JPH0759775A - 流体流の測定方法 - Google Patents

流体流の測定方法

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JPH0759775A
JPH0759775A JP6206004A JP20600494A JPH0759775A JP H0759775 A JPH0759775 A JP H0759775A JP 6206004 A JP6206004 A JP 6206004A JP 20600494 A JP20600494 A JP 20600494A JP H0759775 A JPH0759775 A JP H0759775A
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envelope
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interrogation volume
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JP6206004A
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Jr Hewlett E Melton
ヒューレット・イー・メルトン・ジュニア
King-Wah W Yeung
キング・ワウ・ダブリュウ・ユング
Michael Greenstein
マイケル・グリーンステイン
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HP Inc
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Hewlett Packard Co
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    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S15/00Systems using the reflection or reradiation of acoustic waves, e.g. sonar systems
    • G01S15/88Sonar systems specially adapted for specific applications
    • G01S15/89Sonar systems specially adapted for specific applications for mapping or imaging
    • G01S15/8906Short-range imaging systems; Acoustic microscope systems using pulse-echo techniques
    • G01S15/8979Combined Doppler and pulse-echo imaging systems
    • G01S15/8984Measuring the velocity vector
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B8/00Diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
    • A61B8/06Measuring blood flow
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S15/00Systems using the reflection or reradiation of acoustic waves, e.g. sonar systems
    • G01S15/02Systems using the reflection or reradiation of acoustic waves, e.g. sonar systems using reflection of acoustic waves
    • G01S15/50Systems of measurement, based on relative movement of the target
    • G01S15/58Velocity or trajectory determination systems; Sense-of-movement determination systems
    • G01S15/582Velocity or trajectory determination systems; Sense-of-movement determination systems using transmission of interrupted pulse-modulated waves and based upon the Doppler effect resulting from movement of targets

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超音波のパルスの焦点を患者の体内に合わせ
て、血流を測定する呼び掛け容積を形成し、各パルス毎
の後方散乱信号の強度を測定して血流の方向に影響され
ない測定方法を提供する。 【構成】 流速測定または流速方向の両者を調査体積を
作成し、患者の身体内に超音波信号のパルスの焦点を合
わせることにより測定する。各パルスと一定の範囲によ
る信号の包絡線の平均二乗変化率により、後方散乱信号
の長さは測定される。流速の方向の測定に際し、平均し
た大きさから構成されている増加する超音波による球形
として形成される調査体積は、全ての方向は同じであ
る。後方散乱信号のおおよその平均二乗変化率は流速の
