JPH0753235B2 - 化学反応予測装置 - Google Patents

化学反応予測装置

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JPH0753235B2
JPH0753235B2 JP24346887A JP24346887A JPH0753235B2 JP H0753235 B2 JPH0753235 B2 JP H0753235B2 JP 24346887 A JP24346887 A JP 24346887A JP 24346887 A JP24346887 A JP 24346887A JP H0753235 B2 JPH0753235 B2 JP H0753235B2
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公人 船津
愼一 佐々木
範生 小寺
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公人 船津
愼一 佐々木
住友化学工業株式会社
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/0006Controlling or regulating processes

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、或る化合物から或る化合物を化学反応により
生成する際の反応条件などを予測する化学反応予測装置
に関する。
〔従来の技術〕
有機合成化学分野においては、医薬,農薬などの新規或
いは既存の化学物質を生成する為にはどのような反応物
(出発物)を使用しどのような反応条件(試薬,温度,
圧力など)で反応を起こさせれば効率良い合成が為し得
るか、或いは既存の化学物質の有効利用を図るためにそ
の化学物質を反応物として使用すればどのような生成物
が生成されるであろうか、更に或る反応物から或る生成
物を得る為の反応条件としてどのようなものが考えられ
るかといったことが、日々研究,開発されている。この
ような研究,開発は古くは研究者,開発者個人の知識,
経験と実験とに全て依存して行なわれてきたが、余りに
も効率が悪いことから、近年においてその研究,開発効
率の悪さを是正し、研究者,開発者を支援する為の幾つ
かのシステムが提案乃至実用化されている。その代表的
なシステムとしては次のようなものが知られている。
LHASA(Logic and Heuristics Applied to Synthetic
Analysis) SECS(Simulstion and Evaluation of Chemical Synt
hesis) SYNCHEM(SYNthetic CHEMistry) これらのシステムは何れも「変換」と呼ばれる逆化学反
応の大きな知識ベースを持ち、条件−行動型のプロダク
ション・ルールを使用した人工知能応用システムであ
り、生成物から出発し、それを導く反応物と反応条件と
を推論により求めるものである(詳しくは、例えば、
「人工知能ハンドブック」,共立出版,1983年12月15日
発行,第II巻第180頁〜第190頁参照)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、条件−行動型のプロダクション・ルール
を使用する従来のシステムでは、同一の知識ベースを使
用して反応物から生成物を予測したり、逆に生成物から
反応物を予測したり、或いは反応物と生成物とから反応
条件を予測したりというように、予測する対象要素を任
意に選択することが困難な欠点がある。即ち、上記の各
従来システムでは、前述したように生成物から出発し、
それを導く反応物と反応条件とを推論により求め得るよ
うなプロダクション・ルールで知識ベースを構築してい
る為、反応物から出発して生成物,反応条件を予測した
り、生成物,反応物から反応条件を予測したりする場合
には上記の知識ベースは使用することができず、新たな
知識ベースが必要となる。
そこで本発明の目的は、同一の知識ベースを使用して、
化学反応における各種の要素の予測を行なうことができ
る化学反応予測装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕 本発明は上記目的を達成するために、 反応物,反応条件,生成物の三つの要素で構成される化
学反応のうち入力装置から入力された予測対象要素以外
の要素から前記予測対象要素を予測し予測結果を出力装
置に出力する化学反応予測装置に、下記のような構造の
反応知識ベースと、反応予測制御部とを設けたものであ
る。
・反応知識ベース 反応条件対応の反応テーブルを含み、各反応テーブルに
は、その反応条件の下で行なわれた個別化学反応におけ
る反応物の反応中心と反応中心環境とに関する情報,お
よび該情報と方向性を持つリンクにより関連せしめられ
た生成物の反応中心と反応中心環境とに関する情報が設
定されている。
・反応予測制御部 前記入力装置から入力される前記予測対象要素以外の要
素に基づき、前記反応知識ベース中の反応テーブルに設
定された反応中心と反応中心環境とに関する情報,方向
性リンクの存在を探索する処理を繰返すことにより前記
予測対象要素を予測し、該予測結果を前記出力装置に出
力する。
〔作用〕
反応知識ベースは、或る反応物Aを或る反応条件Xの下
で化学反応させると或る生成物Bが生成されるという個
別反応例に基づき、反応物Aの反応中心ac,その反応中
心acの環境aeと、生成物Bの反応中心bc,その反応中心b
cの環境beとを抽出し、反応条件Xに対応する反応テー
ブルに、反応中心acと反応中心環境aeとに関する情報か
ら反応中心bcと反応中心環境beとに関する情報へ向かう
方向性リンクを設定するという操作を多数の個別反応例
について行なうことにより生成されたものである。な
お、反応中心とは、反応を通して反応物,生成物の間で
