ、サーミスタ94のための規格化された抵抗が
得られる。この値は、格納されたサーミスタ温度データ
を有している読み出し専用メモリ(ROM)136(図
5(b)参照)への入力である。ROM136の出力
は、実際に測定された組織温度(単位摂氏)であるの
で、サーミスタ94の公称抵抗のズレが考慮される。
【0121】図示されていないが、多数のサーミスタ9
4を有する実施例は、同数の較正抵抗器134、つまり
各サーミスタ94に対して1個、を備えている。
【0122】コンバータの単数又は複数のデジタル出力
は測定結果を表示するために用いられ得る。図示される
実施例において、装置10は感知された温度の平均をユ
ーザに示すために、発生器12上に第3のデジタル表示
装置128を備えている。
【0123】図8(a)〜(c)に示される「ピーナ
ツ」型電極が用いられる場合、装置10は、前方及び後
方電極部110及び112のための別個の表示装置を備
えている。
【0124】コンバータ126の単数又は複数のデジタ
ル出力は、発生器12の制御動作のためにも用いられ
る。好ましくは、第3のモニタ手段82の温度制御信号
は、前述の第1及び第2のモニタ手段38及び76の機
能をさらに向上させるためにも用いられる。
【0125】図示される実施例において、装置10は、
切除電極16でのラジオ波電力を制御するために、所望
の範囲内又は一定値にラジオ波出力電圧を維持するフィ
ードバックループにおいて、デジタル化された温度出力
を用いる。温度に基づいて発生器12によって送達され
る電力を制御することによって、医師は、発生される損
傷の大きさを制御することができる。
【0126】この目的のために、装置10は、組織温度
のための所望の動作値をユーザが入力するための入力装
置130を備えている。
【0127】組織温度が所定範囲内であるが、範囲内で
所定量だけずれる場合には、第3のモニタ手段82は、
電力出力を遮断はせずに、増大又は低下させる制御信号
を発生させる。組織温度が上昇する場合には、制御信号
が電力出力を低下させる。組織温度が低下する場合に
は、制御信号が電力出力を増大させる。測定される組織
温度が所定範囲外になった場合には、第3のモニタ手段
82が、切除電極16への電力を遮断する命令信号を発
生させる。心臓の切除のための組織温度の代表的な設定
範囲は、約摂氏40度から100度であると考えられ
る。
【0128】温度が設定範囲内になり始めて、時間と共
にその範囲外となる場合には、その最も有り得る原因
は、切除電極16上での血液の凝固であり、切除電極1
6の撤退及び洗浄が必要である。組織温度の設定範囲外
への急な変化は、切除電極16の位置のシフトを示唆し
ており、切除電極16を再配置することが必要である。
装置10は、これらの温度による状況が発生した場合
に、ユーザへ警告を伝えるために、点滅灯及びアラーム
音(不図示)を備えていることが好ましい。
【0129】上述の様に、本発明による装置10は、切
除処置にわたって正確な制御を提供することができる。
実際の位相敏感電力のモニタ及び制御は、切除電極16
へのラジオ波の有効な伝送を確実とする。組織インピー
ダンス及び組織温度のモニタ及び制御は、それぞれ別個
に、又は組み合わせて、損傷の大きさ及び凝固の検出の
点での生理学的な安全上の制限を設定する。組織インピ
ーダンス及び/又は組織温度のモニタ及び制御は、切除
電極16の向きに関する情報も提供する。
【0130】
【発明の効果】本発明によるラジオ波切除装置は、組織
切除処置を正確且つ安全に行うことを可能にする。
【0131】実際の位相敏感電力のモニタ手段と位相敏
感電力信号に基づいて機能する制御手段(切除電極手
段)は、切除部位でラジオ波エネルギーを放射する電極
手段に伝送する電力を組織切除処置にわたって正確に制
御することを可能にする。
【0132】組織インピーダンス及び組織温度のモニタ
手段及びこれらのモニタ手段によって得られた信号に基
づいて機能する制御手段は、損傷の大きさ及び血液の凝
固について生理学的な安全性を確保するために、制限を
設定することを可能にする。組織インピーダンス及び組
織温度のモニタ及び制御手段は、切除電極手段の向きに
関する情報も提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特徴を実施する、組織を切除するため
の装置を示す斜視図である。
【図2】図1の装置のための発生器並びに付随するモニ
タ及び制御回路を示す概略図である。
【図3】図1の装置のための電力モニタ及び制御回路を
示す概略図である。
【図4】図1の装置のための組織インピーダンスモニタ
及び制御回路の概略図である。
【図5】(a)及び(b)は、図1の装置のための組織
温度モニタ及び制御回路を示す概略図である。