方向測定に供給され計られる。方向が決定したならば、
調査体積は実質的に楕円形として形成される。楕円形状
の調査体積の長軸は戻り信号の平均二乗変化率が最小値
になるまで回転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波を利用して、冠
状動脈内の血液のような流体の流れの速度及び方向を検
知するための測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術における冠状動脈内の血流測定
は、冠状動脈の疾患を診断するための周知の技法であ
る。従って、この血流を測定するための多種多様な装置
及び方法が存在する。
【0003】一般的な検知技法の1つには、超音波の利
用が伴うことになる。この技法を利用して、患者の体内
に超音波が送り込まれ、血液中に懸濁している赤血球の
ような小粒子によって、変換器に向かう超音波エネルギ
の後方散乱が生じる。次に、変換器が、この後方散乱し
た超音波エネルギを電気信号に変換し、この電気信号を
既知の方法で処理することによって、流れの推定値が求
められる。
【0004】超音波による検知の重大な利点は、非侵略
的であること、すなわち、患者の身体を切ったり、体内
に何かを挿入したりせずに実施可能ということである。
しかし、既存の超音波による流れの測定技法を用いる場
合に直面する問題の1つは、経胸腔的走査において、一
般に、動く心臓の壁の湾曲表面によって冠状動脈のねじ
れを生じることになる、肋骨間の「鍵孔」を介して測定
が実施されることが多いという点である。従って、動脈
内の血液の方向または超音波ビームの照準線に対する心
臓の壁の運動方向は、分からないのが普通である。これ
は、ドップラ・シフトの原理を利用した多くの一般的な
技法にとって重大な問題である。
【0005】移動する赤血球によって散乱する超音波の
周波数偏移に基づいて、流速vの計算を行うための既存
の技法に用いられるドップラ原理は、下記のように表す
ことができる。
【0006】
【数1】
【0007】ここで、f0は体内に送り込まれる超音波
の周波数であり、vは流速であり、cは音速であり、θ
はビームの照準方向と流れの方向との間の角度であり、
fdは変換器に戻る信号の検出された周波数偏移であ
る。cosθがゼロに等しくない限り、周波数偏移は、
流速が増すにつれて、増大する。
【0008】式に示すように、血流の速度に関係なく、
θが90゜に等しい場合、すなわち、流れが超音波変換
器の照準線に対して垂直である場合、従来のドップラ技
法を利用して、周波数偏移を検出するのは不可能であ
る。レーダ・ガンを利用して、スピーダのチェックを行
う警察官が、この問題のより一般的な一例である。一般
的なレーダ・ガンは、同じドップラ原理を利用してお
り、不審をいだく警察官に、自動車が全く動いてないと
表示することになるので、警察官は、チェックを受ける
自動車に対して直角をなす位置についてはならない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】流れの方向が、超音波
変換器の照準線から60゜の角度をなす場合、表示され
る周波数偏移は、流れと照準線が平行な場合の半分にし
かならない。一般に、角度θは、前もって分からない。
従って、血流測定に関して必要なのは、ほぼ等方性の、
すなわち、方向に影響されない技法である。代替案とし
ては、流れの方向を測定し、それに従って、ドップラ測
定値に調整を施すことが可能な技法が必要とされる。本
発明は、こうした技法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、超音波
のパルスの焦点を患者の体内に合わせて、血流を測定す
ることになる調査体積が形成される。次に、各パルス毎
に、後方散乱信号の強度を測定し、戻り信号の包絡線の
平均二乗変化率が推定される。
【0011】方向に影響されずに流速を測定するため、
調査体積は、ほぼ球形に形成される。これは、励起サイ
クル数によって決まる距離寸法が、側方寸法(方位及び
高低)に等しくなるように設定された、超音波調査体積
を形成することによって実施される。とりわけ、調査波
包絡線の平均二乗勾配の成分が等しい、超音波包絡線が
形成される。次に、後方散乱信号の包絡線の推定平均二
乗変化率にスケーリングを施すことによって、方向に影
響されない流速の測定値が得られる。
【0012】流れの方向を測定するため、調査体積は、
ほぼ楕円形に形成される。次に、戻り信号の包絡線の測
定平均二乗変化率が、楕円形調査体積の長軸と流れの方
向のアライメントがとれると、到達する最小値になるま
で、長軸が回転させられる。調査体積は、2次元フェイ
ズド・アレイにおける異なる変換素子からの超音波信号
に対する微分整相を利用して、回転させ、並進させるの
が望ましい。
【0013】
【実施例】本発明は、流体に、超音波を散乱させること
が可能な、何らかの形の粒子または不連続体が含まれて
いる限りにおいて、任意の導管内における流体流の速度
及び方向を測定するための方法を提供するものである。
しかし、本発明は、上述のように、冠状動脈のような血
管内、及び、身体の他の器官内の血流の測定に関連した
問題の解決にとりわけ適したものである。従って、以下
の論述は、この用途を志向するものである。
【0014】図1には、流体流の推定に用いられる、既
知の1次元フェイズド・アレイをなす超音波変換素子の
動作原理が示されている。こうした装置の場合、いくつ
かの超音波変換素子101 、102 、103 、…、10
n−1、10n が、平行アレイ12として取り付けられ
たり、あるいは、製造されたりする。既知の回路要素及
び技法を利用して、変換素子を個々に励起させることに
よって、あるパターンをなす超音波が、主として、フェ
イズド・アレイ12の平面に対する垂線に対してある角