生成した結合,および切断した結合とその両端にある原
子を含めた領域をいい、反応中心環境とは、反応中心に
属している原子とそれに隣接および連続した原子および
結合により構成されるか、または反応中心に隣接した原
子と反応中心に属さず反応中心に隣接した原子に連続し
た原子と結合により構成される有機合成化学上重要な特
徴をいう。
反応テーブル上の反応中心acと反応中心環境aeとで定ま
る部分構造或いは反応中心bcと反応中心環境beとで定ま
る部分構造は、それぞれ元の反応物A,生成物Bの構造の
一部ではあるが、反応物A,生成物Bそれ自身ではなく、
反応物A,生成物Bに関してその化学反応下での特徴的部
分を抽出したものである。従って、数多くの個別反応例
の中には、反応物と生成物との双方或いは一方が異なる
にもかかわらず同一の反応中心,反応中心環境として同
一の反応テーブル或いは異なる反応テーブルに登録され
るものが出てくる。
これを逆に考えれば、知識ベース中の反応条件Xに対応
する反応テーブル中に、反応中心acと反応中心環境aeと
に関する情報から反応中心bcと反応中心環境beとに関す
る情報へ向かう方向性リンクが設定されている場合、反
応中心acと反応中心環境aeで特定される部分構造と同一
の部分構造を持つ化学物質を反応条件Xで化学反応させ
れば、上記の方向性リンクが指し示す反応中心bcを反応
中心として持ちその環境がbeである部分構造を含む生成
物が生成される可能性が高いと言え、逆に反応中心bcと
反応中心環境beで特定される部分構造と同一の部分構造
を持つ化学物質は、上記の方向性リンクが指し示す反応
中心acを反応中心として持ちその環境がaeである構造を
含む反応物を反応条件Xで化学反応させれば生成できる
可能性が高いと言え、更に反応中心acと反応中心環境ae
で特定される部分構造と同一の部分構造を持つ化学物質
を出発物質とし、反応中心bcと反応中心環境beで特定さ
れる部分構造と同一の部分構造を持つ化学物質を合成標
的物質とする化学反応に必要な反応条件が反応条件Xで
ある可能性が高いと言える。勿論、化学の分野において
は最終的な確認は実験に頼らなければならないが、可能
性の高い反応物,生成物,反応条件が予測できる分だけ
無用な実験を省くことができ、研究,開発の効率を高め
ることができる。
〔実施例〕
次に本発明の実施例について図面を参照して説明する。
第2図は本発明の化学反応予測装置の実施例のブロック
図、第3図は本実施例のハードウェア構成図である。第
2図に示す化学反応予測装置は、反応知識ベース1と、
個別反応データベース2と、反応予測制御部3と、反応
知識ベース生成部4と、個別反応データベース生成部5
と、表示装置6a及び入力装置6bを含む入出力装置6と、
個別反応データベースアクセス部7とで構成されてい
る。反応知識ベース1と個別反応データベース2とは第
3図の外部記憶装置DCKに生成されており、一部は主記
憶装置MMUに展開される。また、反応予測制御部3,反応
知識ベース生成部4,個別反応データベース生成部5及び
個別反応データベースアクセス部7は第3図の主記憶装
置MMUに格納されたプログラムと中央処理装置CPUとに対
応している。
第2図に示した化学反応予測装置では、先ず個別反応デ
ータベース生成部5により個別反応データベース2が生
成され、次にこの生成された個別反応データベース2か
ら反応知識ベース生成部4によって反応知識ベース1が
生成され、この生成された反応知識ベース1を使用して
反応予測制御部3によって反応予測が行なわれる。以
下、個別反応データベース2の生成,反応知識ベース1
の生成,反応予測の順で本実施例の構成および動作を説
明する。
(I)個別反応データベース2の生成 個別反応データベース生成部5は、第4図に示すように
解析手段50,反応中心・環境抽出手段51およびファイル
生成手段52で構成され、個別反応データベース2は、反
応物ファイル20,生成物ファイル21,反応中心ファイル22
および反応条件ファイル23で構成される。
個別反応データベース2の生成に際しては、各個別反応
の反応物A,反応条件X,生成物Bを入力装置6bから個別反
応データベース生成部5に入力する。これらのデータが
入力されると、解析手段50は今回の個別反応を他の個別
反応と区別するための反応IDを生成し、各ファイル20〜
23中のその反応IDに対応する領域を確保し、入力された
反応物Aの構造式を示すデータを反応物ファイル20へ、
生成物Bの構造式を示すデータを生成物ファイル21へ、
反応条件Xを規定するデータを反応条件ファイル23へそ
れぞれファイル生成手段52を介して格納する。また解析
手段50は、入力された反応物Aのデータと生成物Bのデ
ータとを反応中心・環境抽出手段51に渡し、反応中心,
反応中心環境の抽出を行なわせる。そして、反応中心・
環境抽出手段51から反応物Aの反応中心ac,この反応中
心acの環境ae,反応物Bの反応中心bc,その環境bcが返却
されると、それらを反応中心ファイル22にファイル生成
手段52を介して格納する。
以上のような個別反応データの入力を多数の個別反応に
ついて実施することにより、個別反応データベース2に
各個別反応に関する反応物,生成物,反応物の反応中心
とその環境,生成物の反応中心とその環境,および反応
条件が、例えば第5図に示すよように格納されることに
なる。なお第5図において、ID1〜IDnは反応ID、A1〜An
は反応物データ、B1〜Bnは生成物データ、ac1〜acnおよ
びae1〜aenは反応物の反応中心データおよび反応中心環
境データ、bc1〜bcnおよびbe1〜benは生成物の反応中心
データおよび反応中心環境データ、X1〜Xmは反応条件デ
ータである。
第4図における反応中心・環境抽出手段51は、解析手段
50から通知された反応物データ,生成物データを解析す
ることにより、反応中心と反応中心環境とを自動的に抽