【図6】(a)〜(c)は、組織の温度を測定するため
に装置と共に用いられ得る電極であって、熱的に絶縁さ
れた温度感知素子を有する電極を示す図である。
【図7】(a)〜(c)は、組織の温度を測定するため
に装置と共に用いられ得る電極であって、熱的に絶縁さ
れた温度感知素子を複数個有する電極を示す図である。
【図8】(a)〜(c)は、組織の温度を測定するため
に装置と共に用いられ得る電極であって、心臓の弁にお
いて用いられるような空間的形状を有しており、熱的に
絶縁された温度感知素子を複数個有する電極を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 ラジオ波切除装置 12 ラジオ波発生器 14 カテーテル 16 ラジオ波放射用先端電極(切除電極) 18 不関電極(スキンパッチ電極) 30 ラジオ波電力供給源 40 電流モニタ手段 42 電圧モニタ手段 50 電流感知変圧器 54 電圧感知変圧器 70 電力制御手段 74 位相シフト比較器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロジャー エイ. スターン アメリカ合衆国 カリフォルニア 95014, クパーティーノ,パロ ビスタ ロード 10418

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジオ波エネルギーを用いて組織を切除
    するための装置であって、 ラジオ波エネルギーの供給源と、 該供給源と電気的に接続されており、切除部位でラジオ
    波エネルギーを放射する電極手段と、 該電極手段へ送達されるラジオ波電流を測定し、測定さ
    れたラジオ波電流信号を発生させる電流モニタ手段と、 該電極手段でのラジオ波電圧を測定し、測定されたラジ
    オ波電圧信号を発生させる電圧モニタ手段と、 該測定された電流信号に該測定された電圧信号を掛け
    て、該電極手段へ伝達される実際の位相敏感電力を表す
    位相敏感電力信号を求める電力モニタ手段と、 該実際の電力信号に基づいて機能を行う制御手段とを備
    えている装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段が、ユーザが判読できる形
    式で前記位相敏感電力信号の値を示す表示手段を有して
    いる請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段が、前記位相敏感電力信号
    に基づいて、前記供給源の電圧出力を制御するフィード
    バック手段を有している請求項1に記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記フィードバック手段が、 所望の位相敏感電力量を格納するためのレジスタ手段
    と、 該レジスタ手段内の該所望の位相敏感電力量と、前記電
    力モニタ手段によって発生される前記位相敏感電力信号
    とを比較して、ズレ信号を発生させる比較器手段と、 該ズレ信号に応答して、前記供給手段の出力電圧を変え
    る命令手段とを有している請求項1に記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記命令手段が、所定の最小ズレ信号を
    維持するために前記供給源の出力電圧を変える請求項4
    に記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記測定されたラジオ波電流信号に基づ
    いて二乗平均された電流信号を求める手段と、 前記測定されたラジオ波電圧信号に基づいて二乗平均さ
    れた電圧信号を求める手段と、 該二乗平均された電流信号に該二乗平均された電圧信号
    を掛けて、前記電極手段へ伝送される見かけ上の電力を
    表す二乗平均された電力信号を求める手段と、 該二乗平均された電力信号と、前記電力モニタ手段によ
    って発生された前記位相敏感電力信号とを比較し、前記
    電極手段での前記測定されたラジオ波電圧信号と前記測
    定されたラジオ波電流信号との間の位相シフトを示すズ
    レ信号を発生させる手段と、 該位相シフトズレ信号に基づいて機能を行う位相シフト
    制御手段とを有している位相シフト検出手段をさらに備
    えている請求項1に記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記位相シフト制御手段が、前記位相シ
    フトズレ信号が所定の値を越えた場合に、ラジオ波エネ
    ルギーの伝導を中断させる請求項6に記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記位相シフト制御手段が、前記位相シ