度範囲にわたって操向が可能な、調査方向14に沿って
伝搬する。
【0015】既知の技法を用いて、各種変換素子101
、…、10n からの信号に整相を施すことによって、
流体流の測定が所望される、構造的干渉が最大になる領
域が形成される。この領域は、調査体積として知られて
いる。図1には、こうした従来の1次元フェイズド・ア
レイ12によって形成される異方性調査体積(AIV)
が、薄い、ほぼ矩形のAIV領域16として表示されて
いる。
【0016】図1に示すような既存の超音波イメージ形
成技法は、イメージの距離分解能を高めるため、可能性
のある持続時間が最短の、超音波のバーストを利用す
る。超音波ビームの側面寸法は、変換素子101 、10
2 、…、10n の物理的寸法によって制限されるので、
これらの技法によれば、調査体積16が異方性になる、
すなわち、方向に左右されることになる場合が多い。
【0017】図1には、超音波ビームの境界が、−6d
Bの信号強度の境界として示されているが、「エッジ」
の長さは等しくない。図1に示す構造を備えた、典型的
な従来のシステムの場合、調査体積16の距離寸法(z
軸)は、用いられるパルス長が短いため、1mm未満が
普通であり、一方、方位寸法(x軸)は、約3mm、高
低方向(y軸)の寸法は、約5mmになる。
【0018】従来の調査体積の異方性のため、変換器に
戻される信号は、調査ビームの向き、及び、測定すべき
流体の流れの方向に左右される特性を備えることにな
る。換言すれば、流体がx方向に流れる場合、該システ
ムは、同じ速度であっても、その速度が、z方向に流れ
る場合とは異なると表示する。この問題の原因について
は、一般に用いられるドップラ技法にあるということに
なれば、上述の通りである。
【0019】図2には、AIVの形成に用いられる距離
方向(z軸)に沿った波及び包絡線が示されている。イ
メージの解像度を増すため、AIVを生じる典型的な従
来のイメージ形成変換器は、調査体積内におけるサイク
ル数が1ないし2だけである。図2の場合、調査パルス
20の1・1/2サイクルによって、AIVの波包絡線
22が形成される。
【0020】周知のように、パルス20は、動脈内の赤
血球のような流体内の各粒子によって変換器アレイ12
(図1)に向かって後方散乱する。これによって、後方
散乱パルスは、ドップラ・シフトを生じる。上述のドッ
プラ関係式を利用し、周波数偏移度を用いて、流体流の
計算が行われる。しかし、上述のように、こうした従来
のシステムにおける周波数偏移度は、流体流の方向と調
査方向14との角度によって決まる。
【0021】超音波による流れの測定システムの場合、
超音波は、一定のパルス繰り返し周波数(PRF)で送
り出されるのが普通であり、当然、戻り信号に関するサ
ンプリング率が一定になるので、このことは、本発明に
よる場合にも望ましい。各バーストの発生後、一定の時
間遅延で、あるいは、同じことだが、変換器から一定の
距離をあけて、超音波変換器に戻る信号は、調査体積内
にある多数の粒子の散乱によって生じる。調査体積内に
おいて、波の伝搬方向に沿った超音波信号の包絡線は、
主として、時間の関数として、バースト(長さ)の包絡
線から求められ、断面積は、伝搬方向に垂直な平面に形
成する変換器の送信及び受信ビームによって決まる。
【0022】本発明によれば、調査体積の長さは、ビー
ムの幅及び高さと同じになるように形成される。調査体
積は、従って、ほぼ球形である。すなわち、調査体積
は、調査波包絡線の平均二乗勾配の成分が、ほぼ等しく
なるように形成される。従って、調査体積は、本発明に
おいて用いられる意味において、ほぼ球形である。従っ
て、以下で明らかになるように、球形調査体積(SI
V)内における流速の測定は、流体流の方向に影響され
ずに実施される。
【0023】この新しいアプローチの例示のため、調査
体積を形成する波包絡線Sについて考察する。波包絡線
Sは、送信超音波ビーム及び受信超音波ビームの両方の
特性の関数である。戻り信号の検出包絡線は、Sに比例
する。最も一般的な事例では、波包絡線は、空間の3方
向(x、y、z)全てにおいて変化し、また、時間によ
って形状も変化する。波包絡線は、従って、位置と時間
の両方の関数である。換言すれば、下記の式1が成り立
つ。
【0024】
【数2】
【0025】この式1によって表わされる波包絡線の全
微分dsは、下記式2に示すように、波包絡線の変化を
反映する。
【0026】
【数3】
【0027】この式2の両方の辺をdtで割ると、次の
式3になる。
【0028】
【数4】
【0029】項vx、vy及びvzは、それぞれ、調査
体積の無限小部分ds内における移動粒子x、y及びz
方向における成分速度である。この式は、調査体積内に
おける調査信号の連続性から導き出されるものである。
【0030】次に、定常波包絡線を有する定常調査体積
を形成するものと仮定する、すなわち、局部的な音響信
号源またはシンクが存在せず、全ての超音波は変換器か
ら生じたものであると仮定する。従って、下記式4が成
立する。
【0031】
【数5】
【0032】戻り信号の包絡線は、波包絡線Sに比例す
るので、調査体積からの戻り信号の包絡線の変化率は、
次のように表すことが可能である。
【0033】
【数6】
【0034】戻り信号の包絡線と波包絡線Sの比例定数
が、式5の両辺に生じ、相殺することになる点に留意さ
れたい。
【0035】次に、調査体積からの戻り信号の包絡線の
平均二乗変化率について考察する。
【0036】
【数7】
【0037】この式において、交差項には、速度項と異
なる軸(x−y、x−z、y−z)に沿った空間率の積
が含まれている。異なる軸からのこれらの信号には、相
関関係はない。波の散乱は、ランダムなプロセスである
ため、従って、これらの交差項の平均値は、ゼロに近
く、このレベルの近似では無視することが可能である。