出する構成にすることもでき、また解析手段50から通知
された反応物データ,生成物データで表された構造式を
表示装置6aに表示し、利用者から反応中心,反応中心環
境として指示された部分を解析手段50に返却するマンマ
シンインタフェイス的な構成とすることもできる。
第6図は抽出処理を自動化した反応中心・環境抽出手段
51の処理例の流れ図である。反応中心・環境抽出手段51
は、解析手段50から反応物,生成物の構造式を示す反応
物データ,生成物データを入力すると(T1−1)、処理
A(構造特徴認識)を行なうと共に(T1−2)、処理B
(反応中心認識)を行なう(T1−3)。処理Aの構造特
徴認識は同図のT2−1〜T2−5に示すように、先ず反応
物,生成物それぞれについての結合行列の作成を行ない
(T2−1)、次に環の認識(T2−2)、芳香族性の認識
(T2−3)を行ない、水素を除く各原子についての特徴
集合の作成を行なう(T2−4)。ここで、特徴集合と
は、例えば原子種,結合種,環の大きさ等の有機反応上
重要なノード単位の特徴に関するビットワードをいう。
そして、T2−5で上記の各特徴集合の論理演算による上
位の特徴(構造特徴)の認識を行なう。ここで構造特徴
とは、例えば構成環員数,芳香族環構成員,不飽和基,
飽和基や有機合成上重要な官能基などをいう。また、処
理Bの反応中心認識は同図のT3−1〜T3−3に示すよう
に、先ず反応物,生成物間の最大共通部分構造の認識を
行ない(T3−1)、次に反応物,生成物より最大共通部
分構造を取り去り(T3−2)、残った構造を反応物,生
成物それぞれの反応中心として認識する(T3−3)。処
理Bによって反応物,生成物それぞれの反応中心が認識
されると、次に反応中心の構成原子ならびにそれに隣接
した原子の認識を行ない(T1−4)、この認識した各原
子へ処理Aにより獲得された構造特徴を付与し(T1−
5)、構造特徴が付与された反応中心の構成原子に関す
るデータを反応中心データ,隣接する原子に構造特徴を
付与したデータを反応中心環境データとして、それぞれ
解析手段50に渡す(T1−6)。
例えば第7図(a)に示すように、p−ニトロフェニル
アセタートを、「NaBH4+AlCl3」を試薬とする反応条件
の下で反応させると、p−ニトロベンジルアルコールが
生成される個別反応の場合、反応物の反応中心は であり、その反応中心環境は「カルボニル基の炭素に隣
接する反応中心以外の原子およびそれに連続する原子お
よび結合により構成される構造特徴である芳香族環」と
認識され、他方、生成物の反応中心は「−CH2OH」,そ
の反応中心環境は「−CH2OHに隣接した原子とそれに連
続した反応中心以外の原子および結合で構成される構造
特徴である芳香族環」と認識される。また、第7図
(b)に示すように同図(a)と同じp−ニトロフェニ
ルアセタートを、「LiAlH4」を試薬とする別の反応条件
の下で反応させると、p−アミノベンジルアルコールが
生成される個別反応も知られているが、その場合、反応
物の反応中心は「−NO2」, その反応中心環境は「−NO2」については「−NO2に隣接
した原子とそれに連続続した反応中心以外の原子および
結合で構成される構造特徴である芳香族環」と認識さ
れ、 については「カルボニル基の炭素に隣接する反応中心以
外の原子およびそれに連続する原子および結合により構
成される構造特徴である芳香族環」と認識され、生成物
の反応中心は「−NH2」,「−CH2OH」,その反応中心環
境は「−NH2」については「−NH2に隣接した原子とそれ
に連続した反応中心以外の原子および結合で構成される
構造特徴である芳香族環」と認識され、「−CH2OH」に
ついては「−CH2OHに隣接した原子とそれに連続した反
応中心以外の原子および結合で構成される構造特徴であ
る芳香族環」と認識される。
また、第7図(c),(d)の各場合の生成物,反応物
の反応中心,反応中心環境は次のように認識される。
・第7図(c)の場合(反応物=マレイン酸,試薬=Cr
SO4,生成物=コハク酸) 反応物 反応中心; C=C 反応中心環境;上記反応中心に隣接した原子とそれに連
続した反応中心以外の原子および結合で構成される構造
特徴であるCO2H 生成物 反応中心; CH−CH 反応中心環境;上記反応中心に隣接した原子とそれに連
続した反応中心以外の原子および結合で構成される構造
特徴であるCO2H ・第7図(d)の場合(反応物=アンチ−8,エキソ−4
−ジクロロジベンゾビシクロ〔3.2.1〕オクタジエン,
試薬=Zn−Cu95%エタノール,生成物=アンチ−8−ク
ロロジベンゾビシクロ〔3.2.1〕オクタジエン) 反応物 反応中心; CH−Cl 反応中心環境;上記反応中心に隣接した原子とそれに連
続した反応中心以外の原子および結合で構成される構造
特徴である芳香族環および橋頭位 生成物 反応中心; −CH2− 反応中心環境;上記反応中心に隣接した原子とそれに連
続した反応中心以外の原子および結合で構成される構造
特徴である芳香族環および橋頭位 なお、以上のようにして生成された個別反応データベー
ス2は、反応ID等をキーとして個別反応データベースア
クセス部7を起動することにより、各個別反応の反応
物,生成物,反応条件,反応中心,反応中心環境を検索
して出力させるといったデータベース本来の目的にも使
用される。
(II)反応知識ベース1の生成 反応知識ベース生成部4は、第8図に示すようにソート
手段40,ソート済反応条件ファイル41,ソート済反応中心
ファイル42,重複排除手段43,反応テーブル生成手段44お
よび個別反応検索テーブル45で構成され、反応知識ベー
ス1は、それぞれ異なる反応条件に対応する複数の反応
テーブル101〜10mで構成されている。
第1図は反応テーブル101〜10mの構造例を示す。各反応
テーブル101〜10mはマトリクス構造を有し、行列の一方
例えば行方向には反応中心データ(反応物と生成物の双