    フトズレ信号が所定の値を越えた場合に、警告信号を発
    生させる請求項6に記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段が、前記位相シフトズレ信
    号が所定範囲内のままである場合に、前記位相敏感電力
    信号に基づいて、前記供給源の電圧出力を制御するフィ
    ードバック手段を有している請求項6に記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記フィードバック手段が、前記位相
    シフトズレ信号が所定範囲を越えて増大する場合に、前
    記供給源の出力電圧を低下させる請求項9に記載の装
    置。
  11. 【請求項11】 前記フィードバック手段が、前記位相
    シフトズレ信号が所定の最大値を越える場合に、前記電
    極手段への電力を中断させる請求項10に記載の装置。
  12. 【請求項12】 前記測定されたラジオ波電流信号に基
    づいて、二乗平均された電流信号を求める手段と、 前記測定されたラジオ波電圧信号に基づいて、二乗平均
    された電圧信号を求める手段と、 該二乗平均された電圧信号を該二乗平均された電流信号
    で割って、測定された組織インピーダンス信号を求める
    手段と、 該測定された組織インピーダンス信号に基づいて機能を
    行うインピーダンス制御手段とを有している組織インピ
    ーダンスモニタ手段をさらに備えている請求項1に記載
    の装置。
  13. 【請求項13】 前記インピーダンス制御手段が、選択
    された間隔の間の該測定された組織インピーダンス信号
    の変化を計算し、所定の基準に基づいて制御信号を発生
    させる請求項12に記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記インピーダンス制御手段が、前記
    測定された組織インピーダンス信号が所定の範囲外であ
    る場合に、前記電極手段へのエネルギーを中断させる命
    令信号を発生させる請求項12に記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記所定の範囲が約50から300オ
    ームである請求項12に記載の装置。
  16. 【請求項16】 前記インピーダンス制御手段が、前記
    測定された組織インピーダンス信号が所定範囲になり始
    め、時間に伴ってそれを越えて増大し、前記電極手段上
    の血液の凝固を示唆する場合に、制御信号を発生する請
    求項12に記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記インピーダンス制御手段が、凝固
    の開始又は前記電極手段の位置の突然のシフトを示唆す
    る前記測定された組織インピーダンス信号の所定量を越
    える増加に、応答して制御信号を発生する請求項12に
    記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記インピーダンス制御手段が、前記
    測定された組織インピーダンス信号が所定の最大量を越
    え、前記電極手段への皮膚接触不良、又は前記装置にお
    ける電気的問題を示唆する場合に、制御信号を発生させ
    る請求項12に記載の装置。
  19. 【請求項19】 前記インピーダンス制御信号が、前記
    測定された組織インピーダンス信号の値を、ユーザが判
    読できる形式で示す表示装置を有している請求項12に
    記載の装置。
JP5206743A 1993-08-20 1993-08-20 位相敏感電力検出機能を備えたラジオ波切除装置 Withdrawn JPH0759794A (ja)

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EP2868285A1 (en) * 2013-10-16 2015-05-06 Covidien LP Electrosurgical systems and methods for monitoring power dosage

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2868285A1 (en) * 2013-10-16 2015-05-06 Covidien LP Electrosurgical systems and methods for monitoring power dosage
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