【0038】さらに、成分速度vx、vy及びvzは、
一定であると仮定する。換言すれば、必ずしも、流体流
の方向が分かるとは限らないが、調査体積内における流
体の速度の増減はないものと仮定する。前記式は、従っ
て、下記の形に書き表すことが可能である。
【0039】
【数8】
【0040】本発明によれば、方向に左右されない血流
測定のため、調査体積は、ほぼ球形に形成される。この
場合、これは、体積が、その中心を通る軸(図示のx−
y−z系だけではない)に沿った空間勾配に関して、対
称をなすことを意味するものである。
【0041】これは、次のように表すことが可能であ
る。
【0042】
【数9】
【0043】ここで、▽Siは、Sの勾配のi番目の成
分であり、Gは、定数である。
【0044】定常SIVからの戻り信号の包絡線の平均
二乗変化率に関する式は、次のように表すことが可能で
ある。
【0045】
【数10】
【0046】ここで、Gは一定の比例係数である。
【0047】換言すれば、本発明による定常SIVから
の戻り信号の包洛線の平均二乗変化率は、流速vの二乗
に比例するが、その方向の影響は受けない。式8によっ
て表される状態は、任意の集合をなす直交軸にもあては
まる。
【0048】従って、本発明によるSIVを利用するこ
とによって、既知の方法を利用して、SIVからの戻り
信号の包洛線が検知され、既知の数値技法を利用して、
その信号の平均二乗変化率が計算されることになる。例
えば、時間t=tm(ある開始時間からm番目のパルス
時)における戻り信号Sの包洛線に関する瞬時変化率
(ds/dt)の推定値を求めるため、システムの処理
回路要素は、Sの現在の測定値から直前の値を引き、次
に、サンプリング周期で割ることが可能である(後続の
ステップで、時間スケーリングを実施することも可能で
ある)。該システムは、次に、所定の数Nの測定値の後
で、これらの差の値を二乗して、合計し、二乗した差を
(N−1)で割ることによって平均化することができ
る。
【0049】戻り信号の包洛線の平均二乗変化率と速度
を関連づける比例係数の働きをする定数Gは、該システ
ムが、実験(既知の流速を利用した)によって、また
は、SIVの形成に用いられる選択された変換器アレイ
の特性、及び、調査体積に関して選択された波包洛線の
パラメータに基づく理論的計算によって、較正される
と、求めることが可能になる。流速vの測定値|v|を
得るため、該システムは、戻り信号の数値で求めた平均
二乗変化率を定数Gで割り、その結果の平方根を求め
る。
【0050】図3には、距離方向に沿ったSIVに関す
る波及び包洛線が示されている。4サイクルのパルス3
0で、SIVの距離寸法に沿った波包洛線32が形成さ
れる。調査波包洛線にz軸に沿った適正な曲率を付与す
るため、SIVの前方及び最後方のポイントに近い最小
値からSIVの中心に近い最大値まで、パルスの振幅を
増大させなければならない。図3に示すSIVに関する
波形の形成に必要な電気送信及び受信信号は、実験、ま
たは、所与の用途において選択された変換素子の物理的
特性に関する知識に基づいた理論的計算によって決定す
ることができる。
【0051】図4には、側方向に沿ったAIVとSIV
の両方に関する波包洛線が示されている。図4に示すよ
うに、両方の調査体積に関するビーム幅は、変換器の焦
点合わせ能力によって制限される。二重矢印44は、調
査体積の波包洛線の幅を示している。本発明による完全
なSIVの場合、SIVの中心を通る任意の方向におけ
る調査波包洛線の平均二乗勾配は、同じままである(式
7〜式9を参照のこと)。
【0052】一般に、完全な球形の調査体積を形成する
ことは不可能であり、それどころか、調査体積には、1
つ以上の軸に沿って「テール」または「リップ」を生じ
る可能性がある。しかし、一般に、調査体積がほぼ球形
である限り、交差項(式6参照のこと)は、やはり、無
視しても、結果にたいした歪みを生じる可能性のないほ
ど、十分に小さくなるし、いずれにせよ、本発明による
ほぼ球形の調査体積は、先行技術において用いられた異
方性調査体積に比べて、方向からの独立性がはるかに大
きくなる。
【0053】例えば、実験から明らかなように、十分な
球形の調査体積は、適合する幅のガウス距離プロフィー
ルを備えた波包洛線を生成することによって、生じさせ
ることが可能である。球形調査体積は、送信ビーム及び
受信ビームの両方の特性の合成関数であることに留意す
べきである。
【0054】図5には、本発明によるSIVが示されて
おり、また、本発明に従って、動脈50内の血流の方向
を測定するための方法も示されている。動脈50内にお
ける血流の局部的方向が、矢印52で示されている。図
5には、動脈内に焦点を合わせた、上述の特性を備え
る、球形調査体積54も示されている。式6〜式9に示
すように、調査体積の境界を変形させて、調査体積を楕
円形にすると、戻り信号に変動を誘発し、調査体積が方
向に依存することになる。後方散乱戻り信号の包洛線の
測定された平均二乗変化率は、流体内の散乱粒子の流れ
の方向が楕円形の長軸に対して平行度を増すにつれて、
減少する。
【0055】図5には、その長軸が血流52の方向とほ
ぼアライメントのとれる、1つの楕円形調査体積(EV
I)56が示されており、その一方で、その長軸が血流
52の方向に対してほぼ垂直な、もう1つのEIV58
も示されている。ほぼ垂直なEIV58からの戻り信号
の包洛線が示す測定された平均二乗変化率は、ほぼアラ
イメントのとれたEIV56からの場合に比べてはるか
に大きくなる。楕円形の所与の偏心に関して、明らかに
することができるように、包洛線に最小の平均二乗変化
率が生じるのは、楕円形の長軸が流れの方向と平行にな
る場合である。
【0056】本発明は、この現象を利用して、調査体積
内における血流の速度だけでなく(またはそのかわり
に)調査体積内における血流の方向も測定する方法を提