方の反応中心を含む)α1等が並べられ、列方向には反
応中心環境データ(同じく反応物と生成物の双方の反応
中心環境を含む)β1等が並べられる。そして、反応中
心データが設定された或る行と反応中心環境データが設
定された或る列との交点のエリアには、若しそれらの反
応中心と反応中心環境とで特定される部分構造を持つ生
成物あるいは反応物が個別反応データベース2中に格納
されていれば、他の交点のエリアと関連することを示す
方向性リンクが設定される。
たとえば第1図の反応テーブル101には、反応中心α4
と反応中心環境β6で特定される部分構造(以下、この
ような部分構造を(α4,β6)の如く表現する)に対応
するエリアにリンク情報Vc56が設定され、(α5,β6)
のエリアにリンク情報Vs46が設定されているが、これは
(α5,β6)の部分構造を持つ反応物を反応条件X1の下
で反応させた場合には(α4,β6)の部分構造を持つ生
成物が生成され得ることを示すものであり、両者を結ぶ
矢印はそのことを示すリンク情報Vs46,Vc56で実現され
た方向性リンクである。同様に、(α1,β6)の部分構
造を持つ反応物を反応条件X1で反応させた場合には(α
2,β6)の部分構造を持つ生成物が生成され得ること
が、リンク情報Vs26,Vc16で示される。更に、反応テー
ブル101においては、(α1,β2)の部分構造を持つ反
応物を反応条件X1で反応させた場合、(α3,β2)の部
分構造を持つ生成物と(α1,β4)の部分構造を持つ生
成物との二つの生成物(これらは例えば主反応による生
成物と副反応による生成物に相当する)が生成され得る
ことがリンク情報Vs32,Vc12,Vs14,Vc12で示され、そし
て(α1,β4)の部分構造を持つ生成物は例えば不安定
な為同一の反応条件下で(α2,β4)の部分構造を持つ
生成物に変化し得ることが、リンク情報Vs24,Vc14で示
されている。更に、反応条件Xmに対応する反応テーブル
10mを参照すると、反応条件Xmでは、(α1,β2)の部
分構造を持つ反応物から(α2,β4)の部分構造を持つ
生成物が直接に得られることがリンク情報Vs24,Vc12で
示されている。
さて、第1図に示したような各反応テーブル101〜10mを
反応知識ベース生成部4は次のようにして生成する。
先ず、反応知識ベース生成部4における第8図のソート
手段40は、個別反応データベース2中の反応条件ファイ
ル23に格納されている全ての反応条件を同一反応条件で
ソートし、その結果をソート済反応条件ファイル41に格
納する。そして、そのソート順と同一になるように個別
反応データベース2の反応中心ファイル22に格納された
内容をソートしてソート済反応中心ファイル42に格納す
る。
次に重複排除手段43は、ソート済反応条件ファイル41に
格納された同一反応条件X1に対応するソート済反応中心
ファイル42の内容中に重複した内容が存在するか否かを
調べ、存在していればその内の一つの内容を選択する。
即ち、前述したようにそれぞれ異なる個別反応例であっ
ても反応物,生成物の反応中心,反応中心環境が同一に
なるものが存在するので、それらの重複を排除するもの
である。重複排除手段43は上記の重複排除処理を終える
と、その反応条件X1に対応する反応テーブル101を確保
し、重複排除されたソート済反応中心ファイル42の内容
に従って反応テーブル101に第1図で説明したように反
応中心データ,反応中心環境データ及び方向性リンクを
逐次設定していく。そして、一つの反応テーブル101
生成が終了すると、残りの反応条件X2〜Xmに対応するソ
ート済反応中心ファイル42の内容について上述と同様な
処理を行なって、他の反応テーブル102〜10mを生成する
ことにより、反応知識ベース1を構築する。
なお、重複排除手段43は反応テーブルに方向性リンクを
設定すると、その方向性リンクにユニークな識別番号を
付与し、このリンク識別番号と、そのリンクで関連付け
られた元の個別反応例のID番号とを対にして個別反応検
索テーブル45に登録する。この個別反応検索テーブル45
は第2図の個別反応データベースアクセス部7から参照
可能であり、個別反応データベースアクセス部7は入力
装置6bからリンク識別番号をキーとする検索指示が入力
されると、個別反応検索テーブル45を参照して対応する
ID番号を取得し、個別反応データベース2中にそのID番
号と対応して格納されている反応物,生成物,反応条件
等を表示装置6aに表示する。
(III)反応予測 第9図に反応予測制御部3の内部構成例を示す。
本実施例の反応予測制御部3は、反応物と生成物とから
反応条件を予測する制御を行なう反応条件予測制御手段
30と、反応物と反応条件とから生成物を予測する制御を
行なう生成物予測制御手段31と、生成物から反応物と反
応条件を予測する制御を行なう反応物・反応条件予測制
御手段32と、反応物から生成物と反応条件を予測する制
御を行なう生成物・反応条件予測制御手段33と、生成物
と反応条件から反応物を予測する反応物予測制御手段34
と、解析手段35と、反応中心・環境抽出手段36と、官能
基・環境抽出手段37とで構成されている。上記の各手段
30〜34は何れも反応知識ベース1内の反応テーブルを探
索する処理を繰返すことを基本として目的とする対象の
予測を行なうものであり、それらの処理内容としては各
種の内容が採用可能である。以下では、各手段30〜34の
処理例を流れ図を参照して説明しているが、本発明は以
下に示す処理例にのみ限定されないことは勿論のことで
ある。
なお、本実施例は上述した各種要素の予測を行なえるよ
うにしたが、その内の一つ或いは複数種の要素の予測を
行なうだけで良い場合には、手段30〜34のうち必要のな
い手段は省略できる。
(i)反応条件予測;第10図及び第11図参照 或る反応物Aiから或る生成物Biを生成するのに必要な反
応条件Xiを化学反応予測装置に問う場合、利用者は、第
2図の入力装置6bから予測モードとして反応条件予測モ