供する。まず、流速の測定を所望する場合、上述のよう
にSIVを形成し、動脈内の所望の測定点にその焦点が
合うように、変換器アレイを構成し、励起することにな
る。
【0057】周知のように、調査体積内から後方散乱す
る超音波信号は、そのうちの1つ以上が再変換に利用可
能な、変換素子の圧電特性のため、電気信号に再変換さ
れる。さらに、従来の処理回路要素を利用して、選択さ
れた変換素子からのアナログ信号の検知及びサンプリン
グが行われ、信号は、数値計算における利用に適したデ
ジタル形式に変換される。該回路要素は、式9を利用し
て、流速を求めるため、これらの測定値を累算し、戻り
信号の包洛線の平均二乗変化率を計算する。
【0058】次に、超音波信号の発生に用いられるアレ
イ内の各種変換素子の整相を変化させることによって、
SIVがEIVに「変形」される。もちろん、SIVス
テップなしで済ませるか、あるいは、該ステップを最後
に実施する選択も可能であるが、この場合、EIVが、
最初に形成される。EIVの偏心は、楕円形の回転につ
れて、戻り信号の平均二乗変化率に十分に大きい変化が
生じるように、実験または計算によって選択可能であ
る。
【0059】一般に、楕円形の偏心が大きくなるにつれ
て、戻り信号に誘発される変動が大きくなり、現在異方
性のEIVの長軸が流れの方向とアライメントがとれる
と、これを検出する能力も増大する。変換器アレイの物
理的構成及び各種変換器信号の相対的位相変化のさまざ
まな可能性によって、EIVに関する偏心の選択が制限
される。楕円形の中心が動脈内において曲率の大きい領
域にある場合、長軸自体が、血流の方向が急激に変化す
る領域を横切って延びる可能性がある。
【0060】楕円形の調査体積は、焦点の中心がSIV
自体と同じであることが望ましい。これによって、動脈
の同じ領域が測定されるだけでなく、流れの方向の測定
も、SIVを利用して実施される流速の測定と同じポイ
ントで行われることが保証される。
【0061】SIVと(または互いに)同じ中心を備え
た、EIVに関する戻り信号の包洛線の平均二乗変化率
は、楕円形の長軸の方向と、EIVを通る血流の速度の
関数である。楕円形調査体積の長軸の方向が下記の通り
であると仮定する。
【0062】
【数11】
【0063】戻り超音波信号の包洛線の平均二乗変化率
は、次のように表すことが可能である。
【0064】
【数12】
【0065】さらに、EIVがその中心点まわりを回転
するので、調査領域を通る流速は、ほぼ一定のままであ
ると仮定する。換言すれば、下記がほぼ一定になるもの
と仮定する。
【0066】
【数13】
【0067】これは、戻り信号の包洛線の平均二乗変化
率が下記の長軸方向だけの関数となるように、さらに、
式10を簡略化することが可能であることを表してい
る。
【0068】
【数14】
【0069】変換器アレイの整相を変更することによっ
て、EIVの長軸を楕円形の中心点まわりで回転させる
ことが可能になる。楕円形の回転につれて、測定平均二
乗変化率自体が変化し、下記の長軸が流れの方向と平行
になると、最小値に達する。
【0070】
【数15】
【0071】平均二乗変化率は、下記の3次元ベクトル
の関数であるため、Newton-Raphson技法のような、数多
い既知の数値最適化技法のうち任意のものを利用して、
長軸の回転の仕方に制御を加え、最小の平均二乗変化率
が得られる向きを判定することが可能である。
【0072】
【数16】
【0073】選択された最適化の方法が、下記のベクト
ルに関して1つ以上の開始値を必要とする場合、これら
は、単純なランダム選択、または、所定の方向における
任意の増分変化を含む、任意の既知の方向に従って、発
生させることが可能である。
【0074】
【数17】
【0075】上述のように、既知の数値技法を利用し
て、任意の所与の調査体積に関する戻り信号の包洛線の
平均二乗変化率を計算することも可能である。しかし、
包洛線の特性、包洛線の変化率、及び、平均二乗変化率
の信頼できる推定値を得るのに十分なデータ・ポイント
値を累算するためには、多くの戻り信号を検知しなけれ
ばならないのが普通である。測定値を累算することがで
きる速度は、通常、超音波変換器アレイ自体のパルス繰
り返し数と同じである。従って、各楕円形調査体積毎
に、最適化ルーチンの次のステップに取りかかる前に、
すなわち、EIVを新しい配向につける前に、十分な数
の測定値を累算するのに十分な長さにわたって、体積を
一定に保つことが必要になる。楕円形を回転させる適正
な速度は、実験によって、及び、流体の流れ特性に関す
る従来の知識を取り入れることによって、決定すること
が可能である。
【0076】戻り信号の包洛線の平均二乗変化率の最小
値を検知すると、流れの方向が、最小値が得られた楕円
形の長軸方向と同じであると仮定することができる。こ
の方向は、楕円形の中心点(調査体積の焦点)だけでな
く、既知のところである(x´、y´、z´)ため、そ
の調査体積内において流れの方向が求められることにな
る。この同じ領域が、球形調査体積を利用して測定済み
である場合、流速の正確な測定値も得られることにな
る。もちろん、楕円形調査体積を利用して、流れの方向
(従って、流れの方向と照準線または変換器アレイの調
査方向との角度)を求めることができるので、SIVに
関係なく、通常のドップラ技法を適用して、流れの推定
値が得られることになる。
【0077】図6には、環状の圧電超音波変換素子62
a、62b、62c、62d及び62eから成るアレイ
60が示されている。図解例の場合、5つの環状変換素
子が示されているが、所与の用途の必要に応じて、利用
する変換素子を増減することも可能である。例えば、変
換素子の数を増し、その一方で、アレイの直径を一定に
保つことによって、等サイズの球形調査体積を形成可能
な範囲が拡大されるが、各種変換素子の励起及び整相を
行う回路要素の複雑さも増すことになる。アレイ60の
直径を増すことによって、より大きいアパーチャが形成
され、従って、調査体積の焦点をより遠くに合わせるこ
とが可能になる。
【0078】最も単純な事例の場合、アレイ60の表面
は、ほぼフラットであるが、凹状アレイにすることもで
きるし、球形の調査体積を形成することも可能である。
環状アレイ60は、アレイ60に対してほぼ垂直で、そ
の中心点を通って延びる、調査方向64のライン上に焦
点を合わせた調査体積を形成する。アレイ60の焦点距
離は、同時に励起させる変換リング62a〜62eの数
を変えることによって、既知のやり方で調整することが
可能であり、2つの中心変換素子62a、62bから始
めて、別の同心変換リングが追加される毎に、アレイ6
0のアパーチャが増すことになる。図6に示すように、
1つのSIV66は、最も内側の3つの変換素子62a
〜62cによって形成されている。アレイ60から最も
離れたもう1つのSIV68は、5つの変換素子62a
〜62eの全てを励起する場合に、形成される。
【0079】調査体積の焦点を合わせる距離は、やは
り、各種変換素子の励起の相対遅延の関数である。遅延
焦点合わせは、当該技術にとって既知のところであり、
周知のように、変換素子の信号の相対的整相を変更する
ことによって生じる構造的干渉の結果として、アレイの
焦点が合ったり、ずれたりする。もっと小さいアパーチ
ャ(より少ない同心の環状変換素子)を利用すると、焦
点距離を短くし、同時に、f数は同じに保つことが可能
である。上述のように、本発明は、調査体積内の平均二
乗空間勾配がほぼ一定した、定常調査体積を生じるとい
う点で、既知のものと比べると独自性を有しており、従
って、本発明による方法は、流れの等方性測定を考慮し
たものである。
【0080】図7には、超音波変換素子の2次元フェイ
ズド・アレイ70が示されている。図解例の場合、アレ
イは、そのコーナの変換素子が71(1、1)71
(1、20)、71(20、1)、71(20、20)
と表示された、20×20のマトリクスとして配列され
た、400の変換素子から構成される。所与の用途に用
いられる変換素子の数は、所望のビーム形成度、及び、
許容可能な製造の複雑さ及びコストのような他の要素に
よって決まる。
【0081】説明だけを目的として、アレイ70の面に
重ねられた同心リング72a〜72fが示されている。
本発明によれば、2次元フェイズド・アレイ70の個々
の変換素子は、アレイ70が環状変換素子のシステムを
シミュレートすることができるように、また、他のアパ
ーチャもシミュレートすることができるように、励起さ
れる。動作時、最も内側の変換素子(リング72a内に
おいて)をシミュレートするため、リング72aで表示
された領域内の変換素子、または、少なくとも、該リン
グ内に所定の部分を有する変換素子が、全て、ほぼ同じ
励起信号によって、同時に励起される。同様に、任意の
他の環状領域は、アレイ70の面の対応する環状領域内
に十分に入り込んだ変換素子を同時に励起することによ
ってシミュレートされる。
【0082】図解例において、2次元フェイズド・アレ
イ70を利用して、図6に示す環状アレイの場合のよう
に、軸上への焦点合わせがシミュレートされる。従っ
て、シミュレートされる最も外側の変換器「リング」に
よって形成される「アパーチャ」の直径に基づき、調査
方向74に沿って、異なる球形調査体積76、78を形
成することが可能である。
【0083】2次元フェイズド・アレイ70の利点の1
つは、機械的変更を必要とせず、電気励起信号の単純な
変更によって、環状領域の数及び直径を変えることがで
きるということである。2次元アレイ70のもう1つの
利点は、アレイの焦点距離を変えることができるだけで
なく、調査方向74を変更し、調査体積の偏心を変調す
ることもできるということである。アレイ70における
変換素子の物理的特性に基づき、既知の分析及び数値技
法、シミュレーション、及び、実験を利用して、構造的
干渉によって、楕円形調査領域、並びに、他の形状を備
えた調査領域を形成して、回転させる信号を発生する変
換素子のための励起信号を決定することが可能である。
【0084】図8は、超音波球形調査体積を利用して、
流れの測定を行うためのシステムの主要コンポーネント
及び信号を示すブロック図である。図8には、説明を簡
単にすることだけを目的として、単純な3リング環状変
換器アレイが示されている。図8には、アレイの3つの
素子が、80a、80b、80cと表示されている。単
純な3リング・アレイが例示されているが、図8に示す
構造は、より一般的な、nリング環状変換器アレイの場
合、または、アレイ内の各変換器毎に、異なる励起信号
(後述する)が加えられる、2次元フェイズド・アレイ
の場合にも当てはまる。
【0085】従来の処理回路要素82は、変換器アレイ
の圧電素子を駆動する一連のパルスとして、電気励起信
号f1、f2、f3を発生する。最も単純な単一周波数
または「モノクロマチック」な場合、各励起信号は、f
i(t)=Ei(t)・cos(ωt)の形をとること
になる。処理回路要素82が励起信号f1、f2、f3
を発生する際、励起信号f1、f2、f3には、それぞ
れ、独立した従来の遅延回路84a、84b、84c、
または、処理回路要素82自体によって、量δ1、δ2
及びδ3だけ時間遅延を生じることになる。異なる圧電
変換素子80a、80b、80cが、それぞれの遅延励
起信号f1d 、f2d 、f3d によって励起する。励起
信号が単一周波数であると仮定すると、遅延励起信号
は、次の一般的な形をとることになる。
【0086】
【数18】
【0087】変換器の励起信号は、単一周波数である必
要はなく、むしろ、励起信号f2及びf3に関して図8
に示すように、励起信号は、他の周波数成分を含むこと