ードを指定し、次いで反応物Aiの構造を特定するデータ
と生成物Biの構造を特定するデータとを入力する。反応
条件予測モードが指定されると、解析手段35は反応条件
予測制御手段30を選択し、入力された反応物データ,生
成物データを反応条件予測制御手段30に与える。
反応条件予測制御手段30は、第10図に示すように反応物
データ,生成物データを入力すると(S1−1)、反応中
心・環境抽出手段36を使用して反応物Aiの反応中心aci,
反応中心環境aeiおよび生成物Biの反応中心bci,反応中
心環境beiを取得する(S1−2)。なお、反応中心・環
境抽出手段36は第6図で説明した第4図の反応中心・環
境抽出手段51と同様に反応物,生成物の構造式を示すデ
ータを処理することにより自動的に反応中心,反応中心
環境を求める構成にしても良く、表示装置6aに反応物デ
ータ,生成物データを表示し、利用者から指定された部
分を各々反応中心,反応中心環境とする構成にしても良
い。
次に、反応条件予測制御手段30は反応知識ベース1の先
頭の反応テーブル101を取得し(S1−3)、この反応テ
ーブル101内に、ステップS1−2で求めた(aci,aei)の
情報を起点とし、(bci,bei)の情報に向かう方向性リ
ンクが存在するか否かを探索する(S1−5)。そして、
見つからなければ(S1−6でNOの場合)、次の反応テー
ブル102を取得するためにステップS1−3に戻り、探索
に成功すれば(S1−6でYESの場合)、探索に成功した
反応テーブル対応の反応条件を候補反応条件として記憶
し(S1−7)、次の反応テーブル102を取得するために
ステップS1−3に戻る。以上のような処理は、反応知識
ベース1に存在する全ての反応テーブルに対し行なわ
れ、ステップS1−4で全ての反応テーブルを処理し終え
たことを判定すると、ステップS1−8へ進む。
ステップS1−8では、候補反応条件が存在したか否かが
判定され、存在しなければ予測不可を表示装置6aに出力
し(S1−12)、処理を終える。他方、候補反応条件が一
つでも存在していれば、検証処理を行なう(S1−9)。
そしてこの検証処理の結果、妥当な予測反応条件があれ
ば(S1−10でYESの場合)、それを表示装置6aに出力し
(S1−11)、なければ予測不可を出力する(S1−12)。
ステップS1−9の検証処理の一例を、第11図のステップ
S1−20〜S1−28に示す。検証処理では、先ず一つの候補
反応条件を取出し(S1−20)、その候補反応条件に対応
する反応テーブルにおける(aci,aei)の情報から(bc
i,bei)の情報以外の情報へ向かう方向性リンク((bc
i,bei)を経由するものも含む)が存在するか否かを判
定する(S1−22)。この判定の結果、他の方向性リンク
が存在していることが判明した場合は、入力された反応
物Aiをその候補反応条件で反応させると、所望の反応物
Bi以外の反応物も同時に生成される可能性があるので、
今回の候補反応条件を予測反応条件にせず、ステップS1
−20に戻って次の候補反応条件について検証を行なう。
一方、ステップS1−23で他の方向性リンクが存在しない
と判明したときは、反応物Aiに存在し得る反応中心以外
の官能基acjおよびその環境aejが今回の候補反応条件の
下で変化しないかどうかを調べる。そのために、先ず反
応物Aiのデータを官能基・環境抽出手段37に渡して反応
物Aiの官能基とその環境を抽出させ(S1−24)、この抽
出された官能基中に反応中心に相当する官能基以外の官
能基がなければ(S1−25でYESの場合)、今回の候補反
応条件を予測反応条件として記憶し(S1−28)、ステッ
プS1−20に戻って次の候補反応条件を処理する。また、
反応中心以外の官能基があれば、今回の候補反応条件に
対応する反応テーブルにおいて(acj,aej)の情報を起
点とする方向性リンクが存在するか否かを探索し(S1−
26)、存在しなければ今回の候補反応条件を予測反応条
件とし、存在すれば今回の候補反応条件を捨ててステッ
プS1−20に戻る。
例えば第7図(a)に示したp−ニトロフェニルアセタ
ートを反応物,p−ニトロベンジルアルコールを生成物と
して与えて反応条件を予測させると、第10図のS1−7で
求まる候補反応条件としては試薬が「NaBH4+AlCl3」で
ある反応条件と、試薬が「LiAlH4」である反応条件とな
る。しかし、試薬が「LiAlH4」の反応条件の検証処理に
おける第11図のステップS1−24で反応物p−ニトロフェ
ニルアセタートの「NO2」が他の官能基,「NO2に隣接し
た原子とそれに連続した反応中心以外の原子および結合
で構成される構造特徴である芳香族環」がその環境とさ
れ、ステップS1−26の探索処理により、その反応条件下
では「NO2」が「NH2」に変化し得ることが判明し、入力
された生成物を生成し得ないことが分り、候補反応条件
から除外される。他方、試薬が「NaBH4+AlCl3」の反応
条件の検証処理におけるステップS1−24では反応物の
「NO2」が他の官能基,「NO2に隣接した原子とそれに連
続した反応中心以外の原子および結合で構成される構造
特徴である芳香族環」がその環境とされ、ステップS1−
26の探索処理では方向性リンクが見つからないので、最
終的に予測反応条件とされる。
なお、反応条件予測制御手段30は予測反応条件を表示装
置6aに出力する際、その予測結果を得る基礎となった方
向性リンクの識別番号を併せて表示装置6aに表示する。
利用者はこの表示された方向性リンクの識別番号を検索
キーとして個別反応データベースアクセス部7を起動す
ることにより、予測制御の基礎となった個別反応例を得
ることができる。以下の(ii)〜(v)においても同様
であり、個別反応例に対するフィードバックが簡単に行
なえる。
(ii)生成物予測;第12図参照 或る反応物Aiを或る反応条件Xi下で反応させたときに生
成される生成物Biを予測させる場合、利用者は、入力装
置6bから予測モードとして生成物予測モードを指定し、
次いで反応物Aiの構造を特定するデータと、反応条件Xi
を規定するデータとを入力する。生成物予測モードが指
定されると、解析手段35は生成物予測制御手段31を選択
し、入力された反応物データ,反応条件データを生成物
予測制御手段31に与える。
生成物予測制御手段31は、第12図に示すように反応物デ
ータ,反応条件データを入力し(S2−1)、その反応条
件に対応する反応テーブル10iを反応知識ベース1から
取得し(S2−2)、官能基・環境抽出手段37を使用して
反応物Aiの官能基aci,その環境aeiを取得する(S2−
3)。そして、上記の反応テーブル10i内に、ステップS
2−3で求めた(aci,aei)の情報を起点とする方向性リ
ンクが存在するか否かを探索する(S2−5)。そして、
見つからなければ(S2−6でNOの場合)、ステップS2−
3で求めた官能基は反応条件Xiでは反応しないと予想さ
れるので、ステップS2−3に戻って別の官能基について
同様の処理を試みる。また、ステップS2−5で方向性リ
ンクの存在を見つけた場合、その方向性リンクが指し示
す反応中心pci,反応中心環境peiを予測反応中心,予測
反応中心環境として記憶し(S2−7)、ステップS2−3
に戻って別の官能基について同様の処理を試みる。
入力された反応物Aiに関して必要なだけの官能基の処理
が終了したことがステップS2−4で判断されると、記憶
された予測反応中心,予測反応中心環境があるか否かを
判別し(S2−8)、なければ予測不可を表示装置6aに出
力する(S2−11)。また、予測反応中心,予測反応中心
環境があれば、それらと入力された生成物Aiのデータと
から予測生成物Biの構造を決定し(S2−9)、この予測
生成物Biを表示装置6aに出力する(S2−10)。
(iii)反応物・反応条件予測;第13図参照 或る生成物Biを生成するために必要な反応物Aiと反応条
件Xiを予測させる場合、利用者は、入力装置6bから予測
モードとして反応物・反応条件予測モードを指定し、次
いで生成物Biの構造を特定するデータを入力する。反応
物・反応条件予測モードが指定されると、解析手段35は
反応物・反応条件予測制御手段32を選択し、入力された
生成物データを反応物・反応条件予測制御手段32に与え
る。
反応物・反応条件予測制御手段32は、第13図に示すよう
に生成物データを入力し(S3−1)、官能基・環境抽出
手段37を使用して生成物Biの官能基bci,その環境beiを
抽出し(S3−2)、次に反応知識ベース1から先頭の反
応テーブル101を取得する(S3−4)。そして、反応テ
ーブル101内に、ステップS3−2で求めた(bci,bei)の
情報に向かう方向性リンクが存在するか否かを探索する
(S3−6)。この探索が成功しなければ(S3−7でNOの
場合)、ステップS3−2で求めた官能基は反応テーブル
101に対応する反応条件では変化しなかったと予想され
るので、ステップS3−4に戻って別の反応テーブルにつ
いて同様の処理を試みる。また、ステップS3−6で方向
性リンクの存在を見つけた場合、今回の反応条件を候補
反応条件として記憶すると共に、その候補反応条件に対
応して、上記方向性リンクが指し示す反応中心aci,反応
中心環境aeiを候補反応中心、候補反応中心環境として
記憶し(S3−8)、ステップS3−4に戻って次の反応テ
ーブルについて同様の処理を繰返す。
ステップS3−2で求めた一組の官能基,その環境につい
て知識ベース1の全ての反応テーブルに対する上述した
処理を終えたことがステップS3−5で判別されると、ス
テップS3−2に戻って次の官能基,その環境について上
述したと同様の処理を繰返す。そして、全ての官能基,
その環境の組についての処理を終えると、ステップS3−
3からステップS3−9へ進む。
ステップS3−9では、記憶された候補反応条件が存在し
たか否かが判別され、なければ予測不可を表示装置6aに
出力する(S3−16)。また候補反応条件があれば、一つ
の候補反応条件およびそれに対応して記憶された候補反
応中心,候補反応中心環境を取得し(S3−10)、入力さ
れた生成物Biと候補反応中心,候補反応中心環境とから
候補反応物を決定する(S3−12)。そして、この決定し
た候補反応物と候補反応条件とが妥当であるか否かの検
証を行なう(S3−13)。この検証方法としては、例えば
反応条件予測制御手段30に候補反応物と生成物Biとから
反応条件を予測させ、その予測結果が上記の候補反応条
件と一致するか否か等により行なうことができる。この
検証の結果、妥当な候補反応条件と候補反応物であれ
ば、それらを予測反応条件,予測反応物として表示装置
6aに出力し(S3−15)、次の候補反応条件を処理するた
めにステップS3−10に戻る。また妥当でないときは今回
の候補反応条件と候補反応物を捨ててステップS3−10へ
戻る。そして、ステップS3−11で全ての候補反応条件に
ついて処理を終了したことを判別したとき、反応物・反
応条件の予測制御処理を終了する。
(iv)生成物・反応条件予測;第14図参照 或る反応物Aiから生成することができる生成物Biとその
ときの反応条件Xiを予測させる場合、利用者は、入力装
置6bから予測モードとして生成物・反応条件予測モード
を指定し、次いで反応物Aiの構造を特定するデータを入
力する。生成物・反応条件予測モードが指定されると、
解析手段35は生成物・反応条件予測制御手段33を選択
し、入力された反応物データを生成物・反応条件予測制
御手段33に与える。
生成物・反応条件予測制御手段33は、第14図に示すよう
に反応物データを入力し(S4−1)、官能基・環境抽出
手段37を使用して反応物Aiの官能基aci,その環境aeiを
取得し(S4−2)、次に反応知識ベース1から先頭の反
応テーブル101を取得する(S4−4)。そして、反応テ