が可能であるため、遅延励起信号の一般的な形は、次の
ようになる。
【0088】
【数19】
【0089】ここで、Wiは、それぞれの励起信号のス
ペクトルに含まれた1組の周波数である。
【0090】変換素子は、それぞれの入力信号fid
よって励起されると、調査信号を構成し、互いに干渉し
て、焦点面86に調査体積の焦点を合わせる、対応する
超音波出力g1、g2及びg3を放出する。調査体積内
において移動する粒子は、戻り信号b(t)として、超
音波信号を後方散乱する。後方散乱した超音波戻り信号
は、1つ以上の圧電変換素子80a、80b、80cに
よって、アレイ内の各変換素子によって発生する電気戻
り信号を合成したものである、電気戻り信号R(t)に
変換される。距離ゲート処理及び包絡線検出の後、処理
回路要素82において、平均二乗変化率の計算が実施さ
れる。多素子変換器の場合、従来のビーム形成技法を利
用し、各素子毎に、個々のRF信号を組み合わせて、距
離ゲート処理及び包絡線検出に関する合成RF信号R
(t)が形成される。
【0091】処理回路要素82は、所定の率で繰り返さ
れる一連のパルスとして、励起信号f1、f2、f3を
形成するために、従来の信号発生及び条件付け回路要素
を含むこともできるし、あるいは、該回路要素に接続す
ることも可能である。同様に、処理回路要素82は、予
備増幅、サンプリング、及び、変換素子からの戻り信号
を、個々に、あるいは、合成R(t)として、合成戻り
信号の包絡線の平均二乗変化率の計算に用いるのに適し
た数値に変換する、アナログ・デジタル変換といった機
能を実施する、従来の受信及び条件付け回路要素を含む
こともできるし、あるいは、該回路要素に接続すること
も可能である。処理回路要素82または追加受信回路要
素を設けて、調査体積内に、球面において対称的なラウ
ンド・トリップ・ビームを形成することも可能である。
【0092】メモリ回路88は、処理回路要素82に接
続されるか、あるいは、その内部に含まれる。メモリ回
路88を利用して、戻り信号(図8に合成戻り信号R
(t)として示されている)の順次値が累算され、これ
を利用して、戻り信号の包絡線が推定され、さらに、該
包絡線を利用して、本発明による方法の差を求め、平均
化するステップが実施される。例えば、メモリ回路88
は、処理回路要素82が励起信号f1、f2、f3の発
生に利用する信号プロフィールを、デジタル方式で記憶
するために用いることも可能である。流速または流れの
方向の結果は、処理回路要素82の出力によって駆動さ
れる、任意の従来の英数、図形、または、他の表示装置
89によって表示することができる。出力結果は、追加
処理、評価、または、応用回路要素に送ることも可能で
ある。
【0093】本発明には、方向に左右されない流速を測
定するため、球形の調査体積の形成が必要になる。従っ
て、超音波変換器の出力信号g1、g2、g3は、構造
的に干渉して、球形の調査体積を形成する信号形態を備
えなければならない。図7に示す、2次元フェイズド・
アレイに関する望ましい実施例の場合、変換素子に対す
る励起信号は、変換素子から出力される超音波信号の構
造的干渉によって、楕円形の調査体積を形成することに
なるような信号波形を備えることも可能である。
【0094】上述のように、超音波変換素子からの出力
信号の包絡線E(t)によって、SIVの場合、距離寸
法が調査体積の方位寸法及び高低寸法と等しくなるよう
に設定される。各種変換素子からの必要とされる出力信
号を決定する場合、変換器からの出力信号の包絡線E
(t)は、変換器が十分に「高速」である場合に限っ
て、その励起信号の包絡線とほぼ同じになるという点に
留意しなければならない。しかし、変換素子からの出力
信号の包絡線は、圧電変換素子に対する電気的入力を形
成する励起信号の包絡線と同じではないのが普通であ
る。
【0095】とりわけ、2つ以上の成分周波数を有する
入力励起信号の場合、変換素子が「低速」になるほど、
変化度が大きくなる。周知のように、出力信号の特性
は、対応する変換器のインパルス応答特性によって決ま
る。本発明による球形または楕円形の調査体積を発生す
るのに必要な出力信号の特性は、分かっているか、また
は、計算することが可能であるため、理論的に、逆たた
み込みによって(各変換器のインパルス応答関数が分か
っているか、あるいは、推定できるものと仮定して)、
あるいは、シミュレーションまたは実験によって、必要
な励起信号を決定することが可能である。所与のSIV
に関してだけでなく、SIVの空間内にある位置、また
は、楕円形調査体積の位置、配向、及び、偏心に関して
も、励起信号f1、f2、f3を発生することになる場
合に、処理回路要素82によって利用されるのに備え
て、対応する信号を発生するのに必要なパラメータは、
メモリ回路88に記憶しておくことが可能である。
【0096】以下、本発明を列挙する。 1. 複数の圧電変換素子のそれぞれに、対応するパル
ス化電気送信信号をを繰り返し加えるステップと、変換
素子において、血管内の血液から後方散乱する受信信号
を検知するステップと、送信信号及び受信信号に電気的
に整形及び整相を施して、血流を測定すべき調査体積内
に調査信号を発生するステップと、パルス化電気励起信
号を加える毎に、調査体積内の粒子から後方散乱する超
音波戻り信号を検知するステップと、検知した超音波戻
り信号を対応する合成電気戻り信号に変換するステップ
と、合成電気戻り信号の包絡線の平均二乗時間変化率の
推定値を計算するステップと、推定平均二乗時間変化率
の所定の関数として表された、所定の血流特性を出力す
るステップから構成される、血管または器官内における
血流の測定方法である。
【0097】2. 所定の血流特性が、流速であること
と、さらに、変換素子に対する電気送信及び受信信号に
整形及び整相を施して、調査体積がほぼ球形で、等方性
になるようにするステップと、調査体積からの戻り信号