ーブル101内に、ステップS4−2で求めた(aci,aei)の
情報から外へ向かう方向性リンクが存在するか否かを探
索する(S4−6)。この探索が成功しなければ(S4−7
でNOの場合)、ステップS4−2で求めた官能基は反応テ
ーブル101に対応する反応条件では変化しなかったと予
想されるので、ステップS4−4に戻って別の反応テーブ
ルについて同様の処理を試みる。また、ステップS4−6
で方向性リンクの存在を見つけた場合、今回の反応条件
を予測反応条件として記憶すると共に、その予測反応条
件に対応して、上記方向性リンクが指し示す反応中心bc
i,反応中心環境beiを予測反応中心,予測反応中心環境
として記憶し(S4−8)、ステップS4−4に戻って次の
反応テーブルについて同様の処理を繰返す。
ステップS4−2で求めた一組の官能基,その環境につい
て知識ベース1の全ての反応テーブルに対する上述した
処理を終えたことがステップS4−5で判別されると、ス
テップS4−2に戻って次の官能基,その環境について上
述したと同様の処理を繰返す。そして、全ての官能基,
その環境についての処理を終えると、ステップS4−3か
らステップS4−9へ進む。
ステップS4−9では、記憶された予測反応条件が存在す
るか否かが判別され、なければ予測不可を表示装置6aに
出力する(S4−16)。また予測反応条件があれば、一つ
の予測反応条件およびそれに対応して記憶された予測反
応中心,予測反応中心環境を取得し(S4−10)、入力さ
れた反応物Aiと予測反応中心,予測反応中心環境とから
予測生成物を決定する(S4−12)。そして、この決定し
た予測反応物と予測反応条件とを表示装置6aに出力し
(S4−13)、次の予測反応条件を処理するためにステッ
プS4−10に戻る。そして、ステップS4−11で全ての予測
反応条件について処理を終了したことを判別したとき、
生成物・反応条件の予測制御処理を終了する。
(v)反応物予測;第15図参照 生成物Biと反応条件Xiとを与え、反応物Aiを予測させる
場合、利用者は、入力装置6bから予測モードとして反応
物予測モードを指定し、次いで生成物Biの構造を特定す
るデータと、反応条件Xiとを入力する。反応物予測モー
ドが指定されると、解析手段35は反応物予測制御手段34
を選択し、入力された生成物データ,反応条件データを
反応物予測制御手段34に与える。
反応物予測制御手段34は、第15図に示すように生成物デ
ータ,反応条件データを入力し(S5−1)、その反応条
件に対応する反応テーブル10iを知識ベース1から取得
し(S5−2)、官能基・環境抽出手段37を使用して生成
物Biの官能基bci,その環境beiを取得する(S5−3)。
そして、上記の反応テーブル10i内に、ステップS5−3
で求めた(bci,bei)の情報に向かう方向の方向性リン
クが存在するか否かを探索する(S5−5)。そして、見
つからなければ(S5−6でNOの場合)、ステップS5−3
で求めた官能基は反応条件Xi下で反応されてできてはい
ないと予想されるので、ステップS5−3に戻って別の官
能基について同様の処理を試みる。また、ステップS5−
5で方向性リンクの存在を見つけた場合、その方向性リ
ンクが指し示す反応中心aci,反応中心環境aeiを候補反
応中心,候補反応中心環境として記憶し(S5−7)、ス
テップS5−3に戻って別の官能基について同様の処理を
試みる。
入力された生成物Biに関して全ての官能基の処理が終了
したことがステップS5−4で判断されると、記憶された
候補反応中心,候補反応中心環境があるか否かを判別し
(S5−8)、なければ予測不可を表示装置6aに出力する
(S5−13)。また、候補反応中心,候補反応中心環境が
あれば、それらと入力された生成物Biのデータとから候
補反応物Aiの構造を決定し(S5−9)、この候補反応物
Aiが妥当か否かを検証する(S5−10)。この検証方法と
しては、例えば反応条件予測制御手段30に候補反応物と
生成物Biとから反応条件を予測させ、その予測結果が入
力された反応条件Xiと一致するか否か等により行なうこ
とができる。この検証の結果、妥当な候補反応物であれ
ば、それを予測反応物として表示装置6aに出力し(S5−
12)、妥当でないときは、予測不可を通知する(S5−1
3)。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明は、反応条件対応の反応テ
ーブルを有し、各反応テーブルに、その反応条件の下で
行なわれた個別反応例から抽出した反応物の反応中心と
反応中心環境とに関する情報,及びこの情報と方向性を
持つリンクにより関連せしめられた生成物の反応中心と
反応中心環境とに関する情報を設定した反応知識ベース
を使用することにより、同一の反応知識ベースを使用し
て、反応物と生成物とから反応条件を予測したり、生成
物から反応物,反応条件を予測したり、反応物から生成
物,反応条件を予測したり、その他各種の要素を予測す
ることが可能になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は反応知識ベース1の構成例を示す図、 第2図は本発明の実施例のブロック図、 第3図は本発明の実施例のハードウェア構成例を示す
図、 第4図は個別反応データベース生成の説明図、 第5図は個別反応データベースの内容説明図、 第6図は反応中心,環境抽出手段51の処理例の流れ図、 第7図は個別反応例を示す図、 第8図は反応知識ベース生成の説明図、 第9図は反応予測制御の説明図、 第10図は反応条件予測制御手段30の処理例の流れ図、 第11図は検証処理例を示す流れ図、 第12図は生成物予測制御手段31の処理例の流れ図、 第13図は反応物・反応条件予測制御手段32の処理例の流
れ図、 第14図は生成物・反応条件予測制御手段33の処理例の流
れ図および、 第15図は反応物予測制御手段34の処理例の流れ図であ
る。 図において、 1……反応知識ベース 3……反応予測制御部 6……入出力装置 6a……表示装置 6b……入力装置 101〜10m……反応テーブル
フロントページの続き (72)発明者 小寺 範生 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番98 号 住友化学工業株式会社大阪研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応物,反応条件,生成物の三つの要素で
    構成される化学反応のうち入力装置から入力された予測
    対象要素以外の要素から前記予測対象要素を予測し予測
    結果を出力装置に出力する化学反応予測装置において、 反応条件対応の反応テーブルを含み、各反応テーブルに
    はその反応条件の下で行なわれた個別化学反応における
    反応物の反応中心と反応中心環境とに関する情報,およ
    び該情報と方向性を持つリンクにより関連せしめられた
    生成物の反応中心と反応中心環境とに関する情報が設定
    されている反応知識ベースと、 前記入力装置から入力される前記予測対象要素以外の要
    素に基づき、前記反応知識ベース中の反応テーブルに設
    定された反応中心と反応中心環境とに関する情報,方向
    性リンクの存在を探索する処理を繰返すことにより前記
    予測対象要素を予測し、該予測結果を前記出力装置に出
    力する反応予測制御部とを具備したことを特徴とする化
    学反応予測装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の化学反応予測
    装置において、 前記反応予測制御部は反応条件予測制御手段を有し、該
    反応条件予測制御手段は、前記入力装置から入力された
    反応物,生成物の反応中心,反応中心環境に関する情報
    に従って前記反応知識ベースにおける各反応テーブルを
    探索し、入力された反応物の反応中心と反応中心環境と
    に関する情報から生成物の反応中心と反応中心環境とに
    関する情報へ向かう方向の方向性リンクの存在が判明し
    た反応テーブル対応の反応条件を予測反応条件の候補と
    することを特徴とする化学反応予測装置。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項記載の化学反応予測
    装置において、 前記反応予測制御部は生成物予測制御手段を有し、該生
    成物予測制御手段は、前記入力装置から入力された反応
    物の反応中心と反応中心環境とに関する情報および反応
    条件に従って前記反応知識ベースを探索し、前記入力さ
    れた反応条件に対応する反応テーブル中に、前記入力さ
    れた反応物の反応中心と反応中心環境とに関する情報か
    ら外に向かう方向の方向性リンクの存在の判明に応答し
    て、該方向性リンクが指し示す反応中心及び反応中心環
    境を部分構造として持つ生成物を予測生成物の候補とす
    ることを特徴とする化学反応予測装置。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項記載の化学反応予測
    装置において、 前記反応予測制御部は反応物・反応条件予測制御手段を
    有し、該反応物・反応条件予測制御手段は、前記入力装
    置から入力された生成物の反応中心と反応中心環境とに
    関する情報に従って前記反応知識ベースの各反応テーブ
    ルを探索し、前記入力された生成物の反応中心と反応中
    心環境とに関する情報へ向かう方向の方向性リンクの存
    在の判明に応答して、該方向性リンクの存在した反応テ
    ーブル対応の反応条件を予測反応条件の候補とすると共
    に、前記方向性リンクが指し示す反応中心及び反応中心
    環境を部分構造として持つ反応物を予測反応物の候補と
    することを特徴とする化学反応予測装置。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項記載の化学反応予測
    装置において、 前記反応予測制御部は生成物・反応条件予測制御手段を
    有し、該生成部・反応条件予測制御手段は、前記入力装
    置から入力された反応物の反応中心と反応中心環境とに
    関する情報に従って前記反応知識ベースの各反応テーブ
    ルを探索し、前記入力された反応物の反応中心と反応中
    心環境とに関する情報から外へ向かう方向の方向性リン
    クの存在の判明に応答して、該方向性リンクの存在した
    反応テーブル対応の反応条件を予測反応条件の候補とす
    ると共に、前記方向性リンクが指し示す反応中心及び反
    応中心環境を部分構造として持つ生成物を予測生成物の
    候補とすることを特徴とする化学反応予測装置。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項記載の化学反応予測
    装置において、 前記反応予測制御部は反応物予測制御手段を有し、該反
    応物予測制御手段は、前記入力装置から入力された生成
    物の反応中心と反応中心環境とに関する情報,反応条件
    に従って前記反応知識ベースを探索し、前記入力された
    反応条件に対応する反応テーブル中に、前記入力された
    生成物の反応中心と反応中心環境とに関する情報に向か
    う方向の方向性リンクの存在の判明に応答して、該方向
    性リンクが指し示す反応中心及び反応中心環境を部分構
    造として持つ反応物を予測反応物の候補とすることを特
    徴とする化学反応予測装置。
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