の包絡線のスペースにおける平均二乗変化率に等しい比
例係数を求めるステップが含まれることと、流速の計算
に用いられる推定平均二乗時間変化率の所定の関数が、
推定平均二乗時間変化率を比例係数で割ったものから成
る構成にした上記1に示した測定方法である。
【0098】3. 電気送信及び受信信号に対する整形
及び整相のステップに、相互干渉を伴う送信信号及び受
信信号を発生して、波包絡線の平均二乗空間勾配が、調
査体積内においてほぼ一定になるようにするステップが
含まれるようにした上記2に含まれる測定方法である。
【0099】4. 電気送信及び受信信号に対する整形
及び整相のステップに、距離寸法が、高低寸法及び方位
寸法にほぼ等しい調査体積を発生するステップが含まれ
るようにした上記3に含まれる測定方法である。
【0100】5. 所定の血流特性が、血流の方向であ
ることと、さらに、変換素子に対する送信及び受信信号
に整形及び整相を施して、調査体積が、長軸を有するほ
ぼ楕円形になるようにするステップと、それぞれの長軸
の方向が異なる、複数の調査体積を発生するステップ
と、電気戻り包絡線信号の包絡線の推定平均二乗時間変
化率が最小になる、楕円形調査体積の長軸方向を、流れ
の方向を表すものとして出力するステップから構成され
ること上記1に記載の測定方法である。
【0101】6.送信信号及び受信信号に整形及び整相
を施すステップに、2次元フェイズド・アレイとして構
成された複数の変換素子に対する微分整相が含まれるよ
うにした上記5に記載の測定方法である。
【0102】7. 複数の圧電変換素子のそれぞれに、
対応するパルス化電気送信信号を繰り返し加えるステッ
プと、変換素子において、血管または器官内の血液から
後方散乱する受信信号を検知するステップと、送信信号
及び受信信号に電気的に整形及び整相を施して、ほぼ球
形で、等方性であり、その波包絡線平均二乗勾配がほぼ
一定した、血流を測定すべき、調査体積を発生するステ
ップと、パルス化電気励起信号を加える毎に、調査体積
内の粒子から後方散乱する超音波戻り信号を検知するス
テップと、検知した各超音波戻り信号を対応する電気戻
り信号に変換するステップと、電気戻り包絡線信号の包
絡線の平均二乗時間変化率の推定値を計算するステップ
と、調査体積の波包絡線の平均二乗空間変化率に等しい
比例関数を求めるステップと、戻り信号の包絡線の平均
二乗時間変化率の推定値を計算するステップと、推定平
均二乗変化率を比例係数で割ったものに相当する血流の
速度の表示を出力するステップから構成される、血管ま
たは器官内における血流の速度を測定するための方法で
ある。
【0103】
【発明の効果】上記説明したように本発明に係る流体流
を検知するための超音波時間領域法は、冠状動脈ないの
血液のような流体の流れの速度及び方向を、超音波のパ
ルスの焦点を患者の体内に合わせ、血流を測定するため
の球形または楕円形に形成された調査体積を形成し、各
パルス毎に、後方散乱信号の強度を測定し、戻り信号の
包絡線の平均二乗変化率を推定することにより、流体流
の方向に影響されない流速を測定することができると云
う極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る1次元フェイズド・アレイをなす
超音波変換素子によって形成される異方性の調査体積
(AIV)を示す説明図である。
【図2】同異方性調査体積(AIV)の波及び包絡線を
示す既知の説明図である。
【図3】本発明による球形調査体積(SIV)の波及び
包絡線を示す説明図である。
【図4】側方向に沿ったSIV及びAIVの波包絡線を
示す説明図である。
【図5】血管内の球形調査体積、及び、血流方向の測定
に用いられる2つの楕円形調査体積を示す説明図であ
る。
【図6】本発明によるSIVの発生に用いることが可能
な、環状アレイをなす超音波変換素子を示す説明図であ
る。
【図7】SIVの発生に用いることが可能な超音波変換
素子の2次元フェイズド・アレイを示す説明図である。
【図8】3リングの環状アレイ、及び、異なるリングに
対するそれぞれの励起信号のタイミング/位相関係を利
用して、SIVを発生するためのシステムに関する略示
的なブロック図である。
【符号の説明】
10 超音波変換素子 12 1次元フェイズド・アレイ 16 異方性調査体積 20 調査パルス 50 動脈 54、76、78 SIV 56、58 EIV 60 アレイ 62 圧電超音波変換素子 70 2次元フェイズド・アレイ 72 同心リング 80 圧電変換素子 82 処理回路要素 84 遅延回路 88 メモリ回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の圧電変換素子のそれぞれに、対応
    するパルス化電気送信信号を繰り返し加えるステップ
    と、 変換素子において、血管内の血液から後方散乱する受信
    信号を検知するステップと、 送信信号及び受信信号に電気的に整形及び整相を施し
    て、血流を測定すべき調査体積内に調査信号を発生する
    ステップと、 パルス化電気励起信号を加える毎に、調査体積内の粒子
    から後方散乱する超音波戻り信号を検知するステップ
    と、 検知した超音波戻り信号を対応する合成電気戻り信号に
    変換するステップと、 合成電気戻り信号の包絡線の平均二乗時間変化率の推定
    値を計算するステップと 、 推定平均二乗時間変化率の所定の関数として表された、
    所定の血流特性を出力するステップとから構成される、
    流体流の測定方法。
JP6206004A 1993-08-09 1994-08-08 流体流の測定方法 Pending JPH0759775A (ja)